映画 ウルフマン

2023年10月01日 21時01分41秒 | 社会・文化・政治・経済

10月1日午前3時45分からCSテレビのザ・シネマで観た。

アンソニー・ホプキンスとベニチオ・デル・トロが共演。

訳あり親子の関係性や、苦悩する狼男の演技に引き込まれる。VFXと特殊メイクを駆使した狼男の姿は必見。

ウルフマン』(原題: The Wolfman)は、2010年アメリカ映画1941年の映画『狼男』のリメイク作品である。狼男を演じるのはベニチオ・デル・トロ

ストーリー

1891年イギリス。ロンドンで舞台俳優として名声を得ていたローレンス・タルボットは、弟ベンの婚約者グエン・コンリフからの知らせでベンが行方不明であることを知り、久しぶりに故郷ブラック・ムーアに帰って来る。

道中列車の中で謎の老人から狼の頭の銀細工の杖を譲渡される。帰国後、待っていたのは父ジョン・タルボットの冷たい歓迎であった。さらに弟のベンは無残な姿で殺され肉屋に安置されていた。

葬儀後、ローレンスはベンを殺害した犯人の正体が狼男'であることを突き止めジプシーのキャンプでウルフマンを倒すべく交戦するが、逆に傷を負わされ呪いにより同族となってしまう。

登場人物

ローレンス・タルボット
演 - ベニチオ・デル・トロ/幼少期マリオ・マリン=ボルケス
本作の主人公で舞台俳優として成功している中年男性。ベンの兄弟(媒体により兄弟の関係は異なる)で幼い頃に母親ソラーナを亡くし、以後は父親ジョン卿に精神病院に入院させられ退院後は叔母の元でアメリカで過ごす。
幼少期のトラウマから精神病を患っているが、根は優しく紳士的な性格でジョンの変身したウルフマンからシプシーの母娘を助けたり、小説版では少年を庇ってウルフマンに噛まれている。
ただし、母親を侮辱する者は許さず酒場で母親を売女と罵った男に酒をかけて怒鳴っている。最初は疎ましがっていたが、ベンの婚約者であるグエンに次第に惹かれていく。ウルフマンとなりロンドンで警官、女性も含む市民を大量虐殺した罪荷に自害することを覚悟しブラックムーアに帰国。
ジョンが変身したウルフマンと対決し勝利。最後はグエンに銀の銃弾を心臓に撃ち込まれ「これでいいんだ」と言い残し静かに息を引き取る。ようやくその魂は安息を得た。
ウルフマン
ローレンスが満月を見ることで変身した狼男
黒みがかった茶色の体毛が特徴で強力な爪と牙、怪力と強力な跳躍力が武器で高い戦闘能力を持ち、大多数の銃を持った猟師やアバラインら警官隊を一度に殺戮できるほど。また強力な再生能力を持ち銃で撃たれても、ジョンのウルフマンに肩の肉を食われても一瞬で再生している。
普段は二足歩行だが高速走行する際は四足歩行となる。ただし邪悪な者を払う銀に関連した武器に弱く銀の銃弾で絶命している。
まだ変身に慣れていない為にジョンウルフマンに戦闘力は劣る。
ジョン・タルボット卿
演 - アンソニー・ホプキンス
ローレンスとベンの父親の貴族。狩猟とボクシングが趣味で過去にシンと共にある山奥で異形な少年に噛まれウルフマンとなった。長年ウルフマンでいた為ある程度ウルフマン化しても知性を保つことが可能となっている。
羊飼いや妻ソラーナを殺害後、満月の夜はシンに自分を城の地下壕に閉じ込めさせることで被害を押さえていたが、ベンを殺害後はウルフマンの力を楽しむようになる。最後はローレンスウルフマンに爪で首を刎ねられ死亡、死体はタルボット城と共に炎上し消滅した。
ウルフマン
