広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

年の瀬の夜の秋田市

2011-12-31 17:15:36 | 秋田の季節・風景
おとといの大雪の後、昨日は強風が吹き、大晦日の今日は晴れ間がのぞく穏やかな天気。積雪は若干減って(融けたというより圧縮されたのか)35センチほど。
年の瀬の秋田市中心部の夜の光景を中心に紹介します。
●AKITAエキマエデコレーション
今年は節電や震災の自粛ムードのため、年末のイルミネーションが控えめなところがある。秋田駅前(西口側)は、
左がフォンテAKITA、ぽぽろーどを挟んで右奥がフォーラス
昨年までは、フォンテ前や広小路の駅寄りのケヤキの木にイルミネーションがついていた(2008年の様子)が、今年はなくて暗い。枝をバッサリ落とされて、つける場所もないのだろうけど…

例外は、JR東日本秋田支社前の2本のケヤキだけ。
夜でも旗(JRの旗と緑十字の安全旗)が掲揚されているのか
ここは木自体がJRの管轄らしく、枝も切られていない。電飾もJRによるものだろう。

さて、広小路のうち駅寄りの「秋田市駅前広小路商店街振興組合(23事業所)」の部分では、イルミネーションに替えてこんなものが。
秋田フォーラス
建物の壁や路面に映像(アニメーション)を投影しているのだ。
夏や秋にも「エキマエEXPO」としてイベントが行われたが、その冬版「AKITAエキマエデコレーション」。
12月9日から1月8日までの17時から21時に行われ、クリスマス前はクリスマス関係の、以後現在は年越しにちなんだ映像が流れている。※12月30日から1月1日はメンテナンスのため休みとの情報もあるが、昨日30日はご覧の通りやっていた。
エキマエEXPO全体で国の中小商業活力向上補助金1300万円を使っていて、冬は自己負担分を含めて550万円の費用。

当初は、イルミネーションを昨年の3倍にして実施する予定だったが、節電のためにこの方式に変えたとのこと。
消費電力は、イルミネーションを3倍にした場合の約4分の1(すべてLEDの場合)で、昨年のイルミネーションの約半分。
アルス前の歩道の路面(ハートマーク)
一般的なプロジェクターの4~6倍の強さの光で、1か所につき2台を使ってクオリティを高めているという。とはいえ、投影されているフォーラスなどは節電のため看板が消灯しているものの、通常点灯している近隣の居酒屋などは明るいし、そんな中ではあまり目立たないような気もした。
駅を背に広小路
フォーラスの壁に投影される映像は縦横5メートルほど←と毎日新聞に書いてあったけど、ビルの半分近いサイズだからもっと大きそう。フォーラスの壁は凹凸があるから、完全には映らない。
フォーラス向かいの緑屋の前にプロジェクターがあった

西武秋田店・秋田ビューホテルの壁では、
辰のアニメーションなど
アゴラ広場の地面の雪にも、うねうねした模様が映し出されていた(上の写真左下の青っぽい模様)。こちらは駅前より暗いせいか、わりと目立つかも。
ここでは融雪装置の工事が行われているが、まだ途中ながらいったん片付けて、歩行者通行スペースを広く開放していた。
西武前の路面
フォーラスの壁面と同じアニメを小型化して投影。こっちも暗いので見やすい。もし雪が積もっていたら、真っ白なスクリーンでまた違って見えるだろうか。歩きにくいけど。

●広小路の街路灯
上の写真にも写っているが、この区間の街灯が新しくなった。
商店街振興組合が国の補助金でLED式街路灯を18基設置し、今月点灯式が行われたばかり。
久保田町交差点から駅方向を見る(ここも融雪工事中)
オーソドックスな形の街灯で、イベントなどの旗を下げられるようになっている。

●仲小路の街路灯
広小路の1つ南の「仲小路」。ここでも最近、街路灯が更新された。
 (再掲)以前はいかにも電球らしい形状の街灯
更新後は、
アトリオン前
上の写真撮影時は、まだ根元にカバーが巻かれていたし、上部が中途半端な形に感じた。
きっとポールだけ先に設置して、後から灯具を取り付けるのかと思い込んでいた。しかし、
そのまま点灯している!
上部の灯具取り付け金具のように見えていた輪っか状の部分に、実は白色LEDが何個も(8個くらい?)埋めこまれていたのだった。なかなか明るく、下向きなので無駄なく・まんべんなく照らすことができている。
あまりにそっけないデザインのような気もするし、隣の広小路との統一感がないけれど、シンプルで悪くない。こちらも旗を下げられるアームが付いている。
※仲小路の照明についての続きはこちら

●まだクリスマス気分
おととい、フォンテ前はクリスマスツリーが撤去されたが、秋田市公営駐車場前では、クリスマスを過ぎてもまだツリーが出ていることを紹介していた。
上の写真の突き当りにも見えているが、中通一丁目の再開発「エリアなかいち」の工事現場でも、
東側(駅側)は商業施設の足場の覆いに電飾

 
写真左・西側(キャッスルホテル側)壁面は別デザイン/写真右・北側(広小路側)の囲いも恒例の電飾とマスコットキャラ「与次郎」
工事現場でひんぱんに電飾を取ったり付けたりもできないだろうけど、ここもまだクリスマス気分でした。

さらに、
秋田キャッスルホテル
星とかトナカイとかがいるから、これもクリスマス仕様だろう。
秋田を代表するシティホテルなんだから、もうちょっとタイムリーにできないかな。

そうそう、秋田市公営駐車場では、
出た! クリスマスツリーと正月飾りのコラボ!!
【2012年1月24日追記】1月24日時点では、もちろん、ツリーもしめ縄も撤去されていた。

●まちなかデザイン事業トライアル掲示設置行灯
当ブログではおなじみ、二丁目橋たもとのケヤキの大木がある「那波家の水汲み場」跡。そこは小さな公園のようになっている。
そこに、12月に入ってから、新しい物体が置かれているのをご存知だろうか?
 (再掲)分かりますか?
歩道際にでっかい「行灯(あんどん)」が設置されたのだ。
「川反さいぐきたなあ」(=川反へようこそ) 
ここは歓楽街・川反(かわばた)の入口でもあり、その歓迎の言葉が大きく書かれ、他の面には川反や秋田美人についての説明が出ている。
左隣の竿燈の壁画(?)は昔からあります
行灯の上部には「秋田市まちなかデザイン事業/トライアル掲示設置行灯」という文言と12月1日から31日まで設置されることが記載されている。

「秋田市まちなかデザイン事業(正式には秋田市まちなかデザイン調査事業?)」とは、秋田市観光物産課が「秋田県緊急雇用創出臨時対策基金」を活用して行う事業で、「観光地としての魅力アップと雰囲気づくり、街のにぎわいの演出などをはかるため、街を彩る装飾などのデザインを検討するとともに、掲出場所の調査等を行う。」のが目的。実際の業務は民間に委託しているようだ。
秋田市内のいくつかの場所にオブジェ的なものを試験的に設置しているらしく、秋に秋田駅の改札口前に設置された、イネの束を置いたパネルみたいなのも、この事業によるもののようだ。

ここの「トライアル掲示設置行灯」ってヘンな言葉。「行灯試験設置」でいいんじゃない…
行灯だから夜は明かりが灯るわけだが、冬は16時を過ぎれば暗くなってしまうのに、点灯するのはもっと後(17時?)。川反に人が集まる時間帯や節電を考えれば、それでいいのかもしれない。
秋田駅側(二丁目橋上)からは、あまり目立たない?

反対側からはそれなりに
雪をかぶった巨大行灯、風情があるようなないような…
雪が積もって公園内に立ち入りできないので、裏面の内容を読むことは難しくなった。それに、川反に来る人が必ずここを通るとは限らないわけで…
秋田市まちなかデザイン事業には続編があるのかな。
【2012年1月5日追記】翌年1月5日現在、まだ行灯が設置されたまま。
【2012年1月10日追記】設置期限が「2月29日まで」に延長されていた。
【2012年2月19日追記】19日付秋田魁新報1面コラム「北斗星」でこの行灯に触れていた。
秋田県が東京銀座のビル壁面に広告を出すことを示した後で、秋田市川反には「秋田の美や味の魅力を伝える広告塔が立っている。秋田らしさを演出する一手法として、今月末までの3カ月限定で市が試験的に設置した」「人の背丈ほどの高さで、あんどんのように内側から照らしているので夜目にも分かるが、銀座ほど人通りがないのは残念。」などとしている。
いちおう正式に「行灯」という名称なのに、「広告塔」で「あんどんのように」とは、これいかに。



今年も当ブログをご覧いただき、ありがとうございました。
ブログ開設以来、昨日までのトータルのアクセス数は、訪問者:535,432IP、閲覧数ページ数:1,764,542PVと、おかげさまでたくさんの方にご訪問いただきました。
好き勝手にマニアックに書いていますが、来年もどうぞよろしくお願いします。よいお年をお迎えください。
コメント (5)
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大住団地線

2011-12-30 23:20:20 | 秋田市営バス
久しぶりに仁井田字大野の続きで、この記事で終わりです。書いているうちに秋田市営バスの歴史のような内容になったので、市営バスカテゴリーに入れておきます。
※仁井田の前回の記事一連の最初の記事

前回は、路線バス「大野線」の終点「大野四区」から北西へ300メートルほど進むと、農村(っぽい)風景が一変して新興住宅地の街並みに出た。
市立大住小学校のすぐ南西(間に田んぼがある)で、雄物川の堤防(茨島・大住アンパスの通り)やJR羽越本線からは、共に300メートル前後。
住所としては、線路側の一部が2001年に住居表示が行われた「牛島南二丁目」で、それ以外が「仁井田字西潟敷」「牛島字東潟敷」。(牛島南二丁目は、かつては牛島字西潟敷、牛島字東潟敷、仁井田字西潟敷だった)
ここは仁井田地区と牛島地区の境目であり、昔は東西の「潟敷」に分かれていたようだ。「潟」とは、以前触れた「大野潟」のことだろう。

古くないほぼ同サイズの戸建住宅がびっしりと並ぶここは、「大住ニュータウンみなみ野」と呼ばれる住宅地。(明確な範囲は分かりません。ちなみに、雄物川側のアンパスの通り沿いは「第二みなみ野」と呼ぶらしく、所在地は仁井田字新中島)
僕がここが「みなみ野」という名であることを知ったのは、1993年。しかし当時は、「みなみ野団地」という名称だと思っていて、アパートみたいな集合住宅をイメージしていた。
アパート風でなく戸建住宅の集合を「団地」と呼ぶのは、あまり一般的ではないような気もするが、このような意味で使うこともあるにはある。

おそらく、「大住ニュータウンみなみ野」というのは、不動産会社が分譲地に付けた愛称なのだろう。
では、「みなみ野団地」は誰が付けたのか?
おそらく、当時の秋田市交通局だと思う。1993年春に大住団地線を延長した際、「大住団地(みなみ野団地)線」と名付けたのが最初だと思う。
秋田市交通局は、実際の正式名称をちょっといじってバス停名や路線名にする場合が少なくなかったフシがあり、他にも旭野団地、栗田県営住宅、酒造センター辺りなどが該当しそう。

大住団地線は2001年度から中央交通に移管され、現在は「大住・みなみ野団地線」と呼んでいるようだ。
この路線は、現在は秋田駅西口と牛島西四丁目を結んでいる(平日の1往復は駅に寄らず県庁経由大川反車庫発着)のだが、牛島側での経路や終点の変遷を見ると、興味深いものがある。
まずは、現在の路線図をご覧ください。
赤い線が前回まで紹介した「大野線」、青い線が「大住・みなみ野団地線」。バス停はすべて記載。(一部地図からはみ出ていたり、元市営バスの路線だった大住線の方を赤い線にした方がいいですが、前回の使い回しなので…)
※大住・みなみ野団地線は、2017年10月に有楽町~大住団地入口間の経路が変わり、旧道~二ツ屋下丁~南高校前を通らなくなりました(大住団地入口以降は変更なし)。さらに2019年4月からは末端の2停留所が廃止(移動)され短縮されました。以下は経路変更前・初回アップ時の情報をそのまま残しています。
国土交通省国土地理院「電子国土Webシステム」より抜粋・加筆
秋田駅から有楽町・牛島を通って来た大住団地線は、「二ツ屋下丁」通過後、国道13号線に合流する「二ツ屋」三叉路を急角度に曲がって13号線へ出て、秋田市中心部へ戻るかのようなコースをたどる。
この“逆走”区間は、県立秋田南高校の前を通って、次の「大住入口」交差点までの400メートルほどで、バス停は「南高校前」1つだけ。しかし、南高校前は、卸センター入口(柳原)経由御野場団地線も通るので、両者で上りと下りのバス停位置が入れ替わっているという、少しややこしいことになる。

国道が猿田川を渡る手前、スーパーマーケット「ナイス仁井田店」がある「大住入口」丁字路交差点を左折。(上の地図ではみ出た部分)
ナイス仁井田店。奥の左右が国道で、左がローソンと猿田川
ナイス仁井田店は、前身の「フードセンター」当時からの建物で、昭和の趣がある小型店舗。ナイスの中では最古の店だろう。
ここからは他路線が通らない大住団地線単独のコースで、再び狭い道になる。
左手(ナイスの裏)には、住宅や秋田南高校の脇が見える
秋田南高校の校地のうち、この付近は1994年度までは「秋田県教育センター」だった。教育センターが潟上市天王へ移転して秋田県総合教育センターとなり、1997年の南高校の校舎改築の際、同校の校地が広がった形。
住所はこの辺りまでが「仁井田緑町」で、以降は「大住」になる。そこのバス停が「大住団地入口」。
大住団地入口バス停付近に、小さな郵便局がある。
「大住簡易郵便局」
簡易局にしては本格的な構えのようにも見えるが、ATMはない。
そういえば、この一帯には郵便局もゆうちょATMも極めて少ない。
【1月1日追記】コメントをいただいて思い出した。以前、ここは酒屋だった。酒屋が廃業後、大住団地バス停そばにあった郵便局が移転して来たとのこと。

郵便局差の先も道は狭いが、700メートルほどに渡ってほぼ一直線。「大住二丁目」「大住三丁目」の2つの停留所がある。
沿道は戸建ての住宅があり、裏側には集合住宅形式の県営大野住宅や雇用促進住宅仁井田宿舎がある。昭和40~50年代に開発されたらしい。
大住を行く大住団地線
バス通りは商店街にもなっており、それなりにお店がある。1983年に設立された「大住地区商工振興会」には、現在42店舗が加盟している。
大住二丁目バス停付近
秋田らしく美容室のほか、クリーニング店、医院が多い感じだが、秋田銀行大住支店、弁当屋などもあり、広小路なんかより商店街の体をなしているとも言えそう。幼稚園もある。
大住三丁目
大住三丁目付近になると、住宅がメイン。

そして、やや広い道と交わり、住宅街が途切れる。
広い道は新しい道で、左折すると「あきたこまち誕生の地」碑・「小中島入口」バス停方面。そして向こうの広大な空き地が、秋田県農業試験場跡地。住所も再び「仁井田(字小中島)」になる。※関連記事
先にさらに細い道が続いているが、それは試験場跡を抜けて大野へ至る。
バスは右折。
右(国道・大住三丁目方向)から来て奥へ右折
曲がってすぐが、「大住団地」バス停。
右は住宅地、左は試験場跡
住宅地と試験場との境、大住地区の端である「大住団地」は、上記の通り1992年度までは、大住団地線の全便が折り返していた。
この先も含めて他の停留所のバス停のポールは、表示板部分がリニューアルされているが、なぜか大住団地だけは上下とも手書き文字の古いまま。(運行会社名部分は書き換えられているが、消えている)
「大住団地」以外の文字が見えるような… どこかの使い回しか?
かつてはここで折り返していたということは、方向転換や待機する「回転地」があったはず。
僕の記憶によれば、その場所がたぶん今も残っている。
先ほどの交差点。奥が大野、バスは後ろから右へ
交差点の東側(上の写真正面)に、ちょっとした空き地があり、それが回転地だったと記憶している。
現在は、上の写真の通り、舗装されて電話ボックスがあり、何台かの車が停まっていた。どういう位置づけのスペースなのか?

