昆布とリンゴ入り! 芦別発の不思議な飲み物「タングロン」って?
【芦別市・札幌市】芦別発祥の不思議な飲み物があるのをご存知でしょうか。
その名は「タングロン」。
白いパッケージに昆布の絵が緑で描かれ、赤い文字でタングロンと書かれています。
パッケージを開けて飲んでみると、お茶のような色合いのドリンクとなっており、リンゴの風味を感じられます。
タングロンとは、パッケージからもわかるように、昆布が入っているドリンクです。
簡単に言うと、リンゴ果汁、昆布エキス、天然酵素をミックスしたかのようなドリンク。
後述するように、開発の経緯からも昆布エキスがメインであるため、果汁入り昆布飲料といった表現が似合うでしょうか。
販売を行うタングロン北海道株式会社(札幌市厚別区)によると、もともとタングロンは、北大水産学部(函館市)の研究で、昆布エキスの抽出に成功したのがきっかけでした。
その後、元北海道大学の近江彦栄氏が、天然酵素保健飲料として昆布エキス・酵素を使った世界で初めてのドリンクを開発。
飲みやすくするため、リンゴ果汁とオリゴ糖を加え、ビタミンB2等も添加しました。
こうしてできあがったドリンクは、昆布の英語表記「tangle(タングル)」にちなみ、「タングロン(tanglone)」と命名。
1967年に芦別市の炭鉱閉山をきっかけとして、産炭地振興法に基づく国の産炭地振興事業を活用して、元炭鉱マンの笠井会長が日本酵素産業株式会社(芦別市)を設立、タングロンの製造と販売を1969年に開始しました。
発売当初のタングロンは、瓶詰めで20円。
牛乳配達のように各家庭に配達していたと言います。
しかし、2年後にはK紙パックに変更され、1992年10月からは現在のM紙パック(90ml)に変更されました。
昭和50年代以降は、芦別周辺を中心に学校給食にも出されていましたから、懐かしく感じる道民も多いことでしょう。
現在は道内のスーパーを中心に、4連のパッケージで販売されています。