質 問
『 ホームページに 訴訟担当 ということを ワザワザ載せていますけれど
管理者は 職務に関して 区分所有者代理権を持っているのですから
その権限を使って 訴訟をすればよいのではないでしょうか ?
もしも そういうわけにはいかないとしても 民事訴訟法に 法人でなくとも
社団の代表者として訴訟ができる とかなんとかの条文では ダメなので
しょうか ?
訴訟担当 なんぞというメンドウそうな言葉 聞いたことないので 余計に気になるし・・・』
民事訴訟法も マンション管理士試験の範囲になっています
そうとうの分量のある法規ですので 捨てる というのもひとつの戦法でしょうが
学習中に どうしても疑問が解けないということで 気になってしかたがないとのことで
質問を受けました
極く簡潔に述べると
代理で訴訟すれば あるいは 社団の代表者として訴訟をすればよい
のであって なぜに 管理者が訴訟をするためには<訴訟担当>
などという法律の仕組みを必要とする理由があるのだ
ということでした
鋭い質問だ というのと 珍しい質問だ というのが パッと浮かんだ感想でした
そうとう学習している方で そろそろ合格も近いかな という雰囲気を感じました
民事訴訟法
(法人でない社団等の当事者能力)
第二十九条 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、
又は訴えられることができる。
区分所有法
(権 限)
第二十六条
2 管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。
4 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために、
原告又は被告となることができる。 〔一部省略〕
回答した概略のこと
<職務上の代理権があっても 訴訟代理権まで認められているとは言えません
それに
マンションの組織とその行為のありかたは さまざま
民事訴訟法29条の要件を充たしているか否か
裁判所が一概に判断してしまうわけには いかないことも
ということで
区分所有法26条4項で 法律上任意的訴訟担当が認められているので 区分所有者全員
の授権を要しないことなどは 実務上 裁判所・管理組合ともどもにとって 有用な仕組み
だと考えられていると言えます
つまり 任意的訴訟担当 という手法は 必要なものなのです
だからこそ 法律条文に 登場しているのです
おおよその管理組合では 理事長を 区分所有法上の管理者と定めていることでしょう
それと 原告・被告 と なっていますが 管理者は民事調停・支払命令・民事執行などの当事者
にもなれると解されています>
ということで 本日は 鋭い質問に関する記事でした
受験生の参考の記事ですが マンションにお暮らしの方にとっても無縁の知識では
ない とも言えます
それにしても マンション管理士試験の範囲はスゴイですから 学習時間配分には気をつけて
でも 民法は別格にしなければと考えられます
どこを出題されても 仕方ない科目ですし 将来 実務でも つまるところ 全体を必要としますし
法文系国家試験のおおよそには この科目 必須となっていると思いますので