歴歩

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守山市・下之郷遺跡 石剣の握りに使われていた樹皮がサクラと判明

2014年02月23日 | Weblog
 弥生時代中期(約2100年前)の巨大環濠集落跡として知られる「下之郷遺跡」から出土した石剣の握り部に使われていた植物が、サクラの樹皮であることが分かった。 石剣は守山市教委が2005年に行った調査で、集落西側の環濠から出土した。
 握り部に巻き付けられていた幅4ミリの樹皮の細工が残っていた。 樹皮に残る葉緑体のDNAを調べた結果、ソメイヨシノの原種の一つエドヒガンのDNAとほぼ一致した。
 同遺跡からは、幅約9センチの帯状に薄く剥いだサクラの樹皮も数点見つかっており、遺跡内で樹皮を加工していたとみられる。
 下之郷史跡公園(同市下之郷1丁目)で2月26日~3月10日まで、石剣を展示する。(火曜休館)
[参考:京都新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2009.4.24下之郷遺跡 正倉院の宝物「椰子実」そっくりのココヤシ製人面付き容器

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和歌山市・平井遺跡 6世紀前後の埴輪窯2基が見つかる

2014年02月23日 | Weblog
 和歌山県文化財センターは、平成24年から行っている平井遺跡(和歌山市平井206の1)の発掘調査で、古墳時代後期(6世紀前後)の埴輪を焼いた埴輪窯2基を発見したと発表した。 これまでに、県内で埴輪窯と見られる跡は岩橋千塚古墳群(和歌山市岩橋)の井辺八幡山古墳の近く、森小手穂窯跡(同市森小手穂)しか見つかっていなかったが、詳しい調査はされていなかった。
 今回の発掘調査は、和泉山脈の丘陵裾部分の1万㎡で実施し、比較的小規模な2基の埴輪窯が約25m離れて並んで見つかった。ともに、トンネル状に掘られた薪(まき)を焚いて焼き上げる登り窯。 西側1号窯が全長約3m、幅1・2m~3mと、東側2号窯が全長約5.5m、幅1・1m~1・5m。 このうち、2号窯では、窯の底の土に残された焼けた層の積み重なり具合から、5回以上繰り返し使われたことが確認でき、円筒埴輪であれば300~400個を焼いたと見られている。
 窯で焼かれた埴輪は、近くに位置する国史跡大谷古墳(同市大谷)や平井1号墳(同市平井)に運ばれ、並べられた可能性がある。
 周辺からは円筒埴輪や家形、馬形、人物などの埴輪が出土した。 岩橋千塚古墳群の大日山35号墳と大谷山22号墳からしか発見されていない矢を収納する武具の胡籙(ころく)形埴輪や双脚輪状文(そうきゃくりんじょうもん)形埴輪の破片なども見つかた。
 平井遺跡は紀の川北岸にあり、研究者の間では、これまで紀ノ川を挟み、南岸の岩橋千塚古墳群を中心とした勢力と、北岸の古墳群とに分かれた勢力が存在すると考えられていたが、その構図を見直す必要も出てきたという。
 現地説明会が23日(日)午後1時半から開かれる。
[参考:わかやま新報、朝日新聞、読売新聞、産経新聞、毎日新聞、紀伊民報]

 2013.12.17 和歌山市・大谷山22号墳 国内2例目の胡ろく形埴輪を確認
 2008.8.26 和歌山市・大日山35号墳 胡ろくかたどった埴輪 全国初出土



キーワード: 胡籙、胡ろく、胡録

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