珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

和室のユニコーンで昭和歌謡を聴く

2018-09-30 11:50:41 | オフ会
秋分の日の23日、1年半ぶりにGRFさんのお宅にお邪魔してきました。同じくご近所にお住いのパグ太郎さんのお宅もハシゴする企画だったのですが、パグ太郎さんのご都合が悪くなり、この日はユニコーンのある和室を独占する状況となりました。単独での訪問となると、凍てつく2013年の2月以来、5年半ぶりとなります。それ以降の訪問では、pat_mthny7205さん、BOさん、そねさんといった方々とご一緒させていただきました。今回は終始センターポジションで、GRFさん愛聴?の昭和歌謡をたっぷり聴くこととなった次第です。

少し早めに到着しましたが、そのまま近くのお蕎麦屋さんでお昼となりました。昼からビールも入り、いつになくリラックスモードです。GRFさんもこの日の路線は最初から決められていたようです。和室は前回訪問から内装を新しくされ、より清々しくなった印象です。1年半前は45度の交差配置でしたが、ユニコーンは定位置に横置きされていました。



機器の変化点はDACで、EMMのMA-1が導入されていました。上位機種と同じ部品を使用していると伺いました。上流のCDトランスポートの影響は受けにくいようで、今回は久々にSONYのMS-1が登場です。下流はいつも通り是枝さんのアンプです。



確認程度に所々でクラシック音源が挟まれましたが、ほぼカジュアル路線かつヴォーカル通しとなりました。まずはお決まりのダイアナ・クラールの「No Moon At All」から。挨拶代わりの1曲目から、いきなり、グイと来ました。この曲はオフ会でよくかかり、家でも聴くので耳タコですが、解像度が半端ありません。描写の細かさにと共に、相変わらずの低音の力感も健在でした。前回訪問の記事でも見通しの良さと音の濃さの両立を書きました。同じ部屋でGRFさんが鳴らされているわけですから、当たり前と言えばそれまでですが。

ダイアナ・クラールの新旧のアルバム、大御所トニー・ベネットとJazzのヴォーカルの王道を聴き、その後、ジャズ、クラシック、POPS系を交えながらの進行となりました。



クラシック音源を聴くと、静けさ、奥行き、音色といったオーディオ的要素が、より伝わってきます。機器のポテンシャルは勿論あるのでしょうが、SPユニットのねじの緩み等も最後に効いてくるといった話がありました。細部の詰めは毎度のことながら勉強になります。アバド&ヨーロッパ管絃楽団によるプロコフィエフの「ピーターと狼」は楽しい作品ですね。ナレーションはスティングです。坂東玉三郎バージョンもあるようですが、ここはスティングで行きたいところです。マーラーの3番の繰り返される低音部、しっかり聴いて来ました。

ベルリンフィルのコンサートライブを映像で楽しんだ後は、お待ちかね?の昭和歌謡オンパレードです。青江三奈は拙宅でアナログの締めとして伊勢佐木町ブルース」をかけることがありますが、ライブそれもラテンは新鮮でした。こちらが本業?と思わせるノリの良さです。意外な発見は、なかにし礼の作品集における、女優さんの歌の上手さでした。地の表現力が活きます。とりわけ大竹しのぶの「人形の家」、平淑恵の「別れの朝」が沁みました。名曲「スカイレストラン」は、私も本家のハイ・ファイ・セットに一票です。



まだまだ続きます。GRFさんと私では20年ほどのジェネレーションギャップがあります。時代が交わるのは70年代となります。私自身は比較的、上の世代の青春ソングにも通じていると自認していますが、テリトリーに限界もあります。美空ひばりは別格として、弘田三枝子、伊東ゆかりあたりが当方の上限です。逆にGRFさんにとっては山口百恵、松田聖子、中森明菜あたりが下限となるようです。従って双方の振れ幅いっぱいの音源を楽しんだんことになります。山口百恵のシングル集は、珍しいCD発売当初の音源で定価は6千円とありました。



陽が落ちてからは、冷酒が登場し、GRFさんの勢いが止まりません(笑)。流石に松尾和子となると私もテリトリー超えとなります。欧陽菲菲の「雨の御堂筋」は個人的にも好きな曲です。小2の頃でしたかね、切ないメロディラインが布団の中でを巡ったこと、今でも憶えています。布施明と尾崎紀世彦の声量も素晴らしかったですが、この日は、ほぼ女性ヴォーカルを聴くこととなりました。今回ご紹介いただいた盤に、GRFさんの意外な一面を感じる方も多いと思います。夕飯時となり、お腹が空いたところで、昭和歌謡の会はお開きとなりました。



