映画 スリーパーズ

2022年12月25日 22時44分51秒 | 社会・文化・政治・経済

12月25日午前1時15分からCSテレビのザ・シネマで観た。

解説・あらすじ

四人の男たちの復讐と友情を描いた作品。

1967年、マンハッタン。仲良しだった四人組は、いたずらをきっかけに少年院に送られてしまった。

そこで看守から受ける、想像を越えた虐待の数々。

そして、出所してから十年後。

四人のうちのジョンとトミーは、偶然出会った看守のノークスを銃殺した……。

スリーパーズ

スリーパーズ

 

ストーリー[編集]

あるいたずらが原因で過失傷害を問われ、少年院に送られたロレンツォ(シェイクス)、マイケル、トミー、ジョンの4人の少年を待っていたのは、看守たちからの性的虐待だった。圧倒的な暴力を前になすすべもなく、少年たちは心に深い傷を負う。

ある日の院内のフットボールの試合中、シェイクスたちはリーダー格でギャングの息子であるリゾを引き込み、日頃の虐待の恨みを暴力で晴らすが、その後リゾは看守らに「殴る場所がなくなるまで」殴られて死んだ。

やがて成人した4人のうち、ジョンとトミーがレストランでかつての看守であるノークスに出会い、射殺してしまう。検事補になり、今事件を担当することになったマイケル、新聞記者となったシェイクスは2人を無罪に、そして少年院であった虐待を公にすることを誓い、奮闘する。

まず、呑んだくれの弁護士スナイダーにマイケルが密かに用意した台本どおりに弁護をさせ、裁判に証人として出廷した元看守の1人であるファーガソンに虐待があったことを認めさせる。次に、もう1人の元看守アディソンは、リゾを院内で撲殺したことをギャングの兄リトル・シーサーに密告され、射殺される。残りの1人で現在は刑事となっていた男スタイラーは、シェイクスの密告によって収賄と殺人の容疑で逮捕される。

レストランにいた客が2人を見たと証言した不利な状況で、シェイクスは4人をよく知るボビー神父に聖職者は嘘をつかないと知った上で偽の証言をしてほしいと懇願する。少年院であった出来事を幼馴染のキャロルや神父に打ち明け、数週間後、神父は出廷し、事件当夜は被告の2人とバスケットボールの観戦をしに行っていたと偽の証言をする。

看守への復讐が着々と進み、残るは無罪判決のみ。判決は無罪。その後、4人とキャロルは祝杯をあげる。これが5人が集まった最後の夜となった。

数年後、ジョンとトミーは30歳を迎える前に何者かに殺害された。

少年院での4人

煙草を吸うマイケル

ノークス

座るマイケル達

ダニー

裁判

 

 

バート・デ・ニーロ

 

