司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

国土交通省,宅地建物取引業者の仲介手数料を特例で増額

2017-12-29 19:23:50 | 不動産登記法その他
日経新聞記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25257060Z21C17A2CR8000/


 宅地建物取引業者の仲介手数料について,国土交通省の告示が改正され,「空家等の売買又は交換の媒介における特例」「空家等の売買又は交換の代理における特例」が設けられた。

 これにより,「物件価格が400万円以下の場合、手数料とは別に現状調査に必要な費用を盛り込めるようにした。一定の上限も設け、300万円の物件の取引だと、現行では仲介手数料は14万円だが調査費込みで最大18万円を受け取ることができる」(上掲記事)

cf. 国土交通省 昭和45年建設省告示第1552号(平成29年12月8日改正(平成30年1月1日施行))
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000249.html
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本支店一括登記申請の登記手数料の納付のために貼付された収入印紙の再使用

2017-12-29 17:23:13 | 会社法(改正商法等)
「本支店一括登記申請の全部が取り下げられた場合における登記手数料の納付のために貼付された収入印紙の再使用について」(平成29年7月11日法務省民商第116号民事局商事課長回答)が発出されていたようである。

 これまで再使用の手続がなく,登記手数料の償還請求によらざるを得ないとして,申請人から当該収入印紙の再使用に関する要望が多数寄せられていたとして,東京法務局民事行政部長から「再使用の取扱いをして差し支えないか」の照会があり,「可」と回答されたものである。

 「多数寄せられた」・・・ですか。支店所在地の登記をしている会社等が,商号変更や本店移転の登記をする際に,本支店一括登記申請のニーズがあるが,支店の数が多いと,1件300円でもそれなりのコストになるので,「再使用を!」という声は,あるのかもしれませんね。

 本支店一括登記申請の登記手数料については,こちら。

cf. 平成24年7月13日付け「本支店一括登記申請の手数料」

 商業登記のオンライン申請がスタートした直後に,「後日の再使用を考慮し、収入印紙とは別の用紙に貼付するのが適当」と書いているのだが・・・これは,登記手数料の方は,再使用することができないという趣旨だったのか。

cf. 平成16年10月10日付け「商業登記実務の取扱変更のポイント」
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土地相続 登記を義務化 法務省検討 所有者不明防ぐ

2017-12-29 11:49:17 | 不動産登記法その他
日経新聞(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20171229&ng=DGKKZO25239550Z21C17A2MM8000

 本日の日経朝刊の1面トップに踊る見出しである。

「法務省は早ければ2018年にも民法や不動産登記法の改正を法相の諮問機関である法制審議会に諮問する方針だ」(上掲記事)

 えっ? 今年10月に,「登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会」がスタートしたところで,「2019年までに報告書をとりまとめる」とされている。通常の流れでは,いくら早くても,それ以降である。関係閣僚会議のトップダウンで,スピードアップする? ちょっとミスリーディングな記事である。

 相続登記の義務化は,我田引水的に言えば,歓迎すべき面もあるが,制度設計がなかなかに難しいと思われ,一筋縄では行かないであろう。とまれ,不動産登記制度の在り方について充実した議論がされ,よりよい登記制度が再構築されて行くとすれば,よいことである。
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コミュニティ利益会社(CIC)

2017-12-29 00:49:55 | 会社法(改正商法等)
 ビジネス法務2018年2月号(中央経済社)に,松元暢子「民間の活動を後押しするイギリスのチャリティ制度改革」がある。

 「日本の公益法人・公益信託法制を検討する際には,イギリスのチャリティに関する制度が参考に」なるとして,「2002年の政府報告書に端を発する法改正を中心に紹介」するものである。

 記事中,「コミュニティ利益会社(CIC)」に関する解説がある。既報の「営利法人による公益活動に関して,英国には,Community Interest Companyといって,コミュニティーの利益のために活動する法人であって,株主に対する剰余金の分配が一定の限度に制限される仕組み」である。

cf. 平成29年10月8日付け「非営利法人に関する法の現状と課題」

 また,「民間による公益活動の促進」の項では,「公益信託についての制度のあり方を検討する際には,公益信託と公益法人の制度を利用者が使い分けることを想定したうえで,全体として使い勝手の良い仕組みを整備することが重要となる」旨が述べられている。

 公益信託法制の見直しが議論されている昨今,参考になると思われる。

cf. 平成29年12月25日付け「公益信託法の見直しに関する中間試案の取りまとめ」
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