大住団地を過ぎたバスは、右手に大住の住宅、左に試験場跡を見て、200メートルほど進む。その末端が「大住小学校入口」バス停。
(今までと逆向きで)右が試験場跡地。大住小学校はこの左後方
「入口」といっても、市立大住小学校までは100メートルも離れてはいない。でも、「小学校前」っていうほど前でもない。
道は田んぼに突き当たる。バスは左折してすぐに右折。
突き当り。右奥が大住小
150メートルほど、田んぼの向こうに小学校や住宅を眺めて進む。
試験場跡とは異なり今も耕作されているので、四季折々の田んぼの光景を見られる。冬は吹雪くし、通学路なのに幅員が充分でないので、注意。

やがて左にカーブし、道幅が広くなり、突如、新しい住宅地に入り込む。
ここからが「大住ニュータウンみなみ野」。500メートルほど直進。

写真がないですが、ニュータウン最初のバス停が「みなみ野入口」。次が、
大住コミュニティセンター入口
1994年4月開館の秋田市大住地区コミュニティセンターは住宅地の奥にあり、バス停から120メートルほど離れている。
上の写真の通り、バス停の表示が変わっていて、小さな文字で「みなみ野団地」という“サブタイトル”が付いている。
「大住・みなみ野団地線」という割には、ズバリ「みなみ野団地」というバス停はないことになるが、上記の通り、みなみ野への延伸が1993年度、コミセン開館が1994年度なので、1993年度の1年間だけは「みなみ野団地」というバス停名だったことになる。
広報あきた1274号1993年3月20日より
大住団地線延伸を伝える秋田市の広報紙でも、このバス停が「みなみ野団地」になっている。
ちなみに、二ツ屋福島線の今の「南部公民館前」は当時は「牛島東六丁目」というバス停名だったようだ。

前回、大野四区から歩いてきた時に出たのがこの付近。

以後、写真はないですが、道路は右にカーブして、小さな「古川」を渡り、国道以来久々の信号機付き交差点へ。
直進すれば雄物川堤防沿いの茨島・大住アンパスの通りへ出るが、バスは右折。
あと300メートルほどで終点で、曲がってすぐ「西潟敷」バス停。雰囲気は変わるが、引き続き住宅街。
上の広報の図でも分かる通り、みなみ野延伸当初は、ここが終点だった。いつの間にか(移管前か後か不明)、さらに1つ先の「牛島西四丁目」が終点になっていた。
牛島西四丁目には回転地があるが西潟敷にはおそらくない。昔は近くの路上で方向転換していたのかもしれない。(憶測です)

牛島西四丁目の200メートルほど先がJR羽越本線のアンダーパス「牛島西アンパス」。※この記事の下の方
線路を潜れば茨島や卸町へ行くことができるが、牛島西アンパスは高さ制限3.0メートルなので、バスが通ることはできなさそう。

以上、大住団地線のルートをざっとたどりました。
秋田駅西口(~二丁目橋)から各バス停までの運賃は、
(二ツ屋上丁~)南高校前まで300円、大住団地まで330円、大住コミセンまで370円、牛島西四丁目まで390円。
ちなみに大野線の大野四区までは390円。


ここで、広報あきたのバックナンバーなどから、二ツ屋・大住方面の秋田市営バスの歴史を振り返ってみる。※市営バスだけで、中央交通については不明
・1962(昭和37)年2月 羽後牛島駅止まりの「牛島線」の一部を二ツ屋まで延長して「牛島二ツ屋線」運行開始(44往復。他に山王・県庁経由も毎時1本あったらしい)
→羽後牛島駅止まりのバス路線は現存しない。二ツ屋線については以下で徐々に
・1962(昭和37)年4月 県立秋田南高校開校
→南高校は二ツ屋下丁が実質的な最寄りバス停なので、二ツ屋延伸は通学対策もあったのかもしれない
・1968(昭和43)年12月 牛島ニツ屋線のうち22往復を仁井田上丁まで延長して運行
→現存しない路線だが、御野場団地線の原型だろうか?
・(参考)1971(昭和46)年11月 茨島環状線(茨島・牛島環状線)運行開始【2024年9月28日追記・1958年から存在したような情報もあるが、詳細不明。また、茨島環状線は2016年に卸町経由に再編され、2024年で廃止。】
→環状線は現在は牛島東一丁目の秋田銀行前で曲がってしまう(線路を渡らない)が、当時はその道路がなかったので、二ツ屋下丁まで来て、大住団地線のように南高前へ折り返して国道を戻っていた(踏切と跨線橋で線路を2度渡る)。
・1972(昭和47)年12月 二ツ屋線を延長して「大野団地線」運行開始
→これが大住団地線の誕生か。当時は「大住」という地名がまだ存在しなかったわけだが、農業試験場の敷地を挟んで終点が相対する、中央交通「大野線」に対抗するため「“大野”団地線」としたのだろうか?
この場所を「大野」と呼ぶのは、浦安にある東京ディズニーランドみたいに若干ズレているような気もする。しかし、県営住宅の名称や、大住に近い仁井田字西潟敷の私立「大野保育園」(1977年開園)の名称からしても、この辺も「大野」と呼ぶことに一定のコンセンサスが得られていたのかもしれない。
現在みなみ野に立つ電柱。電線は「大住ニュータウン線」で電話線は「大野西」。大野と大住が交錯する
・1976(昭和51)年3月 「ニツ屋線 秋田駅~ニツ屋下丁」「仁井田線 秋田駅~仁井田」「大野団地線 秋田駅~大野団地」などでワンマン運転開始
→この時点で、二ツ屋線とその派生路線の計3路線が走っていたことになる
・1976年(昭和51)年4月 住居表示実施で「大住」という地名が誕生
・1976年(昭和51)年11月 広報あきた684号に掲載された運賃表によれば、
初乗り60円!(元画像が不鮮明です)
運賃表が合体していることからも、当時は仁井田線と大野団地線が二ツ屋線の派生系統として一体的にとらえられていたことがうかがえる。(新屋線とそれを延長した新屋高校線・大森山公園線みたいな関係か)
仁井田線は「仁井田中丁」を通り「仁井田横丁」が終点。
大野団地線は「大野郵便局前」が終点。
→やはり「仁井田線」とは御野場団地線の原型なのか。「仁井田中丁」は国道13号線のバス停で、現在の御野場団地線も通る。「仁井田横丁」は国道上の「四ツ小屋入口」交差点付近。御野場団地線はその直前で曲がって御野場へ向かっている。
→現在は「大野郵便局」という郵便局自体存在しない。運賃表の位置からすると、現在の大住団地バス停に相当しそうだ。もしかして大住簡易郵便局が、別の名前で別の場所にあったのだろうか。【1月1日追記】コメントや上記の通り、わりと最近まで回転地近くに郵便局があったとのこと。
・1979(昭和54)年4月 広報の市営バス沿線風景を紹介する連載で「ニツ屋仁井田線」が紹介される
「国道十三号線を通り、(中略)御野場団地まで運行されている路線です」とされている一方、「仁井田終点」とも記載。
→これまでの「仁井田」が実は御野場団地のことだったのか、あるいは今の御野場団地とは違う位置なのかは不明だが、いつの間にか御野場方面へ路線が延びている。
・1980(昭和55)年7月 「大野団地線」を「牛島大住線」に名称変更
→この時、交通局庁舎が保戸野から臨海へ移転している
当時の記事を見る限り「大住“団地”線」ではないが、この時点で、僕も記憶している牛島・仁井田方面のバス路線網が確立されたと言えそうだ。(結局、御野場団地線がいつからそう呼ばれたかは分からなかった)

以降は、保存してある市営バス時刻表から。(時刻表の画像をアップすれば説得力がありますが省略させてもらいます。見間違いがあるかもしれません)
・1988(昭和63)年春 大住団地線は毎時2本運行。全停留所掲載の冊子時刻表では現「大住二丁目」が「仁井田ストアー」となっている。
二ツ屋線は毎時3本運行。うち基本系統は「二ツ屋下丁」発着で毎時2本。残り1本が「福島下丁」発着(=二ツ屋下丁は通らない)。(他に南高校発着便も)

・1989(平成1)年春 この改正からダイヤが「平日土曜」と「日曜祝日」の2本立てとなる。※当時は週休2日制ではなく、土曜日も平日扱い。学校の下校時刻の関係などで、土曜運休/土曜のみ運行というダイヤもあった。
平日の二ツ屋発着がごく若干減ったが、まだ福島下丁便がサブ扱い。しかしながら日曜日は全便が福島下丁発着となる。

・1990(平成2)年12月(同年春の時刻表がないため不明) 二ツ屋線の基本系統が「福島下丁」発着になり正副が逆転。従来の二ツ屋下丁便に相当する系統は、平日昼間を中心に毎時1本程度の運行。
その二ツ屋下丁方面系統は、なぜか「午前中は(二ツ屋下丁の次の)大野口発着で土曜日も運行」「午後は二ツ屋下丁発着で土曜日運休」というパターン。(夕方や夜間は例外あり)下りの行先表示はどちらも「牛島・二ツ屋」だった。
ダイヤは秋田駅を毎時45分に出発し、折り返して大野口/二ツ屋下丁を毎時07分発。したがって大野口発の便では、二ツ屋下丁発よりも、以降のバス停の通過時刻が若干(たしか1分)繰り下がっていた。
僕は、この当時の大野口/二ツ屋下丁発の上りバスを何度か利用した経験がある。実は、直前に御野場団地線(毎時53分始発)があり、二ツ屋下丁で毎時00分発だったと思う。つまり大野口/二ツ屋下丁発は、御野場発の7~8分間隔後を続行する短区間路線なので、いつもガラガラだった。
疑問だったのは、どこで方向転換していたのかということ。二ツ屋下丁にも大野口にも回転地はない。二ツ屋下丁行きのバスは、一度国道の方に出ていって数分後に戻ってきていた。おそらく、大野口発着便と同じ場所で方向転換していたのだろう。ひょっとして、国道の路上でぐいーんと回転していたのか?
大野口/二ツ屋下丁発着のバスは、そもそもの存在意義と、大野口発着と二ツ屋下丁発着があることの意味、どこで方向転換しているかと、謎の多い路線だった。
【2012年3月18日追記】この記事にいただいたコメント方向転換の場所が判明した。大野口停留所の先にある、13号線から旧道が再度分岐する「切上」の三叉路で行なっていたという。国道から左側の旧道に入っていく道に、再度国道へ戻る右折車線が設けてあり(現在もある)、それを使ったそうだ。ほぼバスの方向転換のためだけに設けられた車線ということのようだ。

・1993(平成5)年春 この改正から、土曜日も休日ダイヤとなった(学校はまだ第2土曜だけが休みだった)
大住団地線がみなみ野団地(西潟敷)まで延長。ただし、全便ではなく半数(毎時1本)だけで、残りは従来通り大住団地線発着。行き先表示はどちらも「牛島・大住」を使用し、西潟敷行きは「みなみ野」という紙を前に掲出していた。
また、福島下丁発着の二ツ屋線が末端で環状運行するようになる。

・1994(平成6)年春 二ツ屋線の大野口/二ツ屋下丁発着系統が廃止
32年に渡って存在した二ツ屋下丁発着系統がなくなり、二ツ屋線は福島下丁行き(正確には南部公民館前=牛島東六丁目行き)とわずかな南高校発着の2系統に。【牛島経由南高校発着系統は2014年で廃止。】
二ツ屋福島線の242号車
・1996(平成8)年春 大住団地線がすべてみなみ野団地発着に。本数は毎時2本のまま。おそらくこの時点で「みなみ野」の紙掲出をやめて、「牛島・大住」での運行に戻ったと考えられる。それが中央交通へ移管されさらにLED化され、今年9月まで使われていたことになる。
・2001(平成13)年春 牛島方面の市営バス路線が秋田中央交通へ移管
【31日追記】記憶にある限りでは、市営バス時代の二ツ屋・大住・御野場各線とも中型バスでの運行で、大型バスが使用されたことはないはず(おそらくワンマン化以降は)。全営業所で分担して担当していた模様。
中央交通移管後も中型バスでの運行。当初は秋田東営業所が担当していたが、今年春の統合後は秋田営業所が担当(車両はかつて東に所属していたものがメイン)。

牛島駅→二ツ屋→大住/御野場と路線が延伸されたことから仁井田・大住地区の発展が見て取れる変遷ではないだろうか。
一方、今年秋からは大住団地線、二ツ屋福島線とも減便され、特に二ツ屋線はかつては毎時3本もあったとは信じられないような過疎ダイヤになってしまった。(市営バス時代が供給過剰ではあったが)


最後に、大住団地線の経路を考えると、かなり遠回りしている。
途中の牛島地区での乗降と運行開始当初の道路事情や上記の経緯(二ツ屋線が延長された)を踏まえると、昔はそれでよかったのだろう。
しかし、現在の終点の牛島西四丁目は、感覚としては茨島とか卸町経由で秋田市中心部へ行きたくなる場所。この辺りの皆さんは、牛島経由のバスでは秋田市中心部や秋田駅前との行き来に時間がかかりすぎると思っているかもしれない。
そして、昨年、羽越本線を潜る市道「茨島・大住アンパス」が開通した。アンパス周辺は道が広く、路線バス空白域でもあるので、ここを走る「新・みなみ野団地線」が設定できないだろうか。
秋田駅から新屋線・茨島環状線の経路で旧7号線・秋田大橋まで来て東へ曲がるルートでもいいかもしれないが、それよりも有楽町・イオン秋田中央店前から直進、卸町・茨島の生協前の市道を抜け、堤防に突き当たって東へ曲がりアンパスへつながるルートが最短だろう。つまり、「有楽町・卸センター前・卸町・茨島七丁目・アンパス経由」となる。

地図上で秋田駅西口から牛島西四丁目までの距離を測定してみた。
現在の大住団地線の牛島・南高校前・大住経由では7.3キロ。一方、卸町・アンパス経由なら5.7キロと1.6キロ短縮される。
これは秋田駅西口から有楽町バス停付近までの距離に相当する。仮に卸町・アンパス経由のバス路線ができて、駅からみなみ野周辺までバスに乗れば、時間が短縮されるほか、現行より50円は運賃が安くなるかもしれない。
みなみ野からさらに逆方向に進んで大住・南高校方面、あるいは堤防沿いをさらに進んで大野・御野場方面など、新たな路線・経路も考えられる。公共交通の便が悪かった地域の需要掘り起こしや既存路線の渋滞や積雪による遅延の緩和になるかもしれない。
前も書いたけれど、秋田市内の路線バスは「現状のバス路線網を維持する」のでは既に無理があり、「新しい道路や生活の変化に対応した抜本的な路線網の見直し」こそ必要だと思う。

※その後、2015年10月の牛島方面のバスの状況
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大雪の年の瀬

2011-12-29 21:34:25 | 秋田の季節・風景
秋田市は大雪の年の瀬。
クリスマス前は10センチ程度積もっていた。昔なら別として、12月の雪は雨が降ったり気温が上がったりして一度は融けることが多かったが、今年は違った。
26日に30センチ弱まで積もり、以後気温が低く雨も降らなかったので、ほとんど減らなかった。
そして、今日29日の朝から、やや湿った雪が休みなく降り続け、7時まで22センチだった積雪が、8時には26センチ、10時には35センチ、12時には42センチに達し、一時は43センチを観測。平年の6倍だか7倍だという。【30日訂正・平年の6倍だそうです】
ちなみに、弘前市の積雪もほぼ同じ45センチで、弘前公園二の丸の大シダレザクラが倒れてしまったという。通常は弘前より多いはずの平川市碇ヶ関で39センチ、青森市は相変わらず多くて65センチ。


冒頭の写真は、昼前の二丁目橋。湿った雪なので、那波家の水汲み場のケヤキの枝に着雪している。
 

先日もアップした、通町の街路樹のナナカマドにも、また雪が積もった。
佐野薬局前
「せきや」への買い出しなどで道路は渋滞気味。降雪量が多いため、歩道の融雪(ロードヒーティング)が追いついていない。

秋田駅近くの大屋根西側。奥が秋田駅
大屋根(アーケード)の下が薄暗い。なぜなら、
屋根に雪が積もっているから

大屋根側の西武秋田店玄関には門松が
門松の向かいに、時期はずれのものが…
秋田市公営駐車場のクリスマスツリー!
そうでした。昨冬は秋田駅周辺の店などが揃いも揃ってクリスマスが終わって年が明けて寒に入ってもクリスマスツリーを出し続けていたのだったが、今年も?
フォンテAKITA(旧イトーヨーカドー秋田店)2階のぽぽろーど入口にもクリスマスツリーがあったけれど、
こちらは撤去済
今期の場合、残された問題は公営駐車場がいつ撤去するかということか。今年も、クリスマスツリーとしめ縄のコラボが見られるかな。
※続きはこちら(他にもクリスマス気分のところがまだありました)

場所がちょこまか移動して申し訳ないですが、広小路。
間もなく撤去されるであろうアーケード
こういう天気の時は、やはりアーケードがうれしい。
先に商店会と再開発組合によってアーケードが撤去され、道路管理者の県によって融雪装置設置が行われている、中通一丁目再開発エリア前は、相変わらず。
左が再開発エリア、道路の向こうの右が中土橋・外堀
一方通行3車線のうち、1車線を塞いで工事関係車両置場兼歩行者通行スペースとなっていた。
僕が何度か通った限りでは、車の通行量はさほど多くなく、バスに乗ってみても車線変更で若干手間取る場合があるものの、この工事が原因で際立った渋滞は発生していない。
今日もまだ工事をしていたが、この状態で年を越すのだろうか。
【30日追記】30日夜に通ると、工事途中で一角に資材が置かれるなどしていたものの、車線封鎖は解除され、歩道部分が広く開放されていた。これなら問題はほぼない。でも、雪が積もったら、人が出て除雪かな?

