珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

70年代前半、音楽の風景

2020-08-09 18:53:09 | POPS(邦)
梅雨が明けてから、横浜は夏日が続いています。幸い、横浜は海が近いせいか、35度を超えることがありません。それでも真昼の屋外は応えますので、散歩は朝か夕方にしています。今朝、散歩コースでは、稲の花を確認することができました。田の色は斑模様でありますが、少しずつ季節が進んでいることを実感しました。8月が終わると、今年も2/3が終了です。全体としては短い1年だったと感じることでしょう。オフ会、登山、旅行といったイベントは少なくなりましたが、その分、自分の時間の使い方を意識するようになりました。


さて、表題です。70年代前半の写真を紹介するわけではありません。TVを通して私が感じた昭和歌謡の原風景の話です。最近読んでいる本の記事でも触れましたが、私の中では60年代はモノクロのイメージです。記憶のシーンに色がつくのは70年以降となります。当時、歌謡曲に触れるメインルートはTVでした。年末のレコード大賞や紅白歌合戦は、そのハイライトでした。新三人娘、花の中3トリオ、新御三家、フィンガーファイブ、アグネス・チャンなどアイドルの活躍は知っていましたが、子供ながら何故か大人路線が気になっていました。


メロディーで強い印象を刻んだのが、欧陽菲菲の「雨の御堂筋」でした。時期的には幼稚園から1年生にかけての頃です。ベンチャーズが誰であるか、御堂筋が何処にあるかも知らずに聞いていました。「小ぬか雨」が雨の種類を表していることも後で知りました(苦笑)。小学校2年生の頃、布団に入って寝ようとする際、この曲のメロディーが頭を巡り、妙に切ない感覚となったことを憶えています。80年代に入って「ラヴ・イズ・オーヴァー」が大ヒットしましたが、ブランクが長かったため、すぐに「雨の御堂筋」とつながりませんでした。


由紀さおりの存在も気になっていました。清楚な雰囲気は、明らかにアイドルと一線を画していました。「手紙」はリアルタイムでは聴いていません。高校に入って偶然ですが、FM放送でエアチェックの機会がありました。当時の私のカセットテープには、80年代の洋楽、邦楽に混ざってレトロな「手紙」が入っていたわけです。この頃から既に雑食志向は形成されていたのかも知れません(笑)。少し前、ピンク・マルティーニとのコラボが話題になりましたが、聴くのは殆ど70年代前半の紙ジャケCDです。


ビジュアル的にインパクトを残したのが、金井克子の「他人の関係」でした。バックコーラスの男性陣を従えたイントロでの振りは強烈でしたね。TVの前に座ることに気恥ずかしさを感じていました。当然、歌詞の意味も知らずに聞いていたわけですが、画面から伝わる怪しい雰囲気をキャッチしていたのでしょう。このCD選書はヤフオクで仕入れました。後半の洋楽カヴァー集がなかなかです。「やさしく歌って」「アローン・アゲイン」「あまい囁き」辺りは、独特の気だるいヴォーカルとマッチしています。


75年のレコード大賞新人賞争いは、しっかりと記憶に残っています。最優秀新人賞は細川たかし「心のこり」でした。私バカよねー♪のフレーズが小学生ながらに受けて、応援していました。細川たかしと争い、新人賞を取ったのが、岩崎宏美、太田裕美、片平なぎさ、小川順子でした。とりわけ、勢いの宏美(ロマンス)×しっとりの裕美(雨だれ)のコントラストが思い出されます。曲はいずれも筒美京平作曲でした。当時の太田裕美の印象は、弾き語りするお姉さん程度でしたが、ずっと後に2度ほどマイブームが訪れました。


来週はお盆休みです。オーディオ部屋のクロス張替え工事を予定しています。オーディオ機器を、一旦、別の部屋に退避させる必要があります。その前に、しっかりと70年代歌謡を聴いて、お盆前の締めとすることにします。
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マツコの知らない世界~平成生まれから評価される昭和ポップス~

2020-05-03 11:52:24 | POPS(邦)
ステイホームウィーク、我慢ウィークといろいろとネーミングされていますが、いかがお過ごしでしょうか?4月が丸々在宅勤務だったため、その延長戦のようなGWとなっています。緊急事態宣言が延び、どうやら5月末までは似たような生活が続きそうです。このところ横浜方面は、気温が上がっています。運動不足を解消するため、散歩コースを長めに設定しています。熱中症は要注意ですが、今のところ薫風の心地よさがモチベーションになっています。近所のふるさと村にも初夏の気配が広がっていました。


