創作 人生はドラマ 9)

2023年10月04日 13時51分44秒 | 創作欄

新聞やテレビ報道によると、夫の高島啓介の事件は約半年前のことであった。

世間一般にも知られたので、夫は当然、勤務先からも解雇されてしまった。

親子の縁が切られているので、夫の両親や兄弟からも何の音沙汰もなかった。

春川時子さんに紹介されて、私は東京・京橋の春川法律事務所を訪ねた。

時子さんによると、夫の春川直人弁護士は元は検事だったの。

後で知ったことなのだけれど、夫を取り調べ起訴した検事は偶然にも、春川弁護士の後輩。

「旦那さんが起訴されたことで、さぞ驚いたことでしょうね。この件は私がお引き受けします。弁護活動のポイントは、とにかく不起訴処分を目指すことです。また、起訴されたとしても懲役刑の減軽や、執行猶予の獲得を目指すことです。

弁護活動の中で中心となるのは、早期に身柄解放すること、そして不起訴を目指し、被害者側である親(保護者)との示談交渉となります」

「示談金相場は事案によりますが、親の精神的苦痛である慰謝料の意味合いが出てくるので、略取した態様数十万円から数百万円になることもあるでしょう」

「是非、よろしく、お願いします」私は深々と頭をさげた。

春川弁護士の目は厳しかっのだけれど、声は優しく丁寧な説明なので、胸なでおとしたわ。

そして、春川弁護士は夫が逮捕されている新宿警察に接見に向かうことに。

「決められた運命なないわ」

「情けない夫だけど、自分が見放したらどうなるの?」

「未来は自分の心で変えられるはずよ」私は心を新たにした。

 

参考

未成年者誘拐罪

まず、18歳未満の女子を、「食事をご馳走する」「ブランド物を買ってあげる」「お小遣いをあげる」などという条件のもとに連れ回した場合、刑法上の未成年者誘拐罪(刑法224条)が成立する可能性があります。

「誘拐」とは、欺罔や誘惑を手段として、他人をその生活環境から不法に離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に置くことを指します。

「高価な食事をご馳走する」「ブランド物をプレゼントする」「お小遣いをあげる」ことを条件にパパ活に応じることを求める行為は、まさに未成年の女子を「誘惑」するものであるといえます。

こうした誘惑により、未成年者の女子を車に乗せたりして男性と行動を共にさせた場合は、誘惑により当該女子を生活環境から不法に離脱させ、男性の事実的支配下に置いたものと評価され、未成年者誘拐罪が成立することになるのです。

未成年者誘拐罪が成立する場合、3ヶ月以上7年以下の懲役刑が科されることになります。

未成年者誘拐罪が成立する場合、同罪には罰金刑の定めがありません。

そのため、検察官が起訴する場合、略式命令による罰金刑が選択されることはなく、公判請求がなされ、懲役刑の言渡しを受けることとなります。

未成年者誘拐罪が成立する場合、同罪には罰金刑の定めがありません。

そのため、検察官が起訴する場合、略式命令による罰金刑が選択されることはなく、公判請求がなされ、懲役刑の言渡しを受けることとなります。

未成年者誘拐罪は、被害者である未成年者の自由や生命・身体の安全のみならず、親権者の監護権をも保護する目的で定められています。

同意して男性と行動を共にしていたとしても、両親の監護権を侵害したとして、同罪が成立する可能性があるといえるのです。

また、食事等にとどまらず、18歳未満の女性に対価として金銭を支払い、性的な関係を持ってしまった場合は、児童買春の罪が成立する可能性があります。

児童買春の罪が成立する場合、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科されることになります。

根拠条文

(定義)

第二条 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。

根拠条文

(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)

第18条の6 何人も,青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない。

(罰則)

第24条の3 第18条の6の規定に違反した者は,2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。


ゆく川の流れは、動的平衡 

2023年10月04日 13時51分44秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 福岡伸一 (著)
 
常に生起する感慨を描きながら、
生命の動的平衡と利他性のつながりを表す。
福岡ハカセの細やかな観察眼と美しい文章を堪能できるエッセイ集。

朝日新聞連載「福岡伸一の動的平衡」待望の書籍化!

「手渡されつつ、手渡す。これは利他性に他ならない。手渡されつつ、一瞬、自らの生命をともし、また他者に手渡す行為、すべての生命はこの流れの中にある。これが動的平衡である」

「音でも、光でも、風でもよい。この世界のかすかな移ろいに気づけること。それはすべて新しい発見への扉となる」
(本文より)
 
福岡 伸一

1959年東京生まれ。京都大学卒。

米国ハーバード大学研究員、京都大学助教授などを経て、現在、青山学院大学総合文化政策学部教授。分子生物学専攻。専門分野で論文を発表するかたわら、一般向け著作・翻訳も手がける。

2007年に発表した『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)は、サントリー学芸賞、および中央公論新書大賞を受賞し、67万部を超えるベストセラーとなる。

他に『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス、講談社出版文化賞)、『ロハスの思考』(ソトコト新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『できそこないの男たち』(光文社新書)、『動的平衡』(木楽舎)、『世界は分けてもわからない』(講談社現代新書)、週刊文春の連載をまとめたエッセイ集『ルリボシカミキリの青』(文藝春秋)など、著書多数。

最新刊は対談集『エッジエフェクト−界面作用−』(朝日新聞出版)。

現在、ヒトがつくりかえた生命の不思議に迫る番組、NHK—BS「いのちドラマチック」に、レギュラーコメンテーターとして出演中。また、生物多様性の大切さを伝えるための環境省の広報組織「地球いきもの応援団」のメンバーもつとめる。

