広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

狐・チンパンジー・狼

2009-11-29 17:27:48 | 動物・植物
ネコ科編に続いて、冬ごもり間近の大森山動物園の動物を紹介します。
この日は、陽が差して今の時期の秋田にしては暖かかった。
ホンドギツネは揃ってお昼寝
下はキツネらしい寝方だけど、上は犬みたい。

チンパンジーの外に出ていた2頭には、寒さが身にしみたようだ。アフリカにいる動物なんだから無理もない。
腕組み

毛布&腕組み
そして
シンリンオオカミ
この日は2005年富山生まれの兄妹が出ていた。
兄のシンは枯れ草を持って遊んでいた。
くんくん匂いを嗅いでいる

上目遣い

寄り目 細長い舌
目と舌は犬とはちょっと違うのかな。単にこの兄妹の遺伝的な個体差かもしれないけれど。
まず犬は目が黒いけど、この2頭の目は白い。そして犬の舌も長いけど、このオオカミよりも幅が広いんじゃなかったっけ。

後ろには妹のキララ。
ニターっ、と笑ってるみたい?
犬にはない野性味も感じるが、僕が通った時にちらりと向けた視線は犬に通ずるものを感じた。

大森山動物園は、今年は明日30日で通常営業を終え、3月末まで冬期休園に入るが、例年通り冬期の縮小営業「雪の動物園」(来年1月9日以降の週末など)が行われるそうなので、また行ってみよう。
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来年の顔とその仲間

2009-11-28 22:19:40 | 動物・植物
あるお宅にて
物置小屋の低い屋根で2匹の子猫が日向ぼっこ。
人の手は届かない距離で車も来ないから、ネコたちは安心しきってこちらを興味深そうに見ていた。
「雉トラ(キジトラ)」と「茶トラ」だ
きょうだいだろうけど、こういう毛色の組み合わせもあり得るのか。
来年は寅年だから、トラ模様きょうだいネコはタイムリー。

ところで本当のトラはどんな模様なんだっけ?
今月いっぱいで通常営業を終え、冬期休園に入る秋田市大森山動物園へ確かめに行った。年間パスポートも使わないともったいないので。
こういう柄ですか…
黒で明瞭にラインが入っているんだ。こういう柄のネコはいないだろう。
ネコの雉トラや茶トラは同系色の濃淡のラインだから、さすが“本トラ”!
※このトラは亜種の1つ「アムールトラ(シベリアトラ)」。別亜種の「スマトラトラ」はもっと縞が明瞭で本数が多い。
後ろから

この日はオスのウィッキーさんがお出まし
展示場内をぐるぐる歩き回り、オスのネコと同じように、おしっこでマーキング行為をしていた。トラ展示場の一部は金網越しにライオンの展示場と接しているが、その金網のそばで何度も大量にマーキングしていた。隣のライオンが気になるのかな?

一方その頃、ライオンは夫婦で出ていたようだったが、オスはぐっすりおやすみ中。メスのマンゴーさんは、金網沿いに留まってトラの方を気にしていた。
秋深き隣は何をするトラぞ
その後
トラは台の上でお休み

トラの横顔
意外に彫りが浅くて童顔だ。
比較のために
特別出演・ご近所ニャンコ(母)
横顔ではネコよりもトラの方がかわいいかも。
さらに、
ライオンも

寝た
ちょっとだらしない寝姿かな。「ライオンは寝ている(The Lion Sleeps Tonight)」という歌があったね。
今度も比較のために
特別出演・ご近所ニャンコ(娘)
「これが正しいネコの寝方よ!」
※ライオン、トラなどヒョウ類はネコと骨格が違うため、前足を体の下に入れて座ることはできません。

後日、動物園の記事をもう1つアップします。
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旭川のカワアイサ

2009-11-26 20:38:16 | 動物・植物
太平山に源を発し、秋田市内を流れ雄物川に合流する、秋田市の象徴的な川「旭川」。秋田市中心部では護岸で固められており、水と触れ合える空間は少ないが、水はきれいで市民に安らぎを与えている。
以前から紹介しているように、市街地の旭川にはいろいろな鳥類が訪れる。アオサギウミネコなど、それほど珍しくはないが、都市部で頻繁にこれだけ人の近くで野生の鳥を見られるのは素晴らしいことだと思う。
今回は、さらに珍しい鳥をご紹介します。
カルガモ
カモ類はよく見かけるが、多くはカルガモ。全国的に一年中いる種だし、今は狩猟期のためか市街地にたくさん来ている。
よく見ると、大きさはカルガモと同じくらいだが、別のカモのような鳥がいることがある。
体は白とグレー、首が茶色
こちらは
体は白と黒、首は黒に近い濃い緑
実はこれ、どちらも「カワアイサ」という同じ種で雌雄で模様が異なる。上の写真は男女別に泳いでいたが、今度はカップルになった。
首が緑のがオス、茶色のがメス。オスの方がやや大きい
Wikipediaによれば日本へは冬鳥として飛来し、少数が北海道で留鳥として繁殖するとのこと。
カワアイサとは変な名前だが「川秋沙」と書き、「川」は川にいるから(ウミアイサという種もいる)だが、「秋沙」は「秋が去った頃に来る鴨」が由来のようだ(「語源由来辞典」サイトより)。

写真を撮っていると通りかかったおじさんに鳥の名前を聞かれたので、教えてあげると、1度聞き返して、「カワアイサか…」とつぶやいて去っていったが、途中で忘れてしまわなかっただろうか。音だけだと覚えづらい種名だ。

図鑑上は秋田には冬しかいないはずだが、夏にも旭川で見たことがある。秋田でも繁殖しているのだろうか。
夏も冬も単独でいることは少なく、数羽から十数羽の群れで旭川を悠々と上り下りしている。歓楽街の川反(かわばた)付近にいることもある。

カワアイサが同じカモ科のカルガモ、マガモ、アヒルなどと大きく違うのは、潜水が上手なこと。主食が植物か魚かの違いなのだろうが、カルガモなどは足を水上に出してバタバタすることしかできないが、カワアイサはペンギンのようにすっと水中に全身を潜らせ、長時間潜水できる。
水中から出たところ

メスは頭の後ろがボサボサ、オスはリーゼントみたいな髪(?)型
この日は、メス2羽、オス3羽の計5羽。繁殖期でないから、つがいなのかは分からないが、何となく2組のカップルが成立して、オスが1羽あぶれた感じ。
その1羽がメスにちょっかいを出そうとして、
オスが攻撃!(メスは知らん顔)
大げんかにはならず、
すぐに平和が戻り、再びゆったりと泳いで行った

夏のカワアイサの姿はこちら
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白い世界に“霧中”

2009-11-25 19:47:53 | 秋田の季節・風景
「霧」は交通機関などに影響を及ぼし(今秋は既に2回位、秋田空港発着の飛行機が霧で欠航した)危険だが、個人的には周りが真っ白になって幻想的で、霧の中にいると独特の「匂い」のようなものがして好き。マイナスイオンかどうかは分からないが、水蒸気に囲まれている感覚がする。湿度は高いはずだが、梅雨のようなじめっとした感じはなく、むしろ清々しい。(カメラのレンズが曇ることもないが、機器への影響も含めてどうなんだろう)

秋田市中心部は平野なので霧が発生しにくく、かつ海沿いで風があって発生しても流れてしまうのか、霧が立ちこめることは少ない。それでも今頃の時期は朝に霧が出ることがたまにある。

昨朝の秋田市街は若干霞んだ感じはしたが快晴。冷え込んで霜が降りていた。
茨島地区から雄物川堤防に出ると、堤防を境に川の部分だけが霧に包まれて真っ白。町側にはほとんど霧がない。
川で発生した霧が無風のため停滞し、川の上空を覆っているのだろう。ケーブルテレビの道路情報チャンネルの映像でこんなシーンを何度か見たが、体験するのは初めてでうれしい。
先日のウミネコの記事の写真を再掲載するが
いつもはこのように秋田大橋の茨島側から対岸を見渡せ、奥に大森山が見える。ところが今朝の秋田大橋の上では、
3・4本先の照明までしか見えない
堤防からも対岸が見えるが(増水時で水が濁ってますが)、今日は
橋が途中で消えている!
堤防の草には霜が降りて白い。1キロほど上流のJR羽越本線の橋も霞んでいる。
列車が通ると音はするが姿は分かりにくい

