世田谷に空き家5万戸の衝撃 2割以上が市場に流通せず

2020年09月28日 12時08分14秒 | 事件・事故

9/28(月) 9:04配信

朝日新聞デジタル

空き家を改修してオープンしたシェアスペース「せんつく」。屋根や柱、ふすまなど以前のままの姿を残している=東京都足立区千住寿町

 全国で問題となっている空き家。国の推計によると東京都内にも約81万戸あり、その7割は23区内にある。過疎化とは縁遠い首都圏でも高齢化でさらに空き家の増加が懸念される中、利活用につなげる取り組みもある。(国米あなんだ)

【写真】「JECT ONE」が改装している空き家内を案内する竹内麻実さん。1階部分には飲食店が入る=東京都世田谷区祖師谷3丁目


 高級住宅街として知られる田園調布に近い世田谷区内の住宅地。最寄りの東急奥沢駅から10分ほど歩くと、雨戸が閉まり、庭の草木が伸び放題の戸建て住宅があった。外観は古くもないが、長く人が訪れていないようだ。

 不動産会社「JECT(ジェクト) ONE(ワン)」の空き家活用プランナーの竹内麻実さん(31)は敷地の外から庭や住宅の状況を確認し、「空き家のようですね」。周りを少し歩くと、ほかにもツタなどの植物で玄関や全体が覆われた木造のアパートや戸建てがあった。

 この地域は世田谷区の2016、17年度の調査で空き家密度が高いとされ、65歳以上のみの世帯が多く、区内でも高齢化が特に進んでいる。不動産価値が高く、若年層の家族は簡単には手を出せないことや、戸建て中心の低層の住宅街に保つため、都市計画で建物の高さに制限が定められ、不動産業者もマンション開発などに、慎重になりがちな点も、空き家の多さに影響しているという。

 総務省の18年の住宅・土地統計調査(抽出調査)によると、都内の空き家は全住宅の約1割にあたる80万9900戸だった。都の空き家率は10・6%で全国平均(13・6%)を下回る一方、その数は突出している。

 人口92万人を抱える世田谷区の空き家は5万戸で都内で最多だ。うち賃貸や売却向けなどを除いた、市場に流通していない「その他の住宅」に分類される空き家が約1万2千戸に上る。

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「ウイルスの世紀」――なぜ繰り返し出現するのか

2020年09月28日 11時45分03秒 | 社会・文化・政治・経済

ウイルスの世紀

著者
山内一也

20世紀後半以降、人間社会に次々に出現するようになった新たなウイルスを「エマージングウイルス」という。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)もその一つである。
新型コロナウイルスにおいて起きたことは、他のエマージングウイルスにおいてすでに起きていた。感染者と共に大西洋を渡ったラッサウイルス。宿主であるコウモリからほかの動物を介してヒトに伝播したニパウイルス。院内感染がクラスターとなったエボラウイルス。憶測が差別につながったハンタウイルス。そして、SARS・MERSウイルスの出現は、コロナウイルスのグループからさらに新たなウイルスが出現する可能性があることを示唆していた。
人類は、ウイルスの発見以来、ワクチンや治療薬、分離・判定技術、情報網などの対抗手段を急速に発展させてきた。しかしその一方で、人間社会の発展そのものが新たなウイルスの出現を促し、感染を加速させているという見方もできる。動物やヒトが密集し、短時間に長距離を移動できるようになったことにより、ウイルスと新たな宿主が出会う機会は急増し続けている。
エマージングウイルスの10の事例を通じてウイルスと人間社会の関係を俯瞰し、今後も新たなウイルスが繰り返し社会に現れうることを警告する書。

目次


プロローグ

1章 ウイルスとは何者か
1 割り切れない不思議な存在
2 不器用なウイルスと器用なウイルス
3 なぜ、どのように病気が起きるのか
4 発見までの道のり
5 研究手段の変遷

2章 エマージングウイルスの系譜
1 人獣共通感染症とエマージング感染症
2 マールブルグ病
3 ラッサ熱
4 エボラ出血熱
5 ハンタウイルス病
6 ヘンドラウイルス病
7 ニパウイルス脳炎
8 ウエストナイル熱
9 エマージング感染症はなぜ繰り返し現れるのか

3章 新型コロナウイルス
1 コロナウイルスの特徴
2 最初のコロナウイルスの発見
3 重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス
4 中東呼吸器症候群(MERS)ウイルス
5 「次の新型コロナウイルス」に備える
6 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の出現

4章 人類はどのような手段を持っているのか
1 ワクチン
2 治療薬
3 公衆衛生対策
4 「ワンヘルス」にもとづく発生監視

5章 ウイルスとともに生きる
1 バイオハザード対策の発展史
2 高度隔離施設の現場へ
3 病原体の管理基準
4 根絶の時代から共生の時代へ

あとがき
主要文献
索引

著訳者略歴

山内一也

やまのうち・かずや

1931年、神奈川県生まれ。東京大学農学部獣医畜産学科卒業。農学博士。北里研究所所員、国立予防衛生研究所室長、東京大学医科学研究所教授、日本生物科学研究所主任研究員を経て、東京大学名誉教授、日本ウイルス学会名誉会員、ベルギー・リエージュ大学名誉博士。専門はウイルス学。主な著書に『エマージングウイルスの世紀』(河出書房新社、1997)『ウイルスと人間』(岩波書店、2005)『史上最大の伝染病 牛疫 根絶までの四〇〇〇年』(岩波書店、2009)『ウイルスと地球生命』(岩波書店、2012)『近代医学の先駆者――ハンターとジェンナー』(岩波書店、2015)『はしかの脅威と驚異』(岩波書店、2017)『ウイルス・ルネッサンス』(東京化学同人、2017)『ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在』(みすず書房、2018)『ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか』(みすず書房、2020)など、主な訳書にアマンダ・ケイ・マクヴェティ『牛疫――兵器化され、根絶されたウイルス』(みすず書房、2020)、主な監訳書にエド・レジス『悪魔の生物学――日米英・秘密生物兵器計画の真実』(柴田京子訳、河出書房新社、2001)などがある。

エボラから新型コロナまで、数々の事例で人類とウイルスの関係を俯瞰!

 

著者の前著「ウイルスの意味論」に引き続き中身が濃く、読み応えがある内容でした。
前著をウイルスについての総論とすると、本著は実務的各論と言っても良い内容で、各種ウイルス性疾患の来歴、発症メカニズム、臨床症状や治療の要点まで具体的に述べられているところもあり、一般の人達はもちろん臨床家や医療スタッフにとっても有益な情報が含まれていると思います。
著者のようなこの道の実務経験が豊富で、国際的にも著名な真の専門家が存在していたのに、我が国の感染症に対する対応が不統一で機動性に乏しいのはなぜなのか、感染症対策に必要な基本的な仕組みを国と地方が一体となって改善してきていない現状を非常に不思議、かつ残念に思っています。
多くの国民の耳目が相も変わらず聞こえの良い先端医療面にばかり誘導され、基礎的なことの地道な積み上げがないがしろにされているという制度や教育訓練などの問題点を未来に向かってこんどこそ見直す必要があると思います。
このことは、今回のコロナ禍においてマスメディアが利用した専門家と称する人達の、病原微生物知識と対応策についてのあやふやな解説が安易に流布されたことにより、それに翻弄され不安にかられた人達の言動と社会活動の異常反応を思い起こせば、理解してもらえると思います。
このような現象は、公衆衛生の観点から非常に危険な状態をまねくだけではなく、延いては国力の弱体化につながるということは世界の歴史が物語っています。
言うなれば、感染症対策すなわち公衆衛生体制の拡充は国防の重要課題となるのであって、それが不十分であれば社会の安全性が損なわれ、前向きな社会活動や国際交流がままならなくなるということは疫病が世界史に与えてきた数多くの影響を知れば十分に分かるはずです。
今回のコロナ禍で多くの皆さんは、不安と不自由を通してこの問題点を理解されたはずですので、各界のリーダーは病原微生物に対する新しい知識と統一された対応策を、やさしく、くわしく広め、科学的に根拠のある清潔策と、それを維持向上させるための真の基準とルールづくりにあらためて取り組み、拡充されることを願ってやみません。
そのためにも、少しでも多くの人達がこのような本を素直に読まれて、自分自身と社会の保健衛生レベルを向上のために役立ててもらうと良いと思って、あえて論評させてもらう次第です。
 