 
新しいウイルスの発生など、想定外の事態に対応するため、人間の体内には数百万通り以上の抗体が過剰なまでに準備されているそうだ。
その中のどれかが役立てばよく、残りの抗体は使われずに終わる。
 
効率性からすれば、大きな無駄に見える。
だが、生物学者の福岡伸一は「これが想定外に対する最良のの対策であったことは、過去38億年にわたり、いかに環境が激変しようとも、一度たちとも途切れることなく生命が続いてきた事実が証明してる」と指摘している。
 
 
 
いつもの福岡博士のエッセー集。福岡博士の本はほとんど読んでいるが、いつも通りの興味深いお話が満載。
福岡博士と言えば、生物学にまつわる話題、昆虫にまつわる話題、フェルメールにまつわる話題が中心だが、毎回新しい興味を引くお話になっているのが楽しい。福岡博士のファンにはたまらない一冊。
 
 
相変わらず素晴らしい。壁にぶち当たったり、何かに行き詰まった時、この本を手に取りましょう。生きる事に自信が持てますよ。
 
自分自身の世界観が伝わってきて動的平衡という概念をいろいろな視点を通して表現している
 
 
 
 
 
 
 

創作 人生はドラマ 8)

2023年10月04日 13時16分06秒 | 創作欄

春川時子さんはその日、国立の自宅に私を誘った。

国立には母の弟(叔父)が一時住んでいて、子どものころに母に連れ何度か叔父の家にいったことが思い出された。
学園都市で緑も多くて、子ども心にも雰囲気が好きなった街だったの。

春川さんの家は駅から徒歩10分ほどで、門構えは和風(数寄屋門)で板の塀に囲まれ、歴史を感じた。
「ここに、夫の父母が住んでいたのよ。二人とも故人になって、家には子どもがいないので、今は広い家に夫と二人きり」玄関ドアガラスの鍵を開けながら春川さんは頬んだ。
広い玄関で、部屋に続く廊下も幅があった。
靴箱も大きくてそこに京人形が飾られていた。
案内された部屋は、和風の部屋であっのに大きなソファ(応接セット)があった。
「どうぞ、遠慮なく座って。コーヒーを入れて来るわ」
壁には春川さんの義父母と想われる写真が掲げられていた。
コーヒーにはコーヒークッキーが添えられていた。
「高島さんのご両親はお元気でしうょうね」
「はい、父は70歳、母は年上で72歳です。実家には42歳の長男がいるのですが、2男、3男、4男は家を出て独立しました」
「そうですか。男の兄弟が多いのね」
「私は今、妊娠4か月ですが、お腹にいるのは男子です」
「お子さんが生まれる状況で、大変なことになったわね。今日は泊っていきなさい」
「いいえ、帰ります」
「国立から、北千住まどは遠いでしょ」
「実は、私の実家は神奈川県の登戸ですが、南武線に乗れば国立駅から30分で登戸駅に着きます」
「そうでしたか、あなたの実家がここから近くて、良かったわね」春川さんは頬笑む。
「私は、叔父が国立に一時住んでいて、何回か母に連れられて国立に来たことがあったの」母に似て心が優しい叔父の面影を涙ぐみ思い浮かべた
「そうなの、偶然ね」春川さん大きな瞳を見開いた
「春川さんと知り合って、国立にまた来たなんて、この地にも縁があるのね」私の気持ちは、いくらか安堵した。

 

参考 国立

江戸時代・明治時代
 江戸時代、今の甲州街道を中心に民家が立ち並び、やがて村へと発展。
住民は農業、養蚕を主とし、街道沿いには商業・手工業を営む家もありました。

 明治22年(1889年)には、谷保村・青柳村・石田村飛地の3村が合併し、国立の前身の「谷保村」となりました。
同26年(1893年)には、それまで属していた神奈川県から東京府へと移管されました。

大正時代末期、谷保村は甲州街道沿いに数百戸の農家が点在するだけでしたが、箱根土地株式会社によって山林であった北部の開発が進みました。
「理想の文教都市」を目指し、大正15年(1926年)に、東京高等音楽学院(現・国立音楽大学)の移転、国立駅の開業、そして昭和2年(1927年)に、東京商科大学(現・一橋大学)の移転といった変遷をたどってきました。
4年(1929年)に南武線が開通しました。
昭和20年(1945年)代には第二次世界大戦による疎開と、戦後の住宅復興によって、人口はうなぎのぼりに増え、26年(1951年)に谷保村から国立町になりました。
また、そのころ国立の教育環境を守るため、市民や学生を中心に「文教地区指定運動」が起こり、27年(1952年)1月6日、国立は建設省と東京都から「文教地区」の指定を受けました。40年(1965年)、公団の富士見台団地が完成し、人口も一躍5万人を突破しました。そして42年、「国立市」が誕生しました。
さらに、平成10年(1998年)には市民が7万人を超え、現在に至っています。

また、昭和9年(1934年)には、同8年の皇太子(上皇陛下)誕生を記念し、大学通りに桜の植樹が行われました。

その後、人口はうなぎのぼりに増え、昭和26年(1951年)に谷保村から国立町になりました。

そのころ、国立の教育環境を守るため、市民や学生を中心に、「文教地区指定運動」が起こり、昭和27年(1952年)に文教地区の指定を受けました。
そして、昭和40年(1965年)には、8千人規模の入居があった富士見台団地の完成に伴い、人口が一躍5万人を突破して、昭和42年(1967年)「国立市」が誕生しました。