ジョンが満月を見て変身する狼男。ローレンスとの違いは白髪のジョンが変身する為、体毛が若干灰色がかっていることと長年変身している経験の為、戦闘能力がこちらのほうが上であることでジプシーのキャンプ襲撃時は大多数の人間を殺害している。
爪と牙が武器で高い再生能力を持つ。
ローレンスが変身したウルフマンと戦いその経験値と変身の慣れにより圧倒するが、ローレンスウルフマンに暖炉に蹴り込まれ全身に火が付いたことが仇となり、その隙にローレンスウルフマンの左手で鳩尾を切られ怯んだ隙に右手で首を切断され絶命した。
小説ではローレンスとの対比から巨大なオオカミそのものの姿人狼に変身する。
グエン・コンリフ
演 - エミリー・ブラント
本作のヒロインで20代後半の美女。普段は父親の経営する骨董店で店員をしており、ベン、ローレンスと同様に母親を亡くしている。
心優しくまた気丈で強い信念の持ち主。ベンの死後、ウルフマンとなったローレンスの野性味とその内面の優しさに惹かれていく。
ローレンスをウルフマンの呪いから救う為に奔走するが、その方法は無く最終的にローレンスウルフマンを射殺することによりその魂を救い最期を看取った。
アバライン警部
演 - ヒューゴ・ウィーヴィング
ウルフマンの殺人事件を捜査する為イギリスから来た警部でかつて切り裂きジャック事件で活躍した。紳士的な性格で喋り方は慇懃無礼。
最後はローレンスウルフマンに噛まれたことで呪いを受ける。
小説ではその後、傷により1年後に警察を退職したが無事に呪いを克服し、私立探偵となり80代まで生きて亡くなった。
マレヴ
演 - ジェラルディン・チャップリン
ジプシーの占い師。ジョンウルフマンの襲撃を受けたローレンスを救うが、それがローレンスを苦しめることとなる。グエンに助けを求められるが、ウルフマンの呪いから救う方法は無いと語った。
シン
演 - アート・マリック
シーク教の信者で頭のターバンが特徴。タルボット家の使用人でジョンの良き親友でもある。最後は暴走したジョンウルフマンに壁の杭に串刺しにされて死亡した。
ベン・タルボット
演 - サイモン・メレル/幼少期エイサ・バターフィールド
ローレンスの兄弟でグエンの婚約者。グエンと結婚しタルボット城を後にしようとした所、グエンに好意を持つジョンウルフマンに殺害され食い荒らされた遺体となって肉屋に安置され、葬儀後にソラーナと共に墓に埋葬された。
ソラーナ・タルボッツト
演 - クリスティーナ・コンテス
ジョンの妻でローレンスとベンの母親。容姿はグエンに似ており、グエンと同様に美しく強い信念を持つ女性でジョンですら生涯のパートナーと認めたほど。暴走したジョンウルフマンに喉を切られて殺害され、その死はジョンの権力により自殺として揉み消された。
列車の老人
演 - マックス・フォン・シドー
ローレンスが列車の中で出会った老紳士。狼の頭の銀細工が施された杖を好意からローレンスに譲渡する。この杖はフランスのジェヴォーダン地方で入手した呪いの杖で前の持ち主こそがジェヴォーダンの獣であり、彼は助かったがローレンスがウルフマンとなる運命を決定付けた。
ジプシーの男
演 - リック・ベイカー
ジプシーのキャンプでジョンウルフマンに殺害された男性。
ジェヴォーダンの獣
かつてフランスで暴れた未知の獣。老人の持っていた杖の前の持ち主ですなわち先代のウルフマンである。ローレンスとジョンがもっぱら男性ばかり殺害したのに対し、この個体が女性と子供ばかりを殺害したのは変身者の性癖によるもの。

