広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

桜ガ丘~梨平のバス廃止

2022-09-28 21:29:19 | 秋田の地理
秋田市下北手梨平まで乗り入れていた、桜ガ丘線の1系統(西口~明田地下道~城東消防署前~桜ガ丘~梨平)が、2022年10月から、大平台三丁目発着に変更される。形式上は系統廃止と系統新設のようだが、実質的には行き先変更と区間廃止。停留所は2つ廃止。
梨平へは1989年からバスが行っていたようだが、どんな場所か知らなかったので、行ってみた。桜ガ丘地区での運行経路等は前回の記事を参照。
地理院地図に加筆。青い線が大平台行き、黒い線が廃止区間。●はバス停
前回の地図でマル2の印を付けた地点=上の地図で青線と黒線が分かれる地点。桜ガ丘のほぼ東端。
駅から来ると、大平台行きは右折して狭い道へ入るが、梨平行きは広いままの道なりに、左前方の下りカーブへ。
車道にセンターラインはあるが、歩道はない
坂の左側崖上に並ぶ家並みは、東へ飛び出た桜ガ丘五丁目。四丁目までは1987年にできたのに対し、五丁目だけは2001年住居表示実施(一部は二丁目からの変更)で、より新しい街。【10月1日訂正・住居表示ではなく「町名地番整理事業」とのこと。コメント欄参照。】

坂の右側は、すでに下北手梨平で、ゴルフ練習場がある。車がたまに通るのは、ここへ来る人もいるようだ。
桜ガ丘の北隣、桜二丁目にもゴルフ練習場(+日帰り温泉)があるので、ちょっとまぎらわしい。

ゴルフ練習場の出入り口を過ぎると、道路は一直線になるが狭くなり、さらに下る。
左は林、右はゴルフ打ちっぱなしの球が落ちるスペースになり、人の気配がよりいっそう薄くなる。時間帯によっては通るのが怖いだろう。

分岐点から350メートルほどで、坂が終わる。標高は30メートルから15メートルまで下った。
水田が現れた
左は林のまま、道はカーブしていて先が見通せない。そろそろ次のバス停のはずだが、そんな雰囲気ではないような…
上の写真右上の高い位置に家が写っているのは、大平台一丁目。桜ガ丘も同様だが、家は見えているけれど、そこまで上り下りできる道路も階段もない。それに、通学区は、桜ガ丘や大平台は桜小学校~桜中学校なのに対し、下北手梨平は下北手小学校~下北手中学校(歩いて通えるのか? さらにあと数年で両校は廃校し、広面小~城東中学区になるらしい)。隣り合う田んぼと新興住宅地の間には、高低差以外にもいろいろと違いがあって、近くて遠い。

カーブを曲がると、田んぼが広がるとともに、
建物とバス停が現れた
左に高齢者施設「桜の園」、奥に集落が見え、人里に戻った感じ。
桜の園は1988年に運営法人が発足していて、だいぶ大きい施設。その前に「桜の園前」バス停。分岐点から500メートルほど。1つ前の「桜ガ丘二丁目」からは650メートルも離れている。
桜の園の出入り口。その奥、桜の下に下りバス停
出入り口手前の向かい側、田んぼに向かう斜面に上りバス停。
地面ごと傾く
表示板は、前回の大平台と同様、板自体は市営バス時代からの転用品で、バス停名は透明シールパソコン印字の丸ゴシック体。大平台と比べると、板の劣化はいい勝負で、文字の薄れはこちらが激しい。
以前がどうだったか知らないので、交換されたのは市営バス時代か中央交通移管後かは不明。
ススキも茂る

桜ガ丘・坂方向を振り返る
桜の園前を過ぎると、左は林(一部墓地)だが、右が田んぼで開け、先に集落も見えるので、だいぶ気持ちが明るくなる。

この辺りまでは、下北手梨平字登舘。この先は、左が字袖ケ沢、右~奥の集落が字梨平。
桜の園前から200メートル強で、十字路。

直進方向の狭い道はカーブで見通せないが、これが梨平集落へ入る。
左折方向に看板が出ているのは「←歓喜寺」。実はこのすぐ左手にあって、建物が見える(後で写真あり)。旭北寺町にあったのが、新しい道路開通のために移転したのがここだったのだ。道路はその先、桜台の裏手~ノースアジア大学の裏手へ至るが、主要道路ではないので車はほとんど通らない。

右折方向は、すぐ突き当たって、再び左右(上の写真では前後方向)に分岐。
突き当り手前に案内標識
左へ行くと、梨平集落を抜けて、下北手黒川など、下北手の奥のほうへ。下北手にも黒川があるとは知らず、案内標識の「黒川」を見て、金足黒川かと思ってしまった。
右は、大平台の東辺ふもとを南下し、横金線~大戸~大平台入口~小山田の上北手の道へ出る。
なお、上の案内標識は裏面もある。歓喜寺方向を案内しているわけだが、一本矢印「太平(改行)下北手」。下北手はすでにここがそうだし、太平は遠く、ピンと来ない案内。「県道62号、谷内佐渡」などが分かりやすいのでは。

バスは、直進して集落内へ。
農村部らしい曲がった道
と言っても、100メートル弱で、
塀際に止まれ標識とともにバス停



「梨平」バス停
桜の園前から320メートルほど。
「泉上丁」同様文字が扁平なのは、中央交通作成シールなのか??
止まれは突き当りで、その左右の道は、先ほど出た、黒川~上北手の道。梨平集落は左方向へ続いており、バス停は集落のまだ入口。

梨平バス停は、上下兼用の1本。回転地もないので、折り返し待機は路上で行うと思われる。
最後となる2021年10月改正ダイヤの3往復は、いずれも回送なしの折り返し運用。11時00分発が9分、15時00分発が14分、18時00分発が4分の待機をすることになっている。
上り便となって秋田駅西口へ戻る時は、中央交通発行の路線図では、単純に来た道を戻るように線が描かれている(単純化したほうが分かりやすくはある)が、実際は異なる。
止まれを右折、次の丁字路も右折、すると先ほどの十字路なので左折して、下りと同じルートへ復帰できる(梨平→十字路は150メートルほど)。三角形の道路配置を活用した方向転換。30数年前の秋田市交通局が、知恵を絞って設定したのだろうか。
でも、道は狭い。本来(築地経由時代)は小型バスでの運行だったので、まだ良かっただろう。明田地下道経由に変わった後は、中型バスも入るようになったので、大変そう。

南側から梨平集落を眺める

33年半、バスが通っていた梨平。廃止代替交通はなく、バスに乗るとすれば、坂を上って桜ガ丘二丁目まで行かなければならない。
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サティ前の微妙な停止線

2022-09-26 22:43:01 | 秋田のいろいろ
赤信号だったら、止まらないといけない。車で、路面に停止線が標示されている場合は、その手前で。
根拠。「道路交通法施行令」第二条で、「赤色の灯火」の意味を「車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。」としている。また、「停止位置」とは「道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前」。(いずれも抜粋)

しかし、少々分かりづらいシチュエーションもある。
例えば、秋田市茨島の県道56号、イオンタウン茨島パワーセンターの秋田市街地寄りの出入り口。秋田市街地側から南進して来て、左折してイオンタウン駐車場へ入る場合。

話がそれるが、ここの歩道を通る歩行者・自転車は、車の動向に、特に充分注意して通らねばならない。というか、車が配慮するべきなのだが。
ここは押ボタン式信号がある。県道を横断する歩行者と、県道を通行する車両との間の、単純な押しボタン付き横断歩道。
駐車場内から県道へ出る丁字路の形だが、そちら向きには信号機がないため、なかなか出られない車がいたり、車が途切れた隙に強引に出て、県道の歩道を通行する歩行者・自転車を妨害したりしてしまう。
せめて駐車場出入り口、つまり県道の歩道と続く位置に、横断歩道の白線を標示できないものだろうか。
市街地側から撮影。南行き直進は1車線。右側は車線が薄れた導流帯
市街地側から左折してイオンタウンに入る車は、押しボタン信号が赤であっても、左折することができる。
なぜなら、左折車線には、停止線が引かれていないから。
上の写真の拡大
信号無視にはならないが、横断歩道がないこともあるのか、やはり、歩行者・自転車を妨害して勢いよく左折してしまう車もいる。
一方、停止線の有無に気付かず、赤信号で止まってしまう車もたまにいる。積雪時に停止線が見えなければ、左折側にも停止線があると誤解してしまう場合もあり得る。

この構造は、けっこう手前から歩道を狭めて専用左折車線が確保されているから成立する。民間のショッピングモールに入るためだけに、そうしているわけで、だいぶ“待遇”がいい。
入場待ちの車が渋滞して、直進車に影響を与えるほど、混雑するショッピングモールでもないだろうに。2000年のオープン時は、まだ国道7号だった(2003年に県へ移管)から、当時の建設省の計らいなのか。イオンタウン側が費用を負担したのか。

歩行者の安全のため、左折車線にも停止線を設けたほうがいいように思う。赤信号で待たせるとしても、そもそも横断者は少ないし、赤信号は短時間だから、大した影響はないはず。何年も前に、秋田県警察本部の信号機BOXへ要望したことがあったが、「検討したができない」という回答をいただいた。


同様なのが、山王大通り・秋田市役所と県庁の間の信号機で、臨海十字路側から東進して来て、左折して市役所駐車場に入る所。ただし、庁舎建て替えで変更された。
旧庁舎時代は、イオンタウン茨島同様に、信号に関わらず左折できていた。
新庁舎開庁時に停止線が引かれた。市によって「赤信号左折禁止」の立て看板が置かれたり、広報で周知されたりしている。じゃあ、同様に茨島でも可能なのでは?


