一般には、安全保障関連法案成立と、「IS」による人質事件やテロ事件が大きな出来事と言えそう。
あとは、相次ぐ不正や偽装。長年信頼していた、もしくは当然しっかりやっているのだろうと気にもかけないでいたことが、実はそうではなかった。
旭化成建材によるマンションの杭のデータ偽装が大きく取り上げられた。ほかにも、
・東洋ゴム工業による建物用免震ゴムの性能偽装
秋田駅東口のNHK秋田放送会館でも使われていたそうだが、秋田局のホームページでひっそり説明しているだけ。こういう時こそ、張り切って取材・報道すればいいのに。
・秋田市の太平物産が製造して全農が全国各地で販売した肥料の、長年に渡る成分偽装
・熊本の化血研(という製薬会社)による、長年に渡る認可とは異なる製法での血清・ワクチンの製造発覚
他にも、発覚していないことがまだまだありそう。
身近なところで、気づかない危険にさらされた事件もあった。続報が少ないものも多いけれど、これらだって我々の生活に直結する。もっと詳しく知りたいものだ。
・群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術による連続死亡事件
下手なのに自信過剰な医者だったということなのか。
・健康診断X線検査転落死亡事故
亡くなったのがブラジルから来た人だそうで、言葉の問題もあるのかもしれないけれど、検査を行う側の注意で防げたかもしれない。
・バック警告音を出さないトラックによる、視覚障害者・盲導犬死亡事故
今まで、大型車はバックする時は警告音を出すことが義務付けられているのだとばかり思っていたが、OFFにできるのだそうだ。
事故を受けて(発生地である)徳島県が積極的に、条例制定や国への働きかけを行っている。
それにしても、運転者は歩行者が最優先であることを肝に銘じて運転してほしい。
・調布飛行場の重量オーバーの小型飛行機墜落事故
墜落された民家の住人も亡くなった。
慣熟飛行と称して遊覧飛行をしていたとか報道されたが、続報は知らない。
・東海道新幹線車内焼身自殺事件
乗客が巻き添えで亡くなった。
個人によるテロも同然。警備をしっかりしても防ぎ切れないかもしれないけれど、怖い。
・商船三井フェリー「さんふらわあ だいせつ」航行中の火災
乗員1名が亡くなったものの、乗客は無事。乗り合わせていた青森県十和田市の消防職員が誘導に協力したそうで、そのおかげかもしれない。
船に積んだ保冷車・冷凍車は、航行中はエンジンを止めるため、船側から電源供給を受けるそうで(初めて知った)、その電源系統が出火原因とされたが、これも続報は知らない。
なお、船は修理を受け、年明けから就航するとのこと。
【2016年9月29日追記】2016年9月になって運輸安全委員会による調査経過報告書が出された。それによると、トラック側の冷凍機の電気配線に、不適切に修理された形跡があり、そのショートや異常発熱などで出火した可能性が高いとのこと(船の中でも、船からの電源によりトラックの冷凍機は作動している)。フェリー側が原因ではなかった。
・茨城、栃木、宮城の豪雨による堤防決壊
今年の気候は、全体的には暑くも寒くもない、平板なものだった気がするけれど、数少ない極端な気象災害だった。
茨城では、丘を削ってソーラーパネルを設置したのが原因という話もある。
原因のほか被災者の暮らしぶりのその後の報道は少ない。
ほかには、
・2020年東京オリンピック用の新・国立競技場の白紙撤回とエンブレム盗作騒動
どちらも、一般人の知らないところで裏でごちゃごちゃしているのが露呈してしまった。
エンブレムのほうは、知らないうちに似てしまうことがあるような気もした。だけどその後分かった、同じデザイナーが関わったサントリーの懸賞賞品はどう見てもパクリ。さらに、その後、サノ氏は逆ギレしたかのように姿をくらましたのはいただけない。
これだったら、昨年の号泣県議のほうが、まだ同情できてしまう。(少なくとも社会的制裁は充分受けている。他の議員だって似たようなことしているのがいるだろうに、ちょっとかわいそうにすら思える)
ところで、IBC岩手放送のテレビCMで見たのだけど、盛岡駅ビル「フェザン」の初売りの広告。
フェザンホームページより
どっかで見たような… 「T」にならなきゃセーフなの?
