広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

最後のポプラ

2015-04-30 23:06:11 | 動物・植物
秋田市立保戸野(ほどの)小学校には、シンボル的存在の木が2つあった。
正門横の「ニレの木」(個人的推定では標準和名「ノニレ」)とグラウンドの「ポプラ」である。
ニレは相変わらず元気そうで、今春も若葉を出し、(葉より先に地味な花が咲くので)種子を落としている。

問題はポプラ。
現在は公式にはニレをシンボルツリーとしているようだが、学校の歴史上はポプラをメインのシンボルツリーに位置づけていた時期もあり、卒業生の中にはポプラのほうに思い入れがある人も多いはず。
30年以上前はグラウンドの周囲3方がポプラの並木で囲まれていたそうだが、後に順次伐採され、現在は南側の隅にわずか2本だけ残っていた。【5月1日追記】ほとんど伐採されたのに2本残った理由は不明。比較的短いというポプラの寿命によるものかもしれないが、同じ樹齢であったはずの2本だけが残った説明はつかない。あるいは、ポプラは雌雄異株で、メスの木からは綿毛が飛ぶ。それが問題になったこともあったそうでその対策かもしれない。残った2本はオスの木らしく綿毛は飛ばしていなかった。でも、あんなにあった全部がメスだったとも考えにくい。近隣住宅の日照権が問題になるほどでもなさそうだし。
(再掲)
その2本のポプラは、2013年の5月に枝がすべて払われ、その後新芽が伸びたものの秋に再び枝を落とされてしまった。
ポプラは放っておくと枝が落ちやすく危ないそうで、強めに剪定を行って新たな枝を伸ばす管理方法が取られるそうだ。でも、1シーズンに2回もそれを行うのは、木に負担がかかるのではないかと心配していた。
(再掲)
その後、翌2014年の春には、1本はほんのわずかに枝と芽が出て、もう1本はまったく芽が出ず、そのまま冬を迎えた。さらに2015年の春も同じ状態であり、上の写真とほぼ変わらない状態が1年以上続いていた。不安は的中してしまった。
季節のある場所で生育する落葉樹が、季節が一巡以上しても葉を出さない(もしくはほとんど出さない)ということは、植物にとって致命的だと思う。蓄えた栄養分を使い切ったから葉を出せないのだろうし、葉がなければ光合成ができないから栄養を作れず、植物は死んでしまう。

樹皮が前より白っぽくなって乾いているようにも見えたし、一部の樹皮がなくなっている(はがれ落ちた)所もあった。
つまり、「枯れた」かそれに近い状態のようにも思われた。上がこうでは根も正常ではないだろう。

枯れ木同然となった木をグラウンドに生やしておいては、腐食するなどして何かの拍子に倒壊する可能性があるかもしれない。運悪く、グラウンドにいる児童や道路の通行人に当たったりしたら…
枯れていないポプラでも、比較的倒れやすい木で、北海道大学のポプラ並木が通行止めにされたり、広島県内の公共施設では倒れて死傷者を出した事例もある。(ポプラ以外でも類似事例はあり、ポプラがとても危険な木だということではない。種の性質に応じた管理が必要だということ)
また、仮にもシンボルツリーであったポプラのこんな姿をいつまでもさらしておくのは、忍びなくも感じられた。


そして、
切り株に
4月25日に伐採が行われた。あのような状態であった以上、妥当な措置だと考える。(こうなった原因であろう、1シーズンに2度も枝払いを行ったことについては疑問だが)
ただ、これで保戸野小学校からポプラの木がすべてなくなってしまったことになるはず。
 
グラウンド内から見て左側(児童館寄り)の木はほぼ完全に枯れ、右側の木はわずかに葉を出していたのだが、切り株の状態はどちらもほぼ同じだった。
切り株を見る限り、内部は極端な乾燥または腐食は認められず、青臭い(動物園の草食動物舎のような)臭いがした。
切り株の切断面は、どちらの木も直径90センチ前後もあった。数えられるような年輪は認められなかったが、ポプラは生長が速いからだろうか。


以前はぐるりとポプラ並木だったはず
かつてポプラがあった場所には、先代校舎時代に校庭にあった木が移植されたのか、現在はソメイヨシノやイチョウなどが植えられている。
古い切り株
今回伐採されたポプラの隣には、以前に伐採されたポプラのものと思われる切り株が朽ちつつあった。



なくなった木を今さらどうしようもないけれど、このポプラの「種(しゅ)」は何だったのか。
「ポプラ」というのはいくつかの種の総称。マダイもクロダイも「鯛」と呼ぶようなもの。
ポプラの場合、種の識別は難しく、種間雑種も存在し、専門家でも統一見解が定まっていないという。

一般には「セイヨウハコヤナギ(イタリアポプラ)」やその雑種がポプラの正体であることが多いそうだ。根元近くから枝分かれし、縦に長い樹形で、樹皮は比較的つるりとしている。北大の並木のほか、秋田市の城東中学校、山王中学校隣の公園のポプラがそれっぽい。
だけど、保戸野小学校のポプラは、樹形が違った。これは剪定方法などでなく、種の違いだったようだ。
(再掲)風にそよぐ葉の音が印象的だった
わりと上のほうから枝分かれし、横に広がっている。樹皮は縦方向にゴツゴツした凹凸があった。
おそらく「改良ポプラ」と呼ばれる雑種だったのではないだろうか。
「改良ポプラ」の定義には「イタリアポプラを品種改良したもの」「イタリアポプラなどヨーロッパ系とアメリカ系ポプラを交配したもの」など諸説あるようだし、それ以前にひとくちに改良ポプラといっても複数の系統があるとか。(Wikipediaでは品種改良されたポプラの総称が「改良ポプラ」だとしている)

ここにこういうポプラがあったことを記録しておきます。
※その後、秋田市内でこれとよく似たポプラを見つけた
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JR関連いろいろ

2015-04-29 22:47:20 | 秋田のいろいろ
秋田駅や周辺のJRの話題。
●杉の駅@改札内
県から委託を受け、秋田公立美術大学が行っている「市街地木質化実証モデル事業」の一環として、秋田駅の中央改札周辺が杉で装飾されている。
その改札内側の様子。
在来線改札内のいちばん奥から改札口側
悪くはないけれど、前回も述べたように天井などは従来のままなので、中途半端というか物足りない感じ。
謎の窓口は板で塞がれたまま
改札外側の発車標の上に、再び広告が掲出された。上の写真左にその裏側が写っている。

【5月10日追記】ゴールデンウイーク明け頃、予想通り駅弁屋がこの窓口に移動。従来の店は撤去された。(5月9日に確認)この記事中ほど参照。


●ホームの放送
以前コメントでやり取りがあったように、3月のダイヤ改正時から、秋田駅ホームの自動放送が更新された。
まだじっくり聴く機会がないけれど、内容はあまり変わっていないはず。奇数ホームの男声、偶数ホームの女声とも、しゃべっている人(声)が変わった。

先代の放送は、おそらく秋田駅が現駅舎になった1997年かそれ以前から使われていたはず。
パーツごとに収録した音声を組み合わせて流す自動放送では、新しい列車名などが登場する度に、同じ人にしゃべってもらわないとちぐはぐな放送になってしまう(たまにあるけど)。ナレーターと“長期契約”が必要。
今改正の秋田駅では、新たな列車名などの追加はなかったはずだけど、他の駅との兼ね合いか何かで更新に至ったのだろうか。

男声は、従来よりも落ち着いた声になった。その分、メリハリがないようにも感じられ、特に男鹿線の気動車が停車中は、そのアイドリング音にかき消されて聞き取りづらいこともあるような気がする。
JR北海道の特急列車の車内放送も、ぼそぼそとしゃべっていて聞き取りにくいと思うが、そこまでではないけれど。


また、ネット上では、発車メロディーも曲自体は同じだが、更新されたのではないかという情報もある。
秋田駅では、自動放送と同じ頃から、東洋メディアリンクス製の「Water Crown」という曲を使っている。
Water CrownはJR東日本エリア内で広く使用されているが、いくつかのバージョンが存在する。音色違いとか、最後のトレモロみたいな部分がカットされるもののほか、キーが違う(半音高いとか低いとか)ものもあるそうだ。
秋田駅ではダイヤ改正からキーが変わったのか、あるいは機器の更新で音質が変わったのか、変わっていないのか。僕の耳では判断できない。

さらにネットの情報では、少なくとも改正前は、トレモロ部分の長さ(つまり曲の終わり)が一定していなかったそうだ。
首都圏の駅では、車掌が状況に応じてメロディの再生/停止スイッチを操作するので、途中で切れることが多い。秋田駅では、時間になると勝手に流れる(?)ので、必ず1曲がフルで流れている。だから曲の終了位置は同じだと思っていたが、そうではなかったようだ。
情報では「ホームごとに長さ(終わりの位置)が違う」説と、「同じホームでも毎回(=列車ごとということか)長さが違う」説がある。


●完全感熱紙化
JRの長距離きっぷは、インクリボンで印字する方式から、近距離きっぷと同じ感熱紙を使った方式へシフトしつつあった。
秋田駅では、2009年にみどりの窓口が感熱紙になり2012年にクレジットカード専用指定席券売機1台が感熱紙式で新設されていた。びゅうプラザも感熱紙。

みどりの窓口内にある3台の指定席券売機だけがインクリボン式で残っていたが、いつの間にか新しい感熱紙の機種に更新されていた。
僕は並ばずにすぐ使える事が多い、外のクレジット専用機を使うことが多いので、気づかなかった。昨年秋(10月?)には更新されていたらしい。

秋田駅の指定席券売機は、2002年に「えきねっと割引(現在は廃止)」が始まってしばらくしてから(当初は別に受取専用機があった)設置されたはずだけど、その時からずっと同じ機械だっただろうか。【30日追記】設置・稼働直後に案内の駅員から「九州新幹線の指定券は取れません(後に対応)」と説明を受けた覚えがある。九州新幹線開業は2004年3月なので、その頃の設置かもしれない。
以前の機種は「MV-30」形。新しいものは「MV-50」だそうで、画面のフォントがきれいになったり(従来はいかにもWindowsの書体)、暗証番号のテンキーの目隠しの角度が変わったり(ちょっと邪魔)していた。気づかなかったけどQRコード読み取り部(使用目的不明)もあるそうだ。
従来は「秋田駅MV-1~3」だった券面の発行箇所は「秋田駅VF-1~3」と印字される。

なお、みどりの窓口外のクレジット専用機は「MV-35」形のまま。


●謎の節電終了
これもいつの間にかの変化。
東日本大震災直後から、JR東日本では普通列車車内の蛍光灯の一部を間引いていた(滅灯)。
電力会社から供給される電力で点灯する電車で行うのならば、節電の意義は分かる。
しかし、男鹿線などの気動車(ディーゼルカー)でも、同じように間引いているのが理解できなかった。燃料の軽油の節約にはなるだろうけど、電力会社とは無関係であり、「震災で原発が止まったので、できるだけ電力会社の電気を使わない」という本来の節電の目的とはかけ離れたパフォーマンスのように感じられてしょうがなかった。別段暗くて困るというわけでもないけれど。
一方で、ガラガラの特急電車はフル点灯だし、山手線の新型車両は中吊り広告の代わりに液晶ディスプレイを並べるそうだし、節電するならそっちを…とも思っていた。

たしか3月に男鹿線に乗った時は、まだ間引いていたかと思う。
今日、久しぶりに乗ったら、間引きをやめてフル点灯していた! 4年ぶり。
2本の列車でそうだったから、たまたまではなさそう。

701系電車のほうは、どうだったかな? 慣れてしまって乗っても意識していないもんだ。
なお、開始当初は「昼間の列車で明るい場所では全部の蛍光灯を消灯する」ことが行われていたが、わりとすぐやらなくなった。
それと、701系では滅灯する蛍光灯自体を取り外していたが、男鹿線のキハ40系では取り付けたまま消していた。国鉄仕様の車両だから、夜行列車の運用に備えてスイッチで滅灯できたようだ。【30日追記】キハ40系では使うことはまずない無駄な装備だったはずだが、今になって役立っていたことになる。701系ではそんな無駄な装備はないのだろう。
【2018年12月11日補足】↑キハ40系では、車両単位で一部の蛍光灯を消せる滅灯モード的なものがあるのかと思っていた。しかし車両の蛍光灯灯具を観察すると、1台ごとに出っ張った側面に小さなON/OFFスイッチが付いていた。それを使って個別に消していたのだろう。




弘前へ行って来ました。
ソメイヨシノは案の定、散っていた。
追手門付近の外濠の花筏

本丸は、
枝垂れ桜が見頃

そして、今年しか見られない、
工事で埋め立てた内濠を開放した「内濠ウォーク」から見上げる天守
詳細は後日。→この記事から順次。

見頃を過ぎたから地元の人はあまり行かないのか、中心部の道路も公園内もさほど混雑していないような気がした(連休後半は増えるかも?)。
曳き屋を控え、今の位置の天守は当分見納めで、内濠ウォークは今年のさくらまつり期間中限定だから、それを目当てに行っても損はしないかもしれない。連休後半はリンゴの花も咲く。

メモ。
・内濠ウォークは光線の関係上、昼前がいいかも。午後だと逆光。
・公園直行シャトルバスの弘前駅発は、基本的に満員になるまで出発しないので、座れたはいいが待たされるか、立って乗車する可能性がある。さくらまつり期間中は、一般路線バスも公園までは100円で乗れるので、そっちは立つことはまずないのでおすすめ(路線や降車バス停に注意)。【2日追記・駅頭で弘南バス社員が直行バスへ誘導する呼び込みを熱心に行っているが、惑わされない(?)ように!】
・弘南鉄道大鰐線の中央弘前駅下車客への公園入場無料措置は、発券方式が若干変更。金融機関窓口の整理券のようなレシートタイプの券になった。画面にタッチすると券が出てくる。
・583系電車による臨時快速「弘前さくらまつり号」の座席配置。ボックスシートなのでボックス単位でABCDが振られる。数字が同じなら同じボックス。窓際はA席とD席で、指定席では各号車とも下りA席、上りD席が進行方向向き。「えきねっと」で上りを予約すると、逆向きのA席から優先的に割り当てられてしまうようだ。
【30日追記】
・内濠ウォークは場合によっては入場制限するらしいが、収容力が大きいのでまずないだろう。出入口付近に緩い坂があり、あとは平坦。車いすの人もいた。工事現場用のマットが敷かれ、右側通行で突き当りで折り返して戻るコース。コースを外れて写真を撮る程度は可能。
・有料区域内の天守は、中が空の状態で公開。こちらも入場規制(入城規制?)があり、20人くらいが待たされていた。待ち時間はさほどでもなさそう。ただし、曳き屋先でも公開は継続され、今後はずっと展示物を入れないで公開するそうなので、今、無理に入らなくてもいいかもしれない。
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桜の次は

