4月30日 CSテレビで映画「滋県銀行九億円横領事件 女の決算を観た。

2021年04月30日 11時24分36秒 | 社会・文化・政治・経済

 

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 4月30日午前6時~ CSテレビで映画・チャンネルNECOで「滋県銀行九億円横領事件 女の決算を観た。

昭和48年(1973) 

滋賀銀行の模範女子行員による
史上空前と言われた 犯罪金額9億円・横領事件のドラマ化です。
(当時の9億円は 現在に換算すると22億円になるそうです)


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徳村麻子 (大楠道代)


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花形 (火野正平)

昭和41年 (1966)
滋賀銀行・山科支店の 徳村麻子(35歳)は
その前の支店から数えると 18年間在職のベテラン行員だった。

麻子はこれまで 恋愛経験が無かった。 

これは幼い頃、夫が愛人をつくって出て行ったことで
極度の男性不信になった 母親の強い影響があり
麻子の姉も独身だった。

しかしある雨の夜、麻子は偶然乗った
タクシー運転手の花形(25歳)と知り合い 付き合うようになる。

10歳も年上であることに 引け目を感じていたが
彼は 歳なんか関係ないよ、と 優しかった。

花形は故郷の下関で 兄と海産物の仕事をやっていて
そちらが景気が良く 小遣いに困らないからと
今はタクシー運転手も辞めて 競艇に夢中だった。 


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しかし花形は 次第に麻子のお金をアテにするようになり
競艇だけでなく、車を買ったり、
ホテルや食事代のすべてが 麻子の持ち出し。

それまでの銀行勤めで こつこつと貯めていた貯金は
瞬く間に底をついた。 

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けれど麻子は 幸せだった。
この恋は自分にとって 最初で最後の恋だと思っていた。

しかし貯金が無くなると 麻子の給料だけでは
到底、花形を満足させることは出来なくなり
お金を渡せないと 花形は別れを匂わす。

遂に麻子は ある顧客の20万円の定期預金を
偽造証書で途中解約する、という犯罪に手を染めた。 
 

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「とうとう知らん人の お金に手をつけてしまった」
 

そしてこれ以後、定期の途中解約や
架空名義の預金を作っては 解約を繰り返し

現実に解約が入り、発覚しそうになると
別の定期を解約して穴埋めをする、自転車操業のようだったが

花形の喜ぶ顔が 今の麻子のすべてだった。 

麻子は自分の居ない間に 発覚するのを恐れ
有給休暇も一度も取らなかった。

こうして、三年、四年と経ち
世の中が 三億円事件や浅間山荘事件で揺れていた頃。

もうこの頃には ほとんど毎日のように
手当たり次第、一度に100万、200万と着服。
バッグの中には常に 帯封の付いたままの札束が入っていた。

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「私はもう その日その日を 
 ただ生きているような気がしていた」
 
しかし、終わりは 突然来た。

昭和48年(1973)・2月
麻子に他支店への 転勤の辞令が出たのだ。 

当然、麻子の着服は 後任により直ちに発覚

その金額の多さから 山科支店は大騒動になり 

警察は即、逮捕状を出し 麻子は全国指名手配になった。

その時が来たら一緒に死のうと 言っていた花形は
いち早く、下関に逃げた。

花形はこの3年前、まさに麻子がせっせと貢いでいる頃
故郷で結婚しており、また自宅ばかりでなく
両親や兄弟のための 豪邸も建てていた。

警察の捜査で
麻子の唯一の男友達として 浮上した花形の
あまりの羽振りの良さは 共犯者として明白だった。

その頃、麻子は大阪に逃げていた


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そして、8か月後。

逮捕されたとき、麻子は偽名を使い 
働いていた居酒屋の 常連の男(坂上二郎)に見染められ

安アパートで 穏やかにつつましく 一緒に暮らしていた。

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取り調べにより 
この6年2か月の間に 総額8億9千4百万円を 
計1300回に渡って 引き出していた事が判明。

裁判では

共犯の花形は
横領罪としては最高刑の 懲役10年。

対して、早い段階から

すべてを自分一人の罪と 認めていた麻子は 

実行者にもかかわらず 
花形より2年少ない 懲役8年が言い渡された。

この後、事件のドキュメンタリーとして

「昭和の女性犯罪史」といった 文献が次々に発表され

また、数多くの小説、ドラマなどが誕生しました。

このドラマは 

大楠道代さんの演技が 大げさじゃなく、とても自然で

見応えがありました。


横領事件犯人として逮捕された 実際の奥村彰子。



 


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