昭和時代の国立は、旭通り沿いに市内唯一の映画館「国立スカラ座」(昭和61年閉館)があり、毎日1千人を超す映画ファンで賑わっていました。


スポーツ界における暴力行為根絶宣言

2023年10月04日 11時13分19秒 | 社会・文化・政治・経済

【はじめに】

 本宣言は、スポーツ界における暴力行為が大きな社会問題となっている今日、スポーツの意義や価値を再確認するとともに、我が国におけるスポーツ界から暴力行為を根絶するという強固な意志を表明するものである。
 スポーツは私たち人類が生み出した貴重な文化である。それは自発的な運動の楽しみを基調とし、障がいの有無や年齢、男女の違いを超えて、人々が運動の喜びを分かち合い、感動を共有し、絆(きずな)を深めることを可能にする。

さらに、次代を担う青少年の生きる力を育むとともに、他者への思いやりや協同精神、公正さや規律を尊ぶ人格を形成する。
 殴る、蹴る、突き飛ばすなどの身体的制裁、言葉や態度による人格の否定、脅迫、威圧、いじめや嫌がらせ、さらに、セクシュアルハラスメントなど、これらの暴力行為は、スポーツの価値を否定し、私たちのスポーツそのものを危機にさらす。フェアプレーの精神やヒューマニティーの尊重を根幹とするスポーツの価値とそれらを否定する暴力とは、互いに相いれないものである。暴力行為はたとえどのような理由であれ、それ自体許されないものであり、スポーツのあらゆる場から根絶されなければならない。
 しかしながら、極めて残念なことではあるが、我が国のスポーツ界においては、暴力行為が根絶されているとは言い難い現実がある。女子柔道界における指導者による選手への暴力行為が顕在化し、また、学校における運動部活動の場でも、指導者によって暴力行為を受けた高校生が自ら命を絶つという痛ましい事件が起こった。

勝利を追求し過ぎる余り、暴力行為を厳しい指導として正当化するような誤った考えは、自発的かつ主体的な営みであるスポーツとその価値に相反するものである。
 今こそ、スポーツ界は、スポーツの本質的な意義や価値に立ち返り、スポーツの品位とスポーツ界への信頼を回復するため、ここに、あらゆる暴力行為の根絶に向けた決意を表明する。

【宣言】

 現代社会において、スポーツは「する」、「みる」、「支える」などの観点から、多くの人々に親しまれている。さらに21世紀のスポーツは、一層重要な使命を担っている。

それは、人と人との絆(きずな)を培うスポーツが、人種や思想、信条などの異なる人々が暮らす地域において、公正で豊かな生活の創造に貢献することである。

また、身体活動の経験を通して共感の能力を育み、環境や他者への理解を深める機会を提供するスポーツは、環境と共生の時代を生きる現代社会において、私たちのライフスタイルの創造に大きく貢献することができる。

さらに、フェアプレーの精神やヒューマニティーの尊重を根幹とするスポーツは、何よりも平和と友好に満ちた世界を築くことに強い力を発揮することができる。
 しかしながら、我が国のスポーツ界においては、スポーツの価値を著しく冒涜(ぼうとく)し、スポーツの使命を破壊する暴力行為が顕在化している現実がある。

暴力行為がスポーツを行う者の人権を侵害し、スポーツ愛好者を減少させ、さらにはスポーツの透明性、公正さや公平をむしばむことは自明である。

スポーツにおける暴力行為は、人間の尊厳を否定し、指導者とスポーツを行う者、スポーツを行う者相互の信頼関係を根こそぎ崩壊させ、スポーツそのものの存立を否定する、誠に恥ずべき行為である。
 私たちの愛するスポーツを守り、これからのスポーツのあるべき姿を構築していくためには、スポーツ界における暴力行為を根絶しなければならない。

指導者、スポーツを行う者、スポーツ団体及び組織は、スポーツの価値を守り、21世紀のスポーツの使命を果たすために、暴力行為根絶に対する大きな責務を負っている。このことに鑑み、スポーツ界における暴力行為根絶を以下のように宣言する。

一.指導者
○指導者は、スポーツが人間にとって貴重な文化であることを認識するとともに、暴力行為がスポーツの価値と相反し、人権の侵害であり、全ての人々の基本的権利であるスポーツを行う機会自体を奪うことを自覚する。

○指導者は、暴力行為による強制と服従では、優れた競技者や強いチームの育成が図れないことを認識し、暴力行為が指導における必要悪という誤った考えを捨て去る。

○指導者は、スポーツを行う者のニーズや資質を考慮し、スポーツを行う者自らが考え、判断することのできる能力の育成に努力し、信頼関係の下、常にスポーツを行う者とのコミュニケーションを図ることに努める。

○指導者は、スポーツを行う者の競技力向上のみならず、全人的な発育・発達を支え、21世紀におけるスポーツの使命を担う、フェアプレーの精神を備えたスポーツパーソンの育成に努める。

二.スポーツを行う者
○スポーツを行う者、とりわけアスリートは、スポーツの価値を自覚し、それを尊重し、表現することによって、人々に喜びや夢、感動を届ける自立的な存在であり、自らがスポーツという世界共通の人類の文化を体現する者であることを自覚する。

○スポーツを行う者は、いかなる暴力行為も行わず、また黙認せず、自己の尊厳を相手の尊重に委ねるフェアプレーの精神でスポーツ活動の場から暴力行為の根絶に努める。

三.スポーツ団体及び組織
○スポーツ団体及び組織は、スポーツの文化的価値や使命を認識し、スポーツを行う者の権利・利益の保護、さらには、心身の健全育成及び安全の確保に配慮しつつ、スポーツの推進に主体的に取り組む責務がある。そのため、スポーツにおける暴力行為が、スポーツを行う者の権利・利益の侵害であることを自覚する。

○スポーツ団体及び組織は、運営の透明性を確保し、ガバナンス強化に取り組むことによって暴力行為の根絶に努める。そのため、スポーツ団体や組織における暴力行為の実態把握や原因分析を行い、組織運営の在り方や暴力行為を根絶するためのガイドライン及び教育プログラム等の策定、相談窓口の設置などの体制を整備する。

