広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

豊栄行き 快速白紙?

2011-10-31 21:13:08 | 秋田のいろいろ
秋田県の隣の隣が新潟県だが、東北地方でないためか、秋田との交流は多くない。
公共交通機関は、秋田港と新潟港を結ぶフェリーがほぼ毎日1便。あとはJR羽越本線・白新線経由(山形県庄内地方を通る)の特急「いなほ」が1日3往復あるだけ。高速道路自体が未整備だが、高速バスなどはない(某社長さんは運行したい構想があるようだが…)。
秋田県沿岸南部の本荘由利地域から首都圏へ向かう場合は、いなほ+上越新幹線のコースを使う人も多いが、秋田市からこのルートを使う人は、どこかの物好きさん(ここにいます!)くらいだろうか。時間はかかるけど、車窓はきれいだし、途中の駅弁や笹団子も魅力的。
ただ、震災の時に経験したように、太平洋側の交通網を補完するものとして、もっと重要視されてもいい。高速化や増便、強風対策にもっと力をいれるべきだと思う。由利地域や山形県庄内地方の自治体が、羽越線高速化を要望する組織を作ったりはしているようだが、どこまで真剣でどこまで実現性があるのか…



さて、2007年に政令指定都市となった日本海側屈指の大都市・新潟市の玄関口、新潟駅。(以前の旅行記で少し触れています)
駅構造は上越新幹線開業前からの構造を残したものだが、ついにそれを高架駅とするべく工事が行われ、本格化している。

昨日・10月30日・日曜日(29日深夜~30日14時)と、12月18日・日曜日(17日深夜~18日10時)には、新潟駅周辺の在来線列車をすべて運休して、大規模な高架化工事が行われる。
新潟近郊ではバス代行などが行われたが、273.0キロ(新潟-秋田の営業キロ)離れた秋田でも、若干の影響があった。

10月24日付でJR東日本秋田支社のサイトにアップされた文書「新潟駅付近連続立体交差事業新潟駅付近高架化工事に伴う列車の運休及びバス代行輸送について」(秋田支社名義)によれば、該当時間に新潟駅を発着する、特急「いなほ」が運休となり、代わりに快速列車が運行されるという。
秋田支社の文書より
上り4本、下り3本が該当するが、酒田発着便もあるので、秋田で影響を受けるのは下りの1号、5号と上りの8号の3本。
秋田支社の文書には「豊栄~酒田・秋田間は臨時快速列車として運転」とあった。
つまり、新潟-豊栄(とよさか)間15キロだけを運休し、豊栄からこっち(秋田)側は、同じ時刻の快速として運転するのかと受け取れる言い回しだ。

しかし、新潟支社サイトや秋田駅に掲示されていた告知ポスター、時刻表を見ると、そうではなかった。いなほ1本に対し、2本の臨時快速が運転されるものもあった!
以下に運休となる「いなほ」ごとに、時刻を抜粋する。
2008M いなほ8号 秋田9:10→豊栄12:45→新潟12:58 (運休)
9828M 臨時快速 秋田9:10→豊栄12:47
上りについては、通常のいなほとほぼ同一ダイヤの臨時快速。

下りは、
2001M いなほ1号 新潟8:34→豊栄8:50→酒田10:48→秋田12:11 (運休)
9819M 臨時快速 豊栄8:23→酒田10:48→秋田12:14
9821M 臨時快速 豊栄9:42→酒田12:00→秋田13:42

2005M いなほ5号 新潟12:30→豊栄12:46→酒田14:45→秋田16:10 (運休)
9823M 臨時快速 豊栄11:59→酒田14:17~14:45→秋田16:11
9825M 臨時快速 豊栄13:37→酒田16:08→秋田17:49
「9823M」は途中の鶴岡-酒田間は各駅停車になる。これは同区間では毎日運転される普通列車のダイヤを流用している(当日は運休となる)ためのようだ。

下りでは、それぞれのいなほに対して2本の快速が運行されている。
どうも、「豊栄発が通常よりやや早く、以降は通常のいなほとほぼ同時間帯のもの」と「豊栄発が通常より1時間ほど遅く、若干所要時間がかかるもの」がある。
これは、新潟-豊栄間はバス代行となるため時間がかかることを考慮し、上越新幹線から乗り継ぐ人の便宜を計ったのではないだろうか。いなほの最大の使命「新幹線接続」を果たすために。
だったら、早い時間の方の臨時快速はなくてもよさそうだが。


使用される車両だが、車両の数や電源・運用区間を考慮すると、快速といえども通常の「いなほ」用の特急車両(新潟所属)が使われると考えられる。
下りの増発分は、使い終わった車両を新潟まで回送する必要が生じてしまうはずだけど。(平常ダイヤに近い方の下り快速は、通常通り上り特急として折り返して新潟へ向かう)

乗客の立場としては、JR側の都合によるものとはいえ、ずいぶんと手厚いサービスだ。新幹線と乗り継ぐ人にしてみれば迷惑な話だが、羽越線内だけを利用する人にしてみれば、特急並みの時間で、特急券なしで特急車両に乗車でき、しかも下りは通常より運転本数が多い、と、いいことずくめに思える。「特急車両無料開放デー」みたいな感じか。


いなほ8号代替の上りの快速発車時間に、秋田駅に行ってみた。
みどりの窓口前と改札口前には掲示があり、駅員に尋ねる乗客もいた。
構内の案内放送は聞こえなかったが、知らずに特急券(自由席)を買ってしまった人には、払い戻しすることの周知はされたのか、ちょっと気になった。(車内で案内があっただろうけど)

改札口上の発車標は、
「臨時快速 豊栄」
行き先「豊栄」を赤文字で表示したのは、強調の意味か。秋田発豊栄行きの列車が運転されるのは、後にも先にも今回しかないかもしれない。
3行目では、スクロール表示で運休の理由などを説明。
「豊栄~新潟間はバスによる代行となります」

改札内の表示も「臨時快速 豊栄」
「ご迷惑をおかけいたします。申し訳ございません。」と表示されるが、秋田駅から新潟へ向かう人は多くないはずだし、タダで特急に乗れるのだから、むしろラッキー?!

ただ、
「停車駅はいなほ8号と同じです。」って…
2行目の「停車駅」欄は、タイトルだけで肝心の駅名は表示されない。(通常の「いなほ」なら、「羽後本荘、仁賀保、象潟…」と表示されるはず)
さらに、「いなほと同じです」と言われたって、この日初めてこの区間に乗車する人だっているかもしれないのだから、不親切。
装置がおかしいのか、入力する人がおかしいのか分からないが、秋田駅の発車標ってヘン!
そういえば英語表示にもならなかった。

どんな車両が使われているか、いちおう自由通路から確認してみた。
場所的に、後ろ姿しか見えない
やはり、「いなほ」用の485系電車6両編成だった。これは、リニューアル工事を受けた「485系3000番台」。(その中で「R21編成」と個別に名付けられた車両だった)
普通車は全車両自由席だと思われるが、半室のグリーン車はどうだったんだろう? わざわざグリーン券を設定・発売するのは現実的でないから、「グリーン席も普通車として開放」か、「閉鎖」のどちらかだろう。

 (再掲)普段は「いなほ」として走る485系3000番台。マークの稲は色づいて頭を垂れるアニメーション
車両の先頭と後部のマークは、「快速」か「臨時」の文字だけではないかと予測していた。

3000番台はLED式のマーク。前は確認できないが後部は、
白い?
LEDは消灯しても真っ黒いので、白いことはあり得ない。アップすると、
シワがよってる
これって、
白い紙(か布)を入れてるんじゃ…
おそらく、LEDが故障したための対処。
そうえいば、少し前、鉄道写真を掲載されているブログで、いなほ用の車両の中に正面のLED部分がこの状態になっている車両があるという情報を見たことがあった。ある程度長期に渡ってこの状態で走っているようだ。
ドアの横にも表示装置があるから、正面のはそれほど重要ではないとはいえ、特急料金を取って乗せる特急列車なのだから、設備面でも不備のないようにしてほしい。

これじゃあ「快速・リゾートしらかみ(よく間違って白神と漢字表記される)」ならぬ「快速・白紙(しらかみ)」だ!
※他の車両を使った臨時快速は「快速」表示で運転されたようだ。


12月18日の工事では、秋田関連では「いなほ1号」関連の部分だけ、今回と同じダイヤで運行される予定(他は通常ダイヤ)。
※ご利用の際は、掲示や駅等でご確認ください。

【2018年2月12日追記】新潟駅高架化工事完成が間近になった、2018年4月14日・土曜日にも、同様に豊栄-秋田でいなほと同時刻の快速が運行される。2011年よりは本数が多くないようだ。また、車両は485系からE653系に替わっているから、さらに乗り得になるけれど、E653系の1両まるまるのグリーン車(485系は先頭車半室だった)はどうするのだろう。※実際のレポート

【2022年6月9日追記】新潟駅高架化の最終段階として、2022年6月4日・土曜日にも同様の工事。(酒田止まりも含む)いなほ全列車が豊栄発着の快速とされた。




13日にアップした、広小路のアーケード撤去。
29日の新聞によれば、当初、広小路のアーケード全てを撤去することにしていたが、管理する商店街の組合内部で、撤去せずに活用できないかという声が出て、再検討しているという。(13日の記事末尾に追記しています)
といっても、屋根部分は撤去され、柱を残すことにして活用を探っているようなので、どっちみち「アーケードがなくなる」ことには変わりない。
未練がましく「形見として柱だけ残そう」と言っているように思えなくもない。
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秋田市内の紅葉

2011-10-30 19:44:03 | 秋田の季節・風景
まずは、仲小路のハロウィンのサザエさんカボチャの続報。
新たに2つをご紹介。どちらも小さめのカボチャ。
お隣の伊佐坂浮江さん
そして、
これは…
ここのカボチャは、絵のタッチが他と違う。別の人が描いたのだろうか。
右は、波平、サザエ、ワカメ、カツオが1つのカボチャに白黒で描かれる。アニメ版より原作に近いデザインのように見えなくもないが、波平さんは加トちゃんっぽく、サザエ・ワカメは困り顔、サザエは猿っぽく、カツオは目張り(アイライン)を入れたような顔。

左のカボチャのカラーの絵は、誰? 男? 女?
僕は最初、ワカメちゃんの同級生「堀川くん」かと思ったが、違う。(顔の形や髪型が異なる)
「アニメサザエさん公式大図鑑」を見てみると(買っておいてよかった!)、カツオくんの同級生「早川さん」で間違いないだろう。
もう少し目が小さく、髪にボリュームがあるといいかもしれない。


これ以外のキャラクターは、今回も見かけなかった。(開店前の時間帯だったのでしまわれていたのかもしれない)
フネさんやワカメちゃん(単独)のカボチャは、やはりないのか?!
カオリちゃん、早川さんがいるのなら、花沢花子さんも!(花沢さんの家は不動産業。仲小路に不動産屋があれば採用されただろうけど、ないからな…)
そして、傷んだ波平さんのカボチャはそのままだった。

ちなみに、今日放送のアニメ「サザエさん」でも、ハロウィンの話はなかった。しかし、最後の次回予告の“雑談”で、今回の担当の波平さんが「波平です。我が家で仮装大会をすることになりました。みんなをあっと驚かせる仮装をしてやりますぞ。さて次回は…(言い回しは正確ではありません)」と話していた。磯野・フグ田家でハロウィンの行事が定着する日も遠くない?

ところで、ハロウィン用の、皮がオレンジ色のカボチャ(ペポカボチャ)。
同種と思われるもの(通常の食用カボチャ程度のサイズ)が、イオンの食品売り場で1つ2600円だか2800円で売られていた!(その後、少し値下げされたようだ) 高いもんだ。



日本伝統の秋のオレンジ色といえば、柿。
甘柿は寒冷地では育たないため、秋田で見かける柿は渋柿で平べったい果実の「平核無(ひらたねなし。ブランドの庄内柿やおけさ柿でも有名)」が圧倒的多数。
葉っぱも実も色づいた(大町・川反)

10日前にも紹介したが、ケヤキの紅葉は今年は芳しくない。
春の芽吹きが美しかった、大町二丁目の那波家の水汲み場のケヤキは、
茶色い?
光の当たり方では、赤く紅葉しているようにも見えてしまうが、実際には多くの葉が紅葉というより茶色く「枯れて」いる。
枯れてチリチリ

2009年は赤や黄色に色とりどりに紅葉していた、南大通りの街路樹のケヤキも、
茶色一色

旭北寺町のお寺のケヤキも、
茶色かったり、既に落葉したり
おそらく、夏の暑さや降水量などの関係で、きれいに紅葉する条件を満たさなかったのだろう。来年以降に期待。

さて、ケヤキ以外の樹木は紅葉しているのが多い。記事冒頭の写真は、千秋公園の溝に落ちたサクラの葉。
中央通りの街路樹のイチョウ
おおむね色づいている(日当たりにより早い遅いの差がある)。
旭北寺町のお寺

保戸野鉄砲町のお寺


土手長町通りから旭川越しに見る、川反の建物の裏側

ビルの壁を覆うツタが紅葉している
光の当たり方にもよるが、とても美しい。よく見ると、葉の大きさが異なる種類のツタが競合している。
 
微妙なグラデーション、他の植物ではあまり見られない「ワインレッドの紅葉」が美しい。

※続きはこちら
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青森の信号機・珍品編

2011-10-29 20:22:15 | 津軽のいろいろ
先日は青森駅前の信号機を紹介しましたが、今回は郊外部のとても珍しい信号機を2つ。
青森のたむたむさんから情報をいただき、見ることができた。どうもありがとうございました。

