能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

がんばれ!日本の小売業 和製スーパーマーケットはイノベーションを起こせるのか?渥美俊一さんの世界

2014年12月22日 | 本と雑誌

小売業というのは、面白いもので、誰でも語れるジャンルと言えます。


主婦でも、学生でも、サラリーマンでも・・・お店に行くと・・・、

ファサードから店頭まで自らの足と目で確認することが出来ます。

今では、開放的な店舗レイアントでバックヤードまでも見渡すことができます。


また、自分で商品を手に取り、試し、購入することも出来るのです。

まさにオープンな世界で、模倣が可能な世界。

これが工場であれば、さまざまなセキュリティにより肝心カナメの部分を見ることはできません。

また、本社ホワイトカラーのいる本丸でさえ、その現場を実際に見ることは難しいというのが現状です。

 

そんな中、ニッポンの小売業を憂い、出された一冊。


それが、今回取り上げる本です。

著者は、今年67歳になる桜井さん。

渥美俊一さんのお弟子さんとして小売業の最前線に立たれている流通コンサルタントです。


同書によると、日本のオーバーストア状況は米国を上回るもの。大変な状況です。

坪単価、坪当たりの売上に遜色はないものの、科学的な管理法、マネジメントが米国のスーパースーパーマーケット(SSM)に大きく遅れをとっており儲けが出ない状況にあると指摘します。

つまり、日本のスーパーマーケットには、インダストリアルなマネジメントが行われていない・・・効率的なチェーンオペレーションが展開されていないということなのです。

工業技術、テクノロジーでは、米国に遜色のない日本・・・でも流通の世界では、現場のガンバリズムで持ちこたえているのです。


そういえば、日本のSM、GMS、DS、ドラッグストア、CVSなどで日本の誇るロボット技術、オートメーション技術が活用されているというケースを聞いたことがありません。

どうしたことなんでしょうかね?


日本のSMをはじめてする小売業は、支店経営。

責任を持つ店長の経験・勘・度胸で、目標の予算を達成すべく、日々ドタバタ状況にあると指摘します。

肩で風を切っている本社のバイヤーさん・・・一体どんな仕事をされているんでしょうか?

店長に、数字責任や経営責任を押し付けていいんでしょうか?


チェーンストア理論が、日本に根付かない理由が、このあたりにありそうです。

本書で著者が指摘する最大のポイントは、支店経営方式から、チェーンストア経営方式への転換です。

渥美先生の指摘もまさに、この一点。

本社主導のチェーンストアオペレーションが機能しない限り、日本の小売業は利益の出ない不毛な市場に成り下がるのです。

 

ディベロッパーや資本の戦いになっている日本の小売業界。

・・・リテールのマネジメントは本当に大変だと思います。

*

「新スーパーマーケット革命 ビッグビジネスへのチェーン化軌道」

桜井多恵子著 ダイヤモンド社 2000円+税

 

目次

第1章 日本のSM業界の現状と問題点

第2章 アメリカのSSMに学ぶ

第3章 新・SM革命の基本戦略

第4章 新・SM革命における仕組みづくり

第5章 新・SM革命における店舗づくり

 

この本は、チェーンストアエイジ誌に連載された記事を書籍化した一冊。

スーパーマーケット・コンサルタントの第一人者の一人である桜井さんの鋭い分析、指摘が凝縮されています。


同書では、日本のスーパーマーケットの規模の小ささ、店舗数の少なさ、低い営業利益率など、さまざまな指標で米国より大きな遅れをとっていると指摘。

米国で主流となりつつあるスーパースーパーマーケット(SSM)、バーティカルマーチャンダイジングと日本の流通フォーマットを数字をベースとして、その課題をあぶりだしていきます。

このあたりは、名著「失敗の本質」ではありませんが、

サイエンスとして流通をとらえる米国と、気合と根性と人海戦術で戦う日本の構図が見えてきます。


営業利益率は、特売に代表されるH&L、人件費の増大等によって大きくへこみ、今では2%台になっていること。

こうなると、地方の中小企業はひとたまりもない状況だと思います。

 

著者は、同書の中で「日本のスーパーマーケットが直ちに目指したい経営効率」を指摘しています。な

かなか大変な指標です。

 

日本のスーパーマーケットが直ちに目指したい経営効率

1.  営業利益率 売上高対比4%

2.  営業利益率・部門ごと 荒利益の20%以上

3.  総資本経常利益率 3回転以上

4.  作業効率・会社全体

 労働生産性800万円以上、次いで1000万円以上

 人時生産性5000円以上・店段階6000円以上

 労働分配率38%

 従業員一人当たり面積15坪~20坪

5.  客一人当たり一回あたり 買上げ額2700円以上 買上品目15品以上

6.  1店あたり 商圏人口2.5万人以上・売場面積600坪以上(なるべく800坪以上)