キャスト

役名:俳優

製作

特殊メイクを担当したリック・ベイカーは、この作品で7度目のアカデミーメイクアップ賞(2010年度、第83回)を受賞した。彼の初めての同賞受賞は1981年の映画狼男アメリカン』であるが、そこでも彼は狼男の特殊メイクを担当していた。

VFXムービング・ピクチャー・カンパニーリズム&ヒューズダブル・ネガティブZoic Studiosなどが担当している。

公開

当初は2009年2月に全米公開される予定だったが、追加撮影などのために2010年2月12日に延期された。日本では2010年4月23日公開。

DVD

日本では、2010年9月にジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント(現在のNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)より、Blu-rayとDVDの2枚セットにて発売された[2]

DVDに映像収録されているのは、劇場公開時に削除された未公開シーン(約16分)を復活させたディレクターズカット版である。Blu-ray版には劇場公開版とディレクターズカット版の両バージョン及び本編とは異なるエンディングを収めたラストシーンの別バージョンが収録されている[2]

 
ウルフマン

アンソニー・ホプキンスとベニチオ・デル・トロが共演。訳あり親子の関係性や、苦悩する狼男の演技に引き込まれる。VFXと特殊メイクを駆使した狼男の姿は必見。

解説

1941年製作の古典ホラーをベニチオ・デル・トロ&アンソニー・ホプキンス主演でリメイク。

19世紀末のイギリス。

人気俳優のローレンス(デル・トロ)は、兄の行方不明の知らせを受けて、生家のあるブラックムーア村へと帰郷する。

だが到着早々、切り裂かれた兄の死体が発見され、犯人捜索に乗り出すローレンスだったが、謎の狼男に襲撃を受け、自らも満月の夜に“ウルフマン”となってしまう……。

監督は「ジュラシック・パークIII」のジョー・ジョンストン。

2010年製作/102分/R15+/アメリカ
原題:The Wolfman
配給:東宝東和
劇場公開日:2010年4月23日

スタッフ・キャスト
監督
ジョー・ジョンストン
製作
スコット・ステューバー
 
ベニチオ・デル・トロ
 
リック・ヨーン
 
ショーン・ダニエル
製作総指揮
ウィリアム・C・カラッロ
 
ライアン・カバナー
オリジナル脚本
カート・シオドマク
脚本
アンドリュー・ケビン・ウォーカー
 
デビッド・セルフ
撮影
ショーン・ダニエル
美術
リック・ハインリクス
音楽
ダニー・エルフマン
特殊メイク
リック・ベイカー

ベニチオ・デル・トロ

アンソニー・ホプキンス

エミリー・ブラント

ヒューゴ・ウィービング

ジェラルディン・チャップリン

全てのスタッフ・キャストを見る
受賞歴
第83回 アカデミー賞(2011年)
受賞
メイクアップ賞 

インタビュー
製作・主演のベニチオ・デル・トロが振り返る「ウルフマン」の撮影

19世紀末ビクトリア朝ロンドンを舞台に、野生の本能をむき出しに殺戮を繰り返す怪物・狼男の悲しい運命を描く、ジョー・ジョンストン監督のサスペンスホラー「ウルフマン」。

同作で主人公の舞台俳優ローレンス・タルボットを演じたオスカー俳優ベニチ...

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2021年4月18日

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2020年7月13日

ライアン・ゴズリング主演で古典ホラー「狼男」をリメイク

2020年6月2日

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2017年5月15日
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これまでにも狼男の作品は、数多く製作されてきており、あのジャック・ニコルソンも演じていた。本作では、名優アンソニー・ホプキンスとベニチオ・デル・トロのコンビが親子役で出演し、モンスターの恐怖やグロさの中に、その親子の確執や愛憎劇も盛り込んだ作品に仕上げている。

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1981年のイギリス。

舞台俳優・ローレンスは、弟のベンが行方不明になったと聞き、25年ぶりに生家のタルボット城に帰ってきた。城に足を踏み入れた彼を待っていたのは、母の死を機に疎遠になっていた父・ジョン。そして無残な姿になったベンの遺体だった。

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利根輪太郎の競輪人間学 新山 響平選手惨敗でまたも波乱に

2023年10月01日 19時27分29秒 | 未来予測研究会の掲示板

GⅢ 豊橋競輪 開設74周年記念ちぎり賞争奪戦

最終日(10月1日)

12レース決勝戦

並び予想 2-5 3(単騎) 4(単騎) 8-6 9-1-7

レース評

意外にも今年の優勝はゼロ。今回こその気持ちで挑む新山の一撃が炸裂。稲川がマーク。2段駆け可能な中四国作戦に要注意。

 

1番人気 2-5(6・4倍) 2番人気1-7(7・0倍)3番人気5-2 (7・5倍)

今日こそはと、2-5と5-2の2連単と2-1の3連単で勝負する。

だが、競輪は甘くなかったのだ。

2番新山選手は8番川口 聖二 選手に絡ませてしまう。

それが、誤算だったのだ。

さらに、1番の松本 貴治選手に大きく張られてしまう。

結果 9-5 2万380円(47番人気) 9-5-3 20万8,270円(332番人気)




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 9 町田 太我   12.1 B  
2 5 稲川 翔 1車輪 11.8    
3 3 荒井 崇博 1/2車輪 11.6      
4 7 香川 雄介 3/4車輪 11.9      
  5 4 山田 雄大 3/4車輪 11.6      
  6 8 川口 聖二 1車身1/2 11.7      
  7 6 岡本 総 5車身 12.4      
8 2 新山 響平 3/4車身 12.6      
× 1 松本 貴治       S

 