先日、「マツコの知らない世界」で昭和ポップスが取り上げられていました。プレゼンターは平成生まれの高橋昌太郎さんと、さにーさんです。平成生まれ×昭和ポップスとは意外な組み合わせでしたが、理由に納得しました。邦楽の多様化が進んだ分、平成育ちの方は、様々な曲を平等に聴いてきたようですね。昭和ポップスの丁寧な作品づくりが、彼らに逆に新鮮に映ったとか。70~80年代のシティポップが海外で評価されていることに通じるのかも知れません。昭和生まれの我々からすると嬉しい限りです。


昭和と平成では、アイドル像にも違いがあります。アイドル=アイドルグループとなって久しいですが、都度ヒットが約束されている状況に、私自身は違和感を覚えていました。人数が2~3人ならともかく、40人となると・・・。昔は、売れる売れないに関わらず、一人で勝負していましたよね。マツコさんが「覚悟」の差を指摘してましたが、私も画面の前で頷いていました。説明不要な3強(聖子・明菜・キョンキョン)の他にも、個性的な歌い手が犇めいていた時代でした。


この日、登場した女性マニアのさにーさん、勿論、初めて知りました。平成2年生まれの27歳だそうですが、「あなたの知らない昭和ポップスの世界」というサイトを立ち上げています。ちょっと覗いてみました。サイトを立ち上げた理由、昭和歌謡と昭和ポップスの違い・・・実にしっかりしたコンセプトで感心しました。上司とカラオケ盛り上がれる曲など、若い目線による情報もあります。好きな曲の一つが「チェリーブラッサム」だそうですが、イントロに当時の松田聖子の勢いを重ねる辺り、我々の肌感覚とも合致します。


昭和ポップスを陰で支えていたのが、アレンジャーです。曲と歌詞が素材なら、編曲は料理なので、むしろ重要という見方もできます。記憶に残っているのも、普段オーディオで聴くのも、アレンジの結果であるサウンドですからね。歌い手の力だけでなく、作詞・作曲・編曲・演奏・録音と、総合力で作品を創っていたことが分かります。3大編曲家という言い方は、知りませんでした。過去作品を調べると三者三様ですが、確かに有名な曲ばかり。今でもオーディオで聴く曲、結構多いです。


後半のイントロベスト10は、TBSらしく「ザ・ベストテン」のボードを使ったランキングでした。イントロや間奏曲も、作品を構成する大事なパーツです。当時は演奏者を気にしてませんでしたが、オーディオで聴くようになってからクレジットを確認するようになりました。1位となった「魅せられて」のイントロ、私も結構好きです。ストリングスの低音が右奥に広がる様は、ちょっとした快感になります。この辺り、男性マニアの高橋昌太郎さんが解説してました(ちなみにお父さんはバックミュージシャンだったそうです)。



オーディオ交流は、今のところ昭和生まれ同士です。近い将来、平成生まれのオーディオファンと、昭和ポップスを披露しあう、なんてことになるかも知れませんね。楽しみにしています。
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オーディオで歌謡曲:中森明菜

2018-01-05 21:06:19 | POPS(邦)
明けましておめでとうございます。今年もよよろしくお願いします。横浜は連日の好天で、元旦も見事な青空でした。長過ぎる年末年始の休みに時間を持て余し気味ですが、オーディオ、音楽と向き合う時間を確保することができました。ジャンルを跨いでいろいろと聴いたり、棚のCDを整理して、リッピング漏れしていた音源をファイル化したり・・・。オーディオ機器で言えばオーバーホールのような時間を過ごしています。さて、ブログの方は9年目に突入、何とか10年選手も見えてきました。今年も週1回を最低目標に日記をアップし、途絶え気味だった音楽の記事も巻き返しできればと思います。


