珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

KYLYN(キリン)さん宅、訪問

2013-07-28 20:16:34 | オフ会
連休明けに拙宅に来ていただいたKYLYN(キリン)さんを、昨日訪問しました。小金井界隈はちょうど夏祭りの日で、活気のある雰囲気になっていました。KYLYN(キリン)さんは、ワンルームマンションの角部屋でデジタル/アナログ/マルチチャンネルを楽しまれています。お言葉と音楽に甘えて6時間超の滞在となってしまいました。特に中盤以降は赤霧島(黒霧島ではありません)も入って、他愛のないオーディオ/音楽談義に付き合いいただきました。お酒が入ってしまうとどうしても聴き方は緩々になってしまいますが、それを差し引いても、実に整った雑味の無い音が印象的でした。

システムの要はB&Wの805Dです。6畳の部屋でいかに805Dを鳴らすかを追求されています。SPは長辺配置で、ニアフィールドリスニングです。805Dの下のウェルフロート・大理石のボードは、共にSPのサイズに合わせた特注品です。ウェルフロートの機能をより発揮させるために、硬い大理石を導入するに至ったとのことです。本来ならSPスタンドを使いたいところですが、ローボードは外せない理由があるようでした。与えられた環境でベストを尽くす・・・この姿勢が一貫していて、ボード以外にも電源環境整備、ケーブルの製作、ルームチューニングなど、ご自身が手が出せる個所は一通り手を加えていました。


コーナー部に施されたルームチューニング材です。同様の処置を4つのコーナー全てに行っていました。このチュニーング材は、吸音より反射がメインとのことです。残念ながらメーカーが無くなったので現在は購入することはできません。床はフローリングで、その上に絨毯を敷かれていました。その状況は拙宅も同じですが、会話する声に拙宅ほどのライブ感はなく、ルームチューニングの効果を感じました。


上流の機器は全てクアドラスパイアのラックに納められています。アナログプレーヤーは英国のRega P3、CD/SACDプレーヤーはDenonのDCD-1650SEです。プリメインアンプは独のトライゴンです。下の二つの段はマルチチャンネル用で、OppoのユニバーサルプレーヤーとSONYのAVアンプの組み合わせです。


聴かせていただいた音源(デジタル)の一部です。フュージョン系の音楽が多かったですが、クラシックや歌謡曲も混ぜていただきました。SPは内振りですから音場の広がりは抑え目ですが、SPの存在は消えていました。余計な音がしない、そこに音楽がそのままあるような聴こえ方です。雑味がなく、いわゆる「長時間聴ける音」だと思いました。どの帯域もしっかり音が出ていましたが、特に低音には拘っている様子。Christian Mcbrideでは、とても小型SPとは思えない量感のある低音が、きちんと制動されて出ていました。渡辺香津美(SACD)の空気感も見事でした。


アナログは80年代の懐かしい盤を沢山聴かせていただきました。レコードの詰まったローボードは、私にはちょっとしたタイムマシンのように思えました。アナログで聴くシンセサイザーは暖かみを含んでいますね。KYLYN(キリン)さんがアナログを再開されたのは10年以上も前の事です。アナログ2年生の私とは年季が異なります。どのレコード盤もコンディションが良く、ダストノイズがほとんど聴こえない点は感心しました。何か特別なクリーニングをやっているのか尋ねたところ、レーベルを保護して水道水(+微量の洗剤)でじゃぶじゃぶ洗っているとのこと。この方法だと埃の付き具合も簡単に確認できるようです。


訪問先でマルチチャンネルを体験するのは初めてでした。私の中では映像の優先度は依然低いままですが、オフ会では余計なバリアは不要です。センターSPは置かず、805Dを活かした4.1chシステムでした。確かにリアのBOSEのSPは音量は控えめで引き立て役に回っていました。映像は何と言っても演奏者の表情が見えることが、ピュアオーディオとの大きな違いです。写真はアメリカのトランぺッターChris Bottiのコンサートですが、ゲストのYo-Yo Maとの駆け引きは惹きこまれるものがありました。映像には映像の良さあります。二者択一で決めるものではなく、別のメディアと割り切って楽しむのもありですね。


オーディオには機器を変える楽しみもありますが、あらためて使いこなしの大切さを再認識するオフ会となりました。KYLYN(キリン)さん、どうもありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Halie Loren ライブ

2013-07-21 08:57:18 | ライブ
丸の内のコットンクラブで開かれたHalie Lorenさんのライブに行ってきました。彼女のライブは震災前のライブ以来ですから、2年半振りとなります。今回はブログで何かとお世話になっているGiuliaさんとご一緒させていただきました。Halie Lorenさんの成長ぶりを見ることは勿論ですが、Giuliaさんとは初対面で、こちらも以前から楽しみにしていました。ライブの場数では圧倒的にGiuliaさんが先輩です。Halie Lorenさんのライブもこれで4回目とのことでした。ライブの前後は、オーディオ、ショップ、Jazz、自転車、仕事、九州のことなど話題が尽きず、あっという間の半日を過ごさせていただきました。