秋田では、
・仙北市でいろいろ
乳頭温泉源泉での作業員の硫化水素中毒事故、角館の「山ぶっつけ」行事での死亡事故、職員の収賄
・秋田市周辺での送迎車両の事故
遊戯施設の送迎車両の暴走事故を以前取り上げた(リンク先後半)。
ほかに、秋田市内の別々の自動車教習所の送迎車で、横断歩行者の死亡事故と暴走・衝突事故があった。
死亡事故のほうは、横断歩道でない所で発生したそうで、ある意味避けられなかったかもしれない。
暴走のほうは一方通行を逆走した上の衝突だそうで、原因は不明。一部報道によれば警察OBが運転していたそうだが…
流行語大賞にノミネートされたかどうかに関わらず、気になった言葉。
・線状降水帯
堤防決壊の原因とされた。「爆弾低気圧」ほどインパクトがなかったか、あまり広がらなかった。
・軽減税率
2017年に消費税率が8%から10%になることは、前から決まっていた。
低所得者への還付とかは話が出ていたが、これはもう、買い物をする時は一律10%を支払うのだと覚悟を決めていた。
ところが、今年後半辺りから、食品など一部商品の税率を10%より低くする「軽減税率」をやる話が出てきて、どこまでを対象にするかでもめていた。
米だけ、生鮮食品だけとか案があって、結局、酒以外の食料品すべてに決まったらしい。あと定期購読の新聞だとか。
そりゃあ、税金が少ないのはいいけれど、唐突な話。
じゃあ、10%じゃなく「一律9.5%」とかでもいいのでは?
水道などライフライン料金、食以外の衣・住に関わる支出、日常生活に使う交通費や燃料費も軽減税率にしてもいいのでは?
などの疑問が出てくる。国民に説明も相談もなく、相変わらず政治家が勝手に決めている。
これに関連して「インボイス(方式)」という言葉も出てきた。
・インバウンド
インボイスとまぎらわしい。
インボイスは「納品書、送り状」、インバウンドは「外国人旅行客」といった意味合いで使う(言葉の意味としては他にもある)。
だったら日本語で言ったら?
・ドローン
昨年辺りから「マルチコプター」と呼ばれて、テレビ番組の簡易な空撮用として使われつつあった。
今春、首相官邸の屋上に墜落し、それをしばらく気付かないでいたことをきっかけに、各地で類似の事案が発生し、規制されるようになり、「ドローン」の言葉が広まった。
「マルチコプター」とは、プロペラが3つ以上あるヘリコプターのこと。「ドローン」は無人航空機を指す。
したがって、現在、一般にドローンと認識されるものは、ほとんどがマルチコプターということらしい。たぶん。
【2016年1月23日追記】ドローンには「自律飛行できる」すなわち自動でバランスを取って飛行姿勢を保持できるという意味合いもあるらしい。たぶん。
・3Dプリンタ
昨年は立体物が作れる3Dプリンタが、「これからは必需品だ」みたいに取り上げられたものの、今年はだいぶ鳴りを潜めた。なんで?
・組体操
学校の運動会などの組体操で、大規模な人間ピラミッドなどが行われて、大けがをする児童生徒が多数出ていることが明らかになった。
どちらかと言えば関西など西日本で多く発生していたようで、現地の保護者などには、むしろ中止を求めない声もあるそうだ。
大阪経済大学・西山豊教授がまとめた都道府県別データでも地域差が現れ、秋田県などではけが人はほとんどいなかった。
たしかに、僕は小学校(低学年?)の体育の授業で、マットの上で3段くらいのピラミッドを作った記憶しかない。秋田では縁遠い話題だった。
【2017年8月17日追記】
2017年8月8日付秋田魁新報に、秋田県教育庁が実施した2015年度の組体操の実施状況調査とそれを受けた記事が出ていた。
秋田市では「本年度、小中学校が1校ずつ実行した」「最終的な導入の判断は各校に任せている」。
秋田市立「岩見三内中学校は、少子化のため生徒が年々減っており、14年度から人数に応じてできる組み体操を運動会に取り入れた。16年度は、5段のピラミッドを成功させることができ、盛り上がった」
2017年現在でも、以前から組体操が盛んだった土地では、引き続き行っている学校も少なくないようだ。それを踏まえると、やはり秋田での実施率は低い。(以上追記)
・エコキャップ
PETボトルのキャップを回収し、途上国のワクチン代として寄付する「エコキャップ運動」があった。
今春、その寄付が1年半前から行われていなかったことが分かった。
これがきっかけなのか、キャップ回収をやめた所(店など)もあるけれど、今も活動そのものは続いているようだ。何だったんだ?