7.  標準化した店数 直営200店以上・センター4か所以上

 

わたしの住んでいる地域も、今年一店の地場スーパーマーケットが閉店しました。

大手チェーンストアの出店にともなう「白旗」。

今までは、地域の独占店として存在していたのに、とても残念です。

今こそ、チェーンストア理論をもう一度読み直し、反転し、攻勢に出る好機であるという事も言えると思います。

がんばれ、ニッポンの小売業・・・です。


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東京都庭園美術館「アーキテクツ1933白金」 アール・デコ様式の美しい建築物 宮家のアールデコ建築

2014年12月21日 | 美術館・アート

東京目黒の東京都庭園美術館。

1年かがりの改装工事を経て、新たに開館しました。

アールデコ調の本館、そしてホワイトキューブのギャラリーを備えた新館も完成・・・目黒白金に新たなアートスポットが誕生しました。

本館(旧館)は、1933年(昭和8年)にフランスの芸術家アンリ・ラパンにより設計されたアールデコ様式の洋館。

今から80年前に建てられた格調あるアーキテクチャーです。

旧宮家の邸宅ということもあり、休みの日ながら、ジャケット、革靴を着用して入館(古い!)。

が、

多くの方は、すごくカジュアル・・・ジーパンや原色の服、洋館の持つ独特の空気、空間が少し損なわれているようで残念でした。

ガラ・コンサートならぬ、最低のドレスコードがあっても良いような感じがします。

各部屋に配置されている係りの人は、黒のスーツ着用で、とてもいい感じでした。

本館は、朝香宮家の旧邸宅。

アールデコ調といえども、どこか重厚感のある歴史が感じられます。

また、美術館名にある広大な庭園も、ヨーロッパ風な雰囲気を感じさせます(庭園には、現在、入れません)。

玄関正面にあるレリーフです。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・。

本館2階の部屋には、朝香宮家のお嬢様のモノクロの写真が飾られており、その前で少し立ち止まってしまいました。

宮家の邸宅も、様々な歴史の波に飲み込まれ、鉄道会社に売られたり、地方公共団体に譲渡されたり、美術館にされたり・・・。

宮家の邸宅は、わずかな入場料さえ払えば今では誰でも入れる・・・。

いろいろ考えさせる一幕でした。

土曜日、日曜日は、館内での写真撮影が禁止のため、できれば平日に行かれた方が良いと思います。


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明治大学のチャレンジ 「M`s Opinion 明治大学発、社会への提言」キャンペーンの効果性

2014年12月21日 | マーケティング

週末、日経ビジネス2014.12.22号「特集/GEの破壊力」が届きました。

同誌が入った封筒に、何かゴワゴワ感が・・・何か書籍的なものが入っているのです。

 

開封してみると、

「M`s Opinion」という紫色の小冊子。

サブタイトルに「明治大学発、社会への提言」という文字が・・・。

この冊子は、明治大学の広告、PR冊子ということらしいのです。

 

オールカラー、全116ページ。

約50名の同大学の教員が、社会への提言という形で、特定のテーマについて見開き2ページで解説されています。

ツーリズム、東京五輪、国際政治、中小企業経営、地方自治などなど様々な分野についての意見、見解等が掲載されています。

 

とても面白い取り組みだと感じました。

大学と日経ビジネス誌のコラボ・・・なかなか画期的です。

同誌も編集長が変わり、誌面を刷新。

明治大学も近畿大学に次いで受験生に人気がある大学です。

18歳人口の減少に危機感を募らせた大学は、今、学生獲得のために、広告やPRを展開しています。

今回の明治大学の取り組みも、この一環と言えるのだと思います。

 

ただ、このキャンペーンの費用対効果を考えると、ちょっと思考停止してしまいました。

まず思ったのが、すごいコストをかけたんだろうなあということ。

そして、誰をターゲットにした広告、PRなのかということ、です。


日経ビジネスのメディア特性は、経営者や企業の管理職、問題意識の高いビジネスパースン。

おそらくそこを狙ったという推測は立ちます。

いっぽうの日経。以前、大学別のムック本を出していたということもあり、一般企業の広告収入だけではなく、全国に770校ある大学を新たなターゲットとして開拓していくということもあるのでしょう。

 

日経ビジネス誌の公称発行部数は21.9万部。

同冊子を一部300円として20万部作成して印刷・製本費6000万円。

執筆者の工数や編集費用、デザイン、写真撮影、送付料等を含めると、おそらく数千万円がプラスされると思います。

学生70~100名分の授業料になります。すごい!

