プラッツの「けいおん!」ラッピング電車 2012-09-22 06:47:05 | 車両・私鉄/民鉄 トップページ レイアウト・モジュール 車両紹介 リンク 思い出の書籍 ふと思うこと 趣味の思い出 更新履歴 先日YANチョさんがブログでラッピング電車の話しをされていましたが、最近のN製品では鉄コレ、MODEMOやマイクロの手になるラッピング車のリリースが花盛りです。 まあ、題材によっては版権元の許可が下りない(か、下りそうにない)物も多いのですがそれでもレイアウトの彩りに使うには不自由しない程度には揃っている気がします。 私の手持ちでは富士急の「トーマス号」とか江ノ電の「SKIP号」「日本エアシステム」辺りがそれに相当するのですが、最近中古ショップでそれらの極め付けみたいなキットを入手しました。 プラッツの京阪600形、「けいおん!」仕様です。 実を言いますと中古ショップの「痛車」プラモコーナーを歩いている時に「クルマと違う何かが置いてある!」と気付いて手にとって見たらこれだったという笑える経緯だったりします。 調べてみると元々はプラッツがGMに依頼してディスプレイモデルとして出したものらしいです。 このモデルで魅力を感じたのは以前GMがキットを出した600形とは顔が違うことです。前面窓が曲面処理された近代的なものでこれだけでも魅力は感じます。 というのも旧製品の京阪600はこの趣味を再開した直後に入線させた機種でしたが、1編成しかなかったのでペアを組ませる編成があればとかねがね思っていましたから、その意味でも願ってもないモデルだった訳です。 但しこのモデル、動力ユニットが現在入手困難(TOMIXベルニナのものを流用)なためディスプレイモデルとしてしか使えないのが問題とされています。 事によるとですが前のユーザーはこれで挫折してショップに売ったのかもしれないとも推察されますが・・・。 が、私の場合以前に作った江ノ電1000タイプ用のベルニナ動力が残っているため、ボディ寸法さえ合致すれば動力化は可能です。 むしろ問題はこのままラッピング車としてしまうか普通の京阪塗装とするかです。 実は同形車は今後鉄コレでのリリースが予告されており、数年以内には陳腐化必須(書き忘れましたがベルニナの足回りは京阪のそれとは似ても似つかない重厚なものです)です。 パッケージの蓋を開けてみるとキットの本体が出て来ます。 ここで分かった事は本キットの車体部分はかつてGMから出ていた京阪600形そのまんまだった事です。 なるほどプラッツがGMに委託したといううわさは事実でした(笑) 但し通常品とは違う前面を含めた他のパーツ(パンタグラフや京阪用の台車枠など)は別パーツ化されています。 ですので当初の見込み通り近代型の600として作る事は可能。或いは既に旧600形を持っている方なら車体のコンバートで変換できる訳です(京阪600キットは動力ユニットをかぶせ&両面テープで対応している) 肝心の動力ユニット自体の入手は現在ではかなり困難だそうですがベースとなっているTOMIXのベルニナは私の現住地の様な田舎の中古ショップでも時たま出物を見掛ける事があるので気長に探索すれば入手自体は案外難しくない気がします。 ただ、前述したように元が登山電車ですから京阪の車体と組み合わせるととても重厚な下回りになる(少なくとも併用軌道にはやや不釣り合い)のは覚悟しなければなりません。 (ちなみにこの動力ユニットはかなりの重量級で、MODEMOのモハ1よりも重いです。ウェイトも大きく、室内灯の装着はまず不可能。ですがそれだけにNゲージとしては群を抜く登坂能力を持ちます。走行性はGM動力よりはスムーズですが鉄コレ並みと言う訳にはいきません。但し140Rのミニカーブには対応します) そこさえ気にならなければ車体の組み立てまでは気楽にできると思います(過去に旧600形を作った事がありますが車体が小さいので案外手軽に出来ました。それでいて屋根上のディテールには適度に凝縮感があり悪くない印象です) ですが問題は車体全体に貼り付けを要求される「デカールの群れ」です。 下手に貼ると破れが出そうなくらい面積が広い(と言いますか車体全体をデカールでくるむ様なイメージです)ので余計怖いです。 上級者用に車体の塗装後に貼るタイプのデカールも構成されていますがこちらはこちらで少なくとも4色の車体色の調合と塗り分けが必須です。 更に説明書を見ると組み立ててから貼る場合、貼ってから組み立てつ場合のどちらも一長一短の問題があるようで。 実はこのキットを手に入れてから先達の記事を参考にしようと思ってネット検索してみたのですがこのキット以前に製作されたスクラッチモデルを除いて製作記が殆どない事に驚きました。 話題性からいっても作ったと名乗りを上げるユーザーが複数いてもおかしくないキットだと思っていたのですが… つまり秘密裏の作例を除けば非常に積みプラ率の高いキットの様です。 唯一救いとなりそうなのがデカール自体のブランド性でしょうか。 聞く所では本キットのデカールはプラモではかなりの有名ブランドのイタリア・カルトグラフ社製だそうです。 ここのデカールは耐久性の良さに定評があるとの事なのでそこに望みを掛けて作ってみようかと。 (定評があっても腕の下手さをカバーしてくれるかは別問題ですが) 悩むのはやはりデカールです。今回は思い切って全面デカールで行く事にしました。 これまでこういう事をやった事がないので無謀極まりないのですが、この場合、もし(ワタシ的)限界を超えて見苦しかったら塗装ーデカールに移る方が効率的との判断からです。 近所の模型屋でクリアスプレーとデカール軟化剤を購入。 万全(?)の体制のもとに臨みます。 次に悩むのは「組み立ててから貼るか、パーツ単位で貼るか」 これも位置決めが楽そうとの理由からパーツ単位での対応とします。 先に側面から。 位置決めがやはり難問です。窓とサッシの位置に合わせるかボディ上端に合わせるか。上端に合わせて貼りつけた後窓の位置に合わせる形式で対応しました。 1パーツ辺り秒単位の勝負(と心得て臨みましたが) 最初の1パーツだけは軟化剤を使ったのですがどうにも不安で2パーツ目からは知り合いから教授いただいた「蒸しタオル」で対応しました。 ぬれタオルをビニール袋に入れて電子レンジで1分弱。 これを貼り付け部分に押し当てるとどうにかパーツにフィットしてくれました。 こういう時台所での製作(ここだけの行程ならシンナーも使いませんし)は都合が良いです。 又、カルトグラフ社製だからなのかこれまで使ってきたデカールよりは強度もそこそこありそうです。 とは言う物のそこは素人の悲しさ パーツの継ぎ目部の隙間が目立つのと車体全体をくるむという貼り付け方法の特徴で「ペーパークラフトに毛の生えた」様な感じになるのは仕方ありません。 組み立てはGM京阪600とほぼ同じ。他の電車と違い屋根上に細かいパーツが多いので手間はそこそこ掛かる部類です。 前面部の窓ガラスは前から嵌め込み式で結構ぴっちりと嵌ります。 動力はこの間まで江ノ電をやっていたベルニナ用。 (動力の入手難からか動力化についての記述がこのキットにはありませんが、もしベルニナを使われるなら予め先頭部のダミーカプラーとスカート部はカットしておきます。あと車体後端部の床下機器もカットして置くと幾分小回りも利く様です) パンタも江ノ電から移植しました。 さてここまでの工作でどうにか形だけはできたラッピング電車ですが出来はご覧の様な大惨事状態。 塗装済みキットの様な訳にはいきませんでした。 どうしても車体のディテーリングを生かすなら塗装して細かいデカールを貼った方が仕上がりは良いと思えます。 こういうタイプの電車ならコンビーノの様に透明車体に印刷する形式の方がすっきりする気がします。 それから以前の京阪や江ノ電のキットでも体験していますが車体と足周りの固定は両面テープに頼る形式ですがこれが結構位置決めが面倒(特にトレーラー)なので注意を要します。 このキット、定価4800円位ですが京阪600の二次車タイプの車体+京阪500の車体も付いて来る(以前の塗装済み京阪600キットにはついてきませんでした)ので考え様によっては案外お得かもしれません。 にほんブログ村 にほんブログ村 現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。 記事一覧 | 画像一覧 | フォロワー一覧 | フォトチャンネル一覧