子どもの思考過程が見えてくる 算数的表現力を育てる授業 価格:¥ 1,995(税込) 発売日:2001-08 |
初版が平成13年8月8日の本である。平成24年6月で第15刷!
ロングセラーである。
田中氏の育てたい子どもは「自ら算数の世界を広げていく子ども」である。
本を読むと、そういう子に育てるための仕掛けがいろいろ書いてある。
特に、この「表現力」を育てることで、学び合いが活性化し、自分たちで算数の法則を見つけ出す子どもになっていく。
形式的な指導ではなく、子どもに必要感や面白さを感じさせる手だてをとっている。
だから、「話をしている人の方を見て聞きましょう。」
等という形式的な指導はしない。
聴きたくなるような仕掛けをとる。
また、子ども達の表現力については、「語り初めの言葉」に着目して分類している。
次のような分類である。p.33
「例えば・・・」 自分なりの分かり方におきかえて話す子ども
「だって、でも」 友達の考えに関わろうとする子ども
「まず、それから」 考えている筋道を整理しようとする子ども
「だったら」 活動の先を考えようとする子ども
「もしも」 発展を考えたり、物事を整理したり、一般化を図ろうとする子どもが使う魔法の言葉
このような言葉を子どもが使い出したら、教師はその意図を酌み取ってほめてあげるとよい。
子どもは、さらに表現する意欲が高まるだろうと感じた。
最近「活用する力」を高める授業づくりの研究が盛んである。
田中氏のこの本は、必読書の1つだと考えている。