 

また、何のために、つまり誰に向けて出された印刷物か、そして効果性はどうなのかを推測してみました。

・明治大学OB、卒業生に向けての情報発信として

・明治大学在学生に向けての情報発信として

・就職活動の窓口開拓のツールとして

・企業の就職窓口との関係性強化のため

・読者の子弟を明治大学に志願させるためのツールとして

・大学のイメージづくり、ブランドのため

・教員のモチベーションアップのため

・明治大学職員の一体化醸成のため

・高校生へのPRのため

・高校の進路指導の担当教師へのPRのため

・明治大学のwebサイトに牽引するためのツールとして

 

今回の効果性について、◎・○・△・×の4段階で評価してみました。

「◎」・・・効果性が高い

「○」・・・効果性あり

「△」・・・まあまあ

「×」・・・効果性少ない

 

・明治大学卒業生に向けての情報発信として ◎

・明治大学在学生に向けての情報発信として ○

・大学のイメージづくり、ブランドのため ○

・教員のモチベーションアップのため ○

・高校の進路指導の担当教師へのPRのため ○

・企業の就職窓口との関係性強化のため ○

・明治大学のwebサイトに牽引するためのツールとして △

・明治大学職員の一体化醸成のため △

・就職活動の窓口開拓のツールとして △

・読者の子弟を明治大学に志願させるためのツールとして △

・高校生へのPRのため ×


最終的に、効果性は同小冊子の表四にある同大学のwebサイトへのアクセス数になると思います。

クリック&モルタルならぬ、オムニチャネル的なアプローチなのかもしれません。


特に、大学関係者、マーケティング関係者の方に目を通していただきたい一冊です。

明治大学の果敢なチャレンジに驚いた週末でした。


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「元法制局キャリアが教える 法律を読むセンスの磨き方・伸ばし方」 法律で遊ぶ!法律を読書するための一冊

2014年12月20日 | 本と雑誌

今にして思うと、法学や法律学は、その入り口が大切だと思います。

それは、他の分野・・・例えば、語学や楽器のマスターでも言えると思うのですが、

導入部分のイメージがあとあとに大きな影響を与えるのです。


法学部では、昔、1年次に「法学概論」という講座からスタートしました。

今は、「基礎法学」というのでしょうか?


実は、この「法学概論」「基礎法学」の講座がとても退屈・・・。

一般論を、長々と講義する教授法で、法律アレルギーを起こす友人が多々存在していました。

この法学概論は、法を学ぶ上でのインフラ・・・とても大切なものであることが後々分かってきます。

あの時、ちゃんと習得しておけば・・・。


最近では、法学部で学び始める学生のための入門書や学習マニュアル的なものも出てきており、

うまく使えば法律の勉強が楽しくなると思います。


今回取り上げる一冊は、スムーズに法律学に入っていくためにも、とても有効な一冊です。

 

「元法制局キャリアが教える 法律を読むセンスの磨き方・伸ばし方」

吉田利宏著 ダイヤモンド社 1700円+税

 

著者は、キャッチコピーにあるように元衆議院法制局の職員。

法律のエキスパートです。

前著「法律を読む技術・学ぶ技術」に続く続編として刊行されました。

同書の位置づけは、プレ法学、法律の楽しさを知るための一冊といってもいいと思います。

身近な事例や基本的な法律を取り上げながら、丁寧な解説がされています。

また、各章には、練習問題も付いており、自然に体得できるようになっています。


こんな本が、法学部入学時にあったらなあ、と思わず感じた一冊です。

同書を読むと、改めて新たな発見があります。


・「又は」と「若しくは」の違いは?

・「及び」と「並びに」の違いは?

・「その他」と「その他の」との違いは?

・「場合」と「とき」の違いは?

・「者」と「もの」の違いは?


説明しようと思うと、なかなか難しいものです。

同書では、実に懇切丁寧に、法学初学者でも理解できるよう説明しています。

そういえば、弁護士も「者」という法律用語を、「シャ」と「モノ」で区別していた記憶があります。


目次

第1章 法律は暗記科目ではありません

第2章 法律の構造には意味がある

第3章 条文の構造のルールを知ろう

第4章 法律が示す公平の感覚を読み解こう

第5章 条文を正しく読むための法令用語

第6章 法律の分類を知っておこう

第7章 法律の世界地図を描こう

第8章 民法・憲法・行政法を読む

第9章 解釈がわかれば法律はもっと楽しくなる

 

法律学を学ぶことは、ロジカルシンキングが身につく、リーガルマインドが醸成されるというメリットがあります。

また、パランス感覚や社会感覚が磨かれるということもあると思います。

さらに、精神衛生上にも良いということもあるのではないでしょうか?