この工事もそうだが、秋田駅周辺では他にも工事が行われており、途中の状態で越年しそう。
「行って“おります”」とやや丁寧な言い回しですな
市民市場前に至る、南北の市道の久保田町交差点からゆうちょ銀行付近でも、融雪装置の設置工事(おそらく新設)が行われている。
ここでは特に迂回や邪魔なものがあるわけではないが、なんで今の時期に工事をしなきゃダメなんだろうかと、疑問に感じる。

よく、「年度末になると工事が多い」と言われ、これらもその一環かもしれない。
お役所の肩を持つわけではないし知識もないが、予算執行の手続き上どうしてもこの時期になってしまうとか、国から補助金が来るのを待つとこの時期になるなど、事情があるのだろう。また、太平洋側では、晴天が続く冬場こそ工事がしやすい時期という要因もあるかもしれない。(河川や橋の工事は水量が安定する冬に行うのが原則)
でも、ここは日本海側・雪国の秋田。しかもやっている工事は、雪を融かして歩道を歩きやすくする工事。工事によって歩道が歩きにくくなっては、本末転倒。
毎朝、工事現場の除雪をしてから工事に取り掛かる必要が生じたり、雪で作業が滞るかもしれしれないし、作業員の皆さんがつらそうに見える。

素人考えで恐縮だが、どうせ予算は出るんだから、前倒しで春から秋にかけて工事を済ませるということはできないものだろうか。(あるいはいっそ、着工を翌年度に繰り越すか)
秋田市や秋田県だけではできないことだったら、国に働きかけてそうした制度を作るとかできないのだろうか。


もう一点、一昨年、一部の秋田県道の歩道に「ここの融雪装置は老朽化で今期は作動しません。除雪作業で対処するけど気をつけてね」という情けない立て看板が設置されていることを紹介したが、今年も設置されている。
確認できただけで、東部ガス秋田支社前から楢山登町にかけてと、竿燈大通りのJTB東北秋田支店前に設置されている。
枚数がけっこう多く、こんなに看板を作るカネがあったら、1ブロックくらいは補修できそうな気がしなくもない(そんなに安くはないか)。
JTB前ではちょうど除雪作業中。右に雪山ができている
本来、歩道の除雪は前の家や会社が自分で行うべきものだが、県の不手際だからということか、県から委託された業者が除雪作業を行なっているようだ。誘導員1名、作業員2名で行なっていた。おつかれさまでした。
あれ? っていうか、ここは2009年度中に融雪装置の更新が行われていたはず。それとも、上のブロックを交換しただけで、融雪装置はそのままだったの?

などと考えていたら、以前はなかった紙が、看板の上に貼られており、「現在点検中で、近日中に稼働します」といった内容だった。
ということは、壊れたというより、ちょっとした不具合あるいは単に整備がまだで使用を停止していたのだろうか。
安心したけれど、「近日」とはいつのことだろうか? 年明け?
右端に看板。雪で隠れているが、紙が貼られている
歩道を塞いで置かれているパワーショベル、おそらく除雪作業関係のものだろうけど、ここでこのまま年越し?【30日追記】30日夜にはいなくなっていた。
【2012年1月5日追記】翌年1月5日現在、上記東部ガス前~楢山登町の歩道では、ほぼ正常に稼働していた。(看板はそのまま)

雪国を歩く者としては、融雪歩道はとてもありがたい。
それが、あるのに使えない、工事をしていて使えないでは、もったいないし困ってしまう。
工事費、維持費もかかるだろうし、他にカネをかけるべきものもあるが、高齢者や旅行客の安全な歩行を確保する意味でも、市街地には必要な装置だと思う。
首長や議員(国会・自治体とも)は、こういう状況になっていることを知っているのだろうか。黒塗りの車で車道を通るだけでは見えないことがたくさんあり、そうしたものに目を向けてくれる首長・議員はどれだけいるのだろう。


県といえば、秋田県知事。
漢検協会と清水寺の「今年の漢字」に触発されたのか、秋田県の佐竹知事も、自身の今年の漢字を色紙に毛筆で書いて記者会見で発表してくださる。(少なくとも昨年もやっていた)
知事の今年の漢字は「災」だそうだ。そして県政運営の自己採点は70点とのこと。

秋田県にとって今年は「災」だっただろうか。
たしかに大雪や震災の風評被害などはあったが、同じ東北の岩手、宮城、そして福島の状況を思えば、軽々しく「災」と言えないと思う。【31日追記】他にも台風・豪雨や噴火の被害を受けた所もあった。それらを思えば、秋田県は恵まれすぎているようにも思える。
知事ご自身が脳出血で入院されたので、それが「災」だったのでしょうかね。

あと、日本テレビの「秘密のケンミンSHOW」にご自身が出演され、「佐竹家の末裔である知事は“殿”と呼ばれて親しまれています」とか紹介されたのにも驚いた。
「殿」は、ちょっとバカにした意味合いがある、マイナスイメージの“隠語”のような呼称だと思っていたが、知事公認の愛称だったということなのだろうか。
殿には、ぜひ、県庁周辺などの県道を自らの御身足で歩いていただき、雪の中を歩く庶民の気持ちを察していただきたく存じます。


明日は風が強く、吹雪になるようだ。
今日は渋滞が局所的に発生していた程度だった。路線バス新屋線に何度か乗ったけれど、突然の大雪の中いずれも数分から5分程度の遅れで運行されていたのには感心した。(ただし、旭南の一方通行路は雪でわだちができており、船に乗っているような感覚になる場所も…)
明日は年末の買い出し客が多くなって、渋滞が激しくなるかもしれない。雪で道が狭いし、歩くのも運転も余裕を持って譲り合って出かけたいものです。
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年末のNHKローカルニュース

2011-12-29 19:03:07 | 秋田のいろいろ
今日から年末年始の休みという業界が多い。
テレビ界もそうで、平日のレギュラー番組の多くが今日からお休み。
NHKのニュース番組も、どの時間帯においても短時間の「NHKニュース」という番組名になった。

お昼の12時10分から5分間放送された、NHK秋田放送局のローカルニュースから。
秋田ローカルニュースより
まず、通常は、背後に奥行き感があるセットのニューススタジオからなのに、今日はアナウンサーの後ろにスタジオセットが映らず、アルヴェ屋上のリモコンカメラから映した秋田駅・秋田駅西口方向の風景が背景。(クロマキーという画像合成)
20年くらい昔のローカルニュースはこんな感じだったし、先日も取り上げた俵孝太郎氏が出ていたFNNのスタジオも似たようなもんだった。
スタジオセットにも流行り廃りがあって、ここ何年も見ていなかったスタイルだが、21世紀になってこんなニューススタジオを見るとは思わなかった。

ところで正月明けから、夕方のニュース番組「ニュースこまち」がリニューアルするそうだ。おそらく、スタジオセットも一新する可能性があると思われ、その準備や作業の都合で、通常のスタジオが使えない(もう解体されてしまっている)のかもしれない。
なお、夕方18時50分のニュースも同じスタジオから。


それはいいけれど、ニュースの最後、アナウンサーが神妙な顔で「ここでお詫びがあります。今朝のニュースで…」と切り出した。(細かい言い回しは厳密ではありません)
どうせ、朝のニュースの字幕とか内容の間違いの訂正かと思ったが、聞いてビックリ。
「7時15分から首都圏のローカルニュースを放送してしまい、秋田のニュースをお送りできませんでした。」(細かい言い回しは厳密ではありません)
だって!

つまり、今日は7時00分から7時15分まで東京から全国のニュース、続いて7時15分から7時20分まで県単位のローカルニュースを放送するべきだったのに、秋田局では7時15分からも引き続き東京からの放送(=首都圏ローカル)をそのまま流してしまったようだ。
原因についての説明はなかったが、考えられるのは、(放送に関する専門知識はないので、憶測です)【翌日に原因の一部が判明しました。記事末尾の追記をご覧ください
1.技術的なトラブル。秋田局で秋田のニュースを放送する準備は整えていたが、機器トラブル等で切り替えができなくなるなどして、電波に乗せて送出できなくなった?
→いつもとスタジオが違うようなので、その際に手違いがあり得なくもない

2.人為的なトラブル・ミス。秋田局で秋田のニュースを放送する準備をまったくしておらず、そのままでは放送に穴を開けてしまうので、やむを得ず東京の内容をそのまま流した?
まったく準備していなかった理由としては、
 1)もっと遅い時間の放送だと思い込み、準備が間に合わなかった
 2)県域ではなくブロック単位(仙台局から)のローカルニュースだと勘違いし、秋田では何もしなくていいと思い込んでいた
 3)単に忘れてた
→年末期間の初日だから、なくはないだろう


民放局では、たまにキー局からの伝送がうまくいかなかったり、CMを流すシステムのトラブルでおかしくなったりして、(テレビ以外の媒体において)ニュースになる。
地方局であっても、ネットのポータルサイトに載っているのを何度か見たことがある。
民放では、コマーシャル契約が絡むため放送が欠ければ信用問題になるので、公表しているのかもしれないが、視聴者からの受信料を使って地域に根ざした放送を行なっているNHKだって同様。
今朝は秋田市で一晩で15センチも雪が積もり(後で別記事にします)、今後の気象情報が気になる人もいただろうに、首都圏の天気を見せられて怪訝に感じた視聴者がいたかもしれない。
夕方のニュースでも、データ放送でも、秋田局の公式サイトでも、お詫びや説明はなかった。経緯を明らかにする必要があるのではないだろうか。

【30日追記】翌日の新聞に小さな記事が出ていた。
うち、秋田魁新報22面・社会面では
「音声機器のトラブルから放送できず、代わりに首都圏向けニュースを流した」
「同局によると、本番前リハーサルで、アナウンサーの声が音声マイクを通して流れないことが判明した。詳しい原因は「公表できない」としている。」
などと伝えている。
つまり、技術的なトラブルということだ。ただ、放送自体が送出できないなど抜本的なものではなく、音声が流れないという部分的な支障らしい。
それにしても詳しい原因は「公表できない」とは、何ということだ! 公共放送局の対応ではない。
ということは、スタジオ改装でてんやわんやで、マイクの線をつなぎ忘れた(間違えた)あたりが原因だったりして…(憶測ですが、詳しい原因を公表しないから、こういう憶測を呼ぶんですよ)
Wikipediaの「放送事故」の項に具体例として出されてもいい事態ではなだろうか。
【1月4日追記】やはり、新年からスタジオセットがリニューアルされ、屋上カメラのクロマキーは使われなくなった。クロマキーは改装中の臨時セットだったことになる。
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23番目のミスド

2011-12-26 23:19:08 | 秋田のいろいろ
諸般の事情により、新しい写真をアップできないので、ストックネタから。
「ミスタードーナツ」といえば、日本ではおなじみのドーナツ店チェーン。
日本における、ファストフードや本格的なドーナツそのものの走りとなったのかもしれない。略して「ミスド」と呼ばれるけれど、それはわりと最近のことだろうか?
Wikipediaによれば、アメリカのマサチューセッツ州ボストンで1955年創業、1970年にダスキンによって日本での展開が始まり(1号店は大阪府箕面市)、現在はアメリカより日本の方が規模が大きくなっているようだ。
現在は国内に1300店舗程度あり、秋田県内には10店舗(うち6店舗が秋田市内)ある。


その1つが、「ミスタードーナツ秋田広面ショップ」。
場所は秋田市広面(ひろおもて)の県道41号線・通称横山金足線沿い(裏というか脇が秋田大学医学部附属病院)のショッピングモール内の「マックスバリュ広面店」。
マックスバリュ広面店
1995年の開業当初は、旧ブランドの「ウエルマート」だった。秋田市内のマックスバリュ東北の大型店としては最古の店だろう。
店の前には、宝くじ売り場「広面チャンスセンター」がある。
オープン前の工事中にネコが通って通路の路面にネコの足跡がついてしまったが、オープン後に高額当選者が続出。多くの人がわざわざ買いに訪れて足跡に願掛けする有名スポットとなった。(現在は足跡は路面から剥がされ、腰の高さに展示されている)
12年間で26億円出ているそうです

その宝くじ売り場の隣、マックスバリュの店内入口との間に、ミスドの入口がある。
マックスバリュ店内からも出入りできるが、外からも直接出入りできる構造。
ミスド入口
マックスバリュは24時間営業だが、ミスドは9時から23時まで

そのドアの左上に数字が表示してある。
「0023」
この数字は「ショップNo.」と呼ばれるらしく、いわゆる店番号。
ミスタードーナツの全店舗対して固有の番号が開店順に割り振られており、店舗のどこか(看板の隅など)に表示されている。
チラシや公式サイトの店舗検索の各店舗の個別ページにも表示されるし、「フリーワードで探す」欄に半角で番号を入力すればショップナンバーから検索することも可能。

ということは、ミスタードーナツ秋田広面ショップは「全国で23番目に開店したミスタードーナツ」ということになるのか?
ここのミスドは、ショッピングモール開業からさらに後、2002年3月の開業だから、そんなわけはない。

じゃあ、「23店目のミスド」はまるっきりウソかといえば、そうでもない。
10年ほど前の秋田市を知る方ならきっとご存知であろう、秋田駅前にあった「鎌田会館のミスド」が関わってくるのだ。

結論から言うと、鎌田会館にあった「ミスタードーナツ秋田ショップ」は、ほんとうに全国で23番目に開店した店舗だそう。
2002年3月でその店が閉店し、同時期に広面ショップが開店したのだが、「駅前から広面に移転して改称」とみなして、ショップナンバー「0023」を引き継いだようだ。
つまり、場所と名前は変わったが、23店目のミスドの流れを汲んでいるのが広面ショップということになる。


もう少し詳しくまとめると、
秋田にミスドが進出したのは、日本進出のわずか2年後の1972(昭和47)年。北海道東北では最初だったというから、とても早かった。(「二〇世紀ひみつ基地」2007年9月8日「秋田初のミスドは鎌田会館一階に(http://20century.blog2.fc2.com/blog-entry-341.html)」より)

その場所が秋田駅西口の南側にあった「鎌田会館」1階。ご存じない方に説明すると、国鉄秋田鉄道管理局(現JR東日本秋田支社)向かいと今のフォンテAKITA(旧イトーヨーカドー秋田店)の向かい、すなわち現在の「ホテルアルファーワン秋田」。今、ホテル1階に居酒屋兼甘味処みたいな店が入っているが、ちょうどその位置かな(建物自体は解体・新築されたので、間取りは異なります)。
 (再掲)ホテルα-1秋田 ※以前はスクランブル交差点ではなかった
「秋田ショップ」という店舗名からも分かる通り、僕が子どもの頃(の初期)は、秋田のミスドといえばここしかなかった。
たまにドーナツを食べると、今のような庶民的な印象はなく、どことなくハイカラなものを食べた気がしたものだ。今で言う、お高いケーキぐらいの位置づけだったかもしれない。

その後、1980年代中頃になると、他にもミスドができはじめた。以下、カッコ内はショップナンバー。
秋田ニューシティ(旧ダイエー秋田店)隣接の「秋田大町ショップ(0360)」、古澤ビル(現在の中通一丁目再開発エリア内)の「秋田広小路ショップ(0600)」など店舗が増えていった。
1997年に改築された秋田駅ビルには「秋田トピコショップ(1023)」ができ、鎌田会館の店と合わせて、ものすごく近くに2つのミスドがあったことになるし、広小路や大町の店もそう遠くはなく、秋田市中心市街地に“ミスドネットワーク”ができていたと言えそうだ。
しかし、古澤ビルの広小路ショップは1998年に閉店。上記の通り2002年に鎌田会館の秋田ショップが閉店。そしてニューシティ解体で2007年には大町ショップも閉店と、気がつけば市街地のミスドはトピコだけになってしまった。
※2016年にはトピコショップも閉店することになった。

一方で、市街地から離れたショッピングセンター内にもミスドは増えていった。
イオン、長崎屋(現ドン・キホーテ)、マルダイなど、チェーンを問わず進出していた印象がある。
また、1998年閉店の広小路ショップの番号「0600」は、間をおいて2000年に開業した「秋田サティショップ」に継承された。(サティ自体の開店は1995年)秋田サティのイオン秋田中央店への店舗名変更に伴い、今年から「秋田南ショップ」となったが、今も看板には「0600」とキリのいい番号が表示されている。(イオン店内にある店なので、屋外からは見られません)【秋田南ショップは2020年1月31日閉店】


