2月15日午前6時からCSテレビのザ・シネマ観た。
『世界』(原題:世界、英語題:The World)は、賈樟柯監督・脚本による2004年の日本・中国・フランス合作の映画。第61回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品された。
- あらすじ
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北京世界公園でダンサーとして働くタオ(趙濤)には、守衛主任のタイシェン(成泰燊)という恋人がいる。タオの元恋人がモンゴルへ旅立つというので、2人は彼を見送りに行く。
その帰りに立ち寄った汚い安ホテルで、タイシェンはタオに迫るが、タオは拒む。タオはホテルを出て一人で世界公園に戻るが、その後、写真館でDVDを撮ってもらっているうち、いつもの親密さが2人に戻ってくる。
タイシェンは、先輩から紹介されたチュンと共に、チュンの弟(=借金を抱えている)に会いに、太原へ出発する。ブランド品模造アトリエを経営するチュンは既婚者だが、夫は10年前パリ(ベルヴィル)に行ったきり連絡がない。言葉を交わすうちに、タイシェンとチュンは惹かれ合ってゆく。一方、タオは、ロシアから来たダンサーのアンナとのあいだに友情を築くが、カラオケ・バーでアンナが娼婦として働いていることを知り、涙を流す。
タイシェンの幼馴染のサンライ(王宏偉)が、まだ若いアークーニャンとともに、北京の建設現場に出稼ぎに来る。が、過労と事故が重なり、アークーニャンは病院に担ぎ込まれる。病院のベッドに横たわった彼が記すメモには、今まで自分に金を貸してくれた人の名前と金額が書いてあった。それを読み、サンライは慟哭する。アークーニャンの死後、その両親と兄が北京に上京してきて、補償金を受け取る。
ダンサーのウェイは、嫉妬深い恋人のニュウと結婚することを決意する。2人の結婚式の日、タイシェンの携帯電話には、フランスに旅立つチュンから1通のメールが届く。「あなたに会えてよかった」。それを読んだタオは、タイシェンの裏切りを知ってしまう。タオは、タイシェンを避け、新婚旅行に出ているウェイのアパートメントで寝泊まりする。そこへタイシェンが現れるが……。
深夜の三河鎮で、一酸化炭素中毒で1組の男女が倒れるという騒ぎが起きる。近隣住民が2人を外に運び出す。暗闇の中、タオとタイシェンの声が響く。「俺たち、死んだのか。」「いいえ、これは新しい始まりよ。」
舞台となるテーマパークのキャッチコピーは「北京にいながら世界を回ろう」。
そこで働くダンサーや従業員たちの「世界のどこへも行けない」閉塞感たっぷりの日常を描いた人間ドラマ。
主人公タオを演じるのは監督のミューズでもあるチャオ・タオ。
まるで世界公園に縮小された10分の1の世界だけが彼女たちの生きる世界のすべてであり、目覚ましく発展する中国にあっても一般市民レベルでは生活は行き詰まるだけでしかないというシニカルな視線は実に鋭い。 最大の難点がこの長さだ。
いくら何でもこの話に135分は長すぎる。
この監督の持ち味であるワンカット長廻しは必然的に尺が長くなる傾向はあるにしても、もともとドラマチックなストーリーがあるわけでもなく、無駄に長いとしか感じない。
もっとコンパクトに100分程度に編集したら、自分の評価は★ひとつは確実に上がった。 またまたジャ・ジャンクー作を観たものの、またまた起こした消化不良・・・この人の作品は観終わった後、毎度同じ感想になることはわかっているのに、作品全体に漂う濃厚な「名作感」に惹かれてつい観てしまうから困ったものだ。
また新作が出たら観てしまうんだろうなあ(笑)
ジャ・ジャンクー作品を観ては思うこと、それはセンスの良さだ。
映画的センスがずば抜けている。
1/10スケールの世界、世界公園を舞台にしている時点でもう惹きつけられる。 北京へと夢と希望を持ってやってきた若者たちの現実が描かれている、淡々と。 まったりとした雰囲気の映画だ。
若者たちの挫折も描かれているのだけど、大仰には表現しない。
だけどワンカットワンカットが美しい。 「えっ?この雰囲気の映画でアニメーションを挿入!?」と驚きはしたけれど、アニメーションを入れ込んでいたり、やることのひとつひとつが僕を「おっ!」と思わせる。
そして、僕にとってのジャ・ジャンクー作品の最大のポイントが、物語の引き際だ。
ラストシーンが良い。 この『世界』でもあのラストシーンだけを観ただけでも、この映画はすごいと思わせることができるだろう。
そのくらい余韻を残すラストだ。 しかし、タイトルを『世界』にするって、タイトルからもジャ・ジャンクーの自信が現れている。 今の映画界でもっとも注目されている人物と言っても過言ではないので、その自信は当り前か。
狭い世間、狭い世界。しかし、そうした世界公園も広大な中国の中にあっ
「これがアートなんだよ」などと言われると返す言葉も見つからなくなるが、もっと内面を抉る描写がほしいところ。自分の服に火をつけたシーンは凄かったが、結局どうなったのかわからずじまい。ラストの二人はどうとでも解釈できますが、未来あふれる世界を描き出すには暗すぎる。同僚の結婚式の乾杯シーンがよかっただけに残念だ。
それで、ちくま新書が4冊届いたが、読みやすい本から先に読むという悪い癖のために、この本から先に読んでしまった。
感想としては、字も大きく、読みやすい本で、面白かった。とくに小手先編が面白く、風呂で読んでいて、笑えてきて、本を落としそうになった。7色の相槌と、トイレに頻繁に行くというのがいいですね。
たぶん、この先たくさんレビューが書かれると思うので、私はこの辺で失礼する。