12月6日午前3時15分からCSテレビのムービープラスで観た。
解説
「エル・シド」のベン・バーズマン、バシリオ・フランチナ、フィリップ・ヨーダンのシナリオを「エル・シド」のアンソニー・マンが演出した歴史スペクタクルドラマ。
撮影は「エル・シド」のロバート・クラスカー、音楽は「北京の55日」のディミトリ・ティオムキンが担当した。製作は「北京の55日」のサミュエル・ブロンストン。
出演は「エル・シド」のソフィア・ローレン、「ジャンボ」のスティーブン・ボイド、「アラビアのロレンス」のアレック・ギネス、「潜水艦ベターソン」のジェームズ・メイスン、「女優志願」のクリストファー・プラマー、「アラビアのロレンス」のアンソニー・クェイル、「北京の55日」のジョン・アイアランド、「史上最大の作戦」のメル・ファーラー、ほかに、オマー・シャリフ、エリック・ポーター、ダグラス・ウィルマーなど。
1964年製作/アメリカ
原題:The Fall of the Roman Empire
配給:コロムビア
ストーリー
ローマは、長い戦いを終わり、さらに版図を拡げたが、北方ゲルマン民族ババリアと東ペルシャはいまだローマに屈してはいなかった。
そのころ皇帝アウレリウス(アレック・ギネス)は病にふせり、帝位の相続に頭を悩ましていた。
子コモドゥス(クリストファー・プラマー)は帝国をまかせる器ではなく、アウレリウスは軍団指揮官リヴィウス(スティーブン・ボイド)に帝位を譲ることを決心した。
しかし直後盲目の政治家クレアンデル(メル・ファーラー)の手で暗殺された。
アウレリウスの意志は受けいれられず、コモドゥスが自ら帝位についた。
幼なじみでもあるリヴィウスはコモドゥスに忠誠を誓った。しかしリヴィウスの才覚は、かえってコモドゥスの嫉妬をかった。
一方アウレリウスの娘ルチラ(ソフィア・ローレン)はリヴィウスを愛しながらも祖国のために父の意志をついで、アルメニアに向かった。
アルメニアは、ペルシャと友好を結ぶかけ橋になるのだ。
ババリアは再び反抗を始め、戦闘がくり返された。しかしアウレリウスの相談役であった哲人ティモニデス(ジェームズ・メイスン)の説得でババリアもローマの前にひざまずいた。
しかしそれもつかの間、重税にあえぐ東方民族の怒りは爆発し反乱軍が蜂起した。リヴィウスの率いるローマ北軍はユーフラテス川をはさんでペルシャ軍と対してこれを破り、ルチラを伴い凱旋した。
しかしコモドゥスは捕虜を処刑し、さらにババリア人集落を襲って村人を虐殺した。
この光景をまのあたりに見たルチラは、短剣をしのばせ、兄コモドゥスに迫った。
がその時、老いた戦士ヴェルルス(アンソニー・クェイル)は、コモドゥスが自分の子であることを告白した。狂ったコモドゥスはヴェルルスを殺した。
ルチラとリヴィウスは反逆の徒として処刑場に送られたが、コモドゥスはリヴィウスに自分との決闘の機会をあたえた。リヴィウスは、コモドゥスを倒し、ルチラを処刑台から助けた。
しかし数十の犠牲者は黒煙となってローマの空に消えた。リヴィウスはコモドゥスの亡骸を抱き上げ、ルチラとともにその場を去っていった。
-
Lucillaソフィア・ローレン
-
Liviusスティーブン・ボイド
-
Marcus_Aureliusアレック・ギネス
-
Timonidusジェームズ・メイソン
-
Commodusクリストファー・プラマー
-
-
- 『ベン・ハー』と同じように馬車競技も見事。エキストラの数も尋常じゃないし、建物(これはセットなのか?)のスペクタクルを楽しめる・・・と思っていたけど、感情移入が全くできず・・・
面白くなるのは後半。周辺国もローマ帝国に屈し、残虐非道を繰り返すばかり。コモドゥスの姉でもあるルチラ(ソフィア・ローレン)は虐殺を見て嫌気をさす。リヴィウスとも恋仲なのだが、ローマ帝国から東方へ独立国を作ろうとする首謀者の一人。そして、老いた戦士ヴェルルス(アンソニー・クェイル)がコモドゥスの本当の父親であると告白するが、納得いかないコモドゥスは即座に実の父を殺す。