場所は、国道4号線「青森東バイパス」上で、青森駅から直線で東へ7キロほどの地点。
国道4号線青森東バイパス
片側2車線の道路で、交通量が多い。
海から2キロほどだが、田んぼが多く、住宅などが点在する一帯。秋田市で例えれば、国道13号線の仁井田から御野場辺り、国道7号線の飯島から追分辺りみたいな雰囲気。

●あれの縦版
最初の信号機。
国道を青森市中心部側から来て、青い森鉄道の跨線橋を越え、国道7号線のバイパスが分岐する大きいけれど無名の十字路交差点(横断歩道はなく、歩行者・自転車は地下道を利用)の次の無名の十字路交差点。
交わる道の片方は小さな道だが、一方は広い道で「みちのく有料道路」と「昭和大仏」への入口とされているようだ。横断歩道も地下道も歩道橋もなく、歩行者・自転車が国道を横断することはできない。
交差点の前は、三八五バス青森営業所や青森警察署東部駐在所がある。

その交差点の北側に立つ車両用信号機。
駐在所の前で、市内側から来た車が正面に見ることになる。
【この信号機は2017年以降、全国で設置されている信号機とは少し異なる仕様です。末尾の追記参照】
反対車線から。左奥がその信号機

 これ
薄っぺらでフード(庇)がない。
以前、三重県鹿児島県のものを紹介した、「フラット型LED式車両用交通信号灯器」だ。
秋田県では未採用かと思うが、採用する都道府県公安委員会は増えている。ただ、多くは横型での設置であり、積雪地仕様の縦型の設置例は限られているようで、このような縦型は珍しいと思う。
フードがなくて薄っぺらだから雪が積もる面積が狭いため、積雪地であっても横型で設置してもいいかと思っていたが、やっぱり縦型ということだろうか。
【30日追記】メーカーの銘板(というよりシール?)は縦にした時、正しい向きに貼られている。したがって、横向き仕様の製品を便宜的に縦にしたのではなく、当初から縦設置用として製造・納品されたと考えられる。

同じ電柱の歩行者用信号機は、弘前にもあった「星和電機」製で「2010年9月」製造だった。
フラット型の車両用は、他県と同じく「小糸工業」製であることは確認できたが、製造時期は不明。しかし、たむたむさんが2月21日にブログをアップされているし、やはり2010年度後期に製造・設置されたと考えていいだろう。
※ちなみに、小糸工業の信号機部門は、2011年8月に「コイト電工」となっている。


三重や鹿児島の横型でもそうだったが、離れて見た時はそれほど違和感を感じない。不思議なくらい違和感なく「信号機だ」と認識できる。(多少違っては見えるけど)
でも、近くで意識して見ると、不思議なモノに見える。
「時差式信号」の表示板は、青森県で時々見かけるタイプ。アームも含めて前からの使い回しだろう

 ブツブツ穴が開いているように見える
側面からはあまりはっきり見えないが、これも不思議なことに正面からの視認性は問題ない。

反対側から
裏面(=青森市内へ向う側の車から見て、右手前)の信号機(上の写真右手前)も、同型。

対角線上の信号機は、通常のLED式。
左奥がフラット型。右手前は通常タイプ
1つの交差点内の片方の信号機だけがフラット型ということは、試験設置だと考えられる。不測の事態に備えて、駐在所の前に設置したのだろうか。
脇道の信号機も通常のLED式
横型でもそうだったが、フラット型信号機は専用の金具を使い、従来型よりもだいぶ下向き(うつむき加減)に設置するようだ。縦型では、それがよく分かる。
「時差式信号」の板と比べるとかなり角度があり、裏表2台で「V」字型

真横から
真横から見ると、とても信号機とは思えない。

※その後の秋田県警と青森県警の対応についてはこちら


●フードというより…
フラット型のある交差点の500メートルほど先(方向としては北東)が次の交差点で、そこには別の信号機が。
ここは、狭い道が斜めに交わる十字路というか“X字路”で、横断歩道付き。狭い道側の車両は感応式、横断歩道は押しボタン式。
海も近いのに、山が迫っている。先が浅虫温泉方向
右手前の信号がそれ(左奥は通常型)なのだが、こちらは、フラット信号に比べると分かりにくい。僕は、意識していて、かつ光線が分かりやすい状態だったので、「これか!」と思ったが、車で通過するだけなら気づかない人が多いかもしれない。たむたむさん、よく気づきましたね~

向かい側から。右手前がその信号機
光を反射して、テカテカしてるというのが第一印象。

信号機自体は、LEDが大粒で見やすくなった「面拡散」タイプの通常品だと思われる。ユニークなのはフード。
 いや、フードというより、カプセル
レンズ(点灯する面)が透明なカプセルで覆われ、その上部がフードの代わりとして黒く塗られているのだ。

対角線上の信号機の裏面も、同じ状態。(つまりどちら方向から来ても右手前の信号機が、カプセル付き)
この交差点の信号機は、車両用・歩行者用とも、おそらく同時期製造の「日本信号製」だった。歩行者用の銘板を見ると「2011年9月」製造とまだ新しい。取り付けアームも新品なのだろうか、輝いている。

これもまた、よく見るとヘンな形。
真横から(右がその信号機。左は通常タイプ)
カプセルは、上辺が平らで、下部が丸くなっている。

斜め前から
前側は全体的にふっくらとしている。
つまり、上部の先端だけがとんがっていて、他の部分はカーブしている形状のようだ。
 拡大。カプセルに周囲の景色が写り込んでいる
鳥のくちばしとか、栗とかタマネギとか、そんなものを連想させる。
上がツンととんがっている
通常のフードと同じ穴を使い、ネジ止めされているように見えた。
裏から見ると、なんだかよく分からないが、従来の信号とは違う印象


なぜ、こんなモノを設置したのだろうか。
おそらく吹雪・地吹雪のような、横から吹きつける雪対策だと思われる。片方だけなので、試験的意味合いが強そう。
現地の状況からして、冬は風雪が強そうなので、試験地としてはふさわしそうだ。

いくら信号を縦型にしたりフードを長くしても、信号機のレンズに直接雪が吹きつければ、お手上げ。視認性が低下する。
こんなふうに↓
 (再掲)吹雪の後の秋田市内の信号機
その対策として、秋田県警では「信号電材」社に依頼して「フードにLEDを設置して、フードを光らせる」という、斬新な方法の信号機を設置し、試験を行なっている。実用化される気配はないし、LEDが増える分、高価になってしまうだろうが、「雪が付着してもいいから、他の部分で色がわかるようにする」という考え方なのだろう。

一方、このカプセル状フードは、ツルツルしたプラスチックを、滑りやすいカーブ状にして点灯面を覆い、「点灯面に雪が付着しないようにする」という、抜本的で費用もそれほどかからないやり方だと思われる。
秋田県警さん&信号電材さん、こっちの方がよくありません?
ただ、撮影時のように強い日光を受けると反射するので、場合によっては光ったり写り込んだりして見づらくなるかもしれないし、内部が結露したり、経年劣化で透明感がなくなって見づらくなるなど、問題点もあるかもしれない。

たむたむさんによれば、このさらに1つ先の交差点(「馬屋尻」?)や離れた国道7号線バイパスにも、同じカプセルが付いた信号機があるとのこと。(たむたむさんは9月28日にアップされている)
ある程度まとまった数が設置されたということは、青森県警の期待が大きいということか。


●現地へのアクセス
我ながら物好きだと思うけれど、珍しい信号機をまとめて見られてよかった。
現地へは、路線バスでは「新あおもり農協本店前」バス停が駐在所の前だが、運行本数が少ない。
青い森鉄道の「矢田前(やだまえ)」駅からは1キロほど。事前に地図を見ておけば、迷うような道ではない。1時間に1本程度。
弘南バスの「青森営業所」からは600メートルほどのようだ(本数は毎時2本程度?)。

今回は行きは青い森鉄道。帰りはちょうどいい電車がなかったので、少し歩いて線路を超えて、東高校前を過ぎて西へ曲がった、青森市営バス「矢作(やさく)」バス停から中心部へ戻った。駐在所から1.5キロほどあり、歩道のない跨線橋を越えないといけないので、天候や時間帯によってはおすすめできないが、バスの本数はとても多く、電車と比べても運賃はそう高くはない(青い森鉄道の運賃が高すぎる?)と思うので便利。

※青森訪問記の続きはこちら

【この後の動き】
※その後、カプセル状フードの信号機が秋田市にも設置された
※上の続きのこちらの記事では、青森県警のLED信号機への雪対策に触れています。(末尾の追記)
※2017年度からは、警察庁によって低コストな信号機の導入が全国的に始まった。その1つに、フラット型を少し小さく(点灯部分の直径が5センチ短い25センチ×3色)したものがあり、従来より多くの県で導入している模様。したがって、2017年以降設置されているものは、この記事中の写真(低コスト化前の直径30センチ×3色)の信号機と似ているものの同一ではありません。ネットで紹介されて当記事に多くのアクセスをいただいていますが、誤解なきようお願いします。
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コボちゃん・ユウちゃん

2011-10-28 22:30:02 | 秋田のいろいろ
昨年11月末、県内のいくつかの市町村が所有するバスの車体のデザインを紹介した。その続き。
秋田県民会館
いつものように構内駐車スペースには縦列でびっちり駐まっていたほか、前の路上にも駐車していた。(ここは駐車禁止ではないはず)
昨年紹介した、大仙市(旧中仙町)のジャンボウサギのバスも来ていた
どこかの自治体のドライバーどうしが、「ここは狭くてな」「んだすな。もうちょっと広ければいいんだすども」と会話していた。
イベントが終われば一斉にバスが動き出すのだろうが、縦列の奥のバスが出るまでには相当の待ち時間があるだろうし、バスに乗る人たちも待たされたり危険な状況になるかもしれない。アイドリングし続けるバスも若干あるし、道路を塞いだりで、周辺への影響もある。
例えば、ニューシティ跡地を待機スペースにして、順番に県民会館へ乗り付けて乗せるなど、よりスマート・スムーズな方法も考えられるかもしれない。



ところで以前、「仙北郡美郷町のバスに『コボちゃん』が描かれているのを見かけた」と書いたことがあったが、見たのは一瞬で、じっくり見る機会がなかった。今回は、
これかも?(左隣のマイクロバスは北秋田市所有らしいが、前面の表示がほとんど消えている)

車体は、白地にラインなどの模様が入ったありきたりのもので、違うバスかと思ったが、後輪の後ろの下の方に、
コボちゃん?
絵のタッチは、明らかに「コボちゃん」の作者・植田まさし氏のもの。
でも、
別人だ!
髪型が違うし、服装は雪国っぽいし、鼻はピンク色。

調べてみると、これは旧六郷町のマスコットキャラクター「ユウちゃん」といい、コボちゃんの親戚だという。(Wikipediaより)
ユウちゃんという名は、六郷の湧水群にちなんで「湧ちゃん」ということのようだ。
植田氏は秋田の出身ではないが、コボちゃんの父親(田畑耕二)が六郷出身という設定だったはずなので、その縁で植田氏が作ったキャラクターなのだろう。(憶測です)

ということで、「コボちゃんバス」は僕の誤認識であり、本当は「(コボちゃんの親戚の)ユウちゃんバス」ということでした。


ユウちゃんが手に持っているモノ。
 (楢山かまくらの記事の再掲)右端にある「木ボラ」か?
六郷では、小正月の行事が盛んで「竹うち」が有名だが、子どもたちの「鳥追い行事」もあり、それは上記リンク先の秋田市の「楢山かまくら」とほぼ同じ内容のようだ。


六郷町は、2004年に合併して美郷町となった。
このように今でも町のバス(おそらく六郷町から引き継いだ車両)に描かれているわけだし、どうも地区の側溝のフタ(?)などに描かれてはいるようだが、美郷町のホームページを見てもユウちゃんに関する記載は見つけられなかった。
「地域通貨ユウちゃん」というものもあるらしいが、それには特にこのキャラクターは使われていない。
合併後は(植田氏のキャラクターの)ユウちゃんを積極的に使っていないような印象を受け、残念。これも大合併の弊害の1つと言えそうだ。


ユウちゃんは、木ボラを持ち、反対の腕をまっすぐに伸ばして指さしているのが基本スタイルのようだ。何を指さしているのだろう。
反対面は、左右反転のイラスト。
タイヤを指さしている?
「ダンロップ製のタイヤ。ホイールは以前の「UD」マークだよ」



昨年は、山本郡三種町(みたねちょう)からは、カッパの「じゅんくん」「さいちゃん」のバスが来ていたが、今年は別の小型バスを見かけた。(1つの自治体から複数台のバスが来ることもあるので、じゅんくんさいちゃんも来ていたかもしれない)
「三種町 スプラウト」
この角度からしか見なかったので詳細は不明だが、「スプラウト」って野菜の発芽したばかりのものを食べるヤツのことでしょ。カイワレとか豆苗とか。
スプラウトが三種町の特産というわけではないはずだし、ジュンサイとも関係ないだろうし、なんでスプラウトなんだろう?
※スプラウトを少し詳しく見られた

【29日追記】余談ですが、「クレヨンしんちゃん」の父・野原ひろしも、秋田県出身という設定でじいさんが秋田に住んでいることになっている。おそらく大曲周辺と思われるが、大仙市あたりでバスのデザインにしません?
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バス会社社長の転機

2011-10-27 23:09:22 | 秋田のいろいろ
今日の朝日新聞秋田版(28面第2秋田)の「私の転機」というインタビュー記事(“ひとり語り”形式)に、秋田市などで路線バスを運行する秋田中央交通のワタナベ社長が出ていた。
いろいろと思うところがあるので、一部を引用して、ツッコませていただく。

10月から秋田市と協力し、70歳以上の市民に市内を走るバスを100円均一にし、バスの系統に番号もつけました。わかりやすさの重視です。」(←前半の文章がちょっとおかしい気がする)
まず、高齢者の乗車料金100円均一制度、すなわち秋田市の「高齢者コインバス事業」だが、これは秋田市役所主導の事業だと捉えていた。
事実、中央交通のサイトを見ても、秋田市の担当課へのリンクがあるだけで他人事扱いだし、結局は秋田市からおカネをもらうんでしょ。
「秋田市と協力し」ではなく、「秋田市に協力させもらって」じゃないの?