2015-04-26 23:04:12 | 秋田の季節・風景
先週中頃から雨は降らず、この先もしばらくは晴天が続きそう。
秋田市はソメイヨシノが散って、次の花々の季節へ。
以前紹介した、千秋公園裏側にある大きなカスミザクラもしくはオオシマザクラが、今、満開。
 真っ白
近くで見るには位置が高すぎる。遠くから見たほうがいい。



秋田市中央部の北側・泉地区の遊歩道「ハミングロード」では、花盛りを迎えつつある。(以前の記事
枝垂れ桜は終盤

ハミングロードの目玉は、地元の人たちと泉小学校の児童が育てる果樹。
リンゴの花は、
ジョナゴールドが1輪だけ咲いていた
リンゴは品種によって開花時期が少し違い、収穫時期が遅い晩生品種ほど、花も遅く咲く傾向がある。
数品種が植えられているハミングロードでは、ふじなどはまだつぼみ。唯一、ジョナゴールドだけが、まさに今咲き始め。
リンゴは花の色も品種で微妙に異なり、ピンクっぽいものと白いものがあるが、ジョナゴールドはいかにもリンゴの花という雰囲気でかわいらしい。

リンゴの向こうには真っ白い花
隣の梨が満開。

品種は全部「幸水」かな。


ナシってリンゴより遅く開花するものだと思い込んでいたけれど、リンゴより先なのか!
昔、1度だけナシの摘花作業(リンゴとはやり方が微妙に異なる)をほんの少しだけやった経験があるのだけど、すっかり忘れていた。
純白の花
桜やリンゴと同じく、ナシもバラ科植物だから花弁は5枚かと思っていたが、これは7~8枚はある。ナシはこういうものなんだそう。「二重咲き」なのかな?(これも忘れてた)
おしべがピンクだったり黒だったり黄色だったりいろいろだが、これは生長の度合いの違いだろうか。
ナシの花は純白できれいだけど、花弁が角張っていたり、おしべの特に黒い色がアクセントになって、ちょっとキツイ印象を受ける。ニオイもあまり「良い」とは言えない(リンゴはいい香りがする)。
花としてはリンゴのほうが好き。


秋田市の他の植物の状況。
見頃:ハナモモ、ユキヤナギ(大野は今年はあまり咲いてなさそう)、ヤマブキ
咲き始め~これから:ハナカイドウ(リンゴの仲間)、ハナズオウ、カンザン(関山・濃い花色の八重桜)

芽吹きはケヤキはだいぶ進んで、イチョウは出始め、エノキはまだ。

【5月2日追記】4月末になると、ハミングロードのリンゴは全品種が咲きそろった。「千秋」がいちばん遅い(ふじや王林よりも)ようだ。ナシもまだ咲いている。



午後の秋田駅西口大屋根下
ぞろぞろと行列が移動していた。
お神輿!
千秋公園にある彌高(いやたか)神社のお神輿。
「神輿渡御祭」で、神社で祀っている平田篤胤の生誕の地(秋田予備校の横)を出発し、アゴラ広場、エリアなかいちを経て神社へ至るルート。
秋田ではお神輿が出るお祭りは多くはない。彌高神社のもわりと最近始まったものかもしれない。
5月1日・2日には神社でお祭りが開かれる。
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もう1つの面影橋

2015-04-24 00:06:17 | 秋田の地理
秋田市八橋(やばせ)の草生津川(くそうづがわ)に架かる、旧羽州街道・旧国道(現在は秋田市道)の橋が「面影橋(おもかげばし)」。
バス停もあるし、無名交差点が多い秋田では珍しく交差点の名称(橋の東詰)にもなっており、規模のわりには知名度の高い橋であろう。

現在は、200メートル強上流に幅が広い「やばせ橋」が開通してはいるが、それでもなお、面影橋を通行する車は少なくない。
上流側から。左の対岸が面影橋交差点
橋はカーブしており、西側から進むと面影橋交差点の信号が見づらいため、対岸の西詰側に予告信号が設置されている。今は予告灯もフラット型に更新されていた。
「おもかげはし」
橋の銘板の仮名表記では「~ばし」ではなく濁らない「~はし」とするのが一般的。


さて、面影橋という、なんとなくいわくありげな名前には、伝説というか言い伝えがある。
江戸時代、この近くに久保田藩の処刑場があった。そこへ連れて行かれる罪人が、この橋の上で、川面に映る最期の自分の姿(面影)を眺めた。というもの。
少なくとも、現代の日本語における「面影」の意味とは少し違う気もしなくはないが、いちおう公式な言い伝え(?)になっているようだ。

この由来を聞いて、秋田以外の方は「おや?」と思われたかもしれない。
東京都新宿区(かな?)の神田川に「面影橋」という橋があり、その由来とまったく同じ話なのだ。※東京の面影橋の由来は他の説もあり。
都電荒川線に「面影橋」という停留所もあり、ネットで「面影橋」だけで検索すると東京の面影橋ばかりがヒットする。

秋田と東京でまったく同じ話があって、たまたま同じ名前の橋になったのか。それとも、たまたま処刑場の近くに橋があったから…とどちらかから話を持ってきて、後付けで名付けられた橋なのか。
【2023年11月3日追記・似たようなもので「泪橋/涙橋」というのも、東京のほか全国に存在する。】


ここから本題。
川がカーブし、大きな道路からは並木や家並みで隠れてよく見えないので知らない人が多いと思われるが、面影橋の下流160メートルほどの所にも、橋が架かっている。
この橋。奥に面影橋が少し見えている
この橋の名前は、
 「下面影橋」
ガードレールを高欄代わりにしていて、そこに小さな銘板が付いていた。(面影橋もガードレールを使っているが、上の写真の通り、銘板は石に付いている)
ひらがなは「しもおもかげばし」と、珍しく「はし」ではなく濁っている。【24日追記】一般的には河川名称や竣工年月の銘板も設置されるが、ここにはないようだ。

下面影橋の由来は「面影橋の下流に架かる橋だから」ということだろうから、「面影橋ありき」の命名である。
駅とかバス停ではそういう命名方法があるけれど、橋の名前では他にあるだろうか。秋田市では旭川に「下新橋」があるが、対応する「上新橋」などは存在しないし。
旧道の「○○橋」に対して、バイパスに「新○○橋」があるケースはあるが、上とか下とか位置関係を明確にしたものはあまりないかもしれない。


下面影橋の西(北?)岸側は小さい山。周囲の建物は限られている。堤防の歩行者通路(コスモスロードの一部)はどの方向にも進めるが、車は西詰で下流方向へ左折しかできず、しかもその先で実質的に行き止まり。
したがって、西詰すぐにあるアパート、左折した所の秋田市農林部庁舎、行き止まりにある秋田市上下水道局八橋庁舎(昔の下水道部)・八橋下水道終末処理場へ用のある車しか渡らない橋ということになる。
【25日追記】農林部庁舎は「秋田市役所八橋別館」という名称だそう。毎年春には、東北森林管理局と合同で山火事防止パトロールの出発式が庁舎前で開催されており、今年は23日に開催。報道によれば森林パトロールカーなど多くの車が出発していったので、おそらく下面影橋を渡ったのだろう。
Googleマップより。青い線はストリートビュー
上の地図の赤い「×」が行き止まり地点。ストリートビューはそこで引き返している。

橋の上に2つの看板
橋の上のガードレールの外側というちょっと変わった位置に2つ看板が付いている。1つは終末処理場と農林部への案内。もう1つは、薄れているけど「通り抜け禁止」。
「通り抜け禁止」は下面影橋を渡るなという意味ではなく、渡った先、行き止まりの所で上下水道局敷地内に入り込んで国道7号線(臨海バイパス)へ通り抜けるのを禁止するという意味なんだろう。
なお、歩行者は堤防を歩いて臨海バイパスと行き来できる。

下面影橋は秋田市の2つの施設専用の橋のようにも思えるが、アパートがある以上、ごく普通の秋田市道の橋。下面影橋がなければ、アパートへ車で行くことは不可能。
渡った先が行き止まりで、利用者がごく限られた公道の橋というのも珍しい。


現代ではこの程度の川幅の橋ならば、橋脚がなく両岸の橋台だけで橋本体を支えるのが一般的。面影橋もそう。
しかし下面影橋は、3本の橋脚が川に立っている。1つ1つの橋脚は、5本の細い脚から構成されている。
橋脚と橋桁の接続部
部分的に木材が使われている。「木橋」ということだろうか。

下面影橋は、重量制限4トン、長さ26.5メートル(秋田建設工業新聞より)。
面影橋のほうは、14トン、31.36メートル。

東詰上流側から。東側の道を下流へ進むとJAビルとケーズデンキの間に出る

個人的には、前から存在と名前は漠然と知っていた橋であったが、改めて見ると、命名、立地、構造の3点で少々変わっている「もう1つの面影橋」であった。
【25日追記】上記の通り、旧国道の面影橋の上流側の隣の橋は「やばせ橋」。「八橋橋」だと文字の見た目がおかしいから、あえてひらがな書きにしたのだろう。「上面影橋」でも良かったかも?!

この記事後半の通り、下面影橋は1970(昭和45)年竣工の木橋。架け替えの必要性が指摘されているが、2015年度に補修が行われる予定。

【2020年3月31日追記】2020年3月31日付の秋田魁新報 秋田市地域面に「秋田市八橋「しもおもかげ橋」 実は木材が支えてます」という記事が掲載。大した話題でもなく、唐突で、新型コロナウイルス流行でネタ切れした埋め合わせかなと勘ぐったり…
橋の下から撮影した、木造であることが分かる写真が掲載。「太さ25センチほどの木が6本渡され」「天気がいい日はほんのりと木の香りがする」。
秋田市道路維持課の話として「長さ26.5メートル、幅4.8メートル」「現地の看板は「下面影橋」だが、台帳上は平仮名」「なぜここに木の橋が架けられたのかは不明」「市が管理する約720の橋のうち木の橋は6カ所」「2017年には木に防腐剤を塗る補修が行われ、現在のところ架け替えの予定はない」。
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駅の杉

2015-04-22 21:59:24 | 秋田の季節・風景
4月から秋田駅自由通路「ぽぽろーど」の中央改札口前周辺に、あるモノが置かれている。
東側

西側・みどりの窓口前
いずれも木製の「屋根っぽい上部構造物付きベンチ」的なものと、「テーブル付きベンチ」が1つずつ設置された。
※こういう物体を「ジャイアントファニチャー」とかなんとか呼ぶらしい。

さらに、天井耐震補強工事(前回の記事)が終了した改札口内は、
改札外から ※改札口上部の発車標は交換されなかった、というか全体的には以前とまったく変わらない
写っていない右側の新幹線側も含めて、壁、在来線精算所の外壁、在来線/新幹線の仕切りのそれぞれが、木の板で覆われた。

今のところ現地に説明書きのたぐいはない【23日訂正・末尾の追記の通り説明書きが置かれた】と思われるが、3月20日付でJR東日本秋田支社ホームページに、秋田公立美術大学と連名で「秋田駅中央改札口付近において市街地木質化実証モデル事業を行います」とのプレスリリースが掲載されている。
美大では、秋田県から研究助成を受け、公共施設等への県産材の利用促進の可能性を調査する「市街地木質化実証モデル事業」を行っており、その一環でJR東日本が協力して秋田駅周辺が「秋田杉を用いた木材を基調とするデザインに」なったとのこと。
4月1日から1年間が実証期間。

秋田市はまったく関与していない(大学の設置者としては別に)ことになっているけれど、改札前の自由通路って秋田市の管轄では?