 

 


阪神の好守連発はチームが一体になった表れ 西山秀二氏が指摘

2020年09月28日 11時37分57秒 | 野球

9/28(月) 9:00配信

デイリースポーツ

 2回、エスコバーの打球を好捕する近本

 「ヤクルト3-9阪神」(27日、神宮球場)

 新型コロナウイルス感染者が出て厳しい状況の中、阪神の北條や近本、サンズの守備は、みんなで何とかしようという思いが表れたプレーだったように感じた。今いる選手が一体となり、勝ちたいという方向に気持ちが出たことが快勝につながったが、こういうプレーを見せてくれるとファンも感動するはずだ。

【写真】矢野監督と審判の口論で、審判側が謝罪「試合がスムーズに流れなかった」

 首位・巨人とのゲーム差も開き、気持ち的にも難しい。それでもこの日のように必死にプレーしていけば、いい結果が出てくるはず。コロナで離脱した選手が戻ってきた時に、もう一度巨人と勝負をできるように、とにかく踏ん張るしかない。

 好守を見せた近本は、打撃でも走塁でもいいプレーを見せてくれた。初回の打撃ではしつこく粘って右前打を放ち、盗塁も決めた。捕手の視点から見ても、こういう打者は一番嫌なものだ。近本はパンチ力も備えているだけに、私としては来年以降も1番打者としてチームを引っ張っていく存在になってほしいと願っている。

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最新作『半沢直樹 アルルカンと道化師』

2020年09月28日 11時30分36秒 | 社会・文化・政治・経済

 

半沢直樹 アルルカンと道化師-電子書籍
 
 

著者について

池井戸 潤
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。’98年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、2011年『下町ロケット』で直木賞を受賞。主な著書に「半沢直樹」シリーズ、「下町ロケット」シリーズ、「花咲舞」シリーズ、『空飛ぶタイヤ』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『民王』『アキラとあきら』『ノーサイド・ゲーム』などがある。

 

はぁ?美術探偵『半沢直樹』?最新作『半沢直樹 アルルカンと道化師』ドラマ化を妄想、勝手にキャスティング
9/24(木) 17:30配信

QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

新刊の帯に踊る「探偵半沢」の文字、2度見した

どうした半沢? 書店に平積みされた新刊の帯にびっくりした。最新作『半沢直樹 アルルカンと道化師』は、ドラマ版第1シーズン(2013年)の前日譚、これまでで一番若い半沢が主人公だ。毎回視聴率20%を軽く超えてくる大人気ドラマの第2シーズンは、日曜日(27日)に最終回を迎える。『半沢直樹』大好きライター・さわだが、このタイミングで現れた「探偵半沢」を読み解き、ドラマ続編を夢見る。

【画像】2013年に放送されたドラマ『半沢直樹』(原作『オレたちバブル入行組』など)の前、これは若いにゃおきよ!
あらすじ・内容
★★★「半沢直樹」シリーズ6年ぶりとなる待望の最新作!★★★

***

東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとにとある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版社・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とは――。

***

探偵半沢が絵画に込められた謎を解く、江戸川乱歩賞出身の池井戸潤、真骨頂ミステリー!
『半沢直樹1 オレたちバブル入行組』の前日譚となるシリーズ原点にして、「やられたら、倍返し!」
あの突き上げる爽快感とともに、明かされる真実に胸が熱くなる、
7月19日放送開始ドラマ「半沢直樹」シリーズ待望の最新原作小説が、ついに登場。
(C)Jun Ikeido/講談社

 

 

今テレビドラマで話題の半沢直樹ですが
本の方でシリーズ最新作
「アルルカンと道化師」が9/17に発売。
早速読みましたがめちゃおもしろかった!

これシリーズ最高傑作では?!

ネタバレなしで感想書くので
漠然とした感想なんですけど
単なる銀行組織内構想と
融資先の悲哀みたいな
典型的パターンを超えて
物語に深みがあるというか
複層的にいろんな物語が
組み込まれていてめちゃおもしろいです!

もちろん倍返しの楽しみもあるはず!

ぜひ読んでみてください。
めちゃおもしろいですから!

ちなみに半沢直樹の本も
ドラマもみてない人でも
本作単体でも十分おもしろいはず!

 

 

前作『銀翼のイカロス』が出てからはや7年ですか、ずいぶん長いこと待った気がします。
もはや過去の実績から、行内では押しも押されぬポジションになったであろう半沢を、
どのように作中では扱うのか、心配半分楽しみ半分でしたが、
どうやら時系列的には『俺たちバブル入行組』で入行後から本編開始の間に起った出来事のようです。
そのため、なつかしの浅野支店長や小木曽が出てきますし、中野渡頭取もまだ頭取になる前です。

肝心の本編といいますと、過去作よりさらに人情に寄った話が展開されていきます。
ミステリ要素もあって、ちょっと新鮮でした。
今までと違う点は、あとがきから推測するに、おそらくモデルになった具体的な企業や事件が無いことでしょうか。
そのためフィクション色が強い感がしますが、十分に面白いです。

しかしこれを映像化するなら、キャストがこれ以上老ける前にしないといけませんね。
そこは少し心配です。

 

今回も一気読みでした。中盤あたりで自分が予想していた方向と違う結末で、池井戸さんの相変わらずの巧みなストーリーに満足感がありました。
私も銀行員ですから、銀行独特の雰囲気が読んでいても良くわかります。そうだよね〜って感じで。さすがに半沢ほどの奴はいませんし、中野渡さんや人事の杉田さんのような芯の通った役員や本部部長連中も悲しいかなうちの銀行にはいないかな(笑)
池井戸さんの作品は私と同世代ということもあり、デビュー作から完読しています。
TVドラマでも大変な人気のようですが、個人的には文章を読みながら自分が思い浮かべる人物像とドラマの俳優たちとのギャップが激しくて私は一度も見たことがありませんね😁

 

