7月末の宮城旅行記は、若干残りがあるのですが、その帰り道を先に。
雨から逃れるために、早めに秋田へ向かったのだが、北上か盛岡での待ち時間が1時間ほどできる。盛岡も北上も降りたことがあったので、それ以外のどこかで降りて時間をつぶそうと考えた。
その日は28日。イトーヨーカドーで5%引きになる。数少なくなったイトーヨーカドーがあるのが、岩手県花巻市。イトーヨーカドー花巻店は、東北本線花巻駅から歩いて10分ほどのところにあるようだ。
花巻市は、花巻温泉には泊まったことがある、市街地から離れた宮沢賢治記念館にも行った気がする。
でも、駅も市街地も訪れたことはなく、長いソフトクリームが有名なマルカンデパート大食堂(百貨店としては廃業、食堂が復活)があるくらいしか知らなかった。降りてみよう。
東北本線で北上から間もなく、花巻駅。東北新幹線の新花巻駅は、花巻で乗り換えて釜石線にある。
県庁所在地でない市の駅としては、平均的規模で、乗降客はやや多い印象を受けた。駅業務は、2017年にJR直営から子会社委託になっているとのこと。
メインの東口
駅前は「街」というほどではなく、思いのほかこぢんまり。ここから南へ500メートルほど行くと、市役所やマルカンデパートなどがある市街地のようだ。市街地の外れに駅があるのだろう。
イトーヨーカドーは東方向。道はまっすぐでないので、下調べしたほうが無難だけど、迷うほどではない。ヨーカドーからさらに1キロ先を北上川が流れており、そこへ向かってけっこうな傾斜がある道。
ちなみに、北上川のその付近が、宮沢賢治がイギリスの海岸のようだと命名した「イギリス海岸」。今は、通常は水の中で、見てもあまりおもしろくないらしい。年に1回、ダムを調節して川底を露出させる試みが行われるが、成功するとは限らないそうだ。
「坂本町」交差点で広い道に出て、小さい川を渡った左側にイトーヨーカドー。その向かいには、木が茂って小高くなった公園のようなものもあって、それが花巻城跡。花巻が城下町という印象がなかったし、こんな場所にあるというのも意外。
ヨーカドーと城跡
先に花巻城跡から。
秋田市の千秋公園ほど高くはないが、それなりに上ったところ。
その名も「市立花巻小学校」という学校があり、宮沢賢治の母校。宮沢賢治の生家はマルカンデパートの近くだそうで最初に入学したのは別の小学校らしい。尋常高等小学校とかいろいろ複雑でよく分からないが、とりあえずここを卒業したようだ。
城跡は狭く、小学校の向こう側には、すぐにまた住宅や公共施設が並ぶ。
塀や門は城跡の風情
いちばん高いところが本丸跡だけど、
一面の草地
本丸跡からイトーヨーカドー花巻店を見下ろす
旧秋田店や弘前店など、イトーヨーカドーといえば、高いビルを連想してしまうけれど、花巻店は2階建てで、前に広い平面駐車場がある。
1988年オープンだから、秋田や弘前よりは新しい造りのヨーカドーということだろう。
中はわりと広く、にぎわっていた。手押しドアの押す部分が、陶器に着色したヨーカドーの鳥マーク(昔のロゴ)になっていたのがかわいかった。
オリオンベーカリーのパンなどを買って、降りた甲斐があったと満足。
その他、いろいろ。
城跡とヨーカドーの間に(というか小学校の通学路か)、押しボタン式信号。
押しボタンが2つ
一般的な黄色い押しボタン箱とともに、白い箱もある。白い箱は秋田でもたまにある「交通弱者用」押しボタン。押すと、歩行者用青信号の時間が延長され、高齢者や足腰の悪い人でも、余裕を持って横断できるという仕掛け。
秋田では「からだの不自由な人用」的な看板は出ているものの、押すとどういうことが起きるのか説明がない。必要とする人が意味を分からなくて押すのをためらったり、反対にやみくもに押してしまう人もいる。
岩手県では「ひとにやさしい信号」と銘打った上、「押すと青時間がながくなります」と、押した結果を明確に表示していた。分かりやすくていい。
花巻市議会議員選挙中だった。
選挙ポスター掲示場
秋田市と同じような、木目がむき出しの掲示板。投票日の下を見ると、
「この掲示板は花巻市産杉間伐材を使用しています。」
秋田市でも、秋田産(秋田市産限定ではないかも)の杉間伐材を使っているのだが、掲示板面にはその旨の表示がない。秋田市では表示しない方針(選挙と無関係の文言は表示できないととらえている)らしい。花巻市は(松江市なども)こうして表示できているのに。
上の本丸跡から見下ろした写真に写っている、小さな川。北上川に注ぐ「後川」。小さくても一級河川の支流だから、これも一級河川で、岩手県に管理が委任されている。
川沿いに看板が立っていた
岩手県の地域ごとの出先機関は「地方振興局」と呼ぶようだ。秋田県では「地域振興局」、青森県では「地域県民局」に相当。