で、初心を忘れずに、オーディオで歌謡曲シリーズです。前回から3年半も経過しました(汗)。個人的な四天王、トリは、中森明菜です。これまでの3人は言わば、お姉さんアイドルだったわけですが、ようやく同世代の登場です。既にアイドルの中心的存在だった松田聖子の対抗馬として、花の82年デビュー組から台頭したのが中森明菜でした。山口百恵張りのツッパリ路線(少女A)もあれば、バラード歌い上げ(セカンドラブ)もありと、松田聖子とは別の立ち位置を築きました。高校の半ばからハードロック/メタル路線へ移行し、邦楽からは遠ざかる一方でしたので、私の中では昭和歌謡のしんがりといった存在です。

初期三部作(プロローグ~バリエーション~ファンタジー)です。デビューしてしばらくの中森明菜をを支えたのが、来生えつこ、たかお姉弟です。前年の「セーラー服と機関銃」が当たり、既にヒットメーカーの仲間入りをしていました。デビューシングルの「スローモーション」も提供曲の一つです。ラジオで流れ始めた当初から注目度が高った記憶があります。この三部作、新人離れして外れ曲が少ないです。売る側の本気度が分かるような気がします。「あなたのポートレート」「瑠璃色の夜へ」「ヨコハマA・KU・MA」あたりは、シングルカットされても十分売れたことでしょう。


松田聖子の記事でシングルB面の曲だけを使ったアルバムを紹介しました。ワーナー時代のシングル曲のB面コレクション『もう一人の明菜』が93年に発売されています。私は中古で仕入れました。目当ては、「トワイライト -夕暮れ便り-」とのカップリング曲「ドライブ」でした。大学受験前の初夏、NHK-FMの邦楽番組で偶々録音し、しばしばカセットで聴いていました。ボサノバ風のしっとりした曲で、間奏のむせび泣くエレキギターに夜のハイウェイ像が浮かびます。何せアナログ時代のシングルB面です。長らくご無沙汰してましたが、デジタル音源にたどりつけたのは売れっ子の恩恵です。


80年代半ばの作品で1枚挙げるならば『BITTER AND SWEET』です。このアルバムには、来生姉弟の楽曲は入っておらず、作風のターニングポイントとも言えるアルバムです。全編エレクトリックが効いたシティ・ポップとなっています。最近、ハイレゾファイルをアルバムごとダウンロードしました。作曲陣には井上陽水、EPO、飛鳥涼、松岡直也、角松敏生、神保彰、吉田美奈子らの錚々たる名が連なっています。テクノ色の強いものの乗りの良い「月夜のヴィーナス」がお気に入りです。80年代後半の中森明菜は、どこか近寄りがたいオーラが出ていましたが、「BABYLON」にその片鱗を見ることができます。


90年代に入り私も社会人になりました。トレンディ-ドラマ「素顔のままで」で安田成美と共演したことは憶えていますが、歌の方はフォローできていませんでした。その後レーベルを変えながら、歌姫、艶歌といったタイトルでカバー作品をリリースしているのはご存知通りです。2003年頃、NHK-BSで「地球ウォーカー」という番組がありました。そのエンディング曲「華-HANA-」が気になって、シングル盤「Days」(本人作詞)を購入しました。松田聖子の「瑠璃色の地球」含めて、3曲、語るように歌い上げています。年月の経過と共に歌い方も変化しましたが、自然に受け入れました。


2000年に発売されたLPサイズのCD10枚セット『The Century of AKINA -WARNER 30th Anniversary BOX-』です。ワーナー時代からの代表曲のセレクションです。当時は、現在のようにオーディオに熱を上げることは想像外でした。オーディオ界の変化も然りです。現在のシステムで昔の音源を聴くと、音の違いに驚きます。そのギャップが好ましいものであれば、愉しみになります。クラシックやジャズの傍らで昭和歌謡を聴く理由の一つです。ただし、それはあくまでもオーディオ目線の話。単純に、音楽を通して時代を聴くことが好きだということです。


ご本人は、一時期、芸能活動を休止していましたが、2014年の紅白歌合戦に出演して復活しました。ライブの方はディナーショー中心のようです。かなりの高額が想定されますが、持ち歌であれ、カバーであれ、馴染みの曲ばかり。いつかはライブでと思わないでもありませんが、あの頃にワープできる歌を、これからも歌い続けていただくだけで、十分です。
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オーディオで歌謡曲:山口百恵