GRFさん、お昼前からの長丁場でのオフ会、ありがとうございました。普段はまず聴かないと思われる音源を棚から出していただきました。私が催促したというより、GRFさんが率先して探していたご様子が印象的でした。音自体はクラシックをベースに追い込まれているので、クラシックがかかると俄然、和室の空間が引き締まります。一方で、この日の大半の緩やかな場面も、オーディオの大切な時間だと思います。人それぞれに時間の経過があり、それがオーディオ再生につながっていることを、再認識しました。第2弾は是非、横浜でやりましょう。
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江古田の夜

2018-09-23 06:29:01 | ライブ
15日は、chibiさんにお誘いいただいて、久々のライブでした。6月の拙宅オフ会でchibiさんが持ち込まれた音源に、憂歌団の木村充輝のライブ盤がありました。その日の感想戦で盛り上がり、今回ご一緒することとなっていた次第です。会場は江古田。実は、江古田との接点がこれまで全く無く、記憶の限り初の江古田入りとなりました。江古田は学生の街と言われていますね。池袋が近いので何となく庶民的なイメージもありました。滅多に乗る機会の無い西武池袋線に乗り、江古田駅にてchibiさんと合流しました。

会場のLive in Buddyは駅の目の前でした。chibiさんが整理券を取っていたので、入場もスムーズにいきました。ちょうど中央の6、7列くらいの好ポジションを確保できました。さっそく生ビールでくつろぎます。ここからが長かったのですが・・・。


19:00開場でしたが、しばらく前座が引っ張る展開となりました。結局、御大の登場は20:30でした。この辺はクラシックのコンサートとは違って、アバウトもアバウトです(笑)。しかし冒頭の「Georgia on My Mind」で空気が一変。以後、だみ声のブルースと、大阪弁のトークで盛り上がりました。7、8割は女性客、30~40代が多かったです。木村充輝自身は既に還暦を過ぎていますが、可愛げとやんちゃさが、母性本能をくすぐるのでしょうか?「恋のバカンス」「君といつまでも」「Don't Let Me Down」といったお馴染みの曲も交え2時間あっという間に過ぎました。


私自身、ブルースとの接点が少なく、特に和製ブルースとなると尚更です。オーディオ仲間ではniraさん、KYLYN(キリン)さんがお詳しいですかね。憂歌団の結成は70年代半ばですが、当時は歌謡曲、フォーク、ニューミュージックがメインストリームでブルースは傍らの存在でした。憂歌団と言えば、もう一人の内田勘太郎がバックでアコギを演奏するUAの「アントニオの唄」を記事にしたことがあります。ブルースにはギターとお酒が合います。PAを通した音とは言え、骨太でゆったりしたギターも心地よかったです。当人もステージで3~4杯飲んでました。

終了後、江古田で一杯やりました。事前にchibiさんがピックアップした4軒のうちの一つへ。江古田から横浜へ戻る時間も気にしつつ、感想戦をつづけました。chibiさん、江古田の夜、良かったですねぇ。理屈抜きで笑える、非日常は実に健康的?です。またお願いいたします。
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毛勝山(魚津)

2018-09-15 09:09:56 | その他
9月に入って最初の土日、富山の毛勝山にメンバー2名で登ってきました。台風21号が日本に迫っていましたが、北陸だったせいか、何とか天気は持ってくれました。1日は上信越自動車をひたすら北上し、魚津を目指しました。ちょうど北陸自動車道との合流地点が春日山の近くで、昨年訪問したakahanamizukiさんを思い出しながらの魚津入りとなりました。途中、昨年登頂が叶わなかった雨飾山の美しい姿も見えました。富山は仕事で来ることが何度かありましたが、魚津は宇奈月温泉での家族旅行以来、十数年ぶりでした。

翌日は早朝起きでしたので、早めの夕飯をホテル近くの居酒屋でとりました。富山は何とっても海の幸ですね。刺身、天ぷら、塩辛、氷見うどん・・・、そして冷酒で前夜祭となりました。我々が最初の客でしたが、店を出る頃には満席となっていました。


