10月19日~20日にかけて秋の甲斐へ、音&山の旅に出かけてきました。向かったのはPhilewebつながりのケニティーさんのお宅です。台風19号の影響で果たして甲府に辿り着けるのか心配しましたが、前日の18日に普通列車がつながりました。とは言え、高尾~相模湖間は単線でのピストン輸送です。当初の集合時間を守ることはできませんでしたが、何とか30分遅れで甲府に着くことができました。ケニティーさんとは、清水のmerry邸でのオフ会以来、4年ぶりの再会です。待ち合わせ場所で、元気なケニティーさんにお目にかかることが出来ました。
ケニティーさんの愛用のSPはB&W805 Limitedです。中央線沿線にはこの805ユーザーが多く、私もあちらこちらで聴かせていただきました。同じ中央線とは言え、高尾から先は行く機会が限られます。以前より、登山とセットで何とか訪問できないか、と考えていました。事前にメッセージで連絡したところ、快諾をいただきました。805DにQuad Ringを敷かれているのは、genmiさん同様です。SPの配置は以前は内振りでしたが、現在は平行配置です。無理に内振りにせずとも、ヴォーカルの実在感を出せるようになったとのことです。
耳のウォーミングアップ兼ねて1時間ほど聴かせていただいた後、近所のラーメン屋さん「NARU-TO」を紹介いただきました。二人とも特製なるとラーメンを大盛でいただきました。濃厚なスープ、美味しかったです。がっつり行きたくなる時、いまだにあります(笑)。
ケニティーさんのシステムを上流から紹介します。CDはラックスマンD-08、ファイルはマランツのNA7004での再生です。タブレットやスマホで音源を選んで・・・といった利便性はありませんが、ハード構成は極めてシンプルです。USBメモリに格納された音源をリモコン操作で探します。私も操作させていただきましたが直ぐ慣れました。NA7004のD/Aコンバート機能は使わず、デジタル信号をD-08へ送ります。実質、D-08を聴いていた1日、と言えるでしょう。映像系は東芝のBlue-Rayプレイヤーだったと思います。
サンスイのプリメインアンプ、AU-X1111MOSです。一つ前はAU-α907 Limitesを使われていたそうで、ケニティーさんの熱いサンスイ愛を感じます。余談になりますが、私も社会人なり立ての頃、AU-α607ユーザーでした。格が違い過ぎますが(汗)。AU-X1111MOSは、プリ部を通さずにパワー部へ直接アナログ信号(バランス接続)を伝えています。音源に応じてL/Rのボリュームを調整するのは面倒にも思えますが、ケニティーさん、音源毎につまみの位置を記憶されています!プリを通すと、元気が無くなるといったお話でした。
想像通り、女性ヴォーカルが中心になりましたが、合唱や男性ヴォーカル含めて、ケニティーさんのお気に入りの音源を聴かせいただきました。柴田淳は我々の世代からすると『COVER 70's』が知られていますが、本来の彼女の良さはオリジナルにありそうですね。私とケニティーさんでは8つほど年齢差があります。それでも五輪真弓をお好きとは、嬉しい限りです。私がリクエストした「運命」「密会」も気に入っていただけて良かったです。川江美奈子やみんなのうた「数え歌」のお姉さんなど、馴染みの無いアーティストも沢山紹介いただきました。
ケニティーさんの関心はクラシックの室内楽にも向いています。デノン×イタリア合奏団と言えば、録音の良いバロックものが知られています。システムのレベルが上がると、クラシックを聴きたくなるとは良く言われますが、ケニティーさんもその過程にあるようです。
上記のCDにはDVDが付録についています。ただし映像と音が数秒ズレていて、違和感があるとのこと。ここでケニティーさんのサービス精神が出ました。映像とCDを時間差つけて同時再生です。極上の音が載った、リストの「愛の歌」を目と耳で鑑賞しました。
涙腺を刺激されたのが、こちら。吉田拓郎&かぐや姫の、つま恋でのライブ(2006年)です。「永遠の嘘をついてくれ」で中島みゆき、ご本人が登場です。時代を代表するアーティスト同士のサプライズ共演には、弱いのです。1曲歌って颯爽と退場。カッコよすぎです。
竹内まりやの最新アルバム『Turntable』です。岡田有希子に提供した「憧れ」をリクエストしました。音や歌い方をとれば、提供側の方が洗練されています。一方で当時のアイドルが放っていた初々しさ、ぎこちなさ、せつなさは、別ものであることに気づきます。
ケニティーさんのサウンドをまとめておきます。まず驚いたのが低域の量感です。膨らむこと無く、しっかり解像しています。AU-X1111MOSが効いているのでしょうね。その低音に負けないヴォーカルの主張も見事でした。プリを通さないことで、音のが素のまま目の前に提示される印象です。私もヴォーカル好きですが、好みよりは近めで歌っている感じです。これは個々人の好みの問題です。持ち込んだ弦楽四重奏(ハイドン/アルバ・ベルク)も広がり、分離十分で、部屋全体を鳴らしていることが判りました。平行法とルームチューンの合わせ技の成果です。
締めは甲府駅近く「四文屋」にて感想戦です。ビールをハイペースで飲まれるケニティーさんとの、オーディオ談義、音楽談議が続きました。最後の方はお気に入りの音源を紹介しあうモードになっていましたね。下火だったオーディオ熱が復活したこと、オーディオより音楽を重視されていること、「みんなのうた」の影響を受けたこと等、共通点が多く、こちらも熱が入ってしまいました。最近は五輪真弓を越えて美空ひばりが視界に入っているそうで、頼もしいです。次回、横浜にて、思い出の曲を聴いていただこうと思います。
ケニティーさん、楽しい甲斐路の1日をご一緒させていただき、ありがとうございました。