2014-08-10 16:15:11 | POPS(邦)
台風の影響で横浜方面も久々の雨となり、梅雨明け以降続いた猛暑は一休みです。庭木にとっては、恵みの雨となりました。ここに来てブルーベリーが食べ頃にを迎えています。市販品のような甘みはありませんが、それでも素朴な味を楽しんでいます。開幕を楽しみにしていた甲子園ですが、開会式が延期されるのは記憶にありません。ニュースで54年振りと知りました。それでは記憶にないわけです。今年は冷夏という予想もありましたが、全くの外れでした。選手には酷かもしれませんが、炎天下の熱戦は夏の風物詩でもあります。台風一過後の熱戦に期待しています。


さて、何年かかるかわからない、オーディオで歌謡曲シリーズ、第3弾は山口百恵です。学年で7つ下の私にとっては、アイドルというより大人の女性といった存在でしたが、活動期間が14~21歳だったことを考えると、実年齢より年上の女性を演じていたんだな、と改めて思います。存在自体はTV番組やCMを通じて小学校低学年の頃から知っていましたが、ひと夏の経験の意味すら?の小学生ではアンテナに限界がありました。風格、凄みが増した後半期の印象がどうしても強くなります。穏やかな曲、激しい曲へ対応の幅は、歌謡界を通じても随一ではないかと思います。


アナログ導入以降、様々なレコード会社の邦楽盤を聴く機会が増えましたが、全般的にCBSソニーの音に薄っぺらさ、ビクターの音にメリハリを感じます。ネット上でも目にする話ですが、中古レコード店の店主さんともそんな話題になりました。生産中のプレス時間の差といった話も出ましたが、真実はどうだったでしょうか。この項で紹介してきた太田裕美、松田聖子、そして山口百恵はいずれもCBSソニーです。売れる→生産量の増加→タクト短縮→音質低下だとしたら、ドル箱歌手はオーディオ的には歓迎できないことになります。そんなハンデを克服するのもオーディオの楽しみでしょうか。

山口百恵にとってのターニングポイントは、何はともあれ「横須賀ストーリー」です。当時は「およげたいやきくん」「ビューティフルサンデー」が大流行でしたが、”これっきり、これっきり、もう♪”も十分インパクトがありました。ここで定まった宇崎・阿木路線をベースに、以後、引退まで走りきった印象があります。「横須賀ストーリー」は元々アルバム向けの作品だったそうです。偶然の力を感じますね。しかし一方で、宇崎・阿木路線に染まらない幅の広さを、本アルバムに見出すこともできます。宇崎・阿木作品を通じて得た成長を、多方面から提供された楽曲に還元する、といった好循環がここから始まります。


「横須賀ストーリー」以前は進むべき路線を模索している感がありました。”禁断”路線もその一つです。有名な「ひと夏の経験」はリアルタイムで聴いた記憶が曖昧ですが、サビは無意識に刻まれていたはずです。最近知ったのですが、「ひと夏の経験」や「春風のいたずら」では、同じヴォーカルを重ねる一人二重唱という編集上のテクニックが使われています。声の印象を変える効果があるそうですが、その効果は元の声質にも依存するとか。山口百恵の場合、サビでグッと色気が増す印象があったのですが、漸く、からくりが分かりました。ジャケットを見る限り、あどけない高校1年生なんですけどね。


大きなヒットにはなりませんでしたが、「乙女座宮」は印象に残っているシングル曲です。私自身の小学校卒業から中学校入学にかけての頃です。当時はピンクレディーが全盛期を迎える一方で、フォークから転じたニューミュージック勢が台頭した時期です。旧来の歌謡曲系で奮闘していたのは山口百恵、沢田研二くらいだったしょうか?「乙女座宮」は、”ペガサス経由で♪”の部分で声がぐっと湿る感じが好きでした。後で知ったのですがやはり一人二重唱でした。無意識に刻まれた「ひと夏の経験」のサビが呼び起されたのかも知れません。この曲を通じて友和さんは獅子座だと思っていましたが、これは間違いでした(笑)。


80年秋に惜しまれつつ引退し、その後すっぱり芸能界と一線を引いたのはご存じ通りです。ここでは紹介しませんでしたが、オリジナルのアルバムは、デジタル、アナログ問わず機会を見つけて集めています。篠山紀信撮影のジャケットはやはりアナログ盤でなければ・・・。オーディオで歌謡曲シリーズ、次の明菜さんで区切りです。このところ、ハイレゾダウンロードや新しいベスト盤、久しぶりの新曲などセールス面での動きがありますが、何よりご本人の復活を待つばかりです。記事のアップは来年の夏ころになりそうです。
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オーディオで歌謡曲:松田聖子

