珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

Voyage MPD 振り返り(接続編)

2011-05-25 23:08:32 | オーディオ
Voyage MPD はその後、LAN構成の見直しやパラメータのチューニングをやっておりました。概ね良いと思われる条件が見つかったので、これからは聴くことに専念しようと思っています。Voyage MPD 導入以前に比べて、音の厚みと繊細さが両立するようになりました。作り出された厚みや繊細さというより、元の音源にあるそれらが素直に出てきたものと解釈しています。所詮、DAC以前の世界です。いかに足さないか、いかに引かないかが命題です。

Voyage MPD は導入のハードルが高いと言われております。その点は認めますが、全く手が出ない世界ではありません。既に開拓をされた方々が、ブログやサイトで関連情報を発信されています。私も
 PCオーディオ実験室
 みみず工房
 シンさんのブログ
 PCで音楽
といったサイトを中心に、多いに参考にさせていただきました。

何回かに分けて、Voyage MPD導入を振り返りたいと思います。上記サイトとなるべく重複しないよう、個人的に苦戦したところなどを紹介できればと思います。なお、私の場合、OS(つまりVoyage MPD)がインストールされたスターターキットを使っていますので、OSインストール以後の話となるので、ご了解ください。

最初、マウスやキーボード、さらにはディスプレイの無いPCのイメージがわきませんでした。気づけばなるほどなのですが、他のPCを借りてしまえばいいわけです。そのために必要なのが、PC間を接続するRS232Cケーブル(クロス)です。スターターキットの説明書にも最初はシリアル接続と書いてあります。私のノートPCにはRS232Cの接続口が無く、併せてUSB-RS232Cコンバータも買いました。LANに接続できるようになってからは、RS232Cケーブルは不要となるのでもったいない気はします。


シリアル接続ができると Voyage MPDの画面が現れ、意外にも順調といった感じでしたが、LAN接続するところで時間がかかりました。シリアル接続さえできれば、mpcやaplayといったコマンドを使ってusbメモリにあるwavファイルを再生することができます。なのでLAN接続で苦闘したときでも、気分転換にVoyage MPDの音を味わうことができました。一筋の光明といった感じでしたね。

私が苦戦したのはルーターのポートの設定です。シリアル接続後は、Voyage MPD側のPCのIPアドレスを固定化し、そのIPアドレスを使ってsshでログインを試みます。sshはLAN経由で別のPCにログインするプログラムで、私はフリーのPoderosaというソフトを使いました。ただ、何度やってもログインが拒否されます。今となってはどこのサイトだったか記憶がありませんが、ルータのポートの開放といった記事があり、それで解決となりました。写真(NEC製のAtermというルータの例)のようにssh用に22番のポートを開放する必要があったわけです。


IPアドレスは理解していてもポートという概念が全くない身にとってこれはつらかったです。ネットに詳しい方にとって常識的なことも、多くのオーディオファンは知らないのではないでしょうか?現在、あちこちでVoyage MPDにトライされている方のサイトやブログが増えているようです。しばらくすると、情報も収束して、Q&A集も充実するのでは、と期待しています。ネットの恩恵ですね。
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ハイエンドショウ(春)

2011-05-21 08:03:49 | その他
有楽町の交通会館で開かれたハイエンドショウに行ってきました。震災の影響で、出展も少なく例年の半分程度のスペースでの開催でした。華やかなインターナショナルオーディオショウに比べて手作り感が売り?のようなショウですが、今年はよりいっそうその色が出ていたような気がします。

日曜日の午後の3時間ほどしか見れませんでしたが、量的には十分でした。こちらは完実電気のデモで使われていたModel 0037 Continuum Perfectionです。音楽ファイルからデジタル信号を生成するDDコンバータです。数曲しか聴けませんでしたが、とてもSN感に優れ空間表現も見事だったです。ただし価格は200万円。回転装置によるDDコンバータが物量投入で高価になるのはわかるのですが・・・。


Voage MPD + UDIF7 の組み合わせで落ち着いたので、今のところUSB-DACへの関心が薄れています。鈴木裕氏のUSB-DACに関する講演もあったのですが、一部のみ参加し、ヴィエナアコースティック他のブースで時間をつぶしました。逸品館のデモも例年とは異なりこじんまりです。