主要人物
ロレンツォ・カルカテラ
演 - ジェイソン・パトリック(少年時代:ジョー・ペリーノ)
本作の主人公にして語り手。愛称はシェイクス。少年院の出所後は新聞記者見習いになりマイケルと連携して性的虐待に携わった看守たちを追い詰めていく。そのうちの1人スタイラーを何者かから入手した証拠を手に刑事ダヴェンポートに密告し彼の逮捕に貢献し、ジョンとトミーの裁判では出廷してきたファーガソンの自白をこの目に焼き付けた。裁判後は地方記者として出世しており、人生の奈落から転落した4人の中で唯一幸福な人生を歩むこととなった[注 1]。
マイケル・サリヴァン
演 - ブラッド・ピット(少年時代:ブラッド・レンフロ)
シェイクスのグループのリーダー格で本作のもう1人の主人公。少年院の出所後は地方検事になり密かに看守たちに復讐する機会を窺っていたが、ジョンとトミーがノークスを殺害したことで実行に移すことになる。裁判の後は検事をやめ、イギリスの田舎で大工をしている。
少年時代にホットドッグ屋で盗みを働くことを提案したことで後にジョンとトミーを破滅の道に進むきっかけとなってしまったが、自らもジョンとトミーの裁判で自ら破滅の道に進むことを悟っており[注 2]、裁判後は宣言通り検察の道から身を引くこととなった。
ボビー・カリロ
演 - ロバート・デ・ニーロ
ヘルス・キッチンにある教会の神父。ジョンとトミーの裁判で2人を目撃証言がある状況下で、2人とバスケットボールを見に行った[注 3]という嘘の証言をしたことでジョンとトミーを救う。
ダニー・スナイダー
演 - ダスティン・ホフマン
ジョンとトミーがノークス殺害容疑で逮捕された際に、わざと無罪にするためマイケルが用意した飲んだくれの弁護士。
ショーン・ノークス
演 - ケヴィン・ベーコン
ウィルキンソン少年院の看守でシェイクスがいる階を担当する看守のリーダー格。昔から支配欲が強く、少年たちに性的虐待をする根っからの外道。その結果、1981年の秋にレストラン[注 4]で食事しているところを大人になったジョンとトミーの2人と再会、ギャングになった2人を「地獄に落ちろ!」と罵るもジョンに「お前の後に地獄に落ちる。」と返されこのまま2人に7発の銃弾[注 5]を浴びせられ、殺害される。
シェイクスとマイケルの関係者[編集]
ジョン・ライリー
演 - ロン・エルダード(少年時代:ジェフリー・ウィグダー)
シェイクスのグループの1人。少年時代は一番の小柄だが、トミーより1つ年上[注 6]で将来は神父の道に進むことを望んでいた。1955年3月2日生まれ[注 7]。少年院の出所後はトミーと共にギャング団の一員となり、10代の頃に窃盗と殺人の常習で4人もの人間を殺害。酒浸り・コカイン中毒・少年時代からは想像できないほどの短気な性格になっている。行きつけのバー[注 4]で偶然再会したノークスを殺害して逮捕される。マイケルによって無罪放免された数年後の1984年3月16日に5件の殺害容疑がかかった状況下の中、安アパートに入った何者かによってジンが入った酒瓶で頭部を殴られ、殺害される。
自身がトミーとともに逮捕された際の裁判を担当する際の検事がマイケルだと知り、彼の手で有罪になることを覚悟していたが、彼の真意を聞き態度を軟化した。
トーマス・マルカノ
演 - ビリー・クラダップ(少年時代:ジョナサン・タッカー)
シェイクスのグループの1人でグループ最年少[注 6]。愛称はトミー。少年院の出所後はジョンと共にギャング団の一員となり17歳で初めて人間を殺害する。ジョン同様酒と薬物を所持、4人の中で唯一の既婚者だが、妻とは絶縁状態である。行きつけのバー[注 4]で偶然再会したノークスを殺害して逮捕される。マイケルによって無罪放免された数年後の1984年3月16日の自身が28歳の時にジョンを失い、その1年後の1985年7月26日に何者かが放った銃弾を至近距離から5発受け死亡。死後1週間以上たった後に発見された。享年29。
キャロル・マルチネス
演 - ミニー・ドライヴァー(少女時代:モニカ・ポリト)
シェイクスたちを知る女性で、少女期はマイケルに好意を抱いていた。大人になった後はソーシャルワーカーをしていたが、ジョンとトミーが警察に逮捕された後はシェイクスと共に傍聴していた。裁判の後はソーシャルワーカーをする一方、ジョン・トーマス・マイケルをマルチネス家の養子に迎えた。
キング・ベニー
演 - ヴィットリオ・ガスマン
ヘルズ・キッチンの一帯をシマにしている老ギャング。少年時代のシェイクスに頼まれ、彼に警察への賄賂の配達などの仕事を与えていた。ノークス殺害事件の際は、証人を買収する、ダニーを半ば脅す形でジョンとトミーの弁護を引き受けさせる、意図的にマイケルが裏切り者だという風評を流すなどして、マイケルの計画を手助けした。その一方で、闇社会でシェイクス達の手を汚させたくまいと単独でリトル・シーサーと面会、彼の弟を死に追いやったのがアディソンであることを密告したことで間接的にアディソンの息の根を止めた。
駆け出しのころ自分の前歯が全て折れるほどの暴行を加えたあるギャングに、8年かけて裏社会にのし上がった後復讐を果たしたという逸話は、ヘルズ・キッチンの住人たちの語り草となっている。