そして絵入りの看板。※シールが貼られているが、イタズラ等でなく、河川に関係した何かの告知がはがれかけているもの。
見覚えのあるタッチと文
秋田県と青森県のものを紹介したことがあった、河川愛護看板のさらなるバリエーションだ。
「川はみんなのものです/ふるさとの川を守り/美しい川にしましょう/○○県」という言い回しは、秋田でも青森でも見られたが、ここのは文が同じで絵は別で、初めて見るもの。
若干気持ち悪い魚が、空き缶が3つ捨てられるのを見て、なぜかどこかうれしそうにしている。
上のカプセル型の中は、秋田と青森では絵・文章違いを含めても「川をきれいにしましょう」しか見たことがなかったが、これは「ゴミを川に捨てないで下さい」。
少なくとも東北地方では、県に関わらず、このシリーズの看板が設置されているようだが、バリエーションはまだほかにもありそう。
花巻駅前(東口側)
イトーヨーカドー花巻店前
市街地の歩道上に、ぽつんと看板が置かれていた。
昔は秋田にもあったはずだけど今は見かけず、八戸や盛岡では今も現役の「学童注意」の広告入り看板。
さらに南の花巻にも分布していた。どちらも置き方がちょっと微妙で、目立たない感じはしたけれど、広告からして現役でしょう。
花巻駅前のものは、台座も蛍光色で、横断旗挿し付きと、新しいタイプ。「南部せんべい巖手屋」がスポンサー。
片面は新しいイラスト
八戸にあったのと似ているが、男の子が右手に持つものが違う。八戸のはそろばんが入った手提げ袋だったのが、ここでは横断旗。そういえば2人とも服に「P」と書いてあるのはどういう意味?
もう片面はおなじみの例のイラスト
ヨーカドー前は台座や枠は古そうだが、広告面はほとんど劣化していないし、書体も新しいものと同じ。
こちらは裏表同じ例のイラスト
ここはスポンサー名が「寄贈」となっていて、「岩手銘菓(株)回進堂 岩谷堂ようかん」。「イトーヨーカドー・キヨスク」と発売箇所も宣伝している。ただし、JR東日本になってからは「キオスク」が正当だし、現在は花巻駅はNewDaysになっている。
回進堂は奥州市江刺の店だそう。岩谷堂羊羹の名は、ケーブルテレビで見る岩手放送のCMで知っていた。この時は気付かなかったけど、ヨーカドーに売っているのなら、買えばよかった!
暑い中、短時間ながら充実した花巻探訪だった。いつか中心部やイギリス海岸にも。
雨から逃れるために、早めに秋田へ向かったのだが、北上か盛岡での待ち時間が1時間ほどできる。盛岡も北上も降りたことがあったので、それ以外のどこかで降りて時間をつぶそうと考えた。
その日は28日。イトーヨーカドーで5%引きになる。数少なくなったイトーヨーカドーがあるのが、岩手県花巻市。イトーヨーカドー花巻店は、東北本線花巻駅から歩いて10分ほどのところにあるようだ。
花巻市は、花巻温泉には泊まったことがある、市街地から離れた宮沢賢治記念館にも行った気がする。
でも、駅も市街地も訪れたことはなく、長いソフトクリームが有名なマルカンデパート大食堂(百貨店としては廃業、食堂が復活)があるくらいしか知らなかった。降りてみよう。
東北本線で北上から間もなく、花巻駅。東北新幹線の新花巻駅は、花巻で乗り換えて釜石線にある。
県庁所在地でない市の駅としては、平均的規模で、乗降客はやや多い印象を受けた。駅業務は、2017年にJR直営から子会社委託になっているとのこと。
メインの東口
駅前は「街」というほどではなく、思いのほかこぢんまり。ここから南へ500メートルほど行くと、市役所やマルカンデパートなどがある市街地のようだ。市街地の外れに駅があるのだろう。
イトーヨーカドーは東方向。道はまっすぐでないので、下調べしたほうが無難だけど、迷うほどではない。ヨーカドーからさらに1キロ先を北上川が流れており、そこへ向かってけっこうな傾斜がある道。
ちなみに、北上川のその付近が、宮沢賢治がイギリスの海岸のようだと命名した「イギリス海岸」。今は、通常は水の中で、見てもあまりおもしろくないらしい。年に1回、ダムを調節して川底を露出させる試みが行われるが、成功するとは限らないそうだ。
「坂本町」交差点で広い道に出て、小さい川を渡った左側にイトーヨーカドー。その向かいには、木が茂って小高くなった公園のようなものもあって、それが花巻城跡。花巻が城下町という印象がなかったし、こんな場所にあるというのも意外。
ヨーカドーと城跡
先に花巻城跡から。
秋田市の千秋公園ほど高くはないが、それなりに上ったところ。
その名も「市立花巻小学校」という学校があり、宮沢賢治の母校。宮沢賢治の生家はマルカンデパートの近くだそうで最初に入学したのは別の小学校らしい。尋常高等小学校とかいろいろ複雑でよく分からないが、とりあえずここを卒業したようだ。
