秋田県の隣の隣が新潟県だが、東北地方でないためか、秋田との交流は多くない。
公共交通機関は、秋田港と新潟港を結ぶフェリーがほぼ毎日1便。あとはJR羽越本線・白新線経由(山形県庄内地方を通る)の特急「いなほ」が1日3往復あるだけ。高速道路自体が未整備だが、高速バスなどはない(某社長さんは運行したい構想があるようだが…)。
秋田県沿岸南部の本荘由利地域から首都圏へ向かう場合は、いなほ+上越新幹線のコースを使う人も多いが、秋田市からこのルートを使う人は、どこかの物好きさん(ここにいます!)くらいだろうか。時間はかかるけど、車窓はきれいだし、途中の駅弁や笹団子も魅力的。
ただ、震災の時に経験したように、太平洋側の交通網を補完するものとして、もっと重要視されてもいい。高速化や増便、強風対策にもっと力をいれるべきだと思う。由利地域や山形県庄内地方の自治体が、羽越線高速化を要望する組織を作ったりはしているようだが、どこまで真剣でどこまで実現性があるのか…
さて、2007年に政令指定都市となった日本海側屈指の大都市・新潟市の玄関口、新潟駅。(以前の旅行記で少し触れています)
駅構造は上越新幹線開業前からの構造を残したものだが、ついにそれを高架駅とするべく工事が行われ、本格化している。
昨日・10月30日・日曜日(29日深夜~30日14時)と、12月18日・日曜日(17日深夜~18日10時)には、新潟駅周辺の在来線列車をすべて運休して、大規模な高架化工事が行われる。
新潟近郊ではバス代行などが行われたが、273.0キロ(新潟-秋田の営業キロ)離れた秋田でも、若干の影響があった。
10月24日付でJR東日本秋田支社のサイトにアップされた文書「新潟駅付近連続立体交差事業新潟駅付近高架化工事に伴う列車の運休及びバス代行輸送について」(秋田支社名義)によれば、該当時間に新潟駅を発着する、特急「いなほ」が運休となり、代わりに快速列車が運行されるという。
秋田支社の文書より
上り4本、下り3本が該当するが、酒田発着便もあるので、秋田で影響を受けるのは下りの1号、5号と上りの8号の3本。
秋田支社の文書には「豊栄~酒田・秋田間は臨時快速列車として運転」とあった。
つまり、新潟-豊栄(とよさか)間15キロだけを運休し、豊栄からこっち(秋田)側は、同じ時刻の快速として運転するのかと受け取れる言い回しだ。
しかし、新潟支社サイトや秋田駅に掲示されていた告知ポスター、時刻表を見ると、そうではなかった。いなほ1本に対し、2本の臨時快速が運転されるものもあった!
以下に運休となる「いなほ」ごとに、時刻を抜粋する。
下りは、
下りでは、それぞれのいなほに対して2本の快速が運行されている。
どうも、「豊栄発が通常よりやや早く、以降は通常のいなほとほぼ同時間帯のもの」と「豊栄発が通常より1時間ほど遅く、若干所要時間がかかるもの」がある。
これは、新潟-豊栄間はバス代行となるため時間がかかることを考慮し、上越新幹線から乗り継ぐ人の便宜を計ったのではないだろうか。いなほの最大の使命「新幹線接続」を果たすために。
だったら、早い時間の方の臨時快速はなくてもよさそうだが。
使用される車両だが、車両の数や電源・運用区間を考慮すると、快速といえども通常の「いなほ」用の特急車両(新潟所属)が使われると考えられる。
下りの増発分は、使い終わった車両を新潟まで回送する必要が生じてしまうはずだけど。(平常ダイヤに近い方の下り快速は、通常通り上り特急として折り返して新潟へ向かう)
乗客の立場としては、JR側の都合によるものとはいえ、ずいぶんと手厚いサービスだ。新幹線と乗り継ぐ人にしてみれば迷惑な話だが、羽越線内だけを利用する人にしてみれば、特急並みの時間で、特急券なしで特急車両に乗車でき、しかも下りは通常より運転本数が多い、と、いいことずくめに思える。「特急車両無料開放デー」みたいな感じか。
いなほ8号代替の上りの快速発車時間に、秋田駅に行ってみた。
みどりの窓口前と改札口前には掲示があり、駅員に尋ねる乗客もいた。
構内の案内放送は聞こえなかったが、知らずに特急券(自由席)を買ってしまった人には、払い戻しすることの周知はされたのか、ちょっと気になった。(車内で案内があっただろうけど)
改札口上の発車標は、
「臨時快速 豊栄」
行き先「豊栄」を赤文字で表示したのは、強調の意味か。秋田発豊栄行きの列車が運転されるのは、後にも先にも今回しかないかもしれない。
3行目では、スクロール表示で運休の理由などを説明。
「豊栄~新潟間はバスによる代行となります」
改札内の表示も「臨時快速 豊栄」
「ご迷惑をおかけいたします。申し訳ございません。」と表示されるが、秋田駅から新潟へ向かう人は多くないはずだし、タダで特急に乗れるのだから、むしろラッキー?!