今回登った毛勝山はなかなかハードな山行でした。標高差2000mを日帰りで往復する長時間歩程です。普通は1000m往復、あるいは1500m登って山小屋宿泊が目安ですから、規格外と言えば規格外です。この夏に敢て丹沢に登ったのは、毛勝山があったからこそです。出だしから急登の連続となりました。ここを我慢すると今度は長い稜線の登りとなりました。幸い、周りの景色が後押しをしてくれました。魚津から富山へ続く市街、その奥には富山湾から能登半島が見えています。海と山の近さは富山の魅力です。


お隣の駒ヶ岳です。駒ヶ岳は全国あちらこちらにありますが、ここは最後に登山者を迎えた駒ヶ岳だそうです。手持ちのガイドには、2001年に登山道が作られた、とあります。


高度を上げるに連れてアルペンムードが高まってきます。と、同時に雲も増えてきました。果たして剣岳の雄姿を見ることができるのか、気にしながら進みます。


途中で現われるいくつかの池は、この辛い登山道のリフレッシュポイントとなっています。最初の池が、モモアセ池(由来不明)です。先を急ぎます。


稜線歩きのシーンで、私の好きな構図です。これで高山植物が見頃で晴天であったらパーフェクトです。そうそう上手くは行きません。


続いてクワガタ池です。これは分かりやすいネーミングです。ここまで来ると、山頂までもうひと踏ん張りです。ただし最後の急登が、既に消耗している体に鞭を打ちます。


何とか毛勝山の山頂に着きました。残念ながら山頂はガスに覆われていて、剣岳を見ることはできませんでしたが、2000mアップした満足感で十分でした。


下山途中で見かけたチングルマです。すっかり花のシーズンは終わりました。花が終わった後の綿毛、更には紅葉も楽しめる人気の高山植物です。


下山行程も想像以上に長く、やはり毛勝山は規格外の山でした。夏のトレーニングが効いたことは間違いありません。この日は黒部市の生地温泉に泊まり、疲れをとることとしました。翌日も北陸方面は晴天で、嵐の前の静けさといった感じもありました。翌朝、旅館の近くの田んぼからの眺めです。中央でどっしりした姿を見せているのが毛勝山で、その右隣に剣岳も見えています。稲穂もいい感じで垂れています。9月に入り着実に季節は進んでいることを感じました。お土産にはしっかり、黒部米を買いました。


黒部市と言えば水です。あちらこちら湧き水が出ていて、観光スポットになっていました。結構、数がありとても回り切れません。いくつか代表的な場所を選んで飲み歩き?しました。微かにピリッとするのは海が近いからでしょうか?


生地駅です。北陸新幹線の開通でJRではなく、第3セクターの「あいの風とやま鉄道」となっていました。新幹線により東京と富山の距離は一気に短くなりましたが、その裏腹の変化はどうしても生じてしまいます。


帰路、親不知に寄ってみました。荒れたイメージがあったのですが、意外にも穏やかな日本海でした。晩夏の海岸にはどことなく寂しさが漂います。


糸魚川から南下し安曇野を経て中央高速で戻りました。安曇野と言えば蕎麦ですね。新蕎麦にはタイミングが早過ぎましたが(というかソバはちょうど花盛りでした)、木崎湖近くのお店で天ぷら蕎麦をいただきました。小谷村~木崎湖辺りは、昨年の山と音楽紀行の記憶が新しいです。この日も雨飾山を眺めることができ、リベンジ欲が湧いてきた次第です。


niraさんからは事前に、夏の富山方面の旅行の情報をいただいていました。絶賛されてましたが、私も同感です。真冬に海越しの立山連峰を見る日はいつ訪れるのでしょうか?寒さを忘れて眺め続けるような気がします。
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ハンコックさんとのサウンド交流

2018-09-08 15:19:03 | オフ会
9月に入り、横浜方面は猛暑から残暑に変わった感があります。いつの間にか蝉の声も大人しくなりました。少し間が空きましたが、8月の最終土曜日の25日、ハンコックさんをのお宅でサウンド交流をさせていただきました。昨年9月以来、約1年ぶりの訪問です。ご一緒はBOさんです。この時はまだ猛暑でしたが、気温に負けない熱いサウンドを聴かせていただきました。ハンコックさん、BOさんともにジャズへの造詣が深く、私は教えていただくことが多かったです。個人的にも、これで秋のオーディオシーズンの開幕です。