それに系統番号表示。番号はまあいいにしても、あの文字表示では「わかりにくさ重視」です。


「(高齢者100円開始から)まだ半月ですが、運転手への聞き取り調査では乗客が増えた印象です。
僕も、9月以前よりも乗客がやや増えた印象は受ける。
しかし、それは、同時に行われた大幅な減便によって、数少ないバスに乗客が集中してしまった結果かもしれない。
僕の知る人は、毎週1度、同じ時刻に同じ場所へ出かける用事がある。今までは行きも帰りもバスを利用していたのだが、行きに利用していたバスが減便によってなくなってしまったため、車で送ってもらうようになった。少なくとも、バス利用者が1人減ったのだ。(帰りはバスがあるので引き続きバスを使っている)
現段階では詳細なデータがまだ集まっていないだろうけど、バス1台(1便)当たりでは乗客が増えただけであって、乗客総数は変わらないかむしろ減っているかもしれませんよ!


「(車社会ではあるが、)高齢者や学校に通う子どもたちはバスが頼りです。私が路線の維持にこだわる原点です。
中央交通では「高齢者と子どものために路線バスを走らせてる」ということか?
それはたしかにそうだが、それだけではいけないと思う。
まず、高齢者が100円になったといっても、70歳以上の秋田市民だけ。
同社運行エリアであっても市外在住の人、それに市外から秋田市の病院などへ来る人、そして69歳以下でバスを必要とする人には何のメリットもない。(年金支給開始を68歳にするとか言っているけど、その先取りか?)
また、高齢者や子どもでない人(=普通の大人)にも、若いうちからバスに乗ってもらってバスを利用する習慣を身につけさせることもできるだろうし、観光客向けの路線や乗車制度、中学生・高校生向けの優待料金、親子で利用した場合の割引なども考えられるはず。
特定の世代でなく、「みんなに頼りにされる」路線バスを走らせるべきだ。

それと、前も書いたけど、今は「現状の路線を経路を変えずにそのまま維持すること」にとらわれているようにも感じる。
それが結果的に時代の変化についていかれず、ニーズと一致せず、客が減って減便につながっているのではないだろうか。新しい道路や施設、人口分布の変化を考慮し、思い切った路線網の見直しが必要な時期にきていると思うだが。
「路線の維持にこだわる」のはいいがひとりよがりの維持では困る。乗客の需要・要望を踏まえ、本当に必要とされる路線に変えていくべきだと思う。


2000年に(中略)秋田市交通局の路線バス事業を統合する決断をしました。
まるで、御社が交通局廃止を決断されたような物言いですな。
「統合する決断」ではなく「全路線を引き受ける決断」じゃないの?


行政改革を議論した市の特別委員会で「一緒になった方がいい」と発言しました。批判もたくさんありました。でも会社を存続させるための決断でした。競争で疲弊し、共倒れになれば一番困るのはお客さん。それを避けるためでした。
カッコよさそうだけど、「会社を存続させるための決断」って、「保身のため」とも受け取れなくもないと思えてしまうのは、僕だけ?
(社長は以前、魁新報にも同様のコメントをしていた)

「競争で疲弊し、共倒れになれば一番困るのはお客さん。」はそうだけど、現状は「路線移管でサービスが低下し、今現在、実際に困っているのが、我々お客さん。」なのですよと教えてやりたい。
市営バス時代のサービスが良すぎたという面もあるし、中央交通に押し付けたかのような秋田市のやり方にも問題はあると思うが、ともかく、以前より不便になって困っているバス利用者がいることは分かってくれているのだろうか。


「(明るい話題として)12年夏にも完成する秋田市中心市街地の再開発。100円均一のバスを走らせ、活気を取り戻したい。
何度か伝えているように、秋田市の市街地では「駐車場の収益を元に無料の乗り物(タウンビークル)を走らせる」という構想があった。
それを受けてこの社長は、民間でできることを行政がやるべきでないとした上で、「100円バスならうちで運行できるかも」と発言したことがあったものの、その後、話は聞こえて来なかった。
最近、いつの間にかタウンビークルの「駐車場の収益うんぬん」はないことにされてしまい、一方では秋田県が電動バスを開発し、市街地で実証実験をするような話も出ていた。

あの社長の100円バスの話は立ち消えたのかと思っていたが、これを見ると、まだその意向はあるということなのだろうか。
一体全体、どうなるのやら。
行政でも民間でもいいから、誰かやってよ! これこそ、「困るのはお客さん」なのですから。
【2016年8月21日追記】その後、「秋田市中心市街地循環バス『ぐるる』」が運行された。
車両と乗務員は秋田中央交通のものだが、運行主体は秋田市。中央交通は運行を委託されているだけで、秋田市の税金から多くの費用が投入されている。したがって、中央交通が自発的・自主的に運行しているものではないので、このインタビューでの社長の夢を自らの力で実現したことにはならない。

日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の開通を楽しみにしています。(中略)山形の庄内地方や新潟、金沢、大阪に至る1本の軸ができます。ここに高速バス路線を開設するのが夢です。
楽しみになさるのはいいですが、高速バスねぇ…
この区間にそれほど高速バスの需要があるとは思えない。
やるのなら、秋田市からにかほ・象潟・酒田など、近~中距離の方がよさそうにも思うけど、それって羽後交通さんの縄張りだし…


まだ、バスの役割は残っている。そう信じています。
当ったり前じゃん!!
会社経営者という方々は、自分の会社でやっていることが、世の中に必要とされているという自負があって、会社を経営されているものだと思っている。
バス会社の社長ならそう思うのが当然で、思わない方がおかしい。
「バスの役割はもう終わった」などと思ってるような人に、バス会社を経営してもらいたくはありません!


新聞のコーナーは「私の転機」。で、結局、この人の「転機」はいつだったんだ?
市営バスの路線移管引き受けを決意した時ってことだろうか。ちょっと分かりづらいというか核心が分からない記事のように思えてしまった。


見出しや略歴によれば、社長は南秋田郡五城目町出身で72歳。大卒後、小田急バスで勤務し、1965年に中央交通入社。73年に社長就任とのこと。
中央交通は現在は秋田市に本社(1953年から)があるが、元は五城目町に本社があった。よく分からないが、いわゆる「創業家の出身」ということなんだろうか。
ちなみに、小田急時代は元首相の羽田孜氏と同僚だったという(1994年の羽田氏首相就任当時の秋田魁新報の記事より)。

※その後の関連記事(リンク先後半)
【2014年1月1日追記】2014年元日の秋田魁新報「第4部・企画特集トップインタビュー」という名の別刷り広告(魁の営業局企画・制作)においても渡辺氏は、高速バスの件など上記と同じ発言を続けている。
※2016年6月には社長から会長となった。そして、2016年8月20日に亡くなった。
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青森の信号機・駅前編

2011-10-26 23:38:29 | 津軽のいろいろ
リゾートしらかみで弘前に到着後、今回は、弘前市と青森市をちょこちょこと回った。
僕は弘前に4年も住んでいたのに、青森市に行ったことはほとんどなく、青森市中心部をじっくりと見たのは、実は今回が初めてだった。街自体の話題・感想は後日改めてアップするとして、今回は信号機のお話です。
【11月4日訂正】当初、なぜか東と西を取り違えて記述してしまっていました。訂正します。

青森市も弘前市も青森県公安委員会(青森県警)が信号機を設置しているわけであり、機種やデザインなどの基本方針は弘前と同じはず。
ところが、さすが県庁所在地だからか、弘前では見たことのない仕様の信号機が多く(もちろん秋田県とも違う)、青森駅周辺をちょっと歩くだけでも楽しめた。

●色いろいろ
何度か取り上げているように、最近は信号機の色(ボディの色)がカラフル。
秋田市では、緑、茶色、黒、松江市では金色岡山市では銀色高知市では白やブルー、そして弘前市では茶色、黒、薄緑があった。【その後、秋田市に銀色うぐいす色も登場。】

青森駅正面からまっすぐに西へ【11月4日訂正】東へ1キロほど延びるアーケードの道が「新町通り」。秋田市の広小路などとは比べられないほど、賑わっている(詳細は後日)。
しんまち
新町通りの信号機は、白いボディだった。高知市のものと同じかもしれないが、若干、クリーム色というかアイボリーっぽくも感じた。

新町の西【11月4日訂正】東、柳町通りを渡った辺り(本町というのかな)では、道路の幅は同じだがアーケードが途切れお寺などが立ち並ぶ。そこと、新町の1本南側、青森県庁(の裏?)・青森県警本部・青い森公園前の通りの信号機は、また別の色。
 緑色で両者でポールのデザインが違う
秋田市の竿燈大通りや南大通りも緑色だけど、それとは色合いが違うような気がした。

県警前の歩行者用信号機は、LED式に交換されており、また微妙に色合いが異なる。
左奥のが新しい薄型歩行者用で、ポールよりも明るい緑色
車両用は、おそらく設置当初からの電球式。
「警察本部東」の地点名が黒い枠・文字なのが、ちょっと珍しい(通常は青)

さらに1本南側の国道4号線兼7号線(市街地を国道が走るのも、青森市の特徴)や、駅寄りの中三前の小路などは、オーソドックスな茶色。
中三の南西角【11月4日訂正】南東角
地点名が「昭和通り 新町一丁目」と通りの名+地名なのが珍しいが、分かりやすいといえば分かりやすい。でも、文字が小さすぎません?

国道と、海沿いから新町通りなどと交わって南下する「柳町通り」が交差する、「国道柳町」という大きな交差点(これも通りの名+地名だ)。市役所・県庁などが近く、車も人も多い。
国道側は茶色
上の写真のように、矢印信号機が3つまとまって、1台の信号機の形になっている(信号機が2台並んで見える)のは、秋田では見かけないが、青森はじめ他県ではよくある。(秋田県は矢印信号に関してはケチなようだ)

同じ交差点の柳町通り側は、
金色!(こちらは「国道柳町」が縦書き)
松江と同じ色だろうか、光線によっては茶色や黄色っぽくも感じるが、金色といって差し支えないだろう。柳町通りの信号機は金色なのだ。

秋田では、信号機の色が異なる道どうしが交わる交差点においては、どちらかに揃えている。(茶色の県道と緑の南大通りが交わる「五丁目橋」では、全部が茶色)
青森では、その場合でも統一せず、それぞれの道の色を混在させる方針のようだ(高知でもそうだった)。

では、柳町通りの金色信号機を少し詳しく見てみよう。
道が広いので、分離帯部分にも歩行者用信号機がある
柱も金色で太く、台座部分は赤っぽい石でできていて立派。弘前市の「都市計画道路3・3・2号線」(北大通りから土手町)のものに似ている。
 
先端部分は街灯の有無によって異なり、街灯がない方は輪っかが付いている(背の低い歩行者用信号機用にも)。

青森駅周辺をちょっと歩いただけで、白・茶色・緑・金色と4色も見られた。


●残量付きとツッパリ
白い信号機の新町通りに戻ります。
記事1枚目の写真で分かるように、車両用、歩行者用とも信号機を、デザイン化されたポールから吊り下げる設置方法。
電球式の歩行者用を見ると「平成8(1996)年11月 小糸工業」製とあった。

しかし、青森駅側から2つ目(「さくら野」の手前)の交差点までは、LED式の信号機に交換されていた。それがちょっと珍しいタイプ。
※上記、新町西端【11月4日訂正】東端の柳町通りの交差点の金色の信号機も同時期製の同仕様だった。
歩行者用は、
薄型の新型、しかも残り時間カウントダウン付き(スピーカーの中が汚れてますな)
カウントダウンとは、信号機の点灯面の人の形のシルエットの両端に、欽ちゃんの仮装大賞の得点板みたいな点状のLEDがあり、それが上から消灯していって赤・青それぞれの残り時間を表示するもの。
秋田県では設置例がないはずだが、採用する県は増えているようだ。
銘板(写真は金色のもの)
「経過時間表示付き歩行者用」と言うらしい。2011年2月の小糸工業製。フード(庇)は短い。

 従来のものと新型
新町の古い信号機では、隣に別にLED式の赤信号の残り時間(=待ち時間)を表示する装置が設置されていた。これは秋田市内にもあるが、老朽化が進み、LEDがモザイク状に点灯するものも多い。
それを改善し、信号機本体とまとめるのは効率的ではある。ただ、本体価格や維持の手間は余計にかかるだろうから、そこまでして待ち時間表示が必要なのかとも言えるが。

