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先日入手したKATOのミニカーの色刺しには本当に往生しました。
手間は掛かるし道具は要るし、おまけにそこまで努力して出来の方はさっぱりです。
それでも色刺ししてみると吊しの状態よりははるかに愛着の湧く状態に感じられたのは何よりです。
まあ、こんなのも自己満足の一種ではありますが。
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さて、そこまでやってふと思った事があります。
Nゲージのレイアウト用のミニカーと言うとカーコレクションが先ず思い浮かびますが、このシリーズも最近はお値段の高騰著しく、先日の基本セットは1台600円とトミカよりもお高い値段になっています。
その代わり面倒な塗装は一切考えなくてもよく、レイアウトに置くだけでそこそこ観られる風景が作れます。
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一方で今回のKATOのセドリックはプラの地色そのまんまのシンプルな物で1台あたり200円弱。
今回のようにウィンカーとかグリル周りに色差しするとすれば塗料を後買いしても1台あたり300円するかしないかと言ったところでしょう。
因みに造形面で言うなら今回のKATOのものとカーコレのそれとはほとんど拮抗していると思いますから、この価格差は単純に「塗装の手間賃」と言う事になります。
してみると完成品のモデルは全般にこの手間賃が大きな比率を占めている事にはならないでしょうか。
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実は同じ様な事がストラクチャーでのジオコレとみにちゅあーとでも言えます。
ジオコレの建物類も最近では価格の高騰から一軒辺り2000円とか3000円というのが珍しくありません。コレはみにちゅあーとのキットのそれとほぼ拮抗する価格です。
みにちゅあーとの建物が細密面でジオコレのそれを凌ぐというのはユーザーの間ではずいぶん膾炙している事ですが、その代わり建物の組み立てにはそれなりに手間と道具が必要なのも確かです。
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キット工作とかシンプルな完成品を素材と見做して加工するのは確実にそれらの手間をお金を出して買っている事になります。が、そういうのも趣味の本質ではないかという気がするのです。
上述した様に自分が手をかけたモデルというのは出来、不出来に関わらず愛着が湧く事が多いですし(だからと言っていつまでも下手なままというのも困り物なのですが)
ただ、前にも書いたようにこれはあくまでモデラーとしての視点であって、コレクターとしての視点では捉え方がまた変わってきます。