昔から苦手だった財務・会計。
それが、長い職業生活や日々のニュース、新聞、経営の勉強の中で、ごく自然に見ることができるようになりました。
簿記はできなくとも、財務諸表は読めます。
BS、PL、キャッシュフロー計算書、場合によっては連結財務諸表も面白おかしく読めるようになりました。
減価償却費が不自然、棚卸資産と売上の関係がおかしい・・・思えば遠くに来たものです。
法学部法律学科だったため、簿記や会計は縁遠く、はじめて勉強したのが、中小企業診断士の一次試験の時。
当時は、旧試験「財務管理」。
BS、PL等の静的なものではなく、資本コストの計算、企業価値などのファイナンス関係が半分以上出題されていました。
最低クリアできる40点を目指し、いやいや勉強したのを覚えています。
大原簿記の入門講座に通ってみたり、家族旅行で訪れた沖縄のビーチで財務管理の本を一日読み続け家族にヒンシュクをかったり・・・。
でも、経営に必須の知識として、学習を継続したのです。
それからウン十年・・・。
経営の持つ数字の美しさ。
さっぱり感、爽快感があり、素敵だと思います。
これが、人事・労務関係であれば教科書上は美しくても現場でのかなりのドロドロ感。
マーケティング関係であれば横文字系でカッコよくても現場での不全感。
経営戦略関係であれば総論的、絵に描いた餅的、誰でも語れる一般論としての専門性不在感。
でも会計・財務は、ナイフで切ったような爽快感があります。
ゲーテが簿記の原理を称賛したというエピソードが簿記3級の本に載っていますが、泥臭い人間がいない、ビュアに数字で客観化される世界には、悩みや苦労はなさそうです。
友人の会計士に言わせると、習熟すると数字の行間に人間が見えてくるとのことですが・・・。
私の友人で趣味が、刑法総論の読書という男がいます。
帰宅しウイスキーを飲みながら、ゆっくりと刑法の本を読むとのこと。
実体法である刑法、浮世の世間をつかの間離れて、その哲学的な世界に遊ぶということも何となくわかるような気がします。
財務・会計の世界も人間嫌いには居心地の良い世界なのかもしれません。
そういえば、経理部のスタッフとのコミュニケーションは、どことなく妙な感じがします。
そう感じるのは私だけでしょうか?(笑)
IFARS、コンバージョンなどアングロサクソンの匂いが漂い始めました。
今回の欧州信用危機で多少の後退はあるような気はしますが、いずれは国際標準の会計制度が席巻すると思います。
自分的には、ニッポンローカルの会計制度が、頑固な職人の香りがして大好きなのですが・・・。