ただ、
「停車駅はいなほ8号と同じです。」って…
2行目の「停車駅」欄は、タイトルだけで肝心の駅名は表示されない。(通常の「いなほ」なら、「羽後本荘、仁賀保、象潟…」と表示されるはず)
さらに、「いなほと同じです」と言われたって、この日初めてこの区間に乗車する人だっているかもしれないのだから、不親切。
装置がおかしいのか、入力する人がおかしいのか分からないが、秋田駅の発車標ってヘン!
そういえば英語表示にもならなかった。
どんな車両が使われているか、いちおう自由通路から確認してみた。
場所的に、後ろ姿しか見えない
やはり、「いなほ」用の485系電車6両編成だった。これは、リニューアル工事を受けた「485系3000番台」。(その中で「R21編成」と個別に名付けられた車両だった)
普通車は全車両自由席だと思われるが、半室のグリーン車はどうだったんだろう? わざわざグリーン券を設定・発売するのは現実的でないから、「グリーン席も普通車として開放」か、「閉鎖」のどちらかだろう。
(再掲)普段は「いなほ」として走る485系3000番台。マークの稲は色づいて頭を垂れるアニメーション
車両の先頭と後部のマークは、「快速」か「臨時」の文字だけではないかと予測していた。
3000番台はLED式のマーク。前は確認できないが後部は、
白い?
LEDは消灯しても真っ黒いので、白いことはあり得ない。アップすると、
シワがよってる
これって、
白い紙(か布)を入れてるんじゃ…
おそらく、LEDが故障したための対処。
そうえいば、少し前、鉄道写真を掲載されているブログで、いなほ用の車両の中に正面のLED部分がこの状態になっている車両があるという情報を見たことがあった。ある程度長期に渡ってこの状態で走っているようだ。
ドアの横にも表示装置があるから、正面のはそれほど重要ではないとはいえ、特急料金を取って乗せる特急列車なのだから、設備面でも不備のないようにしてほしい。
これじゃあ「快速・リゾートしらかみ(よく間違って白神と漢字表記される)」ならぬ「快速・白紙(しらかみ)」だ!
※他の車両を使った臨時快速は「快速」表示で運転されたようだ。
12月18日の工事では、秋田関連では「いなほ1号」関連の部分だけ、今回と同じダイヤで運行される予定(他は通常ダイヤ)。
※ご利用の際は、掲示や駅等でご確認ください。
【2018年2月12日追記】新潟駅高架化工事完成が間近になった、2018年4月14日・土曜日にも、同様に豊栄-秋田でいなほと同時刻の快速が運行される。2011年よりは本数が多くないようだ。また、車両は485系からE653系に替わっているから、さらに乗り得になるけれど、E653系の1両まるまるのグリーン車(485系は先頭車半室だった)はどうするのだろう。※実際のレポート。
【2022年6月9日追記】新潟駅高架化の最終段階として、2022年6月4日・土曜日にも同様の工事。(酒田止まりも含む)いなほ全列車が豊栄発着の快速とされた。
13日にアップした、広小路のアーケード撤去。
29日の新聞によれば、当初、広小路のアーケード全てを撤去することにしていたが、管理する商店街の組合内部で、撤去せずに活用できないかという声が出て、再検討しているという。(13日の記事末尾に追記しています)
といっても、屋根部分は撤去され、柱を残すことにして活用を探っているようなので、どっちみち「アーケードがなくなる」ことには変わりない。
未練がましく「形見として柱だけ残そう」と言っているように思えなくもない。
公共交通機関は、秋田港と新潟港を結ぶフェリーがほぼ毎日1便。あとはJR羽越本線・白新線経由(山形県庄内地方を通る)の特急「いなほ」が1日3往復あるだけ。高速道路自体が未整備だが、高速バスなどはない(某社長さんは運行したい構想があるようだが…)。
秋田県沿岸南部の本荘由利地域から首都圏へ向かう場合は、いなほ+上越新幹線のコースを使う人も多いが、秋田市からこのルートを使う人は、どこかの物好きさん(ここにいます!)くらいだろうか。時間はかかるけど、車窓はきれいだし、途中の駅弁や笹団子も魅力的。
ただ、震災の時に経験したように、太平洋側の交通網を補完するものとして、もっと重要視されてもいい。高速化や増便、強風対策にもっと力をいれるべきだと思う。由利地域や山形県庄内地方の自治体が、羽越線高速化を要望する組織を作ったりはしているようだが、どこまで真剣でどこまで実現性があるのか…
さて、2007年に政令指定都市となった日本海側屈指の大都市・新潟市の玄関口、新潟駅。(以前の旅行記で少し触れています)
駅構造は上越新幹線開業前からの構造を残したものだが、ついにそれを高架駅とするべく工事が行われ、本格化している。
昨日・10月30日・日曜日(29日深夜~30日14時)と、12月18日・日曜日(17日深夜~18日10時)には、新潟駅周辺の在来線列車をすべて運休して、大規模な高架化工事が行われる。