あとは、勝平の新川橋たもとのY字路。川尻方向から南進して来て、左の旧道へ入る場合。停止線がないので、常に進入可能。横断歩道もないので、歩行者妨害のおそれはない。
ここもたまに赤信号で止まる車がいる。反対方向、旧道から北進して橋に向かう場合は信号機に従うので、まぎらわしいのかもしれない。


そして、ここから本題。
左が古川添・右が秋田市街
イオン秋田中央店前の県道28号。国道13号・古川添交差点方向から北進して、左折でイオンの駐車場に入る時。
その入口付近は十字路交差点で、左折・直進・直進・右折の4車線。そして、左折車線にも停止線は引かれている。

停止線以前に、ここは駐車場に入る動線が独特。
県道から駐車場に入るポイントが、近接して2つある。
1つは、信号機付き十字路に面した所。出入り兼用で、(信号に従えば)3方向いずれからも入れる。【30日補足・上の写真右にある、信号機のある柱の右側、横断歩道の所】

もう1つが、古川添方向から来た場合、信号機の直前に位置する、入口専用。位置的に、他方向から入ることはできない。以下、これを「第2の入口」と表記します。【30日補足・上の写真正面の横断歩道】
奥が古川添方向。手前が交差点の出入口、歩行者が立っている位置のすぐ向こうが、第2の入口
1995年4月28日に、秋田サティとしてオープンした時から、こういう造りなのだと思う。理由としては、駐車場内に入ってすぐの動線。古川添から来て、交差点(第1の入口)を左折した場合、入ってすぐにまた左へ曲がる線形なので、ほぼ180度転回しないとならない。第2の入口で曲がった場合は、そこまで急ハンドルにはならない。
どっちにしても、イオンのためだけに存在する左折車線なわけで、茨島同様、ここも手厚い待遇。【27日追記・ただし、こちらのほうが交通量がより多い道で、来店客もより多い店だから、入店専用レーンを設けた意味はなくはないと思う。】
第2の入口で左折する車が圧倒的多数
第2の入口には、もう1つメリットがある。信号機に関わらず左折できるのだ。上記のほかの地点同様、停止線より手前に第2の入口があるから。だと、これまで考えていたのだが…
6月撮影



Googleマップより航空写真
停止線が、第2の入口の道幅の、ほぼ真ん中にかかって引かれてしまっている。これでは、停止線を越えずに、第2の入口で左折することは、四輪車では困難。冒頭の道路交通法施行令を厳密に解釈すれば、赤信号の時にここを左折して、交通違反にならないとは言い切れない。
実際には、信号と関係なく左折して構わないらしい。警察へ問い合わせて、その旨の回答を得たという話を、以前ネットで見た。だとしても、そんなこと周知されていないし、この位置は微妙すぎる。
ここでも赤信号で止まってしまう車はいるが、そのドライバーを指して、標示を見ていない、交通法規を知らないとは言えまい。むしろ、標示をよく見て、法規を遵守している人かもしれない。
Googleマップストリートビューでさかのぼると、少なくとも2012年10月から変わっていない。秋田県公安委員会、秋田県警察本部、秋田中央警察署は、こんな微妙な停止線でいいと思っていたのだろうか。


そこが現在は…
以前の停止線が消されて、その先方へ!




左折車線の停止線だけが、150センチほどだろうか、先方へ引き直された。これなら、停止線を越えずに第2の入口へ曲がることが可能。
4車線全部を前へ出してしまうと、横断歩道と近すぎるなど問題があったのだろうし、左折車線だけ前へ出ていたほうが、視覚的に分かりやすいかも。
【2023年11月18日補足・移設によって、意味が明確になった停止線だが、第1の入口で左折して入店する車のためだけに存在することになる。実質的には、停止線としてはほぼ使われることがなく、「第2の入口左折は信号に従わなくてよいこと」を伝えるために引かれているという、ちょっと変わった停止線と言えよう。】


ちなみに、これまでの写真に写る通り、県道の歩道が第2の入口を渡る箇所には、横断歩道の白線が引かれている。茨島とは対照的。
歩行者用信号機は、第1の出入り口にしか設置されていないので、第2の入口の横断歩道は信号に関係なく横断できる。もちろん、歩行者は左折車には充分注意して、左折車のドライバーはさらに充分に安全確認を。

この後、第2の入口の横断歩道に変化
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残念なバス停が黒文字に

2022-09-24 23:15:58 | 秋田のいろいろ
2018年に「ざんねんなバス停」を記事にした。秋田市内に2種類ある、ちょっとヘンなバス停の表示板。
1つは、「セリオン前」と「港湾事務所前」。3色の塗り分けのバランスと色が通常と異なり、おでこが広いような見た目。今年8月時点でも変わっていない。

もう1つが、「秋田厚生医療センター前」。
(再掲)
現行で標準の、太いスーラの文字の表示板だが、バス停名が黒文字でなく、なぜか白文字。黄色い地に白文字だから見にくく、こうした意味が理解できない。
秋田組合総合病院から名称が変わったのが2014年4月だから、それ以降の設置ということになる。


2019年8月時点では、白文字のままだった。
その後、2022年5月までの間に変化があったことを知って、このほど現地確認。
長いスペースに乗り場は3つ。左奥は待機場所
手前(=正面玄関寄り)の1番と2番が中央交通。その向こうの3番は、秋田市マイ・タウンバス用なので、委託先のキングタクシーの別仕様のポール。さらにその奥は、2つ分ほど余っている。

で、中央交通の表示板は、
黒くなってる!
1番も、2番も。

完全な標準仕様。文字色が黒くなったほか、「秋田厚生医療センター前」の後に、乗り場番号が丸数字で表記。番号は、以前から後ろの壁には表示されていた。
英字・ローマ字は白文字時代より文字幅が狭くなったが、綴りは変わらず。最近の多くのほかのバス停と同じ法則なので「~ SENTA MAE」。


白文字表示板は劣化していたはずはないし、乗り場番号を入れるためだけに新しくする必要もないだろう。やっぱり、白文字にしてしまったのは手違いで、そのことを気にしていた、つまり「残念なバス停だという自覚」はあったのでしょうかね。
レアものがなくなってしまったのは、それはそれで「残念」。
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桜ガ丘~大平台のバス

2022-09-21 23:05:40 | 秋田の地理
秋田駅の東側は、かつては一面の水田で、昭和後期以降に宅地化された。
そのうち、秋田駅から見て南東方向の、住居表示実施【10月1日補足・桜ガ丘、大平台、山手台は町名地番整理事業実施】で町名が誕生した年を記してみる(初出年。その後も段階的に拡大)。横森と桜1977年、桜ガ丘1987年、大平台(おおひらだい)1997年、山手台(やまてだい)1998年、桜台1999年、南ケ丘2018年。※宅地化された年ではなく、あくまで町名ができた年。

横森と桜は、元・田んぼだった平野部。昭和末頃に横山金足線(県道41号)が貫いた。
それ以外5つは「丘」「台」の名の通り、横金線東側の田んぼに迫った丘を造成したようだ。高低差のある住宅地であるとともに、外部からその地域へ出入りする道路が1本程度しかなく、実質的に通り抜けられない(通り抜けにくい)構造の街という点で、秋田では珍しいと思う。
うち、横金線に直接出入りできるのは、桜ガ丘と山手台。
路線バスが乗り入れるのは、桜ガ丘、大平台、南ケ丘、桜台ではある【23日補足・山手台以外には乗り入れていることになる】が、南ケ丘と桜台は申し訳程度の本数で使い物にならないから、実質的に桜ガ丘と大平台のみ。「桜ガ丘線」として、主に秋田駅東口から、横森・桜・桜ガ丘経由大平台三丁目行きとして、それなりの本数運行されている。
※横金線は、日赤病院・御所野方面行きの路線(広面・御所野線)も走るので、そこから歩いてのアクセスも可能。


桜・横森地区に乗り入れる路線バスは、秋田市営バスが1975年に横森行きの小型バスを運行したのが最初かと思う。これが発展(延長・中型化・駅東口発着メイン化)して、桜ガ丘線となったようだ。
2022年10月バスダイヤ改正では、桜ガ丘線のうち、わずかな本数ある西口~桜ガ丘~梨平の系統が廃止され、大平台三丁目発着に統一される(桜ガ丘~梨平の区間廃止)。
その記事で記した変遷を改めてまとめておく。
・1988年時点では「桜ガ丘三丁目」発着。
・1989年春改正で、築地経由の系統を「梨平」へ延伸。
・1997年か1998年改正で、東口発着メインにシフトするとともに、(梨平行きでない)桜ガ丘止まりの系統を「大平台三丁目」へ延伸。※引き換えに「桜ガ丘三丁目」バス停を廃止?

廃止前に、行ったことがない梨平という地を訪れてみたのだが、今回は大平台のほうを紹介します。
秋田駅を出た桜ガ丘線は、横森の狭く曲がりくねった道を抜けて、750メートルだけ横金線を走る。この区間の「桜三丁目」「桜郵便局」「桜二丁目」バス停では、桜ガ丘線と広面御所野線の両方を利用できる(駅との運賃は同額、所要時間もだいたい同じ)ものの、両路線が近接した時刻、あるいは同時刻に設定されているものもあるのが惜しい。2022年10月改正では、減便分の穴埋め調整もあり、いくらか改善されそう。
地理院地図より
地形図のマル1。しまむらの丁字路を東へ曲がると、桜ガ丘。「桜ガ丘入口」と交差点名があっても良さそうなのに、ないのが秋田県道(と秋田県公安委員会のせめぎ合い?)。
丁字路の道は緩い上り坂。東西に長い桜ガ丘地区の、中央からわずかに南寄りに一直線に延びる、桜ガ丘のメインストリート。と言っても、沿道は民家と公園ばかり。店は床屋と精肉店程度。

地域内にはスーパーもコンビニも(丁字路向かいにファミリーマート)金融機関もないし、自動販売機も少ない。医療機関はあるだろうか。個人事務所みたいなオフィスもなさそう【22日補足・皆無ではなさそう】だし、アパートもない(県営住宅はある)。
ほかの丘、台の地域も似たようなものだと思うが、戸建住宅に特化したベッドタウンだ。
空洞化著しくも、コンビニや町医者くらいなら徒歩圏内に点在する秋田市中央部に住む者としては、異世界。

メインストリートの直線区間には、「桜ガ丘中央公園前」と「桜ガ丘二丁目」の2つのバス停。上屋などなく、ポールが置かれるだけ。
「桜ガ丘中央公園前」下り。向かい側奥が公園
2バス停は上下とも、台座が古く、支柱と表示板は新しかった。表示板のフォントからして、近年交換されたもの(2019年9月のGoogleストリートビューでは未更新。更新前については後述)。

地形図のマル2。丁字路から670メートルほど進むと、変形した十字路のような五差路のような場所。
丁字路からのメインの道路は地形に合わせて、カーブしながら下っていく。桜ガ丘のおおむね西端(後からできた桜ガ丘五丁目は西へ飛び出ている)。梨平行きのバスは、そのカーブを下りていく。
大平台行きは、南南東というか右前方の少し狭い下り坂へ。「←ヴァンベール大平台」の看板が出ていて、歩道があるが、車道の幅は狭く、ここを中型バスが通るのは少々意外。
※「ヴァンベール」は「緑の風」の意味らしく、分譲地としての大平台の名前のようだ。
左が梨平、右が大平台
バスが桜ガ丘三丁目止まりだった頃は、どうしていたか知らない。メイン道路上に三丁目バス停があったのかもしれないし、地理的には南側が三丁目なので、この手前のもっと狭い道などへ曲がっていたのかもしれない。【23日コメントいただき追記・メイン道路ではないところに、三丁目の回転地があったとのこと。分岐点手前の狭い道へ入っていたようだ。】

大平台行きのバスは、片側が斜面、もう一方に大平台の住宅が見渡せる、300メートルほどの緩い坂を下る。桜ガ丘と大平台は隣接しているものの、標高差があって、大平台のほうが低いことになる。
大平台への出入りは、南側のふもと・上北手大戸の市道とつながる2本の道がメインだと思われるが、第3の出入り口が、この桜ガ丘につながる道なのだろう。歩行者用には階段もあった。

大平台の住宅地へ下りると、「大平台一丁目」バス停。
突き当りの山の左上が桜ガ丘方向
150メートルで地図マル3「大平台三丁目」終点。待合所と方向転換・待機の場所がある。ポールは上下兼用。
待合所内に、タクシー会社直通の専用電話があるようだ

大平台には2002年8月に行ったことがあった。20年ぶり。
あまり記憶がなかったが、当時の写真と比べると、家が増えたものの、今なお空き地もあった。
大平台を行く秋田市営バス桜ガ丘線
桜ガ丘線は、2003年春に秋田中央交通へ移管。
3つ上の写真と同じ位置。後ろの山の木が少ない

2022年に撮影して、当ブログに何度か掲載した画像がこれ。
(再掲)大平台三丁目バス停表示板
ナール書体。路線延伸から5年ほどだからまだ新しい。

これまで取り上げてきたように、市営バスのナールの表示板は、ほとんどが最近まで使い続けられ、今も残っている。
ところが、大平台三丁目の現在は…
違う!
子会社名が併記されているのは、もっと東側の農村部へ行く中北手線の廃止代替の「秋田市マイ・タウンバス東部線」が、大平台三丁目へ乗り入れるようになったため。中北手線は桜ガ丘へは行かず、南側から出入り。

表示板が、透明シールにパソコンの丸ゴシック体で印字したものに替わっている。ローマ字は「OHIRADAI-3-CHOME」と、丁目の数字の前後をハイフンで結んだ、見慣れぬ表記。
ナールの表示板なら、20年経っても劣化が少ないことが多いが、こちらはサビが目立つ。

隣の大平台一丁目も上下とも、
トンボ付き下り。板が曲がり、青空に同化しているが右上に穴が開いている
下に「市営(市章)バス」の文字が透けているものもあるので、板自体は市営バスからの引き継ぎ。

実は、上記、桜ガ丘中央公園前と桜ガ丘二丁目の更新前の表示板も、
2017年7月撮影ストリートビューより
同様の表示板だった。
そして、「桜ガ丘」が正当なのに「桜ヶ丘」と誤記している。

これら透明シールへの交換は、誰がやったのか。
移管前年度の2002年度でナールのままだったのだし、秋田市役所の公営企業であった交通局が、秋田市の地名を間違うとは考えにくい(なくはないでしょうけど)。
また、文字が扁平な泉上丁の時に考察したように、透明シール丸ゴシック体のバス停は、市営バス最末期だけでなく、移管後の中央交通でも作っていた可能性がある。
そんなわけで、桜ガ丘~大平台の表示板は、移管後に中央交通が交換したと考える。

その理由は分からない。
(桜ガ丘の市営バス時代はそれ以前がどうだったか知らないが、)大平台2バス停はまだ新しいナールの板をわざわざ塗り直して貼り直したのか、あるいはよそで使っていたのを改造してわざわざ付け替えたのか。いずれにしても、事業者名だけ上張りすれば済むものを、わざわざ余計なことをしたと思えてならない。

最近、桜ガ丘2バス停だけ新しくしたのは、字を間違っていたのに気付いたからだろうか?
同じような古さの大平台が未交換な理由もまた分からない。


最後に、20年前と今の大平台三丁目の上り時刻表。
2002年。左は明田地下道経由西口行き、右が東口行き

現在(2021年10月改正)
駅行きは、現在は平日も土日祝も9本。2002年は、東西合わせれば、平日22本、土日祝21本。
半分以下に減ってしまったが、これは秋田市内の多くの路線で同じこと。

昔から桜ガ丘線で特徴的なのは、運行時間帯の偏り。上りは朝、下りは夕方~夜に偏っている。
2002年は、平日22本のうち、朝7時台に4本もあるのに、午後は6本しかない。今は9本中、午後5本と平均化されてはいる。
途中経由地での需要も関わることではあるが、これもまた、大平台や桜ガ丘がベッドタウンに特化した地域であることを示すのだろう。

梨平方面について後日
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菊谷小路2004

2022-09-18 18:04:24 | 昔のこと
秋田市保戸野(ほどの)の県道233号の一部、通称「菊谷小路(きくやこうじ)」中ほどから、北方向を見た風景。
2022年9月撮影
背後すぐを左に入ると諏訪愛宕神社、通りのずっと後方が通町方向。先の押しボタン式信号を左折すると保戸野小学校正門。
見づらいがもう1つ先の信号機の左右が、千秋トンネル通り。突き当りには、太平山の山並みが見える。※突き当り付近の過去の記事。千秋トンネル通りとの交差点から先は市道になり、そこまでは菊谷小路とは呼ばないのが一般的だと思う。
地名は、通りの左側が保戸野すわ町、右側が保戸野中町。
「小路」の名の通り、もともとはもっと狭い道だったのが、戦時中の建物疎開で保戸野中町側に拡張されたとのこと。

この辺りは、住宅と商店が混在する。ここ十数年ほどで、やめたお店や、建て替わった家、新たな家も少なくないのは知っていたが、全体の雰囲気としては、数十年変わっていないと思っていた。
今回、ここを撮影したのは、18年前=2004年3月に撮影した写真を見つけたから。
2004年3月撮影
改めて見ると、いろいろと違っている。
全体の印象としては、18年前のほうが「にぎやか」な雰囲気。

2004年と2022年の細かな違いを、左手前→奥→右手前と見てみる。
・左手前にあった居酒屋は、建物ごとなくなった。
・左側の電柱広告は、この裏通りの整形外科医院。2010年代後半に閉院して、今は広告なし。
・押ボタンとその先の信号機が、電球式横型から、LED式縦型に更新(2010年以降数年かけて)。
・突き当りの駐車場だった所に、保育園ができた。2022年の写真では、その赤茶色の屋根が見える。

上の写真右奥を拡大
・右奥に「緊急出動」の表示。秋田市消防本部 秋田消防署保戸野出張所。
2003年12月に廃止(本署に編入)。跡地に2005年8月に秋田市保戸野地区コミュニティセンターが開館。
※保戸野小学校敷地内に今もあるのは、非常勤の組織である、秋田市消防団保戸野分団の車庫。保戸野出張所は、常時消防隊員が詰めている消防署の小規模なもの。末期はポンプ車1台のみで、救急車等の配置はなかった。

・歯科医院前には、白と緑の市営バス「すわ町(神田線・添川線上り側)」バス停。2005年3月に秋田中央交通へ移管され、バス停ポールも更新
2004年5月撮影。向かいの下り側。市営バスが「二面体」として1986年度に設置した(参考記事)バス停ポールは、風を受けて倒れやすく、しかもプラスチック製で壊れやすかった。これもフレームの上辺がなくなっている。中央交通の名前も書いてるのは、楢山大回り線だけ先に移管していたため。

・「ハイタク興業(株)」は、秋田市内全タクシー共通のタクシーチケットを扱う企業。2000年代に寺内蛭根へ移転。建物解体。

右手前を拡大
・「秋田魁新報」は魁の販売店。2017~2019年頃に、この先の「原の町通り」沿いに移転し、経営者が替わった(その旨のあいさつ状が購読者へ届いた)。

・「With」、見づらいが黄色い「小学館の学習雑誌」は、「エス書店」。大人向け商品が充実していたと評判。
写真を拡大すると、この時点では営業していないように見えるが、建物と看板はまだ残っていたのか。

・右いちばん手前は、医療用機器を扱う企業。現在も変わらないものの、「フジカラー」の看板はなくなっている。写真店などでも見なくなったから、フジフイルム側の都合か?

・歩道部分が真新しい舗装。
2002年9月時点では、保戸野すわ町側だけきれいで、保戸野中町側はボロっちくて縁石がないようなあるようなあいまいなもので、視線誘導標(デリネーター、デリニエーター)がなかった。


また、奥まっているなどで写真では見えないものとして。
・魁の向かい、押しボタン式信号前には、文具店「のてや」があった。2019年閉店

・消防署向かい辺りには、1990年代頃まで「小僧寿し」があった。

・魁販売店とエス書店の間には、平成初期頃まで、スーパーマーケット「マルナカ」があった。寺内や勝平にあったのと同じチェーン。「マルダイ」や県外にあるマルナカとは無関係。
その跡と思われる場所には、1990年代半ばの通町の再開発事業の際、通町から豆腐店が移ってきたが、2010年頃の時点でやめている。


Googleストリートビューがまだない頃だけに、手前味噌ながら貴重な写真。残雪の山並みがきれいで撮影したはずだが、思いがけず、街の変化を伝えてくれた。
それにしても、21世紀、たった18年前の風景なのに、思っていた以上にずいぶんと変化してしまっていた。
【18日追記】店が少なくなったものの、その跡が民家になった場所もある。空き家は多少ありそうだが、空き地はほぼない。人の暮らしは継続している地域と言える。「店舗の割合が減って、住宅地に特化しつつある」という変化なわけだが、それをもって「寂れた」と言っていいのかどうか。

※新旧比較シリーズとして2003年と2023年の手形の風景
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AkiCA検証2点

2022-09-14 23:32:20 | 秋田のいろいろ
AkiCAなど、秋田市内のバスでのICカード使用に関連して、小ネタ2つ。以前から確かめたいと思っていたことが確認できたので。
最近の記事は6月末。10月開始の高齢者用「シニアアキカ」もそろそろ発送開始か。

●オートチャージ可能か?
Suicaには「オートチャージ」機能がある。
設定すれば、残高が一定額以下で改札を通ると、一定額が自動的にチャージされる(判断基準額、チャージ額とも各自設定可能)。
オートチャージされる場所は限られていて、現時点では、JR東日本の在来線改札と、PASMOエリアの改札。新幹線やJR他社の改札ではできないし、買い物時も非対応。

バスでもオートチャージできないのが原則のようだが、AkiCAと同じ地域連携ICカードである、栃木のtotraではオートチャージ可能との報告がネット上に複数ある。
そして、JR東日本ビューカードのホームページ(https://www.jreast.co.jp/card/function/autocharge/area.html)には、「一部のバスにおいて、バス車載器にタッチして降車する際にもオートチャージをご利用いただけます」とある。
ただ、どこのバスでオートチャージできるのかの情報がほぼない。
※東急バスでは、PASMOに限りオートチャージでき、Suicaではできないらしい。

もしかしたら、秋田のバスでもオートチャージできるのでは? と淡い期待を抱いた。
オートチャージの設定をしたSuicaで、秋田市中心市街地循環バス・ぐるるに乗って降りたら、100円引かれていただけ。
秋田のバスでは、(AkiCAであってもSuicaであっても)オートチャージできないようだ。

※AkiCAは、Suicaでできることはすべて可能なので、AkiCAのカードにオートチャージの設定をして、JR東日本やPASMO等のエリアの改札でのオートチャージは可能なはず。


●マイ・タウンバスでの履歴はどうなる?
駅券売機やスマホアプリなどで、ICカードの利用履歴を見られる。
バスの場合は乗降バス停までは記録されておらず、日付、事業者名、金額が分かる。

秋田中央交通の一般路線バスや、秋田市中心市街地循環バスでIC乗車した場合、JR東日本の駅券売機では、事業者名(利用駅)に「秋田中央」と表示。スマホアプリ「みるCa」では、AkiCA開始後のアップデートがまだなので、「3-090E」というコード番号が表示された。


ところで、AkiCAは中央交通だけでなく、秋田市が運行主体で、民間会社に運行を委託する、郊外部の廃止代替「秋田市マイ・タウンバス」でも使える。
その委託先は、地域ごとに複数の企業がある。中央交通の子会社もあるが、ライバルのタクシー会社もある。その履歴はどうなるだろう?

わざわざ乗りに行った。
ほんとうは、中央交通系以外が受託する地域のほうが、より確実に検証できるけれど、それらは予約式だったり、ワゴン車だったりで、よそ者には敷居が高い。
秋田中央トランスポートが運行し、通常のバス車両で運行される、西部地区の豊岩線に乗った。

履歴は…
みるCa「3-090E」
↑みるCaでは、AkiCAも区別なく「Suica」と認識するようだ。

駅券売機「秋田中央」
期待外れ。だけど、同様に秋田市が運行主体のぐるるでも「秋田中央」だったのだから、同じことか。
中央交通本体直営も他社運行も同じコードだと、後で見て分かりづらい。
ただ、バス会社や市が利用状況を調査する時は、一般人は見られない部分で、乗降バス停などのデータを見ているだろうから、あまり問題ないのかも。

考えてみれば、「3-090E」に「秋田中央」を対応させているJR東日本券売機が適切ではないのかもしれない。「秋田市とその周辺のバス」としたほうが適切ではあるが、短くするのは難しい。

ネット上の情報から、他の地域連携ICカードエリア。
青森の「AOPASS」では、青森市営バスも、廃止代替で民間委託する「青森市市バス」も、「青森市交」と表示されるらしく、秋田と似た状況。
1つのカードエリアにつき1つしか表示できないわけでもなく、八戸の「ハチカ」では、八戸市営バスは「八戸市交」、南部バスは企業名である「岩手県北」と表示して、区別している(委託ではない直営ということもありそうだが)。


○参考・秋田市マイ・タウンバス西部線の記録
運行開始時は、公募で決まった「豊浜ふれあい号」という愛称(豊浜は地名ではなく、運行エリアの地域名・浜田、下浜、豊岩から)があったけれど、今は使わないようだ。

秋田市のホームページ(ページ番号1033265)に写真があったように、古い機種を強引にICカード改造した運賃箱。
運賃表示機は、中央交通本体(レシップ製OBC-VISION)とは異なる、白い枠1画面のもの。小田原機器製 BFD型 液晶運賃表示器か。車内放送の声も別の人だが、市営バス譲りの言い回しは継承。

日曜の午後。見かけた浜田線は、西部市民サービスセンター発も着も、数人ずつ乗車していた。一方、乗車した豊浜線はほかに誰も乗らなかった。
新屋高校入口で下車。空っぽで豊岩へ向かう中型バス
↑ここから住宅地の中に田んぼが現れる。終点は雄物川沿いをさかのぼって30分ほど
他地域のマイ・タウンバスと比べると、西部地区は運行本数がかなり多い印象。中央交通本体直営の幹線路線でも減便が進む現状では、供給過剰とも言えると感じてしまった。
【15日追記】この後、新屋市街へ戻って、大町経由新屋線 秋田駅行きに乗車。1時間に1本の時間帯で、10人程度乗っていた。

【2023年1月6日追記】2022年度末で豊岩中学校と下浜中学校が閉校し、秋田西中学校へ統合される。両地域からの通学に、マイ・タウンバス西部線を使う想定がされているようで、そうなると、時間帯によってはむやみに減便・小型化とも言えない事情も出てきそうだ。

【2023年5月16日追記】2023年6月から、豊岩線で夕方の上り1本が増便(豊岩上丁発新屋行き。土日祝日も運行)された。第38回秋田市地域公共交通協議会資料によれば「回送運行とした便について、豊岩地区の企業から活用の打診があり、比較的軽微な変更で対応することが可能なことから」実施。通勤需要もあるようだ。

※AkiCA関連の続きの記事は、シニアアキカについて
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木内前は“キャッスル前”

2022-09-12 18:47:35 | 秋田の季節・風景
秋田市の広小路(県道26号)沿い、木内(きのうち)の前に変化が生じている。
「木内」はかつては秋田市の一大商業施設であった百貨店。建物はそのまま、売り場を縮小して衣料品店となって、堅実というかかたくなにというか、営業を続けていた。しかし、新型コロナウイルス感染症が流行した2020年3月頃から「当面の間 臨時休業」で、シャッターを下ろしたまま。

広小路の歩道にはアーケードがあった(堀沿いは除く)が、2013年に老朽化と商店街の維持管理の負担を理由に撤去されている(当時の記事)。しかし、木内付近100メートルだけは、2022年時点でもアーケードが残っている。
東側から、秋田キャッスルホテル(のテナント部)、木内、スクランブル交差点の市道をはさんで木内の駐車場(の横というか脇)の部分。
撤去されなかった理由は、当時の報道によれば、木内の前は木内自身が管轄しているため。キャッスル前はエスカレーターと一体化していて解体できないため(=ここは商店街管轄と受け取れる書きかただった)。晩年のアーケードは、商店街管轄部分の柱がドギツイ赤色に塗り替えられていたが、木内前だけは緑色だったのも、管轄が違ったためだろう。ただ、キャッスル前もホテルの建物と合わせたベージュ色だったから、もしかしたらそこはキャッスル管轄だったのだろうか。

先週初め辺りは何も変化なかったと思う。ところが11日までに…
西側から木内駐車場部分。この手前は協働社跡、かつてはこの頭上にもアーケードがあった
広いアーケードの点字ブロックから車道側がコーンで封鎖され、民地側のわずかな幅が通路として開放されていた。
進んで木内本体の前は、
いくぶん幅広く開放されているが、同様

木内の前には、バス停「木内前」がある。
かつては木内の中に定期券発売所もあり、買い物帰りの人が大勢待って乗っていた。今でも、それなりに乗車客はいる。アーケードがあるから日差しや雨を避けて待つことができるし。

大昔は知らないが、ここ数十年は、木内の前だけでなくキャッスルホテル前にもかけて、木内前バス停(ポールと点字ブロック)が分散設置されていた。2013年までは秋田中央交通が0番~3番と秋田空港リムジンバス、さらに羽後交通と、6か所。
しかし、秋田県議会議員が、分散していて分かりづらいと提案した(この記事参照)のを受けて、同様だった隣の千秋公園入口バス停とともに、2013年10月15日から集約された。木内の前に1番(羽後交通も同じ位置に)、キャッスルとの境目にリムジンバス、キャッスル前に2番(秋田市中心市街地循環バスも)と、3か所。
木内の前は、車線本線上にバスが停車するが、キャッスル前(リムジンを含む)は歩道が切り欠かれたバスベイ状になっている。また、切り欠きが続く東側にはタクシー待機・乗り場がある。

それが今は、
1番乗り場がない?
バス停部分も閉鎖。
近くの路線図には、
「木内前1乗り場は、移動しております。→」

旧1番を背にキャッスルの前。奥に2つのポールが
リムジン乗り場はそのままに、先日まで2番があった場所に1番を移し、2番はタクシー乗り場付近に移動されていた。タクシーが待っていた部分にはコーン。
したがって、タクシー乗り場がなくなった形だが、特に案内はなし。ホテルの正面側へ行けばいるでしょう。【タクシー乗り場はその後再設置。末尾の追記参照】
羽後交通の乗り場は、1番といっしょでなく、なぜか2番へ動かされた↓
キャッスル前から木内方向。「P」はタクシー乗り場用「駐車可」標識
キャッスル区間のアーケードでは、歩行者部分に封鎖された場所はないが、木内区間と同じコーン(バーはなし)が等間隔に置かれていて、意味不明。
「木内前」は“キャッスルホテル前“
そんなわけで、「木内前」は木内の前からなくなっているので、「木内前」からバスに乗るかたはご注意を。


それにしてもこうなっている理由は? 現地に説明は見当たらない。【末尾の追記の通り、後に看板が設置された。】
先週末、今週末(来週日曜)と、広小路を車両通行止めにするイベントがあるが、それとは関係ないでしょう。【13日理由を追記・今回のような形のバス停移動を行うのなら、キャッスルホテルやタクシー会社に話を通す必要があるだろうし、さらに警察や道路管理者(県)との調整も必要かもしれない。直接関係ないイベントのために、そこまでするとは考えにくい。】
封鎖されている部分を見上げると、
天窓がある
壊れそうとか何か落ちてきそうとか、安全面だろうか。
老朽化を理由に撤去された部分と同じ年数経っているわけだし、その時点ではバス停付近が雨漏りしていた。※キャッスル部分は、エスカレーター設置時などに改修されている可能性がある。
開放されている部分を通っても、ホントに大丈夫なの? ちょっと心配だし、遠くない将来、いずれはなんとかしないといけないだろう。

【14日追記】14日に行ってみると、上記、初回アップ時からさらに変化。
・タクシー乗り場のコーンの一部が撤去されていて、以前の位置でタクシーが客待ち再開
・アーケードの閉鎖されていない通路部分に、点字ブロックを仮設。通路は狭いので、幅のほとんどをブロックが占める。
アーケード大部分の封鎖が、ある程度長期化することがうかがえる。

【19日追記・画像追加】車両通行止めイベント後の19日に行ってみると、区間両端に新たな看板が設置されていた。
「お願い」「安全対策工事の為 ご迷惑をおかけして おります。ご協力をお願いします。」黄色が鮮やかなのが仮設点字ブロック
「(株)木内」と「秋田地域振興局 建設部」と、アーケードの管理者と道路の管理者の連名。※何度も述べるが、後者は秋田県庁の出先機関であり「秋田県 秋田地域振興局」と表記しなければいけない決まりになっているそうだが、守られていない。
電話番号は木内は代表電話、県は保全・環境課 道路保全班の直通。
具体的なことは何も分からないが、やはりアーケード自体の問題が原因のようだ。

【30日追記】その後、9月28日朝時点では、封鎖は変わらないが、仮設点字ブロックがはがされて、隅に寄せられていた。
9月30日午後には、封鎖が解除されて全幅が開放されていた。バス停も元に戻っていた。意外に短期間で元に戻ったようだ。詳細はこちら
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秋田犬バルーン分裂?!

2022-09-11 19:27:19 | 秋田のいろいろ
秋田駅東西自由通路・ぽぽろーどのみどりの窓口前付近。
普通の日曜にしては人が多いかな
すっかりおなじみになったアレが、増えていた!(9月5日かららしい)
これ

後ろから

そっくりなのが2つ

2018年から、この付近に、秋田犬(あきたいぬ)の巨大バルーンがほぼ常時置かれるようになった。後に姿が異なるバルーンが現れ、計4体存在していた(4つ同時に展示されたことはないはず)。
うち、2019年夏に登場した、伏せて左を向く姿勢のものは、表面ツルツル・常時送風の他と異なり、表面起毛・送風なしで、リアリティーがあって、よりかわいらしいバルーンであった。
新聞報道によれば、起毛バルーンはJR東日本秋田支社所有、その他は秋田県所有をJR東日本が借用だそうで、起毛だけが秋田駅にいることも多かった。

今回増えたのは、その起毛バルーンで、分裂した分身かのように(ほぼ)そっくり。計5体目となるが、(ほぼ)同じもの2体目は初めて。
後ろにいるほうが汚れているから古いもので、きれいな手前が新しい。

サイズは、新しいほうがわずかに小さいようだ。「1回り」に満たない程度の違い。
ほかの違いは、左前足でおさえている骨が、古いのはオレンジ、新しいのは水色。
さらに、しっぽのくるんと巻いた所が、古いほうは茶色く線状に色が入っていて、新しいほうは白一色。


(再掲)2019年のバルーン
それにしても3年前には新品だった旧バルーンも、わずか3年でだいぶ汚くなってしまった。そのせいで目つきもキツくなってしまったような。
当初は目立たなかったシワが生じ、そこに黒い汚れが入って線が目立つ。毎晩空気を抜いてたたんでいるので、それによって折れ目が付くのだろう。クリーニングしてやれば、マシになりそうだけど。
新しいのも、3年後は同じようになるのだろうか。

古いほうはどうするのだろうと思っていたら、ツイッター「JR東日本 秋田支社公式 「AKITA RAIL TRIP」(@Akita_Rail_Trip)」が7日に「【注目】秋田駅みどりの窓口前にいる「秋田犬」に、小さい犬が仲間入り!」「9/20のお昼頃まで、2匹の秋田犬がお出迎え中!」「追伸:小さい秋田犬は、またどこかへ出かけるらしいよ!」とツイート。
よく分からないが、2体とも使い続けるということか。こんなに秋田犬バルーンを増やしてどうするのかと、やっぱり思ってしまう。
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のど自慢 東北セット

2022-09-08 23:18:08 | その他もろもろ
「NHKのど自慢」。以前はピアノの変化を取り上げたが、今回はステージのセット。

セットは、バンドメンバー(ピアノ以外=前回参照)と同様、NHKの地域ブロックごとに異なる。北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州沖縄と。
(再掲)2021年4月18日の関東甲信越セット【2022年9月11日時点でも同じセット】
各拠点放送局(札幌、仙台、東京、…)の美術スタッフが手掛けるのだろうか。デザインに共通性はなさそうだし、数年ごとにセットがリニューアルするタイミングも一斉ではないようなので、けっこう自由なのかも。
北海道のセットでは、北海道の地図があって、その時の開催地の位置に、のど自慢のベレー帽の鳥のキャラクターがいて、分かりやすくていい。
※のど自慢の「鳥」は、NHK内部では「すずめ」と称されるらしい。
10年くらい前かと思うが、かつての近畿地方のセットでは、バンドの足元の仕切りなどに、音符が並んだ五線譜が描かれていた。のど自慢のテーマ曲と、合格の鐘のメロディーだったらしい。

平成初期くらいまでは、背景が水色一色で、「のど自慢」のロゴと開催地名が表示される程度だったかと思う。
ここ数十年は、派手になっている。「笑っていいとも」のスタジオアルタのセットほど、ではないが、なかなかにぎやか。いいとものように電飾は使わないけれど。


いつの間にか、東北地方のセットがこんなのに変わっていた。
9月4日 福島県南会津町からの放送より
背景のメインは、漫画のコマ割りのように区切られた中に、いろんな色・柄が描かれ、派手というかポップ(?)な雰囲気。

正面後方。
左右に大きな鳥が1羽ずつ
さらに拡大。
中央には小さい鳥も
鳥が7羽、青空を左下から右上へ移動(羽を広げていないので飛んではいない?)している。さらに、下手(左)のピアノ付近で開催地名を吹き出しで話す大きい鳥も1羽いるので、計10羽の鳥がいる。
なお、上の関東甲信越のセットでも、薄い色で大きめの鳥がけっこうな数いる(数えにくい)。


全体のポップさに目を奪われた後、次に気になったもの。

大量に繰り返して描かれる、黒い三角形のような「///▲」模様。
床のバンドとの仕切り(上写真のように地色は黄色。以降その他は白地)と、後方の背景の床際には一直線に、正面背景にはアーチ状に、あまり映らないが、背景の天井際には上下ひっくり返って一直線に、それぞれ連なる。さらに、ステージ床面には八角形に並んで、その内部が背景同様のポップなコマ割りになっている(立ち位置を示す意図があるのだろう)。
例えば、中央を境に左右が反転したデザイン(▲\\\)でもいいように素人は思うが、全部同じ。


「///▲」に最初気付いた時から、「どこかで見たことがあるマークに似ている」と思っていた。
スマホのアンテナ強度のマークじゃない。どっかの企業のロゴ? 秋田銀行にちょっと似てるけど、丸っこくて左右が逆で違う(角度を変えればWi-Fiのアイコンっぽい)。何だっけ?

4日の放送を見ていて、思い出した!
これ(小さいのを拡大しているので、不鮮明です)
右下が濃い「▲」、そこから左側が「///」状で、全体としても三角形に見えるという点で、のど自慢セットの模様とそっくりだ。

その正体は、
インターネットアーカイブhttp://www.amcac.ac.jpより

現在の秋田公立美術大学の前身、秋田公立美術工芸短期大学(美短)のロゴマークというか校章というか、である。
上の今はなき公式ホームページにあった画像は「koushou.gif」というファイル名なので、校章なんだろうか。

4年制化後は新たな「ロゴ」が制定されており、今は使われていない。
美大が開学したのは2013年、まもなく10年になるわけで、ネット上には美短時代の情報は少なくなっている。短大時代の校章の由来はおろか、存在に言及したものは見つけられなかった。
記憶では、本来は色が付いていて、左上が水色、あとは緑(黄緑?)だったと思う。



美短の校章をNHKがパクったというつもりはない。偶然、似てしまったのだと思う。山並みでもモチーフにしたのか。並べてみれば、似てるってほど似てもいないかな。

※この回の会場のピアノはちょっと珍しいものだった。そのほかのど自慢のピアノについて
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2022.10バスダイヤ改正・詳細編

2022-09-05 19:10:27 | 秋田のいろいろ
2022年10月に行われる、秋田市内の秋田中央交通の路線バスダイヤ改正(改定と呼んだほうがいいかも)。前回の廃止系統に続き、その他各路線の変更点をまとめてみる。

中央交通公式サイトの告知において、「今回の変更は、乗務員不足の解消と乗務員の労働負担軽減のために実施いたします。」と理由を明言しているのが珍しい。それに加えて、新型コロナと人口減による乗客減もあるだろう。
今改定の方向性としては、基本はここ数年と同じ。多くの路線で、減便や最終便繰り上げが行われ、その前後を調整する時間移動がある。昨2021年10月改正では、臨海営業所担当路線での削減が著しかったが、今回は秋田営業所路線が多い。
今回は、平日ダイヤの減便も多め。そして、前回も一部取り上げた系統の統合や運行区間短縮もある。乗務員の稼働を減らすという目的とは矛盾しない。

以下、変更点として告知されていても、軽微な(と感じた)点は、ここでは取り上げません。見誤りや勘違いもあり得ます。
毎年のことですが、細かな時刻移動がある路線が多いので、利用の際は各自正式な情報で確認してください
また、今回は中央交通サイト掲載の新時刻表において、欄外の変更点の赤文字で、「上り」と「下り」を逆に書いてしまっているものがあるようなので、ご注意を。

・新国道経由 五城目線
平日 下り最終 駅19:30→19:00


・新国道経由 追分線
【系統変更】天王グリーンランドに行かない、駅~県立大学の104系統を、県立大学経由天王グリーンランド発着(駅~県大~グリーンランド)の105系統に変更(104廃止、105新設ということだと思うが、「変更」と称している)

平日 下り 県立大学行き2本(駅発7:25、16:20)、天王グリーンランド行き1本(駅発19:00最終)/上り 県立大学発2本(8:40、17:35)減便
下り朝1本、上り夕方1本を県立大学経由に(下り夕、上り朝は、県大乗り入れ便なし)
下り最終は17:50に。


新国道経由 土崎線
平日 下り2本(駅10:00、12:00)減便
2往復(駅17:00北部SC経由、18:40/飯島北18:05、19:32)を土崎駅発着に短縮
飯島北発着は下り5本(うち2本北部SC経由)、上り9本(同2本)に。

土日 2往復(駅9:35、11:35土崎駅止まり/飯島北10:50、土崎駅12:38)減便


新国道・土崎・高専前経由 秋田厚生医療センター線
【系統廃止】前回参照。医療センター→サンパーク→駅のサンパーク乗り入れ廃止


県庁・寺内経由 土崎線
平日 1往復(駅15:05/飯島北16:05)減便
下り3本(駅10:05、13:05、18:15最終)/上り4本(飯島北6:35、7:05、11:10、14:05)を土崎駅発着に短縮
飯島北発着は2往復(駅8:00始発、17:05/飯島北9:20、18:20最終)に。

土日 2往復(駅7:30始発、12:05/飯島北8:20、土崎駅前12:57)減便
飯島北発着4往復すべてを土崎駅前発着に短縮。土日は土崎駅前発着5往復体制に。


通町・寺内経由 将軍野線
【系統廃止】前回参照。1本あった市民生協→県庁→駅を廃止。すべて通町経由に。

ほぼ全便時刻移動あり
平日 3往復(駅11:45、15:45、18:00/市民生協入口7:40、12:45、16:45)減便
下りは17:25の次は19:25。最終20:30→20:00

土日 2往復(駅11:40、16:40/市民生協入口12:35、17:35最終)減便


県庁・寺内・サンパーク経由 将軍野線
ほぼ全便時刻移動あり。

平日 3往復(駅11:25、16:25、18:35/厚生医療センター12:30、17:30最終1本前、18:40最終)減便
上り最終17:15に。

土日 下り3本(駅11:10、15:30、19:50最終)/上り2本(厚生医療センター12:10、15:10)減便
下り最終18:55に。


神田旭野団地線 西口~天徳寺前~外旭川市営住宅~秋田厚生医療センター
土日 1往復(駅14:50/厚生医療センター15:45)減便
→ここだけ前後30分間隔になっていた。減便により、始発から最終まで1時間に1本に。8月下旬に、土曜日のこの上り便に乗ったことがあったが、乗客は4人ほど。1本前も同じくらいのようだった。

2022年秋に予定されていた、泉外旭川駅前「外旭川駅前広場」乗り入れは行われず。道路工事がまだ終わっていないからだと思われる。
【17日追記】9月16日の秋田市議会建設委員会にて、状況が説明された。17日付秋田魁新報 地域面によれば「市が進めている交差点改良工事が遅れているため」、「12月中旬に工事を終え、」「来年(注・2023年)1月上旬からバスの経路を見直して駅前広場へ乗り入れる。」。
【2023年1月27日追記】神田線は、2023年2月23日(木曜日・天皇誕生日)から上下全便が乗り入れることになった。中央交通サイトでは「令和5年1月中の乗り入れを目指し準備を進めておりましたが、諸事情により2月の乗り入れとなりました。」としている。【2月1日追記】左記は、中央交通サイトに1月26日頃にアップされたが、その翌日辺りにいったん削除。2月1日に再度アップされたが、「令和5年1月~諸事情により~」のくだりはなくなった。


添川線 西口~天徳寺前~蓬田上丁
土日 下り1本(駅16:45)減便
下り3本、上り4本に。


泉ハイタウン線
泉北二丁目着→秋田貨物駅入口発の所要時間が、4分から1分(平日朝は2分)に短縮
→二ツ屋福島線などと同様、末端が環状運行する経路(駅発は秋田貨物駅入口まで、駅行きは泉北二丁目)。泉北二丁目到着後、発時刻まで待機するので、そこを短縮するのだろう。秋田貨物駅入口まで乗る人は、時間短縮になるが、あまりいないはず。少しでも運行時間(乗務員拘束)を短縮させたいのだろうか。
冬など渋滞等で5分程度遅れることはあるから、その時は戻りの遅延が拡大してしまうことになる。

→1時間に2本あるところが減便されるかと予想していたが、手付かず。


泉・八橋環状線 西口~保戸野八丁~泉ハイタウン~八橋田五郎~面影橋~県庁~西口
八橋回りが泉外旭川駅前の「泉駅前広場」乗り入れ(系統番号231のまま)。
→同経路の泉ハイタウン線は乗り入れるのに、これまでなぜか乗り入れていなかった。

八橋回り 1本(駅17:15)減便
八橋回り駅14:20/泉回り駅7:30の1本ずつに。
→廃止便は、県庁周辺から、八橋~泉へ帰宅する人の利用があり、この路線でいちばん乗客が多い便だと思う(ただし泉→駅は空)。それを廃止してしまうとは!
全体で見れば重要度が低い便と判断し、乗務員と車両を他の路線へ振り向ける意図だろうか。
ここまでするのなら、全部廃止してしまってもいいと思ってしまうが、やはり「免許維持」とか地域公共交通協議会や補助金の関係で、申し訳程度残さないといけないのだろうか。


仁別リゾート公園線 (一部臨海~)西口~からみでん~秋田温泉~蓬田上丁~仁別方面
平日、土日 下り最終便を中島橋止まりに短縮
クアドーム ザ・ブーンまで行くのは平日5本、土日3本。最終は平日16:02、平日14:15に。
→昨年なくなった、駅発中島橋止まりが1年で復活。行き先が異なるのに、ザ・ブーン発着と同じ351系統なのは相変わらず。


松崎団地線 車庫~西口~大学病院~松崎団地
【系統廃止】前回参照。車庫~西口を廃止。全便駅発着に。

平日1往復(車庫10:03、松崎団地11:22)/土日下り1本(車庫8:10始発)減便
土日下り始発は駅11:00に。


赤沼線 車庫~西口~大学病院~東口
平日 下り4本(車庫8:05、12:13、12:55、14:03)/上り3本(東口6:35始発、10:45、17:45)減便
上り始発は東口8:10に。
下り最終 車庫20:03→19:28
下りは車庫11:53の次は14:15に。

土日 下り1本(車庫9:35)増便
下り2本(車庫14:03、16:13)/上り3本(東口8:05始発、17:10、19:30最終)減便
上り始発は東口8:50、最終は18:20に。


手形山団地線 車庫~西口~手形山団地~大学病院
【系統廃止】前回参照。車庫~西口を廃止。全便駅発着に。

平日 下り3本(車庫9:20、車庫11:45、駅18:15)/上り2本(大学病院9:35、11:05)減便
朝以外は上下とも1時間に1本に。
下り最終 駅20:40→20:00

土日 3往復(駅10:30、12:25、15:40/大学病院12:00、14:00、17:10)減便
1時間以上空く時間帯発生。


広面御所野線 東口~日赤病院~イオンモール秋田~中央シルバーエリア
【系統新設】御所野まで行かない、東口~日赤病院の「402」系統新設(実質短縮)。
→日赤の下北手移転当初は、同経路の日赤病院止まりの系統(市営バスの中央線経由日赤病院線)があった。平日は御所野行きよりも日赤病院止まりのほうが多いほど。中央交通移管後、日赤病院止まりがなくなっていたのが復活する形。

平日 下り4本(東口11:35、12:55、15:45、16:15)/上り7本(9:05、9:45、12:25、13:45、15:30、16:55、18:50)減便
朝2往復を日赤病院発着に短縮
御所野まではほぼ1時間1本に。
下り最終 東口19:30→19:00/上り最終 中央シルバーエリア20:30→20:00

土日 4往復(東口7:30、12:15、16:15、20:15最終/中央シルバーエリア7:55、13:15、17:15、20:15最終)減便
1時間以上空く時間発生。
最終は下り東口19:30、上り中央シルバーエリア19:55。


南ケ丘線
平日 1往復(東口9:10/南ケ丘9:50)減便
朝夕1往復ずつ計2往復に。

土日 3往復(7・14・16時台)とも減便


桜ガ丘線 東口~横森~桜ガ丘~大平台
平日 1往復(東口14:00/大平台三丁目14:30)減便→次項、西口発城東消防署経由との重複回避か
下り最終 東口20:00→19:40

土日 1往復(東口15:15/大平台三丁目15:50)減便
下り最終 東口19:30→19:00


城東消防署経由 桜ガ丘線(平日のみ) 西口発着
【系統廃止・新設】前回参照。梨平発着から大平台三丁目発着に。
新時刻表では、なぜか「運行営業所…秋田営業所」を消しているのだが、間違いでしょう。


桜台線(平日のみ) 東口~横森~桜台
1往復(東口15:30/桜台三丁目15:39最終)減便
東口12:30→14:30/桜台12:39→14:42に移動
1日3往復に。上り最終は桜台14:42


牛島経由御野場団地線
【系統廃止】前回参照。車庫~西口を廃止。全便駅発着に。
平日 1往復(駅10:10/御野場団地13:30)増便


柳原経由御野場団地線(平日のみ) イオン秋田中央店前・国道13号・南高校前経由
3往復(駅10:00、14:20最終1本前、19:00最終/御野場10:28、14:48最終1本前、19:28最終)減便
1日2往復(駅8:00、12:30、御野場8:30、13:00)に。


仁井田・御所野線 車庫~西口~牛島~御野場~イオンモール秋田
【系統廃止】前回参照。中央シルバーエリア経由系統を廃止。

平日 3往復(車庫9:03、12:03、19:05/イオンモール秋田7:50、13:35、18:45)減便
昼間に1時間以上空く時間発生。

土日 4往復(車庫10:33、12:35、14:33、17:35/イオンモール秋田12:00、15:00、17:00、20:00)減便
→前後の便の時刻移動もあるため、これまで1時間に1本、昼間は駅・御所野とも毎時00分発で統一されていたのが崩れる。覚えづらくなる。


・牛島経由 大野線(平日のみ)
【系統廃止】前回参照。車庫~西口を廃止。全便駅発着に。
下り2本(車庫14:15、17:00)/上り1本(大野四区7:05)減便
1日1往復(駅10:30/大野四区14:10)のみに
→通勤通学には使えないダイヤ。近くを他路線が通るのだから、全廃でもいい気がするが、これも免許維持?


・牛島経由 二ツ屋福島線(平日のみ)
【系統廃止】前回参照。朝の直通車庫行き廃止。
1往復(駅13:40/二ツ屋中丁13:55)減便
下り4本、上り5本に。


大住・みなみ野団地線
【系統廃止】前回参照。朝夕の直通車庫系統廃止。
平日 下り2本(駅13:05、19:20最終)/上り3本(牛島西四丁目7:40、10:00、13:05)減便
下り最終は駅18:30に。

土日 2往復(駅11:30、16:00/牛島西四丁目8:30、15:04)減便
上り最終 牛島西四丁目17:30→16:20
下り3本、上り5本に。


南大通り経由日赤病院線(平日のみ) 西口~南大通り・中通病院前~有楽町~牛島東一丁目~城南中学校/牛島小学校~牛島東七丁目~荒巻~日赤病院前
下り1本(駅7:30城南中学校経由)/上り2本(日赤病院8:05、9:30・どちらも牛島小学校経由)減便
上下1往復に。下り駅14:00牛島小学校経由、上り日赤病院14:35城南中学校経由と、上下で経由地が異なる。

→これも設定時刻の利用が多いとは思えない。やはり免許維持?
これ(+前回の二ツ屋線愛宕下橋経由系統廃止)により、城南中学校経由単独区間の下り側バス停=牛島東三丁目→楢山愛宕下→金照寺山公園前(サイトでは「~公園東入口」だが地理的に東はおかしい)→城南中学校前→石塚谷地=が廃止。なお、牛島小経由上り側は、二ツ屋福島線が使うので存続。


秋田高校線(平日のみ) 秋田高校入口~北高校前~鷹匠橋~有楽町~国道13号~御野場~御所野 ※「秋高スクール線」と呼ぶこともあるが、誰でも乗車可
秋田高校入口発 16:00→16:20(イオンモール秋田17:03着)
→1988年の市営バス時刻表でも、秋高16時00分発(当時は御野場止まり。鷹匠橋~通町橋ではなく、菊谷小路~通町を通っていたはず)で、30年以上ずっと変わっていなかったのではないだろうか。20分遅いほうが下校に便利なのか、あるいは中央交通側の運行の都合(前後の運用との兼ね合い)なのか。


川尻割山線
平日 上り 1本(南浜回転地8:20船場町経由)増便


※以下、西部サービスセンター(正しくは西部市民サービスセンター)バス停のことを「新屋」と表記します。
新屋線
平日 下り 新屋高校行き1本(駅8:00)を新屋止まりに短縮。新屋線経由新屋高校行きは始発の駅7:10のみに
2019年改正で25分、55分など5の付く「分」に駅を発車するのにほぼ統一されていたが、午前中は00分、30分発に戻るものあり

上り 1本(新屋12:30)を卸町経由から大町経由に
→2021年改正で大町経由から卸町経由に変更されていた便で、1年で戻る。卸町経由は上下とも4往復に。

平日土日とも 新屋~大森山動物園の所要時間が8分→10分に


新屋西線
【系統廃止】前回参照。臨海経由廃止。


新屋高校線(平日のみ) 新屋~新屋高校
下り1本(新屋8:28最終・上記新屋線からの直通便)減便 上下とも5本に
新屋→高校、高校→新屋とも所要時間を6分→8分に


茨島環状線(平日のみ) 西口~通町~大町~旭南~茨島~卸町~有楽町~西口
大町回り1本(駅9:10)を減便。駅15:30の1本に
茨島回り(1本だけ設定)を駅7:05→10:20に移動
→大町回りは、現在は駅15:45が15分繰り上がる。今は、新屋線の補完的意味合いで学校帰りの高校生などそこそこ利用があるがどうなるか。茨島回りは大幅な時刻移動で不思議な時間帯。やはり朝のラッシュ時の他路線を優先し、免許維持的に移動して残したのか?


・県庁経由大川反車庫、長崎屋経由大川反車庫、県庁経由臨海営業所
前回・上記のように、車庫~西口が廃止・短縮される系統も多いため、減便されることは確実だと思われる。
2台以上が続行するなど、時刻表よりも「感覚」で判断したほうがいい路線なので、実際にはどうなるか。


改正と同日に、3つのバス停の名前が変わる。※変更前後の現地の状況はこちら
バス停名称変更
いずれも由来となった施設名の変更によるもの。以下カッコ内はその理由と発生時期。
・八橋下水道終末処理場前 → 八橋汚水中継ポンプ場前(機能変更に伴う改称。2020年8月)
・文化会館・八橋球場前 → 八橋球場前(閉館。2022年9月末)
・幸町交番前 → 高陽幸町交差点前(移転改称。2021年12月

それに高齢者コインバス事業用のICカード乗車券「シニアアキカ」の運用も始まる。


新型コロナウイルス感染症が落ち着くのはいつになるか。乗務員不足は解消されるのか。バス利用者が増えることはあるのか。秋田市の路線バスはどうなっていくのか。2023年の改正ではどうなっているだろう。

【9月26日追記・営業所窓口の土日祝日休業について】
ダイヤ改正と直接関係ないが、営業所において定期券や乗車券類を販売する窓口業務が、秋田営業所で10月1日から、臨海営業所で12月3日から、土日祝日休業となる。
なお、五城目営業所(子会社委託)や長崎屋バスターミナル、秋田駅東西の案内所は、引き続き毎日営業の模様。新屋案内所は、以前から平日のみ営業。

※改正時に、一部路線で、行き先表示の経由地の表示方法が変わった
翌2023年10月のダイヤ改正の記事
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2022.10バスダイヤ改正・廃止編

2022-09-03 00:00:06 | 秋田のいろいろ
8月31日、秋田中央交通公式ホームページに3つの告知がアップされた。
「路線バスの廃止について(2022.9.30)」「2022年10月1日ダイヤ改正、バス停の名称変更について(2022.10.1)」「路線バスの運行系統の新設、変更について(2022.10.1)」
3つに分かれているが、要は10月のバスダイヤの変更の詳細。毎年秋恒例の秋田市内の路線バスのダイヤ改正である。※昨2021年10月改正の記事

今回は秋田市地域公共交通協議会が開催されなかったので、抜本的な路線改廃はないと予想していたが、告知は廃止分だけで1つの項目になっている。そして、その表記がまた分かりづらい。特に系統名の書きかたが雑で、一見するとごっそり廃止されるのかと誤解させそうになる(下記の系統名表記は、中央交通の告知そのままです。詳しくは各項の説明をご覧ください)。
結論としては、今改正は、本数が少ない系統(=路線の中での、経由地や行き先の違い)単位での廃止がある程度まとまってあり、ほかには近年定番の多くの路線で数本ずつの減便、それらの調整として既存便の時刻移動が行われる、といったところ。


今回の記事は、廃止される系統について、まとめてみる。全路線の詳細なダイヤ変更点はまだ分析しきれていないので、後日改めて。
※間違いがあるかもしれません。公式情報をご確認ください。

2022年9月で廃止されるのは12系統(廃止についての告知掲載の数。実はその他にも実質、系統廃止に相当する改変があるので後述)。
どれも、平日に1本だけ運行されるなど、細々と走っていたもの。なくなっても、他系統でおおむね代替できたり、そもそも乗客がいたのか疑問だったりする系統もある。
中央交通から廃止理由について言及はない。ダイヤ改正全般のほうでは「今回の変更は、乗務員不足の解消と乗務員の労働負担軽減のために実施いたします。」としており、これに加えて、新型コロナウイルス感染症と人口減少によるバス利用者減少への対応もあるだろう。
系統廃止も、上記と同じ理由だと考える。廃止系統は朝夕だけ運行されているものが多いから、それをなくすことで、その分の乗務員と車両を、利用が多い路線・系統へ振り向ける意図ではないだろうか。

以下、1つずつ。※中央交通の発表や路線図等とは、掲載順や経由地の表記が異なるものがあります。
系統番号724 新屋西線(臨海経由)
平日のみ 西口17:35→臨海十字路17:48→豊町17:55→新屋18:07/新屋7:30→豊町7:38→臨海十字路7:45→西口8:02

新屋西線のうち、市立病院西口~川尻十字路~上下水道局前を通らず、臨海バイパスを通る系統。
2014年までは朝の上りは土日祝日も運行されていた。市営バス時代1988年の時刻表でも、運行本数・だいたいの時間帯は変わっていなかった。

廃止に伴う、代替便の増発はなし。
廃止により、秋田朝日放送向かいの下り臨海十字路(この系統専用の位置)~山王臨海町(下りのみ)~工業団地南入口~川尻若葉町の区間はバスが通らなくなり、バス停廃止。一部は市営バスの「大川経由交通局線」も通っていたルートだった。



421 桜ガ丘線(城東消防署経由) 【下記の通り、実際には「廃止」とは言い難い変更。】
平日のみ 西口~明田地下道入口~城東消防署前~桜郵便局前~桜ガ丘二丁目~梨平
西口発10、14、17時台/梨平発11、14、18時台

2018年10月改正で、西口発着横森経由桜ガ丘線2系統(小型車による築地経由と中型車による明田地下道経由)、それに城東消防署経由駅東団地線(ルーツは城東消防署経由東営業所線線)の3つを統合してできた系統。中型バスの運用だが、時期によっては小型バスが入ることもあった
(再掲)2019年頃
今の桜ガ丘行きは、東口発着(横森経由)がメインなので、この時の改訂は桜ガ丘への足はさほど影響がなかったはず。一方、バスが通らなくなる秋田南中学校裏の才八橋~一ツ森公園下辺りや、かつては本数が多かった城東消防署周辺の住宅地の人たちは、不便になるのではと思っていた。

それが4年で廃止されてしまう…と思いこみそうになるが、別の告知には、その代替となる系統が新設される旨が出ている。
新設されるのは、「424系統 桜ガ丘線(城東消防署経由) 」と廃止と同名。ルートは、西口~明田地下道入口~城東消防署前~桜郵便局前~桜ガ丘二丁目~大平台三丁目。
運行曜日・本数は変わらず、数十分の時刻移動があるのみ。
つまり、桜ガ丘側の終点が変更にされるだけ。

こういうのでも、廃止→新設としないといけないのだろうか。「系統番号そのままで、一部ルートと終点を変更する」、後述の「運行系統の変更」扱いではダメなんだろうか。

現在の桜ガ丘線は、桜ガ丘地区が終点ではなく、通り越した、大平台か下北手梨平まで行っている。
新興住宅地の秋田市桜ガ丘に、昭和末に市営バスが運行を開始した時点では、その名の通り桜ガ丘地内が全便とも終点だったようだ。1988年の冊子時刻表では、桜ガ丘中央公園前~桜ガ丘二丁目~桜ガ丘三丁目(終点)。基本は西口発明田地下道経由で、ほかに西口発築地経由と東口発着があった。
1989(平成元)年春の改正で、築地経由が梨平まで延長。その他は桜ガ丘発着のままだったようだ(一覧形式の時刻表には「桜ガ丘」と記載)。1996年冬ダイヤまではこの形。
1997年度の時刻表が手元になくて確認できないのだが、1998年になると、東口発着のほうが多くなり、大平台発着に変更されている。西口発着も明田地下道経由は大平台になり、築地経由だけは梨平発着のまま。この形が近年まで続いた。
秋田駅舎が新しくなって、東口バス乗り場が充実したのが1997年春であり、「大平台」が秋田市の地名になったのも1997年。このタイミングだろうか。【3日補足・ちなみに桜ガ丘は1987年発足。】
大平台延長に伴い、桜ガ丘三丁目バス停は廃止されたようで、桜ガ丘中央公園前~桜ガ丘二丁目~大平台一丁目~大平台二丁目【5日訂正】大平台三丁目。

梨平行きは~桜ガ丘二丁目~桜の園前~梨平と運行。
梨平は、新興住宅地ではなく、田んぼが広がる農村。桜ガ丘からそこへ路線が延長されたのは、高齢者施設・桜の園へのアクセスのためか(運営法人は1988年末設立)。あるいは梨平地区住民のためか。
長らく小型バス限定だったから、道が狭いのかと思ったが、今は中型バスも入るのだからそうでもないのだろう【写真下の続き記事参照】。したがって、桜の園前と梨平が廃止。
(再掲)市営バス時代。当時はあり得なかった中型車で誤表示された「明田 桜ガ丘・梨平」行き
廃止される梨平周辺の状況はこの記事にて
ダイヤ改正後の行き先表示は、この記事最後にて。



話変わって、元市営バスの「二ツ屋線」。かつては二ツ屋下丁や大野口行きの系統もあったが、1994年以降は福島下丁方面行きの系統だけになり、「二ツ屋福島線」と呼ぶことが多くなった。※過去の記事。【3日追記・1994年以降も、牛島経由南高校発着便が2014年まで存在し、二ツ屋線の1つ「571」系統とされていた。】
二ツ屋福島線は、1993年4月以降、末端部の運行形態が特殊。西口から牛島東五丁目、二ツ屋上丁まで、牛島の旧道(商店街)を通る。二ツ屋上丁で他路線と分かれて、二ツ屋中丁、仁井田福島、牛島東七丁目、牛島小学校前、なんぴあ別館前(旧南部公民館)と反時計に周って、再び牛島東五丁目へ出て駅へ戻る。※1993年以前は、二ツ屋中丁から福島下丁へ向かい、折り返していた。
駅発はなんぴあ別館前まで乗車でき、駅行きは二ツ屋中丁から乗車でき、往路の最後と復路の最初が重なっている。
この基本系統(570系統)は、平日のみになったり、徐々に本数が減ってはいるが、今回の改正では1往復が減便されるのみ。

今回廃止されるのは、2つの派生系統。これにより、二ツ屋福島線は基本系統だけになる。
573 二ツ屋福島線(築山小学校経由)
平日のみ 西口9:40→楢山愛宕下9:46→二ツ屋中丁9:50→牛島東七丁目9:52→楢山愛宕下9:57→西口10:08

2010年に、太平川に架かり、秋田南中・楢山方面と牛島方面を結ぶ「愛宕下橋」が開通した。
2011年7月には、愛宕下橋を通る路線バスが新設。広小路~有楽町~牛島の旧道をショートカットして、秋田駅西口と雄和を結ぶ「雄和線」。
雄和線は、当初は平日4.5往復、土日祝3往復あったのが、徐々に減便。2019年3月で廃止された

その代替として新設されたのが、この系統。平日に1本だけ運行。
牛島方面の路線の中で、秋田駅からいちばん手前が終点であり、往復が一体化している。この経路だから利用するという客はいなそうだし、運行時間帯も雄和線と共通性もなく意図が分からない。いわゆる“免許維持路線”とか、公共交通協議会のからみで申し訳程度に走らせているのかと勘ぐっていた。

そんな系統も、3年半で廃止。
代替となる増発はなし。廃止バス停は、築地北丁、築地下丁のそれぞれ上り側と築山小学校前。
【5日追記】末尾リンクの続編の通り、牛島経由日赤病院線の城南中学校経由の下り便(逆方向だったので二ツ屋線では上り方向)が運行されなくなる。したがって、牛島東三丁目と楢山愛宕下の片側も廃止。

そして、愛宕下橋を通るバスが11年で消えてしまう。
駅と牛島・仁井田方面のスムーズなバス運行をもたらす経路かと期待していたのに。やはり、広小路や北都銀行前、有楽町と旧市街を通らないと、需要を満たさないのだろうか。
さらに、秋田南中前の築地北丁、築地下丁では、朝片道1本の楢山大回り線しかバスが通らなくなる。2011年当時は、(築地経由桜ガ丘線/ノースアジア大線を中心に)1時間にほぼ1本バスがあったのに。住宅地であり、高齢者の乗降はそれなりにあったはずだが。
なお、駅から築山小学校前までが初乗り運賃区間だった。


572 二ツ屋福島線(直通)
平日のみ 二ツ屋中丁7:40→県庁市役所8:01→大川反車庫8:10
二ツ屋中丁~県庁350円、二ツ屋中丁~大川反車庫430円

秋田市の路線バス網は、秋田駅一極集中。駅を越えて、あるいは駅以外の2方面を1本のバスで移動できるのは限定的。
例外が、山王方面。市営バスでは県庁市役所経由、中央交通では県庁経由と長崎屋経由で、それぞれの車庫から各方面へ行くバスが、ある程度運行されていた。それも近年は減便傾向。【3日追記・それでもなお、牛島・広面方面など~駅西口~県庁/長崎屋~車庫と運行される便は、終日一定数ある。】

牛島方面の場合、秋田駅西口と山王方面は方向が正反対。乗客の需要としては駅方面のほうが多いから、車庫~県庁/長崎屋~駅~牛島方面と、駅へいったん立ち寄る系統が多い。山王~牛島を乗り通した場合は、駅立ち寄り区間分を除外した運賃が適用される。
さらに朝夕には、駅へ立ち寄らずに、牛島方面と県庁方面を直結する「直通」系統が、わずかに設定されていた。それが今改正で3系統廃止。

その1つが、二ツ屋福島線の572系統。朝の車庫行き片道のみの運行。
二ツ屋線では、これ以外は駅が起終点なので、唯一の県庁・車庫方面行き。
市営バス時代1988年の時刻表でも、同じ片道設定(ただし始発は牛島小学校入口)なので、帰りは乗り継ぐか他系統をご利用くださいということか…


牛島方面で同様に2系統。
551 大住みなみ野団地線(直通)
平日のみ 牛島西四丁目7:18→県庁市役所7:39→大川反車庫7:46/大川反車庫17:27→県庁市役所17:35→牛島西四丁目17:58
牛島西四丁目~県庁410円、牛島西四丁目~車庫520円

これも元市営バス路線であるためか、基本は駅発着で、唯一の県庁車庫方面。
改訂後は基本の550系統のみに。直通便に近い時間帯で、新たに西口便が設定されるが、減便も複数あり。


522 牛島経由御野場団地線(直通)
平日のみ 大川反車庫17:15→県庁市役所17:23→御野場団地17:47
御野場団地~県庁470円、御野場団地~車庫540円

牛島経由の御野場団地線は、全便が車庫発着西口経由(駅起終点便がない)。加えて夕方に1本、車庫発直通御野場行きがあった。直通便は、西口経由より16分短縮。
代替で、同時間帯の駅始発が設定。

なのだが、「路線バスの運行系統の新設、変更について」や改正ダイヤ詳細を見ると、直通でない駅経由の牛島経由御野場団地線の全便が車庫まで行かなくなり、秋田駅西口発着に短縮される
現在の系統番号は、520:車庫~県庁~駅~御野場、521:車庫~長崎屋~駅~御野場、522車庫~県庁~(直通)~御野場。この3つとも使われなくなる。
522は廃止なわけだが、520と521は「運行系統の変更」として新系統「524」が割り当てられることになっている。※523は御所野発直通県庁・車庫で使用。

同じように運行されなくなる3系統なのに、どうして522だけが「廃止」で、520と521は「運行系統の変更」という名目の自然消滅というか放ったらかしのような形になるのだろう?
憶測だが、522は、今後も復活する可能性がないほんとうの廃止。520と521は、今後の状況によっては復活する可能性があり、残しておくということだろうか??? あるいは数字の割り振りが下手?

この改定後も、仁井田御所野線は車庫方面行きが存続するため、昼間も含めて御野場~牛島方面と山王方面を1本のバスで行き来することは可能。


ついでにここで取り上げてしまうが、520、521系統と同様の「運行系統の変更」が他路線でも見られる。車庫方面へ行かなくなって駅発着になるものだけを挙げると、
・手形山団地線。車庫発着県庁・駅経由(370、手形山西町経由371)が、駅発着(既存372、373)に。
・松崎団地線。車庫発着県庁・駅・大学病院経由(330)と車庫発着長崎屋・駅・大学病院経由(332)が、駅発着(新設333)に。【次項の331も参照】
・牛島経由大野線。車庫発着県庁・駅経由(530)が、駅発着(そのまま530)に。
目的としては、車庫~駅の入出庫運用を減らして、効率化するのは分かる。だけど、改訂前後の系統番号の扱いがまちまちなのが、ちょっとモヤモヤする。


331 松崎団地線(県庁)
松崎団地→手形山崎→西口→県庁市役所→大川反車庫
松崎団地発 平日7:05、7:45、土日祝7:45

松崎団地線のうち、大学病院に立ち寄らない系統。長崎屋経由は存在せず、系統番号未設定。
改定後は、同時間帯に大学病院経由駅行き(333)を運行。
これは廃止扱い。上記330、332と同じ「運行系統の変更」ではダメなんだろうか。


112 新国道土崎経由秋田厚生医療センター線(サンパーク経由)
平日のみ 秋田厚生医療センター7:55→サンパーク7:59→秋田高専前→飯田街道→(新国道)→西口8:35

医療センター~サンパーク~駅方面では、県庁・寺内経由将軍野線が基本。そうでない新国道・高専前経由の路線で、サンパークにも立ち寄っていた系統。改定後は立ち寄らない111系統に。


132 将軍野線(県庁)
平日のみ 市民生協入口7:20→面影橋7:36→県庁市役所7:41→西口7:53

将軍野線は、市民生協発着が通町経由、サンパーク・秋田厚生医療センター発着が県庁経由と分かれているが、例外的な市民生協発で県庁経由。所要時間は通町経由より1分多くかかる。
改定後は同時刻の通町経由となるが、直後の通町経由は減便。


122 寺内土崎線(北部サービスセンター経由)
平日のみ 西口発10:05、13:05/飯島北発14:05【4日訂正・10:05が抜けていました。】

秋田市北部市民サービスセンター「キタスカ」に立ち寄る系統の廃止。
キタスカ経由便も年々減少傾向だったが、今後は新国道経由土崎線・平日2往復だけになる。


512 仁井田御所野線(中央シルバーエリア経由)
大川反車庫~長崎県バスターミナル~西口~(牛島の旧道)~ニュータウン御野場~中央シルバーエリア~イオンモール秋田
平日のみ 西口発9、12、13時台/イオンモール秋田発13、14、15時台。

西口発着でシルバーエリアに立ち寄る系統がなくなる。立ち寄ると2分余計にかかるようだが、利用が少ないということか。
改定後は、上り2本は経由なしで存続。他は減便。
東口発着は、東口~日赤病院~イオンモール秋田~中央シルバーエリアで存続。


116 土崎商業高校線
平日のみ 飯島北7:27→自衛隊入口7:38→山王二丁目7:48→県庁市役所前7:51→商業高校前(構内)8:04
飯島北~商業630円、飯島北~県庁500円。

土崎方面から山王十字路まで新国道を通り、秋田駅へ向かわず県庁方向へ向かう路線。2018年秋までは、夕方の商業発飯島行きもあった。

県庁辺りまで行く人なら、新国道の山王二丁目で降りて歩けばいいだろうけど、商業高校へ通学する生徒がいるとすれば、乗り継がないとならない。山王十字路があるからバス停間移動も大変。
定期券を買えってことだろうけど、都度支払いでは経済的負担も増す。例えば自衛隊入口→商業高校だと、460円だったのが、290円+290円(同額なんだ!)=580円になる。

駅経由車庫方面系統がなくなる他路線なども含めて、AkiCAなどICカードを使って、運賃を通し計算できるような乗り継ぎ制度を作ってほしい(秋田市公共交通政策ビジョンには記載あり)。


その他、ダイヤ改正の詳細は続きにて
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