他の方のレビューを見ると、やはり大ファンが多いようですね。
私も池井戸さんの小説は全作品読んでます。
「銀翼」などははっきりとドラマの役者をイメージして書かれているので
読者へのサービスが過剰ではないかと感じたのですが、
この作品には黒崎検査官も大和田常務も登場せず、かなり真面目な内容になってると思います。
私にとっては1・2作目には及ばないけど、3・4作目よりは良いという感じかな。
半沢シリーズなので当然ながら猟奇性などは全く無いのですが、
なんとなく数年前に読んだ「BT'63」の悲しい愛の物語に近い印象を覚えました。
とにかく、どの作品を読んでも池井戸さんに失望させられることはありません。
あまり良い表現ではありませんが、超一流の娯楽小説作家だと思います。

 

池井戸作品は全て読んでいる中での感想です。半沢シリーズで推理要素が強いとの触れ込みでしたが謎も謎解きもありません。最初から黒幕がわかる普通の展開です。江戸川乱歩賞の頃の作品を期待してしまったので、少しガッカリでした。それなりに楽しめますが、黒幕への仕返し?も弱い感じで、ストーリー含めて半沢シリーズでは一番の駄作だと思いました。帯に「探偵半沢、絵画の謎に挑む」と書いて無かったらそうは思わなかったかもしれませんけど。
複雑なストーリーでは無い、読みやすい娯楽小説ですね。

 

時系列的にはシリーズ第1作『オレたちバブル入行組』の前日譚にあたる作品ということで、このシリーズを全て読んでいたので、迷わず購入しました。語弊があるかもしれませんが、半沢らしいワンパターンの展開で、読み終えてスカッとする気持ちにさせてくれました。ただドラマの影響か、半沢の「倍返し」に物足りなさを感じてしまいますが、ドラマと作品を比べることはお門違いであるし、それも半沢作品の時系列を捉えたものなのかなと個人的に感じました。今回も、とても面白く、一気に読ませていただきました。池井戸潤さんの今後の作品に期待しています。

 

約6年ぶりでしょうか?待ちに待ってました!今回は大阪西支店での融資案件をめぐって物語が展開されます。浅野支店長とか出てきて新鮮でした。いつもの倍返しも痛快でしたが、半沢を助ける取引先会長がしたためた信書や支店の仲間の熱い思いは泣けるなー。信念がなければいい仕事はできませんね。テレビ放送とは一味違ったテイストでよかったです❗

 

作品のすばらしさは言うまでもなく、一日で読破していまう内容です。

ただ、映像化は私なりに以下の3点の理由から難しいのでは?と思います。


2013年当時よりキャストも老けていきます。大阪西支店に赴任した直後の事件ですから、映像化すると2013年版よりスタッフの大半が老けてて整合性はまるでとれない。


この本の時代設定は2000年から2002年ごろで、1980年頃の内容も多分に組み込んでいる。原作の時系列に忠実に映像化するのは困難だろうし、時系列を現代に設定したりすると、原作の良さが失われそう。


何より絵画。これこそ映像制作するなら、製作費が膨大になりそう。

 

 

 

 

 

 


半沢直樹原作の池井戸潤氏 「深く考えず、組織に従順」銀行員のリアルを語る

2020年09月28日 11時16分19秒 | 社会・文化・政治・経済

9/27(日) 17:10配信

NIKKEI STYLE
作家 池井戸潤氏

大阪の零細企業の
再建に奔走するバンカー
半沢直樹の新たな物語
           □   □   □
――数多くの人気作品で知られる作家の池井戸潤さんの最新作は『半沢直樹 アルルカンと道化師』。東京中央銀行という巨大組織に勤める半沢直樹が、理不尽な上司や組織の論理に立ち向かう大人気シリーズの第5作です。本作の舞台は2000年代初め。第1作『オレたちバブル入行組』の前という時代設定にした理由は?

半沢シリーズは2作目まで融資現場を舞台に描いていましたが、3作目『ロスジェネの逆襲』はIT企業の買収、4作目『銀翼のイカロス』では航空会社の立て直しをめぐっての国との対立と、話が大きくなり過ぎたという反省がありました。読者からすると、浮世離れした話になっていたのではないかと。そこでこの作品は、もっと読者にとって身近で、共感できるものにしたいと思いました。

その観点で「半沢年表」を見ながら色々と検討したところ、第1作の前、つまり大阪西支店の融資課長時代の話にするのが一番いいという結論になったのです。物語の舞台を小さく設定したことで、半沢の銀行員としての卑近な戦いや融資先の経営者一族の悲喜こもごも、地域社会の関わり合いや人間模様など、身近な部分に光を当てることができたと思います。

――ストーリーは「アルルカンとピエロ」という1枚の絵画を中心に展開されていきます。着想のきっかけは。

ある編集者がくれた画集をパラパラ見ていた時に、アンドレ・ドランの「アルルカンとピエロ」という絵が目に留まったのです。アルルカンとは、ずる賢くて強欲なイタリアの即興喜劇の登場人物。そのアルルカンと純真なピエロが描かれている絵を見ていたら、「アルルカンと道化師」というタイトルが先に浮かび、この絵をモチーフにしたミステリーが書けるのでは、と思ったのです。しばらくそのまま置いておいたのですが、今回半沢を書くに当たってこの絵のことを思い出し、「これでいこう」と決めました。

――本作で半沢が経営再建に奔走するのは大阪にある美術系の小さな老舗出版社。作中でも美術作品の取引や美術展運営などに関する詳細な描写が多数盛り込まれています。もともとアートに精通していらしたのでしょうか?

美術は好きですが、詳しいわけではありませんでした。執筆に当たっては東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗さんに色々とアドバイスを頂くことで、一定のリアリティーがある物語に仕上げられたと思っています。

――具体的にはどんなアドバイスがありましたか?

例えば、物語に登場する有名画家・仁科譲という人物は東京芸大の出身という設定なのですが、「美大」と書いていたら、「東京芸大出身者やその家族は『美大』とは言わず『芸大』と言います」と指摘されました。他にも「大日本ビールが主催している美術展」と書いたら、「酒類販売会社は主催者になれません」など、勉強になる指摘をたくさん頂きました。僕が美術に詳しいという誤解が生まれたなら、保坂さんのおかげです(笑)。

           □   □   □
書き進めるうちに
物語に命が宿り動き出す
その勢いを大事にしたい
           □   □   □
――1枚の絵に秘められたミステリーや、不条理を突き付けてくる銀行の上層部と半沢の対決、意外性に満ちたエンディングと、今回も息もつかせぬストーリー展開を楽しませていただきました。物語のプロットはどのぐらい固めて執筆されるのでしょうか。

しっかりしたプロットをつくることはしません。ゆるゆる、「こんな感じかな」というぐらい。そもそも書き始める時に600枚ぐらい先のことが予測できるかというとそれは無理で、仮にその通り進んだとしたらそれは駄目な作品だと思います。小説は、登場人物のたった一言で話がガラッと変わってくるもの。書き進めるうちに物語に生命が宿り、化学変化がどんどん起きていく。その勢いを大事にして書くことが、すごく重要だと思っています。


シリーズの話題作

――半沢直樹シリーズは小説のみならず、コミック、そしてドラマでも多くのファンの支持を集めています。この夏7年ぶりに制作されたテレビドラマ「半沢直樹」も大きな話題になりました。池井戸さんもドラマ制作に関わられたのでしょうか。

脚本以外は関わっていません。原作とドラマは別もので、僕は部外者です。キャストに口出しすることは一切ありませんし、脚本についても意見を求められなければ何も言いません。制作サイドには、自由にストーリーを変えてもらっていいと伝えています。