新潟近郊ではバス代行などが行われたが、273.0キロ(新潟-秋田の営業キロ)離れた秋田でも、若干の影響があった。
10月24日付でJR東日本秋田支社のサイトにアップされた文書「新潟駅付近連続立体交差事業新潟駅付近高架化工事に伴う列車の運休及びバス代行輸送について」(秋田支社名義)によれば、該当時間に新潟駅を発着する、特急「いなほ」が運休となり、代わりに快速列車が運行されるという。
秋田支社の文書より
上り4本、下り3本が該当するが、酒田発着便もあるので、秋田で影響を受けるのは下りの1号、5号と上りの8号の3本。
秋田支社の文書には「豊栄~酒田・秋田間は臨時快速列車として運転」とあった。
つまり、新潟-豊栄(とよさか)間15キロだけを運休し、豊栄からこっち(秋田)側は、同じ時刻の快速として運転するのかと受け取れる言い回しだ。
しかし、新潟支社サイトや秋田駅に掲示されていた告知ポスター、時刻表を見ると、そうではなかった。いなほ1本に対し、2本の臨時快速が運転されるものもあった!
以下に運休となる「いなほ」ごとに、時刻を抜粋する。
2008M いなほ8号 秋田9:10→豊栄12:45→新潟12:58 (運休)
9828M 臨時快速 秋田9:10→豊栄12:47
上りについては、通常のいなほとほぼ同一ダイヤの臨時快速。9828M 臨時快速 秋田9:10→豊栄12:47
下りは、
2001M いなほ1号 新潟8:34→豊栄8:50→酒田10:48→秋田12:11 (運休)
9819M 臨時快速 豊栄8:23→酒田10:48→秋田12:14
9821M 臨時快速 豊栄9:42→酒田12:00→秋田13:42
2005M いなほ5号 新潟12:30→豊栄12:46→酒田14:45→秋田16:10 (運休)
9823M 臨時快速 豊栄11:59→酒田14:17~14:45→秋田16:11
9825M 臨時快速 豊栄13:37→酒田16:08→秋田17:49
「9823M」は途中の鶴岡-酒田間は各駅停車になる。これは同区間では毎日運転される普通列車のダイヤを流用している(当日は運休となる)ためのようだ。9819M 臨時快速 豊栄8:23→酒田10:48→秋田12:14
9821M 臨時快速 豊栄9:42→酒田12:00→秋田13:42
2005M いなほ5号 新潟12:30→豊栄12:46→酒田14:45→秋田16:10 (運休)
9823M 臨時快速 豊栄11:59→酒田14:17~14:45→秋田16:11
9825M 臨時快速 豊栄13:37→酒田16:08→秋田17:49
下りでは、それぞれのいなほに対して2本の快速が運行されている。
どうも、「豊栄発が通常よりやや早く、以降は通常のいなほとほぼ同時間帯のもの」と「豊栄発が通常より1時間ほど遅く、若干所要時間がかかるもの」がある。
これは、新潟-豊栄間はバス代行となるため時間がかかることを考慮し、上越新幹線から乗り継ぐ人の便宜を計ったのではないだろうか。いなほの最大の使命「新幹線接続」を果たすために。
だったら、早い時間の方の臨時快速はなくてもよさそうだが。
使用される車両だが、車両の数や電源・運用区間を考慮すると、快速といえども通常の「いなほ」用の特急車両(新潟所属)が使われると考えられる。
下りの増発分は、使い終わった車両を新潟まで回送する必要が生じてしまうはずだけど。(平常ダイヤに近い方の下り快速は、通常通り上り特急として折り返して新潟へ向かう)
乗客の立場としては、JR側の都合によるものとはいえ、ずいぶんと手厚いサービスだ。新幹線と乗り継ぐ人にしてみれば迷惑な話だが、羽越線内だけを利用する人にしてみれば、特急並みの時間で、特急券なしで特急車両に乗車でき、しかも下りは通常より運転本数が多い、と、いいことずくめに思える。「特急車両無料開放デー」みたいな感じか。
いなほ8号代替の上りの快速発車時間に、秋田駅に行ってみた。
みどりの窓口前と改札口前には掲示があり、駅員に尋ねる乗客もいた。
構内の案内放送は聞こえなかったが、知らずに特急券(自由席)を買ってしまった人には、払い戻しすることの周知はされたのか、ちょっと気になった。(車内で案内があっただろうけど)
改札口上の発車標は、
「臨時快速 豊栄」
行き先「豊栄」を赤文字で表示したのは、強調の意味か。秋田発豊栄行きの列車が運転されるのは、後にも先にも今回しかないかもしれない。
3行目では、スクロール表示で運休の理由などを説明。
「豊栄~新潟間はバスによる代行となります」
改札内の表示も「臨時快速 豊栄」
「ご迷惑をおかけいたします。申し訳ございません。」と表示されるが、秋田駅から新潟へ向かう人は多くないはずだし、タダで特急に乗れるのだから、むしろラッキー?!