 スポーツは、青少年の教育、人々の心身の健康の保持増進や生きがいの創出、さらには地域の交流の促進など、人々が健康で文化的な生活を営む上で不可欠のものとなっている。また、オリンピック・パラリンピックに代表される世界的な競技大会の隆盛は、スポーツを通した国際平和や人々の交流の可能性を示している。さらに、オリンピック憲章では、スポーツを行うことは人権の一つであり、フェアプレーの精神に基づく相互理解を通して、いかなる暴力も認めないことが宣言されている。
 しかしながら、我が国では、これまでスポーツ活動の場において、暴力行為が存在していた。時と場合によっては、暴力行為が暗黙裏に容認される傾向が存在していたことも否定できない。これまでのスポーツ指導で、ともすれば厳しい指導の下暴力行為が行われていたという事実を真摯に受け止め、指導者はスポーツを行う者の主体的な活動を後押しする重要性を認識し、提示したトレーニング方法が、どのような目的を持ち、どのような効果をもたらすのかについて十分に説明し、スポーツを行う者が自主的にスポーツに取り組めるよう努めなければならない。
 したがって、本宣言を通して、我が国の指導者、スポーツを行う者、スポーツ団体及び組織が一体となって、改めて、暴力行為根絶に向けて取り組む必要がある。
 スポーツの未来を担うのは、現代を生きる私たちである。こうした自覚の下にスポーツに携わる者は、スポーツの持つ価値を著しく侵害する暴力行為を根絶し、世界共通の人類の文化であるスポーツの伝道者となることが求められる。

【おわりに】

 これまで、我が国のスポーツ界において、暴力行為を根絶しようとする取組が行われなかったわけではない。しかし、それらの取組が十分であったとは言い難い。本宣言は、これまでの強い反省に立ち、我が国のスポーツ界が抱えてきた暴力行為の事実を直視し、強固な意志を持って、いかなる暴力行為とも決別する決意を示すものである。
 本宣言は、これまで、あらゆるスポーツ活動の場において、暴力行為からスポーツを行う者を守り、スポーツ界の充実・発展に尽力してきた全てのスポーツ関係者に心より敬意を表するとともに、それらのスポーツ関係者と共に、スポーツを愛し、豊かに育んでいこうとするスポーツへの熱い思いを受け継ぐものである。そして、スポーツを愛する多くの人々とともに、日本体育協会、日本オリンピック委員会、日本障害者スポーツ協会、全国高等学校体育連盟、日本中学校体育連盟は、暴力行為の根絶が、スポーツを愛し、その価値を享受する者が担うべき重要な責務であることを認識し、スポーツ界におけるあらゆる暴力行為の根絶に取り組むことをここに宣言した。
 この決意を実現するためには、本宣言をスポーツに関係する諸団体及び組織はもとより、広くスポーツ愛好者に周知するとともに、スポーツ諸団体及び組織は、暴力行為根絶の達成に向けた具体的な計画を早期に策定し、継続的な実行に努めなければならない。
 また、今後、国際オリンピック委員会をはじめ世界の関係諸団体及び組織とも連携協力し、グローバルな広がりを展望しつつ、スポーツ界における暴力行為根絶の達成に努めることが求められる。
 さらに、こうした努力が継続され、結実されるためには、我が国の政府及び公的諸機関等が、これまでの取組の上に、本宣言の喫緊性、重要性を理解し、スポーツ界における暴力行為根絶に向けて、一層積極的に協力、支援することが望まれる。
 最後に、スポーツ活動の場で起きた数々の痛ましい事件を今一度想起するとともに、スポーツ界における暴力行為を許さない強固な意志を示し、あらゆる暴力行為の根絶を通して、スポーツをあまねく人々に共有される文化として発展させていくことをここに誓う。

平成25年4月25日
公益財団法人日本体育協会
公益財団法人日本オリンピック委員会
公益財団法人日本障害者スポーツ協会
公益財団法人全国高等学校体育連盟
公益財団法人日本中学校体育連盟


スタートアップとは?

2023年10月04日 11時09分58秒 | 社会・文化・政治・経済

ベンチャーとの違いと転職実現のポイント【社労士監修】

「新たなチャレンジ」「スピード感がある環境」「裁量権の大きさ」などを求め、スタートアップを転職先として検討する方は少なくありません。

スタートアップとは具体的にどのような企業を指し、どのような採用ニーズがあるのか、ベンチャーとの違い、働くメリットや注意点、転職実現のポイントなどについて、社労士の岡佳伸氏、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

スタートアップの定義

どのような企業がスタートアップと呼ばれるのか、また、スタートアップの成長ステージについて説明します。 

スタートアップとは

「スタートアップ」とは一般的に、創業から日が浅く、新たなテクノロジーやビジネスモデルによって社会や人々の生活にイノベーションを起こすことを目指す企業を指します。 

スタートアップの成長ステージの分類 

スタートアップ企業は、何段階かに成長ステージが分類されています。 

シードステージ……創業前、あるいは商品・サービスのリリースまで至っていない時期
アーリーステージ……創業直後、あるいは商品・サービスをリリースしてしばらくの時期
ミドルステージ……ビジネスが軌道に乗り始め、成長の道筋が見えてきた時期
レイターステージ……事業が拡大し、安定してきた時期。IPOも視野に入る

スタートアップとベンチャーの違い

「ベンチャー」もまた、「新たなビジネスモデル創出に取り組む企業」です。 

スタートアップとベンチャーには、明確な違いを示す定義はありません。しかしながら、スタートアップにはIPOやM&Aといった「出口戦略(EXIT)」を持って短期成長を目指す企業が多い一方、ベンチャーには中長期視点で安定成長を目指す企業も含まれるケースが多いです。 