友人の公認会計士の趣味の一つが、夜、一人、バーボンをチビチビやりながら、刑法の本を読むこと。

ざわついた俗世間を離れて、刑事法という実体法、哲学の世界に逃避できると語っていました。

そんな趣味もあるんですね~。

なかなか高尚な趣味です(笑)。


今回、同書を読み、もう一度、法律の世界に遊んでみたいと思った良書でした。


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東京商工会議所が新資格「ビジネスマネジャー検定試験」を始動 管理職検定がスタート!マネジメント検定

2014年12月19日 | 資格・転職・就職

中小企業、中堅企業の経営をバックアップする東京商工会議所。

2015年7月、新しい検定試験を開始します。

東商の検定試験は、今まで、簿記、販売士などの職能別、現場系、スペシャリスト系の検定試験を多数開催していましたが、

今回はゼネラリスト向け、ホワイトカラー管理監督者向けの検定試験を企画。

画期的な検定試験だと思います。

予算的、時間的に余裕の少ない中小企業、中堅企業の社内研修、能力開発、マネジメント力の強化というメリットがあると考えます。


ビジネスマネジャー検定試験


この試験の目的は、「企業経営のカナメであるマネジャーの土台づくり」とのこと。


ホームページでは、次のように説明されています。


「管理職(マネジャー)は、企業と社員の結節点として、事業分野や企業規模を問わず“経営ビションの伝達・浸透”や“事業戦略の策定・遂行”、“チームのモチベーションと結束力の向上”、“人材育成”などといった多様かつ重要な役割を担っています。

まさに企業の浮沈の鍵を握る要の存在です。


それだけに、マネジャーの任を果たすことは容易ではなく、高い能力が要求されます。

また企業にとっても、優秀なマネジャーを育成することは不変の最重要課題です。

一方、時代の変革のスピードはますます速くなり、ダイバーシティ(人材の多様性)も深化する中、これまでの業務経験だけに頼るマネジメントでは対応が困難な時代が到来しています。

新たな目標にチャレンジするときや自分のチームに問題が発生したときに、ゼロから理論や手法を学び始めるのでは対応が遅く、取り残されてしまうでしょう。

そのため、マネジャーはマネジメントに関する総合知識を身につけることが不可欠となっています。

換言すると、マネジャーが成果<アウトプット>を出し続けるためには、マネジメント知識を継続して習得<インプット>しなくてはならない時代であるとも言えるでしょう。

ビジネスマネジャー検定試験は、マネジャーとして活躍が期待されるビジネスパーソンに対し、その土台づくりのサポートを目的とし、「あらゆるマネジャーが共通して身につけておくべき重要な基礎知識」を効率的に習得する機会を提供します。」


中小企業、中堅企業のキーパースンである管理監督者。

同検定試験は、そのマネジメント力の向上を目指して策定された検定試験なのです。


ビジネスマネジャー検定試験の3つの柱(知識の確認)

1.人と組織のマネジメント

2.業務のマネジメント

3.リスクのマネジメント


学習カリキュラムからすると、中小企業の課長クラスという感じがします。

また、受検のメリットも具体的に記されています。


受験のメリット

1.マネジメントに必要な総合的知識を効率的に習得できる。

2.多くの管理者が抱く不安や戸惑いを軽減できる。

 

さらに、企業・経営のメリットとして、

1.マネジメントの基礎知識は本検定で身につけさせることで実践的・実務的な研修に注力できる。

2.管理職養成にかかる費用、時間、労力を軽減できる、

3.検定の合否結果により、知識の習得度を客観的に測ることができる・・・。


大阪商工会議所は、すでにメンタルマネジメント研修(1・2・3級)検定試験を実施していますが、

今回の試験は、その延長線上にあるものと思います。


要は、マネジメントの歴史的な文脈にある「人の管理」「仕事の管理」の基本知識の確認という観点から出題していくようです。


第1回の試験は、来年の7月19日(日曜日)13時30分~15時30分。


試験要項

1.受験資格・・・誰でも

2.出題形式・・・マークシート

3.試験時間 2時間

4.合格基準 70点以上

5.試験会場・・・全国の商工会議所

 