2013-08-25 07:17:41 | POPS(邦)
まだ残暑は続いていますが確実に秋は近づいているようです。蝉の声も弱まってきました。さて、何年かかるかわからないシリーズ、オーディオで歌謡曲の第2弾は松田聖子を取り上げます。今でも現役ですね。最近だとBob JamesやFour Playとの仕事があります。ただし、ここで対象とするのは80年代のいわゆるアイドル時代です。私の高校受験~大学2年までの期間で、何かと多感だった時期と重なります。洋楽にかぶれ、ハードロック/メタルに傾倒していた時期なので、彼女のレコードをリアルタイムで買うことはほとんど無かったのですが、出す曲が次々とチャート1位ですから記憶には刷り込まれています。

長い間に渡って活躍したアイドルは、当然デビュー当時と引退/休止の段階では声質が異なります。加えて提供される楽曲や演奏の充実度にも違いがあります。これらの変化を、より引き出すのもオーディオ的な愉しみと言えるでしょう。この30年間の変化は言うまでもありませんが、80年代の最初の活動期に限っても大きな変化があります。デビューからしばらくの素人っぽさが隠せない頃から始まり、徐々にアイドル慣れして洗練されていく様子が手に取るようです。変化は時系列で連続的ですが、敢えて節目を挙げるとすると「赤いスイートピー」「瞳はダイアモンド」あたりでしょうか。

3枚目のアルバム『Silhouette 〜シルエット〜』です。デビュー2年目で大成するかどうかの分岐点でしたが、難なく突破しましたね。まだ歌い方に無理っぽさがあるのですが、そこにも良さがあります。財津和夫が提供した「チェリーブラッサム」「夏の扉」はノリの良い曲で、この時期の彼女の勢いを代弁しています。両曲がヒットしたのは、私自身の高校受験~入学した頃です。曲からは願書提出や祖父母を訪ねた春休みの九州旅行のシーンが重なります。祖母の家で聴いたAMラジオから「夏の扉」や大滝詠一の「君は天然色」が流れていました。1曲だけですが、このアルバムから松本隆とのコラボが始まります。


こちらはオリジナル作品ではありませんが、ベストアルバム『SEIKO・TOWN』のアナログ盤です。自宅に残っていたハードロックのレコードに混ざってしっかり残っていました。CDは現在は販売されておらず、ヤフオクで入手しました。時期的にはアイドル期の終盤で、かなり洗練された印象があります。楽曲提供は細野晴臣、呉田軽穂(=ユーミン)、甲斐よしひろ、大村雅朗、そして異色ですが日野皓正。「夏服のイヴ」で聴けるトランペットの演奏は日野さん自身でしょうね。SEIKO名義で自らも作曲し、なかなかのシンガーソングライターぶりを発揮しています。「Canary」に出てくる歩道脇のシトロエン・・・情景が浮かびます。


『Touch Me, Seiko』は84年に発売されたB面コレクションアルバムです。B面コレクションでもちゃんとしたアルバムになる人は、そうそういませんね。有名なところでは「SWEET MEMORIES」「制服」が入っています。このアルバムのだけでも4年間分の曲が入っていますので、声質の違いも楽しめます。最初はノーマークだったのですが、リンク先のあの頃の、オリジナル・カラオケで紹介されていた「愛されたいの」を入手するためにCDを購入しました。元々は「野ばらのエチュード」のカップリングですが、こちらがA面でも十分と思いました。風邪薬のCMに使われていたそうですが、憶えているような、いないような・・・。


出産後も活動を続けているのはご存じの通りです。「瑠璃色の地球」や夏目雅子のCMで話題になった「あなたに逢いたくて~Missing You~」など以降の曲もたまにオーディオで楽しんでいます。結婚を機にスパッと引退した山口百恵とは対照的ですが、信念を貫いているという意味では共通しているのかも知れません。さて多方面から楽曲の提供を受けた松田聖子ですが、およそ縁が無いと思われたのが中島みゆきです。これまで曲の提供は無かったと思うのですが、数年前に化粧品のCMで共演していましたね。帳尻合わせるあたり、やはりモンスター・アイドルなんでしょうね。
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