――ドラマは初回から20%超の視聴率が続く大ヒット。半沢役の堺雅人さんをはじめ、半沢と反目し合う大和田役の香川照之さん、伊佐山役の市川猿之助さんらの演技も話題になりました。

舞台出身の役者さんの底力を見せつけられました。まさに「芸達者」な役者さんたちの力がテレビドラマでも発揮された。ドラマ半沢直樹が本家本元の「顔芸」もすごい迫力で、視聴者を大いに楽しませてくれたと思います。

伊佐山といえば面白い話がありました。昔僕が勤めていたメガバンクの人たちと食事をしていた時に伊佐山の話が出て、僕が「あれはやり過ぎかな」と言ったら、その中の一人が、「いや、最近ああいう人いるんだよ、俺知ってるもん」と。驚きましたよ、あんなのが本当にいるんだ!と(笑)。

絶対にいないとは言い切れない、もしかしたらいるかもしれないと思えるギリギリのラインのキャラクターが、見る人を引き付けるのかもしれません。

――長引く超低金利や急速なIT化で、銀行経営をめぐる環境は激変しています。本作で半沢が組織の上層部と戦いを繰り広げたのは21世紀初めですが、当時から銀行という組織や働く人の意識は変わりつつあるのでしょうか。

あまり変わっていないと思いますね。少なくとも僕が知っている限りでは、「組織風土を変えなくては」という危機感を持っている人や、何か自分で行動を起こそうとしている人は見当たりません。特に大銀行には、何事もあまり深く考えず、組織に従っていようとする風土があるように思います。

先日ある銀行の労働組合に呼ばれてそんな話を言いたい放題したのですが、社員からたくさんの反応をもらいました。反論ではなく、「その通りだ、自分は今まで何も考えてなかった」といった声ばかり。素直な反応が返ってくるのもまた、いかにも銀行だな、と感じました。

――今年は春以降、コロナ禍で大変な状況が続きましたが、どのように過ごされていましたか?

昼間はひたすらこの作品を書いていました。集中して書き続けたおかげで、2カ月で書き上げることができました。夜は連日、なじみの店の営業支援。今日はあの店、明日はこの店と順繰りに回っていました。

コロナ禍で改めて、パンデミックによる経済的な影響の大きさを実感しました。小説には以前から「パンデミックもの」はありましたが、経済の観点から書かれたことはなかった。現実と小説の観点の差のようなものを感じました。

――日本のビジネスやサービスも、新型コロナをきっかけに大きく変わろうとしています。

飲食や観光、その他の業界も、大きく変わっていかざるを得ないでしょうね。そのためにはITの活用が必要不可欠ですが、日本はIT活用に関する考え方自体がものすごく遅れています。学校教育や行政手続きを見ても、他の先進国とあまりにレベルが違う。旧態依然とした状況に危機感を持っています。

――当たり前だった日常がコロナ禍で奪われる中で、小説やドラマなどのエンタメ作品から力をもらった人も多かったと思います。困難が多い時代にエンタメが果たす役割をどう捉えていますか?

そこは何とも言えないですね。エンタメはなくても困らないものですし、コロナで仕事や暮らしが厳しくなってエンタメどころではないという人もたくさんいるでしょう。今発信して、どのぐらいの人に作品が届いてくれるのか、不安に感じるところも正直あります。

でも、半沢直樹シリーズは明るくて前向きなエンタメ作品ですから、つらい状況にいる人にこそ読んでもらいたいと思います。半沢が世の不条理や横暴な上司、小悪党に毅然と立ち向かい、言いたかったこと、やりたかったことをやってくれますから。でも決して、まねはしないでくださいね(笑)。

 

『半沢直樹 アルルカンと道化師』

半沢直樹 アルルカンと道化師-電子書籍

池井戸潤著/講談社/1600円(税別) 東京中央銀行大阪西支店で融資課長を務める半沢直樹は、取引先の美術系の老舗出版社が、あるIT企業による買収のターゲットになっていることを知る。大阪営業本部による強引な買収工作に不信感を募らす半沢だったが、やがて背後に潜む秘密の存在に気付く――。バンカーとしての正義を貫く半沢の奮闘を描く、「半沢直樹」シリーズの第5作。

いけいど・じゅん

1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学卒。98年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』で直木賞を受賞。主な著書に「半沢直樹」シリーズ、「下町ロケット」シリーズ、「花咲舞」シリーズ、『空飛ぶタイヤ』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『民王』『アキラとあきら』『ノーサイド・ゲーム』などがある。最新刊は『半沢直樹 アルルカンと道化師』で、9月17日発売。            ◇   ◇   ◇ 撮影/工藤朋子 取材・文/佐藤珠希 [日経マネー2020年11月号の記事を再構成]

NIKKEI STYLE

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《竹内結子さん逝去》「いったい、どうして…」家族、関係者も呆然。何が動機だったのか。

2020年09月28日 10時47分13秒 | 事件・事故

9/28(月) 6:01配信

文春オンライン

竹内結子さん ©時事通信社

 9月27日未明、俳優の竹内結子さん(40)が亡くなった。状況から、警視庁は自殺とみている。多くの作品に出演した人気女優の早すぎる訃報に、驚きの声が広がっている。

【画像】40歳の死…竹内結子さんの画像を全部見る

「週刊文春」の記者時代に竹内さんを取材したジャーナリストの中村竜太郎氏は、「家族仲がよく、出演作も途切れず、順風満帆に見えていた。なぜ自ら命を絶たねばならなかったか…」と語る。中村氏が語る取材のエピソードから浮かび上がるのは、芯の強い竹内さんの姿だった。

(構成:文春オンライン編集部)

 

◆◆◆

前日も普段と変わらない様子
 竹内結子さんの訃報に接したとき、思わず耳を疑いました。27日午前2時ごろ、夫で俳優の中林大樹(たいき)さん(35)が、東京・渋谷区の自室のクローゼットで首を吊ってぐったりしていた竹内さんを発見したそうです。駆け付けた消防署員らによって、病院へ救急搬送されたものの、死亡が確認されました。

 命を絶った理由を書いた遺書などはありませんでした。大樹さんも「ふだんと変わらない様子で、思い当たることはない」と憔悴した様子で語っているそうです。竹内さんの所属事務所のスターダストプロモーションも「社員は驚きと悲しみで呆然としております」とコメントを出しました。前日、26日の夜も、竹内さんと大樹さん、そしてお子さん2人の家族4人で夕食をとり、いつも通りに過ごしていました。

 竹内さんは2005年6月、25歳のときに、映画『いま、会いにゆきます』で共演した歌舞伎俳優の中村獅童さん(48)と結婚します。同じ年に長男を出産しますが、獅童さんの不倫疑惑が持ち上がりました。2006年、獅童さんが酒気帯び運転で検挙された際、車内の助手席に、竹内さんではない女性が乗っていたのです。発覚後すぐに竹内さんは、1歳にならない息子とともに家を出ました。獅童さんとの間で長男の親権を争い、ようやく2008年に獅童さんとの離婚が成立します。親権を得た結子さんは、シングルマザーとしてお子さんを育てることになりました。

毎朝6時にお弁当を
 このことからも分かるように、竹内さんは非常に芯が強い女性です。彼女は自ら、“おいしいものを食べて、よく寝て、くよくよ悩まない”ことがモットーの、ポジティブな女性だと語っています。

