『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』『スノーピアサー』などを手掛けた韓国映画界の鬼才ポン・ジュノ監督と名優ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、韓国の貧困層と富裕層の格差社会をテーマにした予測不能のブラックコメディ作品です。
第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となる最高賞パルムドールを、第92回アカデミー賞では非英語作品として初となる作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4冠を受賞しました。
2019年5月に韓国で公開された映画『パラサイト 半地下の家族』。映画界の著名人たちが口を揃えて絶賛している本作品は、観客からの評価も非常に高く、韓国では動員数を1,000万人突破しました!!
あらすじ
パラサイト(英語”Parasite”)とは、「寄生虫」という意味。映画を見た方はお気づきかもしれませんが、「本当に寄生しているのは誰なのか?」という裏の(?)テーマも隠されていますよね。
全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。
長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。
そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが...この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。
監督
ポン・ジュノ
脚本
ポン・ジュノ
ハン・ジヌォン
主題歌/挿入歌
チェ・ウシク
出演者
ソン・ガンホ
イ・ソンギュン
チョ・ヨジョン
チェ・ウシク
パク・ソダム
チャン・ヘジン
パク・ミョンフン
イ・ジョンウン
チョン・ジソ
チョン・ヒョンジュン
半地下にある薄汚いアパートに住むキム一家は、父・ギテク(ソン・ガンホ)母・チュンスク(チャン・へジン)息子・ギウ(チェ・ウシク)娘・ギジョン(パク・ソダム)の4人家族。近所のパスワードがないWi-Fiを必死につなげたり、宅配ピザの箱を折ったりして日々を過ごしていた。
そんなある日、ギウの友人で名門大学に通うミニョク(パク・ソジュン)がやってきて、彼はキム家に富を生むと言われている「山水景石」をプレゼントする。その帰り道にミニョクは、自分が留学している間、女子高生パク・ダヘ(チョン・ジソ)の家庭教師のアルバイトをしてくれるようギウに頼む。ミニョクはその生徒と恋愛関係にあり、大学入学後に交際を申し込む予定だという。依頼主の家庭が大富豪で給料も良いと知ったギウはそれを承諾する。
大学受験に失敗し続けていたギウは、美大を目指している妹ギジョンの力を借りて大学証明書を作ってもらい身分を偽造して、面接へ向かう。高台の高級住宅街にあり、著名な建築家が建てたというパク家は、ギウには想像もつかないほど壮大で美しい自宅だった。それでも堂々と家庭教師を務めたギウはダヘの母・ヨンギョ(チョ・ヨギョン)の信頼を手にし、家庭教師として採用される。
あらすじ②身分を隠し、一家で「寄生」計画に成功
ヨンギョが息子・ダソン(チョン・ヒョンジュン)のために美術専門の家庭教師も探していると知ったギウは、ギジョンを「有名な芸術療法師、ジェシカ」として紹介する。インターネットで得た情報で物怖じせずにダソンを懐けることに成功したギジョンは騙されやすいヨンギョの信頼を勝ち取り、美術の家庭教師として採用されることに。
しばらくすると、一家の主人でありIT企業の社長のドンイク(イ・ソンギュン)が帰宅し、夜道を1人で歩かせるわけにはいかないと彼の専属ドライバーにギジョンを送るよう指示する。自宅まで送るとしつこく言う運転手に、自宅がバレるわけにはいかないと断ったギジョンはある施策を思いつき、自分のパンツを座席の下に押し込んだ。
ドンイクはその施策にまんまと騙され、運転手が自分の車をカーセックスに使ったと思い込み解雇する。そこで新たな運転手として父のギテクを親戚として紹介。人が良くて経験豊富だと採用され、見事父親もパク家に「寄生」することに成功する。