戦い終わって

戦い終わって写真

 初手の周回は町田大我ー松本貴治ー香川雄介の中四国に、新山響平ー稲川翔が中団。単騎の荒井崇博と山田雄大が続き、後攻めは川口聖二ー岡本総の中部。赤板でレースが動き、川口が抑えに行くと町田が突っ張る。中団内を新山、外を川口で取り合う。終二角で中団を取り切った新山が捲るも、松本が大きく張り牽制。結果は松本が二着入線で失格。町田が逃げ切り、一昨年の松山GⅢ以来のグレード制覇。尚、稲川が二着に繰り上がる。
 優勝の町田は『後ろを固めた先輩二人のおかげでの優勝。レースを振り返ると、車番的に前受け出来そうだったので、川口さんが抑えてきたら新山さんと中団を取り合ってもらいたいなって踏み方で行こうと。その通りにレースを運べ、後は無我夢中で諦めず踏んでいました。松山はGⅢ優勝でしたが、記念は初めてなのでまた今回は格別ですし自信になる。次は親王杯が控えていますし、まずゆっくり休んでから練習を再開して良い準備をしたいです』。
 二着は繰り上がった稲川翔。
『新山君との作戦は前受けは厳しいかなって。彼はS班ですし、後ろでいろいろな事を感じさせてもらおうと中団取り含めて全て新山君の好きなように任せていました。松本君の牽制は想像を遥かに超える動きでしたね。あれがなければ新山君は捲ってしまってたと思うし、ブロックもらって自分もパニックに。決勝に関しては変に脚がキツかった。レベルの高い相手に無我夢中で踏んで脚にきてたのかも。ワンツー決められなかったのが残念でした』。


「恩送り」

2023年10月01日 19時27分29秒 | その気になる言葉

▼人間は幸福になるために生まれてきたのだ。

▼「日中国交正常化の日」

今から50年前の1972年9月29日、田中角栄総理と周恩来総理との間で日中共同声明が署名され,日本と中華人民共和国との間の国交正常化が実現した。

民衆の往来で友誼のシルクロードをどこまでも。

▼浅い考えは信じやすく理解しやすいが、深い教えは信じ難く理解も難しいものだ。

▼自分は、こやって地域のための貢献している―と言えるものをもつことだ。

▼人生の指針を胸に抱く、その一つ一つが、人生の困難に遭遇した時に、どれほど心の支えになったか計りしれない。

▼「恩送り」とい言葉がある。

恩は「返す」こも大事だが、若い自分が受けたように、次代の青年に「送る」ことに、さらに価値がある。

▼より良き社会を育む精神の土台が期待される。

 


創作 人生はドラマ 4)

