

鳥取の田舎から東京大学に進学した著者は、都会生活にも人生にも戸惑うなか、恩師との運命的な出会いをきっかけに、世の中の価値観に順応せず「自分の時間を生きる」ことを決意。
自分の感覚に素直に生きた結果、東大に8年間在籍することになるが、メキシコでのタコス屋見習い、地元・鳥取での「寺子屋」づくり、ブラジルの名門サッカークラブの広報、ネイマール選手の通訳など、想像もしていなかった経験を重ねていく。
現在は4カ国語を使いこなし、おもにプロサッカー選手に語学や異文化コミュニケーションを教えながら、浦和で自由に楽しく子育て中心の生活を送っている。
著者について
1985年4月12日、鳥取県生まれ。東京大学文学部卒業。
田舎から東大に進学後、人生に迷う。大学の恩師の助言で自分に素直に生きた結果、メキシコでタコス屋見習い、鳥取で学び場づくり、ブラジルの名門サッカークラブ広報、ネイマール選手の通訳などを経験。
Instagram:@takafotos
"まとめてはならないという意味でまとめられない話なので、僕からのコメントはありません"
"何かを観終わったあとに、すぐに声を出すのはやめなさい。それは他人の世界も自分の世界も壊すことだから"
これらはいずれも、筆者・サカタカモトさんが東大に入学して出会った、運命の人というべき小松美彦先生(科学史・生命倫理学専攻)が講義でおっしゃった言葉だ。
これらが紹介されている「第1章:人生を変えた授業」を読むだけでも、正直、モノの見方が変わる。
それに従えば、こうやって読後感を書いて投稿するなんておかしいやん!ってことになるけど、それほど魅力的で、世の中の価値観に順応せず「自分の時間を生きる」ことがどういう意味を持つかを、ストレートに教えてくれる一冊だ。
自分の時間を生きることは、単に自分のやりたいように生きるということではない。その背景には、筆者の「人としての魅力」……それはいかなる時も周囲の人たちに感謝し、物事をポジティブに捉え、とことん努力できる素直さを持ち、他者とともにそれを叶えようとする生き方……にあるんじゃないかと思う。
それを、さまざまな場面で示し、周囲を巻き込んでいく破天荒な人生。まさに、小説かと思うような展開が現実にあり得るんだ、なんてビックリするが、それも「自分が切り拓いて」いった結果として繋がり、もたらされる「必然」なんだとわかる。
今の日本社会はあまりにも硬直的で、同質化バイアスに晒されている。私たちは、常に「他者と自分を比較しながら生きる」ことから逃れられず、誰もが諦めにも似たストレスを抱えている。
しかし、著者はその流れから自分を解き放ち、恩師・小松先生の言葉を胸に人生を歩んでいく。
"君の内側に流れてる自分の時間を生きればいい。好きな時に好きな本を読み、好きな場所で好きな人と会う。ただし、そうすれば必ず外側を流れる時間とはズレていくから、その狭間で苦しむことになるけれど、そういう苦しみならむしろ、徹底して苦しみぬいたほうがいいと思う"
結果、実際に自らの望む人生を手に入れることができた。
誰にでも、同じようなことは起こり得る。
私たちも、自分らしい生き方の舞台をこの手で掴み取ろう!
こんな人生もあるんだなと
タイトルと各章の紹介に惹かれて。
とても面白く一気に読了しました!
読む前は「普通と違う人生歩んでも東大卒の頭脳とコミュ力でなんとかなっちゃった自慢の話でしょ」とかすかに思っていました。
そう感じる部分がないこともないですが(底辺のやっかみ)それ以上にやりたいことへの行動力、とくにブラジル移住への4度のトライに胸を打たれました。
恩師、メキシコ、ネイマール、寺子屋、奥さん、などなど各エピソードもどれも興味深く目から鱗です。
別世界の話ですが、なんとなく自分の人生に勇気が湧いてきます。
著者の体験をもとにヒントを与えてくれます
事実は小説よりも奇なりといえば一言ですが、自分では体験できない人生の一部を見せてもらえる読書の時間でした。
世間の時間の流れに身を任せること、自分の時間を生きることを選ぶこと、自由と見える後者でも必ず苦痛を伴うということ。
出会いを大切に、ひとを大切に、出会いから学びを得ていく素直さ。自分の想いを信じる強さ。
戸惑ったときに何回も読み返したいし、迷っているひとがいれば勧めたいと思う一冊に出会えました。
ワクワクする本
読んでて、ワクワクする本!!
ガイナーレ鳥取絡みで読んだのですが
それとは関係無い部分がかなり面白かったですよ。
もちろんガイナーレ鳥取絡みも面白いんですが、
あまりガイナーレ的なものは期待せずに読んだ方が良いです。
むしろ、この方の人生模様から見える東京大学
というものを読み解くと面白いのではないでしょうか。
悩んで掴んだ自分の生き方
自分で自分の道を切り拓く。著者の生命力、勘の鋭さ、実行力にグングン引き込まれて一気に読了。
勇気をもらいました。
悩める大学生の背中を後押ししてくれた最高の一冊
読んですぐにメキシコに行きたくなり計画を立て始めてしまいました。
それくらい自分の中にある時間や感性を大切にして生きること、そして自分の外にも積極的に出ていき、他者との関わり合いを大事にしながら多くの刺激を得ることの素晴らしさを感じさせられる一冊でした。
「自分がしたいことがあるけど、踏み出せない」という人は少なくないと思います。
自分もそんな迷える大学生の1人でした。
しかし、本書を読んで、とりあえず踏み出せる範囲で少しでも前に踏み出して行こうと思うことができました。
本書では著者が悩みながらも自分の時間を大切にして、常に目の前のことに全力を注いできたことで成長して多くの出会いを生み出してきた過程が描かれています。
そしてそんな筆者の姿勢と経験が、後になるにつれてどんどん芽を出し、大きな花を咲かせていった様子はConnecting The Dotsを思わせるようなものでした。
変化の多い時代で未来への保証はないとしても、いま目の前にあるものに真剣に向き合っていればいつかはきっと役に立つ、と思わせてくれてとても大きな勇気をもらえました。
小説のようで小説よりも奇妙なストーリーに惹きつけられ、読み始めてから止まることができず最後まで一気読みしてしまいました。ぜひ多くの人に読んでもらいたいです!
もっと早く出会いたかった気もするけど今出会えて良かったように思える素敵な作品でした。
人生の豊かさとは何か、ジワリと感じさせられる珠玉のエッセイ
著者の歩んできた道は、一般的な「東大生」が保たれるイメージの、キャリアでは決してない。
自分が直感的に「こうしたい」と感じた道筋を、「どうしてそう感じるのか」と丁寧に向き合いながら、時にくじけ、時に出会った人々との関わり合いを通して、切り拓いていく軌跡に、本当に勇気付けられます。
そして、著者の暖かく優しい目線で語られる人との関わり合いや出来事が、きっと人生を味わうってこういうことなんだな、と痛感させられます。