今回は先日の朝刊の1面下のいわゆる「三八広告」を見たのがきっかけで見つけたネタです。
2月に発売された月刊「地理」という雑誌。
その名の通り地理、地学の専門誌(とはいえ趣味性が強い印象ですが)の様なのですが3月号の特集
「ジオラマの世界 見る・知る・魅せる」というタイトルに惹かれました。
なんとなく専門誌っぽい体裁に見えたので近所で一番大きな書店を探して購入しましたが、そこいらの小規模な書店だと見つけにくいかもしれません。
ジオラマと鉄道模型のレイアウトは似ている所もあれば異なる所もあり、ジオラマの事を書いていればそれがすぐレイアウト派も読める、応用できるとは限らないのですが、この号の表紙には鉄コレのレールバスが走る風景だったので幾分レイアウト向けの要素もあるのかなというのが最初の印象でした。
で、この特集の目次を俯瞰すると
「鉄道模型レイアウトから人と自然の織りなす”ジオ ラマ”へ」
「リアルを越えるファンタスティックジオラマ世界を構築する」
「私がジオラマを作り、ジオラマが私を作る」
「家族のためにジオラマを作るー地理的想像力を培うおもちゃ・家宝としてー」
などなど、レイアウト派にはなかなか魅力的かつ挑戦的なタイトルが並んでいます。
地理の雑誌という事でジオラマと言っても最初は博物館にでもあるような実景準拠の展示品のようなものを想像していたのですが、この特集ではもっぱら作り手のイマジネーションとセンスに依拠した「アートとしてのジオラマ」に軸足を置いている印象でした。
筆者の中にはジオコレの普及の影響からか、レイアウトからこの世界に足を踏み入れた層も結構あるようで線路があって電車が走るジオラマ(というかパイク)も結構あるのですが、サイズは一般的なものよりも小さく、むしろ限られたスペースに作者の見せたいものを凝縮させ、ベースの外の世界を観る者に想像させるようなアートとしてのジオラマを志向しています。
(感覚的には「会津ヨシ!」さんのアート系モジュールや、ジオラマ工房「フロル」さんの作例にごく近い方向性と思います)
それもあってでしょうか、ジオラマの特集なのに女性の投稿者(共著を含む)が半分近くを占めているのも特徴でして、専門誌になかった視点やセンスを感じさせられるのも収穫でした。
(言われてみれば、私の所属するクラブの女性メンバーのモジュールや車両加工のセンスに近い感じもしました)
あと野中健一氏の様に、レイアウトを作るだけでなくその舞台となる地域のタウン誌や新聞記事(もちろん架空)まで作って架空風景にイメージとしての厚みを与える試みをしていてこれなどはものすごくリスペクトされました。
(私のレイアウトで架空風景のリアリティとしてはせいぜいが看板の自作レベルだったのですがそれらの更に上を行っていますね。こういうの、やってみたいです)
ですから題材は鉄道やその周辺だけに限らず、様々なアプローチが載っていますし、それらを一気読みすると鉄道模型誌とはまた違った開放感を感じさせてくれる特集でした。
こうした形でのジオラマ製作はジオコレの登場以降、徐々に層を増やしている言わば勃興期に当たる趣味と言えるのですが、こうした時期に特有の「ジオラマを作ることそれ自体が理屈抜きに楽しい」という筆者たちの熱気と意気が感じられるのです。
これと似た感覚はNゲージが普及し始めた70年代から80年代初めにかけての空気に似ている感じもします。
とはいえ、投稿者の中には「N」のセクション製作記事でお馴染みの坂本直樹氏や全国高校鉄道模型コンテストの常連、横浜富士見丘学園地理研究部顧問の中山憲一氏の名前も見えますからレイアウト派のファンが見てもそれほど違和感はないと思います。
私個人の志向は専門誌などに載っている凄腕レイアウトのリアル志向と本誌の掲載されているアート志向の中間くらい(つまりどっちつかず、中途半端汗)と思っていますが、それゆえにどこか一本筋の通った主張のあるレイアウトを目指すべきかなとか思ったりしています。
