珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

ハンコックさんとのサウンド交流

2017-09-24 11:07:49 | オフ会
先の3連休の初日の16日、地元横浜のハンコックさんとのサウンド交流を行いました。ハンコックさんのことは、かねてよりブログを通じて存じ上げていました。拙ブログを開設した当初から相互リンクさせていただいています。もう7年ほどになります。当時のブログ名は「青い手帳」ではなく「アナログを鳴らそう」だったと記憶しています。数年前、taoさんのお誘いで訪問の機があったのですが、当方の都合で流れたままになっていました。先般、チューバホーンさん経由でご紹介いただき、漸く訪問の運びとなりました。最寄り駅は私の通勤経路です。燈台下暗しといった感覚でお宅へ向かいました。

ハンコックさんはマンションにお住まいで、6畳ほどのお部屋でシステムを組まれています。ご結婚を機に引っ越しされましたが、奥様のご理解もありオーディオ部屋を確保することができました。いわゆるオーディオ弄り、アクセサリー弄りはご卒業され、機器のラインナップも落ち着かれたようです。ハンコックさんは私よりもお若いですが、2000年代半ばのブログの記事を拝見する限り、オーディオ歴では私よりずっと先輩ですね。サウンドデザインのデジタルアンプSD05のシリアルナンバーは100未満です。SD05つながりで、中央線沿線の濃い方々との交流もされています。


上流の機器から紹介します。ハンコックさんと言えばアナログです。そして、数少ない貴重なオラクル仲間でもあります。こちらはベースが黒で落ち着いています。カートリッジはフェーズテックのP-3で、拙宅のPP-300と同グレードです。モノラル針への交換がちょっと手間でしょうか。


デジタルファイル再生でのLinux系PCを使っている点でも、私と共通しています。ハンコックさんの選択はラズパイです。基板からI2S経由で直接デジタル信号を出せる点が魅力です。このサウンドが思いのほか良く、レビンソンのCDプレイヤーの出番が減ったそうです。


プリアンプはレビンソンのML-1です。訪問先でレビンソンを聴く機会はあまりありません。この方面は全く明るくありませんが、70年代当時のレビンソンの製品は「オールドレビンソン」として一定の評価があるようですね。アナログ再生はこちらを経由します。


この日のSD05はアナログ/デジタルを通じてフル活躍となりました。ファイル再生はラズパイ直結のフルデジタル再生です。一方、アナログはML-1からの信号を一旦SD05でA/D変換します。レビンソンのパワーアンプNo.23.5Lは不調で出番無しでした。


ウィルソンオーディオWATT3/Puppy2です。ウィルソンやアヴァロンのSPは空間表現に長けるイメージがありますが、セッティングによっても雰囲気が変わります。嘗て平行法もトライされたそうですが、壁の影響を受けにくい交差法となりました。


3時間半ほどの滞在中、デジタル、アナログ半々の構成で聴かせていただきました。ハンコックさんは50~60年代のジャズに傾倒されていますので、場合によってはオールジャズ、それも濃い路線ばかりを想像しました。実際、蓋を開けると、いろいろとご配慮いただき、クラシック、ジャズ、ポピュラーを混ぜて聴かせていただきました。クラシックは冒頭の2曲のみで、いずれもモーツァルトでした。とりわけ、グリュミオーのヴァイオリン協奏曲が印象に残りました。艶やかなヴァイオリンとオーケストラ広がりが心地よかったです。挨拶代わりの2曲で、次の展開が楽しみになってきました。


その後はギターのインストや邦楽のポップスと続きました。genmiさんのお宅でもかかった遠藤響子の『ホッチキス』、こちらでも登場です。当時オーディオ界でも話題になったのでしょうか。持っている方は持っていますね。藤田恵美は「アザミ嬢のララバイ」と嬉しい選曲です。


デジタルでのジャズは、ピアノトリオ、ヴォーカル、ハードバップと幅広く選曲いただきました。ハンコックさんは、管楽器がお好みで、いろいろと解説をいただきながらの進行です。『SOULE JAZZ』からの「Bohemia After Dark 」は、私の狭いストライクゾーン、ドンピシャでした。


アナログの部はスティーリーダン「black cow」で始まり、以降はジャズのオリジナル盤を中心に聴かせていただきました。『Grand Encounter』は東西のジャズマン融合による名盤です。ただし、ハンコックさん自身は専ら東海岸派だそうです。