ウィルキンソン少年院[編集]
ラルフ・ファーガソン
演 - テリー・キニー
シェイクスがいる階を担当する看守の1人で戦争で殉職した州兵の息子。ノークスによる性的暴行に加担しているが、4人の中で罪の意識にさいなまれており、看守をやめた後は社会福祉局に転職、休日に日曜学校教師として仕事をするなどまっとうな生活を送っている。ノークスを表向きではいい友人と紹介しているが、自身の息子もノークスの性的暴行の被害を受けており、自身もジョンとトミーの裁判でごまかしていくうちにノークスに加担していることに気づき、プレッシャーに耐えきれず性的暴行の事実を認める。その後、自ら外出自粛を表明して法廷を去った。
ヘンリー・アディソン
演 - ジェフリー・ドノヴァン
シェイクスがいる階を担当する看守の1人で安定した仕事と給料に満足しているため働いている。ノークスによる性的暴行に加担しており、看守をやめた後にニューヨークの福祉官の職員に転職しても性的趣向は変わらず、キング・ベニーが自らの正体を知られ2週間後に職員を解雇されることを知り彼の陰謀により8000ドルの借金を背負った挙句、自身がリゾを自らの暴力で死亡させたことを彼の兄"リトル・シーサー"に密告され半殺しにされた後、空き野原でシーサーの部下に射殺された。
アダム・スタイラー
演 - レニー・ロフティン
シェイクスがいる階を担当する看守の1人で法科を卒業するための資金集めのために働いている。ノークスによる性的暴行に加担しているが、看守をやめた後は麻薬課の刑事となるが、ジョンとトミーに負けず劣らずの薬物中毒者で売人から賄賂と薬物を要求している。ノークス殺害の3週間前に売人を殺害しており、一連の行為を何者かから受け取る形でシェイクスに知られ、彼の密告を受けたダヴェンポートにより薬物取締法違反と収賄・売人殺害の容疑で逮捕された。
リゾ
演 - ユージン・バード
少年院に出所している少年。看守からの性的暴行にうんざりしていたマイケルの提案により、フットボール対決で看守を見返すことに。しかし、看守たちに勝利した後、アディソン主導による暴行により死亡した。世間からは肺炎により病死したことになっており、キング・ベニーが兄であるリトル・シーザーに自身の死の真相を語ったことによりアディソンの自滅につながることに。
その他[編集]
フランク・マグチーコ
演 - ピーター・リニ
キング・ベニーの甥にあたるフランクリン署の殺人課の刑事。清廉で評判がいいと話題になっている。
ニック・ダヴェンポート
演 - ダニー・マストロジョルジオ
マグチーコの同僚に当たる刑事で内部監査部所属。警部昇進に命を燃やす野心家の一面があり、シェイクスが性的虐待に関わった看守の1人スタイラーを追い詰めるために情報提供者をばらさないという条件で彼からの密告を受ける。リトル・シーサーによるアディソン射殺の翌日にスタイラーを逮捕した。
リトル・シーサー
演 - ウェンデル・ピアース
キング・ベニーのギャングとは別のギャングのボスで少年院で撲殺されたリゾの兄。本名はエドワード・G・ロビンソン。面会したキング・ベニーからアディソンの借金を肩代わりする際に、弟の死の真相を聞かされたことで、弟の死の元凶であるアディソンを捕らえたのちに半殺しにしたうえで部下にアディソンの射殺を命じた。
ジョン・トーマス・マイケル・マルチネス
キャロルが養子として迎え入れた少年で、愛称はロレンツォと同じシェイクス。劇中では登場しないが、キャロルと一緒に自転車のメンテナンスをする所を写真に収めており、エピローグでジョンとトミーの生々しい遺体の写真と共に公開する形で明かされている。
キャスト[編集]
役名 俳優 日本語吹替
ソフト版 フジテレビ版 Netflix版
ロレンツォ・カルカテラ(英語版)(シェイクス) ジェイソン・パトリック 原康義 江原正士 岡井カツノリ
マイケル・サリヴァン ブラッド・ピット 平田広明 堀内賢雄 下川涼
ボビー・カリロ神父 ロバート・デ・ニーロ 大塚明夫 羽佐間道夫 宮内敦士
ダニー・スナイダー弁護士 ダスティン・ホフマン 堀勝之祐 小川真司 中博史
ショーン・ノークス ケヴィン・ベーコン 江原正士 中田和宏 佐藤せつじ
ジョン・ライリー ロン・エルダード 矢尾一樹 星野充昭 荒井勇樹
トーマス・マルカノ(トミー) ビリー・クラダップ 森川智之 室園丈裕 石川賢利
キング・ベニー ヴィットリオ・ガスマン 江角英明 納谷悟朗 小島敏彦
キャロル・マルチネス ミニー・ドライヴァー 勝生真沙子 水谷優子 西島麻紘
少年時代のシェイクス ジョー・ペリーノ(英語版) 岡野浩介 佐々木望 石川賢利
少年時代のマイケル ブラッド・レンフロ 遠近孝一 私市淳 海老名翔太
少年時代のジョン ジェフリー・ウィグダー(英語版) 
 くまいもとこ 有賀由樹子
少年時代のトミー ジョナサン・タッカー 
 まるたまり きそひろこ
シェイクスの父 ブルーノ・カービー 原田一夫 青野武 山中誠也
ラルフ・ファーガソン テリー・キニー 
 小島敏彦 