全問択一式、マークシート方式での試験が実施されます。

70%を取れば合格できるとのこと。

マネジメント力をマークシートの試験で判断できるということは言えないと思いますが、

管理監督者のための能力開発、その候補者の事前学習としては、意義のあることだと思います。


今、上が詰まった30歳代の若手には、キャリアアップのための手段として有効に機能すると思います。

キャリアアップを目指す中堅社員、主任クラスの方、リーダークラスの方にはぜひとも受検していだたきたい新・資格です。

東商が初めて打ち出すゼネラリストのための試験。

第一回目の合格者は価値あるものだと思います。ぜひ合格しておきたい検定試験です。


今後、どんな展開となるかドキドキするプロジェクトです。

詳しくは、東商ホームページまで。

http://www.kentei.org/bijimane/


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イルミネーションで街おこし 目黒川「青の洞窟」は、人、ひと、ヒト・・・ タウンマネジメントの好事例です

2014年12月18日 | まち歩き

代官山で仕事を終え、坂を下り、噂のナカメへ・・・。

えっ、ナカメ(中目黒)にこんなに人がいるの?雨の中にもかかわらず、すごい人出です。

このため主催者は、5~6人の警備員を配備、さらに見学者の安全を確保するため土曜日、日曜日、祝日の点灯を中止・・・。

それぐらいすごい反響です。

また、ネーミングも秀逸。

「青の洞窟」

イタリアの観光スポットから借用したと思われるロマンチックなイメージです。

日本人がノーベル賞を受賞した青色LEDともオーバーラップし、話題性も抜群です。

本当にいい企画だと思います。

 

「目黒川みんなのイルミネーション」は、今年で5回目。

廃油(食用油)を活用した100%地産地消エネルギーで12万個のLEDイルミネーションを点灯しているとのこと。

バイオディーゼル燃料と言われるエコ・エネルギーの活用は拍手ものです。

グッドデザイン賞も受賞したとのこと。

神戸のルミナリエでは、LEDから白熱電球に切り替えるということで驚いたのですが、目黒の場合は、暗闇を活かした中でのブルーというコントラストをうまく活用して演出効果を高めています。

 

主催は「目黒川みんなのイルミネーション実行委員会」。

一般社団法人大崎・五反田タウンマネージメント、一般社団法人大崎エリアマネージメントの協力、そして、品川区&しながわ観光協会が後援というカタチをとっています。

タウンマネージメント組織が活躍しているという事例を久々に耳にし、たいへん嬉しく思いました。

この「マネージメント」という「-」が入るところが日本語ぽくて良いですね。


これで、春は花見、秋はサンマ、年末はイルミネーションという「目黒の顔」が出来上がりました。

たくさんの人々が集まり、地元のレストランや商店にお金が落ち、街が活性化し、「住みたい街」の上位にランキングされれば住民税などの税収も拡大するという天使のサイクルに入ります。

まさに、企画&実行の勝利です。

 

単なる箱もの企画、行政の補助だより、ワンパターン&マンネリ企画ではない、目黒川の「青の洞窟」。

コミュニティデザインやソーシャルデザインに関わる方、町おこし、タウンマネジメント、行政に携わる方々に、ぜひ見学していただきたいスポットです。

YouTubeにも多数の動画がアップされているので、ご覧ください。


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東京神田・駿河台・・・旧法律学校は上へ上へと伸びるビルキャンパスへ 日本のカルチェラタン神田

2014年12月16日 | 受験・学校

東京神田。駿河台から神田神保町エリア・・・。

大学や専門学校、古本屋や大型書店。喫茶店やスポーツ専門店や楽器専門店。そして、学生向けレストランやファーストフードまで・・・。カレー、ラーメン、天丼、天ぷら、とんかつ、ビアホールなどなど・・・B級グルメの聖地でもあります。

そして、どこか文化の香りのする神田。リベラルアーツの雰囲気が濃厚な神田神保町。

フランスのパリにちなみ「日本のカルチェラタン」と言われています。

自分自身にとって第二の故郷。大好きな街の一つです。

*

明治時代、この神田の地にたくさんの法律学校が設立されました。

1889年の大日本帝国憲法発布の発布により、日本はアジア初の近代憲法を持つ近代国家になったのです

欧米列強に学びながら、議会制民主主義を構築。

この法治国家への転換が、法律学を学ぶ学徒を増やす大きな起点となりました。

ボアソナード博士に代表されるフランス法系、成文法の原点でもあるドイツ法系、判例法の英米法、いやいや日本独自の法律体系を作るべきという主張もあり、様々な法律学校が設立されたのです。

