今日の「お気に入り」は、萩原朔太郎(1886-1942)の「純情小曲集」の「愛憐詩篇」の中から一篇。
桜
桜のしたに人あまたつどひ居ぬ
なにをして遊ぶならむ。
われも桜の木の下に立ちてみたれども
わがこころはつめたくして
花びらの散りておつるにも涙こぼるるのみ。
いとほしや
いま春の日のまひるどき
あながちに悲しきものをみつめたる我にしもあらぬを。
(河上徹太郎編「萩原朔太郎詩集」新潮文庫 所収)
桜
桜のしたに人あまたつどひ居ぬ
なにをして遊ぶならむ。
われも桜の木の下に立ちてみたれども
わがこころはつめたくして
花びらの散りておつるにも涙こぼるるのみ。
いとほしや
いま春の日のまひるどき
あながちに悲しきものをみつめたる我にしもあらぬを。
(河上徹太郎編「萩原朔太郎詩集」新潮文庫 所収)