また、設立から十年~数十年経っている企業でも、新たなチャレンジを続けていれば「ベンチャー」と見なされます。ベンチャーからスタートして大企業へ成長を遂げた企業は「メガベンチャー」とも呼ばれます。 

成長ステージ別の採用傾向

スタートアップは、成長ステージによって採用ポジションや求める人材像が異なります。各ステージの採用ニーズの傾向をご紹介します。 

シードステージ

資金面に余裕がないことが多く採用コストをかけられないため、友人・知人を通じた採用が主流です。シードステージでは、部門を立ち上げるにあたり、各専門分野のCxOや部門長クラスを求めます。専門スキルはもちろんのこと、「理念」への共感や創業者をはじめとする他の経営メンバーとの相性も重視される傾向にあります。

アーリーステージ

収益化を目指すステージであり、軌道に乗るかどうかの分岐点にあります。組織化・仕組み作りが進んでいく中、各部門のCxOや部門長クラスのニーズが生まれてきます。IPOを目指す企業では、CFOをはじめIPO経験を持つ管理部門人材を求める傾向にあります。すでに商品・サービスの提供が始まっているため、販路拡大や新規顧客開拓などの経験・スキルを持つマーケティング、セールス人材も必要とされるでしょう。この頃から自社ホームページ、求人サイト、転職エージェントなどを活用した採用活動を始める企業も見られます。 

ミドルステージ

事業が軌道に乗ってくると、組織の細分化が進みます。例えば営業部門であれば「大手企業向け」「中小企業向け」「○○業界向け」「インサイドセールス」「カスタマーサクセス」など、管理部門であれば「人事・労務・採用」「経理・財務」「広報」といったように分かれていき、各部門のマネジャークラス、リーダークラスの拡充が図られます。急成長企業の場合は、メンバークラスの採用も強化される傾向にあります。

レイターステージ

一定の成長を遂げ、収益が安定してくると、第二・第三の収益柱をつくるため新規事業に投資する企業も見られます。新規事業開発やプロジェクトマネジャーなどのニーズが出てきます。ミドルステージで設置された組織の強化・拡大に向け、メンバークラスの採用も活発化。短期間で数十人単位の採用が行われることもあり、若手の育成にも力を入れ始めます。組織整備のため管理部門人材も増強。特にIPOを目指す企業では、上場企業での経験を持つ管理部門スペシャリストを求める傾向が見られます。 

スタートアップで働く魅力

スタートアップで働くことには、どのような魅力やメリットがあるのでしょうか。企業やポジションによっても異なりますが、一般的には次のような特徴が見られます。 

成長実感を得られる

まだまだ少人数で運営する中では、1人が複数の業務や役割を兼務することになります。新たな経験を積んでスキルを身につけることで、成長実感を得られるでしょう。裁量権も与えられるため、自身のアイデアをすぐに実行し、PDCAサイクルを高速で回していくことも可能。短期間でトライ&エラーを繰り返し、ノウハウを蓄積していくことができます。また、組織が拡大するに伴い、早い段階でマネジメント経験を積める可能性があります。 

企業経営に関わることができる

CxOなどのポジションで経営に関われること、また、それより下のポジションであっても経営陣との距離が近い分、間近で経営を見て学ぶことができます。自身の働きによって経営にインパクトを与え、貢献を感じられることも、大手企業では得られにくいやりがいといえるでしょう。 

SO(ストックオプション)で報酬を得られる可能性がある

SOストックオプションを付与されると、上場により大きな報酬を手にすることができる可能性があります。近年は、勤務条件などを達成した後、株式を付与する「RSU(譲渡制限付株式ユニット)」を導入する企業も増えています。 
 
ただし、税制適格型のSO(ストックオプション)ない場合は、権利行使時に譲渡所得(税率20%)ではなく、給与所得(最大税率55%として取扱いを受ける可能性があります。付与されるSO(ストックオプション)が税制適格かどうかの確認も必要です。また、税制適格型のSOストックオプションについては、令和5年度税制改正によって、設立より5年未満の未上場企業においては、権利行使期間を「付与決議日後2年後を経過した日から15年(改正前は10年)を経過する日まで」に延長されました 

スタートアップへの転職実現のポイント

スタートアップへの転職を実現させるためには、次のような活動を意識するといいでしょう。

求人が少ないため主体的に探す

ステージが浅いほど、求人を公開していないスタートアップが多くなります。そのため、求人サイトなどで検索してもなかなか見つからないでしょう。リファラル採用(社員が友人・知人を自社に紹介する採用手法)が中心になるので、SNSなど友人・知人のネットワークを活用しましょう。 

また、起業家が集まるSNSを見て情報を得る、ビジネススクールで人脈を築く、ピッチイベント(投資家などに向け事業アイデアをプレゼンするイベント)への参加企業を調べて直接アプローチするなど、主体的に動いてチャンスを探りましょう。 

転職エージェントを活用する

転職エージェントによってスタートアップの非公開求人を保有しています。投資ファンドと連携して、シード~アーリーステージの人材採用を支援している転職エージェントもありますスタートアップへの転職支援実績のある転職エージェントに相談し希望条件を伝え、求人案件の紹介を受けるといいでしょう。 

副業・兼業などの方法からアプローチする 

まだ軌道に乗っていないスタートアップでは、資金面などから正社員採用が難しいため、業務委託で副業人材やフリーランスを活用しているケースが多く見られます。副業・業務委託の求人案件を探し、まずは「お手伝い」から始めてみるのも一つの手です内部から経営実態を見ることができるので、いきなり転職するよりも不安が軽減されます。手応えを得て入社意欲が高まれば、経営陣に正規雇用を申し出てみることも一案です 

