大阪府文化財センターが24日、2004年、大阪市中央区の難波宮(なにわのみや)跡(国史跡)の北西で見つかった塀の跡から出土した柱材を最新の年代測定法「酸素同位体法」(注1)で調べたところ、7世紀前半に伐採されたことがわかったと発表した。 この遺構が、孝徳天皇が645年から建設した前期難波宮(7世紀)のものである可能性が高まったとしている。
東西に並んだ三つの柱穴のうち、二つに針葉樹とみられる柱の根元部分が残っていた。 1点(直径約31cm、長さ約126cm)はコウヤマキ製で、もう1点(直径約28cm、長さ約60cm)は樹種は不明。 年輪が粗いため、年輪幅の変動を調べる従来の方法が使えず、飛鳥時代の前期難波宮(7世紀)のものか、奈良時代の726年から聖武天皇が整備した後期難波宮(8世紀)のものかが特定できなかった。
新しい手法で2本の柱材を測定した結果、ともに7世紀前半に伐採されたと推定した。
3月15日(土)午後1時半から、大阪府河南町の府立近つ飛鳥博物館で成果が報告される。
(注1) 総合地球環境学研究所(京都市北区)の中塚武教授(地球化学)が開発した樹木年輪から抽出したセルロースに含まれる重い酸素(酸素18、18O)と軽い酸素(酸素16、16O)の存在比(「酸素同位体比」)、を測定することで、その木材が作られた年代を決定できる新しい年輪年代法である。
年輪セルロースに含まれる酸素原子の同位体2種類の比率が、降水量に比例した残存率を示すことを応用し、約2500年間の指標を作成。1年単位での測定を可能にした。
これまでの「年輪年代法」は、年輪幅のデータがそろっている杉、ヒノキにしか使えないが、「酸素同位体法」で栗、コナラなど10種類ほどを調査したところ、同年代なら同じ同位体残存率を示すことを確認した。 広葉樹など、対象が大きく広がる。
また、これまでの「年輪年代法」は残った年輪が100年分以上必要であるが、新手法は年輪が約50年以上あれば全ての樹種で測定が可能という。
[参考:共同通信、読売新聞、朝日新聞、日経新聞]
東西に並んだ三つの柱穴のうち、二つに針葉樹とみられる柱の根元部分が残っていた。 1点(直径約31cm、長さ約126cm)はコウヤマキ製で、もう1点(直径約28cm、長さ約60cm)は樹種は不明。 年輪が粗いため、年輪幅の変動を調べる従来の方法が使えず、飛鳥時代の前期難波宮(7世紀)のものか、奈良時代の726年から聖武天皇が整備した後期難波宮(8世紀)のものかが特定できなかった。
新しい手法で2本の柱材を測定した結果、ともに7世紀前半に伐採されたと推定した。
3月15日(土)午後1時半から、大阪府河南町の府立近つ飛鳥博物館で成果が報告される。
(注1) 総合地球環境学研究所(京都市北区)の中塚武教授(地球化学)が開発した樹木年輪から抽出したセルロースに含まれる重い酸素(酸素18、18O)と軽い酸素(酸素16、16O)の存在比(「酸素同位体比」)、を測定することで、その木材が作られた年代を決定できる新しい年輪年代法である。
年輪セルロースに含まれる酸素原子の同位体2種類の比率が、降水量に比例した残存率を示すことを応用し、約2500年間の指標を作成。1年単位での測定を可能にした。
これまでの「年輪年代法」は、年輪幅のデータがそろっている杉、ヒノキにしか使えないが、「酸素同位体法」で栗、コナラなど10種類ほどを調査したところ、同年代なら同じ同位体残存率を示すことを確認した。 広葉樹など、対象が大きく広がる。
また、これまでの「年輪年代法」は残った年輪が100年分以上必要であるが、新手法は年輪が約50年以上あれば全ての樹種で測定が可能という。
[参考:共同通信、読売新聞、朝日新聞、日経新聞]