家政婦のムングァン(イ・ジョンウン)は、パク家が前の持ち主の頃からこの家に仕えていた。彼女が重度の桃アレルギーだと知ったキム一家は彼女に桃の皮に付着している粉末を撒いて発作を起こさせ、ギテクは韓国で結核が流行しているという嘘をドンイクに流し、終いには血がついたように見せかけたムングァンが使用済みのティッシュを見せ、解雇させることに成功する。
そしてギテクは架空のセレブ限定人材派遣サービスをドンイクに勧め、母チュンスクが家政婦として雇われることになった。こうして家族4人全員が身分を偽り、パク家に寄生することに成功する。
あらすじ③予定外の帰宅と予定外の”パラサイト”
家族全員が就職することに成功したキム家の生活は、少しばかり向上していた。
ダソンの誕生日にパク一家はキャンプへ出かけ、チュンスクは留守番を任される。家族4人で我が家かのように酒を飲み、団欒していたところインターホンが鳴り、前の家政婦ムングァンが「地下に忘れ物をした」とやって来る。暴風雨だったこともあり、チュンスクがしぶしぶ中に入れると地下の隠し扉を開け、そこにはなんとムングァンの夫・グンセ(パク・ミョンフン)が隠れ住んでいた。
ムングァンは地下室の存在を自分しか知らないことをいいことにそこに住ませ、夫を借金取りから匿っていたのだ。チュンスクにこの秘密を守ってくれるよう頼みこんでいたところ、階段に隠れて話を聞いていたチュンスク以外のキム家3人が足を滑らせて落ちてしまう。ここでムングァンはキム家が家族だと知って形勢逆転し、動画をパク家に送信すると脅すのだった。
そんな時電話のベルが鳴り、大雨のためパク家が急遽帰宅することに。ムングァンとグンセをやっとの思いで地下に押し込めた一家は大急ぎで家を片付け、ギウ、ギテク、ギジョンはダイニングテーブルの下に隠れる。「計画がある」と言ったギテクに続き、3人は隙をついて家から逃げ出すことに成功する。
一家は半地下の自宅に戻るも洪水被害にあっており、その日は体育館で一夜を過ごすことになった。計画の内容を聞かれたギテクは、「計画とは無計画のことだ。計画があると予定外のこともあるのだから、最初から計画をしなければいい。」のような旨を語った。
2019年5月に韓国で公開された映画『パラサイト 半地下の家族』。映画界の著名人たちが口を揃えて絶賛している本作品は、観客からの評価も非常に高く、韓国では動員数を1,000万人突破しました!!
それもそのはず、第92回アカデミー賞では、作品賞・国際長編映画賞・脚本賞の4冠を達成しました!英語以外での作品賞受賞はアカデミー賞史上初の快挙で、ほんっっっっとに凄いことなんです!
伏線や皮肉が豊富で、現代社会への問題提起となっている本作品ですが、クスッと笑えるシーンなども多く登場するブラックコメディとなっています。
パラサイト(英語”Parasite”)とは、「寄生虫」という意味。映画を見た方はお気づきかもしれませんが、「本当に寄生しているのは誰なのか?」という裏の(?)テーマも隠されていますよね。
この記事では、そんな注目作『パラサイト 半地下の家族』をネタバレありで徹底解説していきます!各項目をクリックすると、詳細部分に飛べます。
韓国だけでなく日本や台湾、フランス、香港など、世界中で歴代の記録を塗り替える大ヒットを記録した映画『パラサイト』は、2020年1月10日に日本で公開されました。
”parasite”は日本語で「寄生虫」という意味。その文字通り、薄暗い半地下にある自宅に住む”全員失業中”の家族が、IT企業を経営している上流家族に「寄生」していく物語です。
監督と脚本を手がけたポン・ジュノは、韓国出身の映画監督・脚本家。代表作には『殺人の追憶』(03)や『グエルム-漢江の怪物-』(06)、『母なる証明』などで、ジャンル映画が得意です。カンヌ国際映画祭に出品された作品もあり、『パラサイト』以前から世界で評価されている監督なんです!
格差が激しい現代社会を皮肉り、痛烈に批判している本作ですが、クスッと笑えるブラックコメディも混じり複数ジャンルが融合したエンターテイメントであるともいえるでしょう。
ポン・ジュノ監督が2013年から脚本を描き始めました。2019年のカンヌ国際映画祭で最高賞”パルムドール”を獲得したステージで、監督自ら「ネタバレ禁止」と注意喚起したほど、本作は「展開」が非常に重要です。
特に、後半部分からジェットコースターのように目まぐるしく展開されていく面白さを味わうためにも、未鑑賞の方は以下の簡単あらすじだけで留めておくことをオススメします!
韓国の首都・ソウルに住むキム一家は、日光も電波も届かないような半地下に住む下級家族。全員失業中で、ピザ屋の宅配ボックスを組み立てる内職をしてなんとか生活している。
ある日、息子のギウ(チェ・ウシク)は友人で大学生のミニョク(パク・ソジュン)が留学する間、代理で家庭教師をやらないかと勧められる。身分を偽り、ギウが家庭教師を務めることになったパク家の娘ダヘ(チョン・ジソ)は、IT企業の社長一家で高台にある大豪邸に住んでいた。
そしてダヘの弟が美術の家庭教師を探していることを知ったギウは、妹のギジョン(チャン・へジン)を知り合いとして推薦し、その後父は専属ドライバー、母は家政婦として次々とパク家に「寄生」していくのだが、そこには新たな「寄生者」がいてーー。
半地下にある薄汚いアパートに住むキム一家は、父・ギテク(ソン・ガンホ)母・チュンスク(チャン・へジン)息子・ギウ(チェ・ウシク)娘・ギジョン(パク・ソダム)の4人家族。近所のパスワードがないWi-Fiを必死につなげたり、宅配ピザの箱を折ったりして日々を過ごしていた。
そんなある日、ギウの友人で名門大学に通うミニョク(パク・ソジュン)がやってきて、彼はキム家に富を生むと言われている「山水景石」をプレゼントする。その帰り道にミニョクは、自分が留学している間、女子高生パク・ダヘ(チョン・ジソ)の家庭教師のアルバイトをしてくれるようギウに頼む。ミニョクはその生徒と恋愛関係にあり、大学入学後に交際を申し込む予定だという。依頼主の家庭が大富豪で給料も良いと知ったギウはそれを承諾する。
大学受験に失敗し続けていたギウは、美大を目指している妹ギジョンの力を借りて大学証明書を作ってもらい身分を偽造して、面接へ向かう。高台の高級住宅街にあり、著名な建築家が建てたというパク家は、ギウには想像もつかないほど壮大で美しい自宅だった。それでも堂々と家庭教師を務めたギウはダヘの母・ヨンギョ(チョ・ヨギョン)の信頼を手にし、家庭教師として採用される。
あらすじ②身分を隠し、一家で「寄生」計画に成功
ヨンギョが息子・ダソン(チョン・ヒョンジュン)のために美術専門の家庭教師も探していると知ったギウは、ギジョンを「有名な芸術療法師、ジェシカ」として紹介する。インターネットで得た情報で物怖じせずにダソンを懐けることに成功したギジョンは騙されやすいヨンギョの信頼を勝ち取り、美術の家庭教師として採用されることに。
しばらくすると、一家の主人でありIT企業の社長のドンイク(イ・ソンギュン)が帰宅し、夜道を1人で歩かせるわけにはいかないと彼の専属ドライバーにギジョンを送るよう指示する。自宅まで送るとしつこく言う運転手に、自宅がバレるわけにはいかないと断ったギジョンはある施策を思いつき、自分のパンツを座席の下に押し込んだ。
ドンイクはその施策にまんまと騙され、運転手が自分の車をカーセックスに使ったと思い込み解雇する。そこで新たな運転手として父のギテクを親戚として紹介。人が良くて経験豊富だと採用され、見事父親もパク家に「寄生」することに成功する。
家政婦のムングァン(イ・ジョンウン)は、パク家が前の持ち主の頃からこの家に仕えていた。彼女が重度の桃アレルギーだと知ったキム一家は彼女に桃の皮に付着している粉末を撒いて発作を起こさせ、ギテクは韓国で結核が流行しているという嘘をドンイクに流し、終いには血がついたように見せかけたムングァンが使用済みのティッシュを見せ、解雇させることに成功する。
そしてギテクは架空のセレブ限定人材派遣サービスをドンイクに勧め、母チュンスクが家政婦として雇われることになった。こうして家族4人全員が身分を偽り、パク家に寄生することに成功する。
あらすじ③予定外の帰宅と予定外の”パラサイト”
家族全員が就職することに成功したキム家の生活は、少しばかり向上していた。
ダソンの誕生日にパク一家はキャンプへ出かけ、チュンスクは留守番を任される。家族4人で我が家かのように酒を飲み、団欒していたところインターホンが鳴り、前の家政婦ムングァンが「地下に忘れ物をした」とやって来る。暴風雨だったこともあり、チュンスクがしぶしぶ中に入れると地下の隠し扉を開け、そこにはなんとムングァンの夫・グンセ(パク・ミョンフン)が隠れ住んでいた。