これら、秋田県内のすべて(と青森県の1店舗)のミスタードーナツをダスキンとフランチャイズ契約して経営しているのが、最初の店が入る建物の所有者でもある「株式会社鎌田会館」という企業。
※鎌田は「かまだ」と濁音。秋田に鎌田姓は多いが、たぶんすべてが濁音で「かまた」さんは知らない。
鎌田会館は、ほかにも「杉のや」という和風レストラン兼郷土料理店(昔は中央通りや秋田駅にあったが閉店。現在は秋田空港のみ)をやっていて、一時期ドトールコーヒーなども展開していたそうだ。ミスドがあった駅前の「鎌田会館」自体も宴会場などがあり、僕は1度だけ入ったことがある。また、大昔は秋田駅ビルで酒まんじゅうを売っていて、駅前の名物だったそうだ。本社は土手長町通りの河北ビルにある。【2012年6月15日追記】いつの間にか(今春に発見)、本社は南通宮田の秋田南中の北側に移転していた。
というか、いつの間にか、会社名が「株式会社鎌田会館」ではなく「株式会社KAMADAスマイルコーポレーション」に変わっていた!
たしかに「会館」自体が存在しなくなったのだし「かまた」と誤読される恐れはなくなったけど、このことを知る秋田の人ってどのくらいいるのだろうか。秋田における鎌田会館の知名度は相当だったのにもったいない。
公式サイトも、昔はあった(http://akita-suginoya.com/)らしいが、今はアクセスできない。いかにも、秋田の企業らしい。

考えてみれば、今の鎌田会館じゃなくKAMADAスマイルコーポレーションさんは、ミスドで持っていると言ってもいいような気もする。(多角経営的に何か別のことでもやってるのかな?)
ともかく、40年近く前における、先方が進出してくるのを待つのではなく、自らフランチャイズ契約することで秋田にいち早くミスタードーナツを持ち込み、積極的に店舗網を拡大していった姿勢は評価するべきだろう。
テレビ局が足りない、セブンイレブンがない(もうすぐできるようですが)、あれがないこれがないと言われる秋田だけど、昔の鎌田会館のように自分から引っ張ってくるような積極的な姿勢こそ、今の秋田に欠けているのかもしれない。


ところで、2年前の記事で「自治会館」を「爺(ジジ)会館」だと思った「五城目のトメさん」を取り上げた。昭和末期に秋田で流行った漫談(?)なのだけど、その最も代表的であろう話が、秋田駅前のミスドが舞台。つまり鎌田会館の秋田ショップだと考えられる。
トメさんがドーナツを買おうと店を訪れ、「アレとコレと…」と指さして言うと、店員が「(商品の)名前を言ってもらえますか?」と言われ、「オラ、五城目のトメだ」と自分の名前を言ってしまうという話。
僕は知らなかったが続きもあるそうで、さらに「(個数は)いくつですか?」と聞かれ、「オラ、今年で◯◯(←不明)だ」と、自分の年齢を答えたということです。
※トメさんの正体や年齢については、この記事後半参照。

※2016年1月には、上記の通りトピコショップが閉店し、2016年2月にはKAMADAスマイルコーポレーション自体が破産した。トピコ以外のミスド各店は、ダスキンの子会社へ譲渡されて、営業を継続する模様。この記事(トピコ閉店)末尾の追記も参照。
※2016年からは、広面店もダスキン子会社によって営業継続。店ナンバーも変わらず。2017年初めにリニューアルが行われ、面積は変わらないようだが黒色系の外観となって、3月24日営業開始。これまではなかった、飲茶も取り扱うようになったようだ。
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フジが伝える青森の寒波

2011-12-24 23:16:14 | 津軽のいろいろ
クリスマス寒波により日本海側や北日本を中心に厳しい寒さと雪に見舞われている。四国でも雪が予想されたり、北海道や北陸ではドカ雪になっている。
秋田市内は、風が強く交通機関が一部乱れてはいるが、ある意味いつもの冬の光景。
とはいえ、映像的にはニュース性があるようで昨日23日は、NHKやテレビ朝日系列(ANN)のニュースでは、秋田駅周辺や秋田港の様子が放送されていた。

日本の民間放送局では、東京周辺のキー局“直轄地”以外の各地のニュースが全国放送される場合、各地の系列局が取材を行うので、上記ANNの場合は秋田朝日放送が取材し、同局のアナウンサーがレポートしていた。

この寒波をフジテレビ系(FNN)ではどう伝えたかが、今回の話題。
昨日のお昼や夕方のニュースでは、函館、盛岡、そして青森の映像が流れていた。夜のニュースでは秋田市の様子が少し写ったが、青森の映像がまた流れた。
青森で楽しそうにお散歩中のコーギーさん(FNNサイトの動画より)
今日の昼と夕方のニュースでは、また青森(昨日とは別)の映像が流れた。
※FNNでは昔は「FNN秋田テレビ」などと、取材を行なった系列局名がテロップで表示されていたが、今は表示していないようだ。

このような広域的な天候などのニュースの場合、フジテレビでは青森の映像が流れることが多い気がする。
例えば北東北3県どこで取材しても同じような状況の時、岩手や秋田ではなく、青森の映像が放送されるのだ。

だけど、ご存知の通り、岩手や秋田にはフジテレビ系列局があるが、青森にはない。(八戸など青森県南東部では岩手の電波を越境受信できる
では、誰が青森の様子を取材してフジテレビに送っているのか?

青森の映像が放送される場合、レポーターが顔出し出演することが多い。そのレポーターはいつも同じ人。
吹雪でほとんど見えませんが
人名なのに「地名」さんとはこれいかに?(どう読むんだろう?「ちな」?)
※上の画像は夜の「ニュースJAPAN」。夕方以前は「青森・蓬田村」でなく「青森・東津軽郡」と表示されていた。
【2015年2月16日追記】2015年始め時点でも、地名さんはよく出演する。しかし、2013年前後頃(?)から、たまに別の記者がレポートすることもある。
【2015年12月4日追記】2015年のフジテレビのニュースのレポートでは、「記者」などと報告者の肩書が氏名とともに表示される番組がある。12月4日に青森からレポートした地名さんは「カメラマン」となっていた。カメラマンにしてはレポートが上手だし、よく顔が映る。
【2023年5月23日追記】2023年5月時点でも、地名さんは青森支局からレポートしている。

実はフジテレビには「青森支局」という組織があり、地名さんはそこに所属しているようだ。
つまり、フジテレビ系でよく流れる青森の映像は、系列局を介さずに、フジテレビが直接、取材しているのだ。
フジテレビが青森の映像を多用するのは、別の会社である(岩手・秋田などの)系列局に頼んで取材・送信してもらうと角が立つので、気軽に指示できる身内の出先機関である青森支局に取材させているからだろうか。あるいは地名さんが精力的に取材して本社に送っているからだろうか。

フジテレビ青森支局は、青森県庁の向かいの産経新聞青森支局などが入るビルに入居しているようだ。(ストリートビューで確認した限りでは、産経新聞のやや大きい看板はあったが、フジテレビの看板は確認できなかった。)
Wikipediaによれば、フジテレビの国内の支局は、現在は青森と甲府にあり、かつては山形や高知にもあったそうだ(系列局開局に伴い引き上げ)。
他系列でも、テレビ朝日や大阪の朝日放送、日本テレビが、系列局が存在しない地域に支局をいくつか出している。
逆に、地方放送局が東京などに「支社」を出しているが、これは取材よりも営業的な意味合いの方が強いのかもしれない。



では、TBS系列局(JNN)がない秋田には、「TBS秋田支局」があるのかといえば、ない。(現在、TBSの国内の支局は、三陸の被災地の臨時支局以外はない)
秋田県内におけるJNNの取材は、隣の岩手県の系列局・IBC岩手放送が担当している。
昨年から今年にかけての弁護士殺害事件やその裁判の際、秋田市内で「IBC」のロゴが入った大きな中継車を何度か見かけた。
※秋田でのプロ野球開催時に見かけたIBCの中継車はこちらの記事

Wikipediaによれば、「(IBCでは秋田に)現在は駐在カメラマンを置いて対応している」そうで、大きな事件事故の際は、盛岡から応援に駆けつけるのだろう。IBCだけで対応し切れない場合は、仙台の東北放送が協力する場合があるという。
以前は、(TBSではなく)「IBC岩手放送秋田支局」が存在しており、「1990年代半ばに秋田市山王五丁目に開設。1999年頃に同市高陽幸町の高陽幸町ビルに移転」したものの「2003年初め頃に閉鎖」したとのこと(2003年以降、カメラマン駐在ということになる)。

高陽幸町にあった支局は記憶にある。
新国道と通町・旧国道が交わる「鉄砲町」交差点の北西角辺りにある、ビルというか大きくない建物に小さな表札が出ていて、こんなところにこんなものがあったのかと驚いたものだった。
後に付近の新国道では、道路拡張工事が行われているが、もしかしたらそのビル自体が今はないかもしれない(不確かです)。


街を歩いたりしている自分の姿が全国放送されたら、(人によって違うだろうけど)恥ずかしいと思うが、青森の人がフジ系列で、秋田の人がTBS系列で撮影・放送されれば、本人が知らない間に全国的に有名になってしまっていることがあるかもしれません。



以下、余談。
秋田の人にとって、TBSの番組は縁がないものであり、特にJNNに加盟した局でしか見られないニュース番組は無縁の存在。(今はケーブルテレビで視聴できる世帯もあるけれど)
僕が弘前に引っ越した当時も、初めて見るJNNのニュースが目新しかった。
噂には聞いていた「筑紫哲也NEWS23」を見た時は感動したし、1997年9月まで使われていたテーマ曲(井上陽水作曲「パヤッパヤッパヤッー」【2016年4月8日訂正】「アアッアアッアアーッ」というヤツ)を聞くと、まだ慣れない新しい暮らしの1日を終えて明日への期待と不安が混じった、当時の気持ちがよみがえる。

それから、ニュース速報が流れる時「ビッビッ! ビッビッ!」と独特の音が鳴るのに驚いた。NHKではニュース速報でチャイムが鳴ることがあるけれど、秋田の民放は3局とも鳴らさないので、民放局で速報音が鳴ること自体が珍しかったし、しかも予想し得ない音だったから。JNN各局共通の速報音だそうで、現在のIBC岩手放送でも同じ音。【2015年10月12日追記】2015年時点でBS-TBSでも同じ音。
また、TBSには1994年と1995年に入社した、秋田出身の女性アナウンサーが2人いる(お2人とも高校まで秋田県で過ごしている)。1つのキー局に2年連続で秋田県出身者が入るのも珍しいし、それが秋田では見られないというのがおもしろい偶然だ。


一方、青森の(越境受信地域以外の)方には、FNNのニュースは無縁だろう。
「コンバンハ。タワラコータローです」とか、イツミさんとシャーミンさんの「スーパータイム」、NHKを辞めた後に毎夜ダジャレを言っていたキムラタロウさんや、モノマネされるクリステルさんなど、どれも分かってもらえないはず。

さらに余談ですが、僕は年齢的に知らなかったのだが、俵孝太郎氏がフジテレビでニュースキャスターをやっていたのを、つい最近知った。
僕が俵氏を知ったのは、日本テレビで1990年から放送されたクイズ番組「マジカル頭脳パワー!!」の回答者として。所ジョージ氏と並んで圧倒的正解率を誇ったものだったが、評論家か何かだと思っていた(たしかに経済【25日訂正】政治評論家ではある)。
その後、1996年からNHK教育テレビで放送された子ども番組「ハッチポッチステーション」で、グッチ裕三氏が「高田(たかた)孝太郎」(グッチ氏の本名が高田)という傲慢な司会者に扮するコーナーがあって、「コンバンハ」の口調を知ることになったが、フジテレビキャスターだったとはまだ知らなかった。
実際の俵氏は、産経新聞記者、文化放送キャスターを経て、1975年から1987年まで、FNNの夜(当初は夕方)のニュースを担当していたのだそうだ(後のキムラタロウやクリステルと同じ立場になる)。冒頭の「こんばんは。俵孝太郎です」という口調が、真似されているわけだ。
某所で当時の映像を少し見る機会があったが、別にアナウンサーに読ませてもいいんじゃないのと思うような、淡々とニュースを読むだけの番組だった。でも、説得力のある読み方というか、アナウンサーがスラスラ読むのより、頭に入りやすそうな気がした。かな。
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横型信号機と隣の縦型

2011-12-21 23:27:37 | 秋田のいろいろ
以前から何度か書いているように、秋田県内に設置されている車両用信号機は、縦型が主流。横型は、古いものか、何らかの事情がある場所だけ。
縦型になったのはここ25年ほどなので、登場して10年弱のLED式信号機で横型というのは極めて少ない。歩道橋の桁などスペースに制約がある場所では横型だったりするが、特に理由はなさそうなのに、LED式の横型が設置されている場所が秋田市内にある。
 再掲
2年前の記事では、試験的設置だろうか? といった程度で軽く取り上げただけだったが、改めて観察してみると、発見があった。

その信号機があるのは、秋田市中通。中央通りの1本南側を東西に走る「池永小路」と中央通り~南税務署方面を結ぶ南北の道の小さな交差点。
歩行者用信号機はなく、車両用信号機が各面1台ずつ(両面設置ではない)なので、計4台。池永小路側は古い横型信号機(電球式)で、南北の道側の2台が横型LED。
現行の薄型ボディではなく、電球式のボディを流用してLEDを埋め込んだ初期のタイプ。

さっそく、信号機を観察。
北側の(税務署側から中央通りへ進む時見る)信号機
お気づきでしょうか?
真下から見ると分かりやすい。
※左のアーム取り付け部分にあるカクカクしたものは、角度調整用の部品だと思われる
右の赤灯のフード(庇)だけが、長い。

秋田県では、昔、赤灯だけ点灯する面(レンズ)のサイズが大きかったことがあり、その場合はフードのサイズが異なった。
しかし、これはどの色もレンズ部分は同じ大きさで、フードだけが違う。
といえば、
これも以前紹介しているが、「小糸工業」製の縦型信号機では、黄灯・青灯よりも赤灯のフードの長さが若干長いのが一般的。おそらく積雪対策だと思われる。(積雪地以外で見る、一般的な横型の製品では3色とも同じ長さ)
再掲)間違って黄灯に長いフードを取り付けてしまったもの

信号機というのは、メーカーでの製造・出荷時にいちおう「横型」「縦型」と分けているようだが、実際のところは上記のようなフードとアームへの取り付け方法の差程度らしい。
本体とフードは別々の箱に入って納品され、本体のフードを取り付けるネジ穴も縦横両方に対応しているから、ユーザー(警察や業者)が横にも縦にも自由に変えられるようだ。
したがって、この信号機は、縦型として購入したものを、設置時にフードや取り付け方法を調整して横型にしたものだと考えられる。

北側の信号をさらによく見ると、
赤灯のフードはずば抜けて長いが、黄灯は青灯よりほんのわずか長いようにも見える(気のせい?)

一方、向かいの南側の信号機は、赤は文句なく長いが、
 青灯より黄灯が少し短いんじゃない?

今度は、本体裏面にあるプレート(銘板)に注目。
原則として、製造時の本来の向きにした時、正しく文字が読める(=銘板が横長に見える)向きに貼られる。
これは?(右端の青の裏側・アーム付近にある黒いものが銘板)
90度回転した状態になっていて、縦型にした時に正しい向きになる。やはり、これは縦型として製造された製品だ。
2004年11月 小糸工業製


ところで、この交差点の100メートルほど南、市立中通小学校のグラウンド付近に、押しボタン式信号機がある。
奥の信号がそれ
こちらは車両用信号機が両面設置されていて豪華。
薄型でないLED式の縦型信号機なのだが、横から見ると、
裏表でメーカーが違う!(ボディ背面のデザインやフードの長さに注目)
どちら側も、北を向いている方が小糸工業製(上の写真左)、南向きが信号電材製(右)だった。

当初は片面だけ設置し、後から裏側に追加設置する場合は、メーカーが異なることもあるが…
銘板を確認。(縦型用の向きに貼付されている)
 
南向きの信号電材製は「平成16(2004)年12月」製造。北向きの小糸工業製は「2004年11月」製造。※ちなみに歩行者用も2004年11月小糸製。
信号電材製は1月遅れの製造だが、現地に設置されたのはおそらく小糸製と同時と考えたほうがよさそう。


すなわち、池永小路との交差点の横型信号と隣の押しボタン式信号の一部は、同年同月に同じメーカーで、縦型仕様として製造されたものだと考えられる。製造番号は未確認だが、おそらく一緒に製造・納品されたのだろう。
 
左写真・南側から中央通り方向を見る。突き当りが千秋公園。こちらを向いている縦型は2台とも信号電材製/右写真・北側から。手前の横型も奥の縦型も同時製造で、本来は縦型だったようだ

片や横向きに設置され、片や隣で他メーカー製と組まれて設置。
製造された2004年は、LED式信号機の採用が本格化し始めた頃(秋田県では2001年頃から登場している)かと思うが、以上のような状況を踏まえると、やはり縦と横で比較するための試験設置なのだろう。

※その後2021年に、新たに横向きで統一された交差点ができた。また、下新城の横山金足線には、中通と同じ頃製造の信号機で、すべて横向きの交差点が存在する。周りが田んぼなので、やはり風雪への試験目的ではないだろうか。
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青森でストリートビュー

2011-12-20 23:18:32 | 津軽のいろいろ
Googleの「ストリートビュー」という機能というかサービスがある。
ネット上の地図サービス「Googleマップ」あるいは無料ソフト「Googleアース」を使って地図を表示させた特定の地点の、パノラマ画像を見られるもの。
当然ながらリアルタイムの画像ではなく、事前に撮影済みの写真で、公道上から撮影している。自由にアングルを変えられる(高さは固定)し、かなり細い裏道まで見られる。

訪れたことのない土地の様子を、地図を見てイメージ(妄想?)するのは楽しいものだが、百聞は一見にしかずと言うもので、ストリートビューは初めて訪問する場所の事前確認には大いに役立つ。「ダーツの旅」のように見知らぬ海外の街を無作為に選んで、街並みを眺めるのも楽しい。
一方で、犯罪の下見に使われてしまったり、自宅の中が写るなどしてプライバシーの侵害ととらえられる場合や、中には私有地に入り込んで撮影してしまっているものもあるそうだ。

当初は画像の解像度が低く、画像が暗かったり逆光で真っ白だったりする場合があったが、東京都内などは高解像度の画像で撮影し直されて提供されている。
最近、新たに公開される地域も高解像度の画像で、驚くほど鮮明。ここまで見えてしまうと、プライバシーの問題で騒がれても仕方ないように思える。
低解像度の旧画像(愛知県)。逆光だと何だか分からない
ストリートビューのサービス開始は2007年で、当初は東京都内などだけだったが、徐々に対象エリアは広がっている。
12月13日からさらに提供地域が拡大され、三陸の震災被災地などのストリートビューが見られるようになったという。
青い部分が現在の提供範囲(青い丸印は違います)
今回は被災地ばかりでなく、盛岡市や八戸市そして青森市でも、新たにストリートビューが公開されていた。
あまり報道されていないようだが、各市民のみなさんは気付いているのだろうか。ご自宅やご自分の姿が公開されているかもしれませんよ!

