1月25日、成瀬のアートスペース・オーで開かれた、佐藤俊介さんのリサイタルに行ってきました。今回は、ベルウッドさん、パグ太郎さんがご一緒です。中国出張中にベルウッドさんからお誘いをいただいたのですが、二つ返事で参加の返信を出しました。中国滞在中、日に日に新型コロナウィルスの話題が増していただけに、帰国後直ぐのこのリサイタルを大変楽しみにしていました。長津田駅の横浜線ホームでばったりベルウッドさんに遭遇。その後、成瀬駅でパグ太郎さんを待って、そのまま会場のアートスペース・オーに向かいました。
こちらでのリサイタルは前橋汀子さん、山崎信子さんに続いて、この半年で3回目になります。この後も、いろいろとリサイタルが予定されています。遠方の皆さんに比べると散歩感覚で恐縮です。
恥ずかしながら、佐藤俊介さんは、お誘いを受けるまで存じ上げませんでした。パグ太郎さんの大学時代のお知り合いのお子さんでもあるそうです。ということで、まだお若いアーティストです。その若さにしてオランダバッハ協会の芸術監督というのは、相当なことらしいとも伺いました。モダン/ バロックの両ヴァイオリンを弾かれることを知ったのも、ほぼ当日でしたが(汗)。伴奏のピアノは、佐藤さんとも組まれているスーアン・チャイさんです。
楽曲も実は、バッハのヴァイオリンソナタ以外、馴染みがない曲が殆ど、でしたが、ヴァイオリンの生音を直接浴びる感覚は十分刺激的でした。バロックとモダンではヴァイオリンそのものが異なるものと思い込んでいましたが、意外にも形の類似ぶりに驚きました。一番の違いは弓だったのですね。バロックの方が音が短く、軽快に鳴るそうです。後半の部ではさらに、モダンヴァイオリンの弦の1本をガットからスティールに変える場面もあり、半ば授業を受けているような感覚のまま進行しました。ご本人自らの分かり易い解説+デモで腑に落ちました。アートスペース・オーらしい、至近距離のサプライズです。
シューマン、ブラームスと続いた後半の部が、このリサイタルのハイライトでした。シューマンの幻想小曲集作品73はアンコールでも取り上げられたのですが、染み入るような旋律が残りました。なかなか19世紀の作曲は聴く頻度が上がってこないのですが、よいきっかけをいただきました。全ての演奏が終わり、客席と向き合うお二人です。中国出張の疲れを癒す、素晴らしい演奏に感謝です。
ピアノは勿論、モダン一本となりました。バロック・ヴァイオリンとの組み合わせは、案外珍しいのでしょうか?
今回は、開演が午後4時で、終了後は軽く感想戦へ。成瀬駅前の居酒屋にて、皆さんと談義を続けました。何か分からないことがあると、スマホで正解を引き出せるので、話題が次々に変わりましたね。例によってクラシックの大部分は聞き役になりました。アルゲリッチのアルペジーネ・ソナタ、ピアニストとヴァイオリニストの愛、進振りや中欧~東欧の国々の話題あたりは断片的に憶えているのですが・・・。真冬の八海山の冷酒で、いい気分になっていたようです。
ベルウッドさん、パグ太郎さん、新年一発目のリサイタルをご一緒させていただき、ありがとうございました。