終盤はハードバップを中心に。The Diamond Fiveは64年、オランダ録音です。コッテリしていない軽快なハードバップ、いいですね。最後は有名な『SOMTHIN' ELSE』で締めです。ハンコックさんのコレクションはまだ尽きませんが、3時間を超えてお開きとなりました。


デジタルはラズパイ→SD05の直結のフルデジタルでの再生でした。とてもストレートで、音源の素がそのまま出るようなサウンドでした。この明瞭感は驚きです。SD05の個性が加わり、涼やかで空間も広がります。これにDACを加えたらどんな音になるだろうと、想像が膨らみました。アナログの方は、ピアノの響きにハッとするような鮮度感がありました。もうひと押し欲しい気もしましたが、レビンソンのNo.23.5Lで聴くとまた違った印象になるかも知れませんね。感想戦でも話しましたが、ハードバップの王道路線、次の機会で聴かせていただければ幸いです。

終了後、駅近くの居酒屋さんで軽い感想戦となりました。ジャズやジャズ喫茶の話、オリジナル盤収集の話、オーディオの話、その他諸々の話をさせていただきました。ハードバップという一領域に限っても知らないことが多く、またいろいろと教えてください。今回は、お声をかけていただき、ありがとうございました。拙宅はまた違ったサウンドになりますが、秋のご来訪を楽しみにしております。
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べルウッドさん宅で、ファイル再生の集い

2017-09-16 11:39:20 | オフ会
9日の土曜日、べルウッドさん宅で開かれたファイル再生愛好者の集いに参加してきました。MFさんのPC3台をべルウッドさんのシステムに組み込み、トランスポートの音の違いを愉しむという企画です。メンバーはホスト役のべルウッドさんに、asoyajiさん、いたちょうさん、MFさん、そして私という構成です。べルウッドさんのお宅は前回の女性ヴォーカル縛りの会以来、約9か月ぶりです。変化点は何と言っても、エソテリックのSACD/CDプレイヤー、Grandioso K1の導入でしょう。べルウッドさん×エソテリックの組み合わせは意外でしたが、ディスク再生とファイル再生の両方を楽しむための選択だと伺っています。


赤羽駅でべルウッドさん、asoyajiさんと集合、まずはランチとなりました。赤羽=夜のイメージがありますが、なかなかどうして、リーズナブルで素敵なイタリアンレストランを紹介いただきました。PCで音楽でお馴染みのasoyajiさんとは、初対面の感じがしませんでした。ブログのおかげでしょう(笑)。


Grandioso K1です。この柔らかいフォルムは音の性格まで表しているかのようです。エソテリックの音が変わったのは2010年くらいだったでしょうか。今後、この手のプレイヤーはリリースしづらくなるといった話が出ました。べルウッドさんにとっては、よい買い時だったのだと思います。


マニュアルにも重みがあります。


地元のいたちょうさん、MFさんが集合するまでの間、しばし音楽鑑賞です。ソフィーミルマン「おいしい水」、アバド/ベルリンフィル「カルメン」など元気な曲でウォーミングアップです。BGMモードから音量を上げて本気モードに変わると、1年前のリッチかつ引き締まったサウンドが蘇ってきました。


そうこうするうちに、メンバーが揃い、企画スタートです。例によってPC3発の持ち込みです。先のそねさん宅から1ヵ月半ほどですが、MFさん、相当工夫を重ねたようです。事前に教えていただいた情報によると、前回からの変化点は、
1)controlPC・audioPCのCPU交換
2)ハブありネットワークから、ハブレスネットワーク
3)DDCの変更
4)ネットワークカードの変更
5)ネットワーク設定の最適化
6)ServerPCのリニア電源化
だそうです。私が理解できるのは3)くらいでしょうか(笑)。PCオーディオの弄りしろの多さだけは分かります。


USB-DDCは前回そねさん宅で使用していた、nanoiDSDからnanoiOneへ変更です。途中で、USBをそのままK1につなぐ方式がメインになってしまったので、出番が無くなってしまったのは残念でした。MFさん曰く、同軸出力が素晴らしいとのことです。今度拙宅にお持ち込みください。


企画が始まって以降は課題曲を繰り返し聴くという形式となりました。先日のそねさん宅での実験でも同様でしたが、偶には音楽よりも音優先のオフ会も楽しいですね。形式的にはソニーのハードディスクプレイヤーHAP-Z1ESと、PC3台構成のJPLAYとの直接対決になりました。私自身の感想は、見通しの良さでJPLAYが一歩リードしている印象を受けました。AKB48の「桜の栞」は拙宅だと2ndシステムの方が相性が良く、再生の難しさがあります。べルウッドさんのシステムの完成度、部屋の広さから来るスケール感が重なり、得も言われぬ高揚感を覚えました。