*

1880年4月 東京法学社・・・法政大学  神田

1880年9月 専修学校・・・専修大学  神田

1881年 明治法律学校・・・明治大学  神田駿河台

1882年 東京専門学校・・・早稲田大学

1885年 英吉利法律学校・・・中央大学  神田駿河台

1889年 日本法律学校・・・日本大学  神田三崎町

1890年 慶応義塾・・・慶應義塾大学

*

当時、大学と言えば東京帝国大学だけ。大学令が発令されるまで、その他の学校は在野の専門学校なのでした。

そして、現在の神田駿河台。

狭い敷地を有効活用するために、上へ上へと伸びる高層ビルとなっていきました。

明治大学リバティタワーは23階。

明大からの展望です。

明大の前にある日本大学法科大学院。旧カザルスホールです。

日大ロースクールは、日大法学部のある神田三崎町に移転するとのことです。

そのとなり、新築の日本大学病院。

時代とともに、大きく変わっていく神田の街。

いつまでも、「日本のカルチェラタン」であって欲しいものです。


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京都検定3級を受験してきました 1200年の都のご当地検定、11回目をむかえました スゴイ町おこし!

2014年12月16日 | 資格・転職・就職

先週末の12月14日(日曜日)、京都検定3級を受けてきました。

今年、最後の自己啓発のためのチャレンジです。

正式名称は、「京都・観光文化検定試験」。

京都商工会議所が主催しています。


京都検定は、福岡検定と並んで、いわゆるご当地検定の走りと言えます。

その後、全国各地でご当地検定が立ち上がりましたが、受験者の激減、出題・採点等の空中分解で立ち消えになった「ご当地検定」も多々あります。

そうした中、全国のご当地検定で最大の受験者数を誇る京都検定。

実に11回目を迎えます。凄いことです。

京都商工会議所や京都新聞社の販促プロモーション努力もあるのですが、クレジットカード決済や東京会場の設置、年替わりのテーマ問題の出題、3級不合格の場合は翌年の受験料半額などなど、受験者獲得のための様々な創意工夫が打ち出されています。

そして、一時減少した受験者も7000名以上をキープしています。

京都新聞社の報道によると、今年も2013年、前年比較で受験者数が増加したとのこと。

町おこしのシティプロモーションとしては、大成功といえる京都検定です。


この検定試験という仕組みをうまく活用すれば、「ご当地」のみならず、消費財や生産財なども含め、プロモーション活動として機能すると思います。

最近では、ウイスキー検定、丸の内検定など、旬のテーマで実施すれば、受験料や知名度の獲得につながる有効な初段ということが出来ます。


富裕層をターゲットとして、ポルシェ検定やエルメス検定、プラダ検定。

カップラーメン検定や立ち食いソバ検定などあれば、意外とブレークし業界の活性化、消費拡大につながるかもしれません。

 

わたし自身、京都が大好きで年に何回も訪れるものの、京都に住んだことありません。

このため、京都についての勉強はもっぱら書籍による独学です。

京都の観光ガイドブックや公式テキスト「増補版 京都・観光文化検定試験 公式テキストブック」と「3日でマスター!京都検定3級虎の巻」(京都新聞出版センター刊)を購入。

ウイスキーを飲みながら毎日少しずつ知識のインプットを行っていきました。


試験会場は、明治大学駿河台キャンパス。

都心のキャンパスのため、ほとんど会社風のビル。

11階か13階が京都検定の受験会場としてあてられていました。

受験会場は、子供さんからおじいさん、おばあさんまで・・・まさにゆりかごから墓場までという感じ。

女性、特に若い女性が半分近くを占めていました。

京都の持つ魅力が、多くの京都ファン、京都フリークを呼び寄せているかのようでした。

3級の試験は試験時間90分、四択100問、マークシート方式。

ただ、1時間ぐらいで解答可能のため、多くの受験者は制限時間を待たずに途中退出されているようでした。

京都検定の良いところは、問題用紙の持ち帰りがOKということ。

解答の答えあわせが出来るとともに、復習でき、京都に関する知識が、より深まるということです。

これは、とても良いことです。


平成26年度の問題より(一部抜粋)

1.延暦13年・794年、長岡京から平安京に遷都した天皇は誰か。

 ア 聖武天皇

 イ 桓武天皇

 ウ 嵯峨天皇

 エ 孝明天皇

・・・「カンムがナクヨ」「鳴くよウグイス、平安京」・・・正解は、桓武天皇。


11.鎮火の神として庶民の信仰を集めるホニャララでは、7月31日夕刻から翌朝にかけて「千日詣り」が行われる。

 ア 愛宕神社

 イ 福王子神社

 ウ 車折神社

 エ 月読神社


21.千利休作で唯一現存する国宝の茶室はどれか。

 ア 燕庵

 イ 待庵

 ウ 密庵席

 エ 八窓席


ちなみに正解は、11は「ア」、21も「ア」です。

 

