珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

BOさんのご紹介で

2015-09-25 22:01:31 | オフ会
予想通り、シルバーウィークもあっとい間に終わってしまいました。横浜方面は天候にも恵まれ、やや汗ばむ連休となりました。今年のような大型連休はしばらく来ないようで、次は2026年だそうです。間が空くとシルバーウィークという言葉そのものも忘れてしまいそうです。さて、連休の前半は連日のオフ会となりました。BOさんのご紹介で、日曜日、オーディオ界でも有名な方のお宅へお邪魔してきました。いくつかのオーディオ誌へ登場されていますので、ご存じの方も多いと思います。BOさん、奥様と待ち合わせ後、BOさんの運転でお宅のあるマンションへ向かいました。

システムは三つの部屋を一につなげた25畳ほどのスペースに組まれていました。4時間ほどの滞在となりましたが、装置の全貌を理解するに至りませんでした(苦笑)。最下流のSPはFMアコースティックとJBLで、上流で切り替えて使い分けます。いわゆるマルチアンプ方式で、中央に収まる2台のチャンネルデバイダー(アキュフェーズ)で帯域分割された信号がパワーアンプへ送られます。パワーアンプは低域、中高域、そしてスーパーツィーター向けに3組6台用意されています。ジェフローランドのパワーアンプはスーパーツィーター用です。システムの弩級ぶりがお分かりいただけるかと思います。


SP間隔はいくらぐらいでしょうか?外側のJBLの両SPがカメラの視野に入りきりません。


上流もすばらしい機器群でした。デジタルはdCSのScarlattiシリーズです。お宅訪問でdCSを聴くのは初めてかも知れません。アナログはさらに力が入っていました。オーディオノートのGINGAも勿論、初めてです。重量プラッターを糸ドライブで回します。糸は定期的に交換されているようでした。GINGAの奥に隠れて見えませんが、トーレンスの大型プレーヤーもありました(襖の前に黒いアームが見えていますね)。プレイヤーには複数のアームが取り付けられていて、カートリッジを選ぶ楽しみも加わります。ラックの下方はプリアンプやフォノイコライザーですが、筐体の数が私のイメージより多いままでした。


音源を味わい尽くす、そんなオーディオの居城のように思えました。SPやカートリッジの切り替え、帯域コントロール・・・同じ音源でも好みの音を追求することができます。どの機器もおいそれとは買えるものではありませんが、音楽と音を同時に楽しむ一つの究極を見させていただきました。お部屋には数々のアナログレコードが並んでいます。コレクションの多くはクラシック、ジャズで長年のオーディオ歴が窺えました。私もゲーリー・カー(コントラバス)によるアルビノーニのアダージョや、フルニエによるチャイコフスキーのチェロ協奏曲をリクエストさせていただきました。

SP間隔、リスポジからSPまでの距離が十分に確保されているので、内振りながら広大なステージが表れます。機器と同時に音場も俯瞰するような感じですね。内側にセットされた三角錐のFMアコースティックの方が、SPの存在が消えて音場の広がりを感じました。オーナーさんも言われていましたが、JBLを聴くにはもう少しリスニングポイントを下げた方がいいそうです。FMアコースティックの音の端正さが印象的です。メサイア(SACD)で感じた音の実在感、立体感が半端ありません。スーパーツィーターは響き、広大さに寄与していました。外すとコンパクトに纏まる感じがしました。

秋の日の午後は、こうして過ぎていきました。途中、美味しいモンブランにコーヒー、そして後半は白ワインまでいただき、BOさん、奥さんとともに恐縮した次第です。充実した時間をありがとうございました。
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但馬の棚田

2015-09-20 08:30:05 | その他
今年は例年より涼しい9月となっています。今朝、近所を歩いていたら、早くも金木犀が花を咲かせていました。まだ強い芳香は出ていませんが、花に近づいて一足早く秋をキャッチした次第です。さて、先週の日曜日、兵庫北部の但馬方面に行ってきました。目指すは棚田百選にも選ばれている西ヶ岡の棚田です。百名山に百名城と、何かと百個選ぶのもどうか、という気もしますが、知るきっかけ、行くきっかけとなるのであれば、意味はありますね。この日は午後から晴れ間も広がり汗ばむ陽気でした。意外だったのは蝉の声が健在だったこと。夏と秋のせめぎ合いを感じながらの棚田見物となりました。

姫路から但馬を結ぶ播但線をつないで北上しました。寺前、和田山で乗り換え八鹿まで移動です。先の姫新線や加古川線もそうですが、兵庫のローカル線はゆったりとした時間が流れます。


八鹿からは全但バスで湯村温泉方面へ向かいます。周囲には関西地区のスキー場であるハチ高原や神鍋高原があり、冬は雪国と化す地域です。棚田の向かいには大仏で有名な長楽寺があります。7月の大阪三昧の記事でも紹介しましたが、棚田の写真集を買って事前にイメージをインプットしておきました。


