広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

2015年を振り返って

2015-12-31 23:20:49 | その他もろもろ
2015年大みそか。恒例の今年の総括です。※1年前の記事
一般には、安全保障関連法案成立と、「IS」による人質事件やテロ事件が大きな出来事と言えそう。
あとは、相次ぐ不正や偽装。長年信頼していた、もしくは当然しっかりやっているのだろうと気にもかけないでいたことが、実はそうではなかった。
旭化成建材によるマンションの杭のデータ偽装が大きく取り上げられた。ほかにも、
・東洋ゴム工業による建物用免震ゴムの性能偽装
秋田駅東口のNHK秋田放送会館でも使われていたそうだが、秋田局のホームページでひっそり説明しているだけ。こういう時こそ、張り切って取材・報道すればいいのに。
・秋田市の太平物産が製造して全農が全国各地で販売した肥料の、長年に渡る成分偽装
・熊本の化血研(という製薬会社)による、長年に渡る認可とは異なる製法での血清・ワクチンの製造発覚
他にも、発覚していないことがまだまだありそう。

身近なところで、気づかない危険にさらされた事件もあった。続報が少ないものも多いけれど、これらだって我々の生活に直結する。もっと詳しく知りたいものだ。
・群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術による連続死亡事件
下手なのに自信過剰な医者だったということなのか。
・健康診断X線検査転落死亡事故
亡くなったのがブラジルから来た人だそうで、言葉の問題もあるのかもしれないけれど、検査を行う側の注意で防げたかもしれない。
・バック警告音を出さないトラックによる、視覚障害者・盲導犬死亡事故
今まで、大型車はバックする時は警告音を出すことが義務付けられているのだとばかり思っていたが、OFFにできるのだそうだ。
事故を受けて(発生地である)徳島県が積極的に、条例制定や国への働きかけを行っている。
それにしても、運転者は歩行者が最優先であることを肝に銘じて運転してほしい。
・調布飛行場の重量オーバーの小型飛行機墜落事故
墜落された民家の住人も亡くなった。
慣熟飛行と称して遊覧飛行をしていたとか報道されたが、続報は知らない。
・東海道新幹線車内焼身自殺事件
乗客が巻き添えで亡くなった。
個人によるテロも同然。警備をしっかりしても防ぎ切れないかもしれないけれど、怖い。
・商船三井フェリー「さんふらわあ だいせつ」航行中の火災
乗員1名が亡くなったものの、乗客は無事。乗り合わせていた青森県十和田市の消防職員が誘導に協力したそうで、そのおかげかもしれない。
船に積んだ保冷車・冷凍車は、航行中はエンジンを止めるため、船側から電源供給を受けるそうで(初めて知った)、その電源系統が出火原因とされたが、これも続報は知らない。
なお、船は修理を受け、年明けから就航するとのこと。
【2016年9月29日追記】2016年9月になって運輸安全委員会による調査経過報告書が出された。それによると、トラック側の冷凍機の電気配線に、不適切に修理された形跡があり、そのショートや異常発熱などで出火した可能性が高いとのこと(船の中でも、船からの電源によりトラックの冷凍機は作動している)。フェリー側が原因ではなかった。
・茨城、栃木、宮城の豪雨による堤防決壊
今年の気候は、全体的には暑くも寒くもない、平板なものだった気がするけれど、数少ない極端な気象災害だった。
茨城では、丘を削ってソーラーパネルを設置したのが原因という話もある。
原因のほか被災者の暮らしぶりのその後の報道は少ない。


ほかには、
・2020年東京オリンピック用の新・国立競技場の白紙撤回とエンブレム盗作騒動
どちらも、一般人の知らないところで裏でごちゃごちゃしているのが露呈してしまった。
エンブレムのほうは、知らないうちに似てしまうことがあるような気もした。だけどその後分かった、同じデザイナーが関わったサントリーの懸賞賞品はどう見てもパクリ。さらに、その後、サノ氏は逆ギレしたかのように姿をくらましたのはいただけない。
これだったら、昨年の号泣県議のほうが、まだ同情できてしまう。(少なくとも社会的制裁は充分受けている。他の議員だって似たようなことしているのがいるだろうに、ちょっとかわいそうにすら思える)

ところで、IBC岩手放送のテレビCMで見たのだけど、盛岡駅ビル「フェザン」の初売りの広告。
フェザンホームページより
どっかで見たような… 「T」にならなきゃセーフなの?

秋田では、
・仙北市でいろいろ
乳頭温泉源泉での作業員の硫化水素中毒事故、角館の「山ぶっつけ」行事での死亡事故、職員の収賄

・秋田市周辺での送迎車両の事故
遊戯施設の送迎車両の暴走事故を以前取り上げた(リンク先後半)。
ほかに、秋田市内の別々の自動車教習所の送迎車で、横断歩行者の死亡事故と暴走・衝突事故があった。
死亡事故のほうは、横断歩道でない所で発生したそうで、ある意味避けられなかったかもしれない。
暴走のほうは一方通行を逆走した上の衝突だそうで、原因は不明。一部報道によれば警察OBが運転していたそうだが…


流行語大賞にノミネートされたかどうかに関わらず、気になった言葉。
・線状降水帯
堤防決壊の原因とされた。「爆弾低気圧」ほどインパクトがなかったか、あまり広がらなかった。

・軽減税率
2017年に消費税率が8%から10%になることは、前から決まっていた。
低所得者への還付とかは話が出ていたが、これはもう、買い物をする時は一律10%を支払うのだと覚悟を決めていた。

ところが、今年後半辺りから、食品など一部商品の税率を10%より低くする「軽減税率」をやる話が出てきて、どこまでを対象にするかでもめていた。
米だけ、生鮮食品だけとか案があって、結局、酒以外の食料品すべてに決まったらしい。あと定期購読の新聞だとか。

そりゃあ、税金が少ないのはいいけれど、唐突な話。
じゃあ、10%じゃなく「一律9.5%」とかでもいいのでは?
水道などライフライン料金、食以外の衣・住に関わる支出、日常生活に使う交通費や燃料費も軽減税率にしてもいいのでは?
などの疑問が出てくる。国民に説明も相談もなく、相変わらず政治家が勝手に決めている。
これに関連して「インボイス(方式)」という言葉も出てきた。

・インバウンド
インボイスとまぎらわしい。
インボイスは「納品書、送り状」、インバウンドは「外国人旅行客」といった意味合いで使う(言葉の意味としては他にもある)。
だったら日本語で言ったら?

・ドローン
昨年辺りから「マルチコプター」と呼ばれて、テレビ番組の簡易な空撮用として使われつつあった。
今春、首相官邸の屋上に墜落し、それをしばらく気付かないでいたことをきっかけに、各地で類似の事案が発生し、規制されるようになり、「ドローン」の言葉が広まった。

「マルチコプター」とは、プロペラが3つ以上あるヘリコプターのこと。「ドローン」は無人航空機を指す。
したがって、現在、一般にドローンと認識されるものは、ほとんどがマルチコプターということらしい。たぶん。
【2016年1月23日追記】ドローンには「自律飛行できる」すなわち自動でバランスを取って飛行姿勢を保持できるという意味合いもあるらしい。たぶん。

・3Dプリンタ
昨年は立体物が作れる3Dプリンタが、「これからは必需品だ」みたいに取り上げられたものの、今年はだいぶ鳴りを潜めた。なんで?

・組体操
学校の運動会などの組体操で、大規模な人間ピラミッドなどが行われて、大けがをする児童生徒が多数出ていることが明らかになった。
どちらかと言えば関西など西日本で多く発生していたようで、現地の保護者などには、むしろ中止を求めない声もあるそうだ。

大阪経済大学・西山豊教授がまとめた都道府県別データでも地域差が現れ、秋田県などではけが人はほとんどいなかった。
たしかに、僕は小学校(低学年?)の体育の授業で、マットの上で3段くらいのピラミッドを作った記憶しかない。秋田では縁遠い話題だった。

【2017年8月17日追記】
2017年8月8日付秋田魁新報に、秋田県教育庁が実施した2015年度の組体操の実施状況調査とそれを受けた記事が出ていた。
2015年度に県内で組み体操を行ったのは、小学校が全212校中63校、中学校は同117校中17校だった。事故やけがは報告されていない。
秋田市では「本年度、小中学校が1校ずつ実行した」「最終的な導入の判断は各校に任せている」。
秋田市立「岩見三内中学校は、少子化のため生徒が年々減っており、14年度から人数に応じてできる組み体操を運動会に取り入れた。16年度は、5段のピラミッドを成功させることができ、盛り上がった」
※「(秋田市では)本年度、小中学校が1校ずつ実行した」とあるから、じゃあ中学校の1校は岩見三内中ってことじゃないか!
2017年現在でも、以前から組体操が盛んだった土地では、引き続き行っている学校も少なくないようだ。それを踏まえると、やはり秋田での実施率は低い。(以上追記)

・エコキャップ
PETボトルのキャップを回収し、途上国のワクチン代として寄付する「エコキャップ運動」があった。
今春、その寄付が1年半前から行われていなかったことが分かった。
これがきっかけなのか、キャップ回収をやめた所(店など)もあるけれど、今も活動そのものは続いているようだ。何だったんだ?

・ウォーターサーバー
昨年辺りからかもしれないが、家庭用のウォターサーバーが、複数社から宣伝されている。契約して水を定期的に届けてもらうシステム。
以前なら、蛇口に浄水器を取り付けるか、スーパーで容器を買えば後は店頭のウォターサーバーが無料で使えるサービスはあった。どれもそんなに需要があるもんだろうか。

・ルテイン、えんきん
ブルーベリーなどに含まれる色素・アントシアニンが目にいいということは、20年くらい前から知られていた。それを使ったサプリメントも前からあった。

最近は、「ルテイン」なるものが含まれた目のサプリメントも出てきた。
ビタミンAも目にいいと言われるが、ルテインはそっち(カロテノイド)系。
カロテノイド系色素は、昔は単に「ビタミンA」「カロチン(体内でビタミンAに変わる)」、1990年中頃辺りから「β-カロチン」「リコピン」と細かく注目された。2000年頃には「カロ“チ”ン」だったのが「カロテン」の呼称のほうが一般化、ミカンの「β-クリプトキサンチン」なども出てきた。そしてルテインも。ついていくのが大変。
【2016年1月3日追記】リコピンやルテインは、体内でビタミンAには変わらないものの、さまざまな体への効果が分かってきている。

今年、「機能性表示食品」制度が始まったのをきっかけに、ファンケルが2007年から発売していた「えんきん」を制度に対応させ、大々的に広告したのが目に付いた。【2016年1月3日追記】広告は、著名な芸能人を多数起用し、BSを中心としたテレビや新聞の広告。

・マスコミ→メディア
昔は、「報道各社」「報道機関」の意味で、「マスコミ」という言葉をマスコミ自身も使っていた。
ところが最近(今年より前からかも)は、「メディア」と呼ぶことがとても多くなった。NHKのニュースでさえ「現地メディアによりますと」などと使う。

「マスコミ」の言葉のイメージが悪くなって、なんとなく耳障りがいい「メディア」を使うのだろうか。性格には「マスメディア」か。

・おつかれさま
他人をねぎらう時の言葉で、「ごくろうさま」は目下の人に対して使い、目上の人に対しては「おつかれさま」を使うべきだと、よく言われる。

9月に1年間の放送を終えたフジテレビ「ヨルタモリ」の最後のほう(7月26日放送)で、タモリ氏(が扮装した聖フェロノチオ女子大学・野々村修教授)が子役が撮影現場で使うのを引き合いに、「目上であっても『おつかれさま』を使うべきではない」という趣旨の発言をした。
言葉に関わらず、「ねぎらう」という行為自体、下の者が上の者に対してするものではない、という理屈のようで、僕も以前にほかの人から聞いたことがあった。

上だろうが下だろうが、相手がつらそうだな、大変そうだなと思ったら、言葉をかけたほうがいいと思うのだけど、そういうもんなんだろうか。
これを受けて、放送業界では、子役に「おつかれさま」を使わせないようにしたとか。ホントだとすれば、タモリさんの影響力ってすごい。

なお、今年も徹子の部屋にタモリさんは出演しなかった。【その後、出演が実現したのが2021年12月28日。実に8年ぶり】

・ハッピーホリデー
NHKBS1で知ったのだけど、最近はニューヨークでは、クリスマスに「Merry Christmas」と言わなくなったという。
キリスト教以外の人への配慮から「Happy Horidays」と言うのが、ここ10年ほどで広まったとか。
日本のほうがメリークリスマスを多く使うようになったかもしれない。

・忘年シーズン
2013年末にハウス食品「ウコンの力」のテレビCMで、柳葉敏郎氏が「忘年会」を意味すると思われる「忘年パーティー」という言葉を使っていて違和感があった。

今年は石丸幹二氏に変わった。
ナレーションでは「忘年シーズン」という言葉が。
ハウス食品ニュースリリースより
普通は「忘年会シーズン」とか「パーティー(宴会)シーズン」とかじゃないでしょうか。
ハウスでは「忘年“会”」は意地でも使いたくないみたい。禁句なんでしょうか。

【2016年1月1日追記】2015年にもてはやされた芸人「厚切りジェイソン」。
アメリカ出身で日本でIT企業役員をするかたわら、流暢な日本語で日本の言葉や風習の矛盾を「Why Japanese people!」と指摘する芸。
2016年の正月番組では、「忘年会」を示し、「その年を飲んで忘れなきゃいけないほどイヤだったのか! 毎年、年を忘れたら何も残らないよ!」といった趣旨の指摘(うろ覚えです)をしていた。
僕も前から、たまにそう思っていた。
「忘年会」ならまだしも、ハウスの「忘年シーズン」なら、その期間ずっと年を忘れていることになってしまう。Why? House Foods Corporation!!

