伊尹
2020-10-05 | 昆布
商時代、湯王の大臣を努め、湯液を創製したと伝えられている人物・・・
元包人の「伊尹」
ある時、伊尹は「割烹」の技術になぞられた比喩を作り、これを政治に応用することを湯王に上申したことで王の賞賛を得、ついに宰相に抜擢されるようになった。
伊尹は、料理人から身を起こした人で、調理に際して火加減と滋味の関係をよく把握し、それを正確に活用することで、最も良い味が生まれることを心得ていた。
ある種の食物は、薬物と関係が深く生姜(しょうきょう)や桂枝(けいし)のようなよく知られた薬物は常に使われる調味料だった。
「呂氏春秋」の本味篇に「陽朴の姜、招揺の桂」(陽性で地味な生姜、動きを与える桂枝)との記載がある。
伊尹の長期にわたる調理や割烹の経験からこの2つの性能を熟地し、その知識を薬用として疾病治療に転用したと想像される。
生活経験と医療実績の蓄積、そして伊尹にような卓越した個人の献身。