フジテレビ版:初回放送1999年4月17日21:00-23:24 『ゴールデン洋画劇場』
堀内賢雄は、この作品で担当して以降、ブラッド・ピットの吹き替えを専属で務めることになる。
スタッフ[編集]
監督:バリー・レヴィンソン
製作:バリー・レヴィンソン、スティーヴ・ゴリン
共同製作:ロレンツォ・カルカテラ(英語版)
製作総指揮:ピーター・ジュリアーノ
原作:ロレンツォ・カルカテラ
脚本:バリー・レヴィンソン
撮影:ミヒャエル・バルハウス
プロダクションデザイン:クリスティ・ズィー
美術:ティム・ガルヴィン
編集:スチュー・リンダー(英語版)
音楽:ジョン・ウィリアムズ
ノンフィクションか否か[編集]

原作(および映画)は当時、ノンフィクションと謳われ、著者のロレンツォ・カルカテラ(英語版)が少年院で体験した仕打ちと復讐を綴った小説とされ、ベストセラーになった。だが、実際には本にあるような看守殺害の裁判の記録は一切なく、マンハッタン地方検事局、彼の通った聖心キリスト教会、学校は事実無根であると声明を出した。ニューヨーク弁護士会も調査に乗り出し、ロレンツォが学校を長期欠席、または退学した事実はなく、少年院へ行っていないことが判明した。

映画では本編終了後、クレジットの前に物語が事実でないとする裁判所と検事局、実話であると主張するロレンツォの見解がそれぞれテロップで表示される。

脚注[編集]
[脚注の使い方]
注釈[編集]
^ 少年時代にも、ホットドッグ屋で盗みを働く際に店主を引き付ける囮役になったことで少年院に入所する期間を3人よりも短くなっている(結局、3人は自分の最長入所期間に合わせる形で4人での出所を果たしている)。
^ 裁判で勝っても報復としてジョンとトミーの仲間に殺され、仮に負けても検事として勝訴に持ち込めなかった責任を取らされるため、勝っても負けても破滅の道に進むことになる。そのため、検察を辞職した後は3人の中で唯一円満に暮らしているとシェイクスは語っている。
^ 実際にチケットを3枚持っているが、ジョンとトミーがノークスを殺害していることに変わりないため、神父以外に見に行った2人は誰なのかは不明。
^ a b c ジョンとトミーの行きつけのバーには、ノークスが食事していたレストランが併設されている。
^ ジョンが4発、トミーが3発撃っており、ジョンの1発目がノークスの急所に命中し、ジョンの2・3発目とトミーが放った3発の銃弾が両腕と胴体に集中、致命傷となったのはジョンが放った4発目の銃弾であり、それが頭部に命中している。なお、フォトストーリーブックでは、ノークスに放った銃弾の数とジョンとトミーの経歴が逆になっていた。
^ a b トミーが29歳で死んだ際の日付が1985年7月であることから、ジョン死亡時の年齢は少なくとも29歳の誕生日を迎えていないことが確実になったため。
^ 殺害された日がジョンが29歳の誕生日を迎えた2週間後というシェイクスの発言から逆算。
出典
監督バリー・レヴィンソン
音楽ジョン・ウィリアムズ
制作国アメリカ
プロデューサーピーター・ジュリアーノ
脚本バリー・レヴィンソン
 