スタートアップへの転職の注意点

スタートアップへの転職では、想定外の困難に遭遇する可能性もあります。注意すべき点を理解しておきましょう。 

仕事がハードになりやすい 

先にも述べたとおり、1人が複数の業務・役割を兼務するケースが多数です。「経験の幅を広げられる」というメリットがある一方で、大きな負荷がかかり疲弊してしまう恐れもあります。人員が足りず労務管理体制も整備されていない状況では、労働時間が長くなったり、休暇を取りづらかったりすることもあるかもしれません。 

事業や業務内容の変化が大きい 

スタートアップは、外部環境に応じて柔軟に戦略を転換、軌道修正していきます。それはメリットとも言えますが、従業員の立場では進めていた仕事で突然方向転換を強いられたり、担当業務の変更を命じられたりと、ストレスを感じることもあります。 

事業撤退やM&Aなどの可能性がある 

事業が軌道に乗っていない状況での撤退や縮小、あるいは成長軌道に乗り始めた頃に他社に買収されるなど、突然の変化に見舞われることもあります。場合によっては退職せざるを得ないかもしれませんが、たとえそうなった場合も「次の企業で活かせる経験・スキルを得られるか」という観点で企業を選ぶことが重要です。 

タートアップへの転職は慎重に検討しよう 

メディアの記事やSNSなどで勢いのあるスタートアップを目にすると、ワクワク感を抱いて飛び込みたくなることもあるでしょう。確かに新たな刺激が多い環境ですが、注意しておきたいこともあります。 

多方面から情報収集を行い、自分マッチしているか、キャリア形成にプラスになるかを慎重に判断しましょう。転職エージェントが持つ情報もぜひ活用してはいかがでしょうか。 

リクルートダイレクトスカウトは、リクルートが運営するハイクラス求人に特化したエグゼクティブ向け転職サービスです。会員登録をすると、あなたの匿名レジュメを見たヘッドハンター・企業から、非公開求人情報も含めたスカウトを受け取ることができます。
 
監修

社会保険労務士法人 岡佳伸事務所 岡 佳伸(おか よしのぶ)氏

アパレルメーカー、大手人材派遣会社などでマネジメントや人事労務管理業務に従事した後に、労働局職員(ハローワーク勤務)として求職者のキャリア支援や雇用保険給付業務に携わる。現在は、雇用保険を活用した人事設計やキャリアコンサルティング、ライフプラン設計などを幅広くサポート。特定社会保険労務士(第15970009号)、2級キャリアコンサルティング技能士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士など保有資格多数。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。


映画『ブラックバード 家族が家族であるうちに』

2023年10月04日 10時24分24秒 | 社会・文化・政治・経済
ブラックバード 家族が家族であるうちに
 
解説

「デッドマン・ウォーキング」のスーザン・サランドンと「愛を読むひと」のケイト・ウィンスレットという、ともにオスカーを受賞している2人が初共演し、2014年製作のデンマーク映画「サイレント・ハート」をリメイクしたヒューマンドラマ。

同作の脚本家クリスチャン・トープが自ら脚色を手がけ、「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル監督がメガホンをとった。

ある週末、リリーは夫ポールと暮らす海辺の邸宅に、娘のジェニファー、アンナとその家族、そしてリリーの学生時代からの大親友リズを集める。

それは、ある理由によって死を覚悟したリリーが、“家族が家族であるうちに”過ごすために自ら用意した最後の時間だった。

それぞれ平静を装いながらリリーの願いである最後の晩餐を共にする彼らだったが、あることをきっかけに緊張感が弾け、それぞれの秘密が明かされていく。

リリーをサランドン、ジェニファーをウィンストレットが演じ、リリーの夫ポール役で「ジュラシック・パーク」シリーズのサム・ニール、次女アンナ役で「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカが共演。

2019年製作/97分/PG12/アメリカ・イギリス合作
原題:Blackbird
配給:プレシディオ、彩プロ
劇場公開日:2021年6月11日

スタッフ・キャスト

Kate Winslet

映画ではメガネをかけているので、美人には見えないが・・・

安楽死を題材にした映画がたまたま2本、「いのちの停車場」と本作が近い時期に公開されたが、判断が難しい問題への日本と欧米の向き合い方の違いが如実に表れたと感じた。
「いのちの停車場」は老父が安楽死を望み娘の医師が葛藤する状況を描いて共感を誘うが、判断や結論は観客に委ねられる。


一方、2014年のデンマーク映画を英米合作でリメイクした「ブラックバード 家族が家族であるうちに」は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という体の自由が次第にきかなくなる難病で余命もわずかとなったリリー(スーザン・サランドン)が医師の夫ポール(サム・ニール)に安楽死を頼み、事情を明かした家族と親しい友人を自宅に招いて最後の週末を過ごす――というストーリー。

序盤こそ誰もがリリーの意思を尊重して残された時間を穏やかに過ごすかと思わせるが、やがてまるで違う展開に。まだ死んでほしくないと反対する次女アンナ…続きを読む

 

かなり賛否の分かれる作品かなと思います。

安楽死を題材にした作品のため、個人の考え方が違うことは分かった上でこういう選択をする人もいるという観点で見ていました。
ほぼ、一つの家の中だけで展開される安楽死までの家族との最後晩餐だけのですが、名優が揃った演技には感嘆しました。
重い題材ではありますが、見終わった後は妙な納得感を覚えました。

 

人間の生と死に対する傲慢さ、長生きできる事により生き物の本能としての生きる力を失っている。色々と考えさせられるなぁと思って途中まで興味深く見ていたが、最後がいかん、もう生は性でしかないのか?そこは本能のままかと腹が立つ。勝手な老人三人が勝手にやっただけ、そういう人達。