 実は、独身時代は、あまり家事や整理整頓が得意ではなかったようです。それでも、結婚してからは仕事と家庭を完璧に両立させ、息子が生まれた後は、毎朝6時に起きてお弁当を作るなど、子どもとの生活を大切にしていました。また、月に10万円近い個人経営の塾に通わせるなど、教育にも力を入れていました。そのかいもあり、長男は有名私立中学に見事合格しました。

 そして、2010年にはスペシャルドラマ「ストロベリーナイト」、2014年には三谷幸喜作・演出の「君となら」で舞台に初挑戦します。さらに2018年HuluとHBOアジアの初の国際共同製作ドラマ「ミス・シャーロック」で女性版シャーロック・ホームズを演じるなど、女優としてのキャリアを重ねていきます。

 そんな竹内さんに2019年1月、熱愛が報じられました。お相手は、同じ事務所の後輩で、長身のイケメン俳優の大樹さんです。都内の庶民的な焼き鳥屋のカウンターで、焼酎のロックを飲みながらのカジュアルなデートを楽しんでいました。竹内さんと大樹さんは、2009年の「ジェネラル・ルージュの凱旋」や、2016年の「残穢―住んではいけない部屋―」の映画で共演しています。報道直後の2019年2月27日に2人は結婚します。この再婚には、当時13歳だった長男の後押しもありました。再婚を伝える書面で竹内さんは、「将来を話し合う中で、『3人一緒になればこれから楽しくなるね』と息子が背中を押してくれたこともあり、このような運びとなりました」と綴っています。

 今年1月には、第2子の男の子を出産します。家族仲は大変良いと聞いています。9月には女性誌「LEE」のインタビューで、コロナ禍を受けて、「今回、たっぷり時間があって家族と向き合って、自分の人生をもう少し大事にしてもいいんじゃないかなと思えました」と、私生活も前向きに歩みたいという気持ちを

語っています。

産後うつ報道も憶測の域を出ず…
 また、経済的にも恵まれていました。現在では化粧品や食品CMなど、複数のスポンサーがつき、年収は億単位でしょう。大樹さんのご実家も製薬会社を経営しており、裕福です。コロナ禍でも、当面の生活に困るということはなかったはずです。

 ですから、竹内さんが自殺する理由が分からず、謎は深まるばかりです。一部では産後うつでは、という報道もありましたが、そういった診断があるわけではなく、憶測の域を出ません。

 コロナ禍以降、芸能人の訃報が相次いでいます。今年7月には三浦春馬さん(享年30)、今月14日には芦名星さん(享年36)、そして今月20日には藤木孝さん(享年80)が自宅で亡くなりました。カウンセリング等のメンタルケアが行き届き、この「連鎖」が一刻も早く止まることを願うばかりです。

【悩みを抱えた時の相談窓口】
「日本いのちの電話」
▽ナビダイヤル「0570-783-556」午前10時~午後10時
▽フリーダイヤル「0120-783-556」毎日:午後4時~午後9時、毎月10日:午前8時~翌日午前8時
 

中村 竜太郎

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「半沢直樹」最終回は32・7% 番組最高で有終の美“大台”30%超えは前作最終回以来7年ぶり快挙

2020年09月28日 10時40分34秒 | 社会・文化・政治・経済

9/28(月) 9:00配信

スポニチアネックス

主演を務める日曜劇場「半沢直樹」の制作発表に出席した堺雅人。7カ月の長丁場となった撮影を完走(C)TBS

 俳優の堺雅人(46)が主演を務めたTBS日曜劇場「半沢直樹」(日曜後9・00)の最終回(第10話)が27日に15分拡大で放送され、平均世帯視聴率は32・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが28日、分かった。第8話(9月13日)の25・6%を大幅7・1ポイント上回り、前回第9話(9月20日)の24・6%からは一気8・1ポイント増で新シリーズの番組最高を更新。有終の美を飾った。NHK・民放を通じた全ドラマのうち、30%の“大台”超えは前作最終回(2013年9月22日)の42・2%以来、7年ぶりの快挙。インターネット全盛時代となったテレビドラマとしては、異次元の数字を叩き出した。

【写真】「感謝の1000倍返し」ポーズを決める堺雅人と香川照之

 同時に自身の持つ「今年ドラマ1位」「令和ドラマ1位」の記録も塗り替えた。社会現象を巻き起こした結果、列島が固唾をのみ、待ち望んだ最終回への注目度が数字に表れた。

 瞬間最高視聴率は午後10時2分の35・8%。半沢(堺)と宿敵・大和田(香川照之)の“ラストバトル”の場面だった。

 初回22・0%、第2話22・1%、第3話23・2%、第4話22・9%、第5話25・5%、第6話24・3%、第7話24・7%、第8話25・6%、第9話24・6%、最終回32・7%%と推移。全話22%以上の高水準をキープした。全10話の期間平均は24・7%。今月6日の代替生放送特番は22・2%。

 NHK・民放を通じた全GP帯(ゴールデン・プライム帯=午後7~11時)連続ドラマのうち、全話20%超えは2014年10月期のテレビ朝日「ドクターX~外科医・大門未知子~」(全11話)以来、約6年ぶり。TBSの連続ドラマの全話20%超えとなると、07年1月期の日曜劇場「華麗なる一族」(全10話)以来、 13年ぶりの快挙となった。

 個人視聴率は第1話13・4%、第2話13・6%、第3話14・1%、第4話14・8%、第5話15・2%、第6話15・0%、第7話15・4%、第8話15・8%、第9話15・0と推移。最終回は21・5%と大台を突破した。全10話の期間平均は15・4%。

 当初は4月19日スタート予定だったが、新型コロナウイルスの影響による撮影中断を挟み、3カ月遅れで待望の幕開け。コロナ禍の列島に勇気を与え続けた。

 13年7月期に放送された前作は、ベストセラー作家・池井戸潤氏(57)の小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」が原作。東京中央銀行のバンカー・半沢(堺)が行内の数々の不正を暴く逆転劇を痛快に描き、視聴者の心をわしづかみにした。最終回の平均視聴率は平成民放ドラマ1位となる42・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークし、社会現象に。決め台詞の「倍返し」は新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。

 7年ぶりの続編となる今作も同じく池井戸氏の小説「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が原作。最終回は、中野渡頭取(北大路欣也)にまで裏切られ、バンカーとしての熱意を失いかけていた半沢(堺)だったが、森山(賀来賢人)と瀬名(尾上松也)に背中を押され、もう一度立ち上がり、闘うことを決意。渡真利(及川光博)と共に紀本常務(段田安則)の居場所を突き止めるが、ある衝撃の事実にたどり着く。しかし、中野渡頭取が債権放棄を認める会見の日は目前。運命の最終決戦。待つのは、バンカーの誇りと正義、そして銀行の未来を懸けた全身全霊の「1000倍返し」か?辞表か?…という展開だった。

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ウィトゲンシュタイン 明確化の哲学

2020年09月28日 09時27分31秒 | 社会・文化・政治・経済

ウィトゲンシュタイン 明確化の哲学

 

こt大谷弘 (著)