長楽寺の先に棚田へ向かう分岐がありました。ここからは車道をひたすら登って次の集落を目指します。上り一本調子の車道の脇は渓谷となっていました。


30分ほど登ったところで棚田が現れてきました。普通は車かバイクで来るのでしょうが、勿論、足で来ました。


棚田を紹介する掲示板がありました。農家の方の高齢化が進み、若いボランティアの方のサポートが欠かせないようです。


先ほどは見上げていた長楽寺、今度は見下ろしています。


黄色の絨毯、遠景の山に青空。言葉は要りません。


お奨めの撮影ポイントからの眺めです。ここの棚田はU字型になっているのが特徴です。


夏雲が太陽を横切るので日向と日陰のコントラストが生まれていました。左奥の山は氷ノ山?扇ノ山?それなりの山だと思われます。


見物コースの奥から棚田を振り返ります。


ちょうど刈り入れ時でした。手前の稲はまだ青みが残っています。


少し田んぼに近づいてみました。黄色の絨毯の正体です。実りの秋を感じます。


棚田は上からが映えますが、下から見上げるとこんな感じです。


今年の夏ももう終わりですね。


帰りのバスを逃したらえらいことになるので、少し余裕をもって戻ってきました。川の向こうの中央の山に黄緑色に開かれている場所があります。そこが、今回訪れた棚田です。


棚田に関心を持ったのは、先の岡山、津山訪問です。岡山駅の観光ポスターに大垪和西の棚田の写真がありました。但馬の棚田の存在は、上述の写真集で知りました。棚田を見るなら水の張った田植えの時期、さもなければ実りの秋の時期と思っていました。刈り入れの様子からするとベストのタイミングだったように思います。百名山や百名城ほどでないでしょうが、きっと棚田マニアがいて百選訪問を目指しているんだろうと想像します。皆さんにもお奨めしたいですが、蛇との遭遇は覚悟ください。私も3度ほどドキッとしました。それでも棚田の魅力が上回ります。
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久しぶりの上高地(霞沢岳)

2015-09-18 21:08:25 | その他
9月の第一週、12年ぶりに上高地を訪れました。前回は、家族旅行で散策中心でしたが、今回は上高地に接する霞沢岳に登ってきました。メンバーは常連の4名です。天候は山頂までは持ちましたが、下山時には雨に降られました。ハイシーズンを終え、夏の終わりの寂しさも感じられましたが、穂高連峰の全景を見ることができました。まだ紅葉には早かったですが、これから一気に秋が深まっていくことでしょう。上高地バスターミナル付近からの穂高岳と梓川のショットです。少し上流に河童橋、チーズケーキのおいしい五千尺ホテルがあります。


上高地の隣は小梨平と呼ばれるキャンプ地になっています。槍ヶ岳や穂高岳の登山を終えて、ここに集合するのが夏合宿の慣わしでした。都合4度、ここにテントを張ったことになります。その小梨平を流れる小川は、実に澄んでいました。隣の梓川も青緑色が美しく、北アルプスならではの清流です。


初日は徳本峠まで登りました。上高地が開拓されるずっと前、北アルプスの玄関口となった峠です。写真奥の谷へ下ると、島々方面となります。昔、槍・穂に登った人は、それこそ2度、山に登る感覚だったでしょう。


徳本峠小屋も歴史のある小屋です。最近、改修されたようですが、一部、当時の小屋を残していました。我々は新しい小屋に泊まりましたが、古い方で寝泊りするお客さんもいました。


山小屋では豪勢な食事は期待できませんが、数十年前と比べると随分と美味しくなりました。徳本峠小屋は地産地消を掲げています。野菜の天ぷらは勿論ですが、白ごはんと味噌汁のおいしさに嬉しくなりました。この後、「大雪渓」を冷酒でいただき、翌朝のロングコースに備えました。


翌朝、小屋近くの展望台からの穂高岳です。奥穂高岳と前穂高岳を結ぶ吊尾根が見事です。穂高の登山キャンプ地となる涸沢や槍ヶ岳はこの裏側になるため見えません。


霞沢岳に向かうルートから上高地方面です。手前の赤い屋根は帝国ホテルでしょうか?