最後は田中伊佐資氏のアナログの講演に参加しました。代打での講演だったようですが、笑い満載で面白かったです(勿論、アナログの音も良かったです)。プレーヤーは前の週と同様にミッチェルエンジニアリングで、機種は最高グレードのOrbe、アンプとスピーカーがTADの超ハイエンド品でした。Eric Clapton の『Unplugged』の新旧盤比較では、新盤の音の良さを実感できました。


交通会館のB1には、和歌山県の物産を扱うお店があって、ハイエンドショウに行くと必ず寄っていきます。この日はちりめんじゃこ、沢庵、マーマレードなどを買いました。特に和歌山と接点があるわけではないのですが、梅、醤油、みそなど、結構気になる商品が置いてあります。ここでの買い物は、自分の中ではハイエンドショウとセットになっています。
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アナログ試聴会、PCオーディオfan他

2011-05-14 06:09:01 | その他
大型連休の最後の土曜日、オーディオスクエア相模原店で開かれたアナログの試聴会に参加してきました。Voyage MPD で始まった連休でしたが、最後はアナログで締めることになりました。東志とSAECのコラボレーションによる試聴会で、プレーヤーはミッチェルエンジニアリングの中堅機 GyroDec でした。SAEC が取り扱っているレコードクリーナーVINYL CLEANERの実演もありました。

どちらか言うと商売気の少ない、アナログを楽しむことに主眼が置かれた試聴会でした。プレゼンターの趣味に沿った60年代、70年代の洋楽・邦楽で、クラシックは数曲という変わった構成でしたが、個人的には満足でした。山本剛のMistyをアナログで聴くのは2回目ですが、SACDを購入してから聴くのは今回が最初です。使用したスピーカーは8万円台でしたが、ピアノの響きはさすがアナログだと思いました。洋楽はどれも良かったですが、特に Roberta Flack には聴き入ってしまいました。


連休を挟んだこの時期、相次いで、PCオーディオ関連の雑誌3冊が発売されました。今回はDigiFiはスキップしてPCオーディオfanとNet Audioを購入しました。内容的には Voyage MPD の話題も含んだPCオーディオfanがよかったように思います。ただ、既知情報の繰り返しの部分もあり、満足度は下がってきています。付録のハイレゾ音源も最初は気にしていましたが、ハイレゾを聴くことを目的にオーディオはやらないので付録は無くてもかまいません。


デジタルがVoyage MPDで一段落したので、少しアナログ(の準備)に軸足を移そうかと思っています。Voyage MPDの導入の思わぬ効果の一つが、一からCDを聴きたくなったことです。これまでCD購入のペースが上がり気味だったのですが、眠っているCDに焦点を当てたくなりました。CD購入のペースを落として、LPレコードを購入することになりそうです。頭の中ではADプレーヤーとVoyage MPDがラックの上で並んでいる姿が見えるのですが。
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Antonio's Song

2011-05-08 07:31:42 | ボサノバ/ラテン
いつものことながら、大型連休は終わるのが早いですね。この時期は新緑や五月晴れの清々しさが嬉しいです。もうしばらくすると梅雨と酷暑ですから、余計に有難みを感じます。これから夏にかけて聴きたくなる音楽と言えば、私の場合、やはりボサノバです。今回紹介する「Antonio's Song」は AOR の Michael Franks の曲ですから Pops(洋) で取り上げるべきですが、曲を捧げられた大御所 Antonio Carlos Jobim に因んでボサノバ/ラテンとして紹介します。

「Anotonio's Song」を意識して聴くようになったのは、後述する Ana Caram が先のはずです。中学後半以降、洋楽を聴くようになりましたが、ロック路線に直行したので、いわゆる AOR は私的には傍流でした。したがって Michael Franks はリアルタイムでは聴いていません。「Anotonio's Song」は1978年のアルバム『Sleeping Gypsy』に収められています。Michael Franks の気だるそうな歌と、フュージョン界の一線級のミュージシャンによる演奏を比べながら聴くのも面白いです。


Ana Caram を知ったのは、90年代の前半でオーディオ誌のCD評でした。レーベルはチェスキーで、優秀録音盤として紹介されていました。初めてステレオコンポを揃えた時期だったので、オーディオ誌にアンテナを張っていたのでしょう。『Amazonia』を聴いた時も、独特の空気感に音の良さを感じたものです。控え目な「Antonio's Song」ですが、浸るには持ってこいとも言えます。このアルバムをきっかけに、Ana Caram の他アルバムも買い足しています。


続いて日本のUAのカヴァーです。90年代の後半にFM放送で聴く機会があり UAと「Antonio's Song」の組み合わせが頭にインプットされました。その後、忘れていたのですが、何かのきっかけで思い出し、 iTunesさらにはCDでも購入しました。この「Anotonio's Song」は歌もいいですが、ギターが負けじと素晴らしい!です。オリジナルのLarry Carltonよりいいかも。Michael Franks 自身もこのカヴァーを評価している・・・といった記事をどこかで読んだ記憶があります。


「Anotonio's Song」は、他にも多くのアーティストにカヴァーされています。まだ未入手ですが、Salena Jones、Helen Merrillがあります。70年代後半に活躍したシンガーソングライター、豊島たづみバージョンも気になります。79年のアルバム『とまどいトワイライト』に収められています。CDはアマゾンで高値がついてるので、アナログでもいいかなと。

Voyage MPD はチューニングやネットワーク構成の見直しなどやっています。昨日発売されたPCオーディオfan Vol.4でもVoyage MPD の関連記事がありました。落ち着いたところで、苦戦したところ、音質改善点など紹介したいと思います。
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Voyage MPD 導入

2011-05-01 08:28:39 | オーディオ
昨年末あたりから一部のオーディオファンの間で話題になっていた Voyage MPD。連休を利用して導入を試みました。1日半、苦戦しましたが、何とか音が出せるようになりました。まだチューニングで追い込む余地はありますが、噂に違わず、鮮度の高い音です。これまで導入された方が”疲れが吹き飛ぶ”と表現されていましたが、全く同感です。ちょうど1年前のGWあたりからPCオーディオに舵を切り始めたわけですが、とりあえずの到達点に来たと思います。

こちらが、Voyage MPD 導入に絡んだハード群です。手前のアルミケースに Voyage MPD(音楽再生に特化したLinux)がインストールされたPCが入っています。PCと言っても1枚のボードのみで、モニター、キーボード、マウスはありません。操作は別のPCからリモートログインして行います。横にある黒い電源はPCオーディオファンで定評のあるヤマハの電源アダプターです。従来ノートPC用に使っていた中村製作所のトランスは、この機会にエソテリックのDAC用に転用しました。右上にあるのは既に紹介済のUSB-DDC UDIF7とそのケースカバーです。


導入のハードルが高く様子見を決めていた Voyage MPD ですが、Web でスターターキットが出ていることで踏み切ることにしました。Linux のインストールをやらずに済むこと、ボード形態のPC ALIX2C3 が使えること、何より値段が1万円程度であること、に魅力を感じました。もちろん、買ってすぐに音が出るわけではありません。私もルーターのポートの設定に気づくまで無駄に時間を費やしてしまいました。それでもネットに転がっている情報をかき集めて、何とか音が出せるようになりました。


こちらは、ノートPC(SONY VAIO)の画面における、Voyage MPDのログイン画面です。Linux は昔仕事で使ったことがあります。各種の設定ファイルを viエディタで変更、保存するのですが、まさか趣味で viエディタを使うことになるとは・・・。


音楽の再生には Windows 上にインストールしたGMPC というフリーソフトを使っています。正しく言うと、GMPC はあくまでも再生の指示だけで、再生自体はアルミケースの中のALIXの仕事です。GMPC は操作性もよく、聴きたい曲をまるでカラオケの予約の如く、プレイリストに加えていけます。ノートPCが再生の負荷から解放されたので、足元に使っていたアイソレーショントランスをDAC用に回すことにした次第です。


今回の導入で感じたのは、やはりPCはオーディオ機器ではないこと、です。リッピングやダウンロードなど本来PCでやる部分と、再生を分離したところはなるほどと思います。本記事の一番上の写真の機器群を、ひとつの筺体に収めた姿を想像してください。そうです、LINN のDSと同じコンセプトとなってしまいます。ネットワークプレーヤーかUSB-DACかという議論がありますが、USB-DACを突き詰めると、結局同じところに行きつくのかも知れません。
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