(作例写真は本誌の掲載物とシンクロしていません)
2月に発売された月刊「地理」という雑誌。
その名の通り地理、地学の専門誌(とはいえ趣味性が強い印象ですが)の様なのですが3月号の特集
「ジオラマの世界 見る・知る・魅せる」というタイトルに惹かれました。
なんとなく専門誌っぽい体裁に見えたので近所で一番大きな書店を探して購入しましたが、そこいらの小規模な書店だと見つけにくいかもしれません。
ジオラマと鉄道模型のレイアウトは似ている所もあれば異なる所もあり、ジオラマの事を書いていればそれがすぐレイアウト派も読める、応用できるとは限らないのですが、この号の表紙には鉄コレのレールバスが走る風景だったので幾分レイアウト向けの要素もあるのかなというのが最初の印象でした。
で、この特集の目次を俯瞰すると
「鉄道模型レイアウトから人と自然の織りなす”ジオ ラマ”へ」
「リアルを越えるファンタスティックジオラマ世界を構築する」
「私がジオラマを作り、ジオラマが私を作る」
「家族のためにジオラマを作るー地理的想像力を培うおもちゃ・家宝としてー」
などなど、レイアウト派にはなかなか魅力的かつ挑戦的なタイトルが並んでいます。
地理の雑誌という事でジオラマと言っても最初は博物館にでもあるような実景準拠の展示品のようなものを想像していたのですが、この特集ではもっぱら作り手のイマジネーションとセンスに依拠した「アートとしてのジオラマ」に軸足を置いている印象でした。
筆者の中にはジオコレの普及の影響からか、レイアウトからこの世界に足を踏み入れた層も結構あるようで線路があって電車が走るジオラマ(というかパイク)も結構あるのですが、サイズは一般的なものよりも小さく、むしろ限られたスペースに作者の見せたいものを凝縮させ、ベースの外の世界を観る者に想像させるようなアートとしてのジオラマを志向しています。
(感覚的には「会津ヨシ!」さんのアート系モジュールや、ジオラマ工房「フロル」さんの作例にごく近い方向性と思います)
それもあってでしょうか、ジオラマの特集なのに女性の投稿者(共著を含む)が半分近くを占めているのも特徴でして、専門誌になかった視点やセンスを感じさせられるのも収穫でした。
(言われてみれば、私の所属するクラブの女性メンバーのモジュールや車両加工のセンスに近い感じもしました)
あと野中健一氏の様に、レイアウトを作るだけでなくその舞台となる地域のタウン誌や新聞記事(もちろん架空)まで作って架空風景にイメージとしての厚みを与える試みをしていてこれなどはものすごくリスペクトされました。
(私のレイアウトで架空風景のリアリティとしてはせいぜいが看板の自作レベルだったのですがそれらの更に上を行っていますね。こういうの、やってみたいです)
ですから題材は鉄道やその周辺だけに限らず、様々なアプローチが載っていますし、それらを一気読みすると鉄道模型誌とはまた違った開放感を感じさせてくれる特集でした。
こうした形でのジオラマ製作はジオコレの登場以降、徐々に層を増やしている言わば勃興期に当たる趣味と言えるのですが、こうした時期に特有の「ジオラマを作ることそれ自体が理屈抜きに楽しい」という筆者たちの熱気と意気が感じられるのです。
これと似た感覚はNゲージが普及し始めた70年代から80年代初めにかけての空気に似ている感じもします。
とはいえ、投稿者の中には「N」のセクション製作記事でお馴染みの坂本直樹氏や全国高校鉄道模型コンテストの常連、横浜富士見丘学園地理研究部顧問の中山憲一氏の名前も見えますからレイアウト派のファンが見てもそれほど違和感はないと思います。
私個人の志向は専門誌などに載っている凄腕レイアウトのリアル志向と本誌の掲載されているアート志向の中間くらい(つまりどっちつかず、中途半端汗)と思っていますが、それゆえにどこか一本筋の通った主張のあるレイアウトを目指すべきかなとか思ったりしています。
(作例写真は本誌の掲載物とシンクロしていません)