つい深く考えることなしに常識や当たり前にとらわれ、
型にはまった考え方をしてしまう私たちに、
ウィトゲンシュタインは別の見かたを差し出し、
言葉を明確にし、明晰に語り、真面目に思考することを求める。
後期ウィトゲンシュタインを深く読み、対話、像、規則の問題、
言語ゲーム、私的言語論などのエッセンスをわかりやすく解きほぐしながら、
知的に誠実であることを貫いたその哲学的思考の営みにふれる、心ゆさぶる入門書。

大谷/弘
1979年京都府生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻博士課程満期退学。博士(文学)。現在、東京女子大学現代教養学部准教授。専門は西洋哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

ルートヴィヒ・ヨーゼフ・ヨーハン・ヴィトゲンシュタイン(独: Ludwig Josef Johann Wittgenstein、1889年4月26日 - 1951年4月29日)は、オーストリア・ウィーン出身の哲学者である。
のちイギリス・ケンブリッジ大学教授となり、イギリス国籍を得た。以後の言語哲学、分析哲学に強い影響を与えた。
『論考』での記号論理学中心、言語間普遍論理想定の哲学に対する姿勢を変え、コミュニケーション行為に重点をずらしてみずからの哲学の再構築に挑むが、結局、これは完成することはなく、癌によりこの世を去る。62歳。
生涯独身であった。なお、こうした再構築の試みをうかがわせる文献として、遺稿となった『哲学探究』がよく挙げられる。そのため、ウィトゲンシュタインの哲学は、初期と後期が分けられ、異なる視点から考察されることも多い。

 

言葉を曖昧にとらえて人と接するとき、時に私たちは他者を傷つけたり、他者の可能性を制限したりしてしまうことがある。
言葉の意味を分析するのは、「自分自身を取り戻す」ことにもなるという。
当たり前だと思われていることに振り回されているだけでは、自分らしく生きることなど到底不可能だからだ。
著者が ウィトゲンシュタインから見出すのは、現場主義である。
ある言葉が使用される現場に目を向けることで、そこで言われている内容をより明確化するということだ。
言い換えるとそれは、この世の中で人間が行っている多様な実践を「よく見る」ことだという。
私たちがよく生きることができないのは、言葉とそれを取り巻く現実をいい加減に見ているかにほかならない。
小川仁志哲学者・山口大学教授

 

ビジネスに役に立つ教養という視点で様々な哲学書を読んでいます。過去何冊かウィトゲンシュタインの入門書に挑戦したのですが、全て挫折しています。この本は、内容は高度ですが、途中挟まれる例や筆者の解釈のおかげで、じっくり読めば、理解が深まり、ビジネスに応用出来る考え方を身につけることができる良書です。

 

①著者のウィトゲンシュタイン理解は、思考の根拠を「明確化」するということだ。その点は納得がいくものだ。
前提1)教師は親と同様である。
前提2)親は休めない。→
結論1)教師は休めない。2)教師は育休を取るべきでない。
以上の前提・結論の根拠を問う。
著者は育休を取得したが、尊敬する先輩教師から「教師は育休を取るべきでない」と助言され、同僚と相談して仕事の負担を軽減し、休まず勤務すべきであると主張した。
②前提1)教師は親と同様であると主張する命題の根拠は何か。
可能性として考えられるのは、親が我が子との関係を断ち切ることが出来ないのと同様に、教師は学生との関係を断ち切ることはできないという意味であろうか。親が我が子に対して親としての関係を断ち切れないと主張しているのであろうと思われる。例えば、親がいかなる状態にあっても自分の子供に異変が生じた場合、無条件に駆け
つけなければならないことから見ても正しいと判断できる。
③二つの前提から、教師と学生の関係は、親と我が子との関係と同じであり、教師にとって学生は我が子と同じであると考える主張なのである。
しかし、ここから大きな疑問が生じる。疑問点1)教師にとって学生は「我が子」と同じではない。他人の子である。ここから教師は学生に対して「我が子」のように接しなければならない義務は生じない。
疑問点2)親と我が子との関係は血縁によって生じた親子関係(肉親関係)であるが、
教師と学生の関係は仕事(職務)上から生じる関係である。
この関係の発生は教師が大学との間に取り結ぶ雇用契約によって生じる関係である。したがって、そこには労働基準法や介護・育児休業法が適用可能である。ここから教師は必要に応じて法的関係の適用を主張できる。
結論:教師は育児休業を取得できる。
こう考えるのが思考の根拠を問うウィトゲンシュタインの思考の根拠の明確化ではないか。
参考になる論点が満載だ。
お勧めの一冊だ。

 

不明瞭なことを明確にする営みとしての哲学という捉え方自体はそれほど特異ではないと思うけれど、規則や心などの具体的な論点でウィトゲンシュタインがそれをどう実践したかを解説して、読者にもそれをうながす本。影響力自体は大きいけれど、哲学としては離れ小島にあるようなウィトゲンシュタインが、実はオーソドックスな哲学をやっていたのだと主張していると受け取った。

 

 


トランプ氏、所得税10年納めず 米紙報道、「フェイク」と否定

2020年09月28日 09時27分31秒 | 社会・文化・政治・経済

9/28(月) 6:46配信

共同通信

【ワシントン共同】米紙ニューヨーク・タイムズは27日、独自に入手した納税資料に基づき、トランプ大統領が当選前の15年間のうち10年間も連邦政府に所得税を納めていなかったと報じた。

大統領に当選した2016年と就任した17年に納めた所得税もそれぞれ750ドル(約7万9千円)だけだったという。節税の結果とみられるが、借金に追われているとの指摘もある。11月の大統領選を前に「成功した不動産王」とのイメージが崩れる可能性が出てきた。

 トランプ氏は記者会見し、報道を「フェイクニュースだ」と真っ正面から否定したが、実際どの程度の納税を行ったのかについては説明を避けた。

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「アベノマスク」の単価は143円 黒塗り非公表の文書で黒塗りし忘れか

2020年09月28日 09時22分46秒 | 社会・文化・政治・経済

立岩陽一郎 | 「インファクト」編集長
9/28(月) 5:36

巨額の税金を投入して1世帯に布製マスク2枚を配るというその政策が議論を呼んだ「アベノマスク」だが、一部の業者からのマスク1枚の価格が143円だったことが、政府が開示した文書で明らかになった。

単価は非公表とされており全て黒塗りになっていてたが、一部で塗り忘れが有ったと見られる。原告らは、価格を非公表にする理由は無くなったとしており、全面的な契約内容の開示を求める。

情報開示は神戸学院大の上脇博之教授が厚生労働省と文部科学省に対して行ったもので、8月27日に開示された文書では、マスクの単価は非公表とされ、該当する記述は全て黒塗りになっていた。

このため、上脇教授はきょう(9月28日)、大阪地方裁判所にマスクの単価の開示を求める訴えを起こすことにしているが、このうちの文部科学省が開示した文書に、「厚労省内に設置されているマスクチームから、業者との交渉により、単価が143円(税込み)になる連絡があり、4月17日に業者より見積書の提出があった」と記されていたことがわかった。

弁護団の谷真介弁護士が開示された文書を精査していて発見した。

文書には、「これに伴い、4月20日付けで変更契約を行うものである」とも書かれており、この契約におけるマスクの単価について文部科学省が厚生労働省に合わせて143円にしたことを伺わせる記述になっている。