ハクチョウが降りている場所も霧の中

川でなく湖か温泉に入っているみたい
霧が濃くなってきたようだが、日も差してきて非日常感にあふれた景色。
 
数十メートル先を歩く人も霞み、枯れ草でさえ幻想的。
羽越本線の信号が青に変わった
下り列車が通過する時刻だが、運行に支障はないんだろうか。町の方へも霧が流れているようで、すぐ先の架線柱も見えない。(ここの通常の様子
定刻より数分遅れて、対岸の踏切が鳴り出した。警笛が鳴って、橋を渡るガタガタという音が聞こえてきたが姿は見えない。
やがてヘッドライトが見えてきて

通過
通常よりほんの少し減速していた気がした。
再び霧の中へ

サイクリングロードも異世界へ続くよう

今度は少し霧が晴れてきたようで
ハクチョウの後ろに秋田大橋が見えてきた(ただし通常は河口まで見えます

ハクチョウさんたちもお出かけ
上空の霧がなくなり青空が見え、水面には霧が残っている。

風が出てきたのか、水面の霧が海の方へ流れていくのが見えた。このあと数十分間目を離した間に、川の霧はほとんど消えてしまった。秋田大橋も
かなり先の照明まで見えるようになったが、対岸奥の大森山はまだ見えない
大河雄物川も今日初めて姿を現し、
対岸の川沿いの家並みも見えるようになったが
丘の上にある新屋栗田町の県営住宅は霞んでいるので、新屋側の山ではまだ霧が残っていたようだ。新屋側では町の中にも霧が立ちこめていたようなので、行ってみたかった。

霧は見慣れた風景を違った風景にし、刻々と姿を変える。白い世界といえば雪もそうだが、霧もまた不思議な天候だ。
「霧」は地面に接しているものを指すが、同じものが大気中に浮かんでいるのが「雲」なのだそう。ということは、霧の中を歩くのは雲の中を歩くのと同じことなんだ。そう思うと、ロマンチック。
ちなみに、霧は視程が1キロ未満、1キロ以上10キロ未満だと「靄(もや)」と呼ぶそうだ。
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中央道路で事故?

2009-11-24 19:18:20 | 秋田のいろいろ
今朝、山王十字路付近、竿燈大通りから秋田中央道路の地下トンネルが分岐する部分にパトカーが止まって道をふさいでいた。
トンネルに入ろうとする車を進路変更させている
その後、
パトカーの車内からコーンと矢印看板を出して路上に並べている
トンネル内で事故でもあったのだろうか。それにしては交番にいるような小さいパトカー1台に警察官2名だけでちょっと心許ない。目立たなくて車が突進してくるかもしれない。

当ブログで何度か取り上げているが、ここで改めて「秋田中央道路の地下トンネル」について簡単にご説明。
秋田駅東側と西側の官庁街山王を結ぶ、長さ約2.5キロの地下トンネル自動車専用道路。途中に出口専用の分岐もある。
当初、前々知事時代は2車線×2本のトンネルを1500億円で建設する予定だったが、前知事時代にとりあえず1本だけを造り対面通行として2年前に開通。建設費用は700億円、さらに周辺の建物に地盤沈下を引き起こし億単位の補償が行われた。今年6月、現知事がもう1本のトンネルは建設をしないことを決めた。

僕の考えとしては
 ・必要性を感じない(市内へのアクセス向上と渋滞緩和がこの道路の目的だが、短絡的。他に効果的な対策があるはず)
 ・「中心市街地の活性化」も道路の目的だが市街地を素通りして逆に衰退化につながる(中心市街地に出口はあるが「入口」がないんだもん当然。しかも出口の横断歩道が廃止されて歩きにくくなった)
 ・急カーブや傾斜があり、しかも対面通行で危険(今年4月無謀運転の車に衝突された対向車の乗員が亡くなる事故があった)
 ・一部の県民しか利益を享受しないものに700億円もの県費をつぎ込むのはおかしい。秋田県の財政規模からいって700億って相当な額じゃないの?(国の長良川河口堰だって1500億円“しか”かかっていない。秋田県は400億円だかの財源不足だか何だかそうだがトンネルを掘ってなかったら問題なかったのでは?)
という理由から、この道路には大反対。
それに加えて、何度も紹介している秋田県道の道路管理態勢の下手さ。新しい道路に手一杯で既存の道路をおろそかにしているかのように感じる。700億あったら、「新屋支所前」の看板を新しくして、県道全部をロードヒーティングできる(それはムリかな)かもしれないのに…
できてしまったものはどうしようもないんだけどさ。
【25日追記】この道路は、2008年に社団法人全日本建設技術協会の「全建賞」というのを受賞している。技術的な見地の賞のようで、トンネルの工法などが評価されたようだ(それが原因で地盤沈下したんだけどいいの?)。受賞しようがどうしようが県民には関係ないし、建設に多額の税金が投入されたことは変わらない。

話を戻して、トンネル入口手前の電光表示に
「トンネル内 事故発生」と出ている
中央道路の公式サイトによればこれは「坑口警報表示板」といい、事故の通行止め時に上部が赤点滅して「事故発生」と「進入禁止」を交互に表示するようだ。
県警管轄の表示板でも通行止めを告知する

サイレンを鳴らした車が近づいてくる。消防車や救急車でなく、パトカーと同じ音だが、警察署と反対方向から来る。現れたのは
秋田県の道路パトロールカー
道路パトロールカーは、道路公団・国交省・県・市などがそれぞれの管理する道路を巡回する車。バンや軽ワゴンを使う所もあるようだが、秋田では地形や雪のためか、最近はSUVという分類のクルマを使う(秋田市はトヨタRAV4だったかな)ことが多いようだ。県のはボロっちいのを見たことがあったが、これは新しそうな車だ。県庁裏に道路維持関係車両の車庫があるが、そこから来たのだろうか。
サイレンを鳴らして走っているのは初めて見た。
反対側から
警察のパトカーの後ろに止まって、「通行止」という看板を立てている。
中央分離帯にゴミ箱みたいな箱が設置されていて、そのフタが開いている。看板は箱の中に格納されているのだろうか。せっかくモノがあるのに、先に到着した警察は立てる権利がないのか、存在を知らないのか。警察にもあらかじめ教えてあげて、どっちか先に到着した方が立てればいいのに。
出口側からまったく車が出てこなくて異様な光景。これでは合流点の信号が無駄だ。

一度場所を離れて、10分もしないうちにまた通りかかると
パトカーも県の車もいなくなっていて、通行が再開されていた
表示板は黄色点滅で「作業中」「走行注意」だから、まだ中で何かはやっているようだ。こちら側に緊急自動車がいないということは、反対側の駅東口側近くで何かあったのだろうか(トンネルの両端では警察も消防も所轄署が異なる)。
道路情報サイトや報道にも出ていないので、大した事故ではなかったようで何より。通行される方は充分注意して運転してください。

なお、中央道路は維持管理や訓練のため、たまに通行止めになるが、今週金曜27日深夜から28日早朝にかけても通行止めになるそうです。


ところで先日の旭北歩道橋の続報。久しぶりに見たら、階段が付いていた。おそらくよそで組み立てた階段を連結したのだろう。
ラーメン屋側も 小学校側も

うまくつないでますな
でも、まだ渡れません。なぜなら
階段が本来の姿でないので
踏面(足を乗せる部分)が凹んでいて、これではつまずいてしまう。これから、この凹みに滑り止めやロードヒーティングを付けて平らになるのだろう。
【12月5日追記】4日に現地を見たところ、まだ階段の工事が行われており、通行できなかった。工期が延びたのか?
【12月11日追記】1月20日まで工期が延びていた。
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歩道の下の…

2009-11-22 19:48:24 | 秋田のいろいろ
昨日に続き、道路工事シリーズです。今回も貴重なシーンかもしれません。
昨年度あたりからだろうか、秋田市中心部の竿燈大通りでは、道路管理者の秋田県による歩道の工事が断続的に続いている。区画単位で行われ、歩道は原則全面通行止め、車道1車線をふさいで仮歩道にし、沿道の店舗や地下道への出入りは渡り板を渡し、バス停を移設し、警備員を複数配置してと、大がかりな工事だ。(何の工事かは徐々にご説明します)

現在は通りの北東で行われており、二丁目橋の上流側も対象。
橋でない区間は敷いてあるブロックをすべてはがして工事しているが、ブロック敷きでない橋の上ではアスファルトをはがし、このようになっている。
金網を敷いて、その上に等間隔に白いホースを引いている
ホースは一般的な水道用よりはやや細い。
ホースは針金で金網に固定されている

末端できれいに折り返して1本につながっている
さて、これは何者かお分かりでしょうか?
この後、埋められて地下に潜むこのホースは、雪国で生活する我々の暮らしを大いに助けてくれるアイテムなのですが、地中だけになかなか目にする機会がない。
ちなみに20年ほど前に同種の工事を見た時はホースでなく、金属の管だった。

これは、路面の融雪装置(ロードヒーティング)の配管です。 ※昨シーズン(今年1月)の記事はこちら
雪国以外の方には想像がつかないのも無理はないが、雪が積もれば歩きにくいから、雪を寄せなければ(除雪)いけない。凍ってスケートリンクのようになることもあり、転んでケガをするおそれもある。
車道は道路管理者が除雪してくれるが、基本的に歩道の除雪はその前の各家庭や会社が行うことが半ば暗黙の了解になっている。重労働だし、大雪になれば積み上げる場所すらなくなって、歩道が機能しなくなる。
北陸などでは、水を流しっぱなしにして雪を融かす装置もあるが、秋田市内では見かけない。気温が低くその水が凍ってしまってかえって危険なこと、路面や靴が濡れること、それに地下水を使う場合地盤沈下の可能性があることなどが理由かもしれない。

それを解決するのが、路面を温めて雪や氷を融かしてしまうロードヒーティング。秋田市内では、坂道の車道や市街地の幅の広い歩道で普及している。最近は駐車場など家庭用のものもあるようだ。
たまに、ロードヒーティングのことを「電熱」と呼ぶ人がいる。電気で発熱するものを直接埋め込んでいるイメージがあるのだろう。たしかに家庭用では電気や灯油を使ったものがあるが、「ラクだけど雪と一緒におカネも消えた」と話すユーザーがいたほどなので、ランニングコスト面で大規模な公道では現実的でなく、電熱式はあまり採用されていないようだ(歩道橋の階段など制約のある場所でのみ使用)。
極寒の北海道では、ガスでお湯を沸かして、それを管に循環させる方式がある(旭川市の例)が、秋田はそこまでは寒くない。

僕もよく分からないが、秋田ではこのホースに「何らかの熱源で温めた液体を循環させて」雪を融かしていると思われる。熱源は「ヒートポンプ」のようなものかもしれないし、液体は水(湯)もしくは何かを混ぜた不凍液かもしれない(どなたかご存じであれば教えてください)。
【追記】施工業者によるこのような掲示がありました。
家庭用の場合、路面にセンサーがあり、「濡れた状態」かつ「一定の温度以下になった場合」だけ作動するので、公道用も同じ仕組みかもしれない。路上には制御器の入った箱が設置されている。

というわけで、上の写真のホースのおかげで冬も快適に歩けるわけだから、縁の下ならぬ「“歩道の下”の力持ち」だ。
竿燈大通りは20年以上前(だと思う)にロードヒーティングが設置されていたので、現在の工事は新設でなく更新工事。昨シーズンの記事にした通りJTB秋田支店前の区間では装置が作動せず、県から委託された業者(清掃など維持管理を一体的に受託しているのか)が一生懸命雪を寄せていたから、装置の老朽化が進んで寿命だったのだろう。
さて、
 
写真左はまだ更新工事がされていない区間、右は故障を受けて今年度早々に更新されたJTB前。
もともと、全区間同じブロックが敷かれていたはずだが、JTB前は融雪装置更新と同時にブロックも新品に更新された。視覚障害者誘導用のブロック(点字ブロック)も違うし、それ以外のブロックも縁が波形から直線(長方形)のものに変わった。
マンホール部分だけは旧ブロックのまま

そして、最近工事が行われているJTBの向かい側では、
従来の波形のブロックを再利用している(色がくすんでいるのは砂をまいたためだと思う)
県で冷静に考えてみたら「全区間のブロックを新しくする予算がない!」なんてことになったのだろうか。使えるものは大事にしましょ。

でも、点字ブロックだけは白(グレー)でなく黄色いものになっており、更新したのかもしれない。
点字ブロックはもともとは黄色だったが、一時、デザインを重視し、地味な色の点字ブロックが流行した時期があった。しかし、現在は弱視者への配慮から、再び黄色いものが主流になっているそうなので、その流れに乗って交換したのではないだろうか。使えるものは使い、変える必要のあるものは変える。秋田県にしては珍しく配慮が行き届いた工事だ。

でも、ブロックを敷き直すのは大変そう。特に端っこの半端な部分。
元通りにできますか?
難しければジグソーパズルの名人でも雇ったらいかがでしょう。

さて、工事が済んだのに、なかなかブロックが敷かれない場所がある。
浅い金属の枠になっていて、水がたまっている
注意して見ると、竿燈大通りの他の区画にも同じような枠の上にブロックを敷いた場所が多いし、ネットで見たら積雪地でないブロック敷きの歩道にも同じようなものがあった。それに秋田市内のロードヒーティングのある歩道でもこの枠がない所もあるから、融雪装置に直接関係のあるものではなさそう。
おそらく、各種ライフラインが通る地下の「共同溝」に関係した何かではないだろうか。(出入りできるようなマンホールは別にありそうだが)

ここで時間をさかのぼってみる。まず、ブロックを敷く前
管を埋めて丁寧にセメントを塗っている
その前
配管した状態
何もない部分は砂利の上に、橋の上と同じく金網とホースを置いている。
ところが、金属の枠の中は、それぞれ枠ごとに(昔僕が見たのと同じような)金属の管を配置している。
 
なぜか管の方向や密度はまちまちだが、こうしておけば、共同溝の一部を工事する時にロードヒーティングへの影響を最小限にできる仕掛けなのだろう。よく分からないがよくできている。
路上のマンホールの1つはロードヒーティング用のものらしく、
コックやメーターが付いていた
それにしても工事は終わりそうでなかなか終わらない。ちまちまと何かやっているし、傍目には無駄な立入禁止区画が多く、車線減少や歩きにくいといった影響もあるし。
でも、今や雪国の生活欠かせない装置。冬しか使わず、暖冬傾向、人口減とはいえ、決して無駄な工事だとは思わない。いつ雪が積もってもおかしくない時期になったが、工事が間に合うことを祈ります。
【12月21日追記】結局間に合いませんでした。こちら
【2010年2月27日追記】ブロック再利用の工事、融雪の概要・仕組み等についてはこちらの記事もご覧ください。
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一夜歩道橋?

