今日の「お気に入り」は、中原中也(1907-1937)の詩一篇。
閑寂
なんにも訪(おとな)ふことのない、
私の心は閑寂だ。
それは日曜日の渡り廊下、
――みんなは野原へ行つちやつた。
板は冷たい光沢(つや)をもち、
小鳥は庭に啼いてゐる。
締めの足りない水道の、
蛇口の滴(しづく)は、つと光り!
土は薔薇色、空には雲雀
空はきれいな四月です。
なんにも訪ふことのない、
私の心は閑寂だ。
(角川春樹事務所刊「中原中也詩集」所収)
閑寂
なんにも訪(おとな)ふことのない、
私の心は閑寂だ。
それは日曜日の渡り廊下、
――みんなは野原へ行つちやつた。
板は冷たい光沢(つや)をもち、
小鳥は庭に啼いてゐる。
締めの足りない水道の、
蛇口の滴(しづく)は、つと光り!
土は薔薇色、空には雲雀
空はきれいな四月です。
なんにも訪ふことのない、
私の心は閑寂だ。
(角川春樹事務所刊「中原中也詩集」所収)