最寄り駅から歩いて5分ほどのお宅に着くと、ウォーミングアップのバロック音楽が心地よく響いています。早くもハンコックさんの意気込み、気配のようなものが、オーディオルームに入る前から感じられました。ハンコックさんのシステム、前回からいくつか変化点があります、大きなところでは、OさんのDAC(チップはES9018)導入、そしてレビンソンのパワーアンプNo.23.5L復活です。ラズパイ、レビンソンのプリML-1、そしてメインSPのウィルソンWATT3/Puppy2は健在でした。ハンコックさんも、直近のサウンドは気に入られているようです。


上流の機器です。オラクルのプレイヤー、フェーズメーションのカートリッジ、ES9018搭載のDACを使っているという点で、実は、ハンコックさんと私は共通しています。昨年はラズパイのデジタルアウトをSD05へ直結していましたが、今回はOさんのDAC→ML-1の流れです。


導入して6年になる、レビンソンNo.23.5Lです。修理を2度行ったとハンコックさんのブログに記されています。愛着をお持ちなのでしょうね。オーディオはサウンドが勿論大事ですが、気に入った機器と対峙して得られる高揚感、あるいはリラックス感も大事にしたいところです。


WATT3/Puppy2の内振り配置は今年も同じでした。GRFさんによるトントン(キック?)もあった模様で、その効果も大きかったやに聞いています。ウィルソン+ニアフィールド+内振りと言うと、fukuさんのサウンドを思い出します。この組み合わせ、私にとってもツボかも知れません。


前半はデジタル、後半アナログの流れでジャズを中心にたっぷり聴かせていただきました。POPS,クラシックは冒頭のみでほぼジャズでした。挨拶代わりのSmooth Aceの合唱、浮遊感が心地よかったです(後日、ポチりました)。


ステーシー・ケントはハンコックさんのお気に入りヴォーカリストです。昨年の拙宅開催でも持ち込んでいただきました。チェット・ベイカーは『Chet Baker Sings』からヴォーカルを抜いた盤があったのですね。知りませんでした。


アナログは全てジャズでした。それもオリジナル盤が中心で、私とは気合の入り方が違いますね。ハードバップの、それもメジャー級を中心とした選曲にも感謝です。「I'll close my eyes」「You're my everything」と、お馴染みの曲でトランペットに浸りました。


名盤オンパレード続きます。続いてはピアノです。ハンコックさんはレビンソンが奏でるピアノの音が気にっているようです。オリジナル盤で聴くウィントン;・ケリーいいですねぇ。拙宅でも時々聴いている「Keep It Moving」は、臨場感に溢れていました。


カーティス・フラーの『Blues-ette』に、マイルス・デイビスの『Someday My Prince Will Come』。マイルスはしばらく購入が途絶えてましたが、久々に買うならこれにしようと思いました。ミュートの効いたトランペットは、秋の夜長に合いそうです。


ヴォーカルは耳タコの名盤『Ella & Louis』から。アナログのオリジナル盤は滅多に聴けません。エラのふくよかな声も去ることながら、サッチモの名人芸のようなヴォーカルが印象に残りました。渋い!です。


約1年ぶりのハンコックさんのサウンド、前回より低音の支えがしっかりした印象です。量感と解像度共に進化したように感じました。これはOさんのDAC導入、加えて、レビンソンの復活に依るものと思います。低音の向上はそのまま、音楽の楽しさにつながります。ほぼジャズのプログラムでしたが終始、音楽を楽しませていただきました。クラシックの再生について、ハンコックさんは謙遜されていましたが、持ち込んだピリス演奏のパルティータ(バッハ)では、何とも言えない音の柔らかさ、余韻が広がりました。ずっと聴いていたくなる音でした。

真夏の交流ながら、再生中は冷房を切って、音重視の会となりました。ただし暑さは気になりませんでした。それだけ音楽に入っていたんだと思います。デジタル、アナログはそれぞれの良さがありましたが、意外に拮抗していると思いました。OさんのDACの効果でしょうか。最後は、駅近くの居酒屋に場を移して感想戦でした。約1年ぶりの感想、皆さんのオーディオや交友の近況などを肴に談議を続けました。BOさんも新しいSPを導入されましたね。拙宅のプリHP300 SEはまだまだ試運転といったところです。頃合いを見て、あらためて交流をお願いいたします。

ハンコックさん、BOさん、暑くて熱い、夏の午後をありがとうございました。
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