【2016年1月9日項目追加】
・Pepper(ペッパー)
白くて大きくてしゃべる、ソフトバンク製ロボットが、いろいろな場所で接客業務などをするようになった。青森銀行でも、2015年末から本店営業部で、2016年始から弘前支店と八戸支店で使われている。
発表・登場は2014年だが、2015年6月からは20万円ほどで一般向けにも発売されている。今田耕司氏も買ったとのこと。
昔(1999~2000年頃)に話題になったソニーの「AIBO(アイボ)」、ホンダの「ASIMO(アシモ)」とあまり違わない気がする(デザインが角ばっていたのが丸っこくなったくらい)が、ペッパーは「感情認識ヒューマノイドロボット」「世界初の感情認識パーソナルロボット」。
鉄腕アトムやドラえもんに一歩近づいたということだろうか。

しかし、数年前、アイボの部品製造が打ち切られて、今も使い続ける人が惜しんでいるというし、テレビで見る限り、ペッパーはまだ「無機質な機械」のイメージのほうが強そう。もう15年・20年経てば、また違うロボットが出てくるのだろう。どうなっているだろう。(以上追記)


・亡くなった方々
桂米朝さん、愛川欽也さん、川島なお美さん、阿藤快さんなど、昨年以上に、活躍されていた時を知っている方が多く亡くなった。
「西部警察」で内勤として数少ない穏健派(?)の係長を演じ、晩年は故郷山形の民話の伝承にも努めた庄司永建(芸名はえいけん)さん。
大山のぶ代版「ドラえもん」のジャイアンの声優・たてかべ和也さん。
【2016年1月1日追記】「サザエさん」の中島くんや大山のぶ代版「ドラえもん」の出木杉くんの声優・白川澄子さんも。「ドラえもん」では降板(声優陣一斉交代)からちょうど10年になるが、亡くなった直後の放送冒頭で、追悼のテロップが出た。

作家・舟崎克彦(よしひこ)さんは、知らない人も多く、訃報記事の代表作にも出ていなかったが、僕は思い出がある。
NHK「おかあさんといっしょ」の着ぐるみ人形劇として、1979~1981年度に放送された「ブンブンたいむ」の作者である。

「ゴロンタ劇場」と「にこにこぷん」の間で放送期間はあまり長くないが、僕にとっては、おかあさんといっしょの視聴対象年齢まっただ中かつ、記憶にある初めての作品なので、思い入れがある。
劇中の歌も舟崎さんが作詞し、作曲は昨年亡くなった越部信義さん。


ほかにも、昔見たテレビ番組の関係者が亡くなった。
作家・阿川弘之さん、漫画家・水木しげるさん、そして俳優・熊倉一雄さん。
阿川さん、水木さんとも、熊倉さんと関わりがある。

熊倉さんが「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌を歌っていたのは、有名。2010年の紅白歌合戦でも特別枠として歌った。
鬼太郎は何度もアニメ化されているが、熊倉さんが歌ったのは、最初の1968年版(モノクロ)とその次の1971年版(カラー)。
僕が最初に見た鬼太郎は、1985年の戸田恵子版で、吉幾三が歌っていた。ところが、秋田テレビでは、なぜか(キー局のフジテレビ側での特番で放送がない週の穴埋めだったんだろうけど、子どもには不可解だった)たまに唐突に旧版が割り込んで放送されることがあって、ある意味“気味悪かった”。

阿川さんは、大人向けの小説ばかりでなく児童文学も書いて、しかも鉄道好きだったそうだ。「笑っていいとも」での娘・佐和子さんの話によれば、東海道新幹線の最速列車が「希望」をくつがえして「のぞみ」に決まったのも、弘之さんの「列車名には大和言葉が使われてきた」というひとこと(を選考委員をしていた佐和子さんが発言した)がきっかけだったそうだ。
その代表作が「きかんしゃやえもん」。
それを影絵アニメーションにしたものが、NHK教育テレビ(現・Eテレ)の「にんぎょうげき」(過去の関連記事)枠で、おそらく昭和40年代から長年に渡ってほぼ毎年、放送されていた。コーラスのほかは1人の語りで進行し、その語り手が熊倉さんだった。

熊倉さんはほかにも、教育テレビで1980~1986年度に放送された、幼児向けに数的概念(?=「ピコピコポン」の前身番組に相当)を教える番組「ばくさんのかばん」の「ばくさん」役や、昨年完結した「名探偵ポワロ」の主人公ポワロの日本語吹き替え、2000年代はたまに「コメディーお江戸でござる」に出演していたのが印象にある。
個人的には、やっぱりポワロの声。熊倉さんが亡くなったのが10月12日。奇しくも10月24日からBSプレミアムで、第1話から順にリマスター版が放送されている。



今日現在の累計アクセス数は、閲覧6,745,551PV、訪問者1,945,443IP(=人)。
この1年で37万240人(昨年+9241人)の方にアクセスをいただきました。ありがとうございました。
2016年もよろしくお願いします。良い年でありますように。
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2015年の動物

2015-12-29 23:58:39 | 動物・植物
2015年の動物の話題を少々。

まずは、なじみがあった2つの動物が世を去った。
会ったことはないけれど、全国的に知られた「たま駅長」。
1999年生まれで和歌山県の南海電鉄(当時)貴志川線貴志駅の売店で飼われていた三毛ネコ(三毛は基本的に全部メス)。
鉄道は、2003年に南海電鉄から岡山県の岡山電気軌道の子会社・和歌山電鐵として再スタートを切ることになり、一時はネコたちの居場所の立ち退きも迫られたという。
ところが、社長の目に留まって「駅長」として任命され、グッズや電車のキャラクターにもなり、全国各地・海外からたまに会うために鉄道や駅を訪れる人が相次いだ。親会社が経営する岡山市の路面電車にも、たまをデザインした車両が走っているが、その車両は元をたどれば廃止された秋田市電で使われていた車両だそう(実際には交換された部分・部品が多いはずで、書類上そうだというだけかもしれないけど)。

貴志駅では、たまの負担にならないよう、曜日限定で専用の部屋の中に入った状態での公開が多かったそうだが、イベントでマイクを向けられると「にゃあ」とあいさつ(?)するなど、堂々とした駅長ぶりだった。
鉄道の経営改善のみならず、11億円の経済波及効果があるとの研究もあり、生前、最終的には「社長代理」にまで昇進した。

貴志駅には“後継者”もいるそうだし、全国各地でネコ駅長のたぐいがいるけれど、そのきっかけがたまだった。



次はローカル。秋田市大森山動物園のカリフォルニアアシカの「スミコ」。
1987年に神戸市立王子動物園で生まれ、翌年に大森山に来た。
野生のアシカで20年以上生きる個体はまれ、飼育下では31歳が最高齢記録だそうで、27歳は大往生だったのだろう。

スミコさんが20歳を過ぎてから数度、お会いしたことがあった。
再掲)2008年、21歳のスミコさん
11歳年下のオスの「マヤ」はプールを泳いだり、飼育員や入園者に愛想をしていたが、スミコさんはいつも、陸上のねぐらの穴の中から頭だけ出してキョロキョロしていた。
個体差(性格)なのか、メスだからなのか、それとも高齢のためかと思っていたが、大森山動物園の広報紙によれば、高齢になってもたまに泳ぐことはあったそうだけど、性格はドライだったとか。

4頭を出産し、最後の子がマヤとの間に生まれた娘「ナナミ」。
ナナミは、愛媛県立とべ動物園に移され、ジャンプ力と人懐っこさで人気だそうだけど、それは大森山の環境とスミコさんの子育てのおかげに違いない。

スミコさんの死後しばらく、マヤ1頭で過ごしてきたが、12月にとべ動物園から11歳のメス「アイラ」が来た。
アシカの生態からすれば、オス1頭に複数のメスが同居するハーレムが本来の姿のはずだけど、広いとは言えない大森山のアシカプールでは、雌雄1つがいが限度なのだろう。


そういえば、秋田市大森山動物園には、いつの頃からか「ミルヴェ」という愛称があった。秋田弁で「見ましょう」という意味。
2004年に秋田駅東口にできた「アルヴェ」に便乗した命名(「あるでしょう」という意味のほか、七夕のアルタイルとヴェガに掛けている)だから、ここ10年ほどか。

「ミルヴェ」はさほど定着していないと思うし、個人的には好きではない命名。
同じ便乗命名でも、男鹿市商工会館の「オガルベ」はなんか好き。秋田弁で「(身長、髪、植物などが)伸びる、成長する」といった意味の「おがる」と、「男鹿」を掛けている。

と思っていたら、球技場や図書館で気を良くした秋田市は、動物園にもネーミングライツ(命名権売却)を実施。
来春から3年間、年額450万円で秋田銀行による「大森山動物園~あきぎんオモリンの森~」となった。

オモリンとは、従来からいた動物園のイメージキャラクターだが、認知度は高くないはず。
「ミルヴェ」はどこに行ったの? どっちみち「大森山動物園」と呼び続けられることでしょう。




最後は、今年話題になった動物。
春頃から、名古屋市の東山動植物園の19歳のオスのゴリラ「シャバーニ」が“イケメン”だとして注目された。写真集まで出版されたそうだ。

日本でゴリラを飼育する施設は少ないから見慣れない動物だし、ゴリラなんてどれも同じじゃ…と思ったものの、以前東山動植物園に行った時(過去の記事ではゴリラは出てきません)の記憶がよみがえった。
たしかに、ゴリラがいた。屋内で夫婦で食事中で、1頭がガラスの近くにいてこちらを一瞥して目が合った(ような気がした)。もう1頭は、奥のほうでこちらを向いて悠々と構えていた。ただ食事しているだけなのに、存在感というか迫力はあった。
映り込みで写りが悪いが、写真があった。
2009年 東山動植物園にて
名札には、
「シャバーニ」の名が!
当時、メスのネネが体重82キロ、シャバーニが190キロとあり、写真を見ると奥の個体のほうが大柄だから、そちらがシャバーニだと思われる。
ピントが合っていないですが
東山には、この他の個体もいて、公開日が交代制になっており、東山に行っても必ずシャバーニを見られるわけではないらしいが、知らずに運良くシャバーニに会っていたのだった!

名札に表示がある通り、正確な種名(亜種名)は「ニシローランドゴリラ」。
イケメンゴリラを取り上げる多くのサイトでは単に「ゴリラ」で済ませてしまっている。
また、東山動植物園側も、(ゴリラ以外も含めて全般に)積極的には宣伝をしないらしく、詳しい情報が分からない。(大森山のほうがずっと宣伝は上手だ。東山はせっかくハード面はいいものが揃っているのにもったいない。)

「イケメンだ」「かっこいい」と話題にするものいいし、それが興味を持つきっかけになるのだろうけれど、もう少し、学術的にというか多角的にというか、一過性のうわべだけでない情報や知識を広めることも必要だと思う。


3匹(頭)の動物たちを紹介したけれど、これ以外にもたくさんの動物たちが、人間といろいろな形で関わってくれている。多くの動物が(人間も)、幸せに過ごせるようになってほしいものです。
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1985年の訃報

2015-12-28 23:59:06 | 昔のこと
今年も、いろいろな著名人が亡くなった。
前も書いたけれど、近年は元気に活躍されていた頃の姿が記憶にある方々が亡くなることが多く、それだけ自分が歳を取ったということなんだろう。

さて、今から30年前の1985年には、NHK教育テレビ(現・Eテレ)の学校放送に出演していた人が急に亡くなり、年度途中でほかの人に交代するという事態が、2件あった。その思い出。
学校放送に関する以前の記事


まずおひとりは、坂本 九さん。
ご存じの方も多いように、歌手・タレントとして活躍中だった1985年8月12日、日本航空機墜落事故により43歳で亡くなった。

教育テレビでは、顔出し出演ではなく、番組の主題歌を歌っていた。
前年度1984年から始まった、小学校3年生社会科「たんけんぼくのまち」。チョーさんが自転車に乗って地図を作る、あの番組。「♪知らないことが おいでおいでしてる」の歌(作詞・山川啓介、作曲・福田和禾子)。

急逝は夏休み終盤。急遽、チョーさん自身の歌唱で収録し直され、2学期最初の放送から差し替えられたようだ。近年発売されたDVDのオーディオコメンタリー(副音声のおしゃべり)において、チョーさんがこの時のことを振り返っており、かなりプレッシャーだったのが窺えた。
結局、1991年度の放送終了までチョーバージョンが使い続けられることになる。
その後長らく、坂本バージョンは実質お蔵入りだったが、最近の「懐かしの学校放送」系CD・DVDでは、両バージョンが揃って収録されていることが多い。


僕は1985年度にちょうど3年生であり、学校でもこの番組を視聴していた(はず)。また、坂本九という人物も、墜落事故で亡くなったことも知ってはいた。
だから、坂本バージョンも聞いているはずだし、チョーバージョンに変わったことに気がついてもおかしくはないのだが、近年まで坂本バージョンの存在を知らず、最初からずっとチョーさんが歌っていたものだと思い込んでいた。

なお、たんけんぼくのまちの前後の3年生向け社会科番組でも、チェリッシュ、山本正之、所ジョージと著名な人が歌唱している。




もうおひとかたは、バリトン歌手・タレントの立川清登(たちかわすみと)さん。
1985年12月10日のディナーショー中に体調不良を訴え、大みそかに56歳で亡くなった。

歌手としてはオペラなどにも出ていたそうだが、テレビなどでもっと身近な歌も多く歌った。みんなのうたの「大きな古時計」(2002年の平井堅版とはアレンジが異なる。個人的には大きな古時計といえば立川版)、“六甲おろし”こと「阪神タイガースの歌」(1992年まで球団公式版として使用されたバージョン。現在もテレビ番組などで流れることがある)など。
軽妙なトークや気さくな人柄でタレントとしても親しまれ、フジテレビ「オールスター家族対抗歌合戦」「スターどっきりマル秘報告」の司会やCMに出演した。
【2016年1月3日追記】みんなのうたの「大きな古時計」は1962年と1973年の2度本放送(映像は異なる。歌は再収録か使い回しかは不明)された。その後、1973年版が再放送され、僕はそれを見た。また、1960年代中~後半頃までは本名の「立川澄人」で活動しており、みんなのうたホームページのデータベースでは別人のように扱われていて検索しづらい。

学校放送では、小学校2年生音楽科「うたって・ゴー」に「立川さん」もしくは「立川のおじさん」として出演。番組は1974年に始まったが、1978年度から出演したようだ。
“歌のお兄さん”的存在でありながら、“歌の先生”のような存在でもあった。

立川さん時代の「うたって・ゴー」だけでも、他の出演者やテーマ曲は何度か代替わりしている。1980年代中頃~後半は「♪モジモジしないで 恥ずかしがり屋」で始まるテーマ曲(作詞・西尾尚子、作曲・宇都宮安重=「西部警察」の初期のテーマ曲の作曲者【2023年5月1日追記・宇都宮氏は番組初期には、番組全体の「音楽」すなわち編曲も担当。その後比較的早期に、編曲は降板したようだ。】)、お姉さん、クニ河内、人形の「ガクちゃん」が出演。
【2023年5月9日追記】「モジモジ~」の主題歌は、1984年度~1989年度に使用されたようだ。後述の通り、アレンジや映像は、途中(おそらく1987年度まで/1988年度から)で変わっている。