Googleのストリートビューのエリア拡大方法は独特。
東京の次は、函館とか観光地が公開されたと思うし、上記の通りエリアの拡大よりも画像更新を優先する場合もある。
その結果、我が秋田市のストリートビューはまったく公開されていない。(というか秋田県内は山形県境の国道が一部公開されているだけ)
他にも福島市、静岡市、富山市・金沢市など北陸、鳥取市・松江市など山陰も手薄(公開されていてもごく一部の幹線道路だけ)。

Googleマップでは、地図の更新が遅く、東北新幹線新青森駅や九州新幹線熊本開業が反映されるまでかなり時間がかかった。
震災の記録を残すことも悪くはないが、地図サービスサイトとしての使命と最新の情報を提供できるネットの特性を生かすのであれば、地図の更新を迅速にし、ストリートビューの新規公開地域を拡大する方が先ではないのかとも思ってしまう。


先日行ったこともあるので、青森市のストリートビューを見てみた。
青森市
青い森鉄道線(旧東北本線)より北側の市街地や新青森駅周辺が、細部まで公開されている。
今まで気づかなかったが、ストリートビューの画像の左下には撮影年月(画像撮影時期)が表示されており、青森駅周辺は今年8月から9月、新青森駅周辺は11月に撮影されていた。

ストリートビューでは、肖像権に配慮して、人の顔や車のナンバープレートを自動的に認識してぼかしを入れている。(Google曰く「最先端の技術を開発し」たのだそうだ)
自動なので、必要のないものに対してもぼかしが入ってしまっていることも多い。一方で、表札の名前や看板の電話番号などは、そのまま掲載されていることが多い。(個別に連絡すれば対処してくれるし、「特定画像の追加ぼかし処理」といって家や車まるごとぼかすことも可能のようだ)

青森市内をざっと見て、いくつかご紹介。
青森市役所前
「一路青森」の看板の「青」になぜかぼかし。(他の位置から見るとぼかしなし)

中央消防署前
小学生が見学中。

新町を走る青森市営バス
ナンバープレートはぼかしなし。バスの場合、位置や色のためかぼかしがかかっていないことが多い。(少なくとも緑ナンバーのバスは、隠す必要はないと思うけど)
上の写真では、正面右上の「低床バス」表示、向かって左のフォグランプ、側面の広告になぜかぼかしが入っている。

新町では弘南バスも登場(五所川原行き?)
ナンバープレートにぼかしが入っているが、正面のロゴマークまで消えている。側面を見ると「51510-6」号車。
秋田銀行青森支店付近では、
別の弘南バス(これも五所川原行きのようだ。上とは別の時間に撮影したのだろう)
こっちはロゴマークが見える。
ナンバープレートのぼかしは微妙に外しており、やはり向かって左のフォグランプが消されている。

誤認識のしかたに法則があるようでなさそうなのが、おもしろい。
左の車の前輪と右の車の後輪

「JR」ロゴだけぼかし。後ろの「JR東日本」はそのまま

白鳥マークが入った、青森県警のパトロールカーは、
「青森」にぼかし

「青森県」にぼかし

ぼかしなし

道端の看板でも、
電話番号が見えたので、消しました
右側の看板「真心・??・丁?で、ご奉仕」と中途半端にぼかしが。気になる!
実は1つ左へ移動すると、ぼかしが消えていて、「真心・親切・丁寧で、ご奉仕」と判読できた。「親切」をぼかすのね。
ぼかしはここまで。


新青森駅
在来線下りホームに寝台特急「日本海」が停車していた。(上りホームには「スーパー白鳥」が停まっている。)
ただし、(他の場所でも同じだが)別々のタイミングで撮影した画像をつなぎあわせているため、位置によっては日本海が停車していない。
駅舎の反対側に移動すれば、先頭の機関車を見ることができる(ただし正面は見られない)し、例の無意味な謎の信号機も確認できる。


さて、青森市のストリートビューは、端っこはどこまで見られるのか。
国道7号線沿いに南下すると、青森市の隣、南津軽郡藤崎町へ入った。奥羽本線北常盤駅の近く。
7号線とかつて7号線だった県道が並行している区間であり、両方がストリートビューの対象。
上が国道
どちらも藤崎町へ入って1キロ強のところでストリートビューが終わっている。
国道が「ローソン常盤榊店」前の交差点、県道が「ときわ会病院」前の「福左内入口」交差点が末端であり、両交差点を結ぶ町道? を介してつながっている。
国道のローソン前交差点
青森のストリートビューの南端からは、11月撮影の夕暮れの岩木山をすそ野まで望むことができる。(夕暮れの撮影画像ってのも珍しいけど、撮影スケジュールが詰まってたのか?)
左端の「ジャンボおにぎりの里」という看板にもなぜかぼかしが(鮮明に見える位置もある)

さて、ここから7号線を5キロほど進めば、弘前市内に入る。
弘前市、そして秋田市のストリートビューは撮影・公開する予定があるのだろうか?(事前に自治体へ連絡があるようだが)
日本では、銀色のトヨタプリウスの屋根に、黒っぽい機材を積んで撮影しているようだ。(ドアに小さなGoogleのロゴが貼ってある場合もあるようだが、ないこともあるようだ)
もし、見かけたら、手を振ればそのままアップされたりするかも、しれませんよ。

※その後、弘前公園のストリートビューが公開された。
※2013年9月に秋田や弘前市のストリートビューが公開された。
2014年8月には、青森市内の公開範囲の拡大と既に公開されていた場所が改めて撮影されたものに更新された。以前の画像も「タイムマシン機能」で見ることはできる。
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最近の発見から

2011-12-19 19:51:10 | 秋田のいろいろ
最近、秋田市内で見つけたものをいくつか。
●すずらん通りの看板
秋田市中心部の歓楽街「川反(かわばた)」。
そのうち、旭川に架かる三丁目橋から赤れんが郷土館の脇へ西に伸びるのが「すずらん通り」。スズランの花型の街灯が設置されたことにちなむ名だという。
現在は、「すずらん通り商店会」があり、街路灯の維持管理を自身で行なっている。
「すずらん」と書かれたスズラン型街灯がある
昔はもっと賑やかな通りだったそうだが、今も飲食店を中心にそれ以外の店も多少はあり、飲み屋ばかりの他の川反の通りとは、多少雰囲気が違うような気がする。

12月上旬、ここで工事が行われていた。
工事中
すずらん通りの3か所に、ゲート型というかアーチ型の看板が設置されているのだが、そのうち2つが、新しいものに更新されていた。
ゲートは「すゞらん通り」表記。これも商店会の管轄だろうか。

たまたま更新前のものを撮影していた、三丁目橋たもとで比較。
 更新前/更新後
以前は、ゲートは全体がグレーで、スズランの花の形が浮き出ていただけだが、新しいものは背景が緑、花が白に着色された。
「清酒 高清水」の広告も更新

赤れんが館通り(大町通り)に面したゲートも更新。(上の工事中の写真はここ)
三丁目橋より幅が広い
以上は「1区」だそうで、赤れんが館通りを渡った側が「2区」と分かれているようだ。2区側では、茶町通りに面する場所だけにゲートがある。ここがすずらん通りの西端か。
赤れんが館通り・三丁目橋方向を見る。こちらはもっと幅が広そう
西端のゲートは更新されなかったが、今回の更新前の1区のものよりは新しそうに見えるから、更新対象外だったのだろう。
こちらはグレー塗装ではなく無着色のように見える

●家具屋の跡
すずらん通りから2ブロック南へ行った「家具の町」にある、「清水良太郎家具店」が解体されたことを紹介していた。
その後の状況。
白い軽自動車がいる位置がかつての家具店
跡地はやはり、
月ぎめ駐車場になった
「清水パーキング」という名前だけが、かつて家具店だったことを偲ばせる。
それにしてもこの辺りは駐車場が増え、家具の町ならぬ「駐車の町」だ。

●お稲荷さん
千秋公園に「與次郎(よじろう)稲荷神社」がある。
ここのキツネが昔、飛脚に姿を変えて佐竹のお殿様に仕えたという伝説があり、中通一丁目再開発のキャラクターのモチーフにもなった。
千秋公園以外にも與次郎稲荷神社がある。山形県にもあるらしいが、千秋公園から直線で2キロも離れていない、楢山南中町(ならやまみなみなかちょう)にも、同名の神社がある。由緒などは不明。
有楽町の通りの1本裏側の通り、楢山登町との境目にある小さな神社。
お隣はアパート


実はこの神社、今年の夏頃までは木に囲まれていて、やや薄暗いような感さえあったのに、秋ごろに樹木がほとんど伐採されてしまったのだ。

(少なくとも11月末頃の段階では)伐採された枝や幹が、まだ境内に積み上げられていて、撤去されるようでもない。
どうするんだろう
※その後(2013年)に大きな変化

●2年ぶりの新車は新モデル??
秋田中央交通の路線バスの車両は、ほとんどが首都圏など他の事業者の中古車を購入しており、新車の導入は少ない。
新車は、2010年初めに、同社にとって初のノンステップバスを2台導入したのが最後だった。(その車両がバスまつりで展示された様子

しかし、ちょうど1年前頃から今年にかけて、小田急バスの中型ノンステップバスの中古車を続々と導入しており、ノンステップバスの割合は増えてきている。
小田急の中古のノンステップ車

最近、こんなバスを発見。
これは??
自社購入・小田急の中古どちらにしても、中央交通に多い「いすゞエルガミオ」だから、識別が難しい。
小田急中古のいちばん新しいものでも、ナンバーは890番台だったと思うが、それより新しい「904」だから、“新入り”であることは間違いない。
小田急の中古と同じ位置・書体で、正面に「ノンステップバス」の表示がある。しかし、客席の窓ガラスは、小田急の中古は無着色なのに対し、この車は着色ガラス。

中古ではなく、新車のようだ。
中央交通にとってほぼ2年ぶりの一般路線バス用の新車で、3台目の新車のノンステップバスとなる。

小田急中古にはない「国土交通省認定 標準仕様ノンステップバス」のシールが貼られている。
2010年の新車にはこのシールがあるが、たしか中ドアにだけ貼られたためドアが開くと見えなくなったし、正面の文字の表示もなかったので、ノンステップ車であることのアピールが不足していたが、これなら目に付くだろう。

正面中央には小さいながら「ISUZU」のエンブレムがある。中央交通の一般路線バスでは初めてではないだろうか。

後部。広告枠が空いている
後部は2010年車と同じく「人と環境にやさしいアイドリングストップバス」を大きく、「NON STEP」は小さく表示。(中古車では「アイドリングストップ」と表示したりしなかったり…)
右ウインカーの上にも標準仕様ノンステップのシールが貼られた。
また、右ウインカーとリアガラスの間にあった「ISUZU ERGAmio」の表示がなくなり、ウインカーの下に「ISUZU」ロゴだけ表示されている。

側面後部の社名は通常の丸ゴシック体で、いすゞ製新車伝統の「秋田中“宍”交通」書体ではなくなってしまった。
発車していくところで、反対面などじっくりと見られなかったが、上記以外には目立った相違点は見つけられなかった。

ところで、後で調べてみると、エルガミオは、今年11月21日にモデルチェンジされていた!
外観は同じだが、新しい排出ガス規制に適合し、エンジンのダウンサイジング、ABSの標準装備など、環境・経済性・安全性にいっそう配慮しているそうだ。
導入時期や従来とは異なるロゴ表示からすれば、この車がその新モデルなのかもしれない。(憶測です)
ちなみに、東京地区におけるノンステップ仕様の希望小売価格は税込1978万円。


新車が使用されていた路線は新国道経由追分線。
2010年の新車のノンステップバスが主に運行されている路線と同じだ。もしかしたら、潟上市からの補助金で購入した車両で、臨海営業所所属なのかもしれない。
とすれば、2010年導入車と同様、追分方面を中心にして、合間に他の新国道経由の路線(セリオン行きや飯島北行きで見たことがある)、車庫への出入りを兼ねて臨海営業所線などに限定して使われ、臨海営業所管轄でも新屋線とか神田線では使われないと考えられる。(憶測です)

【2014年6月18日追記】その後、「904」は追分線は走らなくなり、五城目線専属で運用されるようになった。(臨海営業所担当ダイヤを毎日固定運用)そのため、しばらくは五城目線と入出庫の臨海営業所線でしか見ることがない状態が続いた。
さらにその後、2014年6月14日には、新国道・土崎・高専経由秋田厚生医療センター行きに使われていたのを初めて目撃。
2010年導入の2台も、2012年には新屋線など新国道経由以外の路線でも運用されるようになった。(引き続き追分方面に優先的に入るようではある)
購入後一定の期間が経過すれば、他の路線でも運用できるとか決まりがあるのだろうか?
【2016年2月2日追記】2016年1月時点でも、五城目線を中心に運行されるものの、添川線に入ることもある。この記事後半参照。
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大絵馬(と日本昔ばなし)

2011-12-17 17:43:57 | 秋田の季節・風景
昨日16日の秋田市は、最高気温1.4度を深夜に観測し、日中はずっと氷点下の気温だった。(最低気温はマイナス2.9度)
雪がずっと降り続け、低温で融けないので夕方には積雪は11センチに。ついに本格的な雪景色になった。
今日も雪が降り(積雪量はあまり変化せず)、気温も0度前後で推移している。
旭川の三丁目橋から二丁目橋(上流方向)を見る
※この記事の写真は、雪が降っている中で撮影したので、降る雪が写っています。
旭北寺町のお寺


さて、毎年紹介している、秋田市川尻にある「総社神社」の干支の大絵馬。
今年も12月4日に奉納されたというので、見に行った。
ケヤキがうっそうと茂る総社神社境内
周囲は住宅地や市立病院などがあるのに、境内だけ別世界のよう。
どの木の幹も同じ方向にだけ雪が付いている
幹の北西側にだけ雪が付着していて、まさしく「北西の季節風」に乗って雪が降っていることが分かる。
絵馬は北向きに設置されているが、神社の人が落としているのか、着雪はなかった。


報道によれば、絵馬は秋田杉で縦2.7メートル×横3.6メートル、畳6畳分ほどで重さは70キロ超。
大絵馬奉納は1990年から始まったが、当初からの作者が亡くなって交代したので、今の方は今年で3年目。来年11月中旬まで参道に掲げられる。
辰年の絵馬
※以下、絵心がないクセにいろいろと申し訳ないですが…
ぱっと見ただけで力強さを感じる。
一昨年昨年は、カラフルな絵だったが、今年は部分的に着色しているだけで黒主体で雰囲気が変わった。
拡大
龍(辰)の背中に子どもが乗っている絵。龍は緑色の玉を持っている。
鱗がとても細かく描かれている。下書きなしで数時間で書き上げているはずだが、緻密な技が発揮されている。
乗っている子どもは、ずいぶん凛々しいお顔。左手は龍の長いヒゲ(?)を握っているが、右手はそうではない。
キリリとしたお顔
報道では「背中に神童を乗せた昇り竜」や「昇り竜は、願い事がかなうとされる「宝珠」を握り、ひげにつかまってまたがる神童とともに空高く上昇している」となっている。
なるほど。乗っているのは「神童」ですか。
でも、神童って「才知の極めてすぐれている子供。非凡な才能をもった子供。(デジタル大辞泉)」のこと。それが竜に乗ることの意味ってなんだろう? 普通の子どもじゃいけないの?
ひょっとしたら「神の使いの子ども」という意味合いで「神童」を使っているのだろうか? 一般的な神童の意味ではないと思うけれど。
左の絵馬の前が参道。すっかり雪に埋もれている