その後、asoyajiさん、私、MFさんの順で持ち込み音源の鑑賞会となりました。皆さんいわゆるハイレゾ相当の音源ばかりで、オール44.1kHz/16bit音源を持ち込んだ身として、オフ会のあり様の変化も感じました。asoyajiさんの出所不詳の美空ひばりの音源、素晴らしったですね。普段聴いているCD音源とは、気配が違います。私が持ち込んだ音源で、弦楽器の響きに浸ったのが、デノンのPCM録音(イタリア合奏団、ヴィヴァルディ)です。最近はピリスのモーツァルトのソナタとセットで持ち込み、両者のバランスを聴いたりしています(K&Kさんの影響?)。ブラインドで小柳ルミ子を当てた、いたちょうさん、流石でした。

最後にべルウッドさんから3枚ほどの解説資料をいただきました。オーディオシステムの構成、電源システムの構成、個別の機器の概要です。勿論、ここに書かれていない様々な工夫が、べルウッドさんのサウンドを支えていると思いますし、今後も試行錯誤を続けられることでしょう。それでも、これらを配るということは、ある意味、完成宣言と受け止めました。サウンドの骨格は、昨年10月にお邪魔した際と変わっていない印象です。今回、更にGrandioso K1が加わったわけですが、ディスク再生の方は未だ片鱗しか聴けていません。次回は是非、そちらの方もお願いします。


最後は赤羽の夜に繰り出して感想戦です。最初に訪ねた数軒に入れず「わすれん棒」となりました。いつの間にかこのお店も満杯になり、赤羽の相変わらずの活気ぶりを実感しました。いつものようにオーディオ、音楽、他の話題で盛り上がりました。21時半頃まで談義を続けて散会となりました。べルウッドさん、皆さん、マニアックながらも楽しい1日を一緒に過ごすことができました。ありがとうございました。オーディオシーズン、好スタートです。

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クラウドサービス(Amazon Drive)の利用

2017-09-10 13:53:47 | その他
昨日、べルウッドさん宅で行われたオフ会は、ほぼファイル再生にフォーカスした企画で面白かったです。詳細は次の記事で取り上げたいと思います。私自身PCオーディオに関心を持ったのが7年ほど前になります。買って間もないエソテリックのDAC D-07へのデジタル入力をいろいろ変えた実験をやり、ファイル再生の可能性を感じていました。その後、デジタルについてはディスク再生から離れ、専らリッピングファイルを聴くというスタイルになりました。リッピング派として気になるのは、ファイルのバックアップです。過去にNASのトラブルで痛い目にも遭っており、何らかの手をと、思案していました。

そんな経緯もあり、8月よりお試しでアマゾンのクラウドサービスを始めています。サービスの存在は、以前、いたちょうさんから教えていただいていたのですが、lightMPD同様に漸く重かった腰を上げました。音楽ファイルだけでなく写真や動画もアップロードできます。年額1万3800円をどう見るかですが、大事なファイルが失われないという、安心感は魅力です。お試しが終わったら正規に切り替えるつもりです。クラウドですので、外出先からもアクセスができます。通信費がかかるのでどれほど聴くかは分かりませんが、iPhone上で音楽再生ができることも確認しました。

楽曲の保存は、クラウド上でもNASと全く同じフォルダ構成にしています。私自身、楽曲をジャンル→アーティスト→作品といった階層構造で検索することに慣れているためです。クラウドを通すと音が良くなる?なんて話題がありましたが、過剰な期待はしないでおきます。


記憶媒体を占有するという意味では写真も同様です。登山、オフ会、旅行の写真を、ブログに挙げなかったもの含めてアップロードしています。随分前の出来事でも個別の写真や動画を見ると、当時の空気感がよみがえってきます。まだまだ先ですが、定年後の楽しみ?にもなる予感です。


1か月ほどの試用の感触は良好です。問題点を挙げるとするならばアップロードの速度です。結構かかります。音楽ファイルは容量が大きいので余計にそう感じてしまいます。こまめにアップロードしていますが、このペースだと1年くらいかかってしまいます(苦笑)。現在はCDが主たる音源ですが、今後はダウンロードしたハイレゾファイル(DSD含む)も増えてくるでしょう。クラウドからデータをストリーミングしながら再生・・・といったインタラクティブなオフ会も夢でないかも知れませんね。
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この夏のオーディオ振り返り