一方、車両用。もちろん積雪地仕様の縦型。
なんだこれは!
違和感を感じませんか?
側面から見ると分かる
フード(庇)の長さに注目。
上の赤灯のフードだけが長く、それ以外の黄灯と青灯のは短い。

歩行者用と同じく小糸工業製と考えられるが、従来から同社の縦型車両用信号機は、赤だけフードが長いものが多かった。
 (再掲)秋田市内にあるこれは、設置時に間違ったのか黄灯のフードを長くしてしまっている

 (再掲)2010年5月製の弘前市中土手町の黒い信号機
上の写真のように、従来は長さが違うといってもせいぜい10センチ程度だろうか。(黄・青が他メーカーと同じ程度の長さで、赤が特別に長いのだと思う)

しかし、この新しい信号機のフードは、長短の差が20センチほどもありそう。昔の“ツッパリ兄ちゃん”のリーゼントの髪型みたいでインパクトがある。


なんでこんなに長さに差をつけたのか。
 (再掲)秋田市内の小糸工業製の信号機。これは全部のフードが(他社よりも)長い
上の写真のように、全部が長いフードでは黄灯・青灯の上に雪が積もってしまい、赤と黄色を隠してしまう場合もある。だからといって全部を短くすると、横から雪が吹き付ける吹雪の時に不安。
そんなわけで、上の赤灯の長いフードでがっちりガードし、他の2つは短くすれば、少なくとも「下のフードの積雪によって隠れて見えなくなる」という事態は軽減できると考えられる。効果のほどはわからないけれど。
柳町通りの金色も同じ仕様
柳町のは、柱と色合いが異なり、金色というよりベージュ色っぽい。

この信号機、今後は他の縦型信号を採用している県にも設置されるのだろうか。
なお青森県でも、他メーカー製は3色とも長いフードが主流のようだ。

●「歩車分離時間別運用」青森版
秋田市内の新しい交差点で、車両用信号機に「歩車分離時間別運用」という表示板が設置された。
要は、時間を区切って歩車分離式交差点になるという意味なのだと思うが、漢字が多く分かりづらい。

青森駅周辺にも、同じような交差点があったが、こんな表示だった。(実は上の方の写真でも写ってますが)
「歩車分離式 7-19」
これは明快! 昼間だけ歩車分離式になることが分かる。
この交差点では「歩行者自転車専用」の表示板の代わりにこれを設置しており、歩行者向けの表示と考えられる。車両用には「歩車分離式信号」の表示のみ。
秋田方式では、意味からして分かりづらいし、時間帯が分からないし、歩行者向けではないし、不親切。

●相変わらず謎
7月に紹介した、新青森駅前の丁字路交差点の、道のない線路側に向いて設置されている「謎の信号機」は相変わらず変化なし。
改めて自由通路から撮影
矢印の付け根付近から線路に向かって設置されているのだが、設置している目的は一向に思いつかない。


●次回予告
最後に次回以降紹介するものの予告です。
たむたむさんから教えていただいた、2つの珍しい信号機も見てきました。
ん? 何じゃこりゃ?
後日アップします
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リゾートしらかみの旅

2011-10-25 23:59:30 | 旅行記
前回、車両の設備やハイブリッドシステムを紹介した、快速「リゾートしらかみ」の新しい青池編成。この記事では、その秋田-弘前間の旅の様子を紹介します。
※gooブログではカテゴリーやジャンルを1つずつしか設定できないので、とりあえず「旅行記」カテゴリー、「青森県」ジャンルとします。


行きは「リゾートしらかみ3号」。秋田11時04分発、弘前15時55分着。快速列車とはいえ、210.2キロを5時間近くかけて走る。
リゾートしらかみ3号に続行して秋田を出発(11時10分)する奥羽本線下り普通列車に乗れば、各駅停車かつ途中の大館で30分待ち時間があるのに、弘前着は14時20分。(距離は148.4キロ)いかに「リゾートしらかみ」がのんびりした旅なのかが分かる。


この列車は、10分前に到着する東京発の始発新幹線「こまち13号」からの乗り換え客も多いようだ。(他のリゾートしらかみ下りは秋田発8時台と14時台)
弁当を買ったり、場合によっては指定席券をまだ買っていない人もいるだろうから、もう少し接続時間が長くてもいいようにも思う。

少し触れたように、10月18日にリゾートしらかみの累計乗客数が100万人を突破した。平日400人、休日500人程度が乗車しているそうなので、我々は100万数千人目の乗客といったところか。
車内はそれなりに埋まっているが、空席もある。
たまにネット上で「リゾートしらかみは指定席を取るのが困難」といった情報を目にするが、それは最混雑期(オンシーズンや格安きっぷ適用期間中の特定列車)だけの話であり、経験上は空いていることの方が多いと感じる。


秋田駅から東能代までは奥羽本線を走って54分。
秋田駅を発車してすぐ、自動の車内放送がまだ流れているうちに、車掌が検札に来た。
首都圏の特急などの車内検札では、各乗客の座席位置や乗車区間を必ず専用の紙に記録しているが、秋田周辺の特急ではきっぷを見るだけで、記録はしないのが普通。
しかし、リゾートしらかみでは、首都圏同様しっかり記録していた。これは、途中で車掌が交代するため、引き継ぎの意味があるのだろう。

車掌は、秋田-東能代だけを秋田運輸区が担当。わずか1時間弱のために車掌を手配するのも手間のように思えるが、5年以上前に3号に乗った時も、同様だった。車掌の配置人数とか他の列車との関係上、こうなっているのだろう。

車内放送では「各車両にパンフレットがあり、それにいろいろ書いてあるから見てね」と言っていた。フジテレビの堺さんの自動放送も、車掌さんも言っていたし、英語の自動放送では各駅を発車する度にそう言っていた。
そんなに口を揃えて言うのなら、ひとつ見てやろうと、展望室のパンフレットを手に取った。
 (再掲)手前に置いてあるのがそのパンフ
JR東日本秋田支社と「五能線沿線連絡協議会」発行の「五能線の旅」というA4版26ページのパンフレット(小冊子?)で、秋田駅などに置いてあるのと同じものだと思われる。(首都圏などの駅や旅行代理店にもあるかもしれない)

このパンフ、観光スポットなどが載った五能線への誘客のためのものだと思っていたが、よく見ると、車内で読まれることも考慮している内容だ。2か月ごとに改訂されているらしく、沿線地図や各列車の各駅着/発時刻が記載されているし、他の普通列車の時刻表(抜粋)もある。
長距離・長時間の列車に乗っていると、今どこにいて、次の駅までどのくらいかかるのか知りたくなるものだが、これを見れば分かりやすい。
また、最初のページにある秋田県北部から青森県のダイナミックな鳥瞰図が美しくて分かりやすいと思った。

ただ、観光スポットの体験メニューや食事については、「乗車◯日前まで要予約」といったものが少なくないので、乗車して初めて見た人は「もっと早く知っていれば…」と残念に思うことがあるかもしれない。
(各駅の観光スポット部分は、JR東日本秋田支社のホームページとほぼ同じ内容 http://www.jreast.co.jp/akita/gonosen/menu/index.html)


列車は途中、追分と八郎潟に停車するが、乗降はなかった模様。昼間の特急はすべてが停車する森岳は通過(他のリゾートしらかみは停車するものもある)。
秋田から東能代までの区間は、五能線目当ての多くの客にしてみれば、海も見えないしあまりおもしろくない、助走のような部分だと思っている人が多いと思う。パンフには、追分の県立博物館とか、八郎潟から大潟村(三彩うどんとか)や男鹿へ行くメニューも掲載されてはいたけれど。
八郎潟駅付近で見える五城目町の「森山」
しかし、車窓を眺めるだけでも、男鹿半島の山、大久保から八郎潟付近の広大な田んぼ、遠くに見える大潟村干拓地や一瞬だけ見える八郎湖の水面、森岳のジュンサイ池など、特に遠方から来た方々には珍しく感じてもらえるものがある。
八郎潟の次の鯉川駅(通過)手前で、一瞬八郎潟残存湖の湖面が見える。その向こうが大潟村と男鹿半島の山々
観光列車なんだから、こういったものを車内放送で案内するとかすれば、より楽しんでもらえると思う。
沿線の田んぼは、9割9部稲刈りが終わっていた。北金岡駅前には稲刈り前の田んぼがあり、黄金色のイネがだいぶ倒れていた。


東能代で列車の進行方向が変わり、五能線へ。車掌は東能代運輸区に交代(おそらく運転士も交代)。
五能線最初の「能代」駅が、能代市の中心部。停車前に「能代はバスケットボールの街です」などと車掌から案内があった。東能代運輸区では、積極的に肉声による観光案内を行なっているようだ。こういう放送が、奥羽本線内でもあれば楽しい。
能代では5分間停車して、ホームではバスケットボールシュート体験と木工パズル体験ができる。

秋田駅を出て約1時間半の12時30分頃、遠くに日本海が見えてきた。
「まもなく海が見えてまいります。これから先、80数キロに渡って、海を眺めながらの旅をお楽しみください」といった車掌の放送があった。
地元の“観光駅長”が出迎える「あきた白神」、「岩館」に停車し、12時50分頃、秋田県から青森県に入った。
「これから先、特に車窓が美しい区間なので、減速して走ります」という放送(自動放送の日本語、英語)が流れ、止まりそうなほどの低速でしばらく走行。
 県境付近の海
新しい青池編成は、窓ガラスが薄い緑色に着色(首都圏の電車などと同じ)されており、見える外の景色の色が若干実際とは異なる。(写真も補正が面倒なのでそのまま掲載しています)
熱線吸収ガラスで、暑くならずに景色を楽しんでもらおうという配慮なのだろうが、できればそのままの色で見たい気もする。従来のリゾートしらかみでは黒っぽいガラスが使われている。
それと、午後の時間帯は逆光になってしまうから、本当は午前中の方がいいのかもしれない。

青森県最初の停車駅が「十二湖」。
五能線と白神山地のブームで脚光を浴びている観光地だけに、秋田から乗っていた乗客が何人も降り、何人かが乗り込んできた。
振り返ると、白神山地が海に落ち込むのが見える
十二湖から10分ほど走って、観光施設や黄金崎不老ふ死温泉の最寄り駅「ウェスパ椿山」(以前の訪問記)。ここでも観光駅長が出迎え、まとまった降車があった。

車内の乗客は秋田発車時に比べるとだいぶ減ったが、まだそれなりに乗っている。
2008年晩秋・初冬に普通列車でここを通った時は、うら寂しいローカル線の風情だったけど、今日は天候のせいか、観光列車に乗っているからか、その時とは違う明るい雰囲気に感じてしまう。

ウェスパ椿山停車中、窓のすぐ外をアシナガバチが飛んでいるのが見えた。
発車後、前方の展望室のガラスに目をやると、
ガラスにハチがくっついてる!(空中を飛んでいるのではありません)
キイロアシナガバチだろうか、停車中に窓に止まったところで発車してしまい、飛び立つタイミングを逃してしまったようだ。
ハチにしてみれば、自分がくっついているのが、走る列車であることなんて知らないから、「強風が吹き付け続けている」と感じているのだろう。飛ばされまいと、必死に踏ん張っていた。
次の停車駅・深浦までは、比較的速い速度で十数分走り続けていた。ガラス上を30センチくらい移動したものの、かなりがんばっていた。
しかし、深浦到着前にいつの間にかいなくなっていた。さっさと飛び立てば、巣に帰れたのに…

五能線内の主要駅であり、ほぼ中間地点の深浦に停車。運転士が交代。
深浦以南では、青森県であっても秋田県との交流が強く、能代市の公立高校への通学もできるらしい。
深浦駅構内の使われているのかどうか分からない線路上に、停止位置を示す菱形の標識があった。
よく見るとなにか書いてある
うっすらと「眺」という漢字が上下逆になっている。
おそらく、「眺望列車」の「眺」で、リゾートしらかみの前身に当たる「ノスタルジックビュートレイン」の停止位置標識として使われていたものを使い回したのではないだろうか。

深浦を過ぎても海沿いを走り、美しい車窓が続く。
 
行合崎海岸かな、海の色もきれいで、山陰で見た海を思い出した。
所々で護岸が固められたりテトラポットが置かれている浜がある。今までなら、なんて無粋な光景かと思ってしまうが、震災後の今は、万一津波が来たら、この程度のもので守れるのか、逆に不安になってしまう。近くの席からもそんな会話が聞こえてきた。


海が見える区間の最後近くにも、絶景ポイントがある。
それが「千畳敷」。1792年の地震により隆起してできた地形で、津軽の殿様が、畳を1000枚敷いて宴会をしたという。
五能線にはズバリ「千畳敷駅」があり、駅の目の前が景勝地。前から興味があったが、列車本数が少なく(1日5往復)、行く機会はないだろうと思っていた。