ただ、
「停車駅はいなほ8号と同じです。」って…
2行目の「停車駅」欄は、タイトルだけで肝心の駅名は表示されない。(通常の「いなほ」なら、「羽後本荘、仁賀保、象潟…」と表示されるはず)
さらに、「いなほと同じです」と言われたって、この日初めてこの区間に乗車する人だっているかもしれないのだから、不親切。
装置がおかしいのか、入力する人がおかしいのか分からないが、秋田駅の発車標ってヘン!
そういえば英語表示にもならなかった。
どんな車両が使われているか、いちおう自由通路から確認してみた。
場所的に、後ろ姿しか見えない
やはり、「いなほ」用の485系電車6両編成だった。これは、リニューアル工事を受けた「485系3000番台」。(その中で「R21編成」と個別に名付けられた車両だった)
普通車は全車両自由席だと思われるが、半室のグリーン車はどうだったんだろう? わざわざグリーン券を設定・発売するのは現実的でないから、「グリーン席も普通車として開放」か、「閉鎖」のどちらかだろう。
(再掲)普段は「いなほ」として走る485系3000番台。マークの稲は色づいて頭を垂れるアニメーション
車両の先頭と後部のマークは、「快速」か「臨時」の文字だけではないかと予測していた。
3000番台はLED式のマーク。前は確認できないが後部は、
白い?
LEDは消灯しても真っ黒いので、白いことはあり得ない。アップすると、
シワがよってる
これって、
白い紙(か布)を入れてるんじゃ…
おそらく、LEDが故障したための対処。
そうえいば、少し前、鉄道写真を掲載されているブログで、いなほ用の車両の中に正面のLED部分がこの状態になっている車両があるという情報を見たことがあった。ある程度長期に渡ってこの状態で走っているようだ。
ドアの横にも表示装置があるから、正面のはそれほど重要ではないとはいえ、特急料金を取って乗せる特急列車なのだから、設備面でも不備のないようにしてほしい。
これじゃあ「快速・リゾートしらかみ(よく間違って白神と漢字表記される)」ならぬ「快速・白紙(しらかみ)」だ!
※他の車両を使った臨時快速は「快速」表示で運転されたようだ。
12月18日の工事では、秋田関連では「いなほ1号」関連の部分だけ、今回と同じダイヤで運行される予定(他は通常ダイヤ)。
※ご利用の際は、掲示や駅等でご確認ください。
【2018年2月12日追記】新潟駅高架化工事完成が間近になった、2018年4月14日・土曜日にも、同様に豊栄-秋田でいなほと同時刻の快速が運行される。2011年よりは本数が多くないようだ。また、車両は485系からE653系に替わっているから、さらに乗り得になるけれど、E653系の1両まるまるのグリーン車(485系は先頭車半室だった)はどうするのだろう。※実際のレポート。
【2022年6月9日追記】新潟駅高架化の最終段階として、2022年6月4日・土曜日にも同様の工事。(酒田止まりも含む)いなほ全列車が豊栄発着の快速とされた。
13日にアップした、広小路のアーケード撤去。
29日の新聞によれば、当初、広小路のアーケード全てを撤去することにしていたが、管理する商店街の組合内部で、撤去せずに活用できないかという声が出て、再検討しているという。(13日の記事末尾に追記しています)
といっても、屋根部分は撤去され、柱を残すことにして活用を探っているようなので、どっちみち「アーケードがなくなる」ことには変わりない。
未練がましく「形見として柱だけ残そう」と言っているように思えなくもない。