自由通路に置かれたものは、屋根っぽい上部構造物付きのものを「木製ベンチ」、テーブル付きのベンチは「木製テーブル」と表記している。【23日追記・末尾の追記の通り、テーブルは「ハイカウンター」とも称している】
これによって「人々が自由に利用し滞留できる憩いのスペースをつくります。」としている。
木製テーブル
細長いテーブル(【5月16日追記】長さ4メートル)に、向き合った2人分と3人分の椅子が互い違いに配置。背もたれはなく、着座位置は高め。

木製ベンチ
座る部分は直線からなる不揃いな形のものが不規則に並び、中央の1つ以外はそこから柱状の角材が上へ伸び、それらが連結されて天蓋のようになった構造物で覆われている。
 
座面はまっ平らで、薄い板を何層も重ねた構造。上の部材はボルトで固定。
柱が生えている部分は座面より1段高くなっているが、そこに座ってもいいのだろうか。(位置的・構造的に座ることは可能で、問題はなさそう)
クッション付きとか、座面がカーブしたりとかで座りやすい形状ならばなお良いのだけど、場所柄、耐久性や居座り対策として、あえてこうしているのかもしれない。
内側向きに座った視点
天蓋による圧迫感はなく、これがなければただのベンチで味気ないのだろうけど、デザインの意味が分からない。大丈夫そうだけど、何かの拍子に崩壊しそうな気がしなくもない。


昨今の首都圏の駅などは座る場所がなくて困るけれど、秋田駅の自由通路は比較的ベンチは多く、旅行客や買い物客などに利用されている。
今回設置されたテーブルとベンチは、改札口からいちばん近い座れる場所になったためか、座る人は多い。

おもしろいのは、テーブルとベンチで利用者層がはっきり区別されること。
テーブルのほうは、若者とサラリーマンばかり。1~2人程度で飲み物を飲んだり、書類やパソコンを広げたりするのに都合がいいようだ。座面が高くて背もたれがないので、高齢者は座りづらいこともあるだろう。
ベンチのほうは家族連れや若い人もいるが、年齢の高い人たちがよく座っている。既存のベンチと異なり、向き合って座れたり、せわしない通路向きでなく内側を向いてゆったり座れるのがいいのかもしれない。
若い人もけっこういますね
「人々が自由に利用し滞留できる憩いのスペース」としての目的は達成しているし、デザインとしても悪くはないと思う。
だけどこれでは、「秋田駅にちょっとおもしろいベンチがある」で終わってしまう。設置の意図や設置者についての説明表示は必要だ。


改札の中は、ただ壁を木で覆いましょうというだけなんだろうか。
(再掲)在来線改札内から見た、新幹線側との仕切り。ここも木材になった
気になるのは4月1日からとなっているのに、未だに工事途中っぽい感じがすること。
精算所の壁の一部(ドアや窓周辺)は以前のグレーの壁が見えているし、窓枠には緑色の養生テープみたいなのが見えている。
それと、在来線側の改札内側に、新たな窓口みたいなのができそうな雰囲気。
現在はそのすぐ隣に駅弁の売店があること、この事業にはJR東日本とともにJR東日本リテールネット(旧・キヨスク)と日本レストランエンタプライズ(旧・日本食堂)が協力していることから、そこに売店が移るのだろうか。
【5月10日追記】ゴールデンウイーク明け頃、予想通り駅弁屋がこの窓口に移動。従来の店は撤去された。(5月9日に確認)
【6月2日追記】5月末頃までには、精算所のドアや窓周辺がきれいに処理され、やっと完成した模様。

発車標の周りとか高い位置は従来のままのグレーなので、木質化されたのが部分的で統一感がないように見えてしまう。

天井工事の足場がなくなると、かなり広々と見えてしまった。(発車標上に広告がないことも一因)
改札内の様子はこちら。なお、4月末には発車標の上の広告が復活した。


選挙ポスター掲示板にしても、バスターミナルにしても同じことだけど、せっかく秋田ならではの杉を使っているのだから、もっとはっきりとアピールすればいいのに。みんなが「秋田杉」を知っているわけではなく、知らない人には「ただの木」なのだから。
【23日追記】23日に現地に行ってみると、ラミネート加工された紙が、テーブルとベンチの上に数枚ずつ置いて(貼っていたわけではなさそう)あった。自由に使っていいこと、事業の説明、美大や制作業者の名前などが書かれていた。テーブルのほうは「ハイカウンター」と表記されていた。

【5月16日追記】5月15日付秋田魁新報 秋田市地域面に記事が掲載された。
「公共性の高い場所に用いられた木材に対し、利用者がどんな印象を抱くかなどを検証するのが目的。県の助成金約1600万円を活用して工事を行った。」
利用者の印象はどうやって検証するんだろう。アンケートでも取るのか。
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杉にQR

2015-04-21 22:19:43 | 秋田のいろいろ
統一地方選挙の後半として、秋田市では市議会議員選挙が行われている。
秋田市では、そのポスター掲示場(掲示板)を前半と後半で共用し、費用(約1300万円)と設置場所を節約している。

先週、余白がある県議選用のラワン材がはがされ、下に隠れていた秋田杉間伐材の合板の市議選用掲示板が姿を現した。
以前は、ラワン材をホチキスの針状の「タッカー」で留めていたが、固定が不十分ではがれてしまうものが見られた。今回は釘で固定していたので、はがれることはなかった模様。
やっぱりデカイ。小さい掲示板の時と木目の向きが90度違う
木目が美しく、所々色が違うのも見て楽しい。前を通ると、木の香りが漂う。

定数39に対し、掲示板は64コマ。立候補者は47。
48番と52番の下にスイセンが咲く


さて、今回から、掲示板に「投票所案内」として、秋田市のホームページへリンクする2次元バーコード(QRコード。厳密には“バー”コードではない)が表示されるようになった。【2019年3月23日訂正】秋田市でQRコードを表示するようになったのは、2014年の衆議院選挙からとのこと。
白地ではなく木の色の上に印字されているし、泥が飛び散ったり、桜の花びらがくっ付いたりすることもあるだろう。そうなれば、正しく読み取りができないのではないかと少々疑問だった。木目の濃淡が激しい秋田杉材ではなおさら。

こんな掲示板を見つけた。
他の掲示板より釘を打つ位置が上方で、QRコードの中に重なってしまっている。
さらに、インクが乗らなかったのか、表面の一部がはがれ落ちてしまったのか、中央部で縦にコードが欠けている箇所もあるようだ。
赤い部分は正しいデータではなさそう
これじゃあコードの意味がないなと思いつつ、いちおう読み取ってみると、正しく読み取れた!
調べてみると、QRコードは一部が判読できなくても、補正して正しく読み取れる構造になっているという。冗長性というやつで、コンパクトディスクで一部のデータが欠けても、正常に再生できるのと同じことか。
QRコードでは最大30%のデータが欠落しても読み取れる規格(7%~30%の範囲で4段階ある)だそうで、掲示板のは点の数からして30%対応の「レベルH」かな。

ところが、コードを撮影した写真をパソコンの画面いっぱいに表示させて読み取ると、読み取れない。30%ギリギリの欠損で微妙な加減なんだろうか。


そして、QRコードに対して平行でない斜め方向から読み取っても、認識できるようになっている。
てっきり、しゃがみこんで正面から読み取らないとダメかと思っていたら、そうでもないようだ。
それにしても、掲示板内でもう少し上に表示したほうがいいと思うし、上の写真のような狭い道路の掲示板では、読み取ろうとした人が車とぶつかりかねない。

実際に掲示板の前でQRコードを読み取ってアクセスした人がどれほどいるのかは知らないけれど、おかげでQRコードの仕組みを知ることはできました。
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子会社の社章

2015-04-20 23:13:49 | 秋田のいろいろ
先日の記事最後で取り上げたように、青森の弘南鉄道(※弘南バスとは別会社)の「社章」のデザインには意味あり、ホームページで説明されていた。

では、この社章(というのかは分かりませんが、ここではそう呼びます)は?

秋田の中央交通のものである。
車輪のように見えるが、こういう円形の社章は各地の鉄道会社もしくは鉄道会社起源のバス会社にたまに見られる。中央交通(の前身)も、今の八郎潟-五城目を結ぶ私鉄として設立されている。
文字が隠されたりはしていないようで、ひねりのない社章と言えなくもない。
【21日追記】コメント欄の情報では、ハンドルがモチーフだとか、「交」をデザインしたとかの説もあるらしい。

この中央交通の社章は、2012年の創立90周年記念祝賀会の看板に表示されていた。
今も公式ホームページにも出ているし、回数券の地紋にも使われている。

バス停にも、基本的には表示されている。(上の画像の社章もバス停のもの)
(再掲)「バスで行こう」これが元々の中央交通のバス停

(再掲)市営バスから移管されたバス停。最近は新設・更新されるのもこのタイプ
しかし、最近更新された表示板には社章がない。単なる気まぐれかと思うけど。


それに、上記リンク先の2012年の記事でも触れた通り、現行のバスの車体に社章はない。※ここでは一般路線バスの塗装に限定します。
以前の塗装では、車体側面の中央付近に銀色の金属製(?)の社章があった。1993年頃に現行の塗装に変更され、その時から車体の社章がなくなった。
社章付きの五城目営業所「298」※五城目にはもう1台「298(新塗装のエルガミオ)」がいるのでややこしい
当初は社章付きの旧塗装だった車両でも、後に新塗装に塗り替えられたものがある一方、ごくわずかに、旧塗装のまま使い続けられる車両があった。
2012年の記事で掲載した、臨海営業所のいすゞ中型「秋田22い912」は廃車になったようで、2013年7月を最後に見かけない。
臨海には、日野中型「391」もあったが見なくなり、臨海営業所から社章付き車両は消滅。
2013年春。秋田駅前に珍しく2台の旧塗装が揃った
現在、秋田市内で見られる社章付き旧塗装の車両は、いずれも日野製中型で、秋田営業所の「秋田22い300」と五城目営業所の同「298」の2台だけではないだろうか。
2台の中間の「299」も男鹿営業所で現役のようだが、秋田市内には来ない。
2011年1月撮影。ナンバー不明
社章の位置は、ドア側は中ドアより少し前の戸袋の所。運転席側は日野といすゞで異なるようで、日野製はほぼ中央、いすゞ製はドア側と同じやや前寄りだったようだ。


そんなわけで、バスの車体で社章を見ることは、この先なくなると考えられる。
【2016年6月27日追記】上記、298と300は2016年春までは旧塗装のまま運行を続け、2016年6月頃までに廃車になったとのこと。これにより秋田市内を旧塗装のバスが走ることはなくなった。
ところが、別の車体では、社章を見る機会が増えることになりそうだ。
それは、タクシー。


中央交通の子会社「秋田中央トランスポート」では、小規模団体を中心とした貸切バスやコミュニティバスの受託運行のほか、秋田市内でタクシー事業も行っている。※社員の名札などでは「秋田中央TP」と略記されていることがあるので、以下、同社を「TP」と表記します。
なお、TPは親会社の社長であるワタナベヤスヒコさんが会長を務めており、社長は別のワタナベさん(ご子息?)。
同社のタクシーは「中央タクシー」として主に旭北から茨島近辺を中心によく見かけ、秋田市内ではあさひタクシーやキングタクシーには及ばないものの、準大手に位置づけられるであろうタクシー会社である。

TPは2004年に設立された新しい企業だが、秋田市の中央交通系列のタクシー事業としてはそれより長い歴史がある。(男鹿の「船川タクシー」も同社系列のようだが、ここでは置いておきます)
Wikipediaによれば、「秋田フタバ観光」というタクシー会社が1981年に中央交通系列となって「秋田中央タクシー株式会社」になったのが最初。
2001年に中央交通本体に吸収され、2004年にコミュニティバス事業などを分社化してTPが発足した際に、タクシー事業もいっしょに移されて現在の形になったようだ。

フタバ観光(記憶にあるようなないような…)が1981年に中央交通傘下に入って以来、企業としては変遷を遂げてきたものの、ブランドとしては「(秋田)中央タクシー」で通していて、多くの秋田市民は企業の変遷は知らないのではないだろうか。「中央タクシー」は知っていても、TPという会社は知らない人も多いだろう。
僕も、中央タクシー社→TPという単純な再編・改称だと思っていた。

中央タクシーの車両も、僕が記憶している限りでは、ずっと同じ塗装だった。

あんどんが「中央」で、白地にオレンジとエメラルドグリーンのラインが入るもの。
親会社のバスとも、TPの観光バス(旧・秋田中央観光)とも共通性がないのは、この会社のこだわりのない“社風”なのか、かつては無関係の別会社だった名残なのか。


ところが、昨2014年夏に、新たな塗装の車を見かけた。(7月30日に発見)
「中央」の行灯
車種は既存車両と同型、秋田では一般的な小型タクシーサイズのトヨタコンフォートである。(クラウンより小さく、エンブレムが違う)

最近は、あさひタクシー、合同タクシーなどで、車体が黒一色のコンフォートを導入している。
一見すると、ハイヤーもしくはクラウンの中型タクシーかと見間違えてしまうが、あくまで普通の小型タクシー扱いらしい。高級感を出そうとしているのか、デザイン・塗装費用の節約なのか。
これは黒じゃない
中央タクシーの新塗装は単色ではあるが黒ではなく、青みがかっている。
紺色ではなく「青灰色」だろうか。独特で悪くない色だと思う。

助手席側だけ後部座席ドアの後方(Cピラー)には、ナンバープレートとは別の3桁の数字が表記されている。親会社のバスでは実施していない「社番」だろう。その書体が金色の「POP体」なのが、なんとも…
この塗装は、ナンバープレートが「18-99」と「19-00」の連番で2台を確認。なぜか社番は連番ではなく・逆転しているようで、たしか「140」と「136」。

その運転席と助手席のドアに、
「秋田中央」の金文字と金色の社章
どうやら子会社TPの社章も親会社と同じだったようだ。

その後、青灰色のコンフォートは増備されていない【その後2015年頃には徐々に増備】が、2014年10月以降、また違った新しい車を見るようになった。(写真はありません)
トヨタプリウスαで、塗装は(ほんとうの)黒。ナンバープレート(社番)の順に「215(145)」と「216(162)」の2台を確認。
それにも同じ金色の社章がある。コンフォートでは車体に直接塗装されているが、プリウスαではシールを貼っているようだ。【5月16日訂正】社章はペイントで、「秋田中央」はシール貼り。【12月30日追記】「215(145)」の少なくとも助手席側では、「秋田中央」もシールではなくペイントされていた。新たに書いたのだろうか?

中央タクシーのうち4台には、社章が付いていることになる。
求人情報紙に掲載されたTPの広告にも、同じ社章が出ていた。

ただし、現時点では、TPのホームページには社章が見当たらないし、タクシー車両の写真も従来の塗装。
【2016年9月6日追記】その後、2016年9月時点では、ホームページの写真は変わらず。実際には、紺塗装のコンフォートがじわじわと増えているようだ。


TPの社章は、親会社のものとまったく同一ではない。
全体的に線が太い印象だし、二重の円の外側に文字が抜いてある。
上半分に「AKITA CHUO TRANSPORT」、下半分に「AKITA CHUO KOTSU GROUP」とある。

また、中心部の車輪の軸のところに、アルファベット3文字らしきものがデザインされている。(弘南鉄道社章の「弘南」みたいな雰囲気)
それが「ACD」?
「AKITA CHUO」までは分かるが、「D」って何?
かなりバランスが崩れた「T」だろうか?