リニューアルされた東京駅です。ここからコットンクラブは目と鼻の先です。


自由席だったため、いい場所を取るために開演1時間半前に集合。おかげで真正面のいいテーブルに座れました。席は完売で、様々な層のファンが入り混じっている感じでした。オーディオファンと思しき、おじさん組みも散見されました。我々もそうなのですが。


このライブの前に発売されたのがニューアルバム『Simply Love』です。予習期間は短かったですが、聴きこんで臨みました。予想通りニューアルバムからの選曲が多かったですが、個人的には「Blue Skies」もあって大満足でした。Giuliaさんとも話したのですが、エンターテイナーとしての成長ぶり、日本への想いが伝わってくるライブでした。ベテランの演奏陣もしっかり支えている感じでよかったです。迂闊にもニューアルバムを持っていくのを忘れてしまい、未購入だった初期のライブ盤『Stages』をその場で購入、サインをいただきました。『Stages』はどうやらビクターが買い取ったようです。


サイン会の一コマです。前回同様チャーミングぶりは変わらずでした。少々、ふっくらしたのかな?この後、会場を後にしようとしたら、以前に那須のSD05の例会で会ったヒデさんに遭遇しました。やはりオーディオの仲間の方々とご一緒でした。人気の女性ヴォーカリストのライブに行けば、オーディオファンに当たる・・・これは言えそうです。


今回は17:00開演の1stステージだったので、ライブ後は時間に余裕がありました。せっかくなので軽く一杯ということになり、有楽町近くのガード下に向かいました。入った洋風居酒屋は最初ガラガラだったのですが、気が付いたら満席でした。仕事帰りのビジネスマンがいなくても繁盛してるんですね。多少は景気良くなっているのかも知れません。ライブから流れてきた組もいたようです。散会後、プラプラと東京駅に向かう途中の国際フォーラムです。秋のオーディオショウはまだまだ先です。その前に猛暑を越さねばなりません。幸い、この日は涼しい1日でした。


備長炭アースとHUBの話を直接聞けて興味が湧いています。今度、拙宅での実演をお願いしますね。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Mas que nada

2013-07-14 08:51:21 | ボサノバ/ラテン
昨日、AIT LABOの代表さんを訪問し、DACのクロック供給方法の改良をお願いしました。詳細や音については聴き込んでから報告します。さて、いよいよ本格的な夏となりましたね。先週は名古屋方面に出る機会がありましたが、横浜と同じく大変な暑さでした。先の台湾は日差しこそ強かったですが、蒸すような不快感はありませんでした。都会特有の暑さなのかもと思いました。暑さには熱い曲で対抗・・・というわけではありませんが、今回はラテンの名曲、「Mas que nada」を取り上げてみます。この曲自体は様々なアーティストが取り上げています。テイストの違いが結構出るので、聴き比べるのも楽しいです。

私が最初にこの曲を聴いたのはSergio Mendes&Brasil '66が最初でした。もう21年以上も前のことですが、やはり7月の暑さの頃だった事は覚えています。前年に初めてのステレオコンポーネントを揃えていたので、CD購入意欲は高かった時期です。すっかり嵌っていたボサノバ路線のアルバムを探す中で、洗練されたSergio Mendesのサウンドに出会ってすっかり気に入ったというわけです。女性ヴォーカル二人の声質がフワッとしていて、Sergio Mendesのピアノの旋律の上を泳いでるような印象です。私の中では「Mas que nada」の原型は都会的で洒落ていて、聴くなら冷房の効いた部屋で飲み物と一緒に、です。


「Mas que nada」のオリジナルは、Jorge Benです。この事を知ったのはブラジル系のコンピレーションアルバムを通じてJorge Benの存在を知って以降のことです。本家の「Mas que nada」は骨太で押しの強さが魅力になっています。モノラル音源なので余計にそのような印象を受けます。Jorge BenやElis Reginaはブラジルでも絶大な支持を受けたアーティストですが、日本で有名なSergio MendesやAstrud Gilbertoが本国では案外だと書物で知りました。デビューアルバム『Novo』はほぼオリジナルで固められていて、作曲者Jorge Benの魅力も楽しめます。5曲目「Chove chuva」も後にSergio Mendesがカヴァーしています。


続いて「Mas que nada」を取り上げてるアーティストの作品から。以前に「Antonio's Song」でとり上げたAnna Caramの1996年のアルバム『Sunflower Time』に納められています。チェスキー時代のアコースティックな印象が強く、エレクトロ色には戸惑いも憶えましたが、颯爽とした「Mas que nada」を楽しめます。

