変化を好まない

2023年10月19日 12時44分54秒 | 創作欄

他のお客を接待しているのにマコはスーさんが入店すると「待ってたの」と目で告げるような視線を向ける。

そして、席を立ったマコはママに頼みこんで、マコは我々の席にやっくる。

「マコちゃんは、何時もスーさんの脇の席がいいのね」とママは苦笑する。

ママの次女で元映画の子役俳優だった貴さんがマコの代わりに先客を接待する。

私はそのクラブに、しばしば鈴木和男から接待されるばかりだった。

皮肉なことにスーさんはママの長女に惚れ込んでいたのだ。

鈴木和男は、3人で始めた企業が発展して、10人になった時に社を自ら去ってゆく。

皆で「辞めるな」と説得したのに、聞く耳を持たなかったのだ。

「変化を好まないのです」と鈴木が私に本音を明かす。

私も社会や環境、人間関係の変化に順応できない質なので「そうですね」と彼の立場を容認する。

 

 

 

 


芸術・文化は、その地や国を知るための「窓口」でもある

2023年10月19日 11時01分50秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼あらゆる差異を超え、人間と人間を結ぶものは何か。

芸術や文化の交流によって、民族間の相互理解を深めることだ。

▼政治や経済といった次元の交流だけでは、時に対立を招きかねない。

相互理解を深める芸術・文化の交流を通してこそ、人々は結ばれ、国と国に架け橋が築かれる。

▼芸術・文化は、その地や国を知るための「窓口」でもある。

言葉が通じなくても、芸術・文化を通して、たちまち心を通わせることができる。

▼芸術は、精神を刺激し、魂を開放し、新たな世界に目を開かせてくれる。

芸術に親しむのに、知識や言語は必要ではない。

ただ素直に五感で受け止めればいい。

本当に美しいものに触れた時、人は感動し、感謝する。

互いの文化に敬意を抱く中で、人間を隔てていた心の壁や国境を越え、平和と調和がもたらされる。

▼自分だけの幸福も自分だけの不幸はない。

誰かと必ずつながっている。

お互いを思いやり、感謝し合い、成功を喜びあってこそ、世界は一つになれる。

そうしたメッセージを届けることもまた、文化・芸術を担う人々大切な使命ではないだろうか。


「友だちから」自由になる

2023年10月19日 11時01分50秒 | 社会・文化・政治・経済
 
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「友だち」から自由になる (光文社新書 1222)
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石田 光規 (著)

◎内容

そもそも「友だち」とはどんな人間関係を指すのか? 現代社会を生きる私たちの友人関係は、あらかじめ「友だち」という枠を当てはめ、そこに合うように関係の中身を調整することで成り立っている。古代ギリシアの時代から、歴史的に「友だち」がいかに変質してきたかを示し、それでもなお現代に成立しうる友情について考える。SNSやリモートが当たり前になった現代人のためのまったく新しい友情論。

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◎目次

はじめに

第一章 変わりゆく「友だち」

第二章 友だちには本音を言えない

第三章 会えなくてもつながる友だち

第四章 コスパで決める友だちづきあい

第五章 「形から入る友人」関係を超えて

あとがき

主要参考文献

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◎著者プロフィール

石田光規(いしだみつのり)

1973年、神奈川県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。東京都立大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士課程単位取得退学。博士(社会学)。

著書に、『友人の社会史──1980-2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』(晃洋書房)、『孤立の社会学──無縁社会の処方箋』『つながりづくりの隘路──地域社会は再生するのか』『孤立不安社会──つながりの格差、承認の追求、ぼっちの恐怖』(以上、勁草書房)。

近著に、『「人それぞれ」がさみしい──「やさしく・冷たい」人間関係を考える』(ちくまプリマー新書)

 

日本社会における人間関係は、仕事やライフスタイルなどの世界全般が「集団ベース」から「個人ベース」へと変わった。

1980年代までは、地域のつながり、親族間のつながり、会社のつながりなどの固定的な人間関係が存在していた。

こうしたつながりは、困った時に助けを求められるセフティーネットの役割も担ってきたが、煩わしさや閉塞感をもたらすものともされた。

人間関係が流動的になるにつれ、重要性を増してきたのが「友人」の存在だ。

今やSNSを使えば、趣味が一緒の友人や恋人を比較的容易に探すことができる。

付き合う相手を自由に選べる社会は、「誰からも選んでもらえないリスク」を伴うことがある。

今の大学生は、友だちとの衝突を避けているようになった。

とにかく友人を気遣いながらコミュニケーションを取っている。

中には、無理して気を遣っている。

コミュニケーション能力の高い学生は、人付き合いに苦労することなく、充実した生活を送る一方で、コミュニケーションが苦手な学生は、人付き合いがうまくいかず、孤独感を抱えている。

中には、人付き合いに疲れてしまい、SNSのアカウントを削除するなど、極端な行動に走る人もいる。

サポーター意識と孤独感には、一定の関係性があるだろう。

過去に何かしらのサポートを受けた経験を持っている人は、サポートの大切さを実感しており、孤独感を抱きづらい。

逆に、サポート意識のない人の多くは、サポートや相談に対する意識が低い、または不信感を抱いている場合が多い。

孤独感の高い人は、過去に、人間関係や経済的なトラブル、失業といったネガティブな経験をしている人が多いことが明らかになっている。

困った時に助けられた経験があるかないかは、孤独、孤立を防ぐ上で違いがある。

声かけなどちょっとし工夫であっても、効果はあるだろう。

安定的な人間関係を担保するコミュニティーの価値はより見直さるだろう。

 
なるほどなと思った、「閉じられたやさしさ」。
SNSでの強烈な発言とは別に、身の回りでは最近増えていると思う。
昭和のおじさんの自分には「開かれたやさしさ」しかなかった。
やさしさ、なんて綺麗なもの、穏やかなものではなかったと思う。
相手が傷つくことも知らずに、言いたいことを正面から言ってきたと思った。
Reviewed in Japan on October 22, 2022
 
友人とか友情について昔から現在のコロナ禍まで考察がされていて、大変興味深く読みました。
特に何故会社が社員旅行などをしていたのかよく分かりました。昔は作物を作ったりする小さな固定された集団で生活していたので、友達はいてもいなくてもつながりがあったし強制力がある程度あったのに対し、戦後そう言う第一次産業は廃止されるような傾向になって、会社がそのつながりを提供する必要があった。しかし、現代はその強制力さえなくなり、我々は自らつながりを求めなければならなくなった。コロナ禍がよりつながりの強制力を少なくしたとのこと。

しかし、タイトルから、友達がいなかったり、友人関係で悩んでいる人がこの本を読んで何か得るものが欲しいと購入してしまいそうな気がしました。そのようなことは最後の方に少し述べられているだけで、それも、現時点で悩んでいる人にヒットするとは思いません。

あくまで友情論のような、一般的な内容です。そこをちゃんと書かないといけないと思いました。帯にも大切なのは友達がいるいないと言うことではないと書かれているのですが、それは本の最後に書かれているだけの話です。この本を読んで、そっか!自分は友達がないけど元気に生きていこう!と思える内容ではありません。
 

後半が、自己啓発本的内容に傾いている。
どうやらこの著者は友達がいない人は皆可哀想と思っているか、あるいは友達がいないことは総じて辛いことだと思っているらしい。
客観的な記述をふるまいながらそんな筆者の思想が(特に後半の)文章から隠しようもなくにじみ出ている。
 『「人それぞれ」がさみしい』(ちくまプリマー新書)や『孤立不安社会』(勁草書房)のような本を書く筆者には、友達がいないことが「さみしい」ことで「不安」をもたらすものだという考え方しかできないのだろう。
友達のいない人に対するこのような一方的把握から「友だちはいなくてもいいんだよ」的な励ましなど無効だ。
 「そうか!友だちなんていなくてもよかったんだ!」的な軽薄な自己啓発をこの本から無意識裡に求める、自己啓発本ばかり愛読しているような人たちには、文章からにじみ出る著者の友だち観の偏向に抵抗を示さずに、あるいはそんな著者の友だち観の滲出など看過して/できてしまうのだろうが、著者の友だち観には反発を抱かざるを得ない。
友達がいないことで多くの人が「さみしさ」を抱いているというのならそれは何故なのか。
何故友だちの不在が「さみしさ」に結び付く傾向があるのか。
友だちの不在を肯定するのならば、それは友だちの不在と「さみしさ」の理論的切断の上に展開してほしいものである。

(それでも斜めからものを言ってきたこともたくさんある)
全体的に良い本であったと思う。
そんなに気張らず淡々と過ごせばいいのではないのだろうか。
これまで十分気張ってきたのだから。
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心と体がラクになる読書セラピー

2023年10月19日 10時52分27秒 | 社会・文化・政治・経済