自己採点したところ、70点前後・・・。

合格点が絶対評価で70点以上ということなので、ギリギリの得点。

来月1月の下旬に発表とのことです。

なかなか楽しい京都検定でした。

早く京都に行きたいなあ、と思い起こした京都検定です。

試験が終わり、ふと窓を見ると、美しい富士山が見えました・・・ブラボー!!!


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研修開発入門-会社で教える、競争優位をつくる-企業内「研修」は効果があるのか?中原淳東大准教授

2014年12月15日 | 本と雑誌

「研修」・・・やれやれ、手垢のついた、ちょっと情けない言葉です(笑)。

「この忙しいのに、なんで研修なの?」

「2日間、気分転換してきたら・・・」と上司の声。

「この際だから、2日間の研修で、ゆっくり身体を休めてこよう。」

企業内教育の方法は、OJT(職場内訓練)、off-JT(職場外訓練)、SD(セルフディベロップメント・自己啓発)の3つがあると言われています。

研修は、このうちの「off-JT(職場外訓練)」に該当します。

職場から離れて、教室や会議室で講師からのレクチャー、個人研究やグループワーク、ロールプレイングや発表などなど、半日間から1週間の合宿まで、さまざまな「研修」が存在しています。

基本的に、仕事を離れ、非日常空間で新たなインプットや、気づきを得る・・・それが「研修」の持つ大きなメリットです。


巷には、パソコンやタブレット、スマホを使ったいわゆるeラーニングや反転学習、ブレンディング学習がある現代に、なぜ「研修」?・・・

受講者の交通費や宿泊費、講師の講師料、教材費、会場費や食事代・・・そして最大の経費は受講者の人件費ということになります。

それでも、研修は必要なの?という疑問。

 

それでも、企業組織においては、研修は必須なのです。

というか、「研修」以外の方法論は、今のところ存在しないのです。

人と人が同じ場所にいるということの相互作用、文字や映像だけでは腹に落ちない暗黙知、その組織特有の戦略や戦術そして風土や組織文化・・・それらは、集合研修の持つアドバンテージと言えます。

今は少し違ってきましたが、以前、人気と知名度だけで選出されたタレント議員は、「福祉」と「教育」だけを言及する傾向にありました。

それは、高度な専門的知識が必要な外交や財政、防衛や科学技術に関する政策を語ることが出来なかったからだと言われています。

これと同じ理屈で、企業内における研修や教育、人事制度は、サラリーマン・勤め人であれば、誰でも何かを語ることが出来るジャンルと言えます。

人事部が企画した研修や教育にチャチャが入るのも、だれでもそこそこ、それを語れるということに起因してるものと思います。


そんな中、「研修」を取り上げた本格的な一冊が世に出されました。

著者は、東大准教授の中原さん。職場学習論や経営学習論を専門とする若手研究者です。

今回は、350ページにわたる研修をテーマとした入門書を刊行されました。中学生でも理解できる噛み砕いた丁寧な解説が付された書籍です。

*

「研修開発入門 会社で教える、競争優位をつくる」

 中原淳著 ダイヤモンド社 3800円+税

 

「研修」という方法論自体は、戦後、あまり大きな変化は無かったように思います。

講師のインストラクション法、研修技法、受講者同士の相互作用、グループワーク、討議や発表・・・などなど。

研修の効果という観点からすると、高度成長期のイケイケドンドンの時期のスパルタ研修の方が効果性が高かったようにも思えます。

しかしながら、今の時点では、受講者の価値観や感じ方も大きく変わってきています。

講師が一方的に講義を中心に進める・・・講師が上から目線で指導する・・・そうなると、受講アンケートは講師批判に溢れ企画した人事部能力開発担当はたいへんなことになります(笑)。

今の時代、受講者と講師は対等・・・いや、受講者が主役でなければならないのです。

顧客満足(CS)ならぬ、受講者満足、学習者満足が求められているのです。

今回取り上げた「研修開発入門」でも、学習者のプロファイリングというセッションを設けています。


著者の中原さんは、「5K」で受講者を分析することが大切だと書かれています。

 「経験・keiken」

 「知識・knowledge」

 「言葉・kotoba」

 「権限・Kengen」

 「肝・kimo」・・・もっとも知りたいこと・主要な興味関心

なるほど、事前の受講者を把握することは、研修の成功に必要不可欠。学習効果、研修効果を高めるための必須の項目なのです。

 

目次

第1章 研修開発とは何か?