・ウォーターサーバー
昨年辺りからかもしれないが、家庭用のウォターサーバーが、複数社から宣伝されている。契約して水を定期的に届けてもらうシステム。
以前なら、蛇口に浄水器を取り付けるか、スーパーで容器を買えば後は店頭のウォターサーバーが無料で使えるサービスはあった。どれもそんなに需要があるもんだろうか。
・ルテイン、えんきん
ブルーベリーなどに含まれる色素・アントシアニンが目にいいということは、20年くらい前から知られていた。それを使ったサプリメントも前からあった。
最近は、「ルテイン」なるものが含まれた目のサプリメントも出てきた。
ビタミンAも目にいいと言われるが、ルテインはそっち(カロテノイド)系。
カロテノイド系色素は、昔は単に「ビタミンA」「カロチン(体内でビタミンAに変わる)」、1990年中頃辺りから「β-カロチン」「リコピン」と細かく注目された。2000年頃には「カロ“チ”ン」だったのが「カロテン」の呼称のほうが一般化、ミカンの「β-クリプトキサンチン」なども出てきた。そしてルテインも。ついていくのが大変。
【2016年1月3日追記】リコピンやルテインは、体内でビタミンAには変わらないものの、さまざまな体への効果が分かってきている。
今年、「機能性表示食品」制度が始まったのをきっかけに、ファンケルが2007年から発売していた「えんきん」を制度に対応させ、大々的に広告したのが目に付いた。【2016年1月3日追記】広告は、著名な芸能人を多数起用し、BSを中心としたテレビや新聞の広告。
・マスコミ→メディア
昔は、「報道各社」「報道機関」の意味で、「マスコミ」という言葉をマスコミ自身も使っていた。
ところが最近(今年より前からかも)は、「メディア」と呼ぶことがとても多くなった。NHKのニュースでさえ「現地メディアによりますと」などと使う。
「マスコミ」の言葉のイメージが悪くなって、なんとなく耳障りがいい「メディア」を使うのだろうか。性格には「マスメディア」か。
・おつかれさま
他人をねぎらう時の言葉で、「ごくろうさま」は目下の人に対して使い、目上の人に対しては「おつかれさま」を使うべきだと、よく言われる。
9月に1年間の放送を終えたフジテレビ「ヨルタモリ」の最後のほう(7月26日放送)で、タモリ氏(が扮装した聖フェロノチオ女子大学・野々村修教授)が子役が撮影現場で使うのを引き合いに、「目上であっても『おつかれさま』を使うべきではない」という趣旨の発言をした。
言葉に関わらず、「ねぎらう」という行為自体、下の者が上の者に対してするものではない、という理屈のようで、僕も以前にほかの人から聞いたことがあった。
上だろうが下だろうが、相手がつらそうだな、大変そうだなと思ったら、言葉をかけたほうがいいと思うのだけど、そういうもんなんだろうか。
これを受けて、放送業界では、子役に「おつかれさま」を使わせないようにしたとか。ホントだとすれば、タモリさんの影響力ってすごい。
なお、今年も徹子の部屋にタモリさんは出演しなかった。【その後、出演が実現したのが2021年12月28日。実に8年ぶり】
・ハッピーホリデー
NHKBS1で知ったのだけど、最近はニューヨークでは、クリスマスに「Merry Christmas」と言わなくなったという。
キリスト教以外の人への配慮から「Happy Horidays」と言うのが、ここ10年ほどで広まったとか。
日本のほうがメリークリスマスを多く使うようになったかもしれない。
・忘年シーズン
2013年末にハウス食品「ウコンの力」のテレビCMで、柳葉敏郎氏が「忘年会」を意味すると思われる「忘年パーティー」という言葉を使っていて違和感があった。
今年は石丸幹二氏に変わった。
ナレーションでは「忘年シーズン」という言葉が。
ハウス食品ニュースリリースより
普通は「忘年会シーズン」とか「パーティー(宴会)シーズン」とかじゃないでしょうか。
ハウスでは「忘年“会”」は意地でも使いたくないみたい。禁句なんでしょうか。
【2016年1月1日追記】2015年にもてはやされた芸人「厚切りジェイソン」。
アメリカ出身で日本でIT企業役員をするかたわら、流暢な日本語で日本の言葉や風習の矛盾を「Why Japanese people!」と指摘する芸。
2016年の正月番組では、「忘年会」を示し、「その年を飲んで忘れなきゃいけないほどイヤだったのか! 毎年、年を忘れたら何も残らないよ!」といった趣旨の指摘(うろ覚えです)をしていた。
僕も前から、たまにそう思っていた。
「忘年会」ならまだしも、ハウスの「忘年シーズン」なら、その期間ずっと年を忘れていることになってしまう。Why? House Foods Corporation!!
