輪子は初めて福井競輪場へ行く。
福井は輪子の祖父の故郷であり、父が語った小浜湾を見たいと思ったから。
大ファンの「ワッキー」を声援する目的が一番の福井行き。
福井競輪
400mを使用している。
日本競輪学校の400mバンクをモデルにして造られているため、選手の間ではクセの少ない走りやすいバンクと言われている。
ただし、直線が比較的短いため、先行タイプの選手がやや有利とされている。
輪子は、データをネットで検索して「ワッキー」に合う競輪場であると確信した。
やはり地元のワッキー人気は絶大。
外の熱気は高まるばかり。
無論、冷房で涼しい特別観覧席を選択。
車券を買うのは後半の3レースのみ。
輪子はその自らの規範を崩さない。
11レースは地元の野原 雅也(福井103期)が先行する展開。
本命は9-1-7のラインである。
1-7-9を1000円買う。
車券を買った後から、輪子は本命の隣を思い付く。
1-7-8の車券である。
別線は3-5-8のライン。
競輪ファンの大半は、2番手は有利でも3番手は不利という原則のようなものが頭に刷り込まれている。
このため、3番手の選手が車券に絡むと、しばしば穴となる。
「幸運の女神は隣に」輪子は想った。
「1-7-9の本命で決まるとしたら、皆がハッピー。でも、競輪は違うのでは?」
地元の野原 雅也選手(福井103期)が先行するので、1-7は有り得る。
多くの競輪ファンの常識(期待)。
2車単の1-7は320円の1番人気。
では3着は?
輪子は9番(野原選手)の隣の8番北村信明選手(徳島93期)に注目した。
3-5-8ラインの3番手、ほとんど注目されていない。
しかも、先行する3番の北津留 翼選手(福岡90期)は不調と見られていた。
でも、決勝戦に進んだもである。
北津留選手が目いっぱい頑張れば、3-5-8ラインの誰かが3着に絡むはず。
輪子は1-7-9の隣の8番を300円押さえた。
1-7-8の配当は、何と2万5720円(54番人気)!
1-7の車単が320円(1番人気)
2車単と3連単の大きな開きに改めて、輪子は驚く。
「幸運の女神は隣で微笑んでいるのね」と解釈。
そして、ワッキーの12レース
福井競輪開設記念「不死鳥杯」
まさか、脇本選手と中川がラインを組むとは思いも寄らなかった。
1着脇本 雄太選手(福井94期)
2着中川 誠一郎(熊本85期)
輪子は3-1の1番人280円を確信して、1万円を投じる。
福井県まで来なければ、こんな車券買いはしなかった。
「競輪大好き人間の父親の血なのだろうか」と輪子は自らを怪しむ。
「本命でも1000以上は」買わない輪子は自らの鉄則を初めて破る。
福井は輪子の祖父の故郷であり、父が語った小浜湾を見たいと思ったから。
大ファンの「ワッキー」を声援する目的が一番の福井行き。
福井競輪
400mを使用している。
日本競輪学校の400mバンクをモデルにして造られているため、選手の間ではクセの少ない走りやすいバンクと言われている。
ただし、直線が比較的短いため、先行タイプの選手がやや有利とされている。
輪子は、データをネットで検索して「ワッキー」に合う競輪場であると確信した。
やはり地元のワッキー人気は絶大。
外の熱気は高まるばかり。
無論、冷房で涼しい特別観覧席を選択。
車券を買うのは後半の3レースのみ。
輪子はその自らの規範を崩さない。
11レースは地元の野原 雅也(福井103期)が先行する展開。
本命は9-1-7のラインである。
1-7-9を1000円買う。
車券を買った後から、輪子は本命の隣を思い付く。
1-7-8の車券である。
別線は3-5-8のライン。
競輪ファンの大半は、2番手は有利でも3番手は不利という原則のようなものが頭に刷り込まれている。
このため、3番手の選手が車券に絡むと、しばしば穴となる。
「幸運の女神は隣に」輪子は想った。
「1-7-9の本命で決まるとしたら、皆がハッピー。でも、競輪は違うのでは?」
地元の野原 雅也選手(福井103期)が先行するので、1-7は有り得る。
多くの競輪ファンの常識(期待)。
2車単の1-7は320円の1番人気。
では3着は?
輪子は9番(野原選手)の隣の8番北村信明選手(徳島93期)に注目した。
3-5-8ラインの3番手、ほとんど注目されていない。
しかも、先行する3番の北津留 翼選手(福岡90期)は不調と見られていた。
でも、決勝戦に進んだもである。
北津留選手が目いっぱい頑張れば、3-5-8ラインの誰かが3着に絡むはず。
輪子は1-7-9の隣の8番を300円押さえた。
1-7-8の配当は、何と2万5720円(54番人気)!
1-7の車単が320円(1番人気)
2車単と3連単の大きな開きに改めて、輪子は驚く。
「幸運の女神は隣で微笑んでいるのね」と解釈。
そして、ワッキーの12レース
福井競輪開設記念「不死鳥杯」
まさか、脇本選手と中川がラインを組むとは思いも寄らなかった。
1着脇本 雄太選手(福井94期)
2着中川 誠一郎(熊本85期)
輪子は3-1の1番人280円を確信して、1万円を投じる。
福井県まで来なければ、こんな車券買いはしなかった。
「競輪大好き人間の父親の血なのだろうか」と輪子は自らを怪しむ。
「本命でも1000以上は」買わない輪子は自らの鉄則を初めて破る。