 

進行性の病気に罹っている母が、余命を自分で決める=安楽死を選ぶ話。

医師である夫に揚力してもらって、最後の夜をか大切な家族・友人と過ごす。
ええ?!。

集まった家族達は、末娘以外「ママの決めたことだから」と納得してる。
クリスマスディナーのように、楽しい一夜を。
このまま時間が過ぎるのかな、と思っていると。
末娘の行動で、みんなの決心が揺らいでいく。

そりゃそうだよね。今こうして話せているのに、明日はいない。
できるものなら止めたい。
いやいや、それは母の気持ちを尊重してはいないのでは?。
と私は思った。

夫(サム・ニール!)
「(周囲に)大丈夫?って聞かれるのに疲れた」。
すぐそばにいる人の気持ちも、あるよね。


 
 
 
 
 

映画 カリフォルニア

2023年10月04日 10時05分42秒 | その気になる言葉

カリフォルニア

10月3日午後9時からCSテレビのザ・シネマで観た。

カリフォルニア』(Kalifornia)は、1993年に公開されたアメリカ映画

日本ではソフトが発売された際に『カリフォルニア/狂気の銃弾』というサブタイトルが追加された。

ストーリー[編集]

殺人鬼の心理に興味を抱くルポルタージュ作家のブライアンは、恋人の写真家キャリーと共に、各地の殺人現場を取材しながら憧れの地カリフォルニア州まで旅する計画を思いつく。

彼らは節約の為に旅費を折半する同乗者を募ったが、やって来たのは、いかにも金の無さそうな貧相なカップル、アーリーとアデールだった。育ちや価値観のあまりにも違う二組。キャリーはアーリーの下品で粗暴な振る舞いに嫌悪感を隠せない。

だが、ブライアンはアーリーの性格に理解を示し、教養はないが能天気で明るいアデールも場の雰囲気を和ませ、どうにか旅はうまくいくと思われた。しかし、旅を続けるうちに次第にアーリーの正体が明らかになってゆく。

彼こそが、ブライアンがその心理を知りたがっていたサイコキラーそのものであり、過去に幾度も殺人を犯した男だった。恋人のアデールも幼少時に心と体に負った傷が原因で、アーリーだけが自分を守ってくれる存在と信じ、彼に依存し服従していたのだった。

テキサス州の事件現場を取材する頃には本性を現し、給油所の従業員を無意味に殺すアーニー。ブライアンに銃を向けて運転させ、逃走したアーニーは、強制的に取材旅行を続けさせた。ネバダ州では警官を殺し、豪邸に押し入った末に、遂にアデールを殺すアーニー。

代わりの女としてキャリーを連れて逃走し、マネキン人形が並べられた奇妙な町に辿り着くアーニー。そこは核実験地域で、マネキンたちは核爆弾の威力を測るダミー人形だった。そこで追い付くブライアン。殺されずに豪邸に取り残されていたブライアンは、初めての殺人でアーニーを殺し、キャリーと共にカリフォルニアに辿り着いた。

キャスト

※括弧内は日本語吹替

スタッフ

  • 監督:ドミニク・セナ
  • 制作:スティーヴ・ゴリン、シガージョン・サイヴァッツォン、アリスティデス・マクギャリー
  • 製作総指揮:ジム・カウフ、リン・ビグロー
  • 原案:スティーヴン・レヴィ、ティム・メトカーフ
  • 脚本:ティム・メトカーフ
  • 撮影:ボジャン・バゼリ
  • 音楽:カーター・バーウェル
  • 編集:マーティン・ハンター

 

連統殺人をテーマに執筆しようとしているブライアン。
恋人のキャリー。
カリフォルニアへのガソリン代節約で同乗募集かけたらうっかりサイコパス系殺人犯乗せちゃいました系作品。

見終わってから知ったんだけれど、アーリー役がブラッド・ピットだったとは…。
これまで見た作品から持っていたイメージと違っていてびっくりしました。
不安感煽ってくる言動、不潔感、何されるか分からない恐怖。

イントロ?シーン、てっきりラストちょい見せで、そこに至るまでのストーリーが描かれるのかと思ったら全然関係なかった。

あと人ごと状態のときにブライアンが「サイコキラーに必要なものは懲役ではなく治療だ」ってしゃべっているシーンがあったから、実際にサイコキラーに巻き込まれたときに何らかの描写があるのかと思ったんだけれど…特には?

サボテン大好きっ娘アデールが可愛かった。
アーリーの言動を一番近くで見ていて、犯罪歴があるのも知っていたのに一緒にいる…依存している理由が悲しかった。
最後3人で暮らして欲しかったな…。
頑張ったね、って。
最期は意志出せたね。

 

さすがの演技派揃い、、
汚いブラビは初めて見たかも?!
ジュリエットルイスは雰囲気あるなぁ。
高い声も出すのね。

カルフォルニアの荒涼とした景色が大好きなんだけど、退廃的な感じとマッチしすぎて何度もゾッとしたわ。

隣人がいないエリアに住むって怖いよな。
知らない人とライドシェアも、
今の時代は難しいかもしれない。
愉快犯が出てくる映画も、、

 


殺人犯のルポライターカップルが、本物の殺人犯と一緒にカリフォルニアへの旅をするロードムービー。

ガソリンの節約で知らない人と一緒に旅をするとして、そいつがヤバい確率ってどんなもんなんだろう。
めちゃくちゃ運悪いよね、ブライアンとキャリー。
いや、キャリーがとっても可哀想で。
よくその後も一緒にいれるなぁ、と感心したわ。

何も考えずにその場しのぎでガンガン人殺しをするアーリー。
正体バレた後の豹変ぶりにはおったまげ!
ブラピ怖すぎでしょ。

ジュリエット・ルイスってちょっとオツムの弱い子演じるのめちゃくちゃ上手い!
すごく魅力的な女優さん。

 

