司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

弁護士会役員の必要経費訴訟(東京高裁判決)

2012-09-19 22:04:15 | いろいろ
東京新聞記事
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012091901002000.html

 一審の東京地裁判決は,弁護士会の役員としての活動に要した費用は,事業所得を生ずべき業務に直接関係して支出された必要経費であるということはできないとして,厳しい線引きであった。
https://www.tains.org/tains/tainswk/free/zeihou_bbs/bbs.cgi?num=4350&ope=v&page=5

 東京高裁判決は,「弁護士会の活動は弁護士の業務と密接に関係している」として請求の一部を認めたようである。

 判決の詳細は,未だ明らかではないが,司法書士会の役員をやっている立場としては,歓迎すべき内容であろう。

cf. 国税不服審判所「公表裁決事例要旨」
http://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0403130000.html
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「法人税の純資産―法人税法施行令8条・9条の口述コンメンタール」

2012-09-19 20:24:38 | 会社法(改正商法等)
濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾著「法人税の純資産―法人税法施行令8条・9条の口述コンメンタール」
(中央経済社)

 法人税法の解説書であり,もちろん税理士さん向けではあるが,随所に読みやすい工夫がこらされており,会社の計算等に御関心のおありの向きには,非常に有益な本であるように思われる。お薦め。
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有限責任監査法人の名称

2012-09-19 12:03:37 | 会社法(改正商法等)
 例えば,株式会社は,その商号中に「株式会社」という文字を用いなければならない(会社法第6条第2項)。

 また,有限責任事業組合は,その名称中に「有限責任事業組合」という文字を用いなければならない(有限責任事業組合契約に関する法律第9条第1項)。

 それでは,有限責任監査法人は,如何?

公認会計士法
 (名称)
第34条の3 監査法人は、その名称中に監査法人という文字を使用しなければならない。
2 有限責任監査法人は、その名称中に社員の全部が有限責任社員であることを示す文字として内閣府令で定めるものを使用しなければならない。

公認会計士法施行規則
 (有限責任形態の監査法人の名称)
第18条 法第34条の3第2項に規定する社員の全部が有限責任社員であることを示す文字として内閣府令で定めるものは、有限責任とする。

 というわけで,「監査法人」という文字と「有限責任」という文字を使用しなければならないルールである。

 「有限責任○○監査法人」もOKということである。

 ところで,監査法人の名称については,「監査法人の名称に関する取扱要領」(平成20年3月25日)が制定されており,「類似名称」等が問題となり得る。また,使用名称については,あらかじめ日本公認会計士協会に問い合わせることが必要(倫理規則第23条第3項)であるようだ。

cf. 「監査法人の名称の審査事例等について」by 日本公認会計士協会登録審査会
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/pdf/member/5-20-0-2-20080707.pdf

 現に存在する他の監査法人の名称と字句及び音(配列を含む。)が同一である場合のみならず,過去に存在した監査法人の名称と字句及び音(配列を含む。)が同一である場合にも,当該監査法人の解散,名称変更等によりその名称が使用されなくなった日から10年を経過していないものについては,使用することはできない(上掲)。

 かなり細かい規制であり,名称を選ぶのもたいへんである。
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「阪急電鉄」が「阪急住宅」に対し「阪急」の使用差止請求訴訟を提起(2)

2012-09-19 11:17:32 | 会社法(改正商法等)
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120913-OYT1T01153.htm

朝日新聞記事
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201209140025.html

 大阪地裁は,請求を認容。

 しかし,50年近くも使用してきた商号を,今更使用禁止と言うのも・・・法律論としては,疑問であり,現在の「阪急住宅」の営業実態等の特殊事情を斟酌しているとしか考えられない。

 なお,「阪急電鉄」は,もちろん商号の抹消登記手続も請求しており,判決が確定し,仮に「阪急電鉄」が申請人として登記を申請する場合には,抹消後の「阪急住宅」の表示は,抹消前の商号に「抹消前商号」の文字を冠記する取扱いとなる。

cf. 平成24年2月15日付『「阪急電鉄」が「阪急住宅」に対し「阪急」の使用差止請求訴訟を提起』

判例百選商業登記「11. 仮処分による会社商号登記の抹消の可否」
http://www.geocities.jp/teio_n1976/hanrei/sho_toki/011.html

判例百選商業登記「27. 商法31条による会社の商号登記の抹消請求」
http://www.geocities.jp/teio_n1976/hanrei/sho_toki/027.html
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