一方で、文書では、マスクの総数や単価を示す部分が黒塗りになっているため、谷弁護士は、「黒塗りをし忘れたのではないか」と話している。

上脇教授と弁護団は143円が全てのマスクの価格なのか確認する必要が有るとしており、一部でも金額が明らかになった以上、国がマスクの単価を非公表にする理由は無くなったとして、裁判で全面的な契約内容の開示を求めることにしている。


立岩陽一郎

「インファクト」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクに従事し、政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職。著書に「ファクトチェック最前線」「トランプ報道のフェイクとファクト」「NPOメディアが切り開くジャーナリズム」「トランプ王国の素顔」など。フジテレビ「とくダネ」、毎日放送「ちちんぷいぷい」出演中。


「半沢直樹」最終回 SNS「半沢ロス」一色に!第3弾期待の声も続々 全10話連続世界トレンド1位

2020年09月28日 09時14分57秒 | 社会・文化・政治・経済

9/27(日) 22:07配信

スポニチアネックス

日曜劇場「半沢直樹」最終回。箕部幹事長(柄本明)の不正を暴き“1000倍返し”した半沢(堺雅人)(C)TBS

 俳優の堺雅人(46)が主演を務めたTBS日曜劇場「半沢直樹」(日曜後9・00)は27日、15分拡大で最終回(第10話)を迎え、新シリーズが完結した。主人公・半沢(堺)の「1000倍返し」が炸裂し、前作最終回で半沢が出向を命じられた理由も明らかになるなど伏線を回収。7年ぶりの続編となったが、回を追うごとにストーリー展開とキャストの熱演は濃密さを増し、性別や世代を問わず大反響。社会現象を巻き起こした。この夜は放送中(午後9時20分時点)に「#半沢直樹」が全10話連続となるツイッターの世界トレンド1位。オンエアが終了するや、インターネット上にはドラマ終了を惜しむ声や感謝の声が相次ぎ、瞬く間に「半沢ロス」一色となった。

【写真】「半沢直樹」最終回。半沢に別れを告げる中野渡頭取

 最終回終了1時間後、Yahoo!リアルタイム検索のトレンドは1位「春永」(香川照之がツイッターに書いた言葉)、2位「頭取」、3位「大和田」、4位「白井大臣」、5位「1000倍」、8位「上戸彩」、9位「盆栽」(白井大臣が叩き割る)、10位「ダメ沢直樹」、11位「黒崎」、12位「箕部幹事長」、14位「半沢ロス」、17位「児島」、19位「はなちゃん」と関連ワードが20位以内に13個もランクイン。SNS上を席巻した。

 最終回は、伊勢志摩ステートから箕部幹事長(柄本明)への金の流れが記された決定的証拠は、大和田(香川照之)と中野渡頭取(北大路欣也)の計らいにより箕部の手に戻り、握りつぶされる。怒りに燃えた半沢(堺)は3人に対し「1000倍返し」を誓うも、帝国航空再建プロジェクトから外されてしまう。頭取にまで裏切られ、バンカーとしての熱意を失いかけていた半沢だったが、森山(賀来賢人)と瀬名(尾上松也)に背中を押され、もう一度立ち上がり、闘うことを決意。そして渡真利(及川光博)と共に紀本常務(段田安則)の居場所を突き止めるが、ある衝撃の事実にたどり着く。しかし、中野渡頭取が債権放棄を認める会見の日は目前。運命の最終決戦。待つのは、バンカーの誇りと正義、そして銀行の未来を懸けた全身全霊の1000倍返しか?辞表か?…という展開。

 (※以下、ネタバレ有)

 東京中央銀行は過去の問題融資を発表し、謝罪。生中継された会見で不正を暴かれた箕部は土下座。政治資金規正法違反などで逮捕された。タスクフォースのリーダー・乃原(筒井道隆)は強要罪により弁護士会を退会処分。帝国航空の自力再建は開発投資銀行を中心に行われることに。白井国交相は離党届を提出し、大臣を辞任。無所属議員として再出発した。

 インターネット上には「あー、スカッとした最後の大和田が挑発して半沢の辞表を破り捨てて銀行に残させたのは胸熱だった。半沢の最後の笑みは乗せられたと分かってのことだろうが…早くもロス。新作が待ち遠しい」「大和田取締役の愛で終わりましたね。この2人のやり取りをまだまだ見たい。何年後でもいいので続編を!中野渡頭取むちゃカッコイイし、白井大臣も素敵。何より笠松秘書、大島さん良かったよ!最高のドラマでした」「圧倒的な全10回でした。最終回のMVPは白井大臣だったのでは。半沢につくというのは現実社会ではあり得ない気もするが、箕部の盆栽を叩き壊したのはスカッとしたし、最後の大臣をやめて離党した後のさわやかな表情も印象的でした。最後にやっと素直な笑顔が見れましたね」などの書き込みが続出した。

 「泣けた!中野渡、大和田、半沢3人が涙する白井大臣を前に揃って頭を下げたシーンでウルッと来て、会見場でドアが開いて大和田が入ってきた瞬間、涙腺崩壊…最終回は全員で戦うんだろうとは思ってたが…中野渡頭取の最後の後ろ姿、大和田の最後の最後まで憎まれ口で挑発しながらも、本心は半沢に銀行の未来を託したんだろうなぁって…ケンカ別れのような大和田なりの惜別の最後…ドラマの後半から深い男の信頼、友情、絆みたいなものが伝わってきて、泣けて泣けてどうしようもなかった。半沢直樹最高だった!またいつか帰って来てくれ!」「あの終わり方、半沢直樹パート3確実だね。しばらく半沢ロスになってしまいそうだけど、また次回作があると信じて気長に待つとするよ。最終回、花ちゃん大活躍だったね。思わず涙が流れてしまいました」などと第3弾期待の声も続々。

 「なんだかんだ最後は、半沢と因縁の相手・大和田との2人だけのシーンに。結局はこの2人から始まり、終わるのだという幕の閉じ方に胸が熱くなった。大和田の、退職願を破り、半沢を叱咤激励する姿に泣けた。それと謝罪の言葉は、彼からの、初めての心からの謝罪であったのだと思う。自分の判断に間違いはなかった、と言い切るところは、彼の最後の、バンカーとしてのプライドだったんだろう。いずれにしろ振り返った半沢の笑顔が、すべてを物語っていた。半沢と大和田は最高のパートナーだね。関係者の皆さま、7カ月、本当にお疲れさまでした。コロナ禍の日本に、元気を与えてくれてありがとうございました。感謝と恩返しだ!」などと感謝の声が相次いだ。

 ドラマ側も本編終了後に「みなさん、応援ありがとうございました!」のテロップ。番組公式ツイッターも「皆さん、日曜劇場『半沢直樹』をここまで応援くださいまして、ありがとうございました。コロナ禍で大変な世の中にもかかわらず、多くの皆様にご視聴いただけたこと、大変うれしく思っております。応援いただいた皆さんの御恩に『1000倍の恩返し』の気持ちを込めて。さらば!半沢直樹スタッフ一同」と謝意を表し、別れを告げた。

 今年2月のクランクインから、新型コロナウイルスの影響による中断を挟み、7カ月に及んだ全撮影は24日夜に終了。当初は4月19日に始まる予定だったが、新型コロナウイルスの影響による撮影中断を挟み、3カ月遅れの幕開けとなった。