ところが、リゾートしらかみの中で、この3号だけは、千畳敷駅に停車する。(上りは徐行して通過するようだ)
しかも、15分間停車するので、その間に散策ができるのだ。
冬や雨の日を考えると、全列車を停車させるわけにもいかないのだろうが(3号は冬期運休)、これこそ観光列車ならではの演出だろう。
千畳敷駅ホーム。ぞろぞろと降りる
特に誘導などはなく、各自勝手に行ってくださいという感じだが、「発車3分前に汽笛(正確には警笛だけど)を鳴らしますのでお戻りください」と放送があった。
駅はホーム1本だけの無人駅だが、リゾートしらかみ運行開始に合わせたのか、きれいに改修されていて、スロープがある。
【27日追記】昨年の今頃、千畳敷駅ホーム改修工事の告知を見かけたのを思い出した。ということは、改修されてやっと1年経つところのようだ。
列車後部
列車進行方向に向かって右には小高い丘(段丘)があり、崖になっている。冬はしみでた地下水が凍り、氷のカーテンを作るという。
左側はホーム、国道101号線、民宿があり、千畳敷海岸が広がっている。
海岸へは、国道を横断しないと行かれない。駅の前が横断歩道(信号機なし)になっているが、交通量が多いので注意。(管理する五所川原駅長名で注意書きもあった)
弘南バスのバス停もある
深浦と鰺ヶ沢を結ぶバスが通るが、1日4往復。ポールは海側にしか立っておらず、「深浦方面は向かい側でお待ち下さいませ」と書かれていた。(弘南バスではたまにあるパータン)
国道の高さからは海を見下ろす形
ここを題材にした作品がある、太宰治と大町桂月の碑が立っている。
アスファルト敷きの部分で写真を撮る人が多いが、せっかくなので海辺の方へ下りてみた。
こんな感じ


飛び石のような平らな岩がほぼ同じ高さで並んでいる。海水が流れ込むこともあるらしく、湿っていたり砂がある。
でも、いくら平らといっても、ここに畳を敷いたら不安定で、宴会なんてできそうにもない。
【2015年6月26日追記】NHKの中継によれば、2000年7月に深浦町が千畳敷に実際に畳を1000枚敷いたことがあったそうだ(写真も放映された。見た感じ平らになっていたが、どうやって平らにしたかは不明)。スペースは充分に余裕があり、1万畳ほどは敷けるとのこと。

波打ち際まで行こうかと思ったが、けっこう距離があるのと、滑りそうで怖いのでやめておいた。
国道・駅の方を見る
駅の向かい・バス停前に民宿(?)があるが、営業時間外なのか、静か。
少し離れた所に土産物屋があり、そこではイカ焼きを売っていた。国道・線路沿いにイカを干して、到着する列車に向かって店の人が手を振ってPRしたり、「イカ焼き、すぐ召し上がれまーす」などと大声で呼び込みしたり、列車の乗客獲得に積極的。

列車に戻ったら、ちょうど3分前。
降りた時はエンジンが止まっていたが、戻った時は動いていた。アイドリングではなく、発電してバッテリーへ蓄電中ということか。
長ーい警笛が鳴り響いた。HB-E300系の警笛は、音自体は普通列車の701系電車などと同じやや甲高い笛だが、鳴らし方はまるで蒸気機関車のようなものだった。(従来のリゾートしらかみは、音が異なる)
よその駅でこんなことやったら、何事かと騒ぎになりそうだが、こんなことができるのも五能線ならでは。警笛は前の運転席側ではなく、後部の車掌側で鳴らしたように聞こえた。

千畳敷だけへわざわざ行くほどの場所でもないかと思うが、この機会に見ることができてよかった。
岩場へ下りるなら、滑らない&水に強い靴が必要。僕は靴底に砂をつけて列車に戻ってしまい、後で見たら列車の床に砂をまいてしまっていた。(ゴメンナサイ)


千畳敷を発車すると、そろそろ海岸線ともお別れ。
2008年に大イチョウを見に行った、北金ヶ沢駅に近づく。すると、
前方に岩木山!
弘前市のちょうど裏側ということになり、おそらく五能線でもっとも南(西)から見えるポイントだろう。
いつもと逆方向からのアクセスだけど、岩木山を見るのが「津軽へやって来た」と実感する瞬間だ。
ここから先は位置と形を変えつつ、岩木山を眺めながらの旅となる(ほとんど逆光だけど)。
北金ヶ沢で「停止信号のため」1分ほど停車。この駅では、どのリゾートしらかみも、反対列車がなくても停まることになっているようだ。

鰺ヶ沢駅からは、完全に内陸部になる。さすがに、ちょっと飽きてきたけれど、まだ1時間20分残っている。
鰺ヶ沢の停車時間は2分だが、慌ただしく車掌が交代(たぶん弘前運輸区へ)し、車内イベント「津軽三味線生演奏」の奏者2人が乗り込んだ。
三味線演奏は五所川原駅までの25分ほど。かつては展望室で演奏されていたが、現在は3号車のイベントスペースで行われ、その模様が各車両に“生中継”される。
カメラの位置が微妙…
天井に固定されたカメラと奏者の位置があっておらず、奏者の頭を中心に見ることとなった。
音は車内放送のスピーカーから流れるようだ。昔の列車に比べれば音質はいいが、やっぱり音質はよくない。
また、駅停車/発車の放送が流れる時は、三味線の音が消えて自動放送が割り込む。しがって、三味線が中断して突然メンデルスゾーンの「春の歌」(自動放送前のチャイム)が流れるので、びっくりしないようにしましょう。(じっくり聞きたいのなら、3号車へ行ったほうがいい)

2人の奏者のうち、1人が専門に説明などしゃべっていたが、まったく津軽訛りがない共通語のアクセント・イントネーションだったのが、意外だった。
なお、休日の一部列車では、別に「津軽弁『語りべ』」も行われる。
鰺ヶ沢-陸奥森田(つがる市)辺りの岩木山
岩木山が、きれいな三角形に見える一帯もあるのだそうだ。弘前から見る3つの頂点がある岩木山とは別の山のよう。

鰺ヶ沢から先は停車する駅が多いが、それほど乗降はない。秋田から乗って、十二湖近辺で降りなかった人が引き続き乗っている状況。
五所川原では16分も停車。五所川原から先は、リンゴ畑の中を走る。
展望室からの前方風景
まさに手を伸ばせば届きそう。
やがて、右から奥羽本線が合流して、川部駅に到着。
合流点付近は赤いリンゴがたわわに実る(リンゴ畑の向こうが奥羽線)
東能代から147.2キロの五能線を走破した。

6分停車して再び進行方向を変え、奥羽本線を9分走って、ついに弘前到着。
若干退屈したところもあったが、1度も居眠りせず、風景とハイブリッド車の乗り心地を楽しむことができた。


ついでに、帰りに乗った「リゾートしらかみ6号」のことも書いておきます。3号の折り返しで、弘前発16時12分、秋田着20時38分。

乗客はかなり少なかった。
行きと異なるのは、五能線内青森側での利用が多かったこと。
おそらく青森市で所要を済ませた地元の人や新幹線からの乗り継ぎ客と思われる。川部駅から乗車し、五所川原、鰺ヶ沢など、各駅でちらほらと降りていったのが目立った。後続の普通列車は40分ほど後なので、510円払っても早く着きたいわけだ。

鰺ヶ沢より手前で岩木山に日が落ちてしまい、後は真っ暗。それでも千畳敷付近は律儀に減速して通過。
北金ヶ沢で8分停車して対向列車を待ったほかは、ほとんど長時間停車がなく、車掌の観光アナウンスもなく、淡々と走る。(車掌は鰺ヶ沢まで弘前運輸区、以降終点秋田まで東能代運輸区が通しで乗務)
ウェスパ椿山は18時32分着。夏なら夕日が沈む絶景かもしれないが、今は真っ暗で深夜のようなたたずまい。
物産館「コロボックル」も閉店
それでも、ゼミ旅行の大学生か何かだろうか、若者数名が降り立った。

あとは、乗降がほとんどなく、まるで回送列車のように秋田へ向かった。
真っ暗な中、所々に集落があり、明かりが灯る。自分の住む秋田県とその隣で2番目に身近な青森県であり、今は自宅へ帰る途中なのに、とても遠い所へ来て、もっと遠い所へ向かっているような錯覚にとらわれた。
当たり前だけどどんな場所にも、それぞれで暮らす人がいるのだ。狭いようでも、やはり日本も秋田も青森も広い。

秋田駅到着前の自動放送では「秋田新幹線、奥羽線、羽越線はお乗換えです」と言っていた。しかし、新幹線の最終は30分ほど前に発車しており、接続はない。
最後の車掌のアナウンスの後、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」のチャイムが流れた。ここ15年ほどのJR東日本の車両では、なぜかクラシック4曲の電子チャイムを搭載しているものが多い。


今まで触れなかったが、3号、6号とも全区間で車内販売が乗車。おおむね1時間に1回くらいのペースで回ってきてくれた。五能線内では、途中駅でも自動販売機もないような駅もあるから、車内販売があるのはありがたい。
行きは時間帯もあって弁当類が順調に売れていたようだが、帰りはほとんど売り上げがなかっただろう。それに長時間の運行なのに途中で補充できる駅がないなど、大変そうだ。
でも、おかしいと思ったのは、行きも帰りも案内放送がなかったこと。

JR東日本の新幹線の「はやて」と「こまち」なら、1回の運行で2度(単独走行時と連結時)も、「おすすめ商品は『金萬』でございます。滑らかな白あんを卵をふんだんに使ったカステラ生地で包んだ、秋田の伝統和菓子(?)でございます」とかなんとか聞かされるのに。
冊子「五能線の旅」には、車内販売の内容も少し掲載されており、地元産のリンゴジュース各種、ウェスパ椿山のガラス工房で作ったガラス製品なども販売していることになっている。
そんな個性的な商品を扱っているのなら、ぜひとも放送で案内するべきだ。これでは、商売っ気が感じられない。


観光列車といえば、JR九州のものが有名で、僕も乗ったことがある。
きれいな車両とはいえ普通列車を改造した車両なのに、特急列車として運転されているものが多く、割高感はある。
だけど、観光案内と車内販売を兼ねたスタッフが熱心なのが好印象。見所では車内を巡回して丁寧に教えてくれたり、記念撮影を勧めてくれたり、途中駅にある古い車庫跡へ連れていってくれるようなイベントもある。車内販売のメニューも地元のお菓子などを積極的に扱っている。

でも、九州は「列車に乗ること」自体が目的で、リゾートしらかみは「列車に乗って途中で降りて観光すること」が目的とも思え、これでいいようにも思うが、リゾートしらかみがそっけなく思えるのは事実。
飽きられないためにも、何らかの改善が必要な時期なのかもしれない。

次回以降、青森の話題を随時アップします。※次の記事はこちら
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しったげパスタ

2011-10-24 21:15:45 | 秋田のいろいろ
※リゾートしらかみ乗車記はしばらくお待ちください。

今まで何度か書いてきたが、主に若い人に「好きな秋田弁は?」とか「よく使う秋田弁は?」と聞いた時、ランキング上位に食い込むのが「しったけ」(地域や人によってはすったけ、しったげ、すったげ、しんたけ等)。
「しったけ雪降ってる」「しったけ食った」といったように使われ、「とても」を意味する副詞ということになるのだろう。
「死ぬだけ(死ぬほど)」が変化してできた言葉だと考えられる。
※「したっけ」というのもあるが、「~したら」「それでは」といった意味の別の言葉

しったけの言葉の響き、言いやすさ、インパクトなどから好まれるのだろう。
しかし、個人的には「しったけ」という秋田弁は大嫌い。というのは言い過ぎにしても、これをして秋田弁の代表のように扱われるのには、違和感を感じる。
それは次のような理由。
1.秋田県全域で広く使われる言葉ではない
どんな方言でもそうだが地域差があり、秋田でも「しったけ」という語彙が存在しない地域も少なくないと思われる。
この点については、秋田弁を研究していた秋田大学の日高准教授(現・関西大学教授)が魁新報に「しったけは秋田弁か」という寄稿をしたことがあり、この点に言及していたはず。(スクラップしていたのだが、今手元になくて詳細は不明です。)
実際、僕は秋田弁を話す複数のじいさん・ばあさんと関わりがあったが、しったけを使う人はいなかった。

2.他にもユニークでおもしろい秋田弁はたくさんあるのに
名詞、動詞、形容詞、オノマトペ(擬声語・擬音語)などに、秋田弁ならではの言葉がいろいろあるのに、「しったけ」に囚われすぎているように思える。もっといろいろな秋田弁を知ってほしいし、単語でなく文章として方言を使いこなせるように体系的に残さないといけないと思う。
他地域でも、「すごい」を意味する方言(なまら、たんげ、でら、がばい等)が若い世代に好まれる傾向があるようで、秋田だけのことではないようだけど。

3.語源を考えると…
しったけの語源は「死ぬほど」。
軽々しく「死」を口にするのは、はばかられるように感じてしまうのは、僕だけだろうか。



さて、大手コンビニローソンでは、弁当コーナーで「パスタ屋」というブランドを展開している。
10月はそれの2周年だそうで、「みんなで育てる!広げる!焼パスタ パスタ屋2周年スペシャル」というキャンペーンを展開している。
その一環として、全国34地域のローカルラジオパーソナリティが考案したキャッチフレーズが、その地域の店舗に軒下の横断幕、ガラスの横長ポスター、のぼり旗で掲出されている。(http://www.lawson.co.jp/recommend/static/pastaya/2aniv/map/)

青森県内のローソン
青森版は、青森放送(RAB)の「土曜ワラッタ―!」という番組が考案。
「こんがり・とろ~り・濃厚で“め!”」
意外にあっさりしたフレーズ。
方言は「め」だけだ。これは「うんめ」「うめ」、すなわち「うまい」「おいしい」という意味。

黒石八郎さんにでもお願いすれば、もっとすごいのを考えてくれそうだが、津軽・下北・南部という「青森弁」ではくくれない、複数の言語圏が存在する青森においては、この程度に留めておいたほうが無難という判断があったのかもしれない。
以前紹介した津軽弁のテレビ番組「いいでば英語塾」は2010年3月で放送を終えた。


一方、秋田のローソン。
出た!「しったげ」!!
「しったげ焼げでらよ~。うめど~」ですか。青森と比べると方言色が濃い。
「とっても焼けてるよ~。おいしいよ~」という意味になる。ローソンのサイトの解説では「「しったげ」は、「すごく」などのニュアンスで使われる秋田弁。」とある。
考案したのはエフエム秋田の「Foreverヤング」という番組で、パーソナリティはテレビでもお馴染みのイシガキさん(内陸南部の羽後町出身)とヒグチさん(元NHK秋田のアシスタント(契約キャスター)で、おそらく秋田市出身)。


ラジオ局、ローソンの判断があって決まったコピーなわけだが、僕はどうも好きになれない。僕はローソンもローソンのパスタも好きだけれど、少なくともローソンのパスタに対する印象は、少し悪くなった。
上では共通語訳を「とっても焼けてるよ~。おいしいよ~」としたが、「死ぬほど焼けてるよ。おいしいよ」とも訳せるわけだ。

「死ぬほど焼ける」

どうだろうか?