 


映画 パリ、テキサス

2023年10月04日 08時17分37秒 | 社会・文化・政治・経済

9月3日午前3時15分からCSテレビのザ・シネマで観た。

これで2度目であるが、内容はほとんど忘れていた。

別れた妻に再会した場面で、思い出した。

個室で女と窓越しに会話する商売が存在するのだ。

客側から女は見えるが、女から客は見えないのである。

客は、外で面談したと申し出ても女とは会えないシステム。

つまり、女は身を売らない商売なのだ。

パリ、テキサス』(英語Paris,Texas, 「テキサス州パリス」の意)は、1984年製作、ヴィム・ヴェンダース監督の西ドイツフランス合作映画である。

概要

テキサスを一人放浪していた男の妻子との再会と別れを描いたロード・ムービーである。

1984年の第37回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した。

テキサス州パリスは同州ラマー郡郡庁所在地で、人口約2.5万人(2010年)の小さな街である。

同市には、登場人物が訪れることもなく、撮影は行われていない。

原作はサム・シェパードによるエッセイ『モーテル・クロニクルズ』であり、『ハメット』の主役に推薦して果たせなかったヴェンダースがシェパードに依頼しL・M・キット・カーソンが翻案し、シェパードが脚色した。キット・カーソンは主人公トラヴィスの一人息子を演じたハンター・カーソンの父である

ヴェンダースは本作で初めて音楽家ライ・クーダーと組み、以降の監督作『エンド・オブ・バイオレンス』、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でも彼を起用している。トラヴィスが倒れるガソリンスタンドの男を演じるサム・ベリー英語版はイギリスの遺伝学者、テレビの中に映る女を演じるヴィヴァはアンディ・ウォーホル作品に登場する「ウォーホル・スーパースター」の一人である。

トラヴィスの搬送先の病院で対応する、オーストリア出身のアメリカの映画監督エドガー・G・ウルマーと同姓の医師を演じるベルンハルト・ヴィッキは、ウルマーと同じオーストリア出身で、ドイツのヴェテラン俳優・映画監督である。

スレイターを演じるのは、かつてヴェンダースが贈った生フィルムを使用してジム・ジャームッシュが制作した『パーマネント・バケーション』に出演し、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』にも主演したミュージシャンのジョン・ルーリーである。

ビム・ベンダース監督が、テキサスの荒野を放浪する男の妻子との再会と別れを、ライ・クーダーの哀愁漂う音楽に乗せて描き、1984年・第37回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた傑作ロードムービー。

荒野をひとりさまよっていた男が、ガソリンスタンドで気絶した。

記憶を失っている男の持ち物を手がかりに連絡を受けたウォルトは、男が4年前に失踪した兄トラヴィスだと確認する。

トラヴィスはテキサス州の町パリに所有する土地を目指していた。徐々に記憶を取り戻したトラヴィスは、4年ぶりに再会した幼い息子とともに、妻を探す旅に出る。

主人公トラヴィスをハリー・ディーン・スタントン、妻をナスターシャ・キンスキーがそれぞれ好演。

俳優サム・シェパードと「ブレスレス」のL・M・キット・カーソンが脚本を手がけた。

1984年製作/146分/G/西ドイツ・フランス合作
原題:Paris, Texas
配給:東北新社
劇場公開日:2021年11月5日

その他の公開日:1985年9月7日(日本初公開)

荒野をひとりさまよっていた男が、ガソリンスタンドで気絶して倒れていたという連絡を受けたウォルト(ディーン・ストックウェル)は、目を離すと逃げ出そうとするトラヴィスに手を焼きながら、レンタカーで妻とトラヴィスの息子が待つカリフォルニア州ロサンゼルスへと向かう。

当初、全く喋らなかったトラヴィスだが、やがて自分がテキサス州のパリスへ行こうとしていたことを明かす。

トラヴィスによると、パリスは彼らの両親が初めてセックスをした土地であり、それ故トラヴィスはパリスに土地を買ってあるのだという。

ロサンゼルスで息子のハンター(ハンター・カーソン)と再会したトラヴィスは、ある日、ウォルトの妻で義理の妹に当たるアン(オーロール・クレマン)から、ヒューストンにいる妻のジェーン(ナスターシャ・キンスキー)からハンター宛にしばしば送金があることを教えられる。

トラヴィスは中古車を買い、ハンターとともにヒューストンへ向かう。

ヒューストンでジェーンと再会したトラヴィスは、放浪の旅に出た理由をジェーンに告白する。

再び心が通じた二人。しかしトラヴィスはジェーンに息子を託して再び旅に出る。

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覗き部屋と映画は似ている。

映画は観客が一方的にスクリーンを見る。

見る主体としての観客と見られる客体としての映画。

覗き部屋は、マジックミラーのようになっており、客からは女性が見えるが、女性側は客を視認できない。

見る主体としての男性客と見られる客体としての女性。

映画研究者ローラ・マルヴィの「視覚的快楽と物語映画」の影響があるんだろう。

ナスターシャキンスキーが美人すぎて男がおかしくなる話に妙に説得力があった。

映画がなぜ魅力的なのか、それは「のぞき見る」快楽があるから、そしてハリウッド映画においては大抵、男が女をのぞき見る構造をしているとローラ・マルヴィは言ったわけだけど、彼女が言ったことがそのまま映画の中で再現されている。

「見る/見られる」という関係において、確かに男が女を見ることの方が多かっただろう。しかし、「見る/見られる」は何かの拍子に「見せる/見せられる」という関係に反転するのではないか。この映画を久しぶりに見てそんなことを思った。

主人公の男はかつての
 
 

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