【2016年1月9日項目追加】
・Pepper(ペッパー)
白くて大きくてしゃべる、ソフトバンク製ロボットが、いろいろな場所で接客業務などをするようになった。青森銀行でも、2015年末から本店営業部で、2016年始から弘前支店と八戸支店で使われている。
発表・登場は2014年だが、2015年6月からは20万円ほどで一般向けにも発売されている。今田耕司氏も買ったとのこと。
昔(1999~2000年頃)に話題になったソニーの「AIBO(アイボ)」、ホンダの「ASIMO(アシモ)」とあまり違わない気がする(デザインが角ばっていたのが丸っこくなったくらい)が、ペッパーは「感情認識ヒューマノイドロボット」「世界初の感情認識パーソナルロボット」。
鉄腕アトムやドラえもんに一歩近づいたということだろうか。
しかし、数年前、アイボの部品製造が打ち切られて、今も使い続ける人が惜しんでいるというし、テレビで見る限り、ペッパーはまだ「無機質な機械」のイメージのほうが強そう。もう15年・20年経てば、また違うロボットが出てくるのだろう。どうなっているだろう。(以上追記)
・亡くなった方々
桂米朝さん、愛川欽也さん、川島なお美さん、阿藤快さんなど、昨年以上に、活躍されていた時を知っている方が多く亡くなった。
「西部警察」で内勤として数少ない穏健派(?)の係長を演じ、晩年は故郷山形の民話の伝承にも努めた庄司永建(芸名はえいけん)さん。
大山のぶ代版「ドラえもん」のジャイアンの声優・たてかべ和也さん。
【2016年1月1日追記】「サザエさん」の中島くんや大山のぶ代版「ドラえもん」の出木杉くんの声優・白川澄子さんも。「ドラえもん」では降板(声優陣一斉交代)からちょうど10年になるが、亡くなった直後の放送冒頭で、追悼のテロップが出た。
作家・舟崎克彦(よしひこ)さんは、知らない人も多く、訃報記事の代表作にも出ていなかったが、僕は思い出がある。
NHK「おかあさんといっしょ」の着ぐるみ人形劇として、1979~1981年度に放送された「ブンブンたいむ」の作者である。
「ゴロンタ劇場」と「にこにこぷん」の間で放送期間はあまり長くないが、僕にとっては、おかあさんといっしょの視聴対象年齢まっただ中かつ、記憶にある初めての作品なので、思い入れがある。
劇中の歌も舟崎さんが作詞し、作曲は昨年亡くなった越部信義さん。
ほかにも、昔見たテレビ番組の関係者が亡くなった。
作家・阿川弘之さん、漫画家・水木しげるさん、そして俳優・熊倉一雄さん。
阿川さん、水木さんとも、熊倉さんと関わりがある。
熊倉さんが「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌を歌っていたのは、有名。2010年の紅白歌合戦でも特別枠として歌った。
鬼太郎は何度もアニメ化されているが、熊倉さんが歌ったのは、最初の1968年版(モノクロ)とその次の1971年版(カラー)。
僕が最初に見た鬼太郎は、1985年の戸田恵子版で、吉幾三が歌っていた。ところが、秋田テレビでは、なぜか(キー局のフジテレビ側での特番で放送がない週の穴埋めだったんだろうけど、子どもには不可解だった)たまに唐突に旧版が割り込んで放送されることがあって、ある意味“気味悪かった”。
阿川さんは、大人向けの小説ばかりでなく児童文学も書いて、しかも鉄道好きだったそうだ。「笑っていいとも」での娘・佐和子さんの話によれば、東海道新幹線の最速列車が「希望」をくつがえして「のぞみ」に決まったのも、弘之さんの「列車名には大和言葉が使われてきた」というひとこと(を選考委員をしていた佐和子さんが発言した)がきっかけだったそうだ。
その代表作が「きかんしゃやえもん」。
それを影絵アニメーションにしたものが、NHK教育テレビ(現・Eテレ)の「にんぎょうげき」(過去の関連記事)枠で、おそらく昭和40年代から長年に渡ってほぼ毎年、放送されていた。コーラスのほかは1人の語りで進行し、その語り手が熊倉さんだった。
熊倉さんはほかにも、教育テレビで1980~1986年度に放送された、幼児向けに数的概念(?=「ピコピコポン」の前身番組に相当)を教える番組「ばくさんのかばん」の「ばくさん」役や、昨年完結した「名探偵ポワロ」の主人公ポワロの日本語吹き替え、2000年代はたまに「コメディーお江戸でござる」に出演していたのが印象にある。
個人的には、やっぱりポワロの声。熊倉さんが亡くなったのが10月12日。奇しくも10月24日からBSプレミアムで、第1話から順にリマスター版が放送されている。
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2016年もよろしくお願いします。良い年でありますように。