【21日追記】既存の「社章」の中に、文字しかも英字を組み込んで子会社の社章(ロゴマーク?)にしてしまうとは、ある意味斬新。見た目はかっこいいようなうるさいような…
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太平川の桜2015

2015-04-19 19:55:50 | 秋田の季節・風景
前回に続いて、秋田市内の満開の桜。
土曜日はくもり、日曜日は晴れではあるが薄曇りのような、すっきりとした青空にはならない天気。気温は寒くなく暑すぎず、いいあんばい。

過去にも何度か紹介した、楢山・牛島地区の太平川沿いへ。
ここは道が狭いのに車がたまに流入するのが難だが、市街地から近く、花がきれいな大きな木が揃い、川など周辺の光景も自然で、いいお花見スポットだと思う。(今年は行かずに終わりそうな新屋も悪くないけれど、あちらは周囲が少々人工的)
太平川橋から上流方向
バス通りの太平川橋の下には、恒例の無人屋形船が浮かぶ。
川原に座って花見をする中小のグループもちらほら。

愛宕下橋から上流方向。向こうの橋は百石橋
奥の金照寺山ではコブシが咲く。

スイセンも咲く

愛宕下橋付近には恒例となった出店が並び、賑やか。
橋の上で足を止める人々。車の人もちらりと眺める
愛宕下橋から上流方向が人気の撮影スポットのようだ。
こんな風に撮れる

個人的には、愛宕下橋上流の風景(上に載せた金照寺山が写るアングル)も好きだし、太平川橋から下流方向もいい。
太平川橋から下流
橋のたもとの桜の枝ぶりや、先の川のカーブ具合はこっちのほうが好き。

三平バスと桜

太平川橋から下流側は車が完全に入れない区間もある。猿田川との合流点にかけて、ややまばらな間隔で、背の高い大きい桜が多くのびのびとした雰囲気。ソメイヨシノでない桜も混ざる。
中央の1本は白っぽい別の桜

青空だともっときれいだったはずだけど、今年も太平川の桜は見事だった。
月、火は雨。きっと散ってしまうだろう。
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花曇りの裏年桜

2015-04-16 20:22:20 | 秋田の季節・風景
穏やかな冬が終わった2015年の秋田市の桜(ソメイヨシノ)は、4月11日に開花(平年より7日早く、昨年より9日早い)、15日に満開(平年より7日早く、昨年より9日早い)となった。
桜が咲いてからの天候は、あまり寒くはないものの雨またはくもり。晴天はほとんどなく、まさに「花曇り」の中での満開。
【17日追記】12・13日は星辻神社の「だるま祭り」。期間中に雨が降らない年は火災が多いという言い伝えがあるが、ちゃんと降った。今年はそこに桜の開花がぶつかったことになる。

まずは昨年も紹介した、市長公邸跡の保育園~保戸野街区公園裏側付近の旭川沿いの道。
カーブした川沿いに、ソメイヨシノと枝垂れ桜が同時に楽しめる。
曇天の下、満開
ここの枝垂れ桜は、ソメイヨシノと同色の淡い色(花弁はやや小さい)で、開花・満開も同時期。(保育園側にはやや遅れて咲く濃い枝垂れもある)
右の対岸にも枝垂れ桜が1本(奥の建物は県立秋田北高校)

せっかくなので、対岸からも。
 


さて、千秋公園。桜まつりは15日から26日開催。
ここの桜は、年によって花付きが極端に悪くなることが多い。
一般に「鳥のウソによってつぼみが食べられるから」とされているが、個人的にはそればかりが原因ではないと考える。
園内の特定の場所の木だけ偏って、かつ1本まるまる花付きが悪い状態が多く、鳥がそのような食べ方をするとは考えにくい(【18日補足】人通りや枝ぶりの違いによる食べやすい場所はあるだろうが、それにしては極端すぎると思う)。また、花付きの良い年と悪い年が1年ごとに交互に繰り返される傾向があるように見受けられ、これは木本植物が持つ表年と裏年を繰り返す「隔年結果」の習性のように感じられる(桜だと「隔年結“花”」か)。鳥の食害という外部要因だけでなく、木自体の状態も原因ではないだろうか。
そもそも、千秋公園に限らずソメイヨシノは寿命が長くない植物であり、角館や弘前のようによほど専門的に手厚いケアをしない限り、いつまでもきれいに咲き続けるのは難しいようにも思う。

で、一昨年は花付きが悪い裏年、昨年は表年だったと感じた。ということは今年は裏年?(上の旭川沿いの桜も、昨年よりわずかに花が少ないような気がしなくもない?)
本丸から二の丸を見下ろす
奥の二の丸広場がスカスカ。花がまだ開いていないのではなく、花(つぼみ)の数そのものが少ないようで、やはり今年は「裏年」だと思う。
参考までに、
(再掲)昨年の同じ位置

2009年ほど最悪ではないが、寂しい咲き具合。
本丸の桜のトンネル状の部分は、それなりに咲いている
でも、↑ここを二の丸の下(胡月池)から見上げると、スカスカ。

二の丸広場
二の丸広場も、上の写真奥の本丸側の木はスカスカ。写真左手前のトイレの脇の木だけは、ちゃんと咲いている。

二の丸の裏側へ至る、鐘撞き堂・公園事務所付近もかなりスカスカ。そこから下を見下ろす。
奥が旧・秋田県立美術館の空き家
上から見下ろす限りでは、県民会館の裏というか横にある、池のような内堀のほとりの数種類・数本の桜は、今年もよく咲いた。その向こう、秋田市立中央図書館明徳館(ほくとライブラリー明徳館)前に明徳小学校時代からあり、千秋公園ではいちばん早く咲くソメイヨシノも元気そう。

園内の一部エリアのソメイヨシノがよくないということのようだ。秋田市でも対策はしているようだけど、なかなか改善しない。

今日は時折、ごく細かい雨が降っていたせいか、二の丸で宴会していた人はいなかったものの、ベンチで数人で弁当を食べながら花見していた人はいたし、歩く人は多数いた。少人数グループののアジア系外国人も。
秋田は明日は雨で、土日は晴れ【17日予報変更】日曜日は晴れ。花見にふさわしい週末になりそう。




弘前公園は、今日、平年・昨年よりそれぞれ7日早く開花。
さくらまつりは23日からなので、18日から22日までを「準まつり体制」として前倒しで開催。【19日追記】準まつり体制は6年ぶり。
イベント内容等は弘前観光コンベンション協会のホームページ参照: http://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/edit.html?id=cat02_spring_sakura
恒例の弘前市中心部の路線バス全便運賃100円化、弘南鉄道中央弘前駅下車客への公園無料入園、市役所屋上開放も、18日から実施。
【22日追記】市役所屋上は、今年から屋上の上のペントハウス(塔屋。本体より4メートル高い地上18メートル)の屋上も開放される。

石垣工事のため曳家される天守を現在の位置で見られるのは、今年が終われば当分ない。
さらに今年だけの特別イベントとして「内濠ウォーク」と称して、工事のために埋め立てられた堀を開放し、そこから天守と桜を見上げることが可能。時間制限はあるが、無料区画から入れるらしい。
内濠ウォークだけは23日から実施されるのが残念。

これも恒例の583系電車による快速「弘前さくらまつり号」、クルージングトレインによる「弘前夜桜観賞号(全席指定)」、秋田内陸線経由で角館-弘前を結ぶ臨時列車は、いずれも4月25~29日と5月2~6日運転。列車は早咲きには対応し切れなかった。
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秋田の北陸新幹線効果は?

2015-04-15 23:57:43 | 旅行記
先月ざっと紹介した2015年3月のダイヤ改正で、北陸新幹線が金沢まで延伸された。
マスコミや旅行業界が騒ぎ立てるように、たしかに首都圏から北陸は“近く”なった。

このように、これまでもこれからも、東京と各地を結ぶ新幹線は整備されている。東京一極集中が加速するばかり。
その裏返しで、地方対地方もしくは同一地方内での移動は、相対的にも絶対的にもしづらくなっている。新幹線開業により、都市間の在来線特急が廃止されるのはまだしも、並行在来線がJRの経営から分離されて運賃が高い第3セクター鉄道に移管され、日常の移動でさえ負担が増えるケースも少なくない。これならば、JR経営のままのミニ新幹線方式のほうがマシにも思えてしまう。


さて、今回の北陸新幹線開業を、同じ日本海側でありながら直接新幹線でつながっていない秋田からの視点で考えると、その効果や恩恵どんなものだろうか。
JR東日本の秋田エリア発北陸方面の「びゅう」旅行商品では、秋田新幹線や東北新幹線で大宮まで行って北陸新幹線に乗り換える行程のツアーやパックがすべてのようだ。
びゅうパンフレットより抜粋・合成
時間的には早そうな気はするが、いったん太平洋側まで行って日本海側へ戻る行程は料金が高そう(パックだから変えられないけど)だし、そもそも気分的にイヤだ。

かつては、東北から北陸・関西まで日本海側を走り通す特急「白鳥」、寝台特急「日本海」を使って、本数は多くないものの乗り換えなしで行き来できていたのは記憶に新しいし、国鉄時代までさかのぼれば、急行「しらゆき」(後述)、夜行急行「きたぐに」(最近まで大阪-新潟が残っていたが、かつては青森まで走っていた)などもあった。
「日本海」廃止後、北陸新幹線開業前でも、特急「いなほ」と「北越」を新潟で1度乗り換えれば、富山や金沢には行くことができた。

北陸新幹線開業により、新潟-金沢の特急「北越」が廃止。北陸本線のうち直江津以西が第3セクター鉄道「えちごトキめき鉄道」と「あいの風とやま鉄道」に寸断・移管された。
それにより、新潟から先は普通列車を延々と乗り継がなければいけないかと思ったが、そうでもなかった。
「北越」の代替として、直江津から内陸側の旧・信越本線(こちらもえちごトキめき鉄道に移管)に入る特急「しらゆき」が新設され、新潟方面から来て上越妙高駅で北陸新幹線に乗り継ぎできる
したがって、新潟と上越妙高で2度乗り換えれば、引き続き秋田から日本海伝いで富山や金沢には行くことができる。第3セクター区間はわずか(直江津-上越妙高10.4キロ。前後のJR区間は通算できる)だし、新幹線との乗継割引制度も設けられるので、費用的負担はさほどでもないかもしれない。

どうなるかと、試算してみた。
※いずれも秋田駅からの運賃・料金・所要時間。運賃料金は「乗車券+特急券等料金=合計」で表記。所要時間は時刻表でぱっと目に留まったものを中心に乗り換え待ち時間も含めて計算しているので、もっと早かったり遅かったりする可能性あり。
※料金は通常期の指定席料金。乗継割引は1度だけ適用。(企画乗車券、自由席または快速の使用や、裏ワザ的に新幹線を途中で区切って乗継割引を複数回使えば、安くなる)
※間違っているかもしれません。検討・利用の際は、各自改めて確認願います。
赤が大雑把な開業区間
●富山・金沢
金沢-富山は60キロほどしかなく、どちらも北陸新幹線上なので、条件はほぼ同一なのでまとめて。(だからこそ、マスコミが金沢ばかり取り上げるのは不公平だと思う。富山をもっと取り上げてやればいいのに…)
【日本海側ルート】
開業前 いなほ~北越 新潟乗り換え
2つの特急を乗り継いで、在来線をたどる。富山まで527.1キロ、金沢まで586.5キロ。
新潟での接続が良く、ほとんど待たずに乗り継ぎでき、富山まで7時間、金沢まで7時間30分ほど。
富山まで8420+5360=13780円、金沢まで9290+5570=14860円


開業後 いなほ~しらゆき~北陸新幹線 新潟・上越妙高乗り換え
北越もいなほと同型の新しい車両に更新されたので(時間は変わらないが)少し快適になった。
富山まで529.7キロ、金沢まで588.3キロ。直江津から内陸に入る分遠回りになりそうだが、北陸新幹線は在来線時代の北陸本線とは別に短い営業キロを設定しているので、相殺されてさほど距離は増えていない。
新潟での待ち時間が増えて(30分ほど)しまい、富山まで7時間、金沢まで7時間30分で開業前とほぼ同じ。
富山まで8450+6950=15400円、金沢まで9200+6950=16150円。値上がり幅はちょっと大きい。

※2016年3月の改正では、新潟での接続が改善(短縮)され、金沢までスムーズにつながるようになり、上記より約30分短縮された。この記事後半参照。一方で、いなほが新潟に着く直前にしらゆきが発車するものが2本ある。

【秋田新幹線・大宮乗り換え】
開業前 こまち~上越新幹線~北越急行 大宮・越後湯沢乗り換え
大宮まで出て、あとは開業前の北陸対首都圏の主要ルートだった上越新幹線・北越急行(在来線時代の「はくたか」)回り。富山まで1003.2キロ、金沢まで1062.6キロ。
なんとなく早そうな気がしていたが、意外にも所要時間は富山まで7時間30分、金沢まで8時間と日本海側ルートよりはややかかる。
富山まで12960+12220=25180円、金沢まで13610+12500=26110円

なお、こまちでなくいなほで新潟まで行って、上越新幹線~北越急行と経由する場合も時間はほぼ同じ。運賃料金は18000円程度。

開業後 こまち~北陸新幹線 大宮乗り換え
JR東日本推奨ルート。富山まで993.9キロ、金沢まで1052.5キロ。
大宮での接続があまり良くなく、1時間弱待つことが多いようだ。その結果、富山まで6時間強~7時間弱、金沢まで7時間
富山まで12640+13470=26110円、金沢まで12960+14000=26960円

北陸新幹線の開業で、東京-富山は約1時間、東京-金沢は1時間20分ほど短縮されたそうだが、秋田からでは、大宮の待ち時間で相殺されてしまった。
料金は1000円弱しか値上がりしていないから、そのまま時間短縮の恩恵を受けられれば、秋田からでも開業効果を享受できたのに。

日本海側ルートと比べて、この程度の所要時間差、乗り換えが1回多いだけで、値段が1万円も違うのだから、個人的にはこのルートはやっぱり使いたくない。


●長野
日本海側から北陸新幹線の新規開業区間を上り方向へ進めば、長野へ行くこともできる。
マスコミはもちろん、JR東日本も宣伝していないけれど、こちらはどうだろう。

18年前の長野新幹線(北陸新幹線の一部だけど)開業より以前からそうだったはず(国鉄全盛期は違ったかも)だけど、秋田-長野の移動は大宮まで出て信越本線(長野新幹線)に乗り換えるのがわりと一般的だったかもしれない。
こまち~北陸新幹線利用の秋田-大宮-長野で824.4キロ、5時間弱、11120+10540=21660円(新規開業区間は通らないので変更なし)。


しかし、距離的にいちばん近いのは、日本海側を直江津まで行って、そこから信越本線上り方向で内陸に入るルート。開業前は新潟と直江津で乗り換え。
前から乗ってみたかったのだが、開業前は、直江津-長野が各駅停車しかなく、気後れして実現できずに終わってしまった。
484.3キロ、7時間30分ほど、7880+4810=12690円だった。

開業後、上記の富山・金沢まで日本海側をたどるルートの途中の上越妙高駅まで行って、反対の上り新幹線に乗って2駅で長野。
479.2キロ、上記の新潟のほか上越妙高でも30分ほど待たされるので7時間強、7800+6200=14000円

また、このルートで上越妙高と長野の間にある駅が飯山。
従来は飯山線で長野から1時間近くかかっていたのが、新幹線によってわずか11分(上越妙高からは12分)。金沢や富山以上に、新幹線の恩恵を受けている土地ではないだろうか。
上越妙高と飯山両方に停まる列車は多くない(2時間に1本くらい?)けれど、飯山周辺の温泉旅行もいいかも。



【16日まとめ】総合的に秋田からでは開業前後で劇的な変化はなし。秋田新幹線で太平洋側(大宮)へ出ても時間はほとんど変わらず、値段が高くなるだけ。
以上、秋田からの北陸新幹線金沢開業の効果・恩恵は、やっぱりごく限られたもののようだ。
でも、接続を改善してもらったり、割引きっぷ類を充実させてもらったりすれば、また違うものになるだろう。
前から述べているように、日本海側を行く場合、冬期の悪天候による運休が不安なのでその改善もしてほしい。太平洋側の災害や長期不通に備えた迂回ルートとして、日本海側回りの交通網も日頃から充実させて維持することも必要だと思う。新幹線を作れとは言わないが、災害対策や利用しやすい列車本数の確保ぐらいは官民挙げてやるべきではないだろうか。

個人的には、東京なんかより北陸や信州のほうが魅力的な旅先。直通列車がなくても、地方から地方へ便利に移動できるようになってほしい。


●しらゆき
ところで、上で新潟-上越妙高に新設された特急「しらゆき」の名が何度か出た。「しらゆき」という列車名に聞き覚えがある方も少なくないのではないだろうか。
今回登場した「しらゆき」は、実は“3代目”。

初代と2代目も日本海側の列車名として使われ、いずれも秋田県内を走っていたのだ。
初代は国鉄時代の急行列車。
1963(昭和38)年
に金沢-秋田・青森の急行として運行開始。
全線が電化されても、キハ58系気動車(ディーゼルカー)で運転された。これは、途中で電源が3種類変わる(直流・交流50ヘルツ・60ヘルツ)のに対応できる車両がないためだったのだが、「全区間架線下を行く気動車急行」として有名だったらしい。

初代は1982(昭和57)年11月の上越新幹線開業時に特急に格上げされて、名前が消えた。
特急としては「白鳥」に編入・増発されて、福井-青森で1往復運転。しかし、1985年春に福井-新潟に短縮されて「北越」に編入。「白鳥」は大阪-青森の1往復に戻った。
したがって、この2年少しの間だけ、1~4号の号数付きの「白鳥」が存在した。

2代目は1997(平成9)年なのだが、少しさかのぼる。
秋田地区の普通列車に701系電車が本格導入された1993年。各地を結ぶ愛称付き快速列車が設定され、秋田-大館は同年に世界遺産に登録された白神山地にちなんで「しらかみ」となった。
秋田-青森で運行されていたとする情報もあるが、快速運転は秋田-大館だけで大館以北は各駅停車だったはず。

その後、1997年の秋田新幹線開業時に観光快速列車「リゾートしらかみ」が誕生。
おそらく混同を避ける意味で「しらかみ」は「しらゆき」に改称されて、2度目の登場。
しかし、JR東日本秋田支社の方針で、快速列車の減少(各駅停車化)が進み、わずかに残った快速は愛称をやめて無名の快速に。2002年に「しらゆき」は消滅した。
現在、秋田-大館には上り2本、下り1本だけ快速が残っているが、1往復はかつての急行「よねしろ」の末裔。「しらゆき」の流れを汲むと言えるのは、朝イチの大館発だけ。

ちなみに、しらかみ→しらゆきには、弘前にいた頃、秋田に帰省して夜に弘前へ帰る時によくお世話になった。
当時の停車駅は八郎潟、森岳、東能代、二ツ井、鷹ノ巣だけで、土崎も特急が停まる早口さえ通過し、所要時間は特急並みの俊足ぶり。鹿渡駅のポイントを高速(75km/h?)で通過する時の揺れがたまらなかった。
なお、大館から先は、車両運用の都合で花輪線のキハ58またはキハ52を用いた弘前行き普通列車。大館-弘前は701系より10分ほど余計に時間がかかり、一転してのんびりとした夜汽車の趣きだった。


そして、2015年、晴れて特急になって3度目の登場
雪国にふさわしい、柔らかで美しい愛称だと思う。末永く活躍してほしい。


そう言えば、「しらゆき」というカップ入りかき氷もあった。
昔は雪印が発売していて、後に雪印のアイス部門の移譲先であるロッテから発売されたそうだが、今もあるだろうか。容器は昔は円形で、ロッテでは四角かったそうだ。
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フレンドビル竹谷/農林ビル

2015-04-13 23:45:11 | 秋田の季節・風景
秋田市の伝統工芸・銀線細工などを扱う「竹谷(たけや)」という宝飾店が存在する。「たけや製パン」とは無関係(のはず)。
秋田駅近くの広小路と駅ビルに店がある「竹谷本店」は著名だが、他にも竹谷がある(あった)。分家とかのれん分けとかだろうか。

1つは、通町から大町通りに入ってすぐの大町一丁目の「竹谷金正堂」。これはいつの間にか閉店し、建物が東日本大震災直後に解体(この記事後半)され、秋田市初のセブン-イレブン(通町店)になってしまった。
【5月16日追記】以下で紹介する場所の1本東側の道には「竹谷ビル」があり、かつては宝石店「JEWELRY TAKEYA」が入っていた。後に美容室になり、美容室も出て行って、現在は空いている。この記事後半参照。

もう1つが、同じ通りを南へ1ブロック進んだ大町二丁目。
2012年撮影Googleストリートビューより南方向。左手前がイーホテル、右がニューシティ跡
秋田ニューシティ跡地と日本銀行秋田支店の向かい、イーホテルショッピングモール(旧・AD)の隣の隣の隣(間に飲食店と神社)、かつホテルパールシティ秋田竿燈大通りの隣の隣(間に駐車場)。
ニューシティがあった2010年の北方向
キツネ色のタイル張りのしゃれたデザインの間口のわりに奥行きがある建物。
ストリートビューより
北側壁面には「メガネの竹谷」、南側には「竹谷宝石」と表示があり、1階が宝飾店、2階がメガネ店だった。
「フレンドビルタケヤ」という名前の建物だそうで、1984年にADとともに秋田市の第3回都市景観賞を受賞している。(同賞は10年以内に建てられたものが対象)
こちらの竹谷(竹谷宝石店)も、いつの間にか閉店してしまっていた。結局は竹谷本店が唯一残ることになるのだろうか。

その後、フレンドビルタケヤは、外観はほぼそのまま飲食店に変わった。
昨年9月24日付のABS秋田放送「ラジPAL日記」(http://www.akita-abs.co.jp/radipals/?fn=./data/2/201409.dat&no=1411548674)によれば、1階が「ていしょくかふぇ こんにち和」、2階が「おばんざいとうまいおさけ naago(なぁご)」で、昨年9月1日にオープンした。

最近、看板はついたまま、建物に囲いが設置されたので、外観の改装でもするのかと思っていたら、解体されてしまった!
右の白い囲いがフレンドビルタケヤ跡。左の神社の前はバス停
ちなみに、バス停の所にあった古い街路灯(道路管理者管轄ではなく、商店会管理だと思われる)が、2月だったか3月の強風で折れた。

ストリートビューより
手前の空き地↑は、昨年辺りに舗装されてコインパーキング↓になった。
現在
開店して半年で移転ということはないから、飲食店はやめてしまったのだろうか。跡地はどうなるのだろう。

※飲食店当時はビルの名前も別だった模様。続きはこちら



中通一丁目の中央通りの西端にあった「秋田農林ビル」が、2012年秋頃から2013年初めにかけて解体されて更地になった。※最後の記事はこの記事中ほど。
土地は売却され、何らかの建物を2013年夏頃までに着工とかいう話があったが、2015年になっても空き地のままだった。
3月頃に整地作業がされて、今は、
駐車場に?
区画が示され、けっこうな台数の車が停まっている。
小さな看板が立っていて、
「トーカンジェネラス中通契約者専用駐車場」となっている
「トーカンジェネラス中通」とは、中通小学校の裏側にある高層マンション。ここから遠くはないが近くもない。
たしか、このマンションでは今、外壁か何かの工事が行われていたかと思う。おそらく、その工事中に本来の駐車場が使えないため、代替として農林ビル跡地を臨時駐車場にしているのではないだろうか。

シートで覆われて隅に倒して置かれていた「奉行所跡地」の棒状の表示は、今もそのまま。車が踏んづけないような対策はされているけれど、いつまでこのままなのか。
※2015年8月頃までにマンション駐車場としての使用は終わり、整地作業が行われ、9月上旬に再び以前の空き地に戻った。そしてその後
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ノースアジア大スクール

2015-04-12 12:59:39 | 秋田のいろいろ
秋田駅から真東に2.5キロほどの所にある、ノースアジア大学、秋田栄養短期大学、並びに明桜高等学校。(旧称はそれぞれ秋田経済法科大学、秋田短大、経法大附属高校)※現在の明桜高校は校名に「附属」は入らないのか。
この記事で取り上げたように、生徒・学生の通学の便を図ろうと、秋田駅東口と学校を結ぶ無料のスクールバスが2003年10月からから運行されている。

運行業務は秋田中央交通に委託し、同社が所有する車両を使用していた。
運行主体は学校法人であり、中央交通は頼まれた通り運行しているだけ。したがって、中央交通の「路線」ではないので路線バス時刻表には掲載されていない。
しかし、学校法人側で時刻表を外部に公開しており、当初は「学校に用事のある人なら誰でも利用できる」旨を明示していた。
さらにしかし、現在も時刻表は公開されているが、「無料スクールバス(教職員、学生、生徒向け)を運行」となっていて、用事がある部外者は利用できなさそうな書きぶり。


さて、前にコメントで教えていただいていたが、この3月をもって中央交通とのスクールバス委託契約が解除されたらしい。
では4月からどうなるかと思っていたら、いろいろ変化があって興味深いので、部外者にはどうでもいいことですが、首を突っ込みます。

3月末頃に学校のホームページに「平成27年4月1日からスクールバスは、秋田中央交通のバスより、学校法人ノースアジア大学のバスに運行を変更いたします。」と掲載され、4月に入ってから車両の写真も掲載された。

同時に「これによって、バス運行時刻の変更があります。」とあり、ダイヤも掲載されている。
曜日によってダイヤが異なるものの、昨年度と比較していずれも本数が大幅に増えている。
「変更があります」なんて控えめな表現じゃなく、「増便して便利になります」と書けば宣伝になりそうものだけど…
ただし、このホームページでは重大な変更の告知が欠落しているのだが、後述。(学校では生徒・学生向けに周知しているのかもしれない)

以下、新旧を比較。
●ダイヤ
「インターネット・アーカイブ」を漁って、中央交通委託時代までダイヤをざっとさかのぼる。※見落とし等で間違っている可能性があります。
初代ダイヤ(2003年10月)
平日/休日(土日祝)/大学試験日/高校試験日の4本立て。
平日は駅発は7時00分から16時00分まで30本、学校発は11時40分から19時40分まで18本(2台以上同時運行の可能性あり)。
休日は駅発10本、学校発9本。

2代目(2006年4月)
「大学試験日」ダイヤがなくなり3本立てに。(大学試験日ダイヤは、学校発が10時台からあり、早い帰宅に対応していたようだが、あまり意味はなさそう)
平日ダイヤでは、初代において登校時間帯以降も毎時2~3本されていたものを毎時1~2本に減便。始発を7時20分に繰り下げ。計駅発21本、学校発19本

※2007年4月 学校法人名、各学校名を現行に改称。バスダイヤは前年度を踏襲。
2007年からは朝と下校時間に「女子学生・生徒専用車両」を1台ずつ運行。ただし書きに「(教職員・大学生・一般の方は男性も乗車可能)」とあるから、要は「男子高校生乗車禁止」車両だけど。

3代目(2009年4月)
大幅に減便
平日の駅発は7時30分始発で8時40分までは多数運行。以降は10時10分と12時30分だけで終わり。計9本
学校発は15時30分が始発で19時10分が終了の計7本。(いずれも複数台での運行あり)
休日は朝は駅発5本で8時40分が最終、学校発は12時、13時、16時半の3本(後に土曜のみ18時30分発を追加)。

4代目(2013年)
日曜・祝日・休校日の運行を廃止。他はおおむね3代目と同じ。
時間割の都合なのか、平日ダイヤが「月水木」と「火金」に分割。「火金」は下校時間がやや早い設定。

そして自主運行となる、
5代目
平日/土曜日/日曜日/試験日の4本立てダイヤ。日曜運行が復活
学校を出た便が駅で必ず折り返して運行する、回送なしの運用。そのため、朝から夜まで上下線が同時間帯に同数運行され、従来のような午前は学校行きばかり・午後は学校発ばかりといった偏りがない。
平日は駅発7時00分から21時00分まで、学校発6時50分から20時50分まで、各36本(36往復)程度。始発から8時30分、15時30分から17時40分までは10分間隔、昼間は1時間に1本。
土曜日も朝は10分間隔。日曜日でも朝・昼・夕方に8往復運行。土日の最終は18時台。

本数は直近と比べて劇的に増え、時間帯もまんべんなく運行されるようになり、非常に利用しやすくなる。
3・4代目ダイヤでは、登下校時間が決まっている高校生はともかく、大学生は使いづらいダイヤだったに違いない。


スクールバス運行開始以前は、秋田駅から学校までの路線バスがそれなりに(日曜も含めて夜まで毎時最低1本)運行されていた。
上記の以前の記事で触れた通り、スクールバスと同じルートを通る「中央線経由」(2001年に市営バスから中央線経由【13日訂正】中央交通へ移管)、少し遠回りの「横森経由」(2003年に移管)などであるが、スクールバスによって代替できると判断されたのか、中央線経由は廃止、横森経由も減便されてしまった。
その結果、3・4代目ダイヤの頃の生徒・学生は通学に困るさえあったのではないだろうか。


●所要時間と経路
2003年の運行開始当初の学校のホームページでは、駅から学校までの所要時間は「10分」とされている。
中盤には少し詳しく説明されており、「駅東口・約5分・東営業所(※)・約5分・大学正門・約5分・回転地」となっていた。
一般路線バスも同じだが、大学の正門側に途中バス停があり、敷地北側をぐるっと回って裏側にある「回転地」で折り返す運用だったようで、それだと運行上は片道15分かかっていたことになる。
上で※を付けた「東営業所」とは正確には「東営業所入口」のことで、現在は「城東中学校入口」バス停。一般路線バスでは東口から4分で到達することになっている。
少なくとも「東営業所入口」では乗車(学校行き)と降車(学校発)ができたようだ。車内放送はなく、降車合図ボタンは機能していたとか。城東中学校入口以外の各バス停は乗降不可だったのだろうか。

2013年頃には、「駅東口・約15分・大学入口」だけの表記になり、回転地に入らなくなったとの情報もある。途中乗降もできなくなったのだろうか?

自主運行になってからは、所要時間は10分としているようだ。途中乗降については不明。


●乗り場
中央交通委託時代は、5番まである秋田駅東口のロータリー状のバス乗り場の3番線で乗降を扱っていた。

今年3月時点では、1・2番が一般路線バス、4番は高速バスや定期観光バス(いずれも中央交通など路線バス系会社が運行)、5番は貸切バスなどが随時使用できる場所で、中央交通が受託したイオンモールのシャトルバスも使用。
3番乗り場は、一般路線バスの降車場としても使うことがあったが、表面上はノースアジア大学スクールバスの独占というぜいたくな使い方。
実は以前は、一般路線バスと3番線を共用していた。上記で出た「東営業所線」も3番線を使っていたのだが、2011年春の東営業所廃止に伴い路線廃止(代替路線は東口には来ない)された結果、独占。そんな状況だった。


4月になって新装なったスクールバスを拝見しようと、東口へ。
遠くを見通すと、ホームページの写真と同じバスがこちらに向かってくるのが見えた。
信号待ちがあるので、もう少しかかるだろうと視線を外して再び見ると、バスが消えた?!

どういうことかと、しばしキョロキョロすると、いつの間にか降車を扱っていた。思いもしなかった場所で。
こんな所で!
ロータリーではなく、NHK秋田放送局脇の道路上。
目を離した隙に、1つ手前の交差点を左折し、次を右折し、また右折し、NHK横に着いたのであった。(学校へ向かう時は、駅前の交差点を右折するだけ。)

学校のホームページには乗り場が変わった旨の記載はなく、僕も無意識に今まで通りロータリーに入ると思い込んでいた。
実は、この4月から日赤・御所野方面(広面御所野線)の一般路線バスの乗り場が2番から3番に変更になっていた。
つまり、中央交通との委託が解除されたと同時に、ロータリーから“締め出された”格好だ。

ほかにも、旧ツアーバス系の高速バスは、秋田駅東口周辺のロータリー外に乗り場を設けている。
北側の駐車場内が1社と、NHK横の路上が3社。NHK横には、何も書いていない(?)ポールが立っているが、スクールバスはそことは微妙にずれた位置に停まっていた。
この辺。特に看板とか印はなさそう
乗降場所が変わった結果、駅舎まで歩く距離はやや増えた上、乗り場付近に屋根や壁がないので、雨や雪、炎天下に待ったり移動したりは少々大変になりそう。
また、停車場所は、NHKの来客用駐車場出入り口のすぐそばなので、バス停車中に駐車場から出てくる車が右方確認しづらそうにしている場面も見られた。



●今までの車両
中央交通委託時代は、路線バス仕様の大型バスによる専用車両が2~3台配置されていた。いずれも、いすゞ製の首都圏の中古車。担当営業所はたしか当初は距離的に近い秋田東営業所で、廃止後は大川反の秋田営業所。
当初は塗装も専用のオレンジ色だったが、その廃車後の後継車両は、一般路線車両と同じ緑色の塗装になった。
一般塗装だけど、運賃箱がなかったり行き先表示が違ったりして、路線バスとして運用することはできなさそうなので、あくまで専用車両。
ただし、末期にはほぼ同型ながらLED式行き先表示に替えられた車両も恒常的に使われていた。運賃箱などは付いたままの模様。これは以前は臨海営業所で一般路線に使われていた車だろうか?
幕式の車両では、3校連名の校名入り専用行き先表示がセットされていたが、LEDの車では「スクール」のみを表示。

近年では、いずれも富士重工「7E」ボディの332(LED)、364(LED)、369、752、753がよく使われていた。
これらの車両は、イオンモール秋田や各種イベントのシャトルバスに駆り出されることもある。
イオンモールシャトル運用時の「364」
登校時間帯など専用車両が不足する時は、一般路線車両が応援に入ることもあった。担当営業所に大型車の余裕がないので必然的に中型車で、三平バスも使われることがあった。

大川反の秋田営業所から東口もしくは大学まで、回送距離が長い。
回送ルートは複数あり、山王十字路→秋田中央道路の地下トンネル、竿燈大通り→中央通り、竿燈大通り→土手長町→南大通りを確認している。
朝日を浴びて竿燈大通りを回送する「753」。回送時も3校連名の専用表示を出すことが多かった
専用車両は、(中央交通の他の路線車も似たようなものだが)屋根上に錆が出るなど傷んでいる車両も多かった。一方で、車体が比較的きれいな車両もあり、もう少し使えそうな気もする。
とりあえずイオンモールシャトルには使い続けられそう。

【23日追記】コメントでも情報をいただいているが、スクールバス専属だった車両の多くは、LED化などの路線用改造を受け一般路線に投入される模様。
4月23日には、上に写真が出ている「753」がLED化され(もちろん運賃箱等も設置されたはず)、秋田営業所担当の広面御所野線を営業運行していた。以前は「出入口」だった中ドアの表記は「入口ENTRANCE」に改められたが、前ドアは「出口」と英字なしのまま。

【5月2日追記】上のほうに写真がある、LED行き先表示など路線仕様のまま実質的にシャトル専属として使われていた「364」が、割山線で運行されていたのを確認。臨海営業所に転属し、路線運用に復帰したようだ。(屋根に錆が発生していたが、どうなっているかは見ていない)


●これからの車両
学校法人による自主運行に当たり、自家所有と思われる連番の白ナンバー登録の車両が2台用意されたようだ。2台は塗装が異なる。【13日追記】もう1台あって計3台らしい。
いずれも現行車種ではない日野製の大型バス「ブルーリボン」。ツーステップで、前にだけドアがある「トップドア車」で、背もたれの高い2人掛け座席が並ぶので、元から自家用として使われていたバスを中古で購入したと思われる。
2台はよく似ているが相違点もあり、元の所有者は別だろう。

違いをまとめておく。
 白いほうが若いナンバー
1台目:白一色塗装、窓枠黒、屋根上マーカーランプあり、正面の学校名表示大型、正面エンブレムなし、ヘッドライト丸??、座席青色、リアウインドウ「HINO」表示あり、テールランプ周囲が白、後部ナンバープレート付近に補助テールランプあり、「ABS」表示なし

2台目:白&青緑塗装、窓枠銀、屋根上マーカーランプなし、正面の学校名表示小型、正面エンブレム「H」、ヘッドライト角、座席赤色、リアウインドウ表示なし、テールランプ周囲が黒、後部ナンバープレート付近に灯火なし、「ABS」表示あり

 
路線バスなら行き先表示に当たる学校法人名表示部分の大きさ、というか余白の白/黒の面積が2台で違う。どうして揃えなかったんだろう?(照明が灯る都合かな?)
側面には3校名のほか、同一法人運営の「秋田看護福祉大学」も表記されるが、所在地は大館市


●運用
下校時間帯の10分間隔で運行される様子を少し見ていたが、2台が交互に来ていた。
ダイヤ上は所要時間10分なので、待機時間なしで行ったり来たりすることになり、少々きつそう。
以前よりやや遠回りになり、ドアが1つだけなので乗降に手間取るようで、若干遅れがあったようだ。積雪時にはどうなるか。

ドライバーは1日当たり4人は必要だろう。毎日運行だから、総数ではそれ以上。
車両は、日曜日だけは車両1台で回せそうだが、それ以外は2台必要。点検や故障時の予備車はどうするのだろう。【13日追記】もう1台あって、3台体制らしい。それなら予備車は確保できる。
状況は以上。



委託末期の「午後に学校へ向かうバスが1本もない」という状況は、スクールバスがあることを謳う大学としては貧弱に感じた。学校法人としては、スクールバスはたくさん運行したいけれど、中央交通へ委託する費用がネックだったということだろうか。
見た時は、夕方に学校へ向かうバスにも、大学生と思しき人がわずかに乗車しており、空気輸送ではなかった。(今まではどうしていたの?)ただ、夜の9時までそういう需要があるとは思えない。どっちみち学校へ戻らなきゃいけないだろうけど。

自主運行で費用は抑えられるものの、車両の維持管理、ドライバーの管理、万一の事故の処理を自らで適切に行わなければならない。(白ナンバーのまま、それらをそっくり委託するやり方もあるそうだが)
余談だが、附属高校→明桜高校には2009年まで「自動車工学科」が存在した。バスのメンテナンスもできた?

中央交通にしても、末期は本数が激減したのに、車両と乗務員を別に確保せねばならなかったし、回送・待機が多そうだし、同社には委託運行の経験やノウハウはあまりなさそうで、乗り気でなかったのかもしれない。
バス会社としては、人口減や路線バスがもうからない今、売り込みも含めて上手にできれば、受託運行は貴重な安定収入になると思うけど。


※県職員採用試験時の対応
以前記事にしたのは、秋田県庁の職員採用1次試験が日曜日にノースアジア大を会場に実施されるのに、路線バスがほとんどないことに気付いたから。
間もなく実施される平成27年度分では、「第1次試験日に運行されるバス(臨時・定期)については、試験日程等の詳細が決まり次第、このページに掲載します。」との予告が、県のホームページに出ている。増発されるということなんだろう。前からそうだったのかな。

※大学入試センター試験時の対応
ノースアジア大は、大学入試センター試験の会場としても使われる。2017年は、大学ホームページにおいて、スクールバスをセンター試験用の特別ダイヤで運行することが告知された。試験時間に合わせたのか、けっこうな便数が運行された。関連記事


ところで、静岡の御殿場の近くに「時之栖(ときのすみか)」というリゾート地がある。【13日追記】※地元が地盤で全国向けにソーセージなどを製造する「米久」の系列だそう。
三島などから無料シャトルバスが運行されているのだが、自前で運行するものと、地元バス会社に委託運行するものが混在している。しかも委託先は富士急シティバスと沼津登山東海バス(小田急系列)の2社。(現在は富士急だけになっているが、季節による?)
パンフレットなどには便ごとに運行会社名が書かれているが、知らない人は迷うかもしれない。
時之栖自前では車両・ドライバーともまかない切れないからなのか、日頃から関係を作っておいて何かあった時に融通を利かせてもらえるようになのか、あるいは地元企業の顔を立てているのだろうか。





大学が所有する日野製大型バスと言えば、弘前大学農学生命科学部が使っていた1980年式の「RE101」。
(再掲)ノースアジア大のバスより15~20年くらい古いだろうか
車検が切れてどうなるかと思っていたところ、なんと弘南バスへ譲渡された。弘南バスではイベントや団体運行に使う計画であることが、東奥日報で報道された。
3月末に仮ナンバーで走行していたとの目撃情報をコメントでいただいたが、運輸局へ向かっていたのだろうか。現在は「917」という緑ナンバーになった(東奥日報の写真で確認)。
10日に引き渡し式が開かれたそうだが、式についての公式発表や報道は今のところ見ていない。

意外だったが、地元のバス会社によって地元で走り続けられることになって、ベストな結果だったのではないだろうか。
弘南バスさんは、日頃から古いバスを大事に使っているので大丈夫そう。今のところ塗装は弘大時代のままだが、塗別にあれでなくてもいいと思う。昔の路線カラーなんかいいかも。
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寺町迂回運行

2015-04-08 22:32:51 | 秋田の地理
2013年夏に開通した、旭北寺町を抜けて横町と新国道のドン・キホーテ南側(山王五丁目交差点)を結ぶ道路。
彼岸の墓参りの時に通ると、
「臨時停留所」のバス停ポールが立っていた
ここは歩道と車道の間に自転車通行帯があるが、ポールは歩道部分に立っていた。それで妥当だけど、乗降時は自転車帯を横切ることになるので、左右に注意。
ポールは横町から新国道へ西進する側だけに立っていた。
掲示類はないものの、どういう目的か想像はできたし、すぐ近くにある川尻割山線「大悲寺(だいひじ)前」バス停に、想像通りの掲示が出ていた。

寺町は一方通行路があるため、そこを通る川尻割山線は、上下で経路が大きく異なる。バス停名では、
秋田駅発の下りが 大町四丁目→大町五丁目→大悲寺前→川元開和町
上りが 川元開和町→長崎屋バスターミナル(朝の一部は路上の旭北錦町)→旭北前→寺町→大町四丁目
という経路。
このほど、大悲寺前バス停付近の一方通行の道路で下水道工事が行われ、大型車両の通行規制が実施(普通車は通行可)されるため、下り割山線が迂回を強いられることになった。
従来左折していた交差点を直進して迂回路である新規開通区間へ入り、すぐの所に大悲寺前の代替停留所を設置。「山王五丁目」交差点を左折して新国道へ出て、すぐに「市立病院前」交差点を右折して、正規ルートへ復帰する。
右折待ちの時間がかかりそうだが、所要時間は正規ルートとそんなに変わらないだろう。
バスは向こうから来る。正規ルートでは右方向へ曲がって大悲寺前へ
今回は新しい道路ができていたから、影響が最小限になる迂回路が確保できた。もし、新しい道路がなかったら、相当大回りする迂回ルートを設定しなければならなかっただろう。(新屋線のルートで小川町まで出て、新国道を戻るとか?)
むしろ通常もこのルートのほうが、狭い道路での取り回しや墓参ピーク日の路上駐車がなくて、運行が楽なような気がしなくもないけれど、やっぱり新国道の右折は大変かな。
Googleマップより。オレンジが通常・赤が迂回ルート
迂回期間と時間は、3月23日から4月17日の平日・土曜日の、9時から17時まで。
ただし、4月3日は最終便まで、4日は始発便から迂回。


ところで、上の地図に青い線で示したように、長崎屋経由大川反車庫行き(正式名称「中央交通線」)が割山線の近くを通る。
迂回運行の割山線(左)と長崎屋経由秋田駅行きが山王五丁目交差点で一瞬ご対面
新国道の西側では、両路線が1ブロック隔てた道を並走していることになる。
秋田市立病院へバスで行くには、病院正面を通る割山線か西口を通る新屋西線を利用するが、長崎屋経由を「山王五丁目」で降りて歩いても正面玄関は大した距離ではない。
割山線、新屋西線ともそれなりに運行本数があり、長崎屋経由中央交通線は最近は本数がやや減って、しかも等間隔でないのであえて利用するメリットはなさそうにも思えるが、秋田駅からの運賃は割山線と新屋西線は260円、長崎屋経由は210円で50円も安い。
ちなみに、長崎屋→秋田駅西口では、割山線、中央交通線とも210円で同額。(割山線は通町を通るので遠回り)
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テレビ改編

2015-04-07 23:58:16 | その他もろもろ
2015年4月のテレビ番組の改編の話。※NHKは3月30日から実施
昨年は「笑っていいとも!」と「はなまるマーケット」という2つの長寿番組の終了のほかには、個人的にはあまり目立った変化がなかったような気がしたけれど、今回は小さいながらもいくつかの変化を感じた。

●31年使われた名曲
フジテレビ(FNN)のニュース番組では、1998年から続いた夕方の「スーパーニュース」、1994年からの夜の「ニュースJAPAN」が終了するなどの変化があった。
その余波なのか、日曜日のストレートニュースで、1984年から31年に渡って使われ続けた、たかしまあきひこ作曲のテーマ曲が、別のものに変わってしまった。
【12日追記】フジテレビの各ニュース番組のスタジオセットも一新された。個人的には、全体としてどことなく「TBSっぽい」雰囲気になったような…

日曜日の朝6時と昼前11時50分からのニュース。
フジテレビでは「産経テレニュースFNN」という番組名だったが、系列各局では、それぞれと資本関係のある地元新聞社などに配慮して番組名を変えているところが多く、中にはテーマ曲も別に差し替えていたところがあったので、全国どこでも流れていたわけではない。
秋田テレビでは「FNN・AKTニュース」という番組名ながら、音楽はフジテレビのものをそのまま使っていたので、聞くことができた。

元々は、すべての時間帯共通の「FNNニュース」のテーマ曲として作られたようで、俵孝太郎氏がキャスターをしていた夜の番組でもかかっていたのではないだろうか。


たかしま氏はドリフターズ関連の音楽、いずれも昭和末期のアニメ「パーマン」の音楽や「Dr.スランプアラレちゃん」の主題歌の編曲を手がけ、現在もNHKの歌番組の編曲などをしているようだ。
フジテレビのニュース「スーパータイム」(1984年10月~1997年)の曲もたかしま作品だったが、産経テレニュースとはだいぶ雰囲気が違う曲。
産経テレニュースのテーマは繰り返すフレーズが長く(時間調整しやすそう)、終わりそうで終わらないところがたまらなかった。いつかは使われなくなるとは思っていたが、まるで忘れられたかのように31年も使われたのは奇跡かもしれない。
【8日追記】オーケストラというか吹奏楽部の楽器で演奏できそうな曲だった。昨今主流のテーマ曲に比べると堅いけれど、古臭くはなくいつの時代でも通用する曲だったのではないだろうか。【9日追記】コメントで「ファンファーレ」調といういい表現をいただいた。

なお、新しいタイトルも、秋田テレビでは曲が変わった以外は昨年度と同じ。フジテレビのお天気カメラの映像に、白いテロップの「FNN AKTニュース」が表示される。


●意外に少ない変化
もう1つ日曜の番組。
昨年末から明らかにされていたが、放送開始70周年を迎える「NHKのど自慢」の出場可能年齢が、高校生以上から中学生以上に引き下げられた。
公式ホームページでは「節目の年を迎えた今年、より幅広い世代の視聴者に楽しんでいただくことを目指して」「これまで以上に若い世代に人気のあるヒット曲を歌唱していただくことで、家族3世代が一緒に楽しめるバラエティーに富んだ歌番組を目指します!」などとしている。
芸能ニュースで小さく報道されたりもして、4月5日放送の愛媛県八幡浜市の回から実施された。
初の中学生の本選出場者は、3番の中学3年生の女性。「熱情のスぺクトラム」を歌い、鐘2つ。

今年初めの2回だけは、合格者の居住地と名前を聞かない前例のない事態になったものの、その後元に戻るという不可解なことがあった。
この調子では、4月に大きな変更点が出るのではないかと危惧していたところ、実際にはほとんど変わりなかった。
ラジオで聴いていた人は、以前とまったく変わらなかったはず。

テレビでは次のような変化はあった。
出場者が歌っている間、画面右上に「(鳥のマスコット)愛媛県八幡浜市/生放送」と地名、右下に「♪熱情のスぺクトラム」と曲名のテロップがずっと表示されるようになった。
歌唱後のインタビュー時は地名のみ表示、最初のご当地紹介やゲストが歌う間は両方とも消える。(地名は1番から20番までずっと表示し続ける)

従来は、途中(10番の歌い始め辺り)でステージ全体を引きで映して、中央下に「青森県 弘前市民会館」といった会場名のテロップ(冒頭に表示されるのと同じもの)が出ていたが、それは廃止された?

たしかに、途中から見て「今日はどこからやってるんだっけ?」と思ったり、出場者がまれに言わなかったり聞き取れなかったりして「この歌はなんて曲?」と思う時はある。
どうせなら、曲名だけでなく、番号や元の歌手名・発表年も表示すれば分かりやすい気もするけど、うるさいかな。(番組ホームページでは、歌手名は表記される)【下の追記参照】
5日では「デリケートに好きして」「夢想花」など懐かしい曲を歌った人がいたけれど、知らない人、おぼろげに知っている人もいるだろうから。

少々気になったのは、右上の地名が、常時薄く表示される「NHKG」のウオーターマークに重なっていること。
NHK・民放とも他の番組でも見られる現象であり、別段目障りではないが、せっかくウオーターマークを表示するなら、配慮すべきではないだろうか。
あと、まれに生放送でない回があるが、その時は「生放送」の部分はどうなるか?

昔に比べると、全般にテレビの字幕は増えたが、のど自慢もそうなったかという思いもする。
何年かしたら、ゲスト歌手の顔を「ワイプ」で出すようになったりするかも?!

【2016年4月3日追記】この1年後、2016年4月3日の放送からは、歌手名が表示されるようになった。
「♪サウスポー(ピンクレディー)」とカッコ内に歌手名。改行せず1行が原則で、文字数が多いと上に曲名、下に歌手名となる。元とアレンジが違うカバー曲では、そのカバーした歌手名が出るようだ。
【2016年4月10日追記】2016年4月3日の放送ではどうだったか不明だが、4月10日放送では、ゲストの歌唱の冒頭でも、開催地名と曲名(書体は別で「♪」なし)が少しの間だけ表示された。
また、4月3日からオープニングのカメラ割り(現地を紹介するVTRが長く流れた後、出演者が既に整列した状態で会場が映る。だから入場シーンは映らない。ちなみに1番が歌う前のご当地紹介VTRは継続)やテロップの内容が変更されている。

2017年にも変化あり(リンク先後半)。


●3代目
さらにもう1つ日曜昼。13時25分からテレビ朝日系で放送される、大阪の朝日放送(ABC)制作「パネルクイズ アタック25」の司会者が5日から変わった。
1975年の初回から2011年まで36年間、児玉清氏が務めた後、ABCの浦川泰幸アナウンサーに交代していたので、3代目。
新たな司会者は俳優の谷原章介氏。

個人的には、浦川アナウンサーの司会は児玉さんと比べると若すぎるとは思ったけれど、別段悪くはなかったと感じていた。
せっかく浦川さんに慣れたのに、谷原さんへの交代。役者としての谷原さんは知っているし、番組の案内役のような司会はやっていたけれど、回答者相手に臨機応変な対応が求められるアタック25の司会はどうなるかと思ったけれど、そつなくこなしていた印象。
なお、浦川さんは今43歳、谷原さんはその1歳下。1975年の放送開始時の児玉さんは41歳だった。
【8日追記】適不適以前に、谷原さんの人選が意外というかそう来るとは思いもしなかった。関西出身だとかクイズ好きだとかいった関連性はなさそうだし、どういう経緯で白羽の矢が立ったのだろうか。同じくABCの「探偵ナイトスクープ」の上岡龍太郎の後任の局長に西田敏行氏が選ばれた時も同じ気持ちになったが、今はなじんでいるのと同じようになっていくのだろう。

出題ナレーションは、2013年から務めていたABC角野友紀アナウンサーが降板(退社)、児玉時代の2009年から担当していた加藤明子アナウンサーが再登板。

司会者が変わったわりには、番組の流れとか雰囲気は、直前とはさほど変わらないようにも感じられ、違和感はなかった。
浦川さんの頃に1度リニューアルされていて、児玉さん当時とは違っている点も多いが、慣らされたのか。

「にじゅうご にじゅうご」の女声コーラスの主題歌や、早押し、パネル点灯などの効果音がリニューアルされたものの、これも以前とさほど違わない。
最後の優勝者の海外旅行挑戦クイズのVTR中に流れる音も、以前のリニューアルだが、これはちょっと雰囲気が変わっておとなしくなり、以前の切迫感が減った。
最後の提供スポンサーの読み上げ時にも主題歌が流れる。従来は、読み上げ後に歌の音量が大きくなり、ちょうどそのタイミングで男声の「アタック!」が急に大きな音で聞こえて、知らないと少々びっくりしたものだが、リニューアルでそれは解消されたようだ。【19日追記】タイミンがずれて、提供ナレーションと小さい音量の「アタック!」が重なるようになった。
【12日追記】旧バージョンではオープニングテーマでも男声の「アタック!」があったはずだが、リニューアル後はエンディングだけになった。【19日追記】新バージョンでも最初は男声の「アタック!」で始まるが、旧バージョンはそれ以降にも男声があったような…
【5月24日追記】男声の「アタック!」はリニューアル前後とも、作曲者の故・山下毅雄氏の声だそう。

アタック25では時間制限があって、ごくまれに、すべての問題が出る前に打ち切りとなる。その時に、学校のチャイムでおなじみの「ウエストミンスターの鐘」が鳴る。
効果音リニューアルで、その鐘の音も変わったのだろうか。聞いてみたいけれど、チャンスは少ない。


次にローカル。
●異動
NHK秋田放送局では、夕方のニュース番組「ニュースこまち」を担当していたアナウンサーが、昨年、年度途中で降板・異動した。
その後は、2名のアナウンサーが交代で出演していた。(他の業務の都合もあるようで、きれいに隔週とか半々ではない)
中でも、福井茂アナウンサーのキャスターぶりは、なかなか好評だったのではないだろうか。
最近のNHKローカル局は若いアナウンサーに夕方のニュースのようなメインの番組を担当させる傾向にある中、代理とはいえ50歳代のメインキャスターは異例とも言えるが、落ち着いていていいと思った。

4月から、それも解消。1人のアナウンサーがずっと担当する体制に戻った。
後任は、仙台放送局から異動した高橋篤史アナウンサー。
3月末まで土曜朝の東北6県向け「ウイークエンド東北」のキャスターだった。

前任者の異動によって、秋田局のアナウンサーが定数の1名減だったので、定期異動前に補充のために異動を行ったのは分かるが、「拠点局→同じエリア内の県域局」の異動であること、高橋アナウンサーは仙台局に2年半ほどしか在籍しておらずやや早期の異動であること、異動して来ていきなり帯番組のキャスターという3点において、珍しい。
秋田の視聴者としては、見たことがない人よりも、ウイークエンド東北で見たことがある人のほうが、親しみはわくだろう。
そう言えば、高橋アナウンサーは2月か3月頃に2回くらい、1泊2日の応援要員として仙台から出張して来て出演していたが、異動する伏線(というか準備)だったんだろう。

「ニュースこまち」では、徳島の高橋アナウンサーのご母堂から、おたよりコーナーに「息子をよろしく」というメッセージが届いた。

●長期契約
NHK地方局で欠かせないのが、(なぜか女性ばかりの)契約キャスターの存在。
昔は、必ず1年契約で毎年入れ替わっていたが、最近は2年以上継続して雇用されることが普通になった。

秋田局でいちばん在籍年数が長かった契約キャスターが、阿部由佳さん。ここ4年ほどは、平日朝の「おはよう秋田」を1人で専任で担当していたが、3月末でご退職。
秋田局のご本人のブログによれば、阿部さんの秋田局在籍は「約7年半」だそうで、局舎が山王の市役所隣(新庁舎建設地)にあった頃からと思うと、すごい。※移転は2008年春なので、最初の半年だけ山王に勤務した計算になる。
なお、ご本人は「結婚するわけでも、移籍するわけでもない」と潔く表明しておられる。
岩手出身の方で、たしか当初は福島局かどこかの契約キャスターで、年度途中で秋田に移ってきた気がする。

昨年度の秋田局は契約キャスターが異様に多く、8人もいた。
2015年度を迎えるに当たり、新規キャスターの募集は行われなかったようで、他の7人は今年度も継続。
NHKの契約キャスターというのは、何年まで続けられるもんだろうか?
【9日追記】ちなみに、秋田以外ののNHK県域放送局では契約キャスターは5~6人が多いようだ。正職員アナウンサーより多いというのは、いかがなもんだろう。

おはよう日本の後任は、ニュースこまちから移った吉田キャスター。
朝の「おはよう○○」を契約キャスター固定で担当するのも、全国的に珍しいそうだ。他県では、嘱託など年配のアナウンサーが担当したり、夕方担当以外のアナウンサー全員で回したりしている。

●海上予報
NHK秋田局の天気予報は、他県では伝えられる週間予報の気温や冬期間の降雪量予報がなく、少々物足りなく感じていた
新年度も変化はなさそう。

唯一変わった点は、海上予報。
従来は、文字だけで表示していた(範囲も秋田沖だけ?)のが、3月30日からは、地図に線を引いて「秋田沖/佐渡沖/能登沖」の範囲を示すようになった。【5月8日追記】3区域の表示は警報注意報で、海上予報本体は秋田沖のみのようだ。
多くの視聴者には海上予報自体、あまり必要としないかもしれないけれど、分かりやすさは向上した。

同じようなデザインの画面を、青森局だったか、先に使っているところがあったはず。

●仙台の天気
仙台放送局からの東北6県向けの天気予報も小変化。
オープニングの音楽が、ピアノとクラリネット(?)のものから、東京からの天気予報と同じ音楽に統一された。
朝を3年担当した三宅惇子気象予報士(株式会社ウイング所属)が大阪局へ転出。

翌2016年春の変化。(リンク先中ほど)


●統合と降板?
秋田朝日放送のローカル番組。
テレビ朝日の夕方のニュース「スーパーJチャンネル」。1997年から続いているが、当初1年間は石田純一氏がキャスターをしていて、番組名は純一の「J」なんだとか。【8日追記】石田純一氏キャスター就任時に、後の谷原さんや西田局長同様に「どうしてこの人が?」と不思議だったのを覚えている。不倫騒動で1年で降板することになり、違和感しか残らなかった気がする。石田氏は月-木曜担当で、金曜は、あの田代まさし氏がキャスターだったそうで、そう言われればなんとなく覚えている。

そのローカル版が「スーパーJチャンネルあきた」。全国版から1年遅れて始まって続いているが、2011年以降は金曜日だけ「情報ニュースショー トレタテ!」という別番組扱いだった。

今年4月からは、両者を統合する形で月曜から金曜まで「スーパーJチャンネル トレタテ!」という、番組になった。
金曜だけのトレタテ当時は、当初は局アナで2014年からフリーになった塩地美澄さんがキャスターを務めていたが、今春からはキャスターには含まれていない。でも、降板ではなく、今後も時々は出演するという情報もあるが詳細は不明。
【5月6日追記】ご本人のツイッターによれば、隔週火曜日の中継に出演しているらしい。また、4月下旬に「約2年にわたる闘病生活」の末、お父様が亡くなったとのこと。「フリーになり看病に十分な時間を充てられた」ことに感謝されており、AABを退社したのにはそんな事情もあったのだろう。【2016年3月27日追記】その後、2016年3月をもって、塩地さんは降板。


●後任はまだ
1993年から放送されているNHK Eテレのアニメ「忍たま乱太郎」。
毎年春から新作が80作ほど放送され、以後は過去の再放送というパターンが定着していて、今年も第23期となる新作が放送開始。

主要キャラクターである、山田伝蔵先生の声を担当していた、大塚周夫さんが今年1月15日に亡くなった。
しかし、現時点では新作も大塚さんの声。
「サザエさん」とは違って、だいぶ以前から収録をするものなんだ。(大塚さんは急逝され、亡くなる当日まで普通に生活していたそうではある)
山田伝蔵の声を大塚さんが担当したのは、原作者・尼子騒兵衛氏(女性)のたっての要望だったそうで、その後任が誰になるか、気になる。

ちなみに、納谷六朗さんの「クレヨンしんちゃん」の高倉文太園長も後任が未発表。【10月12日追記】2015年10月9日放送で久々に高倉園長がセリフ付きで登場。後任は俳優としても活躍する森田順平さんであることが、放送の数日前に発表された。

【8日追記】おそらく放送開始からずっと同じだったサブタイトルコール(~の段)の音楽が、今作から別のものに変わった(映像はよく変更されてきた)のに違和感。

【5月4日追記】山田先生役は、5月4日放送の第23期26話から後任に交代。
後任は大塚周夫さんの息子・大塚明夫さん。よく聞くと違うが、違和感がない。大声で叫ぶ時の声など区別がつかないほどそっくり。


●全国放送なのに
NHK総合で夕方17時台に2006年から放送されていた生活情報番組「ゆうどきネットワーク」→「ゆうどき」が終了。当初は、首都圏ローカル番組だったのが、徐々に全国各地で放送されるようになっていた。

後継番組は「ニュース シブ5時(しぶごじ)」というニュースをメインとした情報番組。
引っかかるのが「シブ5時」という番組名。「渋谷(のNHK放送センター)から5時に放送する」という意味らしい。

全国放送なのに、渋谷すなわち東京のことしか考えていないような名前だと感じる。「ゆうどき“ネットワーク”」とは対照的。
地方が厳しい時代を迎え、東京一極集中がさらに加速しつつある中、それを助長するような番組名だと思ってしまうのは、地方に住む者のひがみでしょうか。
【17日追記】「ゆうどき」の最後の2年ほどは、金曜日だけは大阪放送局からの放送だったが、シブ5時ではその名の通りすべて渋谷から放送。


ほかに、秋田ケーブルテレビの道路情報などコミュニティチャンネルの構成が変更になったのも気になったが、機会があればいずれ。→こちら

【16日追記】定時の「NHKニュース」の変更点。
5分程度の短い定時ニュースにおいて、アナウンサーに向かって左側の画面を空けて、項目を列挙するようになった。正午のニュースは従来通りのスタイル。
また、正午など全国版とローカル番が続くニュースでは、全国版の終わりに従来は「NHKニュース」とだけテロップが出ていたが、デザインが変わって「制作著作NHK」も表示されるようになった。
全体に字幕のフォントも変更。
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ネスレ缶/値上げ

2015-04-06 23:28:34 | その他もろもろ
先日少し触れた(リンク先末尾)ように、3月末でネスレ日本が缶コーヒー事業から撤退した。
発売元であった大塚が提携先をアサヒに鞍替えすることになり、ネスレは販路を失ったのが理由とのこと。
1990年代後半は、明石家さんまを起用したテレビCMなどでそれなりに幅を利かせていた「ネスカフェの缶コーヒー」をもう飲めなくなることになる。
飲み納めをしたくても、自販機自体、どこにあるのか知らないから、もう飲むことはないかと思っていた。


ところが、4月に入ってから秋田市内某所にて。
これは!
赤ベースに黒や青のブロック模様が入り、白で「NESCAFE」と表示がある。紛れもなく、ネスレの自動販売機。【「NESCAFE」ロゴについては後半の追記参照】
今まで視界に入っても意識していなかったのか、ある所にはあるんだ。
売っているものは、
「NESCAFE」と書いてあるわりには…
オロナミンCやポカリスエットなど大塚の商品のほか、それ以外の複数ブランドも相乗りする自販機。(大塚の自販機ってこういう方式なのか)
「ウェルチ」のブドウジュースが入っているが、アサヒ傘下になったカルピスの製品。ということで「NESCAFE」とありながら、既にアサヒが関わっていることになる。
缶コーヒー類はサントリーBOSSが多く、UCC、ポッカサッポロ、伊藤園も入っていて、豊富なラインナップ。
でも、肝心のネスカフェがない! 「NESCAFE」の自販機なのに。

これじゃあ、かつてのキャッチコピー「つこてる豆がちゃう。」ならぬ「扱こてるブランドがちゃう」。
でも、4月になったから商品供給が途絶え、かといって自販機を直ちに替えるのも時間的に無理だから、過渡期の姿なのかと思った。
一瞬期待したものの、やはりネスカフェの缶コーヒーは飲めないのか。


さらにところが、
某施設内に設置された、上と外観デザインは同じでラインナップが少し多い自販機。そう言えば、ネスレの自販機は、屋外よりもビルの中にわりとあるような気がする。
♪ネスカフェの缶コーヒーネスカフェの缶コーヒー!
UCCとBOSSに挟まれて、2つだけ、ネスレの缶コーヒーがあった。

3月末は「生産終了」のようだから、まだしばらくは流通するということか。
自販機を管理している業者は、2台とも同じようだが、設置場所提供者の意向や売れ筋の違いということだろうか。

今を逃せば、もう永久に入手できないかもしれないから、購入。(右側の商品)
普段ほとんど自販機で買わないけれど、今は130円もするんだもんね。
ネスカフェゴールドブレンド
「つこてる豆がちゃう。」かどうかは分からなかったけれど、コーヒーの味がしっかりした缶コーヒーかな?
「販売者」が「ネスレ日本」、枠外の「発売元」が「大塚食品」

鳥の巣マーク付きの缶(「ネスレ」はドイツ語で「鳥の巣」の意味)
賞味期限は来年1月だった。

ネスレのホームページ(http://d.nestle.jp/nescafe/can/)には、4種類がラインナップされている。
今回買った「微糖」でない「ゴールドブレンド」が出ていないけど
かつての「サンタマルタ」「モンテアルバン」なんて商品名はなくなっていた。
「NESCAFE」の自販機も、早晩別のブランド表記に変わっていくのだろう。

【7日追記】自販機と缶で「NESCAFE」のロゴが違っている。自販機のほうが見慣れた印象。
やや角が丸みを帯び、Eの上の点が赤色である缶のロゴが2014年9月から使われている現行のもの。(上のホームページの商品紹介の画像は自販機と同じだから、更新していないことになる)
したがって、新ロゴの缶は、最後のわずか半年間しか製造されなかったことになり、貴重かもしれない。(新ロゴの自販機が存在するとすれば、それも貴重だ)

【5月9日追記】この「NESCAFE」表記の自販機と同一の色・柄で、文字だけが「NeOS」と表記された自販機もわりと見かける。どちらの自販機も「ネオス」という企業(大塚やネスレなどが株主)が管理しているので、今後はNeOS表記が増えていくのだろう。
なお、「NESCAFE」の自販機も、秋田駅周辺ではアゴラ広場やアトリオン隣の駐車場にあって、まだそれなりに残っている。

【6月19日追記】白いボディで「POCARISWEAT」「Asahi」とともに三者連名の自販機も発見。小さく「大塚」と書いてある。

※同じ年、JT(日本たばこ産業)の飲料自販機にも変化があった



報道された通り、4月から乳製品、食用油、ケチャップ、ネスカフェのインスタントコーヒーなどが値上げされた。
原料から流通までのどこかでコストがかかり増しになったから、その分が価格に転嫁されたわけで、消費者としては受け入れるしかない。

今回は、購入頻度が多い商品で、値上がり幅が大きいものがあり、痛手だ。
イオンリテールでは1000mlの成分調整牛乳が、税込み160円から178円に一気に値上がりした。11%の値上げ。
5年くらい前には、たしか130円くらいで買えていたのが夢のよう。
なお、マックスバリュ東北では、メーカーは別だが価格は据え置きで、系列内で価格差が広がった。


値上げには、1商品当たりの量を減らして実質値上げとすることもある。
減量を知らずに買ってしまう(この記事末尾)ことがあり、消費者としては複雑な心境になる。
ホームページや店頭で、目立つような「減らしてしまいました」との告知はない。もう少し、謙虚というか誠実な態度ならば、消費者としてはより納得できそうに思えるが…

今回は森永「ビヒダスヨーグルト」。
左が新しいもの、右が3月まで。下部のキャッチコピーも変わった
店頭で容器の「ビヒダス」の文字が大きくなったのに気づき、もしやと思ったら、内容量が450グラムから400グラムに減らされていた。
多くの店で価格はほぼ変わっていないので、実質12%程度の値上げ。


2009年3月に明治ブルガリアヨーグルトが500グラムから400【7日訂正】450グラムに減量されたことを紹介していた
その時は同年6月にビヒダス、さらにプライベートブランドも追随し、ヨーグルトは450グラム入りが基本になってしまった。
※現時点で例外は、雪印メグミルクナチュレやイオンの黄色くて安いトップバリュベストプライスは各400グラム、グリコ朝食BifiXヨーグルトは375グラム。
今回はビヒダスが先に減量。今後、ブルガリアやプライベートブランドが追随することになるかもしれない。


それにしても、昔はこのタイプのヨーグルトは500グラム入りが長らく一般的だった。
例えば、明治ブルガリアヨーグルトは、発売された1971年からほぼ一貫して500グラム入りだった。(消費税導入などの影響か、1990年前後に何度か一時的に550グラムに増えていたことがあるようだ)それが、2009年に450グラムになり、わずか6年後に400グラムに。
メーカーとしては「家族の人数が減って」とか理由を付けて、今後もどんどん減らされかねない。
最近は小容量の機能性ヨーグルトが流行っていて、メーカーとしてはそっちを売りたいのかもしれない。

個人的には、機能性ヨーグルトの「機能」は副次的なものであり、過度に期待してはいけないと思う。整腸作用なら普通のヨーグルトで充分。
だから、普通のヨーグルトをたっぷり食べればいいと思う。そのためにも、500グラムとかそれ以上の大容量にすれば、重さ当たりでは割安になるし、消費拡大になるのではないでしょうかね。


いずれにしても、たかが数十円かもしれないが価格差にほんろうされる消費者は少なくない。昨年と2017年(予定)に消費税増税もあるし、この程度景気が良くなったくらいでは、消費者の負担が増えるばかりである。
政治家のみなさんは、こうしたことをご存知なのでしょうかね。

【11日追記】一昨年~昨年辺りからだが、バナナの値段も上昇傾向だった。この4月からはイオンリテールで、さらに値上がりした。以前は1房100円台から揃っていたが、4月からはプライベートブランドも含めて200円台が主流になった感じ。マックスバリュ東北でも値上がり気味ではあるが、そこまでは高くない。

【5月10日追記】その後、2015年5月初め頃から、プライベートブランドのヨーグルトが値上げされた。いずれも8%税込みで、セブンプレミアム450gが128円→138円、トップバリュ450gが128円→135円、トップバリュベストプライス400gが98円→105円。

【2016年1月7日追記】セブンプレミアムのヨーグルトを久々に見たら、450g→400gに減量されていた。価格は138円のまま。

【2018年3月12日追記】2018年4月3日には、明治ブルガリアヨーグルトも450g→400gに減量。希望小売価格は少し下がるそうだが、それでも実質値上げ。これで、大手はどこも400グラム以下になった。
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