※翌年の絵馬はこちら


以下、余談。
僕はこの絵馬を初めて(テレビのニュースで)見た時、1975年から2000年頃まで大阪の毎日放送(MBS)などが制作していたアニメ番組「まんが日本昔ばなし」のオープニングアニメーション(歌の歌詞は「♪坊や よいこだ ねんねしな」)を連想した。

真っ黒い中に雲が浮かび、その中を子どもを背中に乗せた龍がひたすら飛んでいく映像。Wikipediaによれば、松谷みよ子の児童文学「龍の子太郎」をモチーフにしているという。
龍の子太郎がどんな話か僕は知らなかったが、「太郎」が龍になった自分の母を探すお話で、「長野県の信州・上田に伝わる民話『小泉小太郎』と松本に伝わる民話『泉小太郎』を中心に、秋田の民話など日本各地に伝わる民話を組み合わせ」たものだそうだ。
秋田の民話というのは、八郎潟などの八郎太郎の話だろうか。

シチュエーションとしては、絵馬とアニメーションがよく似ているが、龍と子どもの印象は違う。
アニメでは子どもはもっと幼く見え、頭髪が少なく、真っ赤な袖なしの服を羽織り、下も同色のズボン状のものをはいている。左手にでんでん太鼓を持っていて、右手は龍の背中に置いている。
龍は、顔が長くて平らで、目が小さく、耳が識別できない。黄色くて長い角が2本生え、長いヒゲや牙は見えない。どこかワニや馬っぽくてかわいい。
手(前肢?)には何も持っていない。鱗はまばら。体色は濃淡の緑色でお腹は黄色っぽく、現行の中央交通の路線バスを連想させる色使い。
なお、年始の放送では別バージョンのアニメが使われ、背景や子どもの衣装が違い、龍は玉を持っていたそうだ。


ところで、その「まんが日本昔ばなし」という番組。
原則としてTBS系列各局で土曜夜に放送されており、本放送終了後の2005年頃にはデジタルリマスター版も放送されている(つい先日はIBC岩手放送で単発で放送していたが、再放送?)。

TBS系列局のない秋田県では、秋田放送(ABS)で放送していた。
ABSは、テレビは日本テレビ系列だが、当時は朝の情報番組はTBSのものをネットするなどしており、今よりもTBSと親密だったのかもしれない。(現在もラジオはTBS系で、テレビでも世界ふしぎ発見や日曜劇場などを放送している)

ABSでの放送時間は、月曜日の17時30分からだったはず。(少なくとも僕がよく見ていた1980年代中頃から後半)
CMは(当時のこの時間の秋田では)おなじみの「吾作ラーメン」や「ねるねるねるね」のほか、ミロ、ダスキン、カルビー、福武書店(現・ベネッセコーポレーション)のものがよく流れていた気がする。

ただ、当時、秋田県に住んでいた子どもの中で「日本昔ばなし」を視聴していたのは、女の子が圧倒的に多かったと推測される。それは裏番組の存在。
当時は民放局はABSと秋田テレビ(AKT。フジテレビ系列)の2つしかなかったわけだが、夕方は今のようにニュース番組をだらだらと流したりせず、どちらの局もアニメ番組(テレビ朝日など他系列のものも含む)を放送していたものだった。

AKTが月曜の17時30分に持ってきた番組が、テレビ東京の「キャプテン翼」だった。(テレビ東京系での放送期間は1983年10月から1986年3月)
キャプテン翼は全国的に小学生のサッカーブームを巻き起こし、秋田でも小学校(スポ少)のサッカー部員が大幅に増えたものだった。
そのため、ABSの日本昔ばなしを視聴していた子どものうち、AKTでのキャプテン翼放送開始に伴い、男の子の多くがAKTへ流れたと考えられる。
僕はブームに流されるような子じゃなかった運動が嫌いな子だったのでサッカーなどには興味を示さず、日本昔ばなしを見てましたが…

デジタルリマスター版は、ABSはじめ秋田の局では放送されていないはず。
本放送終了から10年近く経過しているし、若い人は「まんが日本昔ばなし」自体を知らないのだろうな。

【17日20時40分追記】フジカラーの年賀状プリントのCMで、「まんが日本昔ばなし」の主題歌をバックに、樹木希林や佐々木希が龍に乗っているものが、現在放送されている。龍はオリジナルと同じと思われるアニメへの人物合成(希林さんだけ)と作り物の実写の2タイプが使われている。
【23日追記】富士フイルムの公式サイトにCMの情報と動画がアップされていた。12月2日から放送されているとのこと。
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/aboutus/tvcm/fujicolor111202_01/index.html
オリジナルアニメで龍に乗っている子どもは「昔ばなし太郎くん」という名だそう。

今回のCMは冒頭でオリジナルと同じ愛企画センター制作のアニメに綾小路さゆり(希林さん)が合成で乗っているわけだが、オリジナルより龍の昇る角度が急なようで、必死につかまっているのがおかしい。
【2012年4月20日追記】IBC岩手放送でのデジタルリマスター版(の再放送?)を見た。冒頭では、龍がほぼ垂直に上昇しており、上記希林さんのものと同じだった。ただ、オリジナルは画面サイズがハイビジョンサイズでないので、ハイビジョンサイズであるCM用は後で別に制作したものだと思われる。
動画より
クリエイティブディレクター:佐々木 宏、CMプランナー:福里 真一で、日本昔ばなし関連で愛企画センターと毎日放送が協力。広告会社は電通。

※番組の秋田に関連する話など
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時刻表検索

2011-12-16 00:23:10 | 秋田のいろいろ
路線バスの時刻表のお話。
インターネットが普及する以前は、高速バスや観光地の路線バス以外のバスの時刻を知りたければ、バス停の掲示を見るか、バス会社に問い合わせるくらいしか方法がなかった。
今やネットで各バス会社のサイトにアクセスすれば、自宅にいながらにして全国各地のバスダイヤが分かる時代になったのだから、考えてみればすごいことだ。


だから、贅沢は言えないのかもしれないし、各社の事情もあると思うけれど、ネットを使ったバスダイヤの調べやすさ・見やすさは、バス会社によってかなり違う。
過去の旅行記をご覧いただいても分かるように、僕は旅行先で路線バスに乗ることも少なくない(しかも地元の人しか乗らないようなマニアックな路線に)のだが、そのことを強く感じている。

鹿児島県の「鹿児島交通」を始めとする、「いわさきグループ」各バス会社はまったく中身のないホームページで論外。(おかげで昨年鹿児島に行った時、計画が立てらなかった)
秋田の羽後交通、秋北バス、青森の弘南バスなど、多くの地方のバス会社では、路線ごとに起終点と途中のいくつかのバス停の時刻を掲載している。ファイル形式はHTML、PDF、GIFなどの画像。弘南バスのものは、案内所で配布しているカード型の時刻表とまったく同じ形式。
路線網が大きくなかったり、ホームページ制作費用が潤沢でなさそうだったりするバス会社に多いように思える。
これだと、途中バス停の時刻はほとんど分からないし、自分が乗る路線名や運行系統をある程度把握した人でないと時刻表を探せない場合が多いので、遠方から来る旅行者には敷居が高いと感じることもあるだろう。(それでも、昔や鹿児島交通に比べれば…)


そして、路線網や予算がある程度大きい会社(あるいは見栄っ張りの会社?)では、ユーザーが各種条件を指定して全バス停の時刻表、場合によっては運賃や複数路線の乗り継ぎまで調べられる、「時刻表検索システム」(この記事では総称してそう呼ぶことにします)を導入している所が多い。
全国のバス会社を見たわけではないが、少ないステップで時刻表にたどり着け、しかも地図(路線図)をクリックしても検索できる福島交通のシステム、停留所名の部分入力・五十音一覧などさまざまな方法で検索できる、静岡のしずてつジャストラインのその名も「なんじ?君」などは、便利そう。


秋田市の秋田中央交通のサイトでも、何年か前(2008年?)から、ホームページで時刻表検索ができるようになった(五城目・男鹿のローカル路線は検索システムではなく、HTMLのページ)。
特に導入当初は検索結果に平日ダイヤと土日ダイヤが混在して表示されるという、見づらくてしょうがないシロモノだったが、徐々に改善され現在はいくぶんマシになってはいる。
でも、なんていうかクセがあって、イマイチ使い勝手が良くない。現状でも、秋田のバスの路線網や地理に詳しくない人は、使いこなせないと思う。以下に、概要を紹介。


中央交通の検索は、「秋田駅から探す」と「乗り降りするバス停から探す」の大きく2つに別れている。いずれも、プルダウンメニューからマウスで選択し、キーボードでの文字入力を一切要しないのが特徴。(←特“長”とは言いません。理由は後述)

「秋田駅から探す」はさらに2種類あり、「路線名検索」と「バス停名検索」。どちらでも運賃が表示される。
秋田駅を通らない路線は検索対象外だが、秋田市の路線バスはほとんどが秋田駅を通るので、必要性は高いと思う。

「路線名検索」は、路線名→バス停名→曜日の順に選択する。わずか3ステップで便利そうだが、そうはいかない。
まず、路線名は五十音順にプルダウンメニューに出るのだが、路線の命名がメチャクチャで、見つけるのが難しい。
例えば、「桜ガ丘線」や「ノースアジア大学線」は、秋田駅東口発着のものと西口発着(築地経由)のものがある。プルダウンメニューでは、それぞれ「東口発桜ガ丘線」「西口発ノースアジア大学線」などと、頭に東西をつけている。
そしてそれらがプルダウンメニューメニュー内で配置されているのは、「ひ」や「に」の位置。ノースアジア大学線には「西口発手形経由」というのもあり、それは「手形経由ノースアジア大学線」と「て」の位置。
東口発と西口発が離れ離れ
「桜ガ丘」だから「さ」、「ノースアジア大学」だから「の」だろうと探してもそこにはなく、意外な場所に散らばってあることになるので、多くの人が戸惑うに違いない。
バス会社の独りよがりの分類になっているのだ。

路線選択後、バス停名は、選択した路線に応じた停留所が、おおむね通過順に表示されるが、複数経由がある路線(新屋線の大町経由と卸町経由など)ではバス停の数が多くなって見づらい。

そして、決定的に使いづらいのが、同じ経路でも行き先別に別の路線とされていること。新国道経由だけでも、五城目線・追分線・新国道経由土崎線・セリオン線などなどすべて別路線として扱われている。
例えば、自衛隊入口など新国道内の各バス停に行きたい時は、各路線ごとに検索しなければならず、一度に検索することができなかった。
複数路線が通るバス停の検索には使いづらいというか使えないのだ。

さすがにそれでは使いづらいと判断したのか、システム導入から1~2年経ってから、もう1つの「バス停名検索」が始まった。
(それ以前は、「施設名から探す」とかいうのがあった。施設のジャンル(ショッピングセンターとか官公庁とか)から施設名を選択する(学校→秋田大学など)方法の検索だったのだが、バス停名検索と入れ替わりに廃止された。)
これは、五十音の頭文字→バス停名→曜日の順で選択(し→自衛隊入口→平日)すれば、路線に関係なくその停留所を通るバスが表示されるもの。これはまあまあ使いやすい。

上記の桜ガ丘など東西両方から出るバスの検索もしやすくなった。西口も東口も一括で検索されるので、桜ガ丘のほか、大学病院、御所野など東西両方を始発とする路線の行き先に行きたい時は重宝する。

しかし、バス停名の「頭文字」というのがやっかい。意図したバス停が見つからないことがあるのだ。
例えば、「サンライフ秋田前」というバス停があったはずなので、「さ」を探しても見つからない。なぜなら、そのバス停名は「秋田市保健所・サンライフ秋田前」なので、「あ」の所にあるから。
ほかにも、秋田南高校や秋田中央高校や秋田商業高校のバス停は“秋田”がつかない「南高校前」「中央高校前」「商業高校前」なのに、秋田西高校のバス停は「“秋田”西高校前」で登録されており、一貫性がない。(これは旧市営バスかどうかの違いかもしれない)
「秋田西高校」はあるけれど…
選択方法の1つとして五十音順のプルダウンメニューがあってもいいとは思うが、キーボードから入力する「部分一致検索」がぜひともほしいところだ。(福島や静岡ではそれが使えるので便利)
以上が「秋田駅から探す」。手順が少なく、運賃が分かるのがいい。しかし、逆方向(秋田駅へ向かう)は調べられないので、次の方法を使うしかない。※2015年10月から逆方向も検索できるようになった


もう1つが、「乗り降りするバス停から探す」。
秋田駅以外のバス停から乗る場合は、ここで調べるしかない。
これは乗る停留所と降りる停留所それぞれを五十音プルダウンから選ぶもの(し→自衛隊入口→あ→秋田駅西口→平日)で、5ステップ。選択した2点を結ぶ路線がない場合「データがありません」とエラーが出る。
検索結果には運賃が表示されない。※2014年始頃には、秋田駅以外の停留所相互でも運賃が表示されるように改善された。
秋田駅の西口と東口は別のバス停として登録されているので、両方行きの路線がある場合は、それぞれ検索しないといけない。
乗るバス停と降りるバス停を切り替えられる機能があれば、行き帰りの検索がしやすいのだが。【上記の通り2015年から対応】
ところで、「乗るバス停」は当然だけど「降りるバス停」まで指定する必要があるだろうか。駅前などでない限り通過路線数は限られているのだから、乗るバス停を選択し、路線名と上下を選択して表示される方法で充分だと思う。(自衛隊入口→新国道経由上りなど)


バス路線どうしの分岐点にあり、バス停のポールが分散して設置されているバス停でも、基本的には同じバス停として検索される。
「豊町」
「豊町」「山王十字路」「自衛隊入口」いずれも、1つの登録。豊町は新屋西線、船場町経由川尻割山線、商業高校経由川尻割山線それぞれに停留所があり、通過本数も同じくらいなので、利用の際は路線名をよく確かめないといけない。
しかし、新屋線の大町経由と卸町経由が分岐する「ハローワーク秋田前」だけは、
なぜか別々に登録
一貫性がない。【2015年10月26日追記】後に、豊町なども路線名で区分されるようになった。

以上が、公式サイトでの検索。
秋田駅のバス乗り場周辺の3か所に、秋田市が設置した時刻表検索端末があるが、これも、おおむねこのシステムの秋田駅から探すのと同じ検索方法で、データが共通のようだ。
これらの使いづらさについては、それぞれのシステム導入間もない頃に、バス会社と秋田市に要望というか苦情を送ったことがあった。それから何年か経って(一部改善されたが)ほとんどがそのままの状態ということは、変更する意志がないととらえるべきだろう。




そして、この12月から、秋田ケーブルテレビのコミュニティチャンネルのデータ放送でも、中央交通のバス時刻が分かるようになった。
まずは地上デジタルのリモコンボタン「12」を受信した状態で、「d」ボタンを押して、データ放送のメニュー画面を出す。
右下に「路線バス時刻表」
そこで、黄色ボタンを押すと、時刻表の画面になる。他のデータ放送同様、場合によってはデータ読み込みに時間がかかる。
時刻表トップ
ここでは「路線から探す」「停留所から探す」の2つの方法で検索でき、よく使う停留所を3つまで「My停留所」として登録できるらしい。
左下に「秋田中央交通」のロゴがあるが、表示されているだけで、カーソルを合わせるとどうこうなるというわけではない。

使ってみると、元データはサイトのものと共通のようだが、リモコンだけで操作するという事情もあってか操作方法が異なり、表示方法も異なる。
まずは「路線から探す」。
左から右へ順に選択
五十音の行→路線名→曜日・上り下りの順で選択する。
行の選択は上下方向にカーソルを移動していくわけだが、レスポンスが悪い。また、「あ行」から上矢印で「わ行」には移動しないので、「わ行」にたどり着くには下矢印を9回押さなければならず、時間がかかる。
行選択後の路線名も同様にもたつく感じ。複数ページにまたがる場合は、「前へ」「次へ」にカーソルを合わせて「決定」ボタンを押さないとならず、操作性が悪い。4色のカラーボタンやリモコンの矢印ボタンで選択できるといくぶんスムーズになりそう。

そして、路線名の命名も、相変わらず独特。(サイトのとは微妙に違う)
上の画像では「飯島北発将軍野線」なる路線がある。平日朝に片道1本だけある系統。
普通の人は「将軍野線」の一部ととらえて「さ行」を探すだろう。
(上から3番目の「秋田高校線」というのは、秋田駅を通らず秋高入口と御所野を結ぶマニアックな路線。)

「さ行」の一部
桜ガ丘線が「桜ヶ丘線」となっているのは、誤字ですね。秋田市に桜“ヶ”丘という地名はありませんので。
でも、サイトと異なり、末尾にカッコで「西口/東口発」をつけているので、きちんと「さ行」で分かるように改善されている。
「将軍野線」を「組合病院行き」と「市民生協行き」と分けるのはどうなんだろうか。現在は、市民生協行きはすべて通町経由、組合病院行きは原則県庁・寺内経由で一部が新国道経由と分かれていて、別路線のような扱いだから、これでいいのかもしれないが。

路線と上下・曜日を選ぶと、時刻表が表示される。
新屋線の時刻表
交通新聞社とかJTB発行の冊子の鉄道時刻表のようなスタイルで、全停留所の時刻が分かる。
秋田のバスの時刻表において、このような形式が採用されたのも、全停留所の時刻が分かるのも、初めてではないだろうか。そういう意味では、画期的だ。
上から2番目に「注釈」という行があり、そこで曜日別運休や経由地が分かる。新屋線では、新屋高校行き、大森山行き、卸町経由が区別されている。
上の画像で、秋田駅9:00発の時刻表が少しおかしく見えるが、これは卸町経由だから。画面を下に移動すると分かる。
まだまだ下に続きます
鉄道の冊子時刻表の東北・山形・秋田新幹線のページのように、通過しない区間は空欄になっている。
ページの移動は、画面上部の矢印にカーソルを合わせて決定しなければならず、リモコンの上下左右ボタンは使えなくて直感的ではない。
新屋線の場合、新屋高校や大森山までが表示されるので縦に長くなって一覧性が低いので、もうちょっとなんとかできないものか。

ちなみに、以前紹介した、末端で環状運行する「二ツ屋福島線」は、
下りは「二ツ屋中丁」まで表示(実際には先の南部公民館前まで運行)

上りは「二ツ屋中丁」始発(これは正しい)
右端の列は、南高校始発の別系統のダイヤ。これは別路線として分けた方がよかったのでは?