処刑台に縛り付けられたルチラとリヴィウス。コモドゥスは彼に直接の決闘の機会を与えるのだった。そして勝利したリヴィウスが皇帝に・・・こうして帝国の滅亡が始まったとか。
史実では五賢帝時代の最後の皇帝マルクス・アウレリウスの実子コモドゥスと共同統治。そしてコモドゥスが暗殺され内乱の時代になったとある。まぁ、それほど違ってはないんだろうけど、終盤が呆気ない。これじゃ『グラディエーター』のほうが面白いのもしょうがないかな。
映画としての面白さはハッキリ言って薄い
ベンハー、スパルタカス、グラディエーターにはとても及ばない
それでもローマ帝国に関心があるなら観ない訳にはいかないだろう
舞台セット、美術、衣装、大群衆のエキストラの動員はどれもが今では絶対に無し得ない壮大なレベル
CGはもちろん無い時代だ
本物の迫力は画面から確実に伝わる
本作はグラディエーターの元ネタ
というかグラディエーターは本作のリメイクと言って良い
本作を良く研究してまとめ直したものと言える
本作はタイトル通りローマ帝国が滅亡に至る要因をラストシーンで提示することに力点が置かれているところがグラディエーターとの大きな違いだ。
時代考証、史実との食い違いは、もちろん映画であるからギボンの古典ローマ帝国の興亡や塩野七生さんのローマ人の物語を全巻読破しているような方なら???の部分もあるが概ね許容できる範囲と思う
フォノロマーナのフォーラムのセットは見もの
ローマ街道の舗装表現には感激した
ゲルマニアでの戦闘シーンもグラディエーターとの比較で観ると興味深く迫力もある山師である制作者サミュエルL・ブロンストンが「北京の55日」のオープンセットを解体せず土台にして築き上げた古代ローマフォーラムのセットはおそらく百年後も語り草になるほど壮大。
長尺であるがマン監督の繊細なタッチが大味になりがちな史劇に品格を与えている。
実際に映画制作費として当時八十億円が投入されているかどうかはともかく、戦闘場面や古代ローマ市民等の群衆シーンも大仕掛けで楽しめる
「ベンハー」、「十戒」のような歴史スペクタル巨編。
ソフィア・ローレンの美貌が光ってるね。
当時の映画らしくエキストラの数も予算も大道具も半端ない豪華さ。
だが、ストーリーは、映画用にかなり脚色されていて史実と違うので今回は備忘録のあらすじはなし。
五賢帝アウレリウス死後、皇帝を世襲した暴君コンモデゥスに立ち向かう若き指揮官ガイウスと恋人ルッキラ(ソフィア・ローレン)をが中心人物。
映画のガイウスは、北方蛮族を寛容にローマ市民に迎えようとするなかなかの人格者のように描かれているが、実際はアウレリウスが勝手に崩御したものと勘違いし自分が次期皇帝であると宣言したため、ローマ元老院から反乱者として処分されてるんだが。
剣術と武勇で鳴らしたコモンデゥスも、最後は史実の暗殺ではなく、ガイウスと一騎打ちの末にコロシアムで倒れるという何とも映画らしいエンディングだった。
ジュリアス・シーザーもクレオパトラも出てこないのでご注意ください。
ちょっと人海戦術を使い過ぎだと思いました。常に画面いっぱい人だらけ状態です。
これに「総勢130人という空前絶後のオーケストラ編成で演奏された壮大な劇伴音楽」が重なって、目にも耳にも負荷が大きかったです。
すんごいカネと時間と労力を注ぎ込んでいるのはわかります。頭が下がります。
でも疲れました。ただでさえ長いし。集中力が保てませんでした。(=_=;)
映画だけでは歴史の勉強にはなりません。史実とはかなり違うので、その違いを自分で調べると楽しいかもしれません。ラストとか絶対に現実ではありえないとわかりますもんね。