第2章 研修企画 ニーズを知る、学習者を分析する、同じ船に乗ってもらう

第3章 研修のデザイン1 課題を分析し、行動目標を立て、評価方法を考える

第4章 研修のデザイン2 一日を組み立てる

第5章 研修講師選定 教える人をいかに確保するか?

第6章 研修のPRと事前のコミュニケーション戦略

第7章 研修準備 研修の事前のデザイン

第8章 研修実施 教える事の技法1 オープニング編

第9章 研修実施 教える事の技法2 メインアクティビティ編

第10章 研修実施 教える事の技法3 クロージング編

第11章 研修フォローとレポーティング

第12章 人材開発のプロとして、いかに学ぶか

 

また、研修を受講する学習者のモチベーションを高める3つの意味づけもなかなか興味深いものでした。

1.価値づけ・・・研修内容が自分の仕事に役立ちそうだ

2.効力づけ・・・やればできそうだ

3.支援づけ・・・講師は最大限支援してくれそうだ

 

簡単なことを簡単に説明するのは、なかなか難しいものです。

同書は、この難しさに挑戦した一冊だと思います。

第8章から第10章は、ぜひとも目を通していただきたいセッション。

ちょっとお高めの価格ですが、

人事部やライン部門で教育や研修に携わってきた方には、一読いただきたい「研修開発入門」です。


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憲政記念館 民主主義の歴史を振り返り、未来を考えるための永田町の博物館 選挙権について考える

2014年12月15日 | まち歩き

衆議院選挙の投票を終え、永田町の憲政記念館を訪れました。

大学で法律を専攻していたこともあり、学生時代に一度訪れたことがあります。

時が経ち、改めて訪れると、新たな発見がいろいろありました。

 

国会のそばに立つ二階建ての建物。

1970年に議会開設80周年を記念して開館。

江戸時代は、彦根藩の上屋敷、井伊直弼が居住。

明治時代には、参謀本部、陸軍省が置かれた、日本の近代史の舞台となった場所です。

展示物は、文書類だけではなく、映像や音声を交えた分かりやすいものとなっています。

・憲政史シアター

・憲政史映像選択コーナー

・立体ビジョンコーナー

・議事体験コーナー

議事場のミニチュア

国会の仕組みコーナー など

日本は、アジア初の近代的な憲法を制定した国。

また、欧米に学びながら、民主的な議会制民主主義制度をアジアで最初に作り上げた国。

憲政記念館は、その歴史的な背景やかかわりのある政治家、世界的な動きをコンパクトにまとめたパビリオンと言えます。


しかしながら、そのプロセスは苦難の歴史であり、憲政記念館の二階では、順を追って歴史的事実についての丁寧な資料展示がされています。

自由民権運動や軍部が絡む動乱、敗戦など・・・その歴史は紆余曲折を伴う政治史と言えます。


明治時代、有権者となれたのは一定の税金を納めた男子だけ。

国民の1%。

この税金の金額を低下させ、有権者は国民の20%程度へ。


そして、第2次大戦後、婦人参政権が導入され、すべての成人に投票が出来るようになりました。


投票に行かないということは、この苦難の歴史を否定することになると思います。

マスコミによると、今回の選挙は投票率の低下が予測されています。本当に残念なことです。

この憲政記念館の正面には、尾崎行雄代議士の像があります。

衆議院議員当選25回、議員として60年7か月働いた国士。

清廉潔白な政治家だったようです。

また、議員の期間は、世界最長とのこと。

その尾崎代議士が残した名言が銘板として残されています。

そのポジィティブさ、前向きさに感心した次第です。

「人生の本舞台は常に将来にあり」

常に未来志向、明日のために、今何をするか?

1000兆円を超える国の借金、税金問題、少子高齢化の進む人口構成、複雑化する国際情勢、経済の停滞、年金保険・医療保険制度の不安定化などなど、国内にはたくさんの課題・問題が山積しています。

モグラ叩き的な解決ではなく、常に、将来・未来的な視点、中長期的な視座をもった行動が必要であると考えた次第です。

経営やマネジメントも同様。

未来、明日の視点を持ちながら、そして、よくよく考えながら、日々の仕事に一所懸命当たることが大切だと感じた次第です。

選挙に行き、国会に行く・・・政治に触れることが出来るエキサイティングな週末でした。


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