2017-09-03 10:44:53 | オーディオ
台風が東に逸れた影響か、昨日の午後から本日にかけて横浜は爽やかな晴天となっています。先週は週の後半からは気温も下がり、特に、朝晩、着実に秋が迫っていることを感じます。残暑がどうなるか読めませんが、今年は金木犀の香りが例年より早まるような予感がします。さて、7月に真空管交換の話題を記事にしました。これ自体も大きなトピックでしたが、この夏の二大変化ポイント、(1)SP足元へのQuad Ring導入、(2)lightMPD/upnpgw 導入を振り返ってみます。2017年も大型の機器投資はありませんが、サウンド的にそれなりに前進があったものと捉えています。

4月の拙宅オフにHarubaruさん、K&Kさんが来られた際、ジークレフ音響のQuad RIngをお借りしました。1週間ほど試聴して好感触(ニュアンスの向上、音場の広がりなど)を得たので、夏のボーナスを待って導入することにしました。Quad Ringにはいくつかバージョンがあるようですが、自宅試聴し、かつ複数の方のアドバイスも踏まえ、バーチ素材×無塗装の一択としました。SP当たり3つ使うか4つ使うかの選択肢がありましたが、費用対効果も考え3つ使いにしました。3点インシュレーター感覚での導入です。これはお盆休みに訪問したgenmiさんの使い方と共通です。


ただし、トールボーイ型のSPに使うには、転倒対策が必須でした。地震もそうですが、日常生活での接触による転倒も十分考えられました。対策は二つしてあります。一つはSP後の隅にストッパーを配置することです。SPに触れない高さの木材を東急ハンズで調達し、上面にハネナイトシートという制振のゴムシートを張りました。もう一つは前方のQuad Ringの天板と底板の隙間に、余ったハネナイトシートを挿入する、というものです。仮にSPが倒れる場合、天板も傾くため、そこにストッパーを置くというわけです。ハネナイトシートは普段、天板には接していないので音への影響は少ないだろうとの判断です。


こちらのシートは細分化して、数枚重ねてもよさそうです。


続いてPCトランスポートの変更であるlightMPD/upnpgwの導入です。私がLinux系のPCトランスポートを導入したのが2011年の東日本大震災の頃です。以後、ハードはAlixからCuboxに変わりましたが、ソフトはVoyage MPDをずっと愛用してきました。もう6年以上になります。昨年、Windowsで動くJPLAYが話題を呼びましたが、一方でLinux系もlightMPDにおいて動きがあることは知っていました。実際、5月にはOさんのお宅で音も聴かせていただきました。準備は昨年末に済んでいたのですが、忙しさを理由になかなか手をつけられませんでした。himaさんからのプレッシャー?もあり、夏季連休中のトライとなりました。

ハードはAlixの後継のAPU2を2台使っています。写真右側のPCが音楽再生に特化しており、家庭のネットワーク環境から分離されています。一方、左側のPCはコントロール用で、HUBを介してNASに繋がっています。役割分担というわけです。先のそねさん宅でのPCオーディオの勉強会でも、OSこそ違えどPC分離の有効性を実感しました。もはやオカルトではなく、PCトランスポートの音質向上の常套手段として定着するのではないかと、思われます。現在、二つのAPU2をつなぐLANケーブルは格安のクロスケーブルを使っていますが、ストレートケーブルも使えるようです。


lightMPD/upnpgwについては、私自身の備忘録も兼ねて、別途記事を書くつもりです。霞が一段ととれたようなサウンドですね。聴感上のS/N比が上がりました。現在、いろんな音源を聴いていますが、音の出際、消え際の繊細さが上がった印象です。開拓者の皆さんにお世話になりっぱなし、という点では、6年前と変わりません。ソフトはデジファイのおとさん、諸々はhimaさんにお世話になりました。再生中、プレイヤー側がハングアップするのに参りましたが、付属の冷却シートを使ったら問題解消しました。himaさん、その節はありがとうございました。

lightMPD/upnpgwによる音の変化は、Quad Ringによるニュアンス向上、音場の広がりとも相乗効果があり、例年になくこの夏はオーディオしてしまいました。来週からはいくつかオフ会が予定されています。このまま秋のオーディオモードに移行することになりそうです。
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