当時は、音楽番組は1年生向け「ワンツー・どん」という番組も存在した。クニ河内氏は両方に出演した経験があり(出演時期は、ずれている)、どちらにも人形のキャラクターや児童合唱団が出て、似ている点があってごっちゃになってしまうが、両番組のコンセプトはわりと違った。
「ワンツー・どん」は、1980年代にはドラマーの「石川のおじさん」やお兄さんとしてザ・ワイルドワンズの鳥塚しげき氏が出演。歌は番組オリジナルに書き下ろされたものが多く(後に子ども向けの歌として広まったものも)、バンブーダンス風の「いるかはざんぶらこ」など歌いながら楽しく踊ることにも重きが置かれていた。※関連記事
一方、「うたって・ゴー」は、古くからの童謡や唱歌が多く歌われ、二部合唱などで「いい声で歌う」ことも重視していた。それには、立川さんが適任だったのだろう。【29日追記】ほかにも「発表会形式で他人に聞かせる」「楽器を演奏する」といった、指導要領に沿っていたのだろうが、1年生向けでは扱わない内容もあった。
なお、児童合唱団は、ワンツー・どんはNHK東京放送児童合唱団、うたって・ゴーは杉並や多摩といった外部の合唱団(立川さん時代は杉並?)だった。【2018年11月22日追記】1980年代前半頃は、ワンツー・どんに杉並児童合唱団が出ていたこともあったそうだ。【2023年5月1日追記】立川さん最後の1985年度は多摩少年少女合唱団が出演する回があったのを確認。一方で、1985年度(のはず)の初回では、多摩と杉並がいっしょにクレジットされた回があり、混成もあったようだ。【2023年5月5日追記】1985年度には杉並のみの回もあったようで、2合唱団が交代で出演していたのだろうか。

そんなわけで、「うたって・ゴー」では、唱歌を立川さんが朗々と歌い上げていたのが記憶にある。
新学期の「春がきた」、3学期末の「どこかで春が」など。
「秋の子(作詞・サトウハチロー、作曲・末広恭雄)」では、「♪つばき(唾き)を飲む子は何人だろうな」が理解できず、「椿」? でも秋にツバキの花は咲いていないから、ツバキの実を丸飲みするの? と疑問だった記憶も…


僕は前年度に対象学年を過ぎていたわけだけど、長期休みに自宅で番組を見ていたし、ニュースで亡くなったことも知っていたから、3学期分の放送をどうするのか、子ども心に心配(と少々期待)した。【2016年1月3日追記】秋田は冬休みが長いので、1月上旬に始まる3学期最初の放送は自宅で視聴可能。
立川さんが倒れる前の段階で、冬休み前(冬休み明けも?)1~2回分は収録済みで、それは「この番組は11月○日に収録したものです」といったテロップを入れて、そのまま放送されたかと思う。とても切ない気持ちで視聴した覚えがある。


収録ストックが尽きた学期末最後までの残り数回は、バリトン歌手(作曲もするようだ)・加賀清孝氏(1950年生まれ。当初はさすがに「おじさん」ではなく「お兄さん」と呼ばれたはず)に交代した。番組内で立川さんが亡くなったことへの言及はなかったはずで、知らない子には唐突だったかも。

こちらも長期休みを間に挟んだものの、メイン出演者なのだから人選や打ち合わせをするには、時間がギリギリだったことだろう。


加賀さんは、立川さんと同じような音楽の専門家として、そのまま1989年度まで出演。
以後、声楽を専門とするお兄さん的存在は廃止されたようで、クニ河内氏も1991年まで、最後は作曲家(?)の白石哲也さんという方【2023年5月1日追記・白石さんは1980年代後半(=宇都宮さんの後任か?)には、番組の「音楽(編曲)」を担当していた。】が出演し、1995年度で番組が終了。【29日追記】見た記憶はないが、末期にはお兄さんとして藤井秀亮さんという方が出演。ギタリストだそうだが、その10年ほど前には、小学校3年生向け「ふえはうたう」に(リコーダーを習いつつ、歌を歌う)お兄さんとして出演していた。我々世代には記憶にあるであろう、アフロヘアでヒゲを生やしたあの人(うたって・ゴーではどんな髪型・ヒゲだったんだろう。さすがに現在はアフロヘアではないみたい)。
1996年度からはワンツー・どんと統合されて「まちかどド・レ・ミ」→2004年度から「ドレミノテレビ」となり、2005年度をもって小学校低学年向け音楽番組は幕を下ろした。

ちなみに、「懐かしの学校放送」系CD・DVDでは、主題歌だけを収録したものは立川版(あらかじめ収録された歌と、バランスが悪そうなUFOが出てくるアニメーション【2016年4月10日追記】公式な情報はないが、絵のタッチからしてみんなのうたのアニメを多く手がけている、加藤晃氏の作)が収録されている。立川さんがうたって・ゴーに出演している映像を見ることはできない(公式には…)。
2014年に発売されたDVD「NHKこども番組 80'sメモリー 1985~1989」では、1988年度の1本分が本編まるまる収録されており、そちらでは加賀版の主題歌(曲は同じだがアレンジが若干異なりおとなしめ、スタジオの実写映像である後期バージョン=立川さん時代と同じアレンジ・アニメの前期バージョンも存在した)も、当時の加賀さんご本人の姿も見ることができる。


お二方の訃報により、人が突然亡くなるということをほぼ初めて実感した。30年も経った今でも、時々思い出す。

【2016年7月18日追記】上記の通り、立川さんは「六甲おろし」を歌っていたのだが、亡くなった1985年に、阪神タイガースは21年ぶりのリーグ優勝、さらに球団設立以来初めての日本一を成し遂げていた。
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やっと積雪

2015-12-26 19:40:46 | 秋田の季節・風景
11月28日に、平年・昨年比15日遅れで初雪を観測した秋田市は、その後ほぼまったく雪が降らない(したがって積もらない)日が続いていた。
気温も高めで、最低気温が氷点下になった日もわずかで、過ごしやすい日々だった。

クリスマスも雪がないまま終わり(これは時々ある)、今日26日。
鷹匠橋から千秋公園方向の千秋トンネル通り
これも珍しいことではないが、短時間で一気に本格的な積雪になった。

昼までは積雪ゼロで、昼過ぎから雪が降って積もりはじめ、14時には8センチに達した。19時現在6センチ。
風は弱めだけど時折雷も鳴って、やっと秋田らしい冬が来た。
雪がなくて暖かいのは過ごしやすいものの、来シーズンの水不足や農業・環境への影響を考えると極端な暖冬は困る。この調子でそれなりに寒く、雪が積もるべきでしょう。


車道も歩道も、雪で白くなっていた。歩道は除雪しなくても、冬靴なら歩ける程度。
年末のせいか車の通行量は土曜日にしては多め。シーズン初の雪道なので慎重に運転するドライバーが多く、若干滞ってはいたが、秋田市中央部では大渋滞や路線バスの極端な遅延はなかった模様。【27日追記】郊外の幹線道路などでは、渋滞やスリップ事故もあった模様。
「鷹の松」も雪化粧。左の電話ボックスのガラスや標識も吹きつけた雪で白くなっている

今秋は、ケヤキの紅葉が中途半端でチリチリの葉が残っていた
二丁目橋の「那波家の水汲み場」のケヤキは、クリスマスになってもチリチリのまま。
12月24日
そこも、
雪化粧。葉はいい加減、落ちるかな? ※続きはこの記事中ほど

【26日22時30分追記】暖かかったせいか、今年はツバキの開花が早く、しかもたくさんきれいに咲いている気がする
正月にかけて、いつもの冬が続きそうです。

【27日追記】翌27日は、朝はマイナス5.1度、昼も0.5度(かろうじて真冬日回避)の寒い日。風も強かった。積雪は5センチ。そのため、道路は凸凹&ツルツルで通行しづらい状態。
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秋田市にバスロケ復活?

2015-12-24 22:50:24 | 秋田のいろいろ
バス停に路線バスが近づいていることを、乗客に対してランプなどで知らせる「バス接近表示」、もしくは「バスロケ」こと「バスロケーションシステム」。
※接近表示とバスロケは、厳密には同義ではない気もしますが、ここでは同義として扱います。
何度も述べているように、無線を利用したバス接近表示を世界で初めて実用化したのが、今はなき秋田市交通局(秋田市営バス)(自称。1981年)。
※秋田市より先にバスロケを導入した事業者もあるので、それらは有線だったということなんでしょう。

冬の積雪・路面凍結などによる渋滞で遅れがちなバスを、時には猛吹雪が吹き付けるバス停で待つことになる乗客の不安やイライラを少しでも解消しようという意図だったのは想像に難くない。(運行データを蓄積・解析し、ダイヤ設定に反映するという交通局側の狙いもあったようだ)
(再掲)1994年度に更新された2代目バスロケ対応バス停。現在も残っているが接近表示は機能しない


その後、地方都市を含む多くの地域で、公営民営問わずバスロケを導入するところが増えた。※松江市の例
近年は、インターネットやICT(情報通信技術)の普及により、バス停ではなく乗客のパソコンや携帯電話などに表示するタイプが登場したり、GPSなど簡易(ではあるが充分)な方法で位置情報を発信できるようになったりして、昔よりはコストが下がって、導入しやすくなっていると考えられる。


そんな中、我が秋田市は、秋田市営バスの全路線が中央交通へ移譲(民間移管)された際、バスロケは移管されずに終わってしまい、秋田市から“バスロケの灯”が消える結果となってしまった。
維持費用がかかるのは当然で、バス会社としてバスロケよりも優先すべきことがあるのも分かるが、時代に逆行しているようにも感じる。


ところが、この冬、秋田市において、約10年ぶりにバスロケが“復活”したのです!
ただし、中央交通ではなく羽後交通であり、バス停に表示するタイプでもない。だけど、“バスロケの灯”が再び灯ったととらえて差し支えないと思う。

羽後交通のホームページに、11月24日付で「本荘・秋田線 位置情報アプリの導入について」がアップされた。
それによれば、羽後交通の由利本荘市本荘と秋田市を結ぶ急行路線限定で、スマートフォンのアプリを用いて位置情報を提供するという。
(再掲)急行本荘・秋田線
東京の株式会社ケイ・シー・シーが開発提供する「知らせてビューア」という無料アプリを用いる。
ケイ・シー・シーホームページによれば、路線バスの導入事例が4件掲載されており、その1つが羽後交通。路線バスのみならず、幼稚園や教習所などの送迎バスや移動販売での利用もされていて、低コストなのが売りのようだ。
AndroidまたはiPhoneでダウンロードし、路線ごとに指定された12ケタの「バスID」を入力すれば、使える。
【2016年1月2日追記】バス停にも、QRコードなどがついた掲示が出ていた。

アンドロイド向けアプリダウンロードサイト「Google Playストア」より
「知らせるバス」というアプリもあり、それは運行する側用。つまり、これをインストールした端末をバスなどに乗せておくのだろう。
1000件ダウンロードされている
【26日追記】「知らせるバス」のほうは100件ダウンロードされていた。
使ってみた。
起動して更新ボタンを押すと、Googleマップ上に、赤いバスの絵(アイコン)が表示された。
それがバスの現在位置なのだけど、どちら方向に進む便か分からない。アイコンをタップすると、
軌跡が表示される
分かりにくいのは、バスのアイコンが左向きで固定されていること。上の画面の場合は、進行方向と逆向きになってしまっている。
また、黄緑の点で示される軌跡は、数分間分くらいしか表示されない。渋滞に巻き込まれると、分かりづらいかもしれない。
それと、バス停の位置や名称が表示されないのも分かりにくい。まあ、自分の位置情報と比較すればいいのだけど。なお、「知らせるバス」側のオプションでバス停情報を付加できるようだ(=羽後交通さん次第)。

さらに吹き出しをタップすると、詳細情報が表示されることになっているが、羽後交通の場合はあまり意味がない内容。


羽後交通の告知では、30秒ごとに自動更新する設定にすることを勧めており、たしかにこまめにバスの位置が変わる。でも、バッテリーが消耗しそう。その都度、手動更新すれば充分でしょう。

上の画像のバスは、本荘発で秋田駅西口に18時49分に到着(駅止まり)する便。折り返し、19時00分発本荘行きになるようだ。
秋田駅西口で19時08分

時刻表では19時09分の長崎屋バスターミナルを10分遅れ
ローソンに突っ込んでいるように見えるけど、位置表示はおおむね正確で、誤差の範囲内でしょう。


羽後交通の急行バスは、強風でよく運休になる羽越本線の代替としての需要もあるようだし、時間帯によっては渋滞に巻き込まれることもある。夏場の昼間でも、本荘発が秋田市茨島近辺で5分程度遅れていることが多い。
羽後交通さんがお客のためを思って導入してくれたのであろうことは分かる。スマホ限定なのは高齢者などには親切ではないけれど、コストを考えると致し方なく、評価すべきだろう。


ひるがえって、中央交通は?
ただ、中央交通の秋田市の路線バスにおいて「知らせるバス」を導入してしまったら、画面がバスアイコンだらけになっててんやわんやになりそう。もっと本格的なシステムを導入しないといけないだろう。
秋田市が運行する「ぐるる」や各地域のマイタウンバスに「知らせるバス」を導入するのは可能かもしれない。

個人的には、バスロケは必須ではないと思う。
分かりやすいダイヤ設定(一定間隔等)、遅延が生じにくい(現状では天気が良い早朝の始発便がなぜか5分も遅れたりする)ダイヤやルートの設定、バス停への上屋やベンチなどの設置によって、「待たなくて済む」あるいは「快適に待てる」環境を作っていくことも必要だ。むしろ、そういったことに力と費用をかけるべきかもしれない。

【2018年3月12日追記】その後、2018年2月から(告知は7日付)は、高速バスの秋田-横手・湯沢線にも知らせてビューアを拡大。ただ、この路線は中央交通と羽後交通の共同運行ながら、おそらく羽後交通担当便しか対応していないと思われるので、実用性はいまいちかもしれない。

※その後、2024年になって、ついに秋田中央交通の一般路線バスでもバスロケーションシステムが運用開始
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秋銀秋田支店建物

2015-12-22 20:35:33 | 秋田の季節・風景
秋田市大町五丁目の通称「川反(かわばた)」に、秋田銀行の「秋田支店」という店があった。
(再掲)
前身の銀行の店舗として昭和9年に建てられた建物を使い続けていたが、2014年7月に大町支店に統合される形で秋田支店は閉鎖された。
閉店後、建物はそのまま残り、建物本体に付け足したような構造のATMコーナーは営業存続。【31日追記】「大町五丁目」という名称だった。
店やオフィスだった建物本体側も、銀行が何らかの用途で使っていたらしく、人が出入りしたり、冬期はスチーム暖房による湯気が立ちこめたりすることがあった。