出演者
ジェイソン・パトリック
ブラッド・ピット
ロン・エルダード
ビリー・クラダップ
ロバート・デ・ニーロ
ダスティン・ホフマン
ケヴィン・ベーコン
ヴィットリオ・ガスマン
ミニー・ドライヴァー
ジョー・ペリノ
 
 
目次
作品概要
あらすじ
実話か創作か
監督・脚本はバリー・レヴィンソン
感想
華のない2人について
おかしな点満載
無法地帯と化した少年院
人間的な反応をしないジョンとトミー
犯罪記録が抹消されるアメリカ社会
茶番以下の法廷劇
まとめ
あらすじ

NYヘルズキッチンで生まれ育った少年達のいたずらが、死亡者を出す大事故を引き起こした。少年院に入れられた少年達を待っていたのは看守による虐待で、彼らは心に深い傷を負った。成人後、マフィアに入ったかつての少年は、自分を虐待した元看守を発見し、射殺する。

実話か創作か

本作には原作があり、それは著者のロレンツォ・カルカテラが実際に少年院で体験した仕打ちと復讐を綴った小説としてベストセラーになり、本の売り上げの勢いで映画化されたという経緯があります。後述する通り本作には通常考えられない展開が多いのですが、公開当時は実話だと広く信じられていたからこそ観客を丸め込めていた部分が相当ありました。

ただし、エンドクレジットにも記載されている通りアメリカの役所がこの内容を否定している上に、法廷で弁護士がマフィアに操られて動き、法曹関係者に誘導された偽証によって殺人が無罪になったという顛末を看過できなかったNY弁護士会が調査に乗り出した結果、カルカテラの主張は虚偽を含んだ誇大PRだったということが現在の認識となっています。

監督・脚本はバリー・レヴィンソン

一般にバリー・レヴィンソンは名監督として認識されていますが、私の中では実力以上の評価を受けている監督の一人です。確かに『レインマン』は名作でしたよ。でも、本作前後のレヴィンソンがどんな仕事をしていたかというと、94年『ディスクロージャー』、97年『ウワサの真相』、98年『スフィア』と、話題性こそ抜群であるものの気の抜けたコーラのような映画ばかりで、2000年代以降になると何を撮っているのかすら定かではない状況となっています。

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とはいえ、レヴィンソンへの過大評価はキャスティング面で吉と出ており、ロバート・デ・ニーロとダスティン・ホフマンという重量級の演技派を共演させた上で、ブラッド・ピット、ブラッド・レンフロ、ビリー・クラダップら当時注目されていた若手俳優と組み合わせ、その間を信頼できる中堅・ケヴィン・ベーコンに繋がせるという鉄壁の布陣は、レヴィンソンの名前があったからこそだと思います。

ただし、これだけの豪華キャストから最良の演技を引き出せていたかと言うと微妙なところで、我々観客が見たかったのはデ・ニーロ、ホフマン、ブラピが激しくやり合う光景だったのに、別撮りでもしたのかと思うほどキャスト間での化学反応が起こっていません。これにはガッカリでした。

感想
華のない2人について

果たして観客の見たいパフォーマンスがあったかどうかはともかく、豪華は豪華だったこのキャストの中で、「なぜそこにあなたが?」というキャストが2名いました。

一人目はジェイソン・パトリック。翌年の『スピード2』でも「なぜお前がキアヌの代わり?」と世界中からつっこまれた地味顔のパトリックが、豪華キャストがひしめく本作のまさかの主役。

この映画の顔になれるような面ではなく、他を圧倒するような演技力があるわけでもなく、彼が何のために存在しているのかが本当に分かりませんでした。

二人目はミニー・ドライヴァー。かつてはマイケルと付き合い、今はジョンと付き合っており、シェイクスも陰ながら彼女を想っていたという4人組の少年時代からのマドンナが、なぜあなた?

