★ある子供の風景。
私が公立の小学校に通っていた6年の時、女の先生が、「来週、家庭科で簡単な料理をやります」と宣言したことに、男の子たちは、「そんなの知らねェよ、お母さんが作ってくれるし」と、大ブーイング。
ところが女の子たちは、謎の沈黙。
で、当日、家庭科の教室で料理が始まった。
男の子たちは手持無沙汰で何をやっていいのか分からない。
ここは私たちの出番かと、女の子たちは持参したエプロンをかけて料理に入った。
ところが卵焼きを作るのに、出来る女の子と出来ない子、そして手慣れた女の子とそうでない子の差が見た目にもはっきりと分かった。
公立小学校だったから、金持ちの子もいれば裕福でない子もいる、ましてや昔のこと、貧富の差は激しかった。
普段はそんなことは全く気にしないのだが、手慣れて料理ができる子は金持ちの子が多いと分かってくる。そして次第に、女の子の間でヒヤリとした空気が漂ってくるのが伝わってきた。
その家庭科の時間が終わると、親友のYが私にこう言った。
「女って怖えなあ」
その料理の時間はそれ以降、なかった。
PS,
今の人は信じないだろうが、卵焼きはぜいたくなおかずで、貧乏人は食べれなかった。
だから裕福でない家庭の女の子は作ることが出来なかったのです。
★「kj」さんという方のツィートを、そのまま転用しました。
うちの会社の採用面接は全て僕(創業4代目)がやっているんだけど、過去に1人だけ引きこもりを採用したことがあった。
履歴書を初めて見たときに、35歳なんだけど職歴のブランクが10年以上。
普段なら迷わず書類で落とすけど、なぜうちに応募してみたのか、興味本位で会ってみた。
初めて会った時の印象は日光を浴びてないモヤシのようなひょろっとした青年だった。
人間って太陽浴びないとこんなに白くなるの、と思った
話を聞くと学校を卒業して就職した会社が合わず、すぐに退職し、そこから引きこもりを始め、家でひたすらゲームをしていたら10年経っていたそうだ。
応募理由を聞くと
引きこもりを脱したい強い想いがあった
両親が自分のことを心配している
これ以上心配かけたくない
働くチャンスがあれば死ぬ気でやりたい
自分を変えたい
こんな想いをとても不安そうに語りながらも瞳の奥には強い意思を感じた。
一流企業であれば面接でその人の実績やスキルを見るんだろうけど、うちみたいな会社の面接でそれをやると採用する人がいなくなる。
だから僕はいつも、働かざるを得ない理由が強い人を探していて、彼はぴったりだった。
多少の不安はあったものの、パートタイムの倉庫作業員として採用し、2日後から働いてもらうことになった。
出社初日、
本当に出社してくるのか、なぜか僕までドキドキしながら会社に行くと、もはやシャウト(叫び)に近いレベルで社員一人一人のところを挨拶して回っていた。
その日から彼は、10年超の引きこもりとは思えないほどの活躍を見せた。
倉庫内を縦横無尽に駆けまわりながら、どんな仕事にも一生懸命取り組む姿に社内からの評判もとても高かった。
初めてのお給料の日には、彼は僕の所にわざわざお礼を言いにきて、両親をご飯に連れて行くと言って嬉しそうにしていた。
そこから数ヶ月が経ったとき、彼が僕のところにすごく緊張した顔つきでやってきた。
これまでの経験で、僕のところに緊張した顔でやって来るスタッフは、ほぼ100%退職願を持ってくる。
おいおい、せっかくここまで頑張ってきたのに、と思いながら別室に連れていき話を聞くと不安そうにしながら彼は、「仕事がとても充実していて毎日が楽しい、これからもっと頑張りたい。だから正社員にして欲しい」と伝えてきた。
あまりにも嬉しくて泣けた。その場で正社員への登用を決めた。
その後、正社員になった彼は、ますます張り切って働くようになり、倉庫のことなら彼に聞けと言われるようにまでなった。
そんなある日、会社に1人の女性から電話がかかってきた。
元引きこもりの彼のことで話があるから僕に直接話がしたいと。
電話の主は彼のお母さんだった
彼がうちで働くようになってから家の中でも別人のようになった、こんなに嬉しいことはないって、泣きながらお礼を言われた。僕はこっちまで嬉しくて泣いた。
人を雇うってそういうことだなぁと学んだ。
「kj」さんツイートから転用。
なお、字数制限の為、連続ツイートでした。
(じゅうめい)