もう1つの「停留所から探す」。
手順としては路線から探すのと同じ
この後にもう1ステップあり、上下と曜日を選ぶ。降りるバス停を選択しないで済むのが、いい。
上の画面では、神田線の「梶の目」を選択している。前から思っているのだが、「神田旭野線」と「神田土崎線」を分けても意味がないと思う。特に秋田駅まではまったく同じルートなのだから。
時刻はこのように表示
かつての市営バスの時刻表のように、1時間ごとに1行を使う方式。
個人的には、バス停や駅ごとの時刻表は、この形式であるべきだと思う。時間的な便数の配分が視覚的に分かるから。
注記の「組」は組合病院始発ということだが、ここでは意味がない。
7時30分の「直」は、秋田駅へ行かない県庁経由臨海営業所行き。「直通」の「直」だろうけど、これって直通とは違うんじゃない? これこそ、別路線扱いにするべきだろう。

た行に「中央郵便局前」というバス停を見つけた。新国道のバス停だから、たくさんの路線が通るはずだが…
「土崎ノースアジア大学線」だけ!?
これは、AKTハウジングプラザから秋田大学附属学校へ向かう通り側に設置されているの同名の別のバス停の時刻だ。
じゃあ、新国道の方は??
「“秋田”中央郵便局前」ですか!
う~ん。分かりづらい。
正式なバス停名は「秋田中央郵便局・社会保険事務所前」かな。※より正確には「社会保険事務所」ではなく「年金事務所」なのですが…
サイトの検索では、どちらのバス停も「秋田中央郵便局前」で統一されている。(昔はサイトの方も別々の名称だったような気がする)

今までとは違う形式の時刻表が、しかもテレビで見られるという点では評価したい。この形式をサイトの方で採用してもいいと思う。
でも、テレビの時刻表検索を使うかと聞かれれば、動作が遅くて使う気がしない。(これはデータ放送全般に言えることだけど)
そして、相変わらずの統一感の低さ&使いにくさ。
バス会社のせいか、ケーブルテレビのせいか知らないが、もう少し乗客の立場・操作する側の立場になってほしいと思ってしまった。登録名や分類の見直し、操作体系(特にリモコンの4色ボタンや矢印ボタンを使えるように)の改善をお願いしたい。


「長崎屋経由大川反車庫行き」のダイヤを検索しようとすると、どうやっても表示できないような気がするのだけど、僕の操作が悪いのかしら…
あと、10月から満を持して(?)導入した「系統番号」はこの時刻表には表示しないんですね…

【16日夜追記】考えてみれば、テレビの検索ではどちらの方法にしても路線名の指定が必須で、路線に関わらず目的地のバス停を指定して時刻を検索することができない。
それを考えると、やっぱりとても使いにくい。

※2016年9月にケーブルテレビでの時刻表サービスは終了した。(この記事にて若干)



以前、秋田空港リムジンバスのうち、秋田駅東口行きの便が“復活”することを紹介した。
ところが14日付で、公式サイトに「運行経路は、以前運行しておりました秋田自動車道を利用した運行経路ではなく、『秋田空港発⇒空港アクセス道路⇒イオンモール秋田前交差点右折⇒横山金足線⇒城東十字路左折⇒秋田駅東口』の経路となります。」という告知がアップされていた。
要は仁井田・卸町を通らずに、横金線経由で東口へ直行するということか。だから高速経由よりは時間が余計にかかるわけだ。
せっかくなら、途中の桜とか広面の辺りで降車扱いをすれば、新たな利用者も出てくるかもしれませんよ。
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源たれパン

2011-12-14 22:36:08 | ランチパック
この記事は「ランチパック」カテゴリー、「青森県」ジャンルに入れておきますが、適切な区分ではないです。
青森県のものを使った、岩手県の製パン業者の製品を、秋田県で購入した話です。

「シライシパン」というパンのブランドがある。
秋田では、たけや・ヤマザキに次いで、フジパンと並んでよく見かけるメーカー。全国展開しているのかと思ったら、そうではなかった。
企業名は「白石食品工業」といい、岩手県盛岡市に本社がある。展開しているのは、東北地方中心で北関東あたり程度までとのこと。社長が白石さんなので、それにちなむ社名だろう。
1948年創業で、1982年に秋田と大館に営業所を開設、1992年に業界2位の敷島製パン(Pascoブランド)と提携して同社の製造を受託、2008年には業界5位の第一屋製パン(第一パンブランド)の仙台工場を買収(17億円超とのこと。同時に第一パンが東北地方から撤退)して翌年から自社の仙台工場としている。
現在は、岩手と仙台の2つの工場で製造を行なっており、東北で販売される「Pasco(パスコ)」ブランドのパンもそこで製造されているらしい。

今まで、ヤマザキ系列にばかり注目していたので、恥ずかしながら上記のことは何も知らなかった。
営業エリアが県を越えて広範囲な点や提携先は異なるが、たけや製パンや工藤パンと同様の地方の製パン業者という点はよく似ている。
【2月2日追記】イトーヨーカドーなどセブン&アイ各社で発売されているプライベートブランド商品「セブンプレミアム」の1つに、「サックリ食感のスティックメロンパン」という菓子パンがある。5本入り98円というお求めやすい価格でなかなかおいしいのだけど、その製造者が「白石食品工業」だった。(セブンプレミアムでは、製造業者名を明示する)
盛岡で作られたものが、全国各地のセブン店舗で売られているのだろうか。こういうことはたけやにはできなさそう。

スーパーの98円均一セールで、ヤマザキ・たけや・フジパンの製品と並んで、こんな製品があった。Pascoブランドではなく、シライシのオリジナル製品で、12月の新商品。
スタミナ源たれドーナツ」293kcal 参考小売価格110円
「スタミナ源たれ」は、青森県十和田市の「上北農産加工農業協同組合」が製造・販売している焼肉のタレ。青森県では各家庭に常備されているとされ(秋田県内でも販売されている)、特に最近は全国的に注目されてお菓子などのタイアップ商品(一昨年春にチップスを紹介)も出ている。
この製品は、そのタレで味付けした肉そぼろフィリングを包んだドーナツ(この記事のタイトルは「パン」としたけれど正確にはパンではないようだ)。原材料表示によればタマネギも入っている。
ピンク色のシールが貼ってあるが、売上の1%を青森県・岩手県・宮城県・福島県に寄付して、復興に役立てるとのこと。
解説つき(包装裏面)
シワになってしまっているけど、このキャラクターがシライシパンの「シライシ坊や」。


表面はツルツルなので、カレーパンみたいにカスがこぼれることはない。
中身はけっこう多い
若干、肉臭くて、しょっぱいような気もするが、まあおいしく味付けされている。以前のチップスの味もそうだったが、「バーベキュー味」みたいな味か。
個人的には、多すぎず適度なボリューム感があっていいと思った。


青森とは関係ないですが、シライシの12月の新商品をもう1つ。
ピーチ&ホイップ」346kcal 参考小売価格120円
福島県産の桃クリームとホイップクリームが中に入っている。

福島支援の製品ではあるが、「2010年に収穫された桃の果汁を使用しています」と注記があるのが(しなければならないのが)、哀しい。
クリームがたっぷりでおいしかった。


今後、シライシパン製品も時々は紹介する、かもしれません。
【19日追記】ファミリーマートのオリジナルのパン「こだわりパン工房」シリーズに、白石が製造しているものがあった。
コメント (2)
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略地図を添削

2011-12-13 22:54:09 | 秋田の地理
チラシやホームページなど、いろいろな場所で略地図を目にする。
ホームページにおいては最近はGoogleマップなどの地図サービスサイトの地図を埋め込むこともあるけれど、基本的には各施設などそれぞれが作成していると思われる。
各施設が「どの程度の範囲からの集客を見込んでいて」「お客はどういう交通手段で来るのか」によって縮尺や目標物の取捨選択は変わってしまう。正確さより分かりやすさの方が求められ、作成者のセンスが問われると言えよう。
最近目にした、2つの略地図を、勝手ながら添削させていただく。

まずは、
ドン・キホーテのチラシより
こういう店の地図は、大雑把な直線を組み合わせた地図のことが多いけれど、ここは右におおまかな地図、左に周辺1キロ四方ほどの拡大図を掲載していて、一見親切。
でも、不必要なものが記載される一方、必要な目標物がなくて、分かりづらい。

もし、僕が作成するのなら、次のように目標物などを削除または追記します。
※見づらいですが、赤い文字・線を加筆しました。
まずは右側の拡大図。
国道や秋田駅、県庁・市役所といった、店がある秋田市中心部へ誘導する上での主要なものはおおむね揃っているが、大事なものが足りないと思う。
それは、店の前を通る道路名「新国道」、そして右左折ポイントであり秋田での知名度が高い「臨海十字路」「山王十字路」「茨島交差点」は表示するべき。
新国道沿いの「秋田中央郵便局」を表示してもいいかもしれない。

いらないものが多い。
まず、ドン・キホーテの東側(右側)に道路が突き当たっているように見えるが、間にお寺(の跡)があるので、遠回りしないと店には来られない。だから不要。(道路新設工事が終われば、店の南側に抜ける道ができる)
山王十字路の角に「山王中(市立山王中学校)」があるように見えるが、実際には(拡大図で分かるが)1本奥まったところにあり、目標物とはなり得ないから不要。
また、駅東口隣接の「アルヴェ」、ぽつんと表示された「中通総合病院」があるが、これらは特に必要ないだろう。強いて示すなら「千秋公園」あたりの方がよさそう。

あと、せっかく川や橋を表示するなら、「旭川」と「二丁目橋(交差点名でもある)」くらいは表示してやってね。「新旭橋」は特に目立つわけでもないし、この橋の名前が分かったところで何ともならないから不要。

左側の拡大図。
まず大前提として、ミョーに細かい道まで出ていて分かりづらい。
車はもちろん、歩いて来るにしたって、こんなに詳細な道はいらない。一方通行路があるので、それを示すと意味が出てくるかもしれないけれど。

やはり主要な通りの名前と「山王十字路」は表示するべき。
なぜか「山王中」がまた登場。あってもいいかもしれないが、だったら隣の「旭北小」も表示したら。
店の東側は、多くの寺院が集まる旭北寺町。あまたあるお寺の中から、特に著名な寺院でもない「法華寺」だけを記載。
このお寺は地図では竿燈大通りに面しているように見えるが、実際には曲がった小路側に面しており、大通りからは認識できない。だから不要。

「秋田県福祉会館」「秋田銀行本店」「秋田県商工会館」「東北電力秋田支店」「市立秋田総合病院」などは目標物としてあってもいいかもしれない。


【2012年3月21日追記】以下は、現在は別の地図に替わっています。
次は、国土交通省東北地方整備局の「秋田河川国道事務所」の略地図。事務所自体は秋田市役所の裏にあるが、他に秋田市内に2つの拠点を構える。
ドン・キホーテから新国道を南下して、秋田大橋そばの堤防にあるのが、雄物川下流域の河川管理を行う「茨島出張所」。
お役所だし、土地を測量して地形図を作成する「国土地理院」と同じ国土交通省の機関の1つなんだから、さぞかし分かりやすい地図に違いない?
報道発表資料から
模式的な直線主体の地図だが、この地図、はっきり言ってヒドイ。これはド素人の作った地図だ!

添削
決定的におかしいのが、JR羽越本線が存在しないことと、雄物川に存在し得ない橋が架かっていること!

国道13号線を通って大曲方向(図右下)から来る場合、実際には線路を2つ(奥羽線と羽越線)越えないとならないが、図では羽越線がないので奥羽線(目名田跨線橋)を越えるだけでよさそうに見えてしまう。

そして、秋田駅方面の中央通りや竿燈大通りから、まっすぐに下に雄物川まで至る道があることになっているが、こんな道あったっけ?
右側のやや太い道は、昨年愛宕下橋付近が開通した道路のことかもしれないが、それこそ羽越本線の跨線橋手前までしか開通しておらず、それより先は細くてクネクネした道。その道を道なりに進むと秋田大橋に出るので、雄物川まで一直線なのはおかしい。
左側の細い道は、イオン秋田中央店の裏側を通り、13号線を横切って卸町・茨島を経て、なんと雄物川を越えて、美短の裏までつながっている。秋田大橋の上流側の橋といえば秋田南大橋だが、位置や道路のつながりを考慮すればこれを秋田南大橋とするのはおかしいので、完全に「架空の橋」だ。というか竿燈大通りと卸町付近以外はすべて実在しない道だ。
どういうつもりでこんな地図を作ったんだ?

通りの名や交差点名はおおむね表示されている。
でも、「臨海十字路」「竿燈大通り」も表示してほしい。臨海十字路なんて、国道だから自分の管轄下でしょ。

目標物は、出張所の近くに「イオンタウン」とあるが、これはマックスバリュ茨島店などがある「イオンタウン茨島」のこと。
そう遠くない場所に、大きくて目立つ「イオン秋田中央店(旧秋田サティ)」があり、それと混同されるおそれがある(こういうトラブルも予想され、サティのイオン化には反対だったのだが)。だからサティの方も表示してあげましょう。

茨島交差点の所には「セガワールド秋田」。
たしかにセガワールドは交差点のそばではあるが角地ではないはずで、目立たない。そもそも、それほど大きな施設ではないし、広く知られているわけでもあるまい。
だったら、「茨島交番」「ステーキ宮」「gu」「しまむら」「ニトリ」「トイザらス」「ラウンドワン」等々たくさんある中、なんでセガワールドだけを選んだんだ?


ほんとによく分からない地図。
この地図は上の方が途切れているように見える。もっと広域の地図があり、それからトリミングしたのだろうか。
秋田河川国道事務所のホームページを見ると、その原版と思われる地図がアップされていた。市内の3施設が1枚の地図に収まっている。
その上の方だけ切り取ったもの
なんと、「秋田中央警察署」が未だに「秋田警察署」なのもなんだかな~だが、なんと左上に「運輸局陸運支局」がある!
同じ国土交通省の出先機関(東北運輸局の下ではあるが)であり、国道維持出張所のご近所さんの「秋田運輸支局」なのに、旧称の「陸運支局」のまま!!
以前の記事で、新聞の地図が同様の間違いを犯しているのを取り上げたが、国土交通省内で同じ間違いをしているようじゃあ、いけません。


じゃあ、その秋田運輸支局の方の地図はどうかと、そちらの公式サイトを見てみる。
広域の地図
これはなかなか正確かつ分かりやすいと思う。
サイトにはほかに周辺の拡大地図もあり、それも必要十分な情報がまとめられており、分かりやすい。県道なのに「新国道」であることもちゃんと表示されている。
こちらはさすが国土交通省の出先機関! と言いたくなる。

秋田河川国道事務所さん、運輸支局から地図データを譲ってもらったらいかがですか?