今年11月中旬、久々にここのATMコーナーを利用した。秋田支店閉店後初めて。
以前はATMが2台あったような気がするが、その時は1台だけ。
通りから見て右側がATMコーナー。したがって、左側に店舗だった建物本体へつながるドアがあるのは知っていたが、反対の右側に大きな窓があった。その窓からは、狭いながら「庭園」が見えた。松の木(道路から塀越しに見える)のほか、立派な石灯籠まであって驚いた。

感心しながらATM付近を見ると、小さな張り紙が出ていた。
それには「11月30日でATMコーナーを廃止します」とあり、また驚いた。
秋田銀行のホームページはおろか、ATMコーナーのドアなど外にも告知はなく、ひっそりとしたもの。


予定通り、11月末でATMは廃止された。
近隣のあきぎんのATMとなると、大町、南通り、馬口労町の各支店やドン・キホーテ内など、いずれも500メートル以上離れている。

さらに、建物の中から、荷物を運び出すと思しき光景も目にした。
そして現在。
覆われた
上の写真右手前の位置(バス停付近)にあった松などもなくなってしまっているし、建物本体も窓ガラスが外されているように見える。庭園の写真を撮っておけば良かった…
そう。解体されてしまうらしい。

「72年間ご愛顧ありがとうございました」の張り紙は最後まで残っていたようだ。

秋田銀行としては、建物を持て余し、維持管理費用が馬鹿にならないのは分かる。
でも、戦前の建物が今も立派に残っていたのを、簡単に壊してしまうのは惜しくも感じる。秋田支店閉店時には、秋田魁新報の投書欄に建物の活用を検討してほしい旨の市民からの投稿があったのだが…


秋田市内は戦災や震災の被害はほとんど受けていないのに、歴史ある建物は少ない。
近年でも、土崎の湊御蔵、川尻の刑務所のレンガ塀など、何のためらいもなく(実際どうかはともかく、傍から見る分には)消えてしまった。
秋田(県全体なのか、市だけなのか?)は古い建物を残したがらない地域性のようだ。新陳代謝も必要だし、それが悪いとは言い切れないけれど…

※続きはこちら
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東奥日報

2015-12-21 21:20:32 | 津軽のいろいろ
先日、青森の県域地元紙「東奥日報(とうおうにっぽう)」の紙面を、久々に入手した。
秋田魁新報(以下、魁)と比べてみる。
今日の魁と11月28日付東奥日報
秋田魁新報は2008年で夕刊が廃止されたが、東奥日報は平日はまだある。
題字の大きさは両紙ほぼ同じ。背景は魁は梅(?)、東奥日報は東北・北海道の地図に雪の結晶が散りばめられているようだ。

東奥日報では、題字の横に月のカレンダーがある。あれば何かと便利かも。
欄外上部の日付は、1面だけ文字が太く、旧暦をカッコ書き。


紙面本文の文字は、魁よりも東奥日報がいくぶん読みやすいような気がする。
最大の理由は1行当たりの文字数。魁は13文字で、東奥日報は12文字。(20年くらい前までは、どこの新聞社ももっと文字が小さかったものだけど…)
もう1つが書体の違い。
東奥日報紙面。「3」「さ」「き」に注目
魁では、モトヤという書体メーカーの(関連記事)「モトヤ新聞明朝」を使用している。
東奥日報では、それをベースに読みやすい字形(ユニバーサルデザイン)にした「UDモトヤ新聞明朝」を使っているようだ。UD書体では、従来の書体よりも線が太く、(同じ枠の中で)文字が大きくなっているそうだ。

秋田の太平物産によるJA肥料偽装問題では、同社青森工場でも偽装が行われ、かつ青森向け製品でも偽装があり、東奥日報でも社会面で報道されていた。
こういう県外ニュースの場合、東奥日報でも魁でも、共同通信社からの配信記事を載せることが多いはずだけど、今回は、
(協力・秋田魁新報社)
魁がお役に立って何より。
日頃から、「戦後70年特集」みたいな特集記事では、県外他紙の社名が出ることがあるけれど、一般記事でこういうのは珍しいのではないだろうか。
ちなみに、
魁の紙面の「秋田魁新報社」
「秋田魁新報社」に限れば、UDとそうでない文字の違いはあまりない?


最終面のテレビ欄。
右が東奥日報
ぱっと見て、魁よりも東奥日報のほうが広々とし、1局当たりの面積が広く感じた。
最終面に掲載されるのは、どちらも地上波6局+NHKBS2つで同じ。
 
東奥日報のほうが横幅が特に広く取られ、その分、文字が大きいようだ。

 
東奥日報はやや縦長にしたUDモトヤ新聞明朝。
魁は、ほぼ正方形のUDではない書体(新聞明朝か普通のモトヤ明朝)

地上波各局の掲載順は、左側から、
魁は、NHK総合、Eテレ、秋田放送、秋田テレビ、秋田朝日放送(太い線)IBC岩手放送。
東奥日報は、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、NHK総合、Eテレ、岩手めんこい。
NHKの位置は別として、どちらも「自社と資本関係がより強い民放局」を先に掲載し、県内に系列局がないネットワークの岩手県の局を掲載(ケーブルテレビや越境電波での視聴向け)しているのが共通している。
【30日追記】全国紙も含めて、県外の局は短い(情報量が少ない)簡易な番組表の場合もあるが、めんこいテレビ、岩手放送とも、県内局と同じフルサイズ。ただし、魁の岩手放送では「明朝」の4行がカットされ広告になっている。

なお、内側面の細かいテレビ欄では、
魁は「隣県のテレビ」として、山形県の民放4局(全局)と、青森放送、青森テレビを掲載。ラジオは秋田県内局のみ。
東奥日報は、北海道の5局(全局)と、岩手県の3局(最終面のめんこいテレビと合わせて岩手県全局)。ラジオは、北海道(2局)と岩手のAM局も掲載している。


5面経済面
県が今年初めて開催した「あおもりの旨い米グランプリ」の結果。
米の品種ごとにグランプリを決めたそうだが、その見出しの略し方。「つがるロマン」を「ロマン」、「青天の霹靂」を「霹靂」としている。本文中では「青天の霹靂」と「霹靂」が混在し、最初だけ「へきれき」とふりがながある。


死亡広告。
秋田と同じく、一般市民が亡くなっても、遺族などによる広告が掲載される。
枠のサイズは、東奥日報のほうが天地方向に長い。(魁7センチ、東奥日報8.5センチ)
文字は東奥日報のほうがやや小さい。書体は両紙とも、紙面とは異なる明朝体。
魁は、基本的に全部同じ大きさの明朝体だが、東奥日報では亡くなった人の氏名を2回りほど大きい太字(明朝体)にし、さらに葬儀の日時・場所はゴシック体にしている。

秋田では、先に火葬を済ませてから葬儀(葬式)という順番。「通夜」はなく、代わりに葬儀の前の晩には「逮夜(たいや)」というのを行うが、参列するのは身内や近所の人だけ。したがって、死亡広告には葬儀の日時だけが載る。
青森では、通夜・葬儀・火葬という一般的な順番で行うようで、東奥日報の死亡広告では、「通夜」と「葬式(葬“儀”ではなく)」の日時が併記されていた。

それから、会社や団体の役員をしていた人が亡くなると、秋田では、遺族によるものと別枠で「弊社代表取締役社長~」といった死亡広告が出ることがある。複数の団体を掛け持ちしていた人の場合、1人で何枠も並ぶ場合も。
たまたまかもしれないが、東奥日報では、企業と遺族が1つの枠を共有した死亡広告があった。境目に線が入っているものの、企業によるものは「○○殿」「逝去されました」、遺族によるものは呼び捨てで「逝去いたしました」と一致していないのがやや気になるが、分かりやすいし合理的ではある。
【2016年1月4日追記】秋田でも、家(遺族)と企業の合同葬を行う場合は、同じような体裁の広告になる。しかし、東奥日報で見たものは、葬儀は家だけが主催するもので、その告知に企業が便乗しているような形だった。【2016年1月16日追記】秋田では、商店や家族経営的な会社の関係者の場合は、遺族による死亡広告の末尾の遺族の名前の最後に、線を引いて区切って企業名(とその代表者名)を併記する。


所変われば新聞も微妙に&いろいろと変わるものです。
※続きはこちら
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半分消灯

2015-12-17 22:51:01 | 秋田のいろいろ
秋田市の通称・有楽町の県道28号線「下新橋」交差点。
先日、あることに気付いた。
南側から
車両用信号機に注目。2台とも、同時に設置されたLED式。LED信号機としては比較的早期の製品のはずだが、まだ10年は経っていないかな。

通過車両が正面に見る左奥の信号機に比べて、右手前の信号機の青灯が「薄い」もしくは「暗い」。
単独で見せられれば「(普通の)青信号だ」と認識できる程度ではあるが、2台を比べてみると分かる。
光線の当たり方や、見る角度の違いによるものではなく、写真撮影時のシャッタースピードによるものでもない。
位置を変えて。手前の青が薄い

拡大
小粒のLEDが並ぶタイプ。
普通なら、当然全部の粒が点灯するのに、これは一部の粒しか点灯していないというか、一部の粒が消えたまま。
よく見ると、ほぼ放射状に1列おきに点灯/消灯が繰り返されていて、およそ半数のLEDが消えていることになる。

つまり、故障している。
なお、同じ信号機の黄灯と赤灯は、正常に全部の粒が点灯していた。

実は、以前から話には聞いていた。
「LED式の信号機では、故障時にLEDの一部だけが消える場合がある」と。
これは、故障して点灯色が識別できなくなる事態を極力避けるため、内部の回路が2系統に分かれていて、片方が壊れてももう片方が生き残るようになっている、いわゆる冗長性を持たせてあるのだそうだ。今回の信号機では1列おきに消えたが、メーカーや機種によっては、また違った消え方をするかもしれない。


県警へ連絡したところ、数日経ってから修理された。信号機自体は前と同じものなので、内部の修理で済んだようだ。
ただちに修理しなかったのは、同方向にもう1基信号機があり、さらに故障したのがサブの信号機(補助灯器)であり、かつ青灯(赤や矢印だったら、誤認されると危険)であり、何よりも、いちおう青信号として見えた=冗長性が功を奏したためだろう。

ただ、例えば電源部分が故障してしまえば、その冗長性に関わらず全部消えてしまうわけだし、故障発生頻度と比べれば過剰な対策(その分高価になる)をしているとも考えられるのかもしれない。
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五所川原駅周辺

2015-12-16 00:02:01 | 津軽のいろいろ
五所川原駅周辺の風景を少々。
先日も触れたように、五所川原市中心部の商店街の衰退が激しい。でも、それは全国の多くの地方都市共通の状況であり、五所川原が特に著しいとは感じなかった。日曜日の朝にしては、人の動きがそれなりにあったようにも見えた。

駅から西へまっすぐ400メートルほどで「立佞武多の館」があり、その先の交差点からは国道101号線に変わる。その交差点付近では、歩道部分の工事が行われていた。

僕はだいぶ以前(10年くらい前?)にも、この周辺を歩いたことはあった。
今回は予備知識もなく行ったので、以前がどうだったか思い出せずにいたが、この↓光景を見て思い出した。
歩行者用信号機が横向き!
ということは…
2014年6月撮影Googleストリートビューより(冒頭の写真とほぼ同じアングル)
前はアーケードがあって、それが撤去されたことを意味する。
通常の縦型の歩行者用信号機だと、アーケードの天井が低いためジャマになるので、横向きにして設置された。その後、アーケードが撤去されたものの、信号機がそのまま残っていることになる。
以前の記事で、鳥取と島根のものを紹介しているように、横型歩行者用信号機は、全国的にそれなりに存在するようだ(けど、積雪地の車両用縦型信号機ほど多くもない)。

冒頭の写真とストリートビューを比較すると分かるように、手前側の横型は2基とも残っている一方、向かい側にあった横型は、縦型の薄型LED式に更新されてしまっている。(車両用信号機と信号柱もそっくり更新されている)

残った横型2基
ここの横型は、裏面の銘板(縦位置貼付)によれば、平成7(1995)年 松下通信工業(現・パナソニック モバイルコミュニケーションズ【16日訂正】パナソニック システムネットワークス)製。

ストリートビューでは2014年6月の1つ前、2013年5月の画像には、まだアーケードがあった。
1年以上、横型が存置されていることになるから、当分このまま使い続けるのだろうか。電球式ではあるが、金属ボディ【2021年11月19日補足・金属じゃなく樹脂製ボディかも?】なので劣化は少ない。
ただ、横型の歩行者用信号機には違和感を禁じ得ない(雪国仕様の縦型車両用はすっかり見慣れているのに)し、針金で縛って補修している信号機もあった(某秋田県ではガムテープで補修して何年も使っているのもあるけど)から、先は長くないのだろうか。
【2021年11月19日追記】この電球式の横型は、2021年秋頃までに縦型LED式(フードなし)に交換されたとのこと。


もう1ブロック先の交差点も、一部は横向きだった。しかもLED式。鳥取・島根でもそうだったように、近年はLED式の横型も存在する。
2013年5月のストリートビューより。コンクリート柱ではなくアーケードの柱に設置
↑上方にまだ余裕があるみたいだから、もうちょっと上に(あるいは縦型を)設置しても良かったのでは…
これは、
そのまま残った


電球式のボディを流用した厚い初期タイプ。2003年9月京三製作所製。

ただし、同型が設置されていたこの向かい側は、
縦型・薄型に更新
柱の位置の関係上、信号機の位置に若干無理がある。
視覚障害者用信号(音響式)のスピーカーは、横断歩道の位置に合わせるため、矢印で示した長ーいパイプを伸ばした先に設置(関連記事)されている。誤った方向に横断するなどの事故防止に有効な措置ではあるが、ここの場合、既存の電柱(NTTの柱?)にぶかってしまいそうな気もする。そもそも、その柱に信号機を設置させてもらえばよかったのでは? 後で地中化する計画でもあるのかな?


ところで、歩行者用信号機の内部を開く時に使うちょうつがいの位置は、縦設置の時は必ず向かって右側にあるようだ。
縦設置の場合、島根や五所川原では、下にちょうつがいがある。
鳥取の新しい薄型だけは上にちょうつがいがあった。中を開く時は、おさえてないと面倒なことになりそうだけど…
それに、柱へ取り付けるアームも、土地や時期によってまちまち(五所川原だけでも新旧で異なる)であり、特殊なタイプだけに知恵を絞っているのがうかがえる。

各地で、老朽化によりアーケード撤去が進んでいるし、新しいアーケードは天井が高くて横型を設置する必要はなさそう。もともと珍しい横型歩行者用信号機は、将来なくなるかもしれない。


信号機の話はここまで。
交差点から300メートルでアーケードが終わる。そこに「寺町」バス停。

バス停名の地色が紺色という、弘前市の「北園町」(この記事後半)くらいでしか見たことがない、弘南バスでは珍しいタイプ。(寺町は上下両側とも同じ)
北園町にあった路線図はなく、こちらは下に「バスにお乗りの際は、つり銭のいらないよう御協力お願いします。」と書いてある。

アーケードが途切れたすぐ先は、いきなり大きな川と橋。
弘前市方面から流れて来る岩木川に架かる「乾橋」。橋の向こう側(の一部)は、つがる市柏(旧・柏村)。変化が激しい。
岩木川と岩木山
弘前から見るのとは違う形であるはずの、岩木山のてっぺんは見えなかった。

今回の津軽訪問記はこの記事でおしまいです。
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どのへんですか

2015-12-13 23:09:06 | 各地お土産・食べ物
青森県はリンゴ産地であるだけに、さまざまな“ご当地リンゴジュース”も発売されている。
「シャイニー(青森県りんごジュース株式会社)」や「アオレン(JAアオレン・青森県農村工業農業協同組合連合会)」のような比較的大手は、自販機やスーパーでも扱われ、たまに秋田でも購入できる。愛媛ミカンにおけるポンジュースみたいなものか。
ほかにも、県内各地のJAなどが独自に製造しているリンゴジュースが、その地元の道の駅などで売られていることがある。

イトーヨーカドー弘前店では、シャイニーやアオレンのリンゴジュースをいくつか、安く売っているのでたまに買っていた。
エルムの街のイトーヨーカドー五所川原店に行ったら、そのほかのリンゴジュースがあった。
これ。値段は他と同程度
この商品名。僕は前から知っていたけれど、初めて見た人なら戸惑うかも。
ちょっとスイマセン森田村ってこのへんですか」という商品名。

濃縮還元でないストレートの100%リンゴジュース。あっさり系の味だった。

さて、青森県外の人には、「森田村ってどのへんですか?」ではないだろうか。
五能線で弘前から行って、五所川原・木造の先、鰺ケ沢の手前にある「陸奥森田」駅のあるところ。
「つがる地球村」というアウトドアレジャー施設(?)があり、その1つに5000人収容の野外円形劇場がある。ジュースの缶に描かれているのがそれ。

というか、森田村って現存しない。
2005年に合併によりつがる市が発足し、つがる市森田町になってしまった。
※つがる地球村は、合併前から「つがる」を名乗っていた。

また、ジュースの販売者は、2000年には「森田村農業協同組合」だったのが、現在はつがる市稲垣町(旧・稲垣村)の「つがるにしきた農業協同組合」に代わってしまっている。JAのほうも合併されてしまったようだ。
村が現存しないのだから仕方ないかもしれないが、商品名以外には、どこにも「森田村」の名前は出てこない。かろうじて、問い合わせ先がJAの「森田加工センター」。

平成の大合併により、各地で歴史ある自治体名が消えてしまい、「村」自体もかなり減った。そんな中、ジュースの名前でも「森田村」が残るのは、意義深いのかもしれない。
高知には「ごっくん馬路村」というユズジュースがあり、全国的にけっこう知られている。「ちょっとスイマセン森田村ってこのへんですか」も、ネーミングでは負けていない。もっと広範囲に販路拡大できるかもしれない。
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イオンでWAONが使えない?

2015-12-11 00:19:27 | その他もろもろ
イオングループ某店舗で買い物して、セルフレジで会計。
セルフレジは慣れてしまえば、スピーディー。

運営会社や店舗によって違う場合もあるが、秋田の店舗では、購入商品すべてのバーコードを読み取って支払い段階になると、決済方法を画面に並んだボタンの中からタッチして指定する。
もちろん、電子マネー「WAON」で決済。
いつもなら、選択すると、カードリーダー部分が有効になって、タッチすると決済される。(普通のレジのような、物理的な選択ボタン「ピンパッド」はない)

選択画面は、上から「現金」「イオンギフトカード」「イオンカード」「Suica」…などボタンが並んで、中段の左側に「WAON」ボタンが出る。
ところが、今回は、タッチしようとすると、ボタンが“薄い”。タッチしても反応しない。前画面に「戻る」してやり直しても同じ。
現金やイオンギフトカード、たしかSuicaもタッチできる状態なのに。

カードをタッチした後であれば、カードが破損して読み取れないとか、残高がないとかが考えられるが、タッチ前の段階で使えないとは?
イオンで使うためのWAONなんだから、イオンの店で使用制限がかかるとは考えにくい。金券とかを買ったわけじゃないし。

監視・案内役の店員さんに声をかけると、管理用画面を操作しだした。
エラーが出た時など、暗証番号入力か名札のバーコードを読み取りで、客ができない取り消しなどの操作をすることがある。
以前、同じ機械で「ストアモード」というタイトルの管理用画面を見たことがあった。おそらく、レジ内に入っている現金の残高が出ているようで、たしか黒っぽい画面。

今回は、緑色基調で、タッチボタンがたくさん並ぶ画面を出した。
少しいじっていたものの解決できず、サービスカウンターからもう1人の店員さんを呼んできた。
「電子マネー」→「WAON」だったか、3階層くらいボタンを押して、「お待たせしました。タッチをお願いします」と言われる。

画面は緑の管理用のままだけど、カードリーダーのLEDは点灯し、有効になったよう。
10秒くらい長くタッチし続けると、「ワオン!」と音がして、やっと決済された。


管理用画面でしていた操作は、「WAONの使用を有効化する」という内容だったように推察。
つまり、その前は「WAONが使えない」状態で客に開放されていたのかも。

繰り返しだけど、イオンの店でWAONを意図的に使えなくするというケースは考えにくく、常時有効にしておけばいいようにも思う。だけど、メンテナンスでそうする必要があるかもしれないし、セルフレジ自体は他のスーパーでも使うシステム(ハードやソフトが汎用)なのだろう。
そして、パソコンや携帯電話でもたまにあるように、「操作したつもりはないのに、いつの間にか機能が有効/無効になっていた」のだろうか。朝の開店からだいぶ時間が過ぎていたけれど、僕が使う以前に、そのレジでWAON決済した客が皆無だったとは考えにくい。途中で再起動でもしたのだろうか。別にどうでもいいことだけど、不思議な体験だった。

【2017年7月30日追記】その後、2017年7月にも、この時と同じチェーン(店舗は別。運営会社は同じ)のセルフレジで、まったく同じ事象に遭遇した。ちなみに時刻は15時33分頃。

【2019年5月23日追記】さらにその後、2019年5月。Suicaだけが使えるスーパーの通常レジで支払いすると、決済端末に「通信中」といった文字が表示された。「(午後)3時なので通信をしているんです。少しお待ちください」と30秒くらい待たされた。正確には14時58分頃だった。
この記事本文のWAONについていただいたコメントも合わせて考えると、レジの電子マネー決済端末では、通信のために少しの間使えなくなる時間帯が生じてしまうようだ。夜中だとレジの電源が落ちている店も多いし、夕方の混雑の直前ということで、15時前後なんだろうか。
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新幹線ダブルサンド 他

2015-12-09 23:45:27 | ランチパック
11月末の工藤パン。
甘めの背割れコッペパンに、2種類のジャムやクリームなどを挟んだ「ダブルサンド」シリーズ。※以前の記事
来春の北海道新幹線開業にちなんだダブルサンドが、11月から2種類発売されていた。

チョコクリーム&北海道産練乳クリーム 353kcal / 青森県産スチューベンフィリング&ホイップ 347kcal
青函それぞれの素材を使ったものが1種類ずつ。パッケージの新幹線の車両は、JR北海道所有の「H5系」とJR東日本所有の「E5系」と、それぞれに対応している。(違いは帯の色だけですが)

チョコクリーム&北海道産練乳クリーム
練乳が濃厚で、チョコも滑らかでおいしい。

青森県産スチューベンフィリング&ホイップ ※写真の色が不正確です。
さわやかなスチューベンの味。
ダブルサンドシリーズは、どれもなかなか。

さて、両商品とも、パッケージ裏面にこんなキャラクターがいた。
何者?!
新幹線開業にちなんだキャラクターなのは想像できるけど、名前などは記載なし。半魚人?
ネットで「北海道新幹線 キャラクター」で検索すると、↑この人(?)ではない姿で、北海道が主導した「どこでもユキちゃん」というキャラクターの情報ばかりがヒットする。

もう少し調べたら分かった。
「λプロジェクトシンボルキャラクター「マギュロウ」」だそう。名前からすると、マグロなのか。
これは青森県が制定したもので、北海道新幹線開業により津軽海峡交流圏の形成を目指す「λ(ラムダ)プロジェクト」のキャラクターという位置付け。【11日追記】「λ(ラムダ)」とは、津軽海峡-青森(新青森)-八戸、そして新青森-弘前という、地図上での位置関係をイメージしていると思われる。
北海道新幹線開業の直接的なキャラクターではないことになるが、存在感は薄そう。せめてパッケージに名前を書くくらいしないと。
それに、せっかく北海道の練乳と車両の絵を使ったのだから、そっちはどこでもユキちゃんにすればいいのに。

※2016年1月には「青森県産桃ジャム&北海道産ミルクホイップ」が発売。モモは「あかつき」を使っている。パッケージはH5系と表面にマギュロウが移ったようだ。




先日の、秋田のたけや製パン「バナナボート」の続き。
通常版のバナナボートも食べた。ただし、パッケージは、
クリスマス仕様

中身はいつも通り
先日のバナナボートクレープで、「通常並みのバナナとホイップ」としていたが、間違いだった。
通常版のほうがクリームが多い。食べてみても、通常版のほうがクリームたっぷりでおいしい。
バナナボートクレープは、クリームが少なすぎる。クレープ皮の存在感もないし、イマイチです!
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エルムの街

2015-12-08 22:59:04 | 津軽のいろいろ
青森県五所川原市へ行った。初めての訪問ではなかったが、前も今回も、ほんの少ししか街を見ることはできなかった。
今回、話には聞いていた「エルムの街」へ、これまたほんの少しだけながら、初めて行ったお話。


五所川原市は、弘前市とは25キロほど離れている。
かつては五所川原駅周辺に複数の百貨店があり、あの「中三(なかさん)」の創業地(2006年に閉店)でもある。

1992年、五所川原駅から西へ3キロほど行った隣の柏村(現・つがる市)に、「イオン柏ショッピングセンター(現・イオンモールつがる柏)」がオープン。(全国初のイオンショッピングセンターだったそうだ。秋田市御所野のイオン秋田SCは1993年)
イオン柏に客を奪われることに危機感を抱いた、中三など五所川原の商工業者たちが立ち上がり、五所川原駅の南東1.3キロほどの所に造ったショッピングモールが「エルムの街」。地元百貨店の1つが提携していた縁があったらしく、イトーヨーカドーが核テナント。1997年12月オープンだそうで、僕が弘前にいた頃だけど、記憶はない。

その後、エルムの街の経営は順調だそうだ。弘前や青森からも来店者がいるようだ。
しかし、五所川原市中心部の衰退には拍車がかかってしまい、五所川原駅周辺の百貨店がすべてなくなるという、皮肉な事態も起きてしまっている。

ただ、地方都市中心部の衰退は五所川原以外のどこでも起きている。それに、仮にエルムの街がなければ、お客はごっそりとイオンつがる柏へ流れていたことだろう。その意味では、エルムの街は成功なのではないかと思っていた。


エルムの街は、郊外型ショッピングセンターの範疇に入る。
一般に郊外型ショッピングセンターは、自家用車での来店を想定している。だから、駐車場は多いけれど、市街地からの路線バスは運賃が高かったり、本数が少なかったりすることがある。
しかし、エルムの街では、公共交通でのアクセスも良好。(五所川原駅からなら歩いても20分弱だけど)
五所川原商工会議所が弘南バスに委託する形で、エルムの街に乗り入れる3路線の「商店街循環バス」を運行している。運賃は120円均一(1999年から2008年までは100円)。
【2016年10月に路線が再編されました。以下はそれ以前の状況です】変更後についてはこちら参照。
市内の住宅地を循環する2路線は、9時から18時台まで1時間に1本。
そして、五所川原駅前からは9時から21時台まで30分間隔と、地方都市としては驚異的な運行時間帯・本数。

五所川原駅発に乗ってみた。「エルムの街直行バス・立佞武多号」という名前があるようだけど、その名はほとんど使われていなさそう。
五所川原駅向かいのレトロな(特に内部)案内所に、白地に赤で「ELM」と大きく書かれた、中型バスがやって来た。(循環線には、色違いの同型車が使われていた)
弘南バスの一般路線用車両にラッピングしたらしい、純正の日野レインボー。ワンステップで、座席が硬い仕様なので、2000年前後の製造と思われる。【9日追記】号車番号表示は車外にはなし。車内には表記があってメモしたのだけど、不覚にも消してしまった…
【2016年1月5日追記】メモを発見! 「51305-3」号車だった。2001年導入で、ネットの情報によれば51303~51305の3台が、色違いのエルム専用車両になっているそうだ。車外には運転席窓の下にのみ号車表示あり。緑色の「51303-3」では「5130“5”-3」と誤表記されてしまっているとのこと。

この3路線は、おそらく弘南バスでは唯一、「運賃先払い」かつ「中ドアから降車」する方式。
特に運賃先払いについては、ほとんど明示されていないし、津軽に限らず地方在住者としては戸惑う。

乗ったのは土曜日の19時台の便。乗客は僕1人だけなのは、まあ予想通り。
車内放送は一般路線バスと同じ。途中バス停は、同じルートの一般路線バスよりは少ないみたいだが、乗降ともにできるようだ。
途中からも誰も乗らず、10分弱で、エルムの街の玄関の1つに横付けされて、中ドアが開いた。やっぱり中ドアから降りるのも戸惑う。

5分後に駅に戻る便になるのだが、3人が乗車した。
採算が取れているのかは不明だが、こんな時間でもちゃんと利用されている。
暗いし中途半端なアングルですが、エルムの街の一部
駐車場はけっこう埋まっている。

エルムの街は、2階建ての建物にイトーヨーカドーと専門店が入る本体と、別棟のヤマダ電機、ニトリ、温泉、ホテルなどからなる。
敷地外のようだが、近くの青森県警の交番まで「エルムの街交番」という名前。地名ではないものの、それだけ親しまれているのだろう。

イトーヨーカドーといえば、弘前店やかつての秋田店のような高いビルを連想する者としては、2階建てで平べったいのはイトーヨーカドーらしくない。
イオンではよくある形式だし、北海道の帯広のヨーカドーもこんな感じだった。

本体の専門店部分では、吹き抜けの長い通路沿いに店が並び、御所野のイオンモール秋田や、イオンタウン弘前樋の口に似ている。
僕はショッピングモールにはほとんど行かないので、比較できないし判断基準がなく、エルムの街が良いのか悪いのかはよく分からない。
土曜日の夜ということもあるだろうが、家族連れさらには高齢者など、たくさんのお客が店内にいた。この状態なら「にぎわっている」と見るべきでしょう。
イトーヨーカドーの食品売り場部分は、弘前店の通路を広くしたような感じで、扱い商品や配置はおおむね同じ。折込チラシも共通。
【9日追記】専門店には、ABCマートや宮城の抹茶クリーム大福の喜久福(井ヶ田製茶)も出店。秋田など他地域ではイオンモールに出店することもあるテナントだが、ここではイオンモールつがる柏ではなく、エルムの街に入っているのが、興味深い。



五所川原は、市街地はともかく、街全体で見れば、なかなか健闘していて活気があるようにも感じられた。
秋田市では、外旭川地区にイオンタウン(イオンモールとは別会社)進出が計画されているのに対し、市や商工業界は乗り気ではない。その気持ちは当然といえば当然だけど、「反対! 何が何でも反対!!」と言うばかりに感じられてならない。それでは、最後に残るのは、既にほぼ壊滅的な既存商店街だけになってしまいそう。消費者にそれで我慢しろと言うのだろうか。

反対するのならば、「自分たちはこんなことができるから、それをやります。だからイオンタウンがなくてもお客は困らない。だからイオンタウンには反対」と言うのならまだしも。
五所川原では、その結果としてエルムの街ができて、イオンモールつがる柏と互角に渡り合えているのだ。
秋田市の商工業界には、五所川原のような気概が必要ではないだろうか。


最後に、エルムの街の出入り口。
自動回転ドア
かつて、ダイエー弘前店があった頃のジョッパル(現・ヒロロ)にあったものと、だいたい同じ。【11日追記】ジョッパルのは枠が銀色だった。それ以外の大きさとか動いている感じ(ちなみに時計回り)はきわめてよく似ていると思う。
ジョッパルでは、2004年の六本木ヒルズの事故を受けて、引き戸の自動ドアに交換されていたので、懐かしい。
エルムの街では、おそらく挟まれないためのガードのような枠を取り付けて、使い続けていたようだ。
入るタイミングを見計らって、中では予想以上にゆっくり歩くという、自動回転ドアの存在意義に疑問を感じつつ通過する体験を、久々にすることができた。(写真のように、脇の手押しドアから出入りする人も多い。そのほうが無難かも)

【2018年5月27日追記】回転ドアについて補足。
国土交通省が全国の大型自動回転ドアの設置状況をまとめた資料があった。対象は2004年4月時点で報告された、直径3メートル以上のもの。
青森県では6施設。ダイエー弘前店が2台、エルムの街は8台で1997年、2000年、2003年と3度に分けて設置されたようだ。
ほかには、青森市のイトーヨーカドー青森店に2000年設置が2台、青森ワシントンホテルに1996年設置が1台、八戸市の八食センターに2003年設置が1台、設置時期不明・調査時点で回転停止で、むつ市のむつショッピングセンター中央店(ダイエーアークスプラザ)に1台。
秋田県は3施設で、1999年開学の秋田県立大学の秋田キャンパスに2台、本荘キャンパスに5台。1998年移転新築の秋田赤十字病院に2台。日赤病院については、当時の宮下正弘院長が、2018年5月の秋田魁新報のインタビュー連載「シリーズ時代を語る」の中で、移転地が「周囲が田んぼで強風が吹き、特に冬場は横殴りの吹雪に見舞われ、通常の横開きドアでは対応できないからです。設計会社ともかなり協議しましたが、回転ドアしかないという結論でした。」としているが、導入後は患者から戸惑う声が寄せられたとのこと。
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バナナボート・MVドーナツ

2015-12-07 21:22:44 | ランチパック

秋田ならではのお菓子、たけや製パン「バナナボート」。
永年、かたくなに1種類だけが製造販売されていたが、近年はさまざまな派生商品が発売されるようになった。(直近は4月に紹介
今までは、中身が違うものばかりだったけれど、11月からはこんなものが発売中。
バナナボート クレープ 411kcal
商品名が金色で見づらいが、皮が従来のバナナボートよりも黄色いのが一目瞭然。
「スポンジ生地の代わりにクレープで巻いたバナナボートだな」と予想はつく。

ところが、開封してみると…
クレープ?!

クレープの下にスポンジ?!
「スポンジ生地の代わりにクレープで巻いた」ではなく、「スポンジ生地の外にさらにクレープを巻いた」ものだった。
しかも、スポンジ生地は通常版よりも分厚い。「バナナボート 皮厚め・うっすらクレープ巻き」とするべきだ。

開くと、
通常並みのバナナとホイップ【9日訂正】通常版よりクリームが少ない(この記事末尾参照)

食べてみると、“クレープ感”はほとんどない。だって、通常よりもスポンジの分量が多いんだもの。
あんまり意味がないクレープというか、見掛け倒しというか。むしろスポンジ生地を少なめにするのなら、まだ分かるけど。
【8日追記】価格は通常のバナナボートより少し高めの150円超程度。

12月からは、バナナをチョココーティングして、ホイップとともに巻いた「バナナボート パリパリチョコ」も発売されている。
あとおもしろいのは、「アベックトースト 耳なし」。これも定番のマーガリンとイチゴジャムのアベックトーストの耳をカットしたもの。アベックトースト同様、マーガリンとジャムは反面ずつ塗布されているようだ。「ランチパックの縁を圧着していない版」とも言えそう。
※アベックトースト耳なしは、2016年12月には、縁を圧着したものになり、フレッシュランチシリーズに編入された。


【その後のバナナボートシリーズの展開を追記】
※2015年12月には「パリパリチョコ」が発売。バナナをチョココーティングして、ホイップとともに包んだもの。
※2015年12月30日のタカヤナギ・グランマートの折り込みチラシによれば、同店で「たけやバナナボートフェア」を開催。通常版(税込み114円。以下同)のほか、「ジャンボバナナボート(214円)」「ミニバナナボート3個(171円)」「バナナボートのバナナぬいちゃいました(96円)」、そして「ユナイト限定販売!(=タカヤナギといとく限定)」で「ショコラバナナボート(160円)」を販売。写真ではショコラ~はチョココーティングしたバナナを、チョコレート色のカステラ生地で巻いたように見える。
※2016年1月に「抹茶あずき」が発売。
※2016年2月に「キャラメル」が発売。
※ホームページでの告知がなく発売開始は不明だが、2016年4月に「バナナボート&苺」を確認。バナナとイチゴが両方入っているようだ。
※2016年6月に秋田商業高校開発商品と銘打って「たっぷり果実の入ったクリームボート」が発売。
※2016年7月に「カフェオレ」が発売。皮もクリームもカフェオレ色。
※2016年8月に「マンゴー」が発売。バナナのほかにダイスカットしたマンゴーが入り、ホイップもマンゴーホイップ。
※2016年9月に「すっきりおいしい 杏仁フルーツボート」が発売。「杏仁ホイップと黄桃」を包む。
※2016年10月に「クリームチーズ」が発売。フランス産のチーズを使用したクリーム。ほかに、ホームページには掲載されていないが岩手国体を記念した(?)「山ぶどうボート」も見かけた。
※2016年11月に「削りチョコ」が発売。「削りチョコクリームとバナナを包みこ」んだもの。
※2016年12月に「とちおとめいちごジャム」が発売。「とちおとめいちごジャム・バナナ・いちごホイップクリーム」をはさむ。
※2017年2月に「キャラメル&チョコ」、2017年3月にチョコがけバナナとチョコホイップの「Wチョコ」、2017年4月に「プリン風味に仕上げたホイップクリームとカラメルゼリーをバナナと一緒に包みました。」「プリンクリーム」、2017年6月に「生クリームと練乳で爽やかなミルク味に仕上げたクリームで優しくバナナを包」んだ「ソフトクリーム味」、2017年7月に「カフェオレ」、2017年8月に「フルーツボート パイン」(生地もホイップクリームもパイン風味と表示)、2017年9月に「塩キャラメル」がそれぞれ発売。
2017年10月には、県内3高校とコラボレーションした3商品が発売。
2017年11月には「フルーツボート みかん」が発売。ホイップクリームの中に、缶詰のミカンが入っているもので、けっこう好き。ホームページでは「しっとりスフレのようなスポンジでごろっとジューシーなみかんをホイップクリームで包んだ」としているが、皮は従来と違わなそう。
2017年12月には「ショートケーキ」が発売、包装には「ちょっと特別なバナナボート」とあり、「クリスマスケーキで使用する口どけなめらかなホイップクリームで優しくバナナを包みました。」。イチゴが入っているわけではなさそう。
2018年1月には「牛乳クリーム」が発売。「鳥海高原花立牧場工房ミルジーのジャージー牛乳を使用した、コクのある香り豊かな牛乳クリームでバナナを包みました。」基本的には基本のバナナボートとほぼ同じなので違いを明らかにするためか、皮の表面に、ホルスタインのブチ模様をイメージしたと思われる、茶色の円がランダムに入っている。282kcal(基本版のカロリーが分かったら、後で比較)。
2018年2月には「チョコクリーム」。「たっぷりの生クリームでバナナとまろやかなミルクチョコクリームを包みました」で、2種のクリームが入っている。
※ローソン秋田進出20周年(にしては1年近く遅い)として、秋田放送ラジオ「ごくじょうラジオ」とコラボした「プレミアムバナナボート(220円)」「プレミアムアベックトースト ジャム&マーガリン(135円)」が、2018年2月6日から4週間、ローソン限定で発売。前者は国産小麦、乳脂肪の高いホイップクリーム、後者は厚切りパン、国産イチゴジャム、岩塩入りマーガリンを使うといった、通常製品のアップグレード版のようだ。
2018年3月には「フルーツボート ダブルピーチ」。ホイップクリームとスポンジもピーチ味で、クリームには白桃と黄桃入り。
2018年4月には「プリンクリーム」。「プリン風味のスポンジとプリンクリームでカラメルゼリーとバナナを包」む。
2018年5月には「ババヘラ味」を発売することが、4月25日付秋田魁新報経済面で報道。進藤冷菓の監修を受け、実際のババヘラアイスと同じ「バナナとイチゴの香料を混ぜた生クリーム(バナナ“風”・イチゴ“風”とするべきでは?)」とバナナとサンド。スポンジはアイスをまねて半分をピンクに着色。って、昨年10月の高校の企画商品(金足農業担当分)とほぼ同じなんじゃ…新聞ではそのことには触れず、自社開発したかのように書いてるけど。希望小売価格税別160円。ちなみに6月にはアベックトーストのババヘラ風も発売。
2018年6月には「塩バニラ」。ホイップがしょっぱい(皮は?)。
2018年7月は「フルーツボート パイン」スポンジもパイン味。
2018年8月は「フルーツボート りんご」りんごとカスタード、ホイップクリームを包む。
2018年9月は「ダブルチョコ」チョコクリームとガナッシュクリームを包み、皮は左右で茶色と黄色に分かれる。
2018年10月は、県内の4つの商業高校の生徒がそれぞれ考案した「“四商”コラボ」。厳密には「商業高校および商業系学科のある高校」ということになろう。
秋田商業はつぶあんと求肥、バナナを抹茶クリームと抹茶生地で包んだ「秋商バナナボート 抹茶あずき」、大館国際情報学院の「KJバナナボート ブルーベリー&レアチーズ風味」、クッキービスケット入りクリームとチョコチップ、バナナをバニラクリームとココア生地で包んだ「能代松陽バナナボート クッキー&チョコ」、湯沢市三関産のさくらんぼジャムとバナナをさくらんぼ風味のクリームと生地で包んだ「湯沢翔北バナナボート さくらんぼジャム」。
2018年11月は「チョコバナナ」「なめらかなチョコとバナナをホイップクリームとココアスポンジで包みました」。
2018年12月は「ショートケーキ味」「クリスマスケーキで使用するホイップクリームで、バナナと苺ジャムを優しく包んだ」。
2019年1月は「フルーツボート ミックスフルーツ」黄桃。
また、「ぐるり東北味めぐり」シリーズで「こまちボート」も発売。バナナボートを強く意識した商品であるが、大きさや中身などの違いも大きく、個人的には番外的位置づけにしたい。詳細はリンク先参照。
2019年2月は「ティラミス風」。「マスカルポーネ入りクリームとコーヒークリーム、バナナ」を茶色い皮で包む。
2019年3月は「フルーツボート ダブルピーチ」。「ピーチ味のホイップクリームとスポンジでゴロっとジューシーな白桃・黄桃を包みました。」。
2019年4月は「プリン風味」。2018年4月の「プリンクリーム」はスポンジもプリン風味だったことになっているが、こちらはそうではないようで、「ふんわりソフトな生地にバナナと濃厚な味わいのカスタードクリーム、ほろ苦いカラメルゼリーを包んだ」。
2019年5月は「バナナスイーツボート ミルキークリーム」。パッケージでは「Sweets」は英語表記でペコちゃんのイラスト、ミルキーの包み紙と同じピンクの水玉(花形?)がデザインされる。「不二家「ミルキー」のれん乳を使用したクリームとバナナ」を包む。
2019年6月は「塩バニラ」「男鹿半島の塩とバニラビーンズを入れたすっきりとしたホイップ」。
2019年7月は「メロンミルク味」。男鹿市限定で売られている「ババヘラ・メロンアイス」とのコラボ。バナナとメロンホイップクリーム、ホイップクリームをはさむ。メロンの果肉は入っていなそう。
2019年8月は「フルーツボート ヨーグルト風味」。「ダイスカットした黄桃とパインを組み合わせたヨーグルト風味(のホイップ)」。
2019年9月は「ババヘラ味」。ほかにホイップクリームに果肉入りいちじくジャムをはさんだ「いちじくボート」。にかほ市大竹地区産・勘六商店のイチジクを100%使用。
2019年10月は、「3つのスポーツ強豪校×バナナボートコラボ」として県内の運動部が著名な高校と「共同で企画した製品」3つ(よく分からないコンセプト)。ホームページ掲載順に、サッカーの秋田市立秋田商業「秋商ボート 黒みつきなこ風味クリーム(求肥入り)」、バレーボールの県立雄物川「雄高ボート 紫いもクリーム(さつまいもダイス入り)」、ラグビーの県立秋田工業「秋工ボート 塩キャラメルナッツ(はちみつ入り)」。
いずれもバナナボート扱いなので、バナナが入る。順に「ほうじ茶風味のスポンジにバナナと求肥、きなこクリーム、黒蜜フィリングを包み」「紫いも風味のスポンジにバナナと紫いも風味のホイップ、紫いもあん、さつまいもダイスを包み」「はちみつ風味のスポンジにバナナと塩キャラメル風味のクリーム、ナッツを包み」。秋田商業は創立100周年の歴史から和風、雄物川はスクールカラーが紫、秋田工業は「汗と涙と青春の味」という理由。
2019年11月は「パリパリチョコ」。「チョコをかけたバナナをチョコ味のホイップクリームとココア味のスポンジで包」む。バナナにかかったチョコの味とパリッとした食感がおもしろく、わりと好き。
2019年12月は「あまおういちごジャム」。「いちごクリーム・バナナ・あまおうを使用したいちごジャムを包」む。ジャムのイチゴは福岡県産らしい。
2020年1月は「ミルクティークリーム」。
2020年2月は「ティラミス風」、「ココア生地でバナナとマスカルポーネ入りクリーム、コーヒークリームを包」む。
2020年3月は「フルーツボート トリプルピーチ」。「黄桃、白桃、若桃とホイップクリームをサンド」。
2020年4月は「はちみつレモン」。「バナナとはちみつとレモン味のホイップクリーム」。
2020年5月は「秋田のプレミアムバナナボート」。「秋田県産小麦「ねばりごし」を使用したスポンジにジャージー牛乳入りの濃厚なホイップクリームとバナナをサンド」。
2020年6月は「カフェオレミルキー」。「不二家ミルキーの練乳入りのカフェオレクリームとバナナを包」む。包装にはTakeya×FUJIYA、PEKO 70th Anniversaryのロゴ。
2020年7月は「ショコラ」。「ココアスポンジでホイップクリーム、バナナ、チョコを包」む。
2020年8月は「ババヘラボート チョコバナナ」。「パリパリ食感のチョコバナナとババヘラアイスをイメージしたイチゴクリーム、バナナクリームを包」む。
2020年9月は「いちじくボート」。「ホイップクリーム、いちじくジャムとドライいちじくを包」む。「にかほ市大竹地区産・勘六商店のいちじくジャム使用」。フレッシュランチでも「いちじく&マーガリン」が発売され、こちらは「勘六商店のいちじく100%使用」。
2020年10月は、毎年恒例の高校とのコラボ。今年はこじつけ的理由はなく、単に「生徒と共同で企画した製品」4種。
「秋商ボート コーヒー&ホイップ」スポンジとクリームにコーヒー(さらにホイップも)、「由利高ボート あまおういちごジャム」生地(と包装に表記)とクリームがイチゴ、「角高ボート ピスタチオショコラ」生地とクリームがピスタチオでけずりチョコ入り、「KJボート(※) ほうじ茶クリーム」生地とクリームがほうじ茶でけずりチョコ入り。※大館国際情報学院。
2020年11月は「フルーツボート リンゴ&みかん」。ホイップクリーム。袋には「ゴロッと果肉感!」。「リンゴ」がカタカナ表記なのが、たけやにしては珍しい。
2020年12月は「いちご&チョコ」。「イチゴ味のホイップクリームとチョコをかけたバナナを包」む。
2021年1月は「カフェオレ」。
2021年2月は「パリパリチョコ」。
2021年3月は「フルーツボート ダブルピーチ」。「ピーチ味のソフトなスポンジでピーチ味のホイップクリームとダイスカットした黄桃と白桃を包みました。」
2021年4月は「あずき」。十勝産あずきのつぶあんとホイップクリーム。
2021年5月は「プリン風味」「ソフトなスポンジでバナナとプリン風味のクリーム、カラメルゼリーを包みました。」。
2021年6月は「レアチーズ風味」。
2021年7月は「レモン味」「バナナとレモンクリーム、瀬戸内レモンフィリングを包みました。」。
2021年8月は「チョコバナナ」「チョコがけしたバナナとバナナ味のホイップクリームを包みました。」。
2021年9月は「いちじくジャム」「バナナとホイップクリーム、にかほ市大竹地区産のいちじくジャムを包みました。」。にかほ市大竹地区産・勘六商店のイチジク100%。フレッシュランチなど他商品もあり。
2021年10月は県内高校とのコラボ商品。「金農ショコラナッツボート」「西目モンブランボート」「大農キウイヨーグルトボート」「桂桜豆乳きなこボート 黒蜜ソース入り」。
2021年11月は「ティラミス風」。「ココアスポンジでバナナとマスカルポーネクリームとコーヒークリーム、ココアパウダーを包みました。」。袋には「バナナボートで懐かしスイーツ」と表示。
2021年12月は記録忘れ。
2022年1月は「カフェオレ」。カフェオレ風味クリームに、花立牧場工房ミルジーのジャージー牛乳使用。
2022年2月は「大曲中りんごボート」。「大仙市立大曲中学校の生徒と共同で企画した製品」で、「りんごプレザーブとりんご風味ホイップクリーム」を包む。生徒会執行部の生徒27人が関わったようだ。中学校とのコラボは初で魁でも報道され、大曲中の生徒会執行部顧問から話を持ちかけ、「販売期間は定めていない」とのことだったが、1月25日の秋田経済新聞サイトによれば、「生徒から「地元を元気にするための新商品を開発したい」との申し出」を受け、「販売は8月31日までを予定する」。
2022年3月は「フルーツボート ピーチ」。「ホイップクリームと黄桃、白桃、ピーチジュレを包」む。なお、ほかの3月の新商品に、包装では「大人の味わい ラムレーズンボード(トでなくド)」、ホームページでは「大人のラムレーズンボート(ドでなくト)」とされるものもあるが、それはスポンジでラムレーズンクリームをサンドイッチ状にしたものなので、バナナボートシリーズと関連性は低い。
2022年4月は「バナナボート 大盛り」。「バナナとホイップクリームを盛り(大盛りの間違い?)にしたちょっぴり贅沢なバナナボートです。」1個345kcal。※通常版は316kcal。アベックトーストでも大盛りが同時発売。
2022年5月は「プリン風味」、「バナナとバニラビーンズ入りカスタード クリーム、カラメルゼリーを包」む。
2022年6月は「レアチーズ風味」、「花立牧場工房ミルジーのジャージー牛乳を使用したレアチーズクリームとバナナを包」む。包装では「レアチーズ風味ホイップ」と表記。
2022年7月は「チョコバナナ」、「チョコをかけたバナナとバナナホイップクリームを包」む。包装は「秋田の夏祭り」の文字と、秋田竿燈まつりと大曲の花火の写真入り。
2022年8月は「大曲中りんごボート」と「モンブラン風」。前者は今年2月の再販か? 後者は「バナナとマロン味のホイップクリーム、マロンあんを包」む。
2022年9月は「いちじくボート」「いちじくジャムとホイップクリームを包」む。「にかほ市大竹地区・勘六商店のいちじく使用」。恒例のイチジク使用のフレッシュランチ等もあり。
2022年10月は県内4高校生徒との共同企画商品。創立60周年を記念し「バナナ、黄桃、白桃、みかんの4種類のフルーツとカスタード味クリーム、カラメル味クリームを包みました。」「プリンアラボート(秋田南高校)」。石田ローズガーデンをイメージしたバラ色(ピンク色)の生地で「バナナといちごミルク味のホイップクリーム、いちごジャムを包みました。」「いちごミルクボート(大館鳳鳴高校)」。「雪のような真っ白なスポンジ生地にバナナ、チョコ、ミルク味のホイップクリーム、アーモンドダイスを包みました。」「豪雪ボート(大曲高校)」。アップルパイをイメージし「シナモン香るりんごの蜜漬けとカスタード味のホイップクリームを包みました。」「アップルボート(横手高校)」。
2022年11月は「キャラメル&アーモンド」。
2022年12月は「いちごクリーム」「いちご風味スポンジで、バナナ、いちごクリーム、パリパリとしたチョコを包みました。」。
2023年1月は「濃厚ショコラ」「ソフトなココアスポンジでバナナと濃厚なチョコホイップ、ビターチョコクリームを包みました。」。袋ではチョコホイップを指すと思われる部分に「ベルギー産チョコパウダー入りチョコクリーム」。
また、派生商品として「バナナボートのホイップブール いちご」。「ソフトな生地にバナナボートのホイップクリームといちごのソースをサンドしました。」。要冷蔵でメロンパンのような見た目。
2023年2月は「大曲中ボート キャラメル&コーヒー」と「粒あん」。前者は「コーヒー風味のスポンジにバナナとキャラメル風味チョココーチング、コーヒークリーム、アーモンドを包みました」。
2023年3月は「モンブラン風」。「ソフトなスポンジ生地でバナナ、マロンあん、カスタードホイップを包みました。」。
「バナナボートのホイップブール コーヒー」も。
2023年4月は「抹茶ラテ風」。「ソフトなスポンジ生地でバナナ、抹茶ラテ風クリーム、削りホワイトチョコを包みました。」。
2023年5月はバナナ、カスタード風味クリーム、カラメルクリーム、カラメルゼリーを包んだ「プリン風味」、ココアスポンジでバナナ、マスカルポーネ入りクリーム、コーヒークリーム、ほろ苦いココアパウダーを包んだ「ティラミス風」。
「バナナボートのホイップブール ブルーベリー」も。ブルーベリー味のソフトな生地にバナナボートのホイップクリームと甘酸っぱいブルーベリージャムをサンド。
2023年6月は「シャインマスカットジャム」と「レアチーズ風味」。
派生商品として「バナナボートのホイップメロンサンド」と「バナナボートのホイップいちごサンド」。要冷蔵。表面がメロン色/イチゴ色でコーティングされたコッペパンのような見た目で、横方向にホイップとメロン/イチゴのソースをサンド。
2023年7月は「チョコバナナ」。「チョコをかけたバナナ、バナナホイップクリーム、チョコホイップクリームを包」む。昨年はチョコホイップがなかった。包装は祭り柄だが、竿燈などはなし。
2023年8月は「渋皮モンブラン」「バナナ、渋皮マロンあん、ホイップクリームを包みました。」。
派生商品で「バナナボートのホイップレモンサンド」「バナナボートのホイップクリームとレモン風味クリームをサンド」した要冷蔵のコッペパン風。
2023年9月は「いちじくジャム」、ホームページでは「とろ~っとしたいちじくジャムを入れました!」とあるが、ホイップクリームも入る。包装には「にかほ市大竹地区産勘六商店 いちじくジャム使用」。
類似商品として「ふんわりくりーむけーき」「スポンジ生地でホイップクリームを包みました。」。
2023年10月は、恒例の県内高校との共同企画製品。今年も4校。校章の蜂をイメージしたはちみつ風味の生地にマーマレード、ホイップ、チョコを入れた「オレンジショコラボート(秋田中央高校)」、ココア生地にアーモンド、チョコホイップクリーム、チョコ、チョコスプレーを入れた「チョコっと濃厚【能高】ボート(能代高校)」、横手をイメージして抹茶風味生地に白玉、きなこ風味クリーム、黒みつソースを入れた「城下町ボート(横手城南高校)」、校標のひとつ「質実剛健」をイメージしシンプルで質にこだわって、白い生地に花立牧場工房ミルジーのジャージー牛乳入りホイップクリームとキャラメルソースを入れた「バナナボート極(本荘高校)」。
派生商品で「バナナボートのホイップサンド モンブラン」。8月のレモンサンドの系統。しっとりマロン風味生地をコーティングしたブリオッシュ生地で、ホイップクリーム、マロン風味クリームをサンド。
2023年11月は「フルーツボート りんごカスタード」「りんごの密漬けと、ホイップクリーム、カスタードクリームを包みました。」。
2023年12月はホームページ掲載の新商品なし。類似商品「ふんわりくりーむけーき」の「チョコ」が発売( 包装では「ふんわりくり〜むけーき」表記 。要冷蔵)チョコホイップをスポンジ生地で包む。
2024年1月は「ラズベリー&ショコラ」「ココアスポンジにビターなチョコホイップ、ラズベリージャム、バナナをサンド」。
2024年2月は「大曲中バナナボート」「【大曲中の生徒との共同企画製品】 チョコ掛けしたバナナとバナナピューレ入りホイップクリームを包んだバナナボート」「規格外バナナのピューレを使用した濃いめのバナナクリーム」「ココア風味の模様入りスポンジ生地」。
2024年3月は「フロマージュ」「バナナとクリームチーズ入りのホイップクリームを包んだ」オーストラリア産クリームチーズ、北海道産牛乳のホイップ、地中海レモンの果汁使用。
2024年4月は「聖霊短大りんごボート」「【聖霊女子短期大学コラボ】 もったいないパイナップルの食物繊維パウダーをやさしい甘さのホイップクリームに合わせました。」秋田県鹿角産りんごのプレザーブ使用、生地はピンク色で、表面にはリンゴの葉と果実、校章をカラー印刷。
2024年5月は「コーヒー牛乳味」「コーヒー牛乳味のホイップクリームを包み」、クリームに花立牧場工房ミルジーのジャージー牛乳使用。
2024年6月は「塩バニラ」「男鹿半島の塩とバニラビーンズシードを入れたすっきりとしたホイップ」。
派生商品で要冷蔵の「バナナボートのホイップメロンパン」。昨年と同一か?
2024年7月は「チョコバナナ」。包装のイラストではチョコがけバナナを「バナナ風味クリーム」で包んだように見えるが、ホームページでは「チョコがけしたバナナと、チョコホイップ・バナナホイップを包みました」。包装は「秋田の夏祭り」として竿燈と大曲花火の写真入り。
派生商品「チョコバナナボートのホイップメロンパン」。チョコホイップにチョコを線状にかけ、ココア風味のブリオッシュ生地で包み、ココア風味生地をかける。
2024年8月は「秋田タウン情報とのコラボ企画として、県内の企業様と共同開発した商品」2種。「プレミアムバナナボート(ホームページではプレミアムボート) 生キャラメル(山のはちみつ屋監修)」と「プレミアムボート 生ショコラ(オルディネールショコラ監修)」。前者はバナナ、生キャラメルフィリング、ホイップクリームを、秋田県産はちみつ使用のスポンジ生地で包む。後者はバナナなし、ガナッシュ(秋田市広面のオルディネールショコラのガナッシュ)とショコラホイップクリームをココアスポンジ生地で包む。
2024年9月は「いちじくボート」。バナナなしで「にかほ市大竹地区産のいちじくジャムとドライいちじくを包みました。」。勘六商店のいちじくジャム使用。
2024年10月は、恒例の高校の「生徒と共同で企画した製品」が4つ。今回は、いずれも白っぽい色の皮で、そこにキャラクターがカラーで印刷されている(が少なくとも袋表面やホームページには説明なし)。
「さつまっぷるボート(秋田西高校)」ダイス入りさつまいもクリーム、蜜漬けりんご、ホイップクリーム。絵は青いリボンを首に巻いた鳥。「あらこうボート(新屋高校)」創立40周年の旨が記される。竹炭入りごまホイップクリームとバナナ。絵はトラ。「ディアボート(鹿角高校)」チーズホイップクリーム、ブルーベリージャム、バナナ。絵はシカ。「犬っこボート(湯沢高校)」いちごジャム、チョコチップ、チョコホイップクリーム、バナナ。絵は犬。
昨年と同名の「バナナボートのホイップメロンパン モンブラン」も。渋皮マロン風味のメロンパンにバナナボートのホイップクリームとモンブランクリームをサンド。
2024年11月は「ティラミス風」「ココアスポンジでバナナとコーヒークリーム・マスカルポーネクリームを包んだ」。ココアパウダーもかかる。
2024年12月はバナナボートの新商品は掲載なし。
「ふんわりくりーむけーき いちご」「とちおとめ果汁入りホイップクリームを包みました。」


【バナナボートの生地などについての情報】
2020年12月6日付秋田魁新報・にちよう学芸館コーナー「仕事のゲンバ」で、たけや製パンが取り上げられた。それによれば、
・パン・和洋菓子など自社ブランド約370品、ヤマザキ受託分を加えると約千品を手掛ける。
・うち「定番」に位置付けているのは約50品。
2020年10月に最新設備を導入し、バナナボートの生地を改良。生地を均一に混ぜられ、よりしっとり柔らかな生地に。
・導入したのは「2軸ミキサー」。ホイッパーが2本あり、空気と生地の比重にばらつきがなくなり、仕上がりに関わる混ぜる時間も短縮。クリスマスケーキのスポンジにも使用。
・56歳の代表取締役専務は、2017年に山崎製パンから就任。大分県出身。
・菓子パン「コーヒー」のクリームは、専務が初めて食べた時に苦くて驚いたが、秋田ではこれが定着(僕は嫌いです)。クリームは50年前から都内の会社で作っていて、味もほぼ変わっていない。

【イオン限定販売「にぎわい東北」のバナナボートについて】
イオン東北が企画し、東北6県の材料などを使って、主に東北6県のグループ店舗限定で発売する「にぎわい東北」という食品シリーズがある。缶詰やお菓子など幅広く、通常商品のバリエーションとして発売されるものもあるが、そのロゴマークが表示されるのみで、「イオン限定」とは表示されない。ホームページに全商品が掲載されるわけでなく、製造元のホームページにも載らないので、全貌も分かりづらい。2021年6月に、にぎわい東北のバナナボートも散発的に発売されることを知った(例にもれずロゴ以外は通常品と同仕様のようだ)。さかのぼった分も含めて以下に記す。
2020年7月中旬「塩バニラ」。「ホイップクリームに男鹿半島の塩使用」。2018年と2019年に通常発売されていたものと同じか?
2020年12月中旬「あずき」。「生地に秋田県産小麦「ねばりごし」使用」。
2021年2月下旬~3月初め「いちごミルク風味」。「クリームに花立牧場工房ミルジーのジャージー牛乳使用」。
2021年6月中旬「塩キャラメル風味」。「秋田県産米の米粉使用」。



たけやが製造し、マックスバリュ東北の営業エリア内の産物を使用し、同社店舗限定で発売される商品。第4弾が12月1日から1月31日まで発売中。(9月の第3弾
従来同様、パッケージには「マックスバリュ限定」とはひとこともなく、マックスバリュ東北運営の秋田県外の店舗でも販売。

今回は米粉を使ったドーナツが2種類。
「秋田県産米粉+(黒い)チョコがけ」と「新潟県産米粉+ホワイトチョコがけ」の組み合わせ。いずれも2個入り、税込み105円。
新潟県産米粉使用のドーナツ2コ入 ホワイトチョコ
なぜかこれだけ特売で62円(見切り品でなく)と格安で売られていたので購入。
それにしても商品名が長ったらしくて味気ない。「2コ入」まで商品名にしなくてもいいのに。
チョコは片面にだけ
原材料には、米粉よりも先に「ミックス粉(小麦粉・…」が出てくる。
「使用粉中、新潟県産米粉を14.5%使用しています」とある。
米粉のおかげか、もっちりした食感もするような気がするが、なんかパサパサしたような気も…【7日22時追記】パサパサは正しくないかも。ドーナツらしい、揚げてカラッとした食感が少ないというか、そんな感じ。たけやの通常のドーナツのほうが好き。

マックスバリュ東北は、来年3月で新潟県から撤退(イオンリテールへ移管)するので、新潟関連商品はこれが最後かもしれない。そして山形のものはまだ1度も使われていない。

※いちおう第4弾といえそうなものも発売された。この記事後半。

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弘プリ

2015-12-06 20:50:22 | 津軽のいろいろ
弘前も秋田もその他の街も、多くの地方都市では、古くからある地場のホテルと、新たに進出したチェーンのホテルの間での競争が激しい。
自分の街の老舗ホテルが廃業したり、別ブランドになったり(ホテルはくと→アパホテル秋田千秋公園)すると、利用した経験はなくても寂しいものだ。

このほど、弘前市内の地元ホテル「弘前プリンスホテル」が営業を終了した。
西武系の全国チェーンの「プリンスホテル」とは無関係。全国各地に、こういう“独立系のプリンスホテル”がたまにある。(秋田県の十和田プリンスホテルや岩手県の雫石プリンスホテルは、チェーン)

所在地は駅前1丁目3-4。地名が「駅前」というわりには、場所はやや分かりにくい。
弘前駅の北側・線路の西側にある。
弘前駅中央口を出て右側の道を進み、最初の信号機のある交差点(イトーヨーカドー手前・パチンコ屋跡)を右に曲がって、少し進んだ右側。中央口から400メートルほど。
秋田駅で例えれば、方角・距離とも、脳研裏のセントポール教会に相当する。(パチンコ屋跡の角を曲がるという点でも共通する)

今は駅正面のすぐそばに東横インとルートインができたこともあり、弘前駅に初めて降り立った旅行客にしてみれば、プリンスホテルは「遠い」と感じる立地になってしまったかもしれない。曲がってからの道は、暗くて歩道もないし。

イトーヨーカドー前付近からパチンコ屋跡越しに見たプリンスホテルの建物
駅からホテルに行く途中、上の写真に写っているように、赤い屋根の倉庫とレンガ造りの煙突(と建物)が見える。(ガスタンクは線路の向こう側)
今まで、どういう建物か意識していなかったので調べてみた。
赤い屋根は「相坂りんご倉庫」。津軽では、郊外や農村部に行けば珍しくもないけれど、こんな弘前駅前にもあるとは。現役なんだろうか?
レンガは「吉井酒造」の事務所らしい。中央弘前駅そばの吉野町の赤れんが倉庫が有名だが、こちらは煙突がアクセントになっていて特徴的。1939年築との情報がある。


話をホテルに戻して。
弘前プリンスホテルの建物の外観は、正直言って「古い」。

見た感じ、昭和40年代の建物かと思っていたが、「るるぶトラベル」ホームページによれば「建築年月:1977年(昭和52年)」。
アキタシティホテル→ホテルパールシティ秋田大町と同い年。と思えば、外観のデザインは通ずるものがあるが、アキタシティホテルは外壁塗装など何度か手が入っていて、古さは感じにくい。

僕は弘前プリンスホテルに数度、宿泊したことがある。
中も古いのだが、清掃はしっかりとされていて汚くはない。だけど、人によっては古さ=汚いととらえられてしまうかもしれない。
2011年5月の7階のシングルルーム
寝るだけだから不満はない。
しいて言えば、2013年8月時点でもテレビが小さいブラウン管(デジアナ変換)だったり、湯沸し器がニクロム線を用いた「電熱器」だったのは、時代遅れ。冷蔵庫はなかった。
特に電熱器の湯沸し器はびっくり。今は電気ポットや電気ケトルを置くホテルが多いが、たまに小容量の金属製の専用容器を載せる電磁調理器式の湯沸し器を置くホテルもある。その電磁調理器の代わりに赤く発熱するニクロム線があるタイプ。たしか沸騰すると自動停止はした。
初めて見たし、よそのホテルでも遭遇したことがなく、驚き、ヤケド(電源を切った直後に発熱部に触れたりして)や火事になりそうで、ちょっと怖かった。

僕が泊まったきっかけは、さくらまつりのオンシーズンでも空室があり、しかも料金が安かったこと。さくらまつり中は、他のホテルが軒並み“客の足もとを見た”強気の価格設定の中、良心的。

通常期もかなり安い。
営業終了間際のシングル・8%税込みの基本料金は、素泊まり4980円、朝食バイキング付き5780円。(公式サイト、楽天トラベル等のエージェント経由でも同額)
しかし、室数限定や土日限定などで朝食付き4200円とか、上手くいけば4000円以下で泊まれることもあり、いつもそっちで泊まらせてもらっていた。
この設備で他のホテルと競り合うには、このくらいの価格じゃないと…とも思っていた。



ホテルは、西面は道路に面し、東面は線路の貨物ヤードみたいなところに面していた。客室窓は東または西にあった。
僕が泊まった時はいつも西側の部屋だったけれど、東側の部屋からは線路が見えて、いわゆる「トレインビュー」だったそうだ。
(再掲)西の窓からは区画整理が進む一帯と岩木山が見えた

暮れなずむ弘前の街と岩木山

東奥日報で閉鎖が報道されたのが11月20日頃。公式ホームページでは11月5日付で「閉館のお知らせ」の告知が出ていたようだ。「株式会社弘前プリンスホテル」の社長名で「突然の閉館でご迷惑をおかけします」といった内容。
宿泊部は11月29日で終了したが、完全閉館は12月20日。

ホテルの道路を渡った真向かい、駅前2丁目8-16に「日本料理プリンスさくら亭」というのがあり、そこが12月20日まで営業を続けるそうだ(予約客のみ?)。
上の西窓からの再掲写真で、手前に写っている2階建ての建物がそれ。

実はプリンスさくら亭も、1度だけ利用したことがある。
あまり記憶にないけれど、それなりの店でそれなりのお値段だったはず。
ホテル閉店前のホームページによれば、1階にお食事処、2階に86畳の大広間のほか、和室などがあった。
メニューは「さくら亭お膳-しだれ桜-」2590円、「鰻重お膳(特上)」3240円、「天重」1295円など。
【7日追記】実際は知らないけれど、建物はプリンスさくら亭のほうがずっと新しそうに感じた。僕はさくら亭を先に使っていたので、後年、ホテル側に宿泊した時、上記のような古さに少々戸惑った。

ホテル側には、結婚式場や会議場があり、夏はビアガーデンもやっていたそうで、シティホテル的な位置付けのホテルだったのだろう。宿泊特化ホテルと違い、地元の人たちにも親しまれていたはず。赤坂プリンスホテルが「赤プリ」と呼ばれていたように、こちらが「弘プリ」と呼ばれていたわけではなさそうだけど、地元企業の1つがなくなるという意味でも、寂しい。
建物や跡地がどうなるだろうか。秋田市のホテルハワイ跡のように、空き家のままいつまでもそのままとならなければいいけど。


考えてみれば、1989年にシティ弘前ホテル(→ベストウェスタンホテルニューシティ弘前→ホテルナクアシティ弘前)ができる前は、弘前駅にいちばん近いシティホテルが弘前プリンスホテルだったのだろう。
ちなみに、弘前市内の他のシティホテル的なホテルといえば、いずれも土手町の「弘前国際ホテル」が1990年、紀伊國屋書店の上の「ホテル法華クラブ弘前店(→弘前パークホテル)」が1972年建築だそう。
弘前パークホテルがそんなに古いようには見えない。こまめにリニューアルを行って、古さを感じさせないことが大事なのかも。
【7日追記】秋田市山王の「アキタパークホテル」も1972年だそうだ。やっぱり弘前パークホテルがいちばん“歳”を感じない。
【2016年8月19日追記】弘前パークホテルは、2016年8月で開業15周年とのことだから、2001年。いつまで法華クラブとして営業していたのかは不明。
【2019年5月22日訂正】法華クラブが1972年オープンとしたのは誤りだったようです。その他の経緯と併せて、下記の通り訂正します。
ホテル法華クラブ弘前店は1983年5月1日オープン。入居する「川嶋ビル」1階には、同年9月22日に紀伊國屋書店弘前店が開店(2019年閉店)。
2000年7月に法華クラブ弘前店が営業終了、2001年にパークホテルとして開店。

【2023年4月7日追記・弘前市内のほかのシティホテルについて】
・「弘前第一ホテル」
平成初期に駅前が区画整理・再開発される以前にあり、弘前随一のシティホテルだったらしい(関連記事)。シティ弘前ホテルと直接の関係はないようだが、実質的には第一ホテルの代替の位置付けではないだろうか。
・「弘前キャッスルホテル」→「ホテルニューキャッスル」
キャッスルホテルは弘前市農協の系列企業の経営で、1978年に経営破綻により弘南バスが引き継いでニューキャッスルに。2007年に建設会社「アルク」の運営となるが、2023年に倒産。倒産を伝える陸奥新報は「市内の都市型ホテルの草分け的存在」としている。



【2016年1月29日追記】2016年1月28日の東奥日報サイトによれば「(企業としての)弘前プリンスホテルが事業を停止し、自己破産申請の準備に入った」。

【2016年4月16日追記】
2016年4月16日の東奥日報サイトに「ブリーズベイ(横浜)閉館の弘前プリンスホテル取得」との記事が出た。
ブリーズベイホテル(BBH)グループの所有となり、さくらまつりやゴールデンウイークに合わせて、4月中にオープンするとのこと。
「BBHは2015年12月現在、全国で88ホテルを展開。県内では弘前市で「ホテルハイパーヒルズ弘前」と「弘前グランドホテル」の2施設を経営」
「「立地や客室規模を踏まえ、利益を上げられると判断した」という。宿泊業務のみで、宴会やビアガーデン事業は行わない方針。」
「約3千万円を投じて客室などホテル内部を改装、従業員も新規採用」
「プリンスホテルの名称はそのまま残し、客室数も約90室で閉館以前とほぼ変わらない」
また、プリンスホテルはやはり1977年開業とのこと。

※その後、宿泊した模様は、この記事後半。
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