2009-11-21 20:37:30 | 秋田のいろいろ
秋田市中心部、官庁街近くの山王十字路を挟んで南北に走る通称・新国道(県道56号線)では、車線増設(1+2車線から2+2車線)や電線地中化の工事が行われている。
かつてはこの区間のうち、山王十字路より南側に2本の横断歩道橋があった。どちらも単純に新国道を横断するもので1本は山王十字路のすぐ南の秋田銀行本店脇のATMコーナーの辺り、もう1本はその200メートルほど南。前者は山王中学校、後者は旭北(きょくほく)小学校の門に行きやすい位置にあり、両校の児童生徒の通学のために設置されたのだろう。
うち、北側のものはいつのまにか撤去されてしまった。直近の山王十字路南側が自転車専用横断帯から歩行者も渡れるものに代わったためだと思われる。このように老朽化・維持経費やバリアフリー等の観点から、全国的に歩道橋は減っている。
一方、南側の歩道橋は残っていた。ところが、
「旭北横断歩道橋の補強拡幅工事をしています」
車線が増えるわけだから、従来の歩道橋がそのままでは、幅が足りなくなったり柱が邪魔になるから工事が必要なのか。道路の“拡幅”といえば「道幅を広く」することだが、歩道橋の場合は「長さを長く」する延長工事を意味するのだろうか。撤去しなかったのは、この歩道橋に存在意義があるという判断なのだろう。たしかに近くの横断歩道までの距離(東北電力の角まで100メートル)や小学生が交通量の多い道路を横断することを考慮すれば必要だろう。
左が山王十字路側
歩道橋本体が撤去され、本体が道路と平行になってラーメン屋の前に置かれていた。
本体を支える脚(柱)や“踊り場”部分は残っている

道案内の標識が歩道側を向いて置かれている


桁や手すりはきれいに(おそらく以前と同じ色で)塗装し直されているが、路面は汚れていて標識が置かれている。幅も秋田市内の他の歩道橋より狭い。おそらく従来のものを再利用して設置するのだろう。
ベランダ? お立ち台?
ぽつんと取り残された踊り場に「規制予告20日22時から全面通行止」。アイデアはいいが、文字が細く薄くて、ラーメン屋さんの看板に負けて目立たないよ。
周辺の交差点などにあった看板によれば、20日夜から21日早朝にかけて、山王十字路からドン・キホーテ北側の東北電力の角の交差点の間の新国道を通行止めにして工事を行うらしい。
路上にあった本体を設置するに違いないから見に行こうかと思ったが、諸般の事情(寒い、眠い、面倒)により止めた。
翌日(今日)通ると、
架かっている

反対側
昨日、歩道橋上に置かれていた標識は、バス専用レーンや中央線など、車線に関わる標識だった。設置後に位置合わせが必要なので、外していたのだろう。レールみたいなのに設置されていたので、今後車線が増えた際も簡単に対応できそう。
階段はまだない
オレンジ色の矢印の通り、向かいのラーメン屋がある東側は踊り場で折り返す階段。手前の西側は、小学校へつながる道へ一直線につながる階段。
底面を見る
本体の長さを伸ばしたのか、それとも脚の位置だけを変えたのか、どちらかは僕には判断できない。つなぎ目の部材がグレーに塗装された部分があったけれど、よく分からない。
 小学校側から見た設置前後
看板記載の工事期間は今月末まで。あと10日で階段が付くわけだ。※続きはこちら
本体はどうしても車の通行に影響があるから、一晩で設置してしまったのだろうが、階段まで全部完成したら「一夜城」ならぬ「一夜歩道橋」と呼べたのに。

そういえば昔は、歩道橋の桁の部分に「旭北歩道橋」などと表示があったはずだが、今はない。不適切な地点名表示などの前例がある秋田県のことだから…
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なかのひとの結果

2009-11-19 17:25:51 | 機械モノ(デジカメ以外)
企業や団体など、一般プロバイダ以外からのアクセスを解析できる「なかのひと」を4か月前に当ブログに設置した
その結果、なかのひとで分かるアクセスは、多くても1日10件くらい。当ブログの全アクセス数と比べるとかなり少ないから、ほとんどの方は自宅など一般プロバイダ経由で見てくれているようだ。
アクセス状況。地図上の印がアクセスのあった組織の所在地
支店など出先機関がある組織の場合、組織名までしか分からないので、結果的に本社のある東京からのアクセスが多く見えている。
結果表示は、上の画像のような地図上のマッピングのほか、具体的な組織名と最終アクセス日時、そこからの累計アクセス回数が分かる。
※以下については、記事末尾の追記をご覧ください。
全体では「秋田ドメイン」という組織からのアクセスが圧倒的に多い。他にも「県名もしくは政令指定都市名+ドメイン」という組織からアクセスがある。よく分からないが、自前でサーバーを持っていないような、比較的小規模な組織からのアクセスだと思う。それだけ、秋田県内の方にご覧いただいているということだ。

具体的に組織名が分かる所からのアクセスを見ているとおもしろい。
超有名企業から初めて聞く組織までいろいろあり、中には定期的に同じ組織からのアクセスが何件かある。おそらく同じ方が日頃から見ていただいているのだろう。
全国各地の大学からのアクセスは深夜など時間を問わずに多い。学生が情報処理センターや研究室からアクセスすることもあるのだろう。

※以下、解析結果画像を一部加工しています。
企業、大学の次くらいに多いのが、国の省庁。
いくつかの省やその下部組織(○○庁など)からのアクセスがあった。
以前も書いたが、執務時間中にネットを私的に利用することは(程度やアクセス先など限度はあるが)、お茶を飲んだり喫煙したりと同様で、悪いこととは僕は思わない。ただ、就業規則で規制されていればその人に不利益になりかねないし、官公庁なら厳しく見られても仕方ない。
もしかしたら、勤務形態が特殊な研究職の方や来庁者に開放しているパソコンからのアクセスかもしれないが、けっこうな回数。当ブログごときにアクセスして処分されたら申し訳ない。

それに引き替え、感心したのは、地方公共団体からのアクセスがほぼ皆無なこと。※この件については、記事末尾の追記をご覧ください。
都道府県では四国の某県のみ、市町村は主に西日本各地の市町から散発的にあっただけ(なぜか西日本に偏っている)。秋田県庁はじめ県内市町村からは基本的に(例外は後述)アクセスがない。
なお、「○○県教育ネットワーク」といった組織(県により名称が異なる)からのアクセスもあるが、これは公立学校からの(教職員・児童生徒含めて)アクセスだと思われる。
秋田県内の某町から3度アクセスがあった
この町は市町村合併によって現在は消滅している。誰がどこからアクセスしてるんだ??
そういえば、秋田県庁では庁舎内の「県民ホール」に公衆無線LANを設置し、来庁者に無料開放している。そこからアクセスしたら解析結果にはどう表示されるんだろう? いつか試してみよう。

民間企業からのアクセスは多岐にわたるが、ネット関連業界からのアクセスが多い。あとは報道機関。単なるヒマつぶしか取材活動の一環の情報収集か分からないが…
報道機関で最多なのは、某公共放送局
全国各地に拠点があることもあるんだろう。中には深夜のアクセスもあった。我々の払った受信料を使ってヘンな時間にこんなブログを見なくてもいいですよ。

ビックリするような所からも。
某国空軍!! ニホンゴ、分カリマスカ?
おそらく青森にも基地があるから、そこからのアクセスかもしれない。

仏教の某宗派から!!!
御利益があるかな? それともバチが当たる?
どっちにしても多くの方にご覧いただき、ありがたいことです。今後も精進いたします。

【2012年2月16日追記】「県名もしくは政令指定都市名+ドメイン」について誤解していました。
どうも、その県、または県内にある市町村もしくは政令指定都市の役所(のサーバー)からのアクセスということらしい。
「なかのひと」では、その自治体によって、名称がズバリ表示される場合と、「◯◯ドメイン」と表示される場合とがあるようだ。
無料サービスとはいえ、そのへんの説明がほしかった。
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レジ袋

2009-11-17 17:43:36 | 秋田のいろいろ
レジ袋削減&エコバッグ持参運動が盛んになった。
レジ袋はゴミ袋など使用後の使い道もあるが、平均的な家庭では余ってしまうことが多いのではないだろうか。中には路上などに捨てる者もいて、風に舞うのは見苦しいし、滑って転んだり、電線(特に鉄道の架線)に絡まって停電や事故、動物の誤飲等々のもと。そんな面からも削減運動はいいことだと思う。

青森県や静岡県など、いくつかの自治体では、レジ袋を有料化している。
青森県では、県と協定を結んだ店が有料化しているようだが、イトーヨーカドーやイオンなど全国チェーン店から地元のお店まで大部分が協定を結んでいる。実際に店で見てみると、かなりのお客が袋を断っており、削減効果はあるようだ。一方でコンビニは協定に参加しておらず、公園にコンビニのレジ袋が捨てられていたのも見た(結局は捨てる個人のモラルの問題だけど)。

秋田県では、県とスーパーやコンビニとで協定(レジ袋削減・マイバッグ推進運動に向けた自主協定)を結んでいるようだが、一律有料でなく各社・各店舗の裁量が大きいようだ。例えば、袋を辞退した場合ポイントカードに加算(いとく)、独自スタンプカードに押印(多くのスーパー)、ポスター掲示・マイバッグの販売だけで辞退者への優遇なし(コンビニや一部スーパー)といったように。
また、由利本荘市とイオン系列のマックスバリュ東北は別に協定を結び、今月から由利本荘市内7店舗で有料化している。

僕は、エコというよりも最初に書いた通り、袋を持て余すのが嫌だから辞退している。しかもエコバッグではなく、前にもらってたまっていたレジ袋を何回も使い回すというケチぶり。穴が開いたり切れないように二重に重ねれば安全だし耐久性もかなりある。破けたり雨や雪で汚れてしまった時は捨てればいい。ヨーカドーの袋を持ってイオンの店に行く時は、敵陣に乗り込んだような心境になるけれど。
イトーヨーカドー秋田店や秋田サティによく行くが、秋田県との協定を結んでいないながらもレジ袋辞退時の優遇制度があって、わずかながら得になる。

●秋田サティの場合
秋田サティのレシート「買物袋持参値引 2」とある
サティでは、昨年か今年初め頃だったか、スタンプカード制を止めてその場で2円引きする方法に変わった。この方が手間がかからず楽だ。
袋が有料化されていない店では「袋いりません」カードがレジに置いてあって意思表示する店が多いが、サティでは「いります」「いりません」2種類のカードがあって、店としてはどちらかを必ず入れて欲しいようだ。この方が断りやすいかも。
でも他のお客さんのレジ袋の辞退率はかなり低い。皆さんそんなに袋が欲しいのだろうか。それに2円とはいえ値引きになるのに…
【12月10日追記】直営の薬売場で袋を断っても2円引かれていた。当たり前といえばそうだけど、食品売場以外でも適用されるんだ。

●イトーヨーカドー秋田店の場合
以前記事にした
ように、イトーヨーカドーでは袋を辞退するとカードにアザラシのスタンプを1つ押し、20個貯まると100円券として使えるシステム。弘前店では有料化に伴い廃止されたが、基本的には全国展開しているようだ。1回当たり5円引きの計算だから、サティよりもお得。それなのに辞退する人は多くない(サティよりは心持ち多い感じ?)。
ところが今月からイトーヨーカドー秋田店でこんなチラシを配っている。(関東地方など他店でも同様の告知をしている)
「マイバッグ持参値引スタート」「12月1日から持参者には1回2円引」
サティ同様、スタンプを止めて1回ごとに値引きする方法にするそうだ。そして、1回当たりの値引き額が5円相当から2円に減ってしまうことになる(サティは確かスタンプ時代から2円だったはず?)。
裏面
なお、スタンプが満杯になっていないスタンプカードは、12月以降、来年5月まで1個5円の換算で値引きしてくれる。

このご時世、大手総合スーパーといえども経営は厳しいし、袋が有料の地域の方のことを考えるとぜいたくは言えないが、値引き額が減ってしまうのは残念。でも、レジ袋削減は本来、環境とゴミ減量のためであって、値引きはオマケ程度のこと。引き続き辞退したい。皆さんも可能な限りやってみてはいかがでしょうか。
チラシ内のポイントカードの絵
実物でなくCGだと思うが、スタンプの傾き(12番のアザラシが寝ている)がリアルに再現されていて芸が細かい。
このアザラシちゃんはいなくなってしまうのだろうか?

秋田サティの話が出たので余談ですが、
・電子マネー利用率
先日食品売場で、僕の前に並んでいたやや年配の奥様3人とも電子マネー「WAON」での決済だった。それだけ普及してきたのだろうか。レジ袋を辞退する人よりは電子マネー決済する人の方が多いと思う。
うち2人は、同時にチャージもしていて(5000円分と2000円分だった)、おつりがあったりして、その時間ちょっと待たされた。不慣れな方には対面で処理できて安心なんだろうけど、入金機やイオン銀行ATMでもチャージできるので、特に混雑時はできればそちらでお願いしたい。

・3階に宮脇書店オープン
従来は直営だった3階の書籍売場が改装工事中で、「11月27日(金)宮脇書店オープン」と表示があった。
宮脇書店は全国チェーンの書店だが、秋田県内は五城目町にしかなかった。弘前にあった店舗からすると品揃えが良さそうだし、おそらくSuica(WAON)決済できるだろうから期待したい。
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海猫・狸・魚

2009-11-15 20:44:31 | 動物・植物
秋田市南西部、雄物川下流の秋田大橋
橋の照明の上で、
 
1か所に付き1羽ずつ、モノトーンの体色の鳥が休んでいた。ウミネコの幼鳥のようだ。
秋田市では中心部でもウミネコがいるが、海に近いこの辺りでもよく見かける。
調べたら、ウミネコは成鳥になるまで3年かかるとのこと。ここにいたのはおそらく3年目の鳥ではないだろうか。
 
くちばしの先端は親と同じで黒いが、黄色や赤はなく、脚の色も違う。体の大きさは親と同じものの、羽根がモコモコしている感じ? 目つきは親と同じく鋭い。
毛繕いしたり羽を伸ばしたり
親鳥もいた。
子は立っていたが、親はどっしりと座っていて穏やかな顔?
ウミネコが観察できるのは楽しいが、海に近い場所でウミネコが止まれてしまう平らな照明ってどうなんだろう? フンをして汚されたりしないために、止まりにくいデザインにした方がよさそうな気もするけど。(秋田大橋は現在は秋田県道だが、建設当時は国道だったので当時の建設省が設計した)

ついでに周辺で見かけた生き物(?)の話題。
以前、工事現場でカエルサルの柵を見たが、そのタヌキバージョンも発見!
 
汗をかいてました(朝露で濡れていた)。

雄物川の河口からの距離を示す看板は、カッパのイラストが描かれているが、旧建設省時代の別デザインのカッパ表情が違う“隠れキャラ”カッパがいた。
さらに、秋田大橋の新屋側上流100メートル地点で
魚を発見!
「国土交通省」がシール貼りということは建設省が設置したものだから、“激レア”なキャラクターだ。
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ブラブラ信号

2009-11-14 22:17:42 | 秋田のいろいろ
秋田市に八橋(やばせ)という地区がある。県庁・市役所など山王地区の官庁街に隣接した「八橋運動公園」が有名だが、そこは八橋地区の南端。そこから北に約2キロ弱に渡って草生津川のコスモスロードと通称新国道(という名の県道56号線)に挟まれた広いエリアが八橋地区。ほとんどが住宅地になっている。
八橋地区の道路。対面通行だが、道幅は非常に狭い
ここはおそらく40~50年くらい前までは田んぼだったはず。拡幅する間もなく急速に宅地化が進んだのだろうか。
市立八橋小学校が1973年、新国道を渡った向かいの泉小学校は1979年にそれぞれ開校し、1990年には八橋小学校の一部学区が独立し寺内小学校が開校した経緯からも、急速な人口増加があったのが分かる。開校以前は、いずれも保戸野小学校の学区だったらしい。八橋小と保戸野小の間の直線距離だけでも約2キロだから、開校以前の小学生が保戸野まで通うのは大変そうだが、それだけ人口が少なかったのだろう。
新国道から草生津川へ抜ける道。歩道がなく電柱が目立つ
これでも八橋では広い方の道。先の方に信号機が写っているが、普通の信号機と違うのにお気づきだろうか。
本記事写真1枚目と2枚目の道路の交差点に、その信号機が設置されている。
コンビニの駐車場があって圧迫感はあまりないが、狭い交差点
コンビニ以外の3方はぎりぎりまで家屋があり、見通しが悪い。カーブミラーも設置されているが、信号のある交差点にミラーも設置するのは珍しいかな。
狭い側の道路から見ると狭さが分かるでしょうか
この狭い交差点で目を引くのはなんといっても信号機(だと思う)。1台ずつアームに直付けするのではなく、4方向の信号機をまとめて1つの柱とアームでつり下げている(さらに柱とアームの間にワイヤーを張っている)。道の狭さ、見通しの悪さを考慮しているのだろう。
同じ意図の信号機は松江市内にもあったし、全国的に狭い道や景観上の配慮(柱をたくさん立てないため)が必要な道に設置されているようだ。ただ、ここのような積雪地用縦型バージョンは珍しいかもしれない。秋田市内ではここと、すぐ近くのもう1か所でしか見たことがない。
専門的には、信号機本体のことを「灯器」と呼ぶので、このようにまとめてつり下げた信号機を「集約(式)灯器」または「懸垂(式)灯器」と呼ぶようだ。

個人的には、外国(どこの国かは知らないが)の信号機は縦型がぶら下がっているイメージがあり、どことなくヨーロピアンな雰囲気を感じてしまう。
ドライバーの視点では、道路や交差点の真ん中にでーんと信号があって目立つ。ムリして電柱に取り付けられるよりも存在感があって分かりやすい気がする。

ただし、歩行者の視点では、(ここには歩行者専用信号機は未設置)
信号ははるか上空
かなり上を急角度で見上げなければならない。反対側の信号機を誤認してしまう恐れも。子供ならなおさら。
ここを通る大部分のドライバーは歩行者に注意を払ってくれているが、積雪時や夜間など、お互いにより一層気をつけた方がよさそう。

それにしてもおもしろい。
 
びろーんと伸びた棒から信号がぶら下がっていて、まるで釣り竿? 七夕飾り? 昔の旅人が持っていた提灯?
ぐるぐる回って音が鳴ったら、ベビーベッドの上に吊すおもちゃ(「オルゴールメリー」というらしい)のようにも見える?

アーム先端から真下に信号機と同じ長さのパイプを延ばし、それに信号機の上下を固定している。信号機自体は通常の製品と同じようだ。
強風の時に大きく揺れたり、雪が大量に積もれば負荷が余計に(横型よりは少ないが)かかったりしそう。それらを見越して太めの柱とアームなのだろうけれど。
真下から見上げて写真を撮ってみたかったけど、車にひかれそうなのでやめました。道幅の割に通行量が多い道なのです。

※別の懸垂式信号機についてはこちら
※近くにあるこれと同じタイプの信号機についてはこちら
※ここで紹介した交差点では、2013年に信号機が更新された
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アルヴェ14階

2009-11-13 20:01:56 | 秋田のいろいろ
松江に旅行した時、銀行本店のビルの屋上が展望フロアとして開放されており、宍道湖の眺めを楽しんだように、最近は公共施設や官庁のビルの上層階を展望用に開放してくれている所が多い。街中にあるし、無料だから、僕は旅行先にそうした施設があるかチェックしてから出掛けている。
東北地方では、盛岡市の「マリオス」、福島市の「コラッセふくしま」、山形市の「霞城(かじょう)セントラル」のように、県庁所在地の“駅裏”に建った官民複合型のビルに展望スペースがあることが多い。
上記3つとも行ったことがあるが、複数の方向に窓があり、出入りする新幹線・街並み・山並みが見渡せ、休憩できるソファや自販機があり、市民の憩いの場や旅行者の時間調整などに使われていた。

さて、我が秋田市にも、それと同じコンセプトのビル「秋田拠点センター“アルヴェ”(ALVE、アルベ)」があり、最上階14階が「展望ロビー」になっている。
黒い高い建物とその左がアルヴェ。右は秋田駅東口
ただ、他の都市の展望スペースと違い、秋田市民として「ぜひ訪れてください」とはとても言えない代物。
なぜなら、まず、エレベーターの場所が分かりづらい
アルヴェは低い建物と高くて薄っぺらな建物からなり、低い方は先日の種苗交換会の会場に使われるなど、秋田駅と通路で直結されてアクセスしやすい。
一方、高い方は、7階までの一部に医院や学習塾などテナントが入るが、大部分はビジネスホテル「東横イン」の客室。ホテル以外のテナントや展望ロビーを結ぶエレベーターはビルの奥まった所にあり、場所が分かりづらい。

このエレベーターは駅と直結した2階には止まらないのも行きづらい一因。
エレベーターのボタン
実は、駅とアルヴェを結ぶ通路のすぐそばをエレベーターが通っているのだが、2階の場合、そこはホテルの店内なので宿泊者しか立入できないためエレベーターホールがない(ホテル宿泊客用のエレベーターは別にある)。
ホテルの配置を少し工夫すれば2階にもエレベーターホールを設置できたはずで、そうすれば駅からとても行きやすいのに。おかしな設計だ。

14階へ到着
目の前に大きな窓があり、東側の風景が広がる
が、
展望スペースはこれだけ。
なんと東側にしか展望できる窓がないのだ。左側=北もガラス張りだが、
非常階段になっていて立入禁止
そのため、遠目にしか見えないし、手すりや窓枠が視界を妨げる。
さらに南、西側はテナントの飲食店になっていて、入店しないと景色を見られない。なんてケチな展望フロアなんだろう。鳥取県庁第二庁舎以下だ。
これでは太平山くらいしか見所がない。他の方角では鳥海山、秋田市街、男鹿半島、広大な秋田平野そしてここは位置的に千秋公園や秋田駅構内を間近に見られるのに…

その上、
飲食店が閉まっている
エレベーターのボタンの写真でも分かるとおり、飲食店は8日で閉店したそうだ。ドアが閉じられ、中から何やら工事する音が聞こえた。
現地とアルヴェのサイトに告知があった
「展望レストラン」と称している14階の飲食店は、2004年のアルヴェオープン以来、何度か店(経営者・店舗名・コンセプトとも)が変わっている。たしか、この店舗で3代目だったはず。イタリア料理とビアホール(経営は同じ県外資本のはず)だったが、昼も夜も980円のバイキングが目玉で、女子学生など若者に人気があり、評判は悪くなかったようだ。
なお、アルヴェの2階では、今も複数の飲食店が営業している。

こうも次々にテナントが入れ替わっていては、このビルの14階を飲食店にすること自体がそぐわないのではないだろうか。
車社会秋田では駐車場の問題もあるのかもしれないが、駅前なんだから旅行客などの需要はあるだろう。でも例えば、初めて秋田市に来た人には、ここにレストランがあること自体気付きにくいし、知っている人でもたどり着く時間や手間は容易でない。簡単に行かれる駅内や西口側に、手頃な店がたくさんあるのだから。
次も飲食店にするのなら、永続きできるためには思い切った発想が必要なように思う。
秋田駅東側の住宅地と太平山が見渡せる
こちら側は数十年前までは一面の田んぼだったが、今はすっかり住宅地化された。逆に言うと、田んぼも高いビルもなく、住宅しか見えず、つまらない。
右は隣接するNHK秋田放送局のアンテナ
今の時期だけは、街路樹のイチョウの黄葉と低山の紅葉が美しい。
色づく山は一つ森公園かな?
非常階段越しにはなかなか個性的な景色が見える。
千秋公園、男鹿半島など
千秋公園が街中にこんもりと島のように浮かぶ姿を間近で見下ろせる数少ない場所なのに、これしか見えないのは残念。
天徳寺・平和公園は杉の緑と紅葉がきれい
いっそ飲食店をやめるかかなり縮小して、他都市のように、全方位が見渡せる展望フロアに改装してしまえばいいんじゃない?
(実は、秋田駅西口の「アトリオン」12階も20年前のオープン当初は展望階だったが、徐々に縮小され、今はなくなったはず。夜間に中高生のたまり場になって問題視する声があったようだが、他都市を見ると何とかなるだろう)
【12月6日追記】4日に14階に行ってみると、引き続き工事が行われており、本記事アップ時と同じ状況。今後の予定等については掲示も報道もない。
【2010年3月24日追記】工事が終わったけれど…
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Hiyoshi shrine

