平均84歳、おじいちゃんラッパー
記事提供:ORICON NEWS
北海道の日本海側北部に浮かぶ人口4500人程度の小さな島、利尻島に名物ラッパー3人組が暮らしている。
そのラッパーとは、93歳、81歳、79歳の仲良しおじいちゃんトリオ。2年前、利尻の知名度を上げようと、町を象徴する元気なおじいちゃん3人が町の職員によって招集された。
3人とも現役漁師だが、“紅白歌合戦出場”を目指して、漁の合間を縫ってラップやダンスの練習に励んでいる。
■音楽を聴くと体が勝手に動き出す、元気の秘訣は「80歳くらいの若い人との対話」
3人がイケイケな服装でビートを刻み、息を合わせてダンスを踊る動画をYoutubeに投稿すると、たちまち話題に。
リーシリーボーイズに会いたいという観光客からの問い合わせが急増し、東京から子どもが会いに来たことも。等身大パネルやポスターが展示されるなど、すっかり町の人気者だ。
――メンバー3人のプロフィール紹介をお願いします。
【めんこEさん(79歳)】
名前の由来:方言で“かわいい”の意。とてもチャーミングな人だから命名された。趣味:飲み歩き、性格:温厚、好きな言葉:ますらおの心定めし北の海
【ガンゼさん(81歳)】
名前の由来:方言で“バフンウニ”の意。ウニ漁が得意なため。趣味:写真・水墨画・手芸、性格:まじめ、好きな言葉:死ぬまで挑戦
【コンブアッペカッチャさん(93歳)】
名前の由来:方言で“昆布裏表逆”。コンブ漁が得意なため。趣味:野菜作り、性格:自由奔放、好きな言葉:これからわが人生
――皆さん仲良しですね。
【リーシリーボーイズ】昔から知る仲です。こんな小さい島だもの。今は、ヒップホップをやるとき以外はたまに散歩も一緒にしますが、それぞれ本業の漁が忙しい日々です。
――曲の練習はどのようにされているのですか。
【リーシリーボーイズ】漁師小屋、温泉、役場などで漁の合間に3人集まって練習してます。
――振付や歌詞を覚えるのは大変ではないですか。
【リーシリーボーイズ】音楽を聴くと体が勝手に動き出すから、思うがままに踊っています。
歌詞は、利尻島で古くから慣れ親しんでいる「方言・浜言葉」で自分たちの思いを伝えようと、お互い意見を出し合って練習しています。
――お三方の元気の秘訣は何だと思われますか。
【めんこEさん】利尻自慢の昆布を食ってるから。
【ガンゼさん】利尻名物の昆布とウニを食べること。
【コンブアッペカッチャさん】80歳くらいの若い人との対話。
■91歳でニュースキャスターにも挑戦、いくつになってもドキドキする人生を過ごしたい
「ウィーアー リーシリーボーイズ」の楽曲でデビュー以来、“91歳のニュースキャスター”として利尻のニュースを伝えるなど、町の魅力を伝える動画を配信している。今年は、夏に新たなPV撮影、町の催し物でのゲスト出演なども予定している。
――正式デビューが決まった時、どんな気持ちでしたか。
まずは「故郷利尻のためにできることであれば全力でやりたい」という気持ちが第一でした。
でも正直デビューするからには「人気者になれるかな?」「恥ずかしい想いをしないか?」という不安がありましたが、地元のステージに多くの人が集まってくれて応援してもらい、今では「自分たちは利尻を代表するスターだ」という気持ちで頑張ってます。
――やはり反響は大きかったですか。
【リーシリーボーイズ】喫茶店にいても、空港でも写真やサインを求められる。
まるでスターになった気分です。
【めんこEさん】青森(出身地)の同級生からもテレビ見たよと久しぶりに連絡が来て嬉しかったよ。
――デビュー曲を初めて聞いたとき、お三方はどのように感じましたか。
【リーシリーボーイズ】あんまり聞いたことない音楽だなと思ったな。
――デビュー曲のお気に入りのフレーズはありますか。
【めんこEさん】「んだんだ!」は歌いやすいし、普段からよく使う言葉だから好き。
【リーシリーボーイズ】3人そろって好きなのは「あぎらがす、あぎらがず、あぎらがす(飽き飽きする)よりばふらめく(どきどきする)」です。
色んな辛いことはあるけど、毎日に飽き飽き退屈するより、ドキドキするような人生を過ごしたいという思いが込められています。
■原動力は「大好きな利尻をもっと知ってもらいたい」という思い、夏には新曲も!
――現在、どのような活動をされていますでしょうか。
【リーシリーボーイズ】次のPV撮影に向けて、歌詞を練っています。
このほか、利尻町内でのステージや今年の夏のファッションなど手作りのものも含めて、デザイン案を出し合っております。
あとは、これからウニと昆布漁が盛んなので、そちらも本気でステージ同様暴れたいと思っております。
――漁をしながらの音楽活動は大変かと思いますが、原動力は何ですか。
【リーシリーボーイズ】「自分たちが本当に大好きな利尻を多くの人にもっと知ってもらいたい」という思いです。
また、家族をはじめ町の人々や仲間の支えや声援が本当にこの年になってこれほどうれしいものなんだと感じていることが原動力かなと思っています。
――利尻の魅力はどんなところですか。
【めんこEさん】島はとにかくのんびりして、ゆったりしてること。家にカギをしたことないくらいいい島。
【リーシリーボーイズ】景色がきれいで、海産物がおいしくて、人が温かい。これはいかなければ感じることができない。だから「来てけれ!」という思いでHIPHOPを歌い続けています。
――リーシリーボーイズの活動を通して、どんなことを伝えたいですか。
【リーシリーボーイズ】皆さんにとって、利尻のウニが“you need”(ゆウニーど)な存在になればよいと思っています。
とにかく利尻にきてねー!
チェケラ!