🌸文豪・夏目漱石の代表作「こころ」
☆学生である「私」は、鎌倉の海岸で「先生」と出会う
*私は「先生」の人物の不思議な魅力に惹かれ、交流を持つ
☆「先生」は、親友を裏切って親友の恋人を妻にした
*先生は、親友を自殺に至らしめてしまった過去を持つ人物
☆先生は、長年の罪悪感に苦しむ
*「私」宛に遺書を残して自殺してしまう
☆カルマに縛り殺されていく人間の「こころ」を描いた作品
⛳あらすじ
☆少年が鎌倉の海岸で出会った男性
*いつもどこか寂しげだった
*少年は、その男性のことを「先生」と呼ぶ
☆父親の見舞いで故郷に帰省していた少年
*先生から届いた手紙は、先生の自殺を思わせる内容
☆手紙には、先生の悲しい過去の告白が綴られていた
*信頼していた人間に裏切られたことで体験した地獄
☆先生が、親友を裏切ってしまったことへの葛藤
*先生は学生時代下宿のお嬢さん(先生の奥さん)に恋心を抱く
*先生の親友で同居人のKが先生に告白する
(「お嬢さんに恋をしている」)
*先生は、そんな純粋無垢なKに対して
(お嬢さんに結婚を請い、許諾される)
☆先生はKにこのことを言えないでいた
*先生とお嬢さんの結婚を知らされたKは自殺する
*先生は、Kを裏切り自殺へ導いたという自責の念を抱く
*最終的に先生本人を死へと誘う
⛳先生の過去
☆先生はかつて、信頼していた叔父に裏切られた
*父の遺産を横領されたという経験をもつ
☆個人主義的な資本主義の考え方
*先生にとって許しがたいものであった
*先生は、他人の欲しがるものにこそ価値があるとした
☆先生は、近代資本主義的な欲望に負け
*自分を信頼していたKを裏切る
☆先生は、自分のなかの「明治の精神」
*新しい考え方に感化されていることを感じたのか
☆人間の罪というものを深く感じた「こころ」での文章
*私をKの墓へ毎月行かせた
*その感じが妻に優しくして遣れと私に命じます
*先生の意識が、Kへの罪悪感ではなく
*「人間の罪」という抽象的なものに向かう
☆具体的な事物や人間よりも
*抽象的な倫理観といったものの方に重きを置いていた先生
*自分の価値観の変化に、大きな意味を持っていたのでは
⛳先生が自殺を選んだ理由を「こころ」から読み取る
☆先生は、自分の自殺の理由「明治の精神」への殉死と述べる
*漱石は、文明開化が叫ばれた明治の時代を生きた作家である
*漱石は、封建道徳や儒教道徳を基調とした考え方を持つ
*先生には「明治の精神」もこういうものであったのでは
☆時代の流れとともにマインドは変化する
*西洋の考え方が輸入され、「明治の精神」は変化の時を迎える
*個人の自由や権利を尊重する個人主義思想
*個人が経済的な利潤を追求しようとする近代資本主義思想
*封建道徳と相反する考え方が徐々に浸透していった
☆漱石と先生が生きていたのは
*人々の考えが混ざりあいながら逆の方向に転換していく時代
⛳「先生」の自殺した裏側
☆「先生」乃木大将の死ぬ前の書き残しを読む
*天皇への忠義を尽くすため自らの命を絶った乃木大将
☆その死を知って、先生は自殺を決意する
*主君のあとを追って自害する
*封建的な「明治の精神」は確かに存在していた
☆天皇の崩御と乃木大将の殉死は
*「明治の精神」の最期の象徴
*新しい時代を迎える、これからの日本
*もはやその精神はなくなっていってしまうだろう
*そんなことを予感させる出来事でもあったはず
☆資本主義的な考え方に支配されることを拒んだ先生
*「明治の精神」のあとを追って自ら命を絶ってしまった
⛳現代人、先生の考え方を理解・共感するは難しいのかも
☆教科書では、誰もが共感しやすい理由が説明されてる
☆丁寧に先生の考え方を辿っていくと
☆先生の一貫した考え方と行動の必然性が浮かびあがる
☆繊細で厳格な人物造形のあり方から
☆日本を代表する文豪・夏目漱石の実力を感じる
(敬称略)
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⛳出典、『こころ』
文豪・夏目漱石の代表作「こころ」
(ネットより画像引用)