2009-11-11 20:51:44 | 秋田のいろいろ
今年5月、秋田市南西部に秋田市の施設「西部市民サービスセンター」が開業した。それに伴い、秋田市新屋支所が閉鎖・解体されるなどしたため、バス停や交差点名の変更を余儀なくされたことを何度か記事にしてきた。
新屋線などを運行する秋田市内のバス会社はとりあえずバス停名を変更して一段落していたが、もう1社、羽後交通(急行本荘・秋田線)のバス停「新屋支所前」は変更されておらず、交差点の信号機の地点名表示「新屋支所前」は更新されないばかりか判読できないほどボロボロで放置されていた。

先日久しぶりに行ってみた。
日吉神社

羽後交通のバス停も「日吉神社前」に変わっている!
重ね貼りの修正などでなく、看板全面を新しくしたようだ。
さらによく見ると、従来の羽後交通バス停では見られなかった点があり、画期的と言える。
まずは「日吉神社前 Hiyoshi shrine」とローマ字表記がある。いや、ローマ字の「jinjamae」などでなく、英語で「聖堂、神社」などを意味する「shrine」に英訳されているから、「ローマ字表記」でなく「英語表記」と言えるかも。

ともかく羽後交通のバス停でローマ字や英語の表示を見たのは初めてだ。英語を小さめにして、日本語の文字サイズをそれほど犠牲にしていないのは、(同社運行エリア内での外国人の利用など知れているだろうから)理にかなっていると思う。
また、右下(黄色い部分)に「担当営業所 本荘営業所 0184-」と、担当する営業所名と電話番号が記載されている。青森の弘南バス、かつての秋田市交通局、そして羽後交通でも、時刻表の紙面に連絡先を記載する会社は多いが、バス停本体に記載しているのは、少なくともこの辺では初めて見た。新たにバス停の看板に記載したのはどういう意図かは分からないが、紙面よりも目につくだろう。

また、秋田市内行きのバス停では、下の黄色い部分に従来は「秋田駅/県立体育館 方面行」と書かれていたのに、新しいものは「秋田 方面行」と記載されている。反対側の「本荘 方面行」に合わせたのかも知れないし、体育館まで行かずに秋田駅止まりの便もあるから、この書き方でいいのだろう。

細かいことだが、従来とは日本語の毛筆書体が若干違っていて、前よりきっちりした(より楷書体らしい)ものになった。

参考までに従来の羽後交通のバス停↓
隣の「新屋駅入口」
秋田市内を運行する緑色のバス会社と比較して、乗客の少なさ、経営状況からすれば、県庁所在地を地盤とせず沿線人口が少ない羽後交通の方が厳しい条件だろう。そんな中、バス停名変更に伴う修正を、時期は遅れてしまったけれどこれだけしっかりやってくれた羽後交通はエライと思う。僕はこの1年で1回しか乗っていないが、もっと利用したくなってしまう。
2社の「日吉神社前」が揃った
それに引き替え、後ろに写っている地元バス会社は、新バス停名をパソコンで作って切り貼りしたような“お手軽版”、営業所名も電話番号も(時刻表紙面にさえ)一切記載されていない。
(「方面」が書かれていないのは、路線数が多くて複雑になりそうだし、以前の市営バス時代からそうだったので仕方ない)

※羽後交通のバス停のその後はこちら

では、信号機の地点名表示はといえば、
相変わらず
いつまでこのままなのかな?
【2010年1月18日】地点名表示が「日吉神社前」に変わっているのを確認。後日記事にします
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秋田限定?

2009-11-10 20:00:26 | ランチパック
先日(こちらこちら)に続いて、ヤマザキ「ランチパック」の秋田版「たけや『フレッシュランチ』」について。
スーパーで2種購入。
ムースチョコ(131円)とレーズンチョコ(137円から2割引)
ムースチョコはヤマザキからも発売されている。袋の「口溶けのよいムースタイプのチョコクリームをサンドしました。」という文言もヤマザキ版とたけや版共通。
キャラクターはたけやオリジナルですが

ところがネットで「ランチパック "レーズンチョコ"」で検索をしても、ヤマザキから発売されているような情報は見あたらない。
ということは、かつての「塩バターキャラメル(当時はたけやでもランチパック名義)」と同様、「レーズンチョコ」は、たけやオリジナル、すなわち秋田県限定のフレッシュランチ(ランチパック)だと思われる
新発売とのこと
甘く深みのあるラムの香りをつけたレーズン入りのチョコクリームをサンドしました。
袋を開けると、ラム酒の香りが漂う。結構本格的かも。
黒っぽいチョコの中にレーズンが入っている
「ムースチョコ」よりもとろっとしており、レーズンがチョコによくなじんでいる。なかなかおいしかった。もっとチョコが多ければうれしいが、技術やコストを考えると仕方ないか。
ムースチョコより6円高いだけだから、僕ならレーズンチョコの方を買う。

ところで、改めて店頭を見てみると、ヤマザキとたけやの間での製品名・ブランドの関係にいくつかのパターンがあるようだ。
 1.ヤマザキのブランドをたけやに変え、商品名はヤマザキと同じ「ヤマザキダブルソフト」→「たけやダブルソフト」【14日訂正】秋田ではダブルソフトを「たけやグルメソフト」として販売している(つまり下記3番目と同じ)とのことですので、勘違いしていたようです。訂正します。→この記事参照
 2.たけやが製造し、ヤマザキブランドで販売「ヤマザキ超芳醇」
 3.ブランド、製品名ともに変える「ヤマザキランチパック」→「たけやフレッシュランチ」
2番目は製造委託、1番目と3番目はたけやが商品名や製造法のライセンスを購入したということなのだろうか?
いずれ、ヤマザキ・たけや間で一括して契約しているわけではなく、この商品は製造委託、この商品はライセンス契約とか商品ごとに違っているのだろうか。よく分からないが複雑。

秋田市民の台所といわれる、秋田駅近くの秋田市民市場内に、たけやの直営店があり、初めて覗いてみた。
フレッシュランチが何種類も整然と棚に並んでいるのを想像して行ったが、実際はバラバラに箱に入っていて、目当ての商品を探すのにとても苦労して、買わずに帰ってきた。店が狭いこともあるが、ドン・キホーテよりも探しにくいかも…
でも、スーパーなどではあまり売られていない商品(特に和菓子系)もあり、品揃えはとにかく豊富だから、それらをじっくり探すのも楽しいだろう。
※続編はこちら
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付加装置付?