今はラテン/ボサノバの曲はジャズにおいてもスタンダードの一角を占めるようになりました。ちょっとしたスパイスとして効きますね。だからアルバムでもライブでも好みのラテン系の曲が始まると嬉しくなります。Emilie-Claire Barlowはしばらく日本に来ていませんが、本国カナダでは活動しているようです。


最後はピンクマルティーニ&由紀さおりの『1969』です。これが話題なったのは2年前ですから、時が経つのはあっという間ですね。勿論、番外編ではなく、ちゃんと聴ける「Mas que nada」として紹介します。年齢を重ねた分、声に重みが出て、Jorge Benの原曲に相通ずる部分を感じます。


ところで「Mas que nada」の意味ですが、諸説あるようですが、ポルトガル語でいう「いいかげんにしてくれよ」「やなこったい」が曲には合致するようです。今は、この暑さ「Mas que nada!」といった感じでしょうか?今日もとても暑い日になりそうです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フォノケーブル試聴

2013-07-06 18:15:48 | オーディオ
どうやら関東地方も梅雨明けでしょうか?昔は梅雨明け10日といって梅雨明け直後は夏山登山の好機だったのですが、最近の梅雨明けはメリハリがないようです。以前は梅雨明けは7月20日、つまり夏休みの始まりと一致していたはずなんですが・・・。一方、夏はオーディオにとってはペースダウンの時期でもあります。特に真空管アンプを使うようになって、夏場にメインシステムのスイッチを入れる頻度が下がりました。ここから2か月半ほどは、セカンドシステムの登板が増えるものと思います。

AIT LABOのDACを導入して2か月になり、デジタルの方はすっかり落ち着いてしまいました。あれこれ弄らずに音楽に専念できるのは、ある意味望ましい状況とも言えます。まだAIT DACで聴いていない音源がわんさとありますので、当面は聴くことに集中です。揺り戻しで今はアナログで少々遊んでみようと思っています。と言っても、カートリッジ交換にはまだ早いですし、こちらも無理に弄らないで済むならそれに越したことはありません。購入店さんとリード線についてメールのやりとりをしていると、フォノケーブルの試聴が可能だと判り、お願いすることにしました。

こちらはDelphiを購入した際に付いてきたフォノケーブルです。SMEの銀線のようですが、ケーブルにはvan den hulとオランダのケーブルメーカーの名前が記されています。OEM供給でしょうか。使用して1年数か月ですが、このケーブルでしか聴いていないので耳は慣れています。アース線はフォノアンプ側に2本です。


フルテックのAg-12-Lです。コストパフォーマンスはよさそうです。アース線はフォノアンプ側に1本です。


英国ChordのSignature Arm Leadです。メインシステムはインターコネクト、SPケーブルいずれもChordで揃えていますので、印象良ければいきなり本命になりそうです。アース線はプレイヤー側に1本、フォノアンプ側に1本です。結局、アース線は3者3様でした。そんなものなんですかねえ。


アナログにはデジタルでは得にくい、ハッとする瞬間があり、それを大事したいと思っています。ヴォーカルの持つ雰囲気はその代表ではないでしょうか。片やしっとり、方やガツンと対照的な2つのアルバムですが、両方の魅力を引き出せるのが理想です。


個々の楽器の音像表現においても、アナログに軍配を上げたくなることがよくあります。例えばギターの音の彫の深さ、ストリングの柔らかさ等です。一方で、アナログで難しいと感じているのがピアノですね。調整なのか、カートリッジなのか、解は未知ですが、安心してピアノをレコードで聴けるようにする・・・これはアナログの長期的な課題です。


比較に使ったのは、
・山口百恵:横須賀ストーリー
・LED ZEPPELIN:Whole Lotta Love
・Tommy Flanagan:Relaxin' at Camarillo
・Paco de Lucia:コーヒールンバ
です。

当然ですが、激変ということはありません。ただ、差異はデジタルの上流を弄っていた時と比べるとあるように感じました。Chordはヴォーカルでウェットな感じが出ていて、明るい感じの百恵さんだった他の2本より好印象でした。Whole Lotta Loveは重厚感、空間の広がり、シンバルのリアルさ、3本の間に遜色は感じません。コーヒールンバはギター(手前)、カスタネット(奥)の空間表現に差はなく、音の粒立ちではChordとフルテックは同等、van den hulは少し甘さを感じました。Tommy Flanaganはどれもまだまだ、というか、フォノケーブルの違いうんぬんではありません。

総じてChord Signature Arm Leadの評価が高かったです。激変は却って飽きる可能性を示唆していますから、今回の微妙な変化はむしろ脈はあると思っています。返却まで数日ありますので、比較ではなくChordにフォーカスして聴きこんでみようと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする