2010年に収録・放送されたテレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第7弾について、先日の青森県内に続いて秋田県内の行程を“検証”します。
炎天下の矢立峠を徒歩で越えて、陣場駅から秋田のバスの旅が始まる。
乗車区間と車両ナンバーは以下の通り。時刻はテロップやナレーションを元にした、おおよそのものもあります。
(再掲)秋北バス「761」。2010年9月の「バスまつり」ではるばる秋田市まで来て展示されていた
(再掲)中央交通臨海営業所「か202」。2010年10月から秋田市が広告主の「秋田らしいラッピング」が施されている
羽後交通「か302」
急行本荘線にはいろいろな車両が使われるが、これは新しい部類で、唯一のエルガミオか。上の中央交通のとちょうど100番違いのナンバー。座席は水色地に派手な柄入り。
そして、五明光から荒町まで乗ったのは「か835」。つまり、
(再掲)
小田急バスの中古で、現在は秋田市中心市街地循環バス「ぐるる」専用に使われている車両。
(再掲)現在の同車
当時は、おそらく小田急から来て間もない頃(秋田市内では同型車を2010年夏~秋頃に初めて見たはず)。当時は男鹿営業所に所属し、2012年7月から秋田営業所に転属して循環バスに使われている。今年7月には塗装が変更された。
その五明光では、1時間待ち。
時間をつぶせる店などはなく、近所のかあさんに尋ねても「ローソンもないんですよ」と、なぜかチェーンを限定した回答。(これだけ秋田にはローソンが多く、高齢者にも認知されているということだろう)
そのため、そのかあさんのお宅でラグビーボール型のスイカを振る舞ってもらうことに。近所の人たちも集まって和気あいあいと過ごした。
農薬散布のラジコンヘリの見学もして、地元の皆さんに見送られての出発。
また、「835」がだいぶ前に五明光に来て待機していたため、太川さんがその運転士に尋ねると、待機時間を利用してメモ用紙に天王グリーンランドまでの乗り継ぎを書いて渡していた。
五明光から天王グリーンランドまでのルート
五明光から荒町までのバスは、五明光の段階で「男鹿駅・みなと市民病院」という、男鹿営業所定番の行き先表示で登場(かつては「男鹿駅・船川」だった)。番組上での時刻や運賃は通しで表示されていた。
したがって、これは下五明光-みなと病院の「潟西線」だと思っていた。潟西線は現在は一部区間が廃止されて、男鹿市が自主運行するバスに変わったと聞いていた。
しかし、その変更が行われたのは2010年4月。
下五明光-若美総合支所が廃止され、男鹿市の「潟西北部線」として中央交通へ運行委託。若美総合支所-みなと病院(一部は船越駅発着)が引き続き中央交通直営の「潟西南部線」に分割されていたらしい。
その年夏のロケなのに、以前と同じく通しで運行されていたことになる。分割は形式的なもので、運行する事業者も同じなのだから、実際の車両運用や運賃支払い(運賃計算は別)は通しでやっていたのだろうか。
その後、さらに変更されて、現在は直営部分は「船越・潟西線」という名になった模様(中央交通ホームページより)。
男鹿市運行の五明光側の「潟西北部線」は、「秋田観光バス(株)」に運行受託事業者が変わっている。さらに上りの朝2便以外(下りは全便)は、予約式(1時間前まで受付)に変更されている。
したがって、現在は五明光で秋北バスから予約なしで乗れる便への乗り継ぎはできない。番組では予約式バスは利用したことはないはずだから、今、ロケを行ったなら五明光で断念しなければならないかもしれない。
荒町で降りた後、天王付近で時間が余ってうろうろしたけれど、2010年3月までなら中央交通の新国道経由 船川線があり、天王から秋田駅まで1本で来られたはず。
そして、今回のロケが日曜日なら、潟上市マイタウンバスは日曜運休なので、荒町から天王グリーンランドまで7キロ強を歩かなければならなかった。
ということで、2010年当時の平日だからこそ成立した乗り継ぎ旅だったことになる。
八郎潟西側のルートはダメだとして、奥羽本線沿いの八郎潟東岸を選んでも、たぶん鹿渡駅から八郎潟駅近くまで、10キロはバスがないはず。(能代-秋田は高速バスなので番組のルール上使えない)
以前は、さらに東の北秋田市沖田面(おきたおもて)で秋北バス~中央交通・五城目方面の接続があったのだが、5年ほど前に五城目町側が短縮、さらに廃止されしまったようだ。
人口が少なく需要がない地域ではあるのだろうが、県の(位置的に)ど真ん中なのに、こんな寂しいバス路線網なのか(になってしまったのか)と、気付かされた。
象潟に宿泊して3日目は、いずれも季節運行の象潟合同タクシーの登山バス(「鳥海ブルーライナー」というらしい)と庄内交通の酒田行きを、鳥海山5合目「鉾立(ほこだて)」で乗り継いで山形県に入るという、予想もしないルート。(象潟6時10分→鉾立6時45分着/9時50分発)
秋田・山形県境を国道7号線沿いにたどるなら、6キロ歩かないといけなかったそうだ。
(県境を越える他の交通手段としては鉄道もあるし、本荘-酒田-仙台の庄内交通の高速バスに、本荘-酒田・鶴岡間だけを乗車できる制度もある)
※県境の移動について、後の第25弾でこんなことになった。(リンク先末尾)
ということで、先日の第15弾でも述べた通り、今後、この番組が秋田県を訪れることはないというか、不可能な気がしてしまう。
第7弾では、せっかく秋田市に来てくれたけれど、滞在は30分ほど。案内所で本荘行きを聞き出したほかは、新国道を走行中の車内で中山エミリさんが乗り合わせたおばさんに「宮沢りえです」と偽って「違う」と言われたのと、秋田駅のバス乗り場からスクランブル交差点を渡ってローソンで「ガツンとみかん」を買って来た程度のシーンしかなかった。
【2014年5月30日追記】2014年5月30日付秋田魁新報県央地域面によれば、この秋田県側の鳥海山登山バス「鳥海ブルーライナー」が2014年から予約制になる。この番組の過去の例では、予約式バスを利用したことはない。(予約式の路線はバスがないものとして扱っていたこともあった)
鳥海ブルーライナーは、2002年9月に羽後交通の路線が廃止されたのを受けて、翌年から象潟合同タクシーが予約制で運行、さらに2004年からは定期運行化され、7~10月に象潟駅-鳥海山5合目鉾立間、約22キロで運行されていた。
2004年度は972人が利用したものの、2008年以降は400人以下まで落ち込んだ年もあり、2013年度は425人。
マイカーの利用が増え、日本海、あけぼのと寝台列車が廃止(臨時列車化)されたこともあって利用増は見込めないとして、予約制に移行するという。
7月~10月に1日3往復。予約人数に応じてタクシー、ジャンボタクシー、小型バスで運行。片道3000円。
炎天下の矢立峠を徒歩で越えて、陣場駅から秋田のバスの旅が始まる。
乗車区間と車両ナンバーは以下の通り。時刻はテロップやナレーションを元にした、おおよそのものもあります。
【8月10日・火曜日】
・陣場駅前12時23分→秋北バスターミナル 秋北バス「579」 古い国際興業塗装、いすゞキュービック
・秋北バスターミナル→鷹ノ巣駅前15時30分前 秋北バス「761」秋北バスオリジナル塗装、富士重工ボディのいすゞ中型
・鷹ノ巣駅前16時30分→大館能代空港 秋北タクシー(?)「732」青系統のリムジン塗装、リクライニングシート、三菱中型
・大館能代空港→能代バスステーション 秋北タクシー「35x(下1ケタ不明)」青系統のリムジン塗装、リクライニングシート、いすゞ中型
キャッスルホテル能代 宿泊
【8月11日・水曜日】
・能代バスステーション7時20分→五明光(ごみょうこう)8時30分前 秋北バス「214」新しい国際興業塗装、いすゞエルガミオ
・五明光9時39分→荒町(船越駅の手前)10時27分 820円 秋田中央交通・みなと市民病院行き「835」小田急中古の短尺いすゞエルガミオ
船越水道に架かる八竜橋(500メートルほど)を徒歩で渡る(いったん橋を戻って昼食、再度渡る)
・天王橋14時10分→二田駅 二田駅14時40分→天王グリーンランド 150円×2 潟上市マイタウンバス(秋田中央トランスポート委託)「371」白い専用塗装の日野レインボー
※天王橋バス停の時刻表では(二田駅前にある)「藤原記念病院行き」、行き先表示は「二田駅」だったので戸惑う。天王グリーンランド行きは二田駅を挟んで連続運行
・天王グリーンランド14時52分→秋田駅西口15時40分過ぎ 790円 秋田中央交通・新国道経由追分線「202」いすゞエルガミオ
・秋田駅西口16時10分→本荘営業所17時30分 850円 羽後交通・急行本荘線「302」いすゞエルガミオ
・本荘営業所18時過ぎ→象潟駅前 1時間650円 羽後交通「636」いすゞキュービック
【29日追記】大館市の秋北バスターミナルは今年9月で閉鎖され、大館市のバス路線が再編されている。・陣場駅前12時23分→秋北バスターミナル 秋北バス「579」 古い国際興業塗装、いすゞキュービック
・秋北バスターミナル→鷹ノ巣駅前15時30分前 秋北バス「761」秋北バスオリジナル塗装、富士重工ボディのいすゞ中型
・鷹ノ巣駅前16時30分→大館能代空港 秋北タクシー(?)「732」青系統のリムジン塗装、リクライニングシート、三菱中型
・大館能代空港→能代バスステーション 秋北タクシー「35x(下1ケタ不明)」青系統のリムジン塗装、リクライニングシート、いすゞ中型
キャッスルホテル能代 宿泊
【8月11日・水曜日】
・能代バスステーション7時20分→五明光(ごみょうこう)8時30分前 秋北バス「214」新しい国際興業塗装、いすゞエルガミオ
・五明光9時39分→荒町(船越駅の手前)10時27分 820円 秋田中央交通・みなと市民病院行き「835」小田急中古の短尺いすゞエルガミオ
船越水道に架かる八竜橋(500メートルほど)を徒歩で渡る(いったん橋を戻って昼食、再度渡る)
・天王橋14時10分→二田駅 二田駅14時40分→天王グリーンランド 150円×2 潟上市マイタウンバス(秋田中央トランスポート委託)「371」白い専用塗装の日野レインボー
※天王橋バス停の時刻表では(二田駅前にある)「藤原記念病院行き」、行き先表示は「二田駅」だったので戸惑う。天王グリーンランド行きは二田駅を挟んで連続運行
・天王グリーンランド14時52分→秋田駅西口15時40分過ぎ 790円 秋田中央交通・新国道経由追分線「202」いすゞエルガミオ
・秋田駅西口16時10分→本荘営業所17時30分 850円 羽後交通・急行本荘線「302」いすゞエルガミオ
・本荘営業所18時過ぎ→象潟駅前 1時間650円 羽後交通「636」いすゞキュービック
(再掲)秋北バス「761」。2010年9月の「バスまつり」ではるばる秋田市まで来て展示されていた
(再掲)中央交通臨海営業所「か202」。2010年10月から秋田市が広告主の「秋田らしいラッピング」が施されている
羽後交通「か302」
急行本荘線にはいろいろな車両が使われるが、これは新しい部類で、唯一のエルガミオか。上の中央交通のとちょうど100番違いのナンバー。座席は水色地に派手な柄入り。
そして、五明光から荒町まで乗ったのは「か835」。つまり、
(再掲)
小田急バスの中古で、現在は秋田市中心市街地循環バス「ぐるる」専用に使われている車両。
(再掲)現在の同車
当時は、おそらく小田急から来て間もない頃(秋田市内では同型車を2010年夏~秋頃に初めて見たはず)。当時は男鹿営業所に所属し、2012年7月から秋田営業所に転属して循環バスに使われている。今年7月には塗装が変更された。
その五明光では、1時間待ち。
時間をつぶせる店などはなく、近所のかあさんに尋ねても「ローソンもないんですよ」と、なぜかチェーンを限定した回答。(これだけ秋田にはローソンが多く、高齢者にも認知されているということだろう)
そのため、そのかあさんのお宅でラグビーボール型のスイカを振る舞ってもらうことに。近所の人たちも集まって和気あいあいと過ごした。
農薬散布のラジコンヘリの見学もして、地元の皆さんに見送られての出発。
また、「835」がだいぶ前に五明光に来て待機していたため、太川さんがその運転士に尋ねると、待機時間を利用してメモ用紙に天王グリーンランドまでの乗り継ぎを書いて渡していた。
五明光から天王グリーンランドまでのルート
五明光から荒町までのバスは、五明光の段階で「男鹿駅・みなと市民病院」という、男鹿営業所定番の行き先表示で登場(かつては「男鹿駅・船川」だった)。番組上での時刻や運賃は通しで表示されていた。
したがって、これは下五明光-みなと病院の「潟西線」だと思っていた。潟西線は現在は一部区間が廃止されて、男鹿市が自主運行するバスに変わったと聞いていた。
しかし、その変更が行われたのは2010年4月。
下五明光-若美総合支所が廃止され、男鹿市の「潟西北部線」として中央交通へ運行委託。若美総合支所-みなと病院(一部は船越駅発着)が引き続き中央交通直営の「潟西南部線」に分割されていたらしい。
その年夏のロケなのに、以前と同じく通しで運行されていたことになる。分割は形式的なもので、運行する事業者も同じなのだから、実際の車両運用や運賃支払い(運賃計算は別)は通しでやっていたのだろうか。
その後、さらに変更されて、現在は直営部分は「船越・潟西線」という名になった模様(中央交通ホームページより)。
男鹿市運行の五明光側の「潟西北部線」は、「秋田観光バス(株)」に運行受託事業者が変わっている。さらに上りの朝2便以外(下りは全便)は、予約式(1時間前まで受付)に変更されている。
したがって、現在は五明光で秋北バスから予約なしで乗れる便への乗り継ぎはできない。番組では予約式バスは利用したことはないはずだから、今、ロケを行ったなら五明光で断念しなければならないかもしれない。
荒町で降りた後、天王付近で時間が余ってうろうろしたけれど、2010年3月までなら中央交通の新国道経由 船川線があり、天王から秋田駅まで1本で来られたはず。
そして、今回のロケが日曜日なら、潟上市マイタウンバスは日曜運休なので、荒町から天王グリーンランドまで7キロ強を歩かなければならなかった。
ということで、2010年当時の平日だからこそ成立した乗り継ぎ旅だったことになる。
八郎潟西側のルートはダメだとして、奥羽本線沿いの八郎潟東岸を選んでも、たぶん鹿渡駅から八郎潟駅近くまで、10キロはバスがないはず。(能代-秋田は高速バスなので番組のルール上使えない)
以前は、さらに東の北秋田市沖田面(おきたおもて)で秋北バス~中央交通・五城目方面の接続があったのだが、5年ほど前に五城目町側が短縮、さらに廃止されしまったようだ。
人口が少なく需要がない地域ではあるのだろうが、県の(位置的に)ど真ん中なのに、こんな寂しいバス路線網なのか(になってしまったのか)と、気付かされた。
象潟に宿泊して3日目は、いずれも季節運行の象潟合同タクシーの登山バス(「鳥海ブルーライナー」というらしい)と庄内交通の酒田行きを、鳥海山5合目「鉾立(ほこだて)」で乗り継いで山形県に入るという、予想もしないルート。(象潟6時10分→鉾立6時45分着/9時50分発)
秋田・山形県境を国道7号線沿いにたどるなら、6キロ歩かないといけなかったそうだ。
(県境を越える他の交通手段としては鉄道もあるし、本荘-酒田-仙台の庄内交通の高速バスに、本荘-酒田・鶴岡間だけを乗車できる制度もある)
※県境の移動について、後の第25弾でこんなことになった。(リンク先末尾)
ということで、先日の第15弾でも述べた通り、今後、この番組が秋田県を訪れることはないというか、不可能な気がしてしまう。
第7弾では、せっかく秋田市に来てくれたけれど、滞在は30分ほど。案内所で本荘行きを聞き出したほかは、新国道を走行中の車内で中山エミリさんが乗り合わせたおばさんに「宮沢りえです」と偽って「違う」と言われたのと、秋田駅のバス乗り場からスクランブル交差点を渡ってローソンで「ガツンとみかん」を買って来た程度のシーンしかなかった。
【2014年5月30日追記】2014年5月30日付秋田魁新報県央地域面によれば、この秋田県側の鳥海山登山バス「鳥海ブルーライナー」が2014年から予約制になる。この番組の過去の例では、予約式バスを利用したことはない。(予約式の路線はバスがないものとして扱っていたこともあった)
鳥海ブルーライナーは、2002年9月に羽後交通の路線が廃止されたのを受けて、翌年から象潟合同タクシーが予約制で運行、さらに2004年からは定期運行化され、7~10月に象潟駅-鳥海山5合目鉾立間、約22キロで運行されていた。
2004年度は972人が利用したものの、2008年以降は400人以下まで落ち込んだ年もあり、2013年度は425人。
マイカーの利用が増え、日本海、あけぼのと寝台列車が廃止(臨時列車化)されたこともあって利用増は見込めないとして、予約制に移行するという。
7月~10月に1日3往復。予約人数に応じてタクシー、ジャンボタクシー、小型バスで運行。片道3000円。