霞沢岳のピークです。人気の北アルプスの中では地味な存在ですが、その分静かな山を楽しめます。日本200名山にも入っています。雨が持ったのはここまででした。


大正池を生んだ活火山、焼岳です。霞沢岳よりも標高は低いですが100名山に選ばれています。ただし入山規制があります。最近、阿蘇山でも噴火がありました。あの御岳の災害から間もなく1年になります。日本が火の国であることを、あらためて実感します。


霞沢岳から見た穂高岳全景です。北アルプス南部の重鎮といった貫禄があります。雪渓を抱えたカールは岳沢で上高地から穂高への登山ルートになっています。


下山は雨中の強行軍となりました。アップダウンを繰り返す長丁場で、体は冷えて足も攣り気味。運動不足と重量オーバーを痛感するはめとなりました。レインスーツも長時間となると水に馴染んで、意味を為さなくなります。下山後、島々近くの温泉、せせらぎの湯で汗を流しましたが、体が暖まってホッとしたというのが実感です。この秋はオーディオ訪問と絡めて2つほど西方の山を予定しています。何とか秋晴れと紅葉を楽しみたいところです。
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You are my everything

2015-09-12 22:43:39 | ジャズ
仕事が忙しくなり更新の間が空いてしまいました。この間、蝉も鳴き声もすっかり弱くなり、朝晩の虫の音が心地よくなりました。涼しさと共にアンプに灯を入れる頻度も上がってきています。いよいよオーディオの秋、開幕ですね。この半年ほどオフ会や登山、その他イベントに追われ?、肝心の音楽の記事も滞っていました。今回はジャズのスタンダードの「You are my everything」を取り上げます。スタンダードにおいて決してメジャーな存在ではありませんが、好んで聴く曲の一つです。ネットでNat King Coleの動画を見ていただければ、この曲が持つゆったり感が分かるかと思います。

この曲を意識するようになった一つの理由がライブです。pat_mthny7205さんに誘われて、女性トランペッターの市原ひかりさんのライブに行ったのはもう2年半前になります。当時の記事を読み返すと、オリジナル中心の選曲だったようですが、数少ないスタンダードの一つが「You are my everything」でした。後述するCDのいくつかは既に持っていたので、肥やしにはなっていたのでしょう。小柄な体で懸命にトランペットを吹く市原さんの姿が、トリガーになったのかも知れません。クラシックと違って、何が演奏されるかは読めない分、曲の巡りあわせはジャズライブの楽しみです。

「You are my everything」で1つ挙げるとすれば、Freddie Hubbardの『hub-tones』の冒頭でしょうか。これはとても気に入っていて、オフ会でもしばしば再生リストに入れています。pat_mthny7205さんに聴いていただい際、歌心というキーワードが出ました。インパクトのある出だし、その後の口ずさむようなフレーズ、厚みのあるトランペット・・・理屈ではありませんね、歌心は。この曲以外は、Freddie Hubbard自身のオリジナルですが、バラードではまた別の表情を楽しめます。続く2曲目の「Prophet Jennings」でのフルートとのハモリにも和めます。ちなみにピアノは、この後も長い付き合いとなるHerbie Hancockです。


オーディオに熱を入れるようになった6年ほど前に購入したAhmad Jamalの『THE AWAKENING』です。当時は現在ほどジャズを聴いておらず、比較的有名な曲が入っていたことが選択の理由でした。ラテンのポピュラー「Wave」が狙いでしたが、原曲をかなり崩していることに戸惑ったことを覚えています。「You are my everything」が入っていることを知ったのでは随分後になってからです。崩しは「Wave」ほどではありませんし、この6年で当方にも免疫はできました。久しぶりにオーディオ目線で聴いてみたいと思います。Ahmad JamalはMiles Davisが感銘を受けたピアニストとしても知られています。


John ColtraneやSonny Rollinsといったサックスの巨匠を積極的には聴いていません。いずれはとも思うのですが、最近、関心があるのがZoot SimsやScott Hamiltonといった白人テナー奏者です。何となしに寛げる感じが気に入っています。同じ白人奏者でもヨレた感じのStan Getzとは異なります。こちらはZoot Simsがピアノの名手Jimmy Rowlesと組んだアルバム『IF I'M LUCKY』です。ここでの「You are my everything」は、アップテンポで実に軽快です。やはり歌心を感じますね。Zoot SimsとScott Hamiltonは世代が異なりますが、競演のライブ盤も出ているようです。少々この方面へ寄り道してみます。


Gianni Bassoは以前、ラテンジャズの記事で紹介しました。アルバムのタイトルが、ずばり『You're my everything』となっています。まだ聴き込めていないのですが、温厚で深みのあるサックスです。イタリアジャズ界の大御所が亡くなってもう6年、早いものです。


相変わらずMiles Davisは50年代の、いわゆる4部作の近辺で留まっています。4部作の中でも評判の高い『RELAXIN'』の中に「You are my everything」が収められています。曲の冒頭ではMilesの渋い肉声と口笛も楽しめます。これまで紹介した他の作品と違って、こちらはバラードです。Miles Davisの切り裂くようなトランペット、John Coltraneの深みのあるサックス、そしてArt Pepperとも組んだ充実のリズムセクション。膨大なMiles Davisの作品に手が回らないのは、まだ十分にこの時代のMilesとオーディオで向き合えていないからです。秋の夜長にミュートトランペットに浸るのもいいかも知れませんね。
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