企業の宣伝コピー、しかも大企業の、食品の宣伝において、普通、「死」を使うだろうか?
まして今年は、秋田のすぐ隣で起こったことにより、生きること・死ぬことを強く考えさせられている。
「不謹慎だ」で片付けたくはないけれど、あえてこの時期・この場面で使わなければならない言葉だったのだろうか? もう少し、言葉の意味・語源にまで“こだわって”決定するべきではなかっただろうか。


というか、「しったけ」以前の問題として、「しったげ焼げでら」→「とても焼けてる」って、「焼け過ぎ」ということにならないか?
焦げ焦げの不良品のパスタを売りつけられそうな印象もある。

ブラボー中谷さんあたりなら、擬態語などを上手に使って、素敵なコピーを考えてくれそうだが…
なお、幕やポスターの隅に「掲出期間:10/11~10/24」とあったので、これらは今晩には撤去されていると思われる。


ほかにも、数年前、NHK秋田放送局の正午前の県域情報番組「ひるまえこまち」内に、料理などを実演する「すったけカルチャー講座」だか「すったけカルチャースクール」というコーナーがあった。
これも直訳すれば「とてもカルチャー講座」となり、日本語としておかしいが、やはり「すったけ」はこの場所で使う必要のある言葉ではないと思っていたら、いつの間にか終わって(コーナー名が変わった?)いたようだ。(現在は震災関連番組のため放送時間が短縮され、コーナー自体が休止している模様)
そんなに秋田弁を使いたいなら、例えば「がりっと(しっかりと)」とか「かだる(参加する)」とか、よりふさわしい言葉もあったのに。

※しったけというか秋田弁についての2017年の記事



青森地方裁判所(かな?)にて
青森で裁判員制度をPRする幕は「わもなも裁判員!」。
津軽弁で「わ」は私、「な」はあなたで、「私もあなたも裁判員!」となる。
これの秋田版を見たような記憶があったので、改めて秋田地方裁判所へ行ってみたが、外壁改修工事中のため見えませんでした…
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仲小路のサザエさん

2011-10-23 22:40:45 | 秋田の季節・風景
10月31日はハロウィン。
日本でクリスマスの風習(?)はすっかり定着しているが、ハロウィンが大々的に広まったのは、ここ10年くらいだろうか。
僕はキリスト教系の幼稚園を卒園したけれど、ハロウィンのイベントはなかったと思うし(イースターはあった?)、アニメのスヌーピー(ピーナッツ)の「カボチャ大王(毛布を持っているライナスがハロウィンに出没すると信じている)」の話でそんな風習があるんだなと思っていた程度。


秋田市中心部の仲小路商店街では、近年、ハロウィンの装飾がされたり、子どもや犬が仮装したイベントが行われるなどしている。29日に行われる「ハロウィンパレードin仲小路」は、今年で8回目。
既に、仲小路の各店舗などには、装飾がされている。
※夕方に撮影した画像なので、色や明るさが正確ではありません。
明徳館ビル(明徳館高校)前。学校祭もハロウィンパレードと同日開催
以前は、オレンジ色の袋を置いていた年もあったはずだが、今年はカボチャを置くのが装飾のメインのようだ。

そのカボチャの表面に何か描かれている。
磯野カツオ!

向かいのお菓子のくらたは、
見づらいけどかおりちゃん?(カツオのクラスメイトで本名「大空カオリ」という説もあり)

秋田駅方向へ進んで、川口呉服店は、ショーウインドウの中。
後ろに反物、カボチャは小さめ
この人は「裏のおじいちゃん」だ。呉服店のイメージに合わせたのか。

ちなみに、僕は昔から、裏のおじいちゃんと「中島くんのおじいちゃん」の区別がつかなかった。どちらも白髪&ハゲていて、あごひげがあるから。ところが、7月に発刊された公式ガイドブック(公式大図鑑サザエでございま~す)で見分け方が分かった。
簡単にまとめると、(裏の/中島くんの)
 額のしわ:あり/なし、 眉毛:一本線/白くて太い、 目:垂れ目/縦長、 鼻の下のひげ:あり(口が見えない)/なし、 あごひげ:長い/短め
といった点で区別できる。という、余談でした。


「角繁」という会社。
フグ田マスオ
礼服みたいな格好。

アトリオンの手前が、東北電力秋田営業所(山王にあるのは秋田“支店”)。正面は広小路側で、仲小路側は車庫の出入口程度。
震災後テレビCMは流れなくなった、オール電化の広告がまだ出ていた
このカボチャは、
磯野波平
でも、カボチャが傷んでしまっていて、波平さんが…
店によって、屋内展示あるいは状況に応じて出し入れしている所と、野ざらしのままの所があるようだ。

「そば処四季」は穴子さん
アナゴさんの特徴的な唇の部分の絵が剥げてしまっている。

アトリオン向かい、小野時計店の「トラストワンビル」前。
右下にカボチャ
これは、
中島くん
「中島弘」というフルネームも設定されているらしい。

ゆうちょ銀行秋田支店前の道路を渡って、駅方面から続く大屋根の末端、new金座街ビル(旧ニューたけや)の向かいが、仲小路商店街の末端。
秋田信用金庫秋田駅前支店。「ナミーとハギー」のシャッターの右下
ここにいらっしゃる方こそ、
主人公・フグ田サザエ
でも、剥がれてボロボロ。
主人公だから、駅に近い、商店街の入口に持ってきたのだろうが、これではかわいそうだ。

以上、絵のタッチやオリジナルキャラクターがいることから、原作ではなくてアニメ版のサザエさんのキャラクターがカボチャに描かれていることになる。若干、頬が腫れぼったい人(中島、かおり、マスオ)もいるが、凹凸のある曲面なのになかなか上手な絵。
見た限りでは、他に伊佐坂浮江さん(お隣のウキエさん)があっただけで、他のキャラクターのカボチャは確認できなかった。
脇役がいるのに、フネさんやワカメちゃん、タラちゃんがいないのはおかしいから、天候や店の営業時間の都合上、外に出ていなかったり、僕が通らなかった部分(再開発エリアを挟んだ西側や小路)の店に置かれていたのかもしれない。(機会があれば、後日チェックします)→こちらで紹介しています

それにしても、ハロウィンとサザエさんに何の関係があるというのだろう?
彼岸の墓参やクリスマスの年中行事は欠かさない、磯野・フグ田家だが、ハロウィンはまだやっていないようだし…

個人的に好きなキャラクターである、波野ノリスケさんと花沢花子さんを見てみたい。
よーく探せば、レアなキャラクターのカボチャがあるとかいうのもおもしろいかも。
ハロウィンまでまだ1週間あるけれど、絵が剥がれたり傷んだりしたカボチャ、大丈夫?

【2012年10月27日追記】翌2012年は、「ポケットモンスター」のキャラクターを描いたカボチャが置かれた。



今日の夕方は、広小路周辺を歩く人が多い気がした。日曜とはいえ、こんな時間帯になぜ?
中土橋に来てびっくり&解決。
奥が千秋公園
ずらーっと人が行列しているのがお分かりだろうか。県民会館前~中土橋~角を曲って広小路のお堀のデッキ付近まで、お堀沿いに150メートルほどだろうか。
秋田県民会館で何かイベントが行われていて、その入場待ちのようだが、こんなに大行列なのは見たことがなかった。

何が行われたのかと思ったら、秋田テレビ主催の「コンサートツアー2011ザ・ベスト・オブ 葉加瀬太郎」。
葉加瀬さんの人気がすごいこともあるのだろうが、単に主催者の手際が悪いだけかも(僕はコンサートには行かないので知らないけど)。もっと早く入場させてやればいいのに。雨が降ってたらどうするんだ?
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ハイブリッドしらかみ

2011-10-22 22:28:15 | 旅行記
青森へ行って来ました。
今回はスケジュール的・経済的(「五能線フリーきっぷ」を使ったので)事情もあり、行きも帰りも五能線経由で快速「リゾートしらかみ」を利用。
しかも、行き来とも昨年12月にデビューしたハイブリッドシステム搭載の新しい(2代目)「青池編成」!
ということで、この記事では、ハイブリッドシステムや新青池編成の設備を中心に紹介します。風景など旅行記は後日また。
※昨年11月のハイブリッド車両の展示会の様子

快速「リゾートしらかみ」は、1日最大3往復(秋田-青森2往復、秋田-弘前1往復)運転。これからの閑散期は、弘前止まりの1往復が運休したり、全便運休になる日もあるので、注意。
車両は「青池」「ブナ(正しくは木偏に無)」「くまげら」の3編成があり、どの編成がどの列車として走るかは、時期によって異なり、時刻表やJR東日本秋田支社のサイトで分かる。
現在は、弘前折り返しの3号と6号に青池編成が使用されている。


ところで、現在のリゾートしらかみは、3編成ともそれぞれ4両編成。
てっきり、3編成とも、普通座席×3両、ボックス(半個室)席×1両だと思っていたら、「ブナ」編成だけは2両ずつだった。先代の青池編成から外したボックス席の車両(2号車)を、内装は変えずに塗装を塗り替えてそのままブナへ組み込んだことになる。

ボックス席は相席になる可能性もあるし、足は伸ばせるけれど背もたれはリクライニングしないなど、僕は好きじゃない。(指定席料金はどちらも同じ)
今回、指定席は、JR東日本のサイト「えきねっと」で予約した。新幹線などは座席表(シートマップ)が画面に表示されて好みの席を選べるのだが、リゾートしらかみでは、列の指定(ABCD)までしかできなかった。
僕は、行きは海を眺めたいので海側の「A席」指定で、帰りはどうせ暗くなった時間帯だし混んでいないはずなので位置は「指定しない」で乗車2~3日前に予約した。(予約段階では、どの席番か分からない)

きっぷを受け取ると、
行きは、
「1号車1番A席」!
えきねっとで予約すると、たまにこういう変わった席に割り当てられることがある。これはやっぱりコンピュータの融通の効かなさか。
帰りは、
「B室 2号車2番A席」
「B室」というのがボックス席のこと。ここしか空きがないということはあり得ないはずで、なんでまたこんなヘンな席を割り当てたのやら。
でも、大丈夫。
指定席を「同じ日の同じ列車の同じ区間」の中で変更する場合(要は同じ列車内での席の移動)は、手数料なしで変更できる。
弘前駅のみどりの窓口で変更を申し出たら、快く&手際よく、普通席へ替えてくれた。その時見えた画面や、実際に乗車してみても、やっぱり車両はガラガラだった。
えきねっとさんはなぜ、ボックス席にしてくれたんだろう?
※他地域の窓口で購入する場合でも、「B室」がボックス席を意味することを知らない係員がいるなどで、ボックス席にされてしまうことがあるようです。

では、車内へ。

まだ新車の匂いが漂っていた。
座席部分は通路より1段高い

120センチ間隔のゆったりしたシート
座席自体は、現在の特急や新幹線の普通車と同じタイプ。だけど、その間隔が広い。
背もたれのリクライニングはあるが、JR東日本では標準になりつつある座面スライド機能が省略されたのは、特急でないことによる差別化か。【2017年6月13日追記】先代の青池編成では、座面スライド機能があった。

1号車1番席は、弘前行きの秋田駅時点では最後部になり、進む向きが変わる五能線内では先頭になる席だった。
座席と運転室(兼車掌室)の間には「展望室」というフリースペースがある。
先頭になった時の1号車1番C・D席
1番席の前・展望室との境には、仕切りの板がある。他の列車の壁際の席と同じく、前方のテーブルは狭く、ペットボトルホルダーがなく、足元は若干狭い。
仕切りの上部は透明板なので、展望席のソファやベンチに誰かが座っている場合は、その人の横顔を見ながら旅をすることになる。
でも、展望席へ移動せずに自席で「前面展望」を楽しめる点では、いい席。
1番A席から前を見る
ただし、僕のA席からは、正面が運転席の背後であるため窓が小さめなので、前方風景はそれほど良く見えるわけではない。山側になるけれどC・D席の方が、前の眺めは楽しめそう。
なお、夜間は、運転士後ろの小さな窓だけ遮光幕が下ろされ、右側の大きい窓は開いたままだった。
窓の外はブナ編成
ちなみに、展望席部分だけ、蛍光灯の色が違う(電球色?)ようだ。