【2012年3月21日追記】いつの間にか、秋田河川国道事務所ホームページ内の地図が、新しくなっていた。
上記のようなおかしなものではなく、改善されたことになる。

※企業などが客に対して示すエリア区分や地図について、関連した記事
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バス乗り場の安全/茂森線

2011-12-12 23:57:23 | 津軽のいろいろ
間が開きましたが、青森のバスの話題。※前回の記事
●安全なバス乗り場
地方都市の中心駅前のバス乗り場は、限られたスペースに多くのバスが頻繁に出入りする。分かりやすさもさることながら、安全性が最優先されるべきだと考える。

弘前駅中央口(駅舎西側の中心市街地側)のバス乗り場は、2004年の駅舎改築と前後してリニューアルされた。
弘前市内を走るほぼすべての路線が通るが、1つ手前のイトーヨーカドー弘前店内の「弘前バスターミナル」が始発の路線が多いため、極端に利用者が多いわけでもない(だからといって少ないわけでもない)。
バス乗り場は8つあり、2つ×4列の配置。駅舎寄りの2つの乗り場以外は、島状になっていて、利用者は車道というかバスが通る部分を横断しないといけない。

少し前から、気になっていたことがあった。
島状になっている乗り場へ行くには、どこを渡ればいいのか分からない状態だったのだ。
駅舎から右側の乗り場へはどこを渡ればいいの?
実は、リニューアル当初は、駅の中央出口からまっすぐの位置に、横断歩道の白線が引かれており、そこを渡ればいいのは明白だった。
それがいつの間にか、認識できないほど薄れて、引き直されないでいたのだ。少なくとも今年7月2日までは。
かろうじて1本は残っているが、島どうしを結ぶ線が見えなくなっている
この状態では、乗客がどこを渡っても仕方ない状態だし、バスですら(意識してか無意識かは知らないが)本来の横断歩道上に停車してしまっているのを何度も見かけた。
ここからまっすぐが横断歩道だったはず
点字ブロックは敷設されたままなので、横断歩道を廃止したというわけではないだろう。
ここは公道ではない(弘前市の土地だろうか)ので道交法上うんぬんではないと思うが、とにかく危ないと思っていた。これでもし事故になれば、運転者やバス会社だけでなく乗り場の施設管理の責任が問われるだろう。

しかし、10月に行ってみると、
駅の2階から。逆光&暗くて見づらいです
かつて横断歩道があった位置に、緑色の帯が引かれ、さらに「通路はこっち」と書かれた看板も設置されていた。
積雪時は隠れてしまうかもしれないが、これなら安全だろう。安心した。
欲を言えば、横断してはいけない場所には柵を立てるなどの措置も必要だと思う。
ここは渡ってはいけない場所だが、渡れて(渡りたくなって)しまう
【13日追記】このバス乗り場は、公道から入ってくる接続部分の角度がきつい上に構造物があって見通しがよくない。歩行者の横断はできないことになっているが、やや迂回して横断歩道を渡るか地下道を通らないといけないため、見通しの悪い部分付近において無理に横断しようとする人をたまに見かけるのも危ないと思う。根本的な構造の問題なので、対策は難しいと思うけれど。
以前、ここにあったシダレザクラの木が撤去されたことも関係するのかもしれない。

●利用者の立場で設計を
青森駅では新幹線開業の駅舎リニューアルにあわせて、バス乗り場も白を基調としたものにリニューアルされたようだ。
こちらは横断部分がワインレッドの帯
しかし、渡ってはいけない部分を横断する人は多いらしく、「車道をわたらないでください。」という看板のほか、コーンとバーまで設置していた。
 
おそらく、駅舎とバス乗り場の間を移動する際、正規のルートでは遠回りになるので、近道のために渡ってしまうのだろう。

渡ってはいけない部分を横断するのは、当然、いけないこと。
バス利用者のマナーの問題とも言えるが、設計・設置者側のバス利用者の行動・動線への配慮が足りなかった結果ともいる。
バス利用者にはお年寄り・病人や大荷物の人もいるのだから、できるだけショートカットしたいと思うことを念頭において設計していたのだろうか。
あるいは、意地悪だけど、横断してほしくない場所を物理的に横断できないよう、仮設のコーンなどでなく最初から柵を設置すべきではなかっただろうか。
見栄えとかバスの運行上のことばかり考えた設計のように思えてしまった。


そう考えると、秋田駅西口のバス乗り場(この記事この記事)は、わりと安全そうに思えてきた。
旧駅舎だった昭和時代からの配置で、乗り場の数が多くて青森や弘前に比べるとかなり窮屈。島と島を渡る際は、事実上どこを渡っても問題ない。(お客と運転士双方に注意力が求められるけれど)
ただ、駅舎から出てきた人が通る場所には横断歩道が明確に引かれているし、渡ってはいけない(危険な)場所には柵がある。また、タクシー乗り場や自由通路の配置上、正規の場所以外を無理矢理横断しても得にならない(?)ような構造になっている。
意図したのか結果的にこうなってしまったのか分からないが、安全な経路が最短移動経路になっているのだ。
それでも、フォンテAKITA側から柵を乗り越えて4車線の道路を無理矢理横断する人をたまに見かけるのだが、これはやめてほしい。


●茂森線
先日、秋田の「二ツ屋福島線」を紹介した。
末端部分の2.6キロの間だけは一方向に環状運行し、明確な折り返し点がないというか、「往路の末端」と「復路の最初」が重複するというか、やや特殊な運行形態だった。

弘前の弘南バスにも同じような路線があり、それが「茂森線」。
こんな経路(駅周辺の一方通行等は省略。主要バス停のみ)
途中「四中校」とあるのは、市立第四中学校のこと。
全国的には「第四中」あるいは「四中」と略すと思うが、弘前では(弘南バスでは?)なぜかこう呼んでいる。(「三中校」というバス停もある)
違和感を感じるが、高等学校が「高校」だから中学校は「中校」で筋が通っているようにも思える…

たしか以前(10年以上前)は、単に「四中校」行きと言っていたように記憶しているので、環状運行されるようになったのは最近のことなのかもしれない。
行きはイトーヨーカドーの「弘前バスターミナル」が始発。弘前駅に立ち寄り、土手町・大学病院・市役所前を経て、茂森町を過ぎると、環状区間に入る。
茂森新町を抜け、樹木一丁目の外周をぐるりと回り、新寺町を横切って茂森町へ戻り、市役所・駅方面へ向かう。
環状となるのは約2.8キロの区間。二ツ屋線より少し長い程度だ。もっと長距離だと思っていたが。(この辺りの地理があまり分かりません)
二ツ屋線では、往路は南部公民館前まで、復路は二ツ屋中丁からと明確に往路と復路が定まっている(けれど重複している)が、茂森線の場合それがなく、全線通しでの運行のようだ。したがって、一種の環状線ととらえることができるのかもしれない。

また、他路線の一部と同じく、土手町の一方通行の関係なのか、行きは「(始発)弘前バスターミナル→弘前駅前」という経路なのに対し、帰りは「弘前バスターミナル前(路上バス停)→弘前駅前(終点)」と、ターミナルと駅の通過順が入れ替わっている。


茂森線の車両の行き先表示。
昔は「四中校」と大きく書いていたような記憶があるが、今は環状運行であることが分かるようになっている。
方向幕式の車両では、
(再掲)
「弘前駅前→大学病院→四中校→大学病院→弘前駅前」
分かりやすいといえば分かりやすいが、通しで乗る人などいないのだから、もうちょっと他の書きようがあるんじゃないだろうか。

そしてLED式の車両では、
「いすゞエルガミオ」の日野版「レインボー2」。ヘッドライトがいすゞ版と異なる
話が逸れますが、車内のつり革が、1つの輪につき紐が2本ついてV字型になっているもので、かつての秋田市営バスと同じ仕様。座席配列も1人掛けが多くて、秋田市営バスと同じ。(従来はつり革の紐は1本で、席は2人掛けが多かった。秋田中央交通は今もこの仕様)弘南バスでは数年前の導入車からこの仕様に変えており、都会的な感じがする。
LED表示器は、「レシップ」製のものなので、「オージ」製の秋田中央交通のものとは字体や見え方が違う。
視認性(LEDの輝度や視野角)はオージの方がいいのだが、文字はレシップの方が大きくて太く(ドット数の関係かと思う)、個人的にはレシップの方が見やすい。中央交通の表示器は上段の経由地の文字が小さくて分かりづらくて嫌い。
それはともかく、
「ターミナル→四中校→弘前駅/(四中校)弘前駅」(車内につり革が見えます)
何がなんだか分からん!
「四中校」と「弘前駅」が2回出てくるのがややこしい。なぜか「四中校」はカッコ付きだし。
幕式にはあった、「大学病院」がなくなってしまった。それに幕・LEDどちらにも、路線名の「茂森」は出てこない。

弘南バスでは、旧式車両は幕のまま(LEDに交換せずに)使用しているので、幕とLEDどっちもよく見かける。茂森線の表示に限れば、中央交通の表示以上にややこしいかもしれない。
「大学病院 市役所 茂森町・四中校」と「市役所 大学病院 弘前駅」という表示を作って、運行途中で切り替えるとかするべきではないだろうか。

※茂森線は2014年1月いっぱいで大幅に減便されることになった。
コメント (2)
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サンクスの店名

2011-12-11 23:10:12 | 秋田の地理
サークルKサンクスを中心とした、コンビニについて。
●サンクス開店の陰で
秋田駅の南西、中通地区と南通地区の境を東西に走る市道が「南大通り」。(“秋田市中心市街地”の範疇からは外れるらしいが、店が多くライラックなどが植えられていたりして、それなりに活気がある。
その中ほどに「秋田銀行南通り支店」がある。店舗名に「南通り」と送り仮名がつくのがちょっと不思議。
通りの名称が由来なら「南大通り支店」とすべきだし、所在地由来なら「南通支店」(厳密には中通だけど向かいは南通だからいいでしょう)とすべきだ。
秋田市民は、南大通りを指して「南通り」と呼ぶことも多いとはいえ、銀行の店舗名なんだから。

銀行の隣に、かつて「亀の湯」という銭湯があった。
秋田市内の数少ない銭湯だったが、数年前に廃業・解体。
跡地は穴吹工務店のサーパスマンションの建設工事が行われていたが、2009年11月の同社の会社更生法適用後、工事が中断していた。(基礎工事がだいぶ進んだ状態で止まっていたはず)
※ちなみに、秋田銀行を挟んで反対隣には、既に入居済みのサーパスがある

そこがいつの間にか、コンビニに変わっていた!
11月末頃にオープンしたらしい。
影に入って見づらくてすみません
名称は「サンクス秋田中通六丁目店」。
セブンイレブン進出前に先手を打った出店とも考えられるし、住宅やマンションのほか東北森林管理局や秋田南税務署、高校や病院があるから、需要はあるだろう。
近くにあるライバルとなる店は、400メートルほど離れた通り沿いの向かいに「ローソン秋田南通築地店」と500メートルほど離れた市民市場内のサンクス(後述)。このあたりとは共存可能だろう。
銀行のところまで駐車場で、広い
でも、ここからわずか100メートル西の同じ通りの同じ側、「秋田中通六郵便局」の交差点の角のビルの1階に、「サークルK南通り店(おそらくこれが正式店名)」がある。
再掲)右端にちょっとだけ写ってます

森林管理局・中通小学校へ至る通りを渡って、4軒隣りに同じ系列(サークルKサンクス)のコンビニができるわけで、こりゃ大変だなと思っていたら。
閉店していた!(奥にサンクスの看板が見える)


今まで意識していなかったが、「サンフレンドビル」という6階建てのビルで3階以上は賃貸マンション。2階以下がテナントの模様。
昭和58(1983)年度の秋田市都市景観賞を受賞しているので、その頃の建築なのだろう。(「高島ビルコーポ」という名称で受賞している)

既にサークルKの退去・看板の撤去は済んでいてコンビニの面影はない。
サークルKのサインが取れた壁面に「肉のデパート高島」という文字の跡が見えた(2つ上の写真)。サークルKの前は肉屋だったのか。
2階も空きテナント
秋田のコンビニは駐車場が必須であり、このようなビルに入居するコンビニはよほどの集客力がないと成り立たないだろう。ましてすぐ近くに広い駐車場があるコンビニができては勝ち目はない。
もしかしたら、旧サークルKと新サンクスの経営者が同じで、ブランドを替えて移転したということも考えられなくはない。秋田市内ではサークルKが減少傾向・サンクスが増加傾向だから。ただし、新旧店舗の電話番号は別。
矢印がサンフレンドビル

秋田市全域でも、サークルKは6店舗しかなくなった。秋田駅周辺のサークルKとサンクスの分布はこんな状況。
赤丸がサンクス秋田中通六丁目店

【2012年8月19日追記】2012年8月現在、サークルK南通り店跡は、空き店舗のまま。【2013年3月7日追記】2013年3月初め時点でも空き店舗。
【2013年5月10日追記】跡地には2013年5月にペットホテル(?)が開店するようだ。→【2014年5月19日追記】気付いたら、また空き店舗になってしまっていた。→【2015年8月29日追記】フランチャイズの便利屋「Benry(ベンリー。おそらく秋田県初進出)」が9月16日にオープンするそうで、準備が進んでいた。→【2018年11月16日追記】Benryは秋田南通店という名だったが、2018年9月に、御野場店と統合して、大町一丁目の秋田大町店となった。南通りは再び空き店舗に。

【2022年2月8日追記】その後、サークルK・サンクスのファミリーマート統合により、サンクス秋田中通六丁目店は「ファミリーマート 秋田中通六丁目店」となった。


●各チェーンの命名方針
気になったのが各コンビニチェーンの店舗の命名方法。
※以下の店舗名は、各チェーン公式サイトの店舗検索の表記に基づいています。店頭やレシートの表記は異なる可能性もあります。

少なくとも秋田市内において、ローソンやファミリーマート、デイリーヤマザキでは、原則として「市町村名+所在地名/通りの名/入居ビル名」が多い。
例えば、ローソン秋田大町二丁目店/ローソン秋田竿燈大通店/ローソンダイワロイネットホテル秋田店(←例外的に「秋田」が後)のように。※関連記事

そして「丁目」付きの所在地名が使われる場合、「何丁目」の数字部分は「大町二丁目」のように必ず漢数字となる。(ちなみに、セブンイレブンはアラビア数字派らしい)
住所表記としては、漢数字を使うのが正式のはずだから、これで正当と言える。


ところが、サークルKサンクスの命名方法は、そうではないことが多いようでして…
まず、地名を使うにしても、ひらがなにしたり、大字レベルの大雑把なのものだったり、実際の地名と若干異なる名称が見受けられるのが特徴的。

弘前の話ですが、弘前市中野にある、弘南鉄道大鰐線の「西弘前駅」から改称された「弘前学院大前駅」。※直近の記事
西弘前の略称である「にしひろ」が、駅一帯のエリアの通称として、駅名が変わった今なお親しまれてはいるのだが、そこにあるサンクスの店名は、
「サンクス弘前西弘店」
「サンクス西弘前店」でよさそうだけど。
そういえば、僕が弘前にいた当時は、ここはサークルKだった。いつの間にかサンクスに転換し、近くにあった別のサンクスが閉店していた。


他チェーンほどではないが、丁目が店名に使われることもあり、その数字。
上記、「秋田中通六丁目店」は漢数字だが、近くの市民市場1階にある店は、
「秋田中通4丁目店」
六丁目とは異なりアラビア数字。所在地の表記も不統一。
というか、中通4丁目店は秋田市民市場の中に入っているのだから「サンクス秋田市民市場店」でいいんじゃないだろうか?
その方が分かりやすいし、大家さんへの義理でもあるだろうし…
僕は今まで、てっきりそういう名前だと思っていた。(市場2階に入るダイソーは秋田市民市場店)


市民市場から秋田駅側に250メートルほど進んだ、「ニューたけや」を改装した「ニュー金座街ビル」にもサンクスが入っている。
再掲
その名前は、
「サンクス秋田ぽぽろーど店」
うーん。
この記事などで触れた通り、秋田駅から仲小路へ続く人工地盤(自由通路)「ぽぽろーど」とアーケード「大屋根」は連続しており、多くの人は両者の名称を意図的あるいは無意識に混同して使う場合が多い。

とはいえ、ニュー金座街ビルのある場所は、ぽぽろーどと反対側の大屋根の末端であり、ここを指して「ぽぽろーど」というのは無理があるように思う。
というか、ここは「サンクス秋田ニュー金座街ビル店」あるいは「サンクス秋田金座街店」でいいんじゃないだろうか?
その方が分かりやすいし、大家さんへの義理でもあるだろうし…(繰り返し)
でなきゃ、市民市場の店にならって「秋田中通二丁目店」(2丁目?)だ。


以上、サークルKサンクスの店舗名は、なかなかアバウトなようだ。
命名には本部があまり口出しせず、オーナーの自主性に任せているのだろうか?
コンビニの(チェーン名でなく)店名を意識して利用する客などいないだろうけど、地名にこだわる者としてはちょっと気になってしまった。(そして逆に他チェーンがかなり厳格な命名をしているのに感心した)

※関連記事はこの記事中ほど

【2022年2月8日追記】サークルK・サンクスのファミリーマート統合により、上記中通六丁目店のほか、ぽぽろーど店と中通4丁目店もファミリーマートへ転換された。4丁目店は「秋田中通四丁目店」と漢数字に。
コメント (25)
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