だれもが「星の子」

2023年10月28日 09時06分25秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼ただの努力じゃダメだ。強烈な、強烈な努力が必要だ―囲碁の故・藤沢秀行名誉棋聖

▼信じられないほど不幸で悲しくても、現状に負けてはいけません。みんなで変化を起こすのです―ハリウッドスターの

ジュリア・ロバーツさん

2005年12月、『ハリウッド・リポーター』紙が「最も出演料の高い女優ランキング」を発表し、映画1本の出演料が2000万ドル(日本円で約12億円)で1位になった

ちなみに、1967年、ロバーツさんの両親は経済的に困窮していて、誕生後にキング牧師が病院代を払ったそうだ。

キング牧師が凶弾に倒れたのは、ロバーツさん誕生の半年後だった。

ロバーツさんの両親は共に役者で、彼女が幼いときはアトランタで演技学校を経営していた。兄エリックと姉リサの妹として生まれた。ジュリアが幼いころ両親が不仲になり、1972年に正式に離婚(父親はジュリアが10歳のときに44歳で病死[

▼戦いの勝敗は戦術だけではなく、物資の補給や心理的駆け引きなどを含めた総合力で決まるといえるだろう。

▼悩むときこそ、成長の節目となるだろう。

▼一人立つ精神。

<自分発>で能動的に行動することだ。

使命の道に進めば、全てが人生向上の原動力に。

▼人と会い<心ある言葉>で新たな友情を結びたい。

▼人の「命」は最も大切で、かけがいのないもの―それを頭ではなく<実感>として分かっているつもりでも、いざ子どもたちに伝えようとすると、その難しさを感じる人も少なくないではないか。

▼この世に生を受けたこと―は実はすごいことなのだ。

宇宙が誕生して150億年から200億年ともいわれる中で「今、確かなのは、この広大な宇宙の中で、みんなは、こうして地球を選んで、しかも、この<瞬間>とも言うべき今、いっしょに生まれてきたという事実」である。

人の寿命は、せいぜい100年。

宇宙からみれば「一瞬」だ。その一瞬を選んで地球に「生」を受けた。

しかも、同じ「人間」として!

心を静めて考えれれば、「偶然」の一言ですませるには、あまりにも厳粛な事実である。

人体は、「星の中でつくられ、星が爆発して死ぬん時に宇宙に撒き散らされた元素」からできている。

いわば、われわれの体は、星のかけらからできている。

だれもが「星の子」である。

▼人間、誰しもが生まれながらにして、<特別な存在>である。

▼誰もが、宇宙の無限の力を秘めた「小宇宙」。

だから、あの太陽も、自分の心の中にある。

 

 


創作 今は亡きナオちゃん 6)

2023年10月28日 03時39分29秒 | 創作欄

私は、その日、尚子と1泊の予定で箱根へ行く予定であった。
誘ったのは尚子の方であったのに、30分も遅れて小田急新宿南口の改札口姿を見せた彼女は、急ぐ素振りもなくゆったりとした足取りでやってくる。

そして、悪びれる様子もなく、むしろ爽やかな笑顔だった。

私は常に尚子の爽やか微笑みに魅せられていた。

いわゆるお嬢さん育ちの良さと言うのか優雅さが物腰に漂っていた。

社員が100人ほどの飲料水製造や加工食品の中小企業の社長の一人娘であり、母親代わりの乳母や家政婦たちに甘えて育ったようだった。

実は、私は尚子の父親の再婚相手が乳がんで入院している時期に、一度だけ彼女の実家に泊まったことがある。

「お嬢さん、お風呂わきましたよ」中年の家政婦が、尚子の部屋の外で声をかける。

「時ちゃん、お風呂先に入ってね」

私はその言葉に従った。

大きな風呂場で、ヒノキ風呂であった。

誰もまだ入っていないので、湯が透き通るような木の香りが漂う風呂であり、汚していけないと5分ほどで風呂を出る。

「時ちゃん、どうしたの?こんなに早くお風呂を出て」私はパンツ一つの姿だった。

尚子は、わたし用にと用意した真新しい水色模様のパジャマを風呂場まで持って来たのだ。

さすがに、彼女の実家でありこの日は、二人は別々の部屋に寝た。

私は、その夜、尚子から亡き母の写真アルバムを見せられた。

彼女の母親の写真は皆、和服姿ただった。

「ナオちゃんはね。結婚したらママのように着物姿で過ごすわ」

そして、尚子は母の着物を着て私に見せるのだ。

「どう?時ちゃん、ナオちゃんの着物姿は?」彼女は魅惑的ほほ笑む。

私には、26歳の彼女が年上の女のように映じた。

ところで、話は元に戻るが、遅れて姿を見せた尚子は、右足を一歩前に出し、ミニスカートの裾を両手で持ち上げるようにして腰を折る。

それはバレイの挨拶であった。

彼女はその日、珍しく黒いストッキング姿だったのだ。

駅構内を行く人の視線を気にもせずに太ももを露わにする。

「時ちゃん、ごめんなさいね。ナオちゃ用事が出来て、箱根へ行かけなくなったのよ」

「え~!本当ですか?!」私はロマンスカーの二人分の乗車券を既に買っていた。

「なるべき、早く帰るわね。これ部屋の鍵、待っていてね」彼女が肩にかけた黒革のバックから出した鍵を受け取り私は茫然自失となる。

尚子は身を翻して、ゆったりとした足取りで去って行く。

改札口に取り残された私は、何故か、死んでしまいたい気持ちに陥る。

こんなに気持ちが後ろ向きになったことは、過去になかった。

私は新宿で一人映画を観て、それから同僚である恩田美奈の父親が経営する歌舞伎町の寿司屋へ行く。

接客する恩田は愛想を振りまいていた。

それは勤務する新聞社の社内では見せない生き生きとした彼女の姿だった。

「あら、南さんがこの店に姿を見せるなんて、驚きだわ」おしぼりを手にする恩田は和服姿だった。

私はその和服姿が、尚子の和服姿と重なったのだ。

祝日を含め二日続きの連休の夜は、虚しいく更けていった。

そして、尚子の部屋で待つ私は、時計ばかり気にしていた。

彼女の書棚から取り出して、チェーホフの小説を読んでみた。

終電車の時間は既に過ぎていた。

思えば不思議である。

尚子の隣の部屋に住む下宿人が、私の恋愛相手に発展するとは・・・

「大山さんには、過去に異常な性の体験があるのでは、ないかな?そんな気がするんだ」過去に、他社の記者で大学の先輩でもある森勝彦が言っていたことが、突然よみがえる。

「異常な性体験とは、何なのだろうか?」

私はこの夜、大山尚子の過去を感じ取りたい気持ちに突き動かされる。

「尚子の過去を探りたい」その衝動は、あらぬ方向へ、私を向かわせる。

そして私は、彼女の部屋のデスクの奥にしに秘められていた20歳の時の日記を発見する。

その内容に私は大きな、言い知れる衝撃を受けたのだ。