各車両数か所には、天井にディスプレイがある。
下にはLED文字情報装置も
上の写真でも映っているが、一部区間では、運転席に設けられたカメラからの前方風景を映し出していた。
僕が乗った列車では、行きも帰りも東能代-鰺ヶ沢間で“中継”していた。暗くなっても中継はされたが、真っ暗な中にライトに照らされたレールが伸びるだけ。
夜の米代川を渡る
他の区間では、3号車イベントスペースで津軽三味線の演奏が行われている時はその中継(ただしカメラアングルがイマイチ)や沿線紹介のビデオ(ブルーレイを再生している模様。ロゴが出ていた)が繰り返し映っていた。


窓の外は夕暮れの岩木山とリンゴ畑
では、乗り心地について。
今までのリゾートしらかみ各編成は、男鹿線・五能線など全国各地のローカル線普通列車で使われる、「キハ40系」という昭和50年代製の車両を改造したもの。
気動車(ディーゼルカー)だから当然、エンジンの音や振動はするし、特にスピードが上がる奥羽本線内では一定の速度に達すると揺れが激しかった。末期の国鉄が設計した車両だし、特急などでなく快速だから、仕方ないかなとは思ってはいたけれど。

ハイブリッド車両「HB-E300系」の場合。
まず、ハイブリッド以前の話として、乗り心地がとてもいい。
特急「つがる」に使われているE751系電車と同じような、静かで滑らかな走り。新幹線や他地域の特急以上の快適さだと思う。


そしてハイブリッドシステムの感想は、基本的には「電車に乗っている」感覚だった。ディーゼルカーだとは思えない。
加速時や減速時には、モーターやインバーター(?)の音が聞こえ、それは最近のJR東日本の電車のものにそっくりで、完全に「電車の音」。

ただし、時々ディーゼルエンジンが動く。上記の通り、車内では遮音性が優れているらしく小さめの音なので、空調が作動している時はかき消されて、気づかないかもしれない。
ハイブリッドでないディーゼルカーでは加速時にエンジンが大きくうなるが、ハイブリッド車では加速のタイミングとエンジンの動作が連動していない。発車時は動き出して数秒してからエンジンがかかることが多い気がした。そしていつの間にか止まる。
従来のディーゼルカーとは違うので、不思議な感覚にとらわれた。

これは、この車両が走行する時は常にモーターの力で走り、ディーゼルエンジンはそのモーターへの電力(またはバッテリーへの充電)供給源としての役割をしているためだと思われる(同じハイブリッドでも、トヨタプリウスとは異なる方式)。
発車直後はモーターの消費電力が増えて、バッテリーの残量が減るため、それを補おうとエンジンが作動しているわけか。

また、駅で長時間停車している時も、しばらく経つとエンジンが作動する。
これは、減速・停車時に発電してバッテリーに貯めていた電力を、停車中の照明などで消費したため、それを補うためだろう。
この場合、静かな車内が、急に「がくん」と横揺れしてからエンジンが作動するので、最初は「地震?」などと身構えてしまった。(それほど大きく揺れるわけでもない)

ともかく、従来のディーゼルカーとは別モノの、極めて電車的な静かな乗り物という印象を受けた。
加速の性能も遜色ないようで、帰りの奥羽本線に入ってからのスピード感あふれ、かつ安定した快適な走行には感動した。東能代から八郎潟、そして秋田までが、あっという間に感じた。

これに乗車券と指定席券だけで乗ることができるなんて、ありがたい。
すれ違った従来のリゾートしらかみが、とてもうるさく感じた。今後、僕は選ぶことができたら、ぜひとも青池編成を狙いたい。

ちょっと残念に思ったのは、車内の掲示や放送において、この車両がハイブリッドシステム搭載の画期的な車両であることがPRされていないこと。知らない(興味のない)人には、他と同じリゾートしらかみだと思われてしまうかもしれない。
また、展示会の際、運転席のモニターには、バッテリー残量やエンジンの作動状態が表示されていたが、実際の運行中には、別のメニュー画面のようなものが表示されていた。

※続き(乗車記)はこちら
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ケヤキと柳

2011-10-20 20:50:20 | 秋田の季節・風景
秋も深まり、木々の紅葉も徐々に里に下りてきたようだ。
秋田市中心部では、ケヤキやサクラ・カキなどに色が付き始めてきた程度。ケヤキの場合、現状では紅葉というより、一部の葉がチリチリに枯れただけのように見える気もしなくない。
一昨年は早くて今頃が紅葉の盛りだったが、例年は11月上旬が紅葉がきれいな時期なので(昨年11月5日の記事)、今年もそんな感じに進むのだろうか。

秋田駅にほど近いとある裏通り。
西日を受ける大きなケヤキ
比較的紅葉が早い木なのだろうか、大きなケヤキが傾いた日に輝いていた。
1本だけだが、このケヤキは、とある建物の敷地内に植えられている。その建物が素敵。

歴史がありそうな木造の建物。ガラスのドアには、木材の防腐処理をしているような企業名が表示されているが、営業しているのかどうかは不明。
木材の防腐処理業だけに、建物の木材もしっかり維持されているし、ケヤキの木を大事にしているのかもしれない。
【2015年8月10日追記】2015年8月に久々に前を通ると、このケヤキがなくなっており、造園業者らしき人たちがいて、後に小さな木が植えられていたようだ。2014年にはまだあったかと思う。
※秋田市内の紅葉の様子の続きはこちら


もう1つ、木の話題。
昨年も10月6日にアップした、旭川沿い、川反の対岸、「土手長町通り」の街路樹のヤナギの剪定が今年も行われた。
北都銀行本店前の歩道橋から二丁目橋方向
昨年同様、茂った枝を「梳く(すく)」ような剪定方法が中心。道路管理者の秋田県が、昨年と同じ業者に委託していたようだ。
何本あるのか分からない(数えてみようかとふと思ったけど、やめました)が、五丁目橋から通町橋まで距離にして800メートル以上あるから、相当な本数。10月に入ってすぐ五丁目橋から始まっており、10月11日頃には通町橋の手前で作業していたので、10日程度はかかったのだろう。
左は作業済み、右は作業中
実際に枝を刈る人、下でそれを拾い集める人、さらには警備会社から派遣されたのであろう誘導員によって作業が進む。
歩行者や自転車が現場に近づくと、誘導員がタイミングを見計らって枝刈りの人に伝達し、枝切りの手を止めたり枝を落とす位置を変えさせる。同時に歩行者・自転車を招いて通らせ、安全を確保するといった手順。
通行人は少なくない場所だから、なかなか大変そう。

どこかのアーケード撤去工事とは違い、丁寧な誘導だった。
僕は手間を取らせるのが申し訳なくて、橋を渡って対岸へ迂回してしまった。その程度ならどうってことない。


ところで、四丁目橋たもとの川反の飲食店の敷地から、1本のヤナギが川の上に枝を下ろしている。
もちろん、その木は今回の剪定作業対象外。
三丁目橋から。左が飲食店のヤナギ、対岸が剪定された土手長町通り
両者を比べると、未剪定のはうっとおしいし、剪定済みのはあまりにさっぱりしすぎているような印象。
だけど、駅前のケヤキのようにバッサリ切るよりは、木への負担が少なくて今後も安定した生育が見込めるだろうし、景観上も悪くはないから、これが正しい樹木の管理方法の1つなのだろう。

昨夜だったか今朝だったか、ハクチョウと思われる群れで鳴き交わしながら飛んでいく鳥の声を聞いた。冬も近い。
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新聞記事

2011-10-19 22:52:03 | 秋田のいろいろ
●なんだこれクション
8月11日の記事で、秋田市消防本部に配備された「消防支援車」を取り上げた。

今日の秋田魁新報21面、地域・秋田市面の「なんだこれクション」で「消防車の所属/国、県、市の名称列記」として、この支援車のことが取り上げられていた。
市消防本部に取材しているとはいえ、内容は当ブログの記事およびコメントしていただいた補足の内容(ありがとうございました)とほぼ同一。

たしか先月辺り、防災関係か何かの会議だかイベントの際に展示・公開されたそうなので、その機会に記者が知ったのかもしれないし、記事の出だしの通り、本当に南消防署の前を通りかかって見つけたのかもしれない。

このコーナーは、僕としてはいろいろ思うところがある(こんなこととかあったので)が、内容だってそれ以上書きようがないだろうから、別に当ブログとの関係をどうこう言うつもりはない。
でも、もうちょっと早く取り上げたても良かったのでは? ネタの鮮度ってもんがあるでしょ。セブンイレブン進出の話もまだ記事になってないし。


消防支援車について、新聞記事から新たに分かったことは、
・全長11メートル、全幅2.5メートル、重量20トン(以前参考にした和歌山の新聞であった和歌山県に配備された車両と長さ、重さは同一)
・市内で駐車できる車庫は、配備先の秋田南消防署だけ
・車両右側面が1.5メートルせり出し、広い居住空間を確保できる(和歌山の記事では「4メートル突き出し」となっていたが、元々の幅2.5メートル+せり出し1.5メートル=4メートルってこと?)
・価格は約6500万円で、はしご車と比べると半額(和歌山の記事では約7000万円となっていた)
・3月16日納車、その3日後から宮古市で17日間、南三陸町で16日間活動した
この程度。


●リゾートしらかみ100万人
昨日、JR五能線の快速「リゾートしらかみ」の乗車人員累計が100万人に達した(全席指定なので、発券枚数から算出したらしい)。弘前駅と秋田駅では記念イベントが行われたという。
この件を、青森のマスコミ(東奥日報など)は取り上げているが、魁はじめ秋田では今のところニュースになっていない。
先週金曜の14日にJR東日本秋田支社から、18日が「その日」であることが確定した旨がリリースされ、一般人でも知り得た情報なのだから、マスコミが知らないはずはない。

リゾートしらかみは、元々秋田新幹線開業に合わせて運行が始まったのだし、秋田県の重要な観光資源だ。
それなのに青森はニュースにして、秋田ではしない。両県の観光に対する意識の差が現れているといっては、言い過ぎか。


●ブレーキはどうする?
昨日、潟上市天王のJR男鹿線の踏切で車と列車が衝突し、車を運転していた高齢の女性が亡くなる事故があった。
車は通行できない踏切なのに、農作業のため日常的に通っていたというような情報もある。15年くらい前にも、この辺りで通学の高校生を駅に送る途中の車が同様の事故を起こしていたはず。事故にあった方にはお気の毒だが、運転者の交通法規遵守が徹底されれば、防止できる事故だと思うのだが。
踏切の名前が「ばんじ踏切」だそうで、なぜひらがな書きなのか、どういう意味なのかも気になってしまう。

それを伝える朝日新聞秋田版の記事。
「列車の運転手は「踏切に車が見えたのでブレーキを踏んだが、間に合わなかった」と話しているという。」
正しくは「運転士」だと思うが、それよりも、「ブレーキを踏んだ」ってほんと?

日本の鉄道車両において、足でブレーキを操作する車両は、おそらく皆無ではないだろうか。シミュレーションゲームでおなじみの方もいると思うが、鉄道車両のブレーキは手で操作するもの(形式によって位置や操作方法は異なる)。
「踏む」とすれば、それは警笛のペダルだ。

他の報道では、「警笛を鳴らしブレーキをかけたが…」などとなっている。
元は警察かなんかの発表だろが、それがどういう言い回しだったのかは分からない。ともかく朝日の記者は「ブレーキは踏むものだ。それ以外はない」と思い込んでいたのだろう。(そしてデスクや校閲部門が見抜けなかった)

たしかに車のブレーキは踏むもの。しかし、車以外の各種乗り物について考えると、ブレーキを作動させる方法は押したり引いたり回したり握ったり引っ張ったり多種多様ではないだろうか。
朝日の記者さんは、それを全部「踏む」で表現するつもりなのだろうか。「自転車のブレーキを踏んだ」とか「馬車のブレーキを踏んだ」とか。

幸いなことに日本語にはどんな乗り物についても使える「ブレーキを作動させること」を示す動詞として、「かける」という言葉があるのですけど。日本人として知らないはずはないけどなぁ…

セブンイレブンの記事をいち早く取り上げたのは感心したけど、こんな日本語も使えないんじゃいけません。
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飯島踏切の向こう側

2011-10-18 20:19:09 | 秋田の地理
9月29日の「支所踏切の謎」に続く秋田市北部の飯島地区編です。
(一部の写真を撮り直したいと思っていたのですが、出向く機会がなかったので、若干不本意ですがそのままアップします。)

支所踏切や「飯島コニュニティセンター入口」バス停の南(土崎駅寄り)へ。
旧国道で行くと、ちょうどバス停1つ分。バス停の名は、
「砂山」
北原白秋の「海は荒海 向こうは佐渡よ」を思いだしてしまう。
もちろん、現在は住宅や店舗が並ぶ地域であり、周囲に砂山があるわけではない。
ただし、ここから2キロ弱で海(秋田港。埋め立てや港湾整備が行われて以前より遠くなったのかもしれない)。
住宅地や幹線道路や工業地帯ができる以前は、砂山・砂原と松林が広がる一帯だったそうだから、「砂山」という名前はなんとなくイメージに合ってはいる。

でも、飯島地区だけでなく、割山・新屋など、秋田市内の海岸沿いはほとんど「砂山」だったはずなのに、なぜ、このバス停が(=この場所が)「砂山」なのだろう? 少し調べた限りでは、例えば昔ここが「砂山」という地名だったなどというわけでもないようだ。
しかし、1957年に設立された「納税貯蓄組合」の1つに、14名からなる「飯島砂山納税貯蓄組合」があったようだし、1986年に結成された「飯島短歌会」の歌集のタイトルは「砂山」であるなど(いずれも広報あきたより)、地元の人たちにとって「砂山」が親しみのある名称ではあるのだろう。

砂山バス停付近の旧国道。奥がコミセン入口・追分方向
実はこの旧国道一帯(国道7号線~旧国道~奥羽本線)のコミセン入口のバス停付近から南は、現在は「土崎港北(つちざきみなと きた)七丁目」という町名であり、「飯島」地区ではない。
しかし、1975年までは、土崎港北の一部エリアが「飯島字◯◯」であったそうで、飯島と土崎(土崎港)の境ということになる。

ところで、上の写真左端に看板が少し写っているように、「砂山」バス停そばに郵便局がある。
局名は「飯島郵便局」。
この一帯の郵便局は、いわゆる「簡易郵便局」であることも珍しくないが、ここは普通の郵便局(特定郵便局かな)。街中にある、普通の郵便局のたたずまい。

郵便局の名称は必ずしも地名と一致する必要はなく、そうした例も少なくないはずだが、「飯島郵便局」が土崎に所在していたとは、今まで知らなかった。
昔、「飯島村」だった当時は、実際にここが「飯島」だったのかもしれない(よそから移転して来た可能性もあるけど)し、飯島の「村外れ」だったとしても、旧国道沿いで土崎地区からの集客も見込め、かつ村役場(現・コミセン)に近いから、立地としては良かったのだろう。

さて、上の写真で、郵便局の真向かいの、街灯が立っている部分が、実は線路へ続く道になっている。
こんな風に
石の柱に「村社 飯島神社」、手前に「飯島神社参道入口」とあり、道路は狭い砂利道。先に支所踏切の1つ南隣の踏切が見える。
車は通れない?
道が線路に対して直角ではないため、旧国道からは先の見通しは効かない。入って行ってみる。
踏切も狭い(幅1.3メートル)
踏切の所に二輪車以外の車両通行止めを示す標識があった。
いちおう警報機・遮断機は付いているが、小さな踏切だった。
踏切番号「14」のこの踏切の名称は、
「飯島踏切」!
支所踏切は福島から308キロ118メートル、ここは307キロ841メートル地点なので、飯島踏切と支所踏切は277メートル離れていることになる。

秋田市内では「泉踏切」「将軍野踏切」「羽越楢山踏切」など、広域な地名(大字)が付いた踏切は、幹線道路や交通量の多い道路と交わっているような思い込みがあった。
だから、こんなに小さく、かつ地域の外れにある踏切が、大字名を取った「飯島」踏切だったとは知らなかった。

踏切を渡ると「飯島松根西町」。名実ともに飯島地区になる。
振り返って。こちら側も砂利道
踏切を過ぎると、住宅やアパートがあり狭いながらも舗装道路で、車が通ることができる。
なぜか写真を撮っていないのだけど、踏切から80メートルほどで、数段の階段に突き当たる。
階段の上から振り返ると、踏切が見える
そして鳥居。
階段の上は、神社の境内だった
旧国道の表示の通り、旧国道から踏切を渡ってここまで140メートルほどが、神社の参道だったのだ。ただし、こちらは本殿の裏手らしく、神社の「正面」ではない。
境内は広く、公園のようになっている。木も茂っているが、あまり暗すぎず、いい雰囲気。
左に社殿を見ながら境内を突っ切ると、神社正面で、道路が通っている。こちら側が正面か。
道路沿いに秋田市の「飯島神社街区公園(いわゆる児童公園)」という表示があった。まさに公園だったわけか。

鳥居のそばにあった「由緒(平成10年10月付、氏子総代会)」によれば、文政3(1820年)に建立され、明治45年に飯島地域の他の各神社と合併して村社飯島神社になったという。戦後、再び各地域ごとの神社に戻った所もあり、現在は近隣4町内の氏神様のようだ。
まつられているのは宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)と天照大御神。宇迦之御魂神は、いわゆるお稲荷さんでもまつられる神で、ここも合併前は「飯島の財康稲荷」と呼ばれていたそうだ。

内陸部には田んぼが広がる(そしてかつてはこの辺りも田んぼだったはずの)地域らしい、「村の鎮守の神様」のようだ。
お祭りは8月19日・20日。
文部省唱歌「村祭」の印象があるためか、農村地帯のお祭りといえば、収穫後の秋祭りという固定観念を抱いてしまうけれど、どうも秋田の農村の神社のお祭りは夏が多いような気がする。
神社の前の通り「犯罪のない明るい飯島をつくりましょう。」
道幅は狭くてカーブがあるけれど、けっこう車は通る。コミセンの辺りの通りと似た雰囲気だなと思いながら、北東(線路を背にして左前)へ進む。
すると、50メートルも進まないうちに、
 (再掲)この光景!
なんと、飯島地区コミュニティーセンター・信用金庫ATMの角に出た。
神社の前の道はコミセンに通じ、しかも神社とコミセンはすぐそばだった!
↑地図の中心がコミセンの交差点、左端の縦方向が旧国道
線路に対して道が直角でないため方向感覚と距離感覚が狂うのだが、道路が「>」形に配置されており、飯島踏切を渡れば(神社の境内を抜ければ)思いのほか短距離でコミセンにたどりつけるのだ。
旧国道の各踏切分岐点からコミセンまでの距離で比較すると、神社経由の方が20メートルくらいしか短くはないようだが、感覚的にはだいぶ近道のような気がした。
したがって、バスで飯島コミセンへ行く場合、コミセン入口ではなく、砂山で下車した方が、階段や砂利道・神社境内はあるけれど、気休め程度歩く距離が少なくて済む。(バス運賃はどちらも同額)
コミセン前から神社方向。右奥のこんもりしたのが神社
なお、神社前の道をコミセンと逆(上の写真でまっすぐ)に進めば、「長野踏切」を渡って400メートルほどで旧国道に合流する(マックスバリュ港北店の北付近)。

「飯島踏切」とは、飯島村の鎮守の神様の近くにある踏切という意味なのかもしれない。

【2024年2月18日追記・いただいた情報から50年近く前の話】かつては参道そばに郵便局があったとのこと。「今昔マップ」サイトで1971年、1985年の地形図を見ると、たしかに旧国道から飯島踏切に向かって左側(北)に郵便局の地図記号があった。現在は、旧国道のほぼ向かい側に飯島郵便局があるので、移転したということなのだろう。(以上追記)



それにしても、バス停の「砂山」、先日紹介した「飯島松園」、神社・コミセン一帯の町名「飯島松根西町/東町(まつねにしちょう/ひがしちょう)」もそうだけど、飯島地区には砂とか松林にちなむものが少なくない。
コミセンから少し北に進んだ辺りは、「飯島美砂町(みさごちょう)」という。
松根町も美砂町も、1975年の住居表示実施の際に新しく作られた地名(実施前の小字名などではない)のようだ。「東◯丁目」なんて名前より、ずっと個性的できれいでいい町名だと思う。

砂関係といえば、ちょっと離れた国道の方だけど、飯島にはこんなお店も。
「スナック砂丘」
上の横書き看板をよく見ると、「ツ」が大きくて「スナツク」だけど。
せっかくだから、「砂ック砂丘」にすればおもしろいのに!?
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変な表示

2011-10-17 22:07:20 | 秋田のいろいろ
おなじみの揚げ足取り・ツッコミ集です。
今回は、秋田市内の個人や町内会などが作成した表示類から3つ。
大きな企業や役所・団体とは違い、複数でチェックするという体制がなくて当然だし、見る対象も限られているし、間違いがあっても仕方がないとも言えるが、やっぱり見つけると気になってしまう。


「無断駐車禁止」
とあるアパートの前にあった表示。
POP書体とも若干違うような、手書きっぽいようなおもしろい書体。
最後の毛筆体の「大家」も一種独特の字。

そんなことよりも、おかしいのは
この字! 「頁丁」?
「頂」の偏と旁(つくり)が左右逆!

カット文字を貼る時に取り違えたのだろうか?
全体で見ると「いただく」と読めるけど、文字単独で見るととても違和感。



今度は、町内会が設置した、ゴミ収集場所の表示。
文字におかしな点はないけれど、文章が

最後の「注」。
「ゴミの持ち出しは当日朝出すこと」

ゴミ置き場から「ゴミを持ち出す」ってどういうこと?
しかも「持ち出しは(略)出すこと」?

要は、「ゴミは収集日当日の朝に出すこと」と言いたいのだろう。
ゴミの(各家庭から収集場所への)持ち出しは当日朝出すこと」ということなんでしょう。


もう1つ、別の町内の収集場所。
こちらはいろいろ
現場で気づいたのは、町内会名の「◯◯二丁目」が「◯◯二町目」になっている点。(もしかして町内会名はそういう名だったりして?!)

それ以外にも、後で画像を見て気づいた。
タイトルの「注告」。
そんな言葉はありません!
「ちゅうこく」と読むなら「忠告」だが、「まごころをこめて相手の欠点や過ちを、戒めさとすこと。(goo辞書「デジタル大辞泉」)」だから、ゴミ捨て場によそから来た人に忠告するというのはちょっとおかしい。「注意」とか「警告」というレベルだろう。
「注意を告げる」という言葉の略か?!

文章も全体として、回りくどい気がする(どこかのブログもそうですが)。
「会員以外の方“が”、~」の方がいいかな。
もっと簡潔に「当町内会員以外のゴミ捨て禁止!」でいいのに。
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八橋の道・続報

2011-10-15 20:05:16 | 秋田の地理
8月28日9月16日の記事で紹介した、秋田市八橋地区の草生津川沿いに9月17日に開通した市道「都市計画道路外旭川新川線」。

相変わらず、秋田市のサイトや広報紙(10月7日付でも)には、開通した旨の告知はない。
マスコミも報道していなかったが、なぜか、今日、10月15日の秋田魁新報に記事が出た!
特にイベントがあるわけでもないし、なぜこの中途半端なタイミングで記事にしたのだろう?
記事が載ったのは、25面の「秋田市」地域面。
「都市計画道路・外旭川新川線/八橋工区の一部開通/新国道渋滞緩和に期待」との見出し。略図と写真付きの大きめの扱い。
内容は、当ブログとそんなに変わらないが、新たに分かった点をまとめる。
・開通区間(当ブログの以前の記事の略図でいう「A」~「B」工区)は680メートル。幅員16メートル(歩道含む)。総事業費28億円。2009年着工。
八橋工区の残り340メートル(「C」工区)は来年3月末完成予定
北隣の「寺内工区」680メートルは、2014年着工予定で2017年3月末完成予定。寺内工区開通により外旭川新川線は全線開通し、新国道の渋滞緩和に相当な効果が見込めると、市道路建設課では話している。

なるほど。やっと全貌が明らかになった。
上記「○年○月完成」というのは、これまでのパターンでいくと「供用開始(通行できるようになる)」という意味ではなく、「工事が終わる(=開通・供用開始はその少し後)」ということもあり得る。
何度も言っているが、秋田市はマスコミに聞かれたから答えるのではなく、ホームページなどで市民・道路利用者に広く周知してほしい。


10日ほど前、現地へ行ってみたが、交通量はさほど多くはなかった。
したがって、特に危険な状況でもなかったので、これは“周知をしなかった効果”か。
大道東橋から。先の信号の左が「B」、右が「A」、奥が新国道
新国道「八橋鯲沼町」交差点に通ずる通りは相変わらず狭い道を多くの車が走っていたが、ローソンの交差点を右左折して新しい道へ入る車は少数。ほとんどがまっすぐ新国道へ向かって行った。

「B」工区北端(こんな写真が撮れるほど交通量が少ない)
「B」の北の突き当たり=「C」工区南端では相変わらず会社の建物がトーセンぼ。
立ち退きの準備をしているようにも見えなかった。本当に3月末までに道ができるの?

ところで、上の写真の左右の車線の矢印標示に注目。
右折矢印は一般的なものだが、左折矢印は短い。
横から見ると分かるかな(手前が短い左折矢印)
失敗したわけではなく、後から(C開通時に)直線矢印を足して、「直進と左折」の矢印にすることを見込んでいるのだと思われる。
おそらく、ここに信号機が設置されるのだろう。
先方には以前紹介した、寸詰まりの「止まれ」標示もあるが、これはその際に消しやすいようにということだろうか。


さて、この新聞記事の略地図。

新しい道路と新国道、それと交わる道路、草生津川のほかは、主要施設が3つしか描かれていない。
「八橋パブリ」「八橋小学校」(いずれも両敷地内の建物配置が、なぜか詳細に描かれている)と「秋田陸運支局」。
秋田陸運支局?
この地図が示す位置には、たしかにかつては「秋田陸運支局」があったが、現在は「秋田運輸支局」。
国土交通省の地方出先機関であった「陸運支局」と「海運支局」は、2002年7月に統合され、各県ごとに「運輸支局」となって現在に至る。

つまり、9年も前になくなった名称を記載しているのだ!
運輸支局は、自家用車の手続きなどで一般人でも存在を意識する機会があるだろうし、新国道のバス停の名称(運輸支局入口)にもなっている。秋田市に住んでいて、新聞記者をやっていても、そのくらいのことが分からないのだろうか?
毎度書くけれど、デスクとか校閲担当者とかもスルーしてしまうというのが情けない。

※道路工事の続きはこちら
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