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三田市・三輪餅田遺跡 2000年前の作りかけの管玉が出土

2010年03月03日 | Weblog
 三田市生涯学習課は2日、JR三田駅北側に広がる同市高次(たかすぎ)1丁目の三輪餅田遺跡(みわもちだいせき)から、約2000年前の弥生時代のものとみられる作りかけの管玉が見つかったと発表した。同市内で管玉が出土したのは、貴志遺跡(きしいせき)に次いで2例目。
 同遺跡は87年に見つかり、弥生時代から室町時代にかけての遺構や遺物が出土する複合遺跡。
 今回は道路拡幅工事に伴い、昨年12月から約1200㎡を調査した。
 弥生時代の溝や石包丁、土器片などとともに、首飾りなどの装飾品に使う管玉の未製品(長さ2・2cm、縦10・2mm、横7・9mm、重さ3・3g)が見つかった。断面などから、原石の碧玉から管玉に加工する初期工程のものとみられる。
 碧玉は出雲地方で青瑪瑙(あおめのう)とよばれる貴重品で、松江市の花仙山付近でしか産出しない(注1)。原石を割って直方体を作った上で、角を削って円柱にし、石針で穴を開けたという。管玉製造に必要な石針や砥石など玉造りの道具は見つかっていないが、弥生時代に環壕集落だった同地が、遠距離交流を行っていたことを示すとみている。
 ほかに、弥生時代のものとみられる土器片や石包丁なども出土した。作りかけ品であることから、三田に管玉を製造できる技術を持った人が住んでいた可能性があるという。
 現地説明会が、6日午後1時から開かれる。また、10~22日に、三田ふるさと学習館(同市屋敷町)で出土品約100点を速報展示する。
[参考:毎日新聞、朝日新聞]

(注1)2010.3.26追記
 その後の調べで、碧玉は石川県小松市周辺で産出した可能性が高いことが分かった。

過去の関連ニュース・情報
 2010.2.10 倉吉市・東前遺跡 弥生中期の玉作り工房跡確認 (管玉は北陸地方産としている。)




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