2023年10月01日 12時29分25秒 | 創作欄

私は、太宰治の桜桃忌で出会った人と三鷹駅までバスで向かった。

そして、誘われるままに、居酒屋へ入った。

私は兄が4人、娘一人の家庭で育ったのだけれど、兄は皆アルコールはだめだった。

父親の光明は湯河原温泉での社内懇親旅行の日、温泉風呂で倒れて、帰らぬ人になっていた。

祖父も自宅の湯舟に沈んで死亡した。

いずれも、心筋梗塞だった。

私は酒を飲みたいとは一度も思ったことがない。

でも、酒場の雰囲気は嫌いではなかったのね。

従姉の雅恵が酒好きで、時々私は誘わていた。

でも、私はウーロン茶を飲んで、魚料理や肉料理を堪能してきた。

私を三鷹駅に近い居酒屋へ誘ってた人は「こんな店を太宰が好んだのではないかしら」と暖簾をくぐる。

「このお酒、あなたにも飲んでほしいの」注文した日本酒は新潟の雪中梅だった。

「私、お酒の飲めません」私は自分の嗜好を告げた。

それでも、相手は「騙されたつもりで飲んでよ、美味しいから」と盃に酒を注ぐ。

「まず、香りを嗅いでみて」とほほ笑む。

私は、勧められたままに酒が注がれた盃に鼻を寄せる。

その酒は実にフルーティーな香りだった。

そして、一口の飲んでみると、絶妙な味わいと喉ごしであったのだ。

「日本酒て、こんなに美味しいものなのね」

「そうでしょう。私の故郷のお酒なのよ」

「そうですか。本当に美味しいお酒ですね」私が日本酒に開眼した日となる。

人との出会いで〝本当の自分〟に出会うことに。

その人は、春川時子と名乗った。

年齢は70歳で、3年前まで婦人専門の雑誌社に勤務していたという。

「来年も、桜桃忌で会えたらお酒飲みましょ」三鷹駅で別れる時、その人は私に握手を求めながら頬笑む。

私は新宿方面へ、その人は高尾方面へ。


負けないと闘争心を持ち、前向きに対応する

2023年10月01日 11時43分04秒 | その気になる言葉

<いつまでも生きていける>と死から目を背けるよりも<この人生はいつか終わる」という有限性に目を向けられる人の方が、今を大切にできる。

さらに<死んだら終わり>ではなく、<次の生への始まり>と捉えた方が、人生の最終章まで「生」を輝かせていくことができるだろう。

古代インド医学では、患者を身体という物質的側面だけでなく、心も含めた「生命」という視点で捉え、一人一人がいかに幸福な生活を送っていけるかに心を砕いてきた。

仏典には、こうしたインド医学の神髄が取り入れられた。

つまり、仏法では「病」だけではなく、「人間」や「人間の幸福」に目を向けてきたのだ。

超高齢社会を迎えた今、こうした視点が重要だと思う。

年を重ねれば、身体機能が衰え、病気にもなる。

それが治るものなら治療することが大切であるが、衰えた体力では治療に身体へのダメージも大きい。

そこで大事なのは、どうすれば一日でも長く、自分らしい人生を歩んでいけるかを考えことだ。

例えば、仏典には<医学の知識のみで治療するのではなく、慈悲の心が大事である>と医師の心構えが記されている。

また看病に当たる人には<患者に慈悲で接することはもちろん、病人が歓喜するようにすること>といった心得も教えている。

医師の「振る舞い」や「心」が患者にとって大切な場合がある。

「大切なのは、病気の人が少しでも元気にいなるように、激励していくことだ」

イギリス心理療法家のグリアーさんの調査を見ると、興味深いことがわかる。

手術から3か月後の乳がん患者の心理状態。

A=がんに負けないと闘争心を持ち、前向きに対応した人たち

B=がんであることを忘れたかのように過ごした人たち

C=がんを冷静に受け止めて粛々と治療に励んだ人たち

D=もうダメだと絶望的になり、死への恐怖を持つた人たち

結果は、生存率が高かったのはAの人で、B、Cと続き、Dの人が最も低いことがわかった。

また、それは死を向き合う場合も変わらない。

 

 

 


ウクライナ動乱—ソ連解体から露ウ戦争まで

2023年10月01日 10時32分43秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 
ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで (ちくま新書)
 
 松里公孝 (著) 

 
冷戦終了後、ユーラシア世界はいったん安定したというイメージは誤りだ。
ソ連末期以来の社会変動が続いてきた結果としていまのウクライナ情勢がある。
世界的に有名なウクライナ研究者が、命がけの現地調査と100人を超える政治家・活動家へのインタビューに基づき、ウクライナ、クリミア、ドンバスの現代史を深層分析。
ユーロマイダン革命、ロシアのクリミア併合、ドンバスの分離政権と戦争、ロシアの対ウクライナ開戦準備など、その知られざる実態を内側から徹底解明する。


著者について
松里 公孝(まつざと・きみたか):1960年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科教授。法学博士。専門はロシア帝国史、ウクライナなど旧ソ連圏の現代政治。
著書『ポスト社会主義の政治――ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制』(ちくま新書)、『東大塾 社会人のための現代ロシア講義』(共著、東京大学出版会)、『講座スラブ・ユーラシア学 第3巻 ユーラシア――帝国の大陸』(共編、講談社)など。 
 


ロシア=悪 ウクライナ=善の二元論に立つことを糾弾。
それでは、得るものは乏しい。
何が、なぜ、どう起きたのか。
事実と人間の複雑さに粘り強く向き合わないと、戦争を止めれる時が来ても、うまくゆくのかどうか? 疑問が残る。

戦争の背後にある複雑さと表面からいかに分析するかである。
ソ連解体(1991年)の社会大変動がずっと続いている。
その最悪な一例こそが露ウ戦争と位置付ける。

プーチン大統領の野望とは何だったのか?
ゼレンスキー大統領とは何者?
ウクライナの内側から考え抜いた著者の結論には苦いものがある。
ロシアとウクライナの関係は、どこまでも切れないものがある。
一時しのぎの停戦を、ほころびつくろいながら何十年も待つしかない―との結論である。
 
基礎から学べるテキストのような本。
内容が充実してる。
 
 神は細部に宿るということか

著者は長らくウクライナ、さらにはドンバス地域、ドネツク人民共和国に分け入って現地調査も続けてきた研究者。
 冒頭からロシアのウクライナ侵攻について
「このような戦争はソ連末期からコーカサスや環黒海地域で繰り返されてきたものであり、今回の戦争は、一つの事例が付け加わったものにすぎない。(p.11)」
 とあり「そうなのだな!」と目から鱗。
そして次のページでも
「旧ソ連諸国を見る際に、西側のマスコミや一部の研究者が、国民の経済的困窮と社会的不満に目を向けず、ありとあらゆる政治的な対立を『親露か親欧米か』という地政学軸に流し込もうとするのは奇異である。(p.12)」とあり目を見開かされる。
物事を単純化して理解することへの戒めは多い。
他にも
「ドネツク人民共和国……については、『人民共和国はロシアの傀儡であるか否か』という二者択一の議論をする人が多いが、これは生産的でなく、実証研究をかえって妨げている(p.338)」等と述べる。
 著者はウクライナ政治、特にマイダン革命の暴力性や、ドンバス紛争でのウクライナ政府軍による市民への攻撃に批判的である。
もちろんロシアも問題だが、ゼレンスキー大統領は英雄ではないし、ウクライナの政治も問題で、それはロシアが敗北・撤退しても解決するわけではないようだ。
 本書から学ぶことは多いが、私が特に注目したのは以下の点。
1 多文化国家の政治に求められる条件は
①多言語、多文化主義をとること。
②特定のイデオロギーや歴史認識を全住民に押しつけないこと。
③そのかわり、経済成長、生活水準の向上、文化・学術・スポーツ振興などを国家目標にすること。
④外交的には中立政策をとること。
⑤揉め事が起こったときには暴力に訴えず、寛容と妥協を重んずること」という「中立五原則(p.67)」である(しかしウクライナ政府は総じてこれらの原則と逆の動きをしてきた)。
2 「分離紛争の解決法としては……①連邦化、②land-for-peace、③パトロン国家による分離政体の承認、④親国家による再征服、⑤パトロン国家による親国家の破壊である(p.420)」。
今回の場合、ミンスク合意は①、ロシアは③を経て⑤を目指して侵攻し、一方ウクライナは④を目指しているということになろう。
3 著者は「最も現実的な紛争回避策は、一時凌ぎの停戦協定を、綻びを繕いながら何十年でももたせて(p.481)」、人々の国家観や国際法のあり方の変化を待つしかないと言う。
この戦争はそう簡単には決着がつかないということだ。
 


ウクライナ=正義、ロシア=悪なのか?

日々テレビや新聞から入ってくる情報は「ウクライナ、ゼレンスキー=正義。ロシア、プーチン=悪」という単純極まりない二元論を基にした報道ばかり。
ロシア軍はまるで、戦隊モノの悪役軍団のように描かれている。
末端の兵士を消耗品のように使い捨て、内輪揉めが絶えず、まともな戦いで勝てないと見れば弱者である民間人を虐殺する。…
これらが全て嘘だとは言わないものの、西側の報道ではかなりデフォルメして伝えられているし、ウクライナ、ゼレンスキー政権もドンバス地域に対してほぼ同様のことをやってきたことが、本書で明らかにされている。

本書はソ連崩壊後のウクライナの歴史から紐解き、現在の状況がいかに生み出されたかを分析する。
2014年の2月20日スナイパー虐殺や、オデサ労働組合会館放火事件を知らずに、今日のウクライナ侵攻は全く理解できない。
にも関わらず、西側のメディアは、これらの事件をほとんど取り上げていない。

さらに、本書では、2014年のドンバス戦争開始以来、ウクライナ軍がドンバス地域の民間施設やインフラの破壊を繰り返し行い、いかに同地域の住民らの生活を蹂躙してきたかが克明に記されている。
著者が命懸けでドンバス地域の政治家などに直接取材された成果は貴重である。

ウクライナ批判をロシア擁護論と見る向きもあるが、本書はロシアの政策決定や体制にも痛烈な批判を投げかけている。しかし、これまで西側の報道を100%信じてきた人がこの本を最後まで読めば、露宇戦争の見え方がまるで変わってくることは確実である。

今後この戦争がいつまで続き、どのような形で終結するのかはまだ見えないが、西側が望む通り、仮にウクライナ有利の形で終わったとしても、独裁化したゼレンスキー政権と、ドンバス、クリミアへの抑圧が肯定されるのでは、何の解決にもならないことは明白だ。
かと言って、ロシアの武力による領土拡張を認めて良いことにはならない。
ロシアもまた、ドンバス地域をウクライナに留めておくことで利用してきた経緯がある。
善悪二元論では到底語れない、複雑な歴史がそこにある。
ましてや、プーチンが失脚すれば解決するなどという単純な話では毛頭ない。
読後、日本の多くのメディアの報道の浅薄さに改めて絶望した。

いま地上で起きている最大の危機への理解を深めるために、多くの人に読んでほしい良書である。

 

親露派 対 親欧米派 という、単純化された構図からの解放

予備知識を別途つけてから読んだほうがよい

ロシアのウクライナ侵攻については、「親露派 対 親欧米派」「プーチンの野望」「国際秩序を踏みにじるプーチンの暴挙」といった、単純化された構図での説明が目立つ。 

それに対して本書は、旧ソ連圏の現代史が専門の著者が、「ウクライナ」とひとからげにせず、「クリミア」「ドンバス」と地域の特殊性もふまえながら、何が今回の紛争の原因なのか、詳細に分析をしている。 
とかく「善」と「悪」の二項対立の図式に流されやすい我々に、現実はそれほど単純なものではないことを教え、考えさせる書。

本書の内容を十分理解したとの自信はないが、著者の言わんとするところは、紛争の根源には、ソ連解体後、一向に改善しない経済(生活水準)への市民の不満がある。
それに、多民族国家特有の民族間の感情的な対立と、そうした錯綜する現実の中で登場してくる、ポピュリズム政治家の動きが加わり、ソ連解体以降くすぶっていた火種が、現実のものとなっている、というものではないかと思う。

本書は、旧ソ連解体前のコメコン経済圏の相互依存体制、それが旧ソ連崩壊によってどうなったか、オレンジ革命、ユーロマイダン革命の経過とその時々のキーパーソン等、この地域についての基礎的な知識を前提としているところがあり、それがないと、折角の深い分析を十分に理解できない。
 予備知識を別途つけてから本書に当たった方がよいと考える。

 

冷静な分析に敬服

松里氏の分析は、極めて冷静と思われる。というより常識的。日本国全体が右も左も熱狂に覆われ、思考停止の中での勇気ある主張。その熱狂が覚める後年、正当な評価が下されるだろう。

 

ロシアは旧ソ連圏の盟主であろうとすることをやめた

旧ソ連圏を長年現地調査してきた松里博士はロシア・ウクライナ戦争をNATOの東方拡大に対するロシアの反発の結果とする(ある意味単純な)地政学的な理解をとらない。
松里博士はロシアがプーチンの時代になって旧ソ連圏諸国の盟主としての地位を求めることを放棄し、単にロシアに敵対的かそうでないかだけが外交の軸になってしまったこと、それが戦争の原因だと喝破します。
プーチンは旧ソ連圏諸国との友好関係を維持して圏内での影響力を保つことを無益と感じてやめてしまったのである。
松里博士はソ連解体から今日に至るまでのウクライナの各地方の動向をたどり、問題を悪化させてしまったロシアとウクライナ双方の政治・社会の歪み、そして欧米の問題への向き合い方を批判的に総括しています。
本書から学んだことは以下の三点です。

①ロシアはドンバスを取り戻したかったわけではなく、むしろドンバスの分離運動を迷惑がっていた。

ソ連時代末に連邦の中核たるロシア共和国が自国の資源で連邦内の貧しい共和国を養っていることに不満を感じるようになったことがソ連崩壊の背景だった。
結果ソ連解体後ロシアはエリツィン時代に資源輸出で稼ぐ資源依存の経済構造になって製造業を衰退させてしまった。
その歪んだ経済構造がロシアをダメにしてしまう危機感を感じた後継のプーチンは産業構造の改革に乗り出した。
産業がバランスよく発展したウクライナ南西部(ザポリージャ・へルソン・オデーサなど)を手に入れたいという領土的野心が戦争開始の動機のひとつだった可能性はある。その南西部が分離運動に乗らなかったのは、非承認国家となれば産業が破壊されてしまうことが確実だったから。
多民族混成が当たり前の南西部は本音では西部のウクライナ民族主義には嫌悪感を抱いているが分離運動にも未来があるとは思えなかったのである。

親EUのビジネスマン層が多い西部と違って炭鉱労働者層(国内で蔑視されていたらしい)が多数を占めていたために分離派が活発化したドンバスの産業構造はロシアにとって特に魅力がなく、ロシアはドンバスを手に入れたかったわけではない。
ロシアからの支援を一方的に当て込んで分離運動を激化させていくドンバスの暴走をプーチンは苦々しく思っていた。
ドンバスがウクライナ政府による民間人攻撃の非道を国際社会に告発しようとしたときロシアは助けようとはしなかったし、プーチンはウクライナがクリミア併合を黙認するならドンバスにウクライナに戻るよう説得する用意があるとドンバスを取り引き材料にしようとすらしていたと思われる。

②ロシアはドンバスを保護国にし続けるための莫大なコスト負担から解放されたかったのではないか。

ウクライナは今さらドンバスに戻ってきて欲しいとは思っていない。
ドンバス四百万の人口がウクライナを去って親ロ派票が大きく減ったからこそマイダン革命後の様々な民族主義的な政策変更が可能になった。
戻ってこられては困るのである。
戦争勃発以前、ロシアはドンバスを保護国化した場合の財政的コストが莫大に過ぎること、ウクライナ内の親ロシア票を減らしたくなかったことによりドンバスをウクライナにとどまらせようとしていたが、聞く耳を持たないドンバス側が最後はロシアが助けてくれるはずだと独立の既成事実を勝手に作り上げてしまった。
(ロシア軍は関与していない?) 独立宣言したドンバスを支援せざるをえなくなったプーチンはこのまま莫大な保護国化のコストを払い続けるくらいならウクライナ政府を倒し親ロ派の傀儡政権を作って全てに決着をつけてしまうほうが得策だと考えるようになった可能性は高い。
かくも重大な政治判断を政権内で議論せずにプーチンと軍部とだけで決めてしまった可能性が高い。
ロシアの国家体制はもはや異常である。

③ロシアもウクライナも紛争を拙速に解決してしまおうとせず、何十年もかかる前提でいるべきだった。

ドンバスやクリミアのような分離派の多い地域を抱えたままではどのみちウクライナは不安定な状態を続けざるをえなくなる。
国を安定させるためにも分離派地域を切り離してしまう選択が望ましい。
しかし欧米が領土変更を嫌って、開戦後まもなくドンバスとクリミアの切り離しで和平しようとしたウクライナに領土割譲しないよう説得し(本当?)軍事支援したから戦争が終わらなかった。
ならばロシアへの領土割譲にならないようドンバスとクリミアを国連の信託統治下に置くなどの解決策が望ましい。(事ここに至ると、もはや現実味はほとんどない和平案でしょうけれどもねえ...)結局プーチンもゼレンスキーも紛争状況を完全に解決しようとしたことが間違いだった。
紛争をあえて解決しないまま騙し騙し一時しのぎの停戦協定を繰り返しながら何十年と時間をかけて政治的環境・考え方の変化を待つべきだったのだ。

ゼレンスキー大統領は典型的なポピュリスト政治家として外交を内政の延長でやってしまう愚を犯して分離派との戦争をいたずらに激化させて対ロ関係を悪化させてしまった。
プーチンもクリミア併合を正当化するために反ウクライナ世論を煽り過ぎたせいでドンバスから手を引けなくなり、その焦りから問題を完全に解決してしまおうとウクライナ政府を倒して傀儡政府を作るなどという軍事大国の驕りからくる安易な選択をして失敗し、撤退すればよいものを引っ込みがつかなくなって泥沼にはまりこんでしまった。
欧米も自分たちが司る国際秩序の建前の都合で軍事力による領土奪取を認めさせるわけにはいかないという筋論だけで割り切ろうとしたことは愚策であった。以上が松里博士が仰っていることかと思います。
ウクライナ、ロシア、欧米、三者全員が問題に対する対処の仕方を間違えたのだというわけですな。

ロシアはウクライナにNATOに加盟して欲しくなかったならやるべきだったことは戦争ではなくウクライナとの末永い友好関係を築く努力をすること、それ以外にはなかったと僕は思う。
ウクライナが国民国家として自立していくとき民族主義的政策に舵を切ることは(やるべきではなかったが)仕方のない話だと思う。
それにより生ずるウクライナ国内の民族主義者と親ロ派の対立もロシアは我慢して融和のための助力に徹し、あくまでウクライナ国内での解決に委ねるべきであったんだと思う。
なのにウクライナに傀儡政府を打ち立てようなどという百年前の帝国主義丸出しの発想で国際社会に背を向けたロシアの大国としての責任の放棄は何よりも重大な過失だと僕は思う。松里博士が言う通り、ロシアが協調姿勢を捨てたことこそが戦争の最大の原因なのだ。