 2013年7月期に放送された前作は、ベストセラー作家・池井戸潤氏(57)の小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」が原作。東京中央銀行のバンカー・半沢(堺)が行内の数々の不正を暴く逆転劇を痛快に描き、視聴者の心をわしづかみにした。最終回の平均視聴率は平成民放ドラマ1位となる42・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークし、社会現象に。決め台詞の「倍返し」は新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。

 7年ぶりの新シリーズとなった今作も同じく池井戸氏の小説「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が原作。脚本・丑尾健太郎氏ほか、演出・福澤克雄氏ほか。半沢は大和田常務(香川)の不正を暴き“倍返し”したものの、子会社・東京セントラル証券へ出向。IT業界の雄・スパイラルの買収をめぐり、親会社・東京中央銀行との全面戦争に突入した。半沢は大手IT企業・電脳雑伎集団の粉飾を突き止め、銀行の証券営業部長・伊佐山(市川猿之助)らに“倍返し”。銀行本店に返り咲いた。それも束の間、今度は破綻寸前の巨大航空会社・帝国航空の経営再建を任され、国家権力という巨大な敵と闘うことになった。

 新シリーズ全10話は動画配信サービス「Paravi(パラビ)」が有料配信。無料見逃し配信サービスを行う民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」「TBSFREE」は最終回を無料配信(1週間限定)。

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40代の中学校教員があおり運転 女性の車に距離詰めて追走、執拗にクラクション

2020年09月28日 09時05分05秒 | 事件・事故

9/28(月) 5:30配信

神戸新聞NEXT

 兵庫県姫路市内で車を運転し、別の車に執拗(しつよう)にクラクションを鳴らしたり、2、3メートルの距離まで詰めて追走したりしたとして、兵庫県警交通指導課と姫路署が近く、道交法違反(あおり運転)の疑いで40代の中学校教員の男性=姫路市=を書類送検する方針を固めたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。あおり運転を厳罰化した6月30日の改正道交法施行後、兵庫県内での適用は初めて。

【写真】酒気帯び?レーサー レース直前にパトカーと“一戦”

 男性は7月8日夕、姫路市内の県道で、30代の女性が運転する車を妨害した疑いが持たれている。

 捜査関係者によると、信号のない交差点で、脇道から県道に入ろうとしていた男性の車の前方が県道に出過ぎていたため、県道を走っていた車の女性がクラクションを1回鳴らした。すると、男性は女性の車に対してクラクションを執拗に鳴らしたり、距離を詰めて追いかけたり、無理な追い越しを繰り返したりしたという。

 女性からの届け出を受けた県警がドライブレコーダーや周辺の防犯カメラの映像を解析。男性が約340メートルにわたってあおり運転していたことを裏付けた。

 改正道交法ではあおり運転を「妨害運転」と規定し、他の車の通行を妨げる目的での逆走、急ブレーキ、急な車線変更など10行為を違反の対象とする。罰則は最高で5年以下の懲役または100万円以下の罰金。免許は即取り消しとなり、再取得できない「欠格期間」は最大3年に設定されている。

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お金を何に使うのか

2020年09月28日 07時05分54秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽「変わることがなければ、成長することもない」
ビル・ゲイツ
パソコンは、人々の仕事と暮らしを劇的に変えた。
マイクロソフトは変化することで、世界屈指の企業として成長した。
変化を先取りし、恐れず挑戦することで勝ち得た成果であろう。
慈善基金の財団を創設したビル・ゲイツは、<お金を何に使うのか>を示したとも言える。
▽「創造とは結びつけること」スティーブ・ジョブス
仏教には「初心」という言葉があるそうです。初心をもっているのは、すばらしいことだ。
何を捨てるかで誇りが問われ、何を守るかで愛情が問われる。
知ってると思いますが、私たちは自分たちの食べる食べ物のほとんどを作ってはいません。私たちは他人の作った服を着て、他人のつくった言葉をしゃべり、他人が創造した数学を使っています。何が言いたいかというと、私たちは常に何かを受け取っているということです。そしてその人間の経験と知識の泉に何かをお返しができるようなものを作るのは、すばらしい気分です。
すぐれた仕事ができないのは、そう期待されていないからだ。


続く著名人の自殺、精神科医「安易な推測、連鎖を助長」

2020年09月28日 07時05分54秒 | 事件・事故

9/27(日) 20:30配信

朝日新聞デジタル

多くのテレビドラマや映画などで活躍していた俳優の竹内結子さん(40)が27日、死亡した。現場の状況から、警視庁は自殺とみて調べている。

 7月には俳優の三浦春馬さん(30)が亡くなり、一線で活躍する芸能人の自殺とみられる事例が続く。

 精神科医で日本自殺予防学会の張(ちょう)賢徳(よしのり)理事長は「著名人の自殺を知った人が『あの人でもつらいことがあれば自殺するんだ』という心境になり、自殺を選ばせてしまう可能性がある」と指摘する。一般的に自殺に至るケースの多くは精神医学的に何らかの病名の診断ができるという。「治療を受ければ防げる例は多い。少しでも不安を感じたら、医療機関や自治体の窓口など専門家に相談してほしい」

 周囲に悩む人がいる場合は「調子はどう?」などと連絡をとり、悩みを聞き出してあげることが有効だという。SNS上では著名人の死やその原因をめぐる書き込みも多いが、「安易な原因の推測は悩んでいる人を刺激して連鎖を助長するリスクがあり、控えるべきだ」と張氏は呼びかける。

 大阪を拠点に電話相談を受ける「関西いのちの電話」の担当者によると、過去には著名人の自殺報道後、相談者がその話題を持ち出す事例が増えたことがあった。今春以降はコロナ禍でさらに苦しい状況になったとの相談も増えた。担当者は「傾聴が私たちの役割で、話して楽になった人たちもいるから電話してきてほしい」と話す。

 厚生労働省によると、2019年の自殺者は過去最少の2万169人。最も多かった03年の3万4427人から約4割減った。ただ、警察庁の統計では、今年8月の自殺者は1849人で、前年同月比で246人増えている。


     ◇

主な相談先は以下の通り。

○自殺予防いのちの電話

フリーダイヤル0120・783・556(毎日午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌午前8時)

○よりそいホットライン

フリーダイヤル0120・279・338(24時間、IP電話などからは050・3655・0279)

○こころのほっとチャット

LINE、ツイッター、フェイスブック@kokorohotchat(毎日正午~午後4時、午後5時~9時※受付は1時間前まで)

 

朝日新聞社

 

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コロナの<トンネル>の先にどんな景色を展望するのか

2020年09月28日 06時54分05秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽「正義の目標にすすむ」一歩一歩は、犠牲と苦痛との闘い。
この事業に一身をささげる一人一人の疲れを知らぬ努力と情熱的な関心を、正義は求めてもいる。
▽この世界を、確実に、そして永続的に変えていける源泉と可能性は、私たち人間一人一人の生命の中にこそ見いだすべきだ。
▽自己の中に他者の痛み・苦いみへの意識を培う。
「他者への自覚」こそが、「問答無用のテロリズム」をこの世から駆逐する方途である。
▽人種間対立を超えた「精神性の高み」へと導いたのは、実に人間の全人格的性を開花させる「教育」の力である。
▽人の痛みを、自分のものとして同苦し、思いをはせていく。
▽やるべきことを地道に。
コロナの<トンネル>の先にどんな景色を展望するのか。