2009-11-09 18:58:05 | 秋田のいろいろ
交通信号機の周りには、その信号についての情報を知らせる看板が付いていることがある。「時差式」、「押ボタン式」、「歩車分離式」などがあるが、各都道府県によって形式や文言が微妙に違う。(地点名表示は道路管理者管轄、その他は信号機と同じく警察管轄)

秋田県内には、こんなものがある。左の表示板、何を意味するかお分かりでしょうか?
視覚障害者付加装置付
長い! 文字の高さと間隔を詰めてビチビチで読みにくい。それ以前に「視覚障害者付加装置」とは何ぞや?
運転中にこんなものが出現しても、その意味を理解できるだろうか?
ちなみにこの交差点の場合、全方向の歩行者用信号が一斉に青になる「歩車分離式信号」でもあるが、歩車分離が未設置の県もあるようなので、そこから来たドライバーなどは漢字ばかりで見慣れない内容の2枚の看板にチンプンカンプンになりそう。

本題の「視覚障害者付加装置」とは、歩行者用信号機が青になると音が出る信号機のこと。「盲人用信号」「視覚障害者用信号」「音響式信号」といえば多くの方がお分かりだと思う。つまりメロディや鳥の鳴き声が出る信号機のこと。
 
秋田県では長らく「盲人用信号付」という表記を採用していて、現在もまだ残っている所もあるが、少しずつ「視覚障害者用信号付」に変わっていた。と思っていたら最近、「視覚障害者付加装置付」にさらに変化しているのを発見した次第。まだ秋田市内の2か所の交差点でしか確認していない。

実はこの信号に付属する音の出るシステムの正式名称が「視覚障害者付加装置」らしい(もっと正しくは「音響式視覚障害者用交通信号付加装置」)。
「盲人」が「視覚障害者」に変わったのは全国的・社会的な変化だから別として、「~用信号」と「~付加装置」という、意味の違いとしては些細なものを、なぜわざわざ文字数が多くつぶれた文字で読みにくく、素人には分かりにくい表記にしたのだろう。「付加装置付」と「付」の字が2度も出てきてまわりくどい。東京都などは「音響式」という、簡潔明瞭な表示にしているのに。
警察内部でならともかく、一般人も専門用語を強要させられている。運転免許更新講習なんかで教えてるのだろうか?

というかそもそも車用信号機に歩行者用信号機が音響式であることを明示する意味はあるのだろうか。
音響式装置のない交差点を視覚障害の歩行者が横断することは当然ある。昔と違って音響装置の設置箇所は増えているし、一般人ドライバーの意識も昔よりは向上しているはず。何よりも、障害があろうとなかろうと、車両は歩行者を妨げてはならないはずだから。
各都道府県でなく警察庁のレベルだろうが、見直しをしてもいい時期なのかもしれない。

ところで、
秋田駅そばの「久保田町」交差点
5つも標識があり、一方通行の規制標識・地点名・歩車分離式・時差式・視覚障害者付加装置、を示している。やはり「視覚障害者付加装置付」は際だって文字が小さく読みづらい。
情報が多すぎる。見落としそうだし、真面目に読もうとすれば事故にもなりかねないのでは?
一方、
1つ東隣の秋田駅の真ん前の無名交差点(名前がないのもなんとかならんのか)
1つ看板があるが、
「      」?
こちらは情報がなさすぎる。実は光線状況などでわずかに痕跡が判読でき、「盲人用信号付」と書かれている(いた)ようだ。上記の通り、なくても大問題にはならない表示だが、ドライバーの混乱を招くし、場所柄、駅に降り立った観光客が真っ先に目にする信号であり、テレビの街頭風景の映像でもたまに映るから見栄えが悪い。数年前に信号機をLED化した際など、表示板を更新する機会はあったはず。節約するのもいいけど、本来の機能を発揮できないモノをそのままにしておくのはいいことだとは思えない。


最後に、音響式信号機の音について。
信号機の規格は、警察庁の方針のようなものはあるが、実際に詳細を決定するのは各県警なので、県により微妙に異なる。またいくつかのメーカーがあるので、多少違う。音も同じ。
昔は「通りゃんせ」か「故郷の空」のメロディが流れていたが、現在は全国的に「ピヨ」か「カッコー」という鳥の声に変わりつつある。秋田市内ではすべてが鳥の声に変わっている。青森県弘前市では、一部でメロディが残っている(青森県の更新が遅いのかもしれないし、県庁所在地でないから後回しなのかもしれない)。

なぜ、鳥の声に変わったのかと言えば、ユーザーである視覚障害者の声を聞いたからなのだろうが、最近、秋田市内の一部交差点(南大通りの一部、ニューシティ前など)では、鳥の声ならではの鳴らし方をしている。
それは「異種鳴き交わし」方式という鳴らし方。  ※gif画像のアニメでご説明します。見にくい点はご了承ください。
昔のメロディ式では、当然ながら横断歩道両側の信号機のスピーカーから同じ音が同時に鳴っていた。初期の鳥の声も同様で「ピヨ ピヨ」という具合。
両側から同じ音
しかし、異種鳴き交わし式では、向かい合ったスピーカーが交互に音を出し、しかもそれぞれが別の音。
ちょっと聞いただけでは同じ音に思えてしまうが、よく耳を澄ますと、
「ピヨ ピヨ」ではなく「ピヨ/ピピヨ」、「カッコー」の方は「カッコー/カッカコー」というように。人によって聞こえ方は違うかもしれないが、音源の位置と鳴き方が異なるのは分かると思う。
交互に別の音(これはイメージ画像であり、写真の交差点の実際とは異なります)
異種鳴き交わし式の歩車分離式交差点(ニューシティ前など)では「ピヨ/ピピヨ/カッコー/カッカコー」と4方向のスピーカーが順番に音を出している。
視覚障害を持つ方々は、聴覚が研ぎ澄まされていることもあって、この方式なら従来よりも確実に方向や位置の感覚をつかむことができ、安全な歩行につながるようだ。また、信号機が赤に変わる時(点滅時)に「ピーポーピーポー」と鳴るのも分かりやすい。より一層の普及を期待したい。

ただ、ピヨとカッコーは、同じ町の中で南北と東西方向で統一されているはずだが、秋田市内ではそうでない交差点があるようだ。ユーザーの皆さんが分かっていれば問題はないかもしれないが、直感的でないから統一した方がよさそうな気もする。
ほかにも秋田市の元祖スクランブル交差点である木内前の交差点では、カッコーの側が無音だったり、竿燈大通りなどでは赤信号に変わる30秒くらいも前に鳴くのをやめてしまったりする。つまり、青信号なのに、音だけを頼りにしている人にとっては渡れない(赤信号だと思ってしまう)状況になっているのも気になる。
警察庁が異種鳴き交わしにするように各県警に通達を出しているようなので、時が経てば更新されるのだろうが、頼りにしている人たちが困らないようにしてほしい。
本記事の続きはこちら

【2014年5月13日追記】秋田市内でメロディから鳥の声に変わった(変わり始めた)時期が分かった。
1994年10月10日付「広報あきた」1330号「市内7か所の信号機のメロディーが「ピヨピヨ」「カッコー」に変わりました 」によれば、1994年10月5日から。

「「故郷の空」が「ピヨピヨ」に、「とおりゃんせ」が「カッコー」の鳴き声に変わりました。より聞き取りやすく、また近隣への騒音などにも配慮して変更したものです。」
「東西方向に横断する場合が「ピヨピヨ」に、南北方向に横断する場合が「カッコー」」

当時は「市内には全部で三十五か所に視覚障害者用信号機があり」、この時は「自衛隊入口、かね久前、秋田駅前、JR秋田支社前、北都銀行保戸野支店前、県庁西、県庁前の七か所」が変わった。
「北都銀行保戸野支店前」とは、菊谷小路と千秋トンネル通りの交差点。現在は警察では「たばこ会館前」と呼んでいるよう(入札資料等において)だが、一般人には普及していない。銀行は現在は駐車場になっている。「かね久前」ってのはどこ?

【2023年9月7日追記】秋田魁新報より2023年時点の秋田県内の設置数について。
県内の信号機約1900台のうち142台に(音響式装置が)設置されている。※ここでの「台」とは「箇所」を指すと考えられる。
この時(2023年9月6日)には、スマートフォンアプリで信号の色を知らせる「信GO!」が、社会福祉会館前交差点に初めて導入された。導入費用は信GOが(交差点1か所ごとの発信システムの費用だと思われる)約200万円で、音響式より50万円ほど高いとのこと。
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