城跡は狭く、小学校の向こう側には、すぐにまた住宅や公共施設が並ぶ。
塀や門は城跡の風情
いちばん高いところが本丸跡だけど、
一面の草地
本丸跡からイトーヨーカドー花巻店を見下ろす
旧秋田店や弘前店など、イトーヨーカドーといえば、高いビルを連想してしまうけれど、花巻店は2階建てで、前に広い平面駐車場がある。
1988年オープンだから、秋田や弘前よりは新しい造りのヨーカドーということだろう。
中はわりと広く、にぎわっていた。手押しドアの押す部分が、陶器に着色したヨーカドーの鳥マーク(昔のロゴ)になっていたのがかわいかった。
オリオンベーカリーのパンなどを買って、降りた甲斐があったと満足。
その他、いろいろ。
城跡とヨーカドーの間に(というか小学校の通学路か)、押しボタン式信号。
押しボタンが2つ
一般的な黄色い押しボタン箱とともに、白い箱もある。白い箱は秋田でもたまにある「交通弱者用」押しボタン。押すと、歩行者用青信号の時間が延長され、高齢者や足腰の悪い人でも、余裕を持って横断できるという仕掛け。
秋田では「からだの不自由な人用」的な看板は出ているものの、押すとどういうことが起きるのか説明がない。必要とする人が意味を分からなくて押すのをためらったり、反対にやみくもに押してしまう人もいる。
岩手県では「ひとにやさしい信号」と銘打った上、「押すと青時間がながくなります」と、押した結果を明確に表示していた。分かりやすくていい。
花巻市議会議員選挙中だった。
選挙ポスター掲示場
秋田市と同じような、木目がむき出しの掲示板。投票日の下を見ると、
「この掲示板は花巻市産杉間伐材を使用しています。」
秋田市でも、秋田産(秋田市産限定ではないかも)の杉間伐材を使っているのだが、掲示板面にはその旨の表示がない。秋田市では表示しない方針(選挙と無関係の文言は表示できないととらえている)らしい。花巻市は(松江市なども)こうして表示できているのに。
上の本丸跡から見下ろした写真に写っている、小さな川。北上川に注ぐ「後川」。小さくても一級河川の支流だから、これも一級河川で、岩手県に管理が委任されている。
川沿いに看板が立っていた
岩手県の地域ごとの出先機関は「地方振興局」と呼ぶようだ。秋田県では「地域振興局」、青森県では「地域県民局」に相当。
そして絵入りの看板。※シールが貼られているが、イタズラ等でなく、河川に関係した何かの告知がはがれかけているもの。
見覚えのあるタッチと文
秋田県と青森県のものを紹介したことがあった、河川愛護看板のさらなるバリエーションだ。
「川はみんなのものです/ふるさとの川を守り/美しい川にしましょう/○○県」という言い回しは、秋田でも青森でも見られたが、ここのは文が同じで絵は別で、初めて見るもの。
若干気持ち悪い魚が、空き缶が3つ捨てられるのを見て、なぜかどこかうれしそうにしている。
上のカプセル型の中は、秋田と青森では絵・文章違いを含めても「川をきれいにしましょう」しか見たことがなかったが、これは「ゴミを川に捨てないで下さい」。
少なくとも東北地方では、県に関わらず、このシリーズの看板が設置されているようだが、バリエーションはまだほかにもありそう。
花巻駅前(東口側)
イトーヨーカドー花巻店前
市街地の歩道上に、ぽつんと看板が置かれていた。
昔は秋田にもあったはずだけど今は見かけず、八戸や盛岡では今も現役の「学童注意」の広告入り看板。
さらに南の花巻にも分布していた。どちらも置き方がちょっと微妙で、目立たない感じはしたけれど、広告からして現役でしょう。
花巻駅前のものは、台座も蛍光色で、横断旗挿し付きと、新しいタイプ。「南部せんべい巖手屋」がスポンサー。
片面は新しいイラスト
八戸にあったのと似ているが、男の子が右手に持つものが違う。八戸のはそろばんが入った手提げ袋だったのが、ここでは横断旗。そういえば2人とも服に「P」と書いてあるのはどういう意味?
もう片面はおなじみの例のイラスト
ヨーカドー前は台座や枠は古そうだが、広告面はほとんど劣化していないし、書体も新しいものと同じ。
こちらは裏表同じ例のイラスト
ここはスポンサー名が「寄贈」となっていて、「岩手銘菓(株)回進堂 岩谷堂ようかん」。「イトーヨーカドー・キヨスク」と発売箇所も宣伝している。ただし、JR東日本になってからは「キオスク」が正当だし、現在は花巻駅はNewDaysになっている。
回進堂は奥州市江刺の店だそう。岩谷堂羊羹の名は、ケーブルテレビで見る岩手放送のCMで知っていた。この時は気付かなかったけど、ヨーカドーに売っているのなら、買えばよかった!
暑い中、短時間ながら充実した花巻探訪だった。いつか中心部やイギリス海岸にも。