松田敏子フラワーデザイン・徒然ローズガーデン

予定より長生きしている今を憂いながら、怒りながら、笑いながら楽しむ。

没後120年 エミール・ガレ  2

2025-03-08 18:46:18 | 芸術鑑賞・文学・音楽・映画など
花器「おだまき」1898〜1900

おだまきの花を
装飾と器の形態の
両方に取り入れた。




昼顔形花器 「蛾」 1900年
蛾をテーマにした作品は
炎に群がる「炎舞」速水御舟が有名





栓付瓶 「葡萄」1900年

全体を葡萄のモチーフで
まとめ上げた栓付き瓶。
器に詩文を刻んだ
ガレの作品は
「もの言うガラス」と
呼ばれる。
本作の背面には
シャルル・ボードレール
の詩「毒」の一部が
刻まれ
葡萄酒がもたらす
酩酊を賛美している。



花器 「カトレア」1900年頃

溶けたガラスを貼り付ける
溶着の手法とエングレーヴィング
を駆使し
カトレアの花を立体的
かつ写実的に表現。
表面では大輪の花を
咲かせるカトレアが
背面では弱々しく
萎れており
器の表と裏で
生と死の
表裏一体が表されている。



花器「蘭」1900年頃

晩年に向かうにつれ
溶着とエングレーヴィングを
併用した立体的で
時にグロテスクなまでに
写実的な表現を試しみていく。
本作に表された蘭も
器から飛び出さんばかりの
迫力があり
用途を持つ器の域を越え
ガラスの彫刻へと
向かう傾向が見出だせる。





花器「茄子」 1900年頃
茄子の実と花を器の形態と装飾に取り入れた作品。
花や茎、葉は
マルケトリの手法によるもので
彫りを加えて写実的に
表現している。
「1900」の年記を有する
北澤美術館所蔵品など
類品が複数知られており
ロジェ・マルクス旧蔵品にも
同一モデルが含まれていた。




ジョッキ 「ホッぷ」1894年
つる性多年草ホップ




花器「海馬」タツノオトシゴ
1901年

政治家でジャーナリストの
ジョセフ・レナックに
ガレが献呈した作品。




花器「サクラソウ」1900-04年頃
個人蔵

「春の始まり」を意味する
ラテン語から名付けられた
「プリマヴェーラ(サクラソウ)」
は、生命の永遠なる再生
の象徴として
ガレの作品に度々
取り上げられた。
友人で園芸家の
ヴィクトル・ルモワーヌは
この花の新種に
「マダム・エミール・ガレ」
と名付けたという。




脚付杯 「蜻蛉」1903〜1904

繊細なエングレーヴィングを
施した写実的な蜻蛉や
その影が溶け込んだ
大理石のような素地など
ガレが編み出してきた
様々な表現技法が
駆使された作品。
白血病を患って死期を
予感したガレが
数点制作し、友人や親戚に
贈ったものの一つと
されている。




ランプ 「ひとよ茸」
同様のものが四つあり、寝室の四隅に配したもの。
サントリー美術館、北澤美術館、ナンシー派美術館に所蔵され、あと一つは行方不明。

小さく短命なひとよ茸の
成長過程を3段階に分けて
巨大化し当時最先端の家具
であったランプに仕立てた
ガレ晩年の大作。
朽木を糧に成長し
笠が開いたかと思うと
一晩で溶け落ち
再び土へ帰っていく
ひとよ茸に
ガレは自然の摂理、輪廻
の世界を託したのだろう。




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没後120年 エミール・ガレ

2025-03-08 07:23:55 | 芸術鑑賞・文学・音楽・映画など
サントリー美術館
2月15日(土)〜4月13日(日)



コンポート




花器 「鯉」
北斎に影響されたと言われる作品




花器「バッタ」




香水瓶  「女神」
ロイヤルブルーが美しい✨




花器 「マグノリア」
1889年パリ万博に出品
エナメル絵付けは、花器な内外の双方から施され、絶妙なニュアンスを醸し出している。


 

花器 「ジャンヌ・ダルク」
1889年





蓋付杯「アモール派黒い蝶を追う」
1889年
黒色はヨーロッパ工芸ではこれまで積極的に取り入れられてこなかった。ガレはこの黒色で、悲しみや生と死、闇、仄暗さを表現し、独自の世界を作った。





花器「好かれる心配」1889年

ガレのパトロンの一人
フーロン・ド・ヴォー伯爵家
旧蔵とされる花器。
飛び立つ蜻蛉を見上げる
カエルの背後に
「好かれるための気遣い」
との文字が
また基底部には
「それが私の気がかり」
との線彫りがある。
好かれるかを案ずるカエルは
ガレ自身の象徴との説もある。




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