10月27日午前6時からCSテレビのザ・シネで観た。
過去にも観ているのだが、あらすじさえ記憶に残っていなかった、
『死刑台のエレベーター』(仏: Ascenseur pour l'échafaud、英: Elevator to the Gallows)は、1958年制作のフランス映画。
解説
ノエル・カレフの推理小説を、製作当時25歳だったルイ・マルが監督した傑作サスペンス。
パリの土地開発会社の重役ジュリアンは、その会社の社長夫人フロランスと不倫関係にあった。
情事の果て、2人は社長を自殺に見せかけて殺す完全犯罪を計画し、実行に移すが、犯行直後、会社のエレベーターが停電で止まり、ジュリアンが閉じ込められてしまう……。
出演はジャンヌ・モロー、モーリス・ロネ、リノ・バンチュラ。
音楽にマイルス・デイビス。2010年、ニュープリント版でリバイバル公開。
1958年製作/92分/G/フランス
原題:Ascenseur pour L'echafaud
配給:映配
劇場公開日:1958年9月26日
死刑台のエレベーター』 旅の友・シネマ編 (15) - 港町の ...
トッポの気まぐれ洋画劇場・死刑台のエレベーター

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解説
ノエル・カレフのサスペンス小説を映画化した、フランスのルイ・マル監督のデビュー作[1]。ルイ・デリュック賞を受賞した。
ボリス・ヴィアンの仲介で監督と知り合ったマイルス・デイヴィスは、映像を見ながら即興で映画音楽を作った。
物語[編集]
電話で愛を語り合う男女。
ジュリアン・タヴェルニエはフロランス・カララの夫が社長を務める会社の社員で、フロランスと恋人関係にあった。ジュリアンは、フロランスの夫を自殺に見せかけて殺す。
一旦は会社を出た彼だが、証拠隠滅のため再び会社に戻る。
ところが運悪く、ジュリアンはエレベーターに閉じこめられてしまう。約束の時間を過ぎても来ないジュリアンを心配し、夜のパリをさまようフロランス。ジュリアンに憧れる花屋、その恋人にも焦点を当てながら、物語は思わぬ方向に進んでいく。
キャスト
ジュリアン・タヴェルニエ - モーリス・ロネ
フロランス・カララ - ジャンヌ・モロー
ルイ - ジョルジュ・プージュリイ: チンピラ。
ベロニク - ヨリ・ベルタン: 花屋の店員。ルイの恋人。
シェリエ警部 - リノ・ヴァンチュラ
モーテルの若い男 - ジャン=クロード・ブリアリ(クレジットなし)
スタッフ
監督:ルイ・マル
製作:ジャン・スイリエール
脚本:ロジェ・ニミエ、ルイ・マル
原作:ノエル・カレフ
音楽:マイルス・デイヴィス
撮影:アンリ・ドカエ
会社の上司を殺したモーリス・ロネが証拠を現場に残したことに気づき、取りに戻るが運悪くエレベーターが止まり閉じ込められてしまう・・・‼️
冒頭、電話で「ジュテーム、ジュテーム」と声を流し込んでくるジャンヌ・モローの顔のドアップと声がなまめかしく、初見の際「これは凄い映画だ」と痛感させられました‼️
映像もモノクロの鋭い陰影美が今見ても大変美しく、ヒジョーに新鮮‼️
そしてそしてマイルス・デイヴィスの速攻演奏によるジャズ音楽が、主人公の置かれた立場のやるせなさを象徴していてズバぬけた効果をあげています‼️
物語はモーリス・ロネの車が不良青年に悪用されて思いがけない方向に転じます‼️
そしてラスト、現像液の中に犯罪の証拠写真が浮かび上がってくるシーンはホント衝撃的‼️
素晴らしいです‼️打ちのめされます‼️
ルイ・マル監督はこの作品がデビュー作だなんて、ホント天才ですよね‼️
完全犯罪を遂行し、悠然とビルから立ち去るジュリアン。花屋の前に停めたコンバーティブルに乗り込み、ふと上を見上げる。殺害相手の部屋からダランと垂れた一本の縄。
ルネ・マグリットの絵画のようにシュールで間の抜けたその光景は、ジュリアンの決定的失敗を示すとともに、これから始まる滑稽な負の無限連鎖を予感させる。
急いでビルに戻るジュリアンだが、警備員の勘違いにより不運にも彼はエレベーターの中に閉じ込められてしまう。
ジュリアンの頭をよぎるさまざまな懸念。完全犯罪の失敗、カフェで待たせたフロランスとの駆け落ち計画。一方、花屋の前に停めていたコンバーティブルは鍵を挿しっぱなし。
若いカップルに盗難されてしまう。カップルは男のコンバーティブルでパリの街をぶっ飛ばす。それを待ち合わせ場所のカフェから偶然見かけてしまったフロランス。彼女の双眸が捉えたのは、コンバーティブルと助手席に座った若い女。そして彼女は自分が裏切られたと早合点する。
些細なボタンのかけ違いによって物語はあらぬ方向へと駆け出していく。マイルス・デイヴィスの即興音楽がそれをさらに急かす。にもかかわらず主人公であるはずのジュリアンは一畳そこらの狭い箱の中でひたすら狼狽している。
彼は堪えきれずにあれこれ脱出方法を模索するが、そのどれもが失敗に終わる。動と静の皮肉なまでのハイコントラストに思わず笑ってしまう。
物語はやがて制御不能の域に達し、すべての登場人物がめいめいに迷走を始める。
本作ほど警察組織を素朴に応援したくなってしまう映画もない。公権力というデウス・エクス・マキナ以外に、この暴走列車を制止する術はないからだ。
翌朝、ようやくエレベーターから脱出したジュリアンだったが、時すでに遅し。
新聞は既に彼の容疑(しかも彼とは無関係な殺人事件)を大々的に報じており、ジュリアンは立ち寄った行きつけのカフェで現行犯逮捕される。マジで最後の最後まで何もできなかったのが面白い。
一方、自力でジュリアンへの誤解を解いたフロランスは、ジュリアンにかけられた嫌疑を晴らすべく最後の最後まで奔走する。
結局、彼女の決死の行動はシェリエ刑事の立ち回りによって阻止されるのだが、これから先ジュリアンに会うことはできないのだと悟ったフロランスの、愁いを帯びた表情は美しい。
何もかもがメチャクチャに混線してしまった中で、愛だけが不変だったのだ。本作が純愛映画の傑作と謳われる理由がようやく理解できた。