ブラッド・レンフロ、ブラッド・ピットが演じた超絶イケメンのマイケルを翻弄したほどの女にはまったく見えませんでした。

なお、ミニー・ドライヴァーは98年の『フラッド』でも街一番の美人役をやっていたのですが、彼女を美人として捉えていなかった私は、美人であることを前提とした劇中の会話を一瞬理解できませんでした。

ロン・エルダート

ダスティン・ホフマン

ミニー・ドライヴァー

ケヴィン・ベーコン

 

 

 

 

 

 

 


利根輪太郎の競輪人間学 誰にもチャンス―力は僅差だった

2022年12月25日 21時48分06秒 | 未来予測研究会の掲示板

GⅢ 伊東競輪   椿賞争奪戦 最終日

12レース決勝戦

並び予想 3-8 7-4 1 (単騎) 2-5-9-6

レース評

嘉永が先導役を務める九州作戦に期待。山崎が番手発進も視野にV獲りに挑む。ただ、中野のスピードは強烈で2車でも互角。

1番人気 5-9(4・6倍)

3-1 3-5 5-3の3連単で勝負する。

3番の中野慎詞選手は 4番の村田 雅一 選手に張られて失速し、圏外に。

5番の山崎 賢人の選手の番手にはまった7番の野原 雅也 が勝利。

3番中野選手の番手の8番大川 龍二選手が2着に。

期待された5番の山崎 選手は3着に粘る。

競輪は展開次第なのだ。

最終的に5-9のラインが5-7になっては、波乱である。

展開のアヤで大穴になる。

つまり、誰にも車券に絡むチャンスがあるのだ。

 

 

7-81 4,630円(35番人気)

7-8-5 12万3,320円(229番人気)




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 7 野原 雅也   10.0 S  
  2 8 大川 龍二 3/4車輪 9.8    
3 5 山崎 賢人 1/4車輪 10.2   B  
  4 4 村田 雅一 1車身1/2 10.2      
  5 6 田中 誠 1車身1/2 10.0      
× 6 3 中野 慎詞 1車身1/2 10.4      
7 9 中本 匠栄 大差        
8 2 嘉永 泰斗 3車身        
1 渡邉 雄太

戦い終わって

戦い終わって写真

 九州勢の三番手に飛びついた野原雅也。

山崎賢人の二段ロケットを追走すると直線ではきっちりとゴール前捕らえて自身二度目の記念競輪を制覇「車番が悪く前は取れると思ってなかった。どこの位置になっても勝負しようとは思っていたので一着で良かった。誰が来ても目一杯踏んでスピードの合った所で勝負と。山崎さんの後ろを単独で走れた時は落ち着いて行けた。最後は賢人さんだけ必死に抜きにいった。無心でゴール前は踏んで結果的に優勝した感じ。今節は要所要所でミスもあったがリカバリーは出来たのかな。寒い割には動けていたし調子自体が良かったのかも。まだまだ古性優作さんの背中を追ってる感じで凄いなと思う所はたくさんある。来年も強い気持ちを持って活躍できるように」。
 準優勝は中野慎詞マークから切り替えて直線内めを伸び、上位失格で繰り上がった大川龍二。
「いやー記念準優勝なんてドでかいプレゼントですね。今年はS級初Vや、このままいけばダービーも乗れるし記念二着で競輪祭をゲットでしょ?初物尽くしの一年でした。来年はもっと大変な一年になるし、成長できる一年にしたい」。
 三着は山崎賢人。
「僕の実力不足。ライン四車の番手の役割が果たせなかった。今後は技術のスキルを上げないと。来年は沖縄合宿から始まり、二月はネーションズカップもあるのでまたしっかり気を引き締めていきます」。