平成29年11月28日第3小法廷決定
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87263
【判示事項】
家庭裁判所が民法941条1項の規定に基づき財産分離を命ずることができる場合
「家庭裁判所は,相続人がその固有財産について債務超過の状態にあり又はそのような状態に陥るおそれがあることなどから,相続財産と相続人の固有財産とが混合することによって相続債権者等がその債権の全部又は一部の弁済を受けることが困難となるおそれがあると認められる場合に,民法941条1項の規定に基づき,財産分離を命ずることができるものと解するのが相当である。」
民法
(相続債権者又は受遺者の請求による財産分離)
第941条 相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から三箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。
2 家庭裁判所が前項の請求によって財産分離を命じたときは、その請求をした者は、五日以内に、他の相続債権者及び受遺者に対し、財産分離の命令があったこと及び一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
3 前項の規定による公告は、官報に掲載してする。
(財産分離の効力)
第942条 財産分離の請求をした者及び前条第二項の規定により